○山原
委員 排水基準もまだない状態の中で、ここでも温排水の問題について影響がないということが書かれておりますけれ
ども、私はどうもまだ納得できないのですね。たとえばカレイとかアジ、タイ等の沿岸漁種の問題につきましても、ちょっと時間がありませんから詳しく申し上げることはできませんが、基準もない状態で――基準もないということは、科学的にその基準を設定する条件がまだ整っていないということだと思うのですがね。そういう中で、安全だ、心配ないんだということが一体どこから出てくるのかというと、これはいわばかなり感覚的な問題になってくると思いますね。そういうこともやはり住民を納得させ得ない条件にもなっておるのではないかと思うのです。隣接漁業の漁業権の問題もありますし、それからそのほかに魚介類の問題、あるいはこの地方における特産物であるミカンの問題など、環境問題というのが非常に重要な問題でございまして、その点についてはどうも決定書を見ましても私は説得力がないと思うのです。
それから、少し時間が過ぎて申しわけありませんが、最後に入りたいと思います。
先ほど
湯山先生からもお話がございましたように、
公聴会などの問題も出ました。私はこの間決算
委員会におきまして、四国
電力のやってきたいろいろのいわゆる世論工作ですね、そういうものの一つの例として、今回四国
電力が電気料値上げ申請をしています。それが七月の十六日、十七日、一昨日、昨日までですね、香川県庁でこれに対する
公聴会が行なわれた。その
公聴会にあたりまして、四国
電力側が
公聴会に出席する公述人の工作をやっている。その中身というのは、大体公述人を
通産省のほうへ申請する場合、こういう中身で書きなさいという見本を出している。四国
電力は十九年間電気料値上げをしなかったからそれはわかるけれ
ども、しかし少し値上げをすることはやむを得まいというような賛成の見本を出しているということを私は
指摘したのです。そうしましたら、四国
電力側ではそんなものを出したことはない、こう言い張っておるそうです。
しかし、実際一昨日、昨日と高松の香川県庁で行なわれました
公聴会の公述人の
通産省への申請
状況を見ますと、八百九十一名の異常な申請者がおるわけです。その中で何と電気料値上げ賛成者は七対一の比率になっています。現在
電力料金の値上げというものについて、四国のたしか四県の県議会の与野党含めて満場一致で反対を決定しておる。商工
会議所あるいは農業団体その他中小商工業者に至るまで、電気料金の値上げは困るといっておるこの現実の問題がありますのに、公述人は七対一、七のほうが賛成者です。一が反対者。こういう結果が出ておりまして、そして中曽根
通産大臣のほうにお聞きしますと、百名の公述人をその中から選ぶ。その百名の選び方というのは五十名までは賛成、反対半分半分、それからあとの五十名については、公述人希望者の中の賛否の比率をつくるというわけですね。そうしますと、四国において
公聴会を開きまして三電気料値上げ賛成という世論構成がばっとできるわけです。こういうことは何と
考えても、ふしぎ千万なことでありますけれ
ども、そういうことが現実に行なわれて、きのう
公聴会が行なわれているのです。そうすると、四国の住民は四国
電力電気料値上げに賛成という結論が出てくるわけです。こういうことをやっておる企業なんです。
だから私は、そういう点もやはり
考えておかないとたいへんな失敗をする。そして常に国も企業側の
立場に立つという不信感が住民の中に生まれてくるのは当然です。しかも電気料金の値上げというのは、赤字が出ておるから値上げをするんだというこれ一点張りですね。しかも配当は一割をずっと続けておりますから、さっぱりわからない。赤字だと言っておるのに、今度は
伊方の原発においてはわざわざさらに赤字が拡大するであろう塩水の淡水化という問題が出てくる。もうコストが高くなることがわかっておるこのコスト高の淡水化問題が突然三月二十八日に出てくる。赤字はますます拡大する。そういうことになるわけでしょう。そうすると、四国
電力の将来のことを
考えましたら、必ず地下用水を取るということに転化することは必至だと思う。そういう状態があります。
だから、
湯山先生が
質問されたように、将来において淡水化問題はやめて、今度はまた保内町から地下水を取るんだというような申請が出てきた場合には国はどうするのかという
質問が出るのは当然のことなんです。こういう経過というものもやっぱり私は知っておかなければなりませんし、そういう企業の横暴さというもの、これがものすごい住民の不安を買っておるという、この企業に対して、行政が
ほんとうに厳正なきびしい態度をとるというのは絶対必要なんです。そのことを申し上げておきたいと思います。
不安解消のためにはこのことを私はぜひともやっていただきたい。
いま
湯山さんが言われましたように、
公聴会については、
伊方等の場合には
公聴会をやらないと皆さんは言っているわけです。しかし、
ほんとうに住民の不安がどこにあるか、どういう問題が残っておるのか、これを精査して、そしてこれは解消できる、この点は解消できないけれ
どもこういう説得方法があるとか、この点はどんなに
説明しても納得してもらえないだろうとかいうような、幾つかの住民の不安に対して、
ほんとうに企業の側に立つのではなくして、国が特に
科学技術庁があるいは
通産省その他と話し合いをしまして、それを十分に聞いて、それに対する適切な処置を講じていく、場合によっては
通産省あるいは
科学技術庁、環境庁あるいは水産庁などが一緒になって現地へ乗り込んで、そして住民の方々の
意見を聞き、それを整理をして解決していくという、そういう大胆な態度をとらなければ、こんな決定書などという木で鼻をくくったようなことで問題が解決できるはずはないのです。しかも、いままで
原子力発電所は高度経済成長政策の路線に乗っているわけでしょう。そうしてきて、いま公害問題でこれではいかぬという、
日本の国民的な気持ちがここまできておるときに、依然たるいままでのままの態度で対処することは、私は絶対反対でございまして、そういう
意味でどういう態度を具体的にとられるのか最後に
長官に伺っておきたいのです。