○瀬崎委員 私は、通産省のやることについてここでとやかく言おうと思わないのですけれども、はたしてそういう体制で、この埋め立てと汚染との科学的な因果関係というものについて、政治的な一切の考慮なしに結果が生まれるかどうかという点については、私なりの
考えはあるわけなんです。時間もありませんから、それだけ申し上げておきます。
その点で、いろいろ出てくる問題を総合して、
ほんとうに瀬戸内海の
環境保全が進められるような科学的調査
研究というものを進める体制としては、いま行なわれている
推進会議のような中で、分科会が四つほどつくられてやるというだけでいいのかどうかという点で、わりと正しい指摘をしていると思うのです。十二月十七日に
環境庁が出しております第二分科会の中間報告ですね。これはちょっと長い文章ですが、読んでみますと、「瀬戸内海の水質汚濁問題は、瀬戸内海が内海という特殊
環境にある
ため、その汚染を局地的な問題として把えるべきでなく広域的な汚染問題として
処理していかなければならない。しかし、瀬戸内海の調査は従来東京湾および大阪湾等で手がけてきた単位では
考えられない超大型プロジェクトであり、かつその汚濁メカニズムは、内海の潮流、降雨状況、風向、地形、外洋の黒潮の状況等数多くの条件によって支配され、極めて複雑なパターンを示し、その調査
研究は
技術的に多くの解決困難な問題点を有する
ため、長期的な視点に立ち、種々の角度から検討を行なっていかなければならないといえよう。その
ため、各省庁により、水質汚濁の実態究明およびメカニズム解明の調査
研究が立案され、科学的な手法による検討が進められてきたところである。これらの調査
研究は、それぞれ瀬戸内海の水質汚濁メカニズムの解明に有効なものであるが、個々ばらばらに行なわれたのでは、効率的な運営が期し難いと
考えられるので、」「有機的な連けいを保たせつつ有意義かつ効果的な調査
研究の
推進を図ることとする。」こうなっておる。これはまさにそのとおりだと思うのです。
問題は、この
推進会議の構成がそれにこたえているかどうかというふうな点について
考える必要があると思う。確かに、
環境庁が中心になって――先ほど言いましたような、科学的な面だけで
考えられない社会的要素がいろいろあります。そういう点については、それなりに
環境庁中心に考慮されたらいいけれども、そういう考慮をする必要のない
科学技術者の集団で行なう
科学技術的な調査については、やはり
長官が一ぺん、
意見も出しながら、また出せる権限もあるんだから、
考えていただきたいと思います。
いまの
推進会議のメンバーを見ますと、議長でしたか副議長でしたかね、それから委員、全部各省庁のえらいさんばっかりが並んでいるわけですね。
科学技術者というのは全然顔を出していないわけです。その下にいらっしゃるんでしょうけれども、それにしたかてどの程度――瀬戸内海の問題についていままで
研究してこられた
学者なり関心のある
学者なりを結集し得ているかどうかという点になったら疑問だし、地方自治体の総力が集められているかどうかも疑問だし、あるいは報道関係の人たちの中でも
相当これを
研究している人もあるというふうな点で、
ほんとうに
研究を進めようというのなら、いま一度そこらを検討し直される必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。これは
科学技術的な側面についてのお答えでけっこうです。