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愛知国務大臣 四十六
年度についてまず三点の
お尋ねでございますが、第一点は、四十六年産米の生産者米価が
決定されますときに、米の品質の向上と自主流通制度の円滑な推進をはからなければならないということで、
自主流通米について支払うことをきめたものでございますが、これは、御案内のように、優良銘柄米の供給促進をはかるということについては、四十六
年度予算編成のときにはそこまでは予見いたしていなかった事柄でございまして、こうした目的のために、かつ米価を
決定しなければならないという時間的な要素もございますので、
一般会計の
予備費にこの
支出のもとを求めたというのが当時の
政府の
態度でございます。
それから第二の繊維対策の百三十億円の問題は、これまた日米間の繊維の
交渉というものが、率直に言って期待するような結果に終わらなかった。これに関連して、産地は集中しているし、やはり急速に対策を講じていかなければならないということで、やはり
予算編成の当時にはそういった日米
交渉の結果が予見はされませんでしたし、かつ急速に必要とするということで、かような
支出を
政府として
決定をいたした次第でございます。
それから第三点の、
人件費の中の
北海道開発庁の退職金の問題でございます。
北海道開発庁の四十六
年度の
退職手当の
支出実績は、三百五十五人分で十一億八千万円であり、既定の
予算額八億四千万円を相当超過しておるわけでございますから、それは一体どういうわけかというわけでございますが、これは、
退職者の数というよりはむしろ
退職者一人当たりの支給額が多かったということが原因のようでございます。
これらに通じて言えるかと思いますことは、
財政法の予見しがたい
予算の
不足ということについてでございますけれども、事項も金額もともに予見しがたいということもございますし、事項は予見し得たけれども、その金額については予測が困難であったというものも、この
財政法の二十四条は
規定していると思われるのでございまして、こういった
財政法上の解釈を慎重に検討いたしましてこれらの処置をいたしたいのでございます。
それから、四十七
年度の第一の御
指摘の点は、
水産庁関係の
サケ・
マス、ニシンその他の国内
措置の問題でございますけれども、これまた、お話にもございましたように、日ソの
漁業交渉が、当時わがほうが予想した結果にはならなかった、そこで国内の
措置を急がなければならないということで、
一般会計の
予備費から
支出をすることにいたしたわけでございまして、やはりこれは
予備費の
支出として妥当であると
政府としては認めたわけでございます。
それから四十七
年度の第二点は、やはり米の問題でございますが、四十七
年度の指定銘柄米の奨励金、それから
自主流通米の一そうの流通促進のための奨励金、これまた四十七年の産米の米価
決定の際に
決定されたものでございまして、四十七
年度におきましても、ここまでは
予算編成のときに予見をしておりませんでしたために、
予備費使用ということに相なったものでございます。
総じて
芳賀さんの御心配をいただいております点は、このようなものは
政策的な
経費ではないだろうか、これは
予備費の性格上おかしいのではないかという御意見でございますけれども、先ほどもちょっと私も言及いたしたのでございますけれども、
予備費使用については、
政府としても厳粛に扱わなければならない、その鉄則はあくまで守ります。が、同時に、たとえば対外
関係とかあるいは国内のいろいろの点から申しましても、
財政に対する需要がきわめて流動的、複雑になっておるこういう
状況からいって、ある
程度の
予備費というものは、
編成のときには予測しないけれども、何か起こるかもしれないというときに備えて、相当額の
予備費は計上しなければならないのが当世の
状況ではなかろうかと思います。こういった
状況に対処いたしまして、
予備費の
使用ということを厳粛に扱いつつ
支出をきめておるわけでございまして、その辺の
事情というものもひとつ御理解をいただきたいと思います。
また、今後のやり方等につきましては、
国会のこうした御
審議を通じていろいろの御意見をいただきますことが、今後の
予備費支出にさらに一そうの参考になる、私はこういうふうに考えまして、今後も誤りなき
使用方法というものに十分注意をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。