○
松浦(利)
委員 いまの問題はあとから
山口先生のほうから詳しく指摘があると思いますので、私の
質問はそのことについてはいまお聞きした
程度で、
日本列島改造に書いてありますから、そのことについて確認をさせていただいて省略をさせていただきたいと思います。
そこでもう
一つ問題になりますのは、
ダムと環境の問題であります。
全国的に五百八十カ所も
ダムをつくりますと、当然いろいろと環境の問題が出てきます。私の言うのは
河川そのものの環境の問題であります。周辺環境ではなくて、
ダムをつくることによる
河川そのものの環境です。いま私の手元に、電気
事業連合会、電源
開発株式会社、住友共同電力株式会社、公営電気経営者
会議「第七回
利水ダム管理資料」というのが来ております。その中で、それを
中心として「貯水池水質
調査中間報告」電力会社土木保守課長
会議、
ダム保守研究
会議というもののデータがここに出されてきておるわけです。最近
ダムをつくることによって
河川が汚濁をする。そのために
農業用水にも重大な影響を与える、あるいは上水道自体にもたいへんな、薬品投入その他の苦労をかける、そういった状態が出てきておるわけですが、特にその中で、
ダムをつくることによって
河川が汚濁をするという問題がいま重要な問題になっておるのです。私はしろうとでありますから詳しいことはわかりませんが、「貯水池水の流動形態」という中で成層型A、成層型B、あるいは混合型B、こういった形で、貯水されておる水の形態を分類しておられるわけであります。その中で、特に
ダムをつくることによって汚濁する現象というのは、成層型A及び混合型Bの貯水池に顕著にあらわれておる。その第一原因は池水の交換機会が長いということと、成層型の貯水池では——これは前回申し上げた私の郷里の一ッ瀬貯水池の例でありますが、中間流の形成によって懸濁物質の沈降が阻止される。要するに表面水の温度と底面の温度とが非常に格差があるために懸濁物資が沈でんせずにそのまま浮遊をしておる。それが放出取水口から出されるために
農業用水その他にもたいへんな障害を与えておる。そういうことがここに記載をされておる。しかもその研究結果はいまだ不十分である。これからこういった問題についてさらに研究していかなければならぬ。こう書いてあるのですが、実質的に五百八十もずっと
ダムをつくってまいりまして、いま出ておるこういった
河川の汚濁、特に懸濁物資が、土粒が
河川をどんどんと流れ回る、こういった事態になったらこれはたいへんな環境破壊だと思うのです。こういった問題について一体どれほど
河川局のほうでは現在研究され解決する努力をしておられるのか。
現実にいまあるものについて解決されたのかどうか。これが
一つであります。
それからもう
一つの
問題点は、実はそれぞれの各電力会社の
ダムについてここに書いてあるのですが、当初の
計画水位に従って用地補償その他をやって移転をさせた。ところが河床が上がることによって
計画水位がさらに上に上がる、従来の水位よりもさらに上がる。そのために、
ダムができたあと移転をしなければならぬ、あるいは道路のつけかえをしなければならぬというような事態が
全国至るところに、
利水ダム管理資料の中に出てきておる、それぞれの各電力会社ごとに。これは
開発その他の国の機関についてのものは除外されておりますね。こういった問題について一体どういうふうに解決しようとするのか。いまここにある
法律というのは
ダムをつくるときの補償の
基準。ところが
ダムをつくったあと、河床が上がるために
計画水位が上がることによってまた二次的に出ていかなければならない
住民というものが非常に多い。その場合には、これに書いてありますけれ
ども、解決のしかたとしては全部金銭で解決しておる。このことも
ダムをつくるときに忘れてはならない大切な問題だと思う。
この二つについて、
建設省のほうはどういうふうに判断され、どういうふうに対処しようとするのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
〔
委員長退席、村田
委員長代理着席〕