○新谷国務大臣 東京国際空港の議が出ましてから大臣は十人かわっておるそうです。
お話しのように、これは初めの計画が無理だったのかあるいはやり方が悪かったのか、いまになると
一つ一つこれを振り返って反省することはできないことはございませんが、要するに、われわれは初めに国民の方々にも期待を持たれ、また当
委員会におきましても関係
法律案を通過させていただいて着手することになったわけですから、一日も早くその成果をあげるようにするのが当面のわれわれの責任であるということは痛感しております。
今日までなぜおくれたかということはたびたびこの
委員会でも申し上げたかと思いますが、大体御承知のことではございましょうが、一応その点について御報告いたしますと、空港公団ができて、公団が窓口になりまして新空港の開港に至りますまでの間のいろいろ具体的な措置を担当することになったわけでございます。中には運輸省が公団にまかせっきりで何もしなかったじゃないか、こういうことを言われる方がございますが、実はそうじゃございませんで、公団が何か具体的措置をしようと思いますときには必ず運輸省に相談がございました。両者が協議した上で最適と思われるような
方法をとってきたことは事実のようでございます。しかし、その後当初の計画に沿って計画を進めてまいろうといたしましたときに一番
問題なのは、現地において空港開設についていろいろ血なまぐさい
事件が起こったこともございますけれども、われわれ事務的に考えまして一番大きな
問題だったのは、今日でもまだ続いておるわけでございますが、
航空機の燃料を輸送いたしますパイプラインの
問題でございます。これは本格的に申しますと、千葉市を通ってこの空港までパイプラインを引いて必要な
航空燃料の供給をしようという案でございましたが、これには、私が報告を聞いたところによりますと、二つの非常な難点が出てまいりまして行き詰まっておるわけでございます。
その
一つは、千葉市内を通りますパイプラインというものにつきまして、地元住民から非常な反対が出まして、これはどうしてもここを通しては困るということ、これについても公団もそれから関係の、名前を申し上げるのをはばかりますけれども、地方自治体の方々も非常に説得に努力してくださいましたが、今日までまだ打開の道が開けません。
それからもう
一つ、これは絶対的に不可能とは申しませんけれども、工事を施行します上において非常にむずかしい
問題が出てまいりました。たとえば、鉄道と交錯するとかあるいは河川と交錯するとかいうような
問題が出まして、その工事を予定の路線に従ってやりますのに非常な困難にぶつかったということが
一つあるようでございます。しかし、主たる理由は地元の住民のこれに対する拒否反応でございます。一方、空港の設備はだんだんにできてまいりまして、本年度末までには空港のターミナルビルその他設備のほうは大体でき上がるということになってきているようでございます。しかし
航空燃料の輸送ができませんと、これは飛行機を飛ばすわけにいきません。でございますから、そういう本格的な
航空燃料の輸送計画はなかなか手につきませんので、暫定的な
航空燃料の輸送
方法を考えざるを得ないということになりまして、昨年来その点について運輸省、空港公団それから関係の地方自治体等と非常な精力的な折衝を続けておるのでございます。だんだん
問題点がしぼられてきております。ただこれはお願いしたいのですが、どこにどういう
問題があって、それをどうしたんだ、どうするんだということになりますと、一般的にそれが公表されるようなことになりますと非常に刺激する部分が多いのでありまして、現に先月でございましたか、最近も内容的にはある程度まで話が妥結しておったにもかかわらず、そういったことが報道されましたためにしばらくストップをしようというようなことになりまして、思わざる障害が起こってくるのでございまして、この点は具体的に申し上げたいのですけれども、そういうことでございますから、もう少し具体的に申し上げることについては御容赦をいただきたいのでございます。しかし
問題点は三つほどございます。そういうような
問題につきまして、実は私は国会のほうへこうして毎日毎日出ておるものですから、政務次官に特命をいたしまして
——私が出るときはいつでも出ます。しかし政務次官が中心になってこの具体的な推進策をやってもらいたいということにいたしまして、政務次官は非常に真剣にこの計画に取り組んでくれております。その結果、いま申し上げましたように三つ四つの
問題が残っておりますけれども、打開の可能性が出てまいっておりまして、実はこういうことは
委員会で申し上げていいかどうかわかりませんが、この
問題につきまして運輸省といたしましては毎日午後五時には政務次官の部屋に空港公団の総裁から
局長、関係者が全部集まりまして、その日の進行
状況を報告し合い、翌日お互いにどうすべきかということについて、毎日対策を練りながら推進策を講じておるような次第でございまして、決してこれをなおざりにし、おくれるのをいたずらに放置しているような
状態ではございません。何とかしてわれわれの責任を果たしたいということで熱意を込めましてやっておるのでございまして、その点はひとつ御了察をいただきたいと思います。これの
結論が出ますのは、私はいまここで何月ということは申し上げにくいのでございますが、そんなに遠くない時期にある程度の
結論を得まして御報告を申し上げられるような段階になるのではないかということをひそかに期待をしておるのでございます。