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湯山委員 これはさっきのように保内町からの取水はしないとか、そのほか不十分なところもあるし、まだ解明されてない点もあるし、これで納得せいと言っても納得しないと思うのです。そのことはよくおわかりだと思います。だからやはりこの異議の申し立てというのは、住民がああやってやってきておるのだから、この人たちに納得できるものでなければ
意味はありません。そのことをどうするかということの御検討を願いたい。
それから、最後ですから特に申し上げたいのは、実は前に農林でも申し上げましたが、私自身も
原子力基本法のときには、前田長官らと御一緒にいまして、当時海野という工学博士の
先生がおりました。二人が出まして、議員提案でしたから、いまの通産
大臣が説明にきて、そこで審議して、われわれも賛成したわけです、あの基本法には。それはなぜ賛成したかというと、問題はありました。というのは、公社をつくって燃料は管理する。出たものも管理する。しかし、まん中のほんとうの発電の事業というものは民間の事業にまかす。それは不安ではないか。むしろそこも公社でやったらどうかということを申し述べたし、それからウラニウムもどうせ限度がある。将来は核融合反応をエネルギー化することをすみやかに研究すべきだというような意見を述べたり、討論をしたりして賛成したわけでした。というのは、当時の中曽根氏は、長官じゃなかったですけれども、議員提案でしたから、自主、民主、公開の三原則を守らす、これを守るから御指摘のような御
心配はありませんということでしたが、はたして守られているかどうかというと、私はいまのようなのでも民主的じゃないと思うのです、この出し方は。この出し方、このあり方というものは決して民主的ではない。
原子力の専門家でない私が、きのういただいて、ぱっと見て、やはり納得できないというところが非常に多い。
それから、自主、公開の問題は、先般この
委員会でも内田という
先生ですか、
御存じだか知りませんが、安全審査会の
会議録は公開しないということをはっきり言っておられましたけれども、これは局長、聞いておられましたか。いま
細谷さんの
質問がありましたが、内田という
先生は、
会議録は公開しない、はっきりここで言っておられるのです。言われたのは商業上の秘密とかなんとかいうことがありましたが、そう言っております。これも私は公開の原則に反すると思います。
それから、さっきいろいろアメリカの人の話がありましたが、向こうから買い入れておる
関係上、そういう点で発表できない
部分もあるということは、聞きもいたしましたし、正規に御
答弁もありました。そうすると、自主の問題、公開の問題、これはやはり侵されている。そうすると、完全に民主的であるか、完全に公開されているか、完全自主か、いずれもそうなってないのです。ここに非常に大きい問題がある。このどれでも欠けた場合にはこれをとめるというのでなければ、この原則はほんとうに貫けない。このことをあらためてお考え願いたいと思うのです。
ついでにもう
一つ申し上げさせていただくと、こういうのはこうばらばらに電力
会社がやっておったのでは、あそこにやったんだ、こっちもやらぬとこけんにかかわる。プライドにかかわるというので、無理な競争がありはしないか。もっとこれ、
原子力行政というのは一元化して、こういう
会社間の競争のような形のものをなくすることもやらなければならないし、それからきょうもお聞きしてみてですが、私はひょっとすると、言い方は詰めておるだろうけれども、科学
技術庁や通産省におる役人の皆さんよりもすぐれた、個人じゃなくてスタッフを、むしろ
会社のほうが持っているのじゃないか。それでは監督も何もできません。いまの
細谷さんの
質問のようなことがここで出されても、あなた方は向こうの
会社のそういう研究スタッフがやったことについて批判ができない。それはどうだと言うことができないというのは、今日日本の科学
技術者の大
部分は民間企業へ行っておって、昔のように、学校や役所には、民間へ行っておるのの半分もいないでしょう。そして潤沢な研究費でやっておって、それと皆さんが太刀打ちするということは不可能だと思うのです。科学
技術行政というのはそこらをしっかりお考えになって、うんと待遇して、いい人をたくさん科学
技術庁へ入れなかったら、絶対にうまくいかぬはずです。危険防止はできません。安全審査はできない。その辺を、ほんとうに
大臣、ほかのことをなさらなくていいですから、ここは居眠りしておっていいですから、いい
技術者、科学者を、ほんとうに民間企業のそれに対抗しても一歩もひけをとらない人を、うんと待遇をよくして採る、これを
大臣に一番やってもらいたいと思うのです。
大臣の御所見を伺いたいと思います。