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鶴園哲夫君 いまの問題は、またあらためて論議しなければならないと思うのですが、ただ、
四日市の
裁判を終わりまして、とたんに
患者側の、あるいはそれを取り巻いている
住民の考え方というものが、健康を返せ、命を返せ、青空を返せ、こういう形で叫ばれているわけですね。そのことは、これは
公害紛争なんか乗っ越してしまって、それを返せということから、私はほんとにこれは
四日市の
工場を追い出すという運動になってくると思うのです。これは各県でも、ところによっては
公害を出す
工場についての追い出し運動というのは進んでおるんですから、いま志布志でもどこでも、そういう
公害を出すような産業については絶対反対だという、たいへんな
住民運動が起こっておるわけですから、そういう
意味からいいますと、この
裁判というのは決定的な、
住民運動に対して、あるいは自然を守るあるいは
環境を守るという非常に大きな問題を提示したと思うんですね。ですから、これはそういう
意味で非常に
反省をしなければならぬ、考えなければならぬところにきているのじゃないかと私は思うのですけれ
ども、これはまたあとで若干伺いたいと思います。
そこで、この問題は一応これで終わりまして、次に簡単に言いまして、私は、池田
内閣は高度
経済成長という路線を突っ走って、たいへんひずみ問題で問題を起こして、佐藤さんが社会
開発だ
人間尊重だということで七年七カ月。残ったものは、これは爆発的な
環境問題ということになったわけですね。
かわって
田中さんが出られて
日本列島改造論。
日本列島改造論といいますのは、ほこりっぽい、土建屋的な、おまけにコンピューターつきブルドーザーなんでしょう一ほこりっぽくて、
日本列島全体が何か土木工事がまき起こるのじゃないかというような感じがしてしょうがないんです。何かアクセルだけきいておって、ブレーキがさっぱりきかないようなブルドーザーが出てきたような感じがしまして、非常に問題だと思うんですけれ
どもね。しかし私は、幸いというと妙な話になりますけれ
ども、
田中内閣ができましてから、六月から七月にかけてたいへんな集中豪雨で、
日本列島が押し流されるのじゃないかというぐらいの事態になったのですね。改造どころじゃないです、これは。どう国土を保全するのかということを最も考えなければならないということを証明したのじゃないでしょうか。
これは災害の
委員会でやってみますというと、道路の金はふんだんにある、あるいは
開発のための金というのはふんだんに出ている。それじゃ、災害を防ぐといいますか、川とかそういった問題と言うと、肩身の狭い小さな地位を占めている。国土の保全というのは、そういう
意味でほんとうに十年という間、何か非常に狭いところに追い込まれている。そういうことが今度のたいへんな巨大な災害を及ぼした。だから、改造どころじゃないんじゃないか。災害をどうするか、国土をどうするかというのが問題じゃないかということ。
もう
一つは、
日本は、御
承知のように
公害列島、
公害列島と言われてもう三年たって、ますます深刻化しておる。そこへ
四日市の
判決が出て、
日本が
解決すべき
最大の問題というのは、これは
公害じゃないかという
意味で
四日市の
裁判が出たということは、
公害、災害、国土保全、
環境保全ということで、どうもブレーキのきかないブルドーザーに非常な
反省を与える
意味で意義があると私は思っています。その
意味では幸いだったという感じすらいたしておるわけです。
そこで
環境庁長官に
お尋ねをしたいのですけれ
ども、国土を守るあるいは
環境を保全するということは、何といいましてもいまの
政治課題の
最大の大きな問題だと思うんです。七〇年代の
課題だと思うんです。それについて
環境庁長官がどういう
決意と、どういう手段で考え方を実行に移していかれようとするのか。さしあたっていま新全総の総
点検が問題になっている、あるいは
田中さんの改造論が、これまた総合調整ということで問題になっているのだが、
環境保全という
立場から、
環境庁長官としてどういうふうにこの中に
発言されていこうとするのか、その
姿勢、考え方を
お尋ねをいたしたいと思います。