○
福田(繁)
委員 きょうは
小渕政務次官殿もいらっしゃって、
昭和四十五
年度の
建設省所管の
決算内容を初めて当
委員会で伺うことができたわけなんで、勢い私は、その節
建設省所管に関して、できれば大臣も来てもろうて御質問を申し上げよう、こういうように考えておったのですが、ちょうど災害対策の採決がありまして、一番大事な時分に中座しまして、災害対策の
委員長である
高田君が非常に妙を得た御質問を先ほどから長々と御展開されておったわけなんです。こちらで質問しようとすることを、私は採決で
高田委員長の手元へ行っておったわけなんで、中座して非常に残念に存じますが、お許しを願って、ちょっといまの御質問の関連
事項として、またこれから御質問されんとする諸先生の内容もかすかに伺っておりますので、
先生方が御重複されない点をちょっと要点だけを申してみたい。幸いに政務次官殿、
河川局長殿来ていらっしゃる。なかんずく私がこれから質問せんとすることは、政務次官は、非常に社会でうんちくをきわめていらっしゃるのだから、十二分なお答えを得られると私は思うし、なおまた
河川局長あるいは
建設省の
局長、ひいては御上司の大臣、次官殿ともよく御相談をされて、後日の省内の問題で取り上げていただきたいという一念でちょっと簡単に要点のみ御質問をしてみようと思うわけなんです。
先ほどお話ありましたように、
昭和四十五
年度において
建設省が
不当事項として
指摘を受けた件数は、あなたのおっしゃるとおりに五十一件にのぼります。全体の大体四〇%近くを占めておるわけなんです。中身はもちろん
工事費で、
工事費で見ると、約八千万になる。そのうち
施工が設計と相違したり、または
工事費の概算が不当に過大であったというようなことが
会計検査院からも述べられておるわけなんです。したがって、
国庫補助金が約五千二百万円に達しておる。この内訳を伺いますと、
河川に関するものだけをもって見ましても、六
工事で不当分が約一千百万あるわけなんです。これは何かと思って、私は私なりにお粗末な頭脳で伺いながら判断してみたのだが、これはもちろん
砂防堰堤、
河川の護岸等のコンクリート
工事の際に多量の水を使用したり、あるいは骨材の洗浄不十分であった。言いかえれば、昔でございますれば、骨材もりっぱなるところの、セメントにミックスする砂、砂利があったわけなんだけれども、
河川砂、砂利がこのごろございません。さればというて、骨材の代用的なものはまだ完備されていない。勢い山採を使うのですね。山採を使うならば、これは洗浄せねばいかぬ。洗浄が不完全である。洗浄が不完全であるからセメントと密着しない。
工事は一応完全にできておる。手は抜かぬでやっておる。実際
会計検査院から
指摘された。そういう現象があらわれてきているというのが、ちょうど皮肉にも、いま御質問されました
鳥居先生が、たしか去年の六月ごろでございましたかな、当
委員会において、あの大雨が続いて、台風がちょいちょいやってきよるという時分に、
公団住宅のりっぱにでけておるところに思わぬ雨漏りがあったり、あるいはまたあれが落ちたりして、苦情が非常に続出してきて、見るに見かねて新聞にまでもうたわれたという時代に、御
指摘されて、そういうことはあるまい、だが一応見てみようじゃないかというので、
鳥居先生の
公団住宅に関するうんちくを伺った上で、私ら一行がお供して各地へ参ったわけなんです。そうすると、どこもここも思わぬところの雨漏りに悩まされておるという状態を見せつけられたわけなんです。
公団の諸君が非常に苦心されて、
住宅対策のために鋭意努力されて、あそこまでやられて、まだ竣工間もないところに雨水の漏水といいますか、雨漏りですか、あれが見るに見かねるほど非常にたくさんある、思わぬところが傾いておるという現状を実は、私らが見せられまして、一体、この原因はどこにあるのだろう、ひょっとしたら
工事人が仕事の手を抜いておるのじゃなかろうかというので、ところによりますればあれをおがしてみたところ、
工事も実にりっぱな
工事をやっておる。設計に基づいて下請は下請でやっておる。これは
工事にミスはない。どこにミスがあるんだというので、私はまだわかりませんでしたけれども、参考のためにあの壁をちょっとおがしてみまして、壁といいますか床と申しますか、私らの方言では床という。コンクリート、生コンの固まったやつ、あれをちょっと私は、状袋に入れて持って帰りまして、分析して研究してもらったわけなんです。そうしましたところが、これまたいま前段申し上げたように、生コンの骨材の材料が、砂とか砂利を使わぬと、なかんずく砂を使わぬと、思いもよらないところの火山灰の結晶しておる軽石といいますか、あれを粉砕して砂がわりに使っておるということが、あれを分析したら出たのです。また中身はいま申した山採というて山の岩壁をクラッシャーで割って、荒いやつを石ころのかわりに使うて、粉末をおろして砂がわりに使っておるというのが昨今の
実情なんです。専門家に聞きますと、セメンはいまどこのメーカーのセメンでも規格が非常に整うて、りっぱにできておる。セメンにくっつくのは砂と砂利なんだから、水の調節もたいがいの業者はわかっておるのです。この三種類の密着力が悪い。家庭の夫婦でいうならば、仲の悪い亭主と女房とで家庭生活を円満にやれというようなものじゃ。うまくくっつかぬのじゃ。それがために、思いもよらないところに漏水を起こしてみたり、セメントの役目を果たしていないという
実情を、去年の五、六月ごろに私は見せてもらったわけなんです。
その後、当
決算委員会は、あるいは御承知かもわかりませんが、北陸、熊野灘、近畿地方というのかな、中国、四国、九州と
国政調査で何回か参ったのです。どこへ行っても、いま申した
住宅じゃございませんが、生コンを使うところの
河川の堤防の
工事あるいは川床の
復旧工事、下水
工事ことごとくが今度は
会計検査院で非常におしかりをこうむった、われわれも鋭意仕事はしておるのだけれども、材料が悪いためにおしかりをこうむって
工事やり直し、ひどいのはもう入札に参加ささぬというようなところの厳罰を受けておるので、中小業者は事実上もう倒産に瀕しておるという話を、どこへ行っても実は聞かされたわけなんです。
そこで、いろいろお話をしていると、それは全部とは言えませんが、川砂、川砂利を使えぬところにその事故が多い。はあ、これもやっぱり川砂と川砂利を使わさぬと代用品なりあるいは山採を使うからこうなったんじゃわい。このあたりにりっぱな一級
河川があるがい。鉄道で見ても車の中で見ても、ずいぶん砂砂利があるがい。なぜ君たちはあれをお許し願って少量でもやらないのか。一級
河川、絶対に採取禁止という
建設省の御方針で、どこでもこれはとれぬことになっておるのです。砂砂利は川の中のがよいのがわかっておっても、とらしてもらえぬのだ。とれぬから、セメンでやるわけにいかぬから、それにかわるべき山採を使っておる、あるいは軽石を粉砕して使っておる。それを使ってやればきれいにできるのだけれども、密着しないから日にちがもたぬ。乾燥しない、漏水するというような現象を生じて困っておるのでございます。こういうことをあちらこちらでわれわれ
委員は言われてきたわけなんです。
そこで、私事になりますが、ちょうど五、六日前から御承知のように私らも身辺が忙しくなりましたので、私は四国でございますが、四国のほうに帰っておったわけなんです。そうすると、私の香川県内にも各地で
会計検査院に御心痛を与えて、ごもっともな御勧告を受けて業者が恐縮しておる状態をまのあたりに私は見てきたのです。そこで考えて、先ほどの政務次官殿のこの
概略要件なり
会計検査院から御
指摘された内容をじっと繰り返して読んでおります場合に、これ、
建設省の大臣おったら申し上げたいのだが、政務次官、春秋の筆法でいくと、盗人をつかまえてみたらわが子であったというようなことで、
建設省が
河川局を通じて、大事なところの生コンの骨材を絶対とらさぬ、これはもちろん私はわかる。川床を痛める、治山治水
関係でというようなことがあるに違いない。だけれども、それをあまりに強度にやるために——さればといって、
建設省のほうは、いま言うた
住宅の一部分の問題だ。ことごとく
建設省の所管
関係を仕事なさろうと思うならば、生コンが一番大事なんです。いまさら、川砂も川砂利も使わせぬから、セメンを使わぬ高層
住宅はこしらえぬ、国有林は豊富にあるのだから、昔のような木材で
住宅政策をとられるならば何をか言わんや。そうでないのだから、やはり高層
住宅でりっぱにやられて、ああいった生コンを基本にしてやられる以上は、そういう点を考えられて、この
河川の砂砂利の採取の厳禁と申しますか、これを一体いつごろまでおやりになるつもりか。川砂、川砂利の採取の禁止をいつごろまでこのままでおやりになるか。おやりになるならば、山採にかわるべき科学的の骨材でも何か研究所で御成案があるのか、用意されておるのか。よい機会だから、これをひとつきょう伺っておきたい。そうしないと、またぞろ、来年の五、六月ごろになると、
会計検査院をわずらわして、ずいぶんと
建設の生コンの
関係の御
指摘を受けなければいかぬことになる。のみならず、先ほど
高田君も言っていたように、いまの総理は
日本列島改造とかいうので、非常に積極的で、
建設意欲は盛んなようだけれども、勢い
建設省のお役人たちもたいへん忙しくなられるという時代になってくるときに、共通したことごとくの生コンの骨材が、いまみたいな
方法でいったならば、またぞろそこにギャップが生ずるのではなかろうか、こういうふうに思いますので、きょう幸いに
局長来ていらっしゃるのだから、
局長から、あの
河川の砂砂利の採取を禁止した理由はよくわかりますけれども、いまの時限においてそのままの御
意見を御発表願って、そうしてこれはまだまだやらなければいかぬのだ、もう砂砂利は必要ありません、
建設省の研究所ではこういう化学材ができておりますというようなことを言うて御公開願いますと非常に参考になりますので、またわれわれも意を強くするわけでございますので、きょうは
住宅公団の方はお帰りになっていらっしゃいますが、
公団の方もその生コンで、施主として、仕事をさす者として、非常に心配しておるようにこの間に私も聞いておりますので、ちょうどきょうは、先ほど申したように、四十五
年度の所管
決算を御報告願う政務次官来ておられるのだから、政務次官から大臣にきょうの御
意見を具申申し上げ、そしてあなたは実社会のことに詳しいのだから、私が申し上げたことと、実社会のあなたたちがごらんなさったことと、中央の行政
指導者として考えておられることと、同時に大臣とも御相談していただく、これが政務次官の一つのお仕事じゃないかと思うので、はなはだくどい遠回しの言い方をしましたが、そういうことを
河川局長ちょっと漏らしてもらいたい、お答え願いたいというので御質問申し上げたわけなんです。お願いします。