○小林(信)
委員 大臣がかみ合わなかったというふうにおっしゃったのですが、私と
大臣の話がかみ合わない。私のほうでもかみ合わないと思っておったのですが、それは、私のほうは公害をあくまでも引っぱり込もうとするのが、
大臣のほうはあくまでも
港湾というような
運輸省的な範疇におられるのでかみ合わなかったのですが、いま初めてかみ合ってきた。というのは、
大臣のおっしゃるとおり、河川がよごれてくれば、それはみな
港湾へ流れ込んでくるわけですよ。あるいは工場の廃棄物はみんな
港湾へ出てくるわけです。それがたまってどろがたまってくるわけですからね。そういうものをあなたのところでもって全部責任を負うとなれば、各省がやっていることはでたらめであって、あなたのところだけ一生懸命やったってこれはやはり解決しないわけで、それは話し合いするどころじゃない。いまの通産省あたりが相当厳重な抗議をしなければ、やはりその原因を除去してこなければ、幾ら
港湾を整備しようとしたってだめなんです。通産省なんかは一面生産をしろという督励をしなければならぬ面があります。そういうふうなことがありますからどうしても、私
どもが見たところでは、十分な世話をやかない。やはり
企業のほうがなかなかじょうずですよ。
例を申し上げれば、名古屋港を私
ども視察をしたときがございます。新
日本製鉄なんというのは
企業の先頭に立つところですね。だから、私
どもが視察をするときには、工場内を非常に整備して、もう公害なんということは私のところからは絶対に出ません、名古屋港の上空の大気がもし汚染いたしましても、私のところには責任はありません、
港湾がどんなにどろがたまっても私のところには責任はありませんと言う。私はその点をたしなめたんですよ。自分のところだけよくなればいいというそんな
考え方で
日本の公害は除去できませんよ、先頭に立つあなた方が、自分のところは整備したけれ
ども、ほかのところが整備されないからこんな状態であるという
考え方で公害に取っ組まなければならない、また
企業にはそれだけの責任があるということを言ったほどなんです。いろいろデータを見せるときにはなかなかりっぱです。ところがそのあした、
港湾の中の実態を調査しようと思って海上保安庁の船へ乗って中を見ました。そうしたら新
日本製鉄、きのうは盛んに水をかけておった鉄鉱石
——あの粉じんというのは相当公害を起こすわけですね。だから粉じんは絶対に出しませんというその鉱石の山から、赤い煙がどんどんと出ているわけです。それからあとで公明党さんがこの問題から糾明したのですが、私のところの排水は、全部処理場がありまして、そこでもって科学的に処理して、その水はまた還元して工場で使います。ところが公明党さんが調査しましたら、その処理場の下のほうに穴があいていて、その穴から
港湾のほうに排水が抜け出るようになっておった。私は真実は知りませんが、そういう話題を聞いたほどです。
そういうふうにまだまだ、公害問題と真剣に取り組んでおるとはいいますけれ
ども、業者はもうけんためには公害問題にはきわめて消極的なんです。そういうものを通産省はかかえているわけでしょう。そこでしっかり取り締まってくれれば、
港湾の整備というものも、あなた方が努力すれば努力のしがいがあります。そういう事例を私はいまわずかな時間ですから申し上げることができませんが、
大臣のおっしゃったとおり、単に自分の職務だというふうな
考え方でもってこの
趣旨説明の大事な部面を
考えておったのでは、
港湾はきれいにならないと私は思う。それこそ各省同じ
立場でもって問題を
考えるような督励をしなければ、私は解決できないと思うのです。それにしても
運輸省が積極的に何かに取り組まなければ、私は各省も動かぬと思うのです。
いまもおっしゃったのですが、
港湾のしゅんせつの問題ですね、これはもう相当
計画が進んでいるのですか。