○松浦(利)委員 東京
木材市場株式会社にあなたと一緒に
調査に行ったのですが、そのときに、二回の
値上がりがあるのですね。昨年の七月、八月に上昇して、十月以降急に上昇したのですね。去年一年間を通じて
木材の上昇が二つあるわけです。どうもこの七、八月の上昇というのが人為的な上昇
——あなたがいま言ったように、四十五年から非常に景気が悪かったという
関係で、
木材の市況はずっと悪かったわけですね。そこに景気回復という動きが出てきたので、七、八月に人為的に材の値上げが行なわれておるのですね。その次に、いま言ったように、つゆが明けて、住宅ローン、金融
緩和による十月、十一月の住宅の集中
建設ということでまたずっと垂直に
価格が上昇しておるのですね。この七月、八月の
価格の上昇について、なぜ上がったかということを
林野庁では実質的に
調査してみたのですか。いま言ったのは十月後半の垂直に上昇したときのことをあなたは答弁しておるのだけれ
ども、その引き金になっておる七、八月ごろの上昇については一つも言っておらないでしょう。このときにはまだ住宅
建設が集中的にきておらないのだから、これは明らかにここで投機に走っておるのじゃないですか。国内材についてここで投機が行なわれておるのじゃないですか。そういったことについて
林野庁は一つも
調査してないでしょう。したというならしたということをはっきりしてもらえばいいのだけれ
ども、現実にしておらない。これはあなたも一緒に行ったのだから、ここで、いや、しましたと言うわけにはいかぬと思うのですね。実際にこうした
木材行政一つとってみても、
価格が非常に上がった上がったという宣伝はするけれ
ども、一体その
価格上昇の原因がどこにあるかということを具体的に
調査しておらないでしょう。それが私は
政府の怠慢だというのです。
しかも、外材の
輸入を見るときに、船が材を運んできたときの滞船期間を見るのが一番いいのですね。港に入ったけれ
ども木材がおろせない。おろせないのは結局水中、水面貯蔵庫にたくさん材があるから流動しないでとまるわけです。それが、これを調べてみると
——これは
日本木材輸入協会から出された
資料だけれ
ども、調べてみると十月から十二月は何と東京港においては七日ほど滞船しておるのですね。入った船が長いやつで七日、早いやつでも三日、そういうふうに十月から以降は滞船期間が非常に長いという滞船データが出ておるわけです。こういった事実を見たときは
——ほんとうなら二カ月半あったら材は動くというのですね。検疫が済んで、そうして通関を通って市場に出る。ところがその二・四カ月で流れなかったのですね。だからどこかでストックされた、その流れをとめるところがあった、通関を出たところでとめられた、だから移動しない、こういう
状態がこの滞船経過を見ただけでもわかるのですね。
それから大蔵省の通関統計を調べてみますと、大蔵省の外材
輸入の通関による
価格は一体どれくらいかということを調べてみますと、そんなに
値上がりしておらないのですよ。去年の十二月までの
価格は、ここに通関統計の
資料があるから見ればわかる。上がっておらない。ところが実際にはこれが国内でずっと上がっておるというのは、これから
商社が先付するアメリカ材なりあるいは南洋材等が
値上がりをするという、そういうことを考慮して、すでに安く買い入れた外材についてもここで
価格を引き上げるという操作を行なったのでしょう。確かにいま入ってくる外材の
値段が高いということは事実です。去年の十二月よりも高いことは事実です。しかし十二月に入ってきた外材というのは安いときにすでに買い付けたやつだ。ところがこれが市場に出たときにはすでにそういった外国の
値上がりムードが反映して、国際インフレの傾向があらわれてこれ自体も引き上げたという経過がここに現実に
数字として出ておる。
私はこの前も予算
委員会で文句を言ったのですが、いまの建築材が
値上がりをしておるということは
政府は宣伝をするのですよ。なぜ
値上がりをしたかという原因については一つも調べようとしないでしょうむこれが私は問題だと思うのです。ほんとうに
政府がこういった
値上がりについて規制を加えようという腹があれば、あなた方が率先して調べに回って、あるいは通関統計を見て調べればすぐ原因が解明できる。すぐ
対策が打てる。そういったことを放置しておるから消費者が泣かされるんだと私は思うのです。だから、
林野庁のあなたに明確に答えていただきたいのは、こうした事実を見て、一体外材の
価格上昇の原因等についてすでに
調査に入っておるのか。そうして国民に向かって、この外材の
値上がりその他について押えるという意思が現実に
林野庁行政の中にあるのかどうか。その点ひとつ
——まあ
課長さん、私と一緒に
調査に行ったのだからくどいようだけれ
ども、行かぬから私
どもが連れていったのだから、その点はっきり答えてください。