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岩間正男君 あなたたちの分裂工作、あなたたちの懐柔政策、むちとあめということばでいわれますけれ
ども、こういうものは相当きいているんですね。何せこれはいまから二十数年前、朝鮮戦争のときにはあすこにパンパンがいる、全国の中でも大きな問題になったあの山中湖畔を控えている。われわれはあすこは現地に入って見てきているんですからね。こういうものは残っていますよ。こういう
立場から見れば、これは懐柔するのはわけないんだ。しかし、それだけじゃないんだ。あくまでやはり富士を守れ、そして郷土を守れ、
入り会い権を守れ、自分の生活を守れ、何よりも富士を守れという、そういう闘いに結集している人がたくさんいるんだ、そういう点を私は明確にしなければならぬ。富士を、これはどうですか、
防衛庁長官一緒に行って見ましょうか、富士を。私は一週間ほど前に行ってきた、着弾地に。こういう破片ですよ。これはたくさん取ってきておりますから、これは必要ならまたあげます。これはどうもこれ見ると一五五ミリぐらいあるんじゃないですか。非常に重い。これは着弾地に行けば至るところにあるんだ。富士の胴体を、どまん中にぶち込んでいるんですよ。二〇三ミリが入ってきたらこれはもっとすごいことになるんですよ。そうして、これで当然自分の生存権を
主張し、さらに平和を
主張して戦っているそういう農民に対して、これはあらゆる策謀をやっているわけです。だから、現地の、ことに忍草の母親たちは何と言っている。
憲法梨ケ原に死すと言っているんだ。これはいいことばですよ。あそこへ行ってごらんなさい。
憲法の何がありますか。国民の権利、地域住民の権利というものは守られていないんです。あそこでは全部じゅうりんされている。
憲法梨ケ原に死すだ。富士梨ケ原、あそこで死すだ。こういう問題を今日独立の
立場から
考え直さなければならない日が来ているんだ、明確に。それを安保体制、安保体制などと言って、その実態はあのベトナムの侵略戦争じゃないですか、国際的にもいまや大きな非難の的になっている。こういうものをあんたたちはささえようとしている。私はそういうかっこうのために
——しかも策謀が行なわれている。これは自衛隊の基地に移管して、そして二4Bの
米軍との共用を
考えているんじゃない。それよりも
米軍の
演習、それをまずほんとうに優先的に
考えて、そうしてそのために自衛隊への
使用転換という手を
考えている。逆なんだ、むしろ。それは
米軍の
演習を優先しているんだ。すでにもういまやっているのがそうだ。必ず
米軍の
演習はやめられない。どんなことがあったってやめられない。こういうかっこうで行なわれている。そして、自衛隊への転換などということは、実はそれを合理化する、
地位協定の二条四項Bによって、そうしてあそこが必要があれば
米軍が使える、そういう方式をとっている。ところが、実際はどうです。自衛隊に転換された東富士
演習場の例を見てごらんなさい。あそこでは六九年ですか、これは自衛隊に
使用転換した。そして二4Bで
米軍と共用することになった。ところが、農民はそのときどう思ったか。一週間か十日使うのだと思った。ところが、実際は一九七〇年、一昨年のあなたたちからもらった資料によると、二百三十九日使っている。そうして、
米軍は千人ぐらいずつの隊でどんどん入っている。そうして、ここに一〇五ミリ、それから一五五ミリ、二〇三ミリ、こういうりゅう弾自走砲がどんどん持ち込まれている。そして、この中の一五五ミリ、二〇三ミリは、明らかにこれは核弾頭をつけることのできる原子砲です。ダナンでも問題になったやつ。こういうものを持ち込んでやっている。そのことをあくまで知らぬ。そしてアジア最大の海兵隊のこの
演習地を確保しようというのがこの策謀の背景じゃないですか。明確です。私はこの問題ともずいぶん取っ組んできたから、これは何回もここで論議した問題ですが、そういう策謀についてこれは許すことはできない、こう思うんです。だから、党を代表して、
暫定協定というごまかしはやめなさい。それを
二階堂長官に言ったんです。だから、
二階堂長官が出てくれるんだと思ったらきょう出ない。しかし、こんな形の
暫定協定などというものはこれは絶対許されない。その突破口を切り開くという、そういうことは許されないと思う。どうなんです。先ほどからもうあれほど論議されましたから、私はこの政治的な背景というものを明確にしなければならぬと思う。この海兵隊は明らかに沖繩国会では特殊部隊だ。チャップマンという司令の言によれば、太平洋のいかなる地域においても、緊急事態が起こればたちどころに対処することのできる軍隊だ。これは安保の範囲を明らかに逸脱している。この海兵隊が存在するということは、これは
安保そのものの拡大であります。これについては、こういう部隊もあるのだから、置いても、しかし使うときにこれに対してチェックすればいいじゃないか。チェックも何もできない、さっきからのなにを聞けば。どうなんですか。この点で、私はこのようなことはやめるべきだ。はっきりやはり民法六百四条の精神で、これは
県有地は返す、さらに
国有地は
全面返還の方向にほんとうに文字どおり
米軍と
折衝して道を開くべきだ。安保違反ですよこれは。どうなんですか。