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1972-09-19 第69回国会 参議院 建設委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年九月十九日(火曜日)    午前十時二十分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         沢田 政治君     理 事                 山内 一郎君                茜ケ久保重光君     委 員                 大竹平八郎君                 熊谷太三郎君                 小山邦太郎君                 古賀雷四郎君                 田中  一君                 松本 英一君                 村尾 重雄君    国務大臣        建 設 大 臣  木村 武雄君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        近畿圏整備本部        次長       朝日 邦夫君        首都圏整備委員        会事務局長    小林 忠雄君        建設大臣官房長  大津留 温君        建設省計画局長  高橋 弘篤君        建設省都市局長  吉田 泰夫君        建設省河川局長  川崎 精一君        建設省住宅局長  沢田 光英君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○派遣委員報告に関する件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (台風第二十号による建設省関係被害に関す  る件)  (八ツ場ダム建設問題に関する件)  (次期通常国会提出予定法律案に関する件)  (第六十八回国会において成立した法律施行  状況等に関する件)     ―――――――――――――
  2. 沢田政治

    委員長沢田政治君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず最初に、派遣委員報告に関する件についておはかりいたします。  先般、当委員会が行ないました建設事業実情調査のための委員派遣については各班からそれぞれ報告書提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 異議ないと認め、さように取り計らいます。     ―――――――――――――
  4. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 建設事業並びに建設計画に関する調査を議題とし、まず、二十号台風による建設省関係被害状況について政府から説明を願います。河川局長
  5. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 資料がちょっと間に合いませんので、恐縮でございますが、後ほどお届けするようにいたします。  秋雨前線豪雨及び台風二十号による被害状況につきまして、概要を御報告申し上げます。  九月の十四日から十六日にかけての秋雨前線による集中豪雨並びに九月十六日から十七日にかけましての台風二十号による暴風雨によりまして、建設省所管公共土木施設につきまして、七月豪雨に比べますと、被害はかなり小規模でございますが、かなりの被害が発生しております。  まず、各地の降雨量でございますが、北海道の登別で連続雨量が六百六ミリ、千葉県の館山で同じく三百十五ミリ、三重県の尾鷲で六百二十七ミリ、奈良県の上北山で四百九ミリ、高知県で五百三十五ミリといったような降雨量を記録しております。  これに伴います一般の被害は、昨日十二時現在でございますが、死者四十一名、行くえ不明七名、家屋の全壊が百八棟、半壊が二百七十八棟となっております。  なお、これに伴います公共施設被害の概況でございますが、建設省所管にかかるものにつきまして、合計二百六十五億八千七百万円の被害が現在報告されております。そのおもなるものは、公共土木施設の中で直轄河川につきましては、一級河川の利根川ほか三十八河川がいずれも計画水位を越える出水となりまして、二百十五カ所、六十四億八千万円の被害が出ております。なお、直轄砂防におきましても、北上水系阿武隈水系等三カ所、一億八百万円の被害が出ております。なお、直轄道路につきましては、国道一号線ほか八路線、個所数で三十三カ所、計二億八百万円の被害が出ております。  次に、補助災害でございますが、北海道ほか三十三都道府県及び四指定市から個所数で九千七百七十八カ所、百九十七億三千九百万円にのぼる被害報告されております。  次に、都市施設関係でございますが、その被害千葉県ほか二県から十三カ所、四千三百万円の被害報告されております。  以上がおもなるものでございまして、対策並びに措置といたしまして緊急に復旧を要する河川の破堤、決壊あるいは道路交通不能個所等につきましては、現在、応急工事を実施いたしましてはんらんの防止あるいは交通確保等をはかっておる次第でありまして、体制が整いますれば緊急に査定等を実施いたしたいと考えております。  以上でございます。     ―――――――――――――
  6. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 次に、八ツ場ダム建設問題について質疑を行ないます。
  7. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 大臣が見えぬようですから、河川局長に若干質問と、現状の御説明を願いたいのですが、局長、いま現在、八ツ場ダム建設省側から見た進捗状況はいかような状態であるか、簡潔にひとつ御答弁願いたいと思います。
  8. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 八ツ場ダムにつきましては、その後特に変わった動きはございませんけれども、ことしの春に町議会ダムに対する補償なり、その他に対する意見書が議決されまして、以後、それに対する回答関東地方建設局でいろいろ検討いたしておりましたが、この九月十一日であったと思いますが、これらに対する回答を長野原町に提出をいたしております。  なお、そのほかに、上流のいわゆる河川峡谷部の上にございます人家の崩壊、危険と思われる区域があるのじゃないか。それに対する測量なり調査をどうするかという問題でございますが、これにつきましては、いろいろ現在町のほうで地元を説得しておられるようでございますので、そういったものを待ってから協力するものは協力いたしたいと考えておる次第でございます。
  9. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 まだ護岸工事に関する測量は開始してないのですか、もう終わっちゃったのですか。
  10. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 地元状況といたしますと、大半の方は、早く建設省もひとつ調査をしてもらって、県とあわせて対策工事を立てるようにしてほしい。こういうことでございますが、なお、一部に反対をされる向きもあるようでございますので、そういった反対に対する町その他の説得が現在行なわれているようでございます。したがって、そういったものを待ってから調査に入る、こういうことで、現在は具体的な調査はまだ行なっておりません。
  11. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 きのう付の群馬県の唯一郷土紙である上毛新聞報道によると、現地長谷川所長工事に着手したいと、こういう申し入れをしたと。しかもその報道によると、水平測量その他の測量は一応終わって工事に着手できる状態であると。さらに長谷川所長の談話的な発表として、五十三年に上越新幹線や関越道が開通するので、それに間に合わぬと困る。したがって、五十三年度までには完成さしたい。それにはどうしてももう早急に着工する必要があるという新聞報道がありました。この新聞報道によりますと、いままで何回か私どもは、これは私は衆議院時代からでありますが、建設省にお尋ねしたり、いろんな要望をした中で、測量自体地元の了解がなければしないのだと、こういう答弁をずっとしてこられた。つい先般の当委員会においても、河川局長はそういった答弁をされております。ところが、きのうのその上毛新聞報道がもし真なりとすれば、もうほとんど測量その他の調査を終わって、着手するだけになっている。着手はいつでもできるのだと、こういった報道がなされている。私は、このことは非常に重大なことであろうと思うのであります。もちろん、建設省があのダム建設を決定してそれをやることは、これは建設省の仕事でございましょうが国会においてそういった答弁をしておきながら、隠密裏に、いつか、住民の目をかすめ、われわれをごまかし当委員会虚偽報告をして、実際はどんな形か知りませんが、調査を完了している、こうなるとこれは私は許しがたい建設省態度だと思う。これは私は川崎局長個人を責めるんじゃありませんが、もしこれが事実ならば重大問題であります。決して看過できないことだと思うんです。建設することが悪いというんじゃない。いままでずっと国会に対する答弁やわれわれとのいろんな話し合いのことから言いますとまことにけしからぬと思う。しかし、もしそうでなかったならば上毛新聞報道が誤りであるのか、上毛新聞群馬における唯一郷土紙としてかなり権威を持っている。この点はどうなっているのか。建設省がわれわれをごまかし、うそをつき、そして住民をごまかして、実際は建設に必要なすべての調査測量は終わっていることが事実なのか、あるいはそうでなくって上毛新聞虚偽報道をしたのか、こういう点をひとつ端的にはっきりお答えをいただきたい。
  12. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 実は私、上毛新聞内容をよく存じませんので誤っておるかどうか、そういった点についてここではっきりお答えをいたしかねるわけでございますが、いずれにしろ、再三申し上げておりますとおり、過去にもいろいろ道路その他の、あるいは満水面の表示、こういった点でわれわれのほうでぜひ測量をしたいということでございましたが、いろいろ地元とのトラブル、こういったものも考慮いたしまして、そういった強行を避けるという態度で一貫してきておるわけでございます。したがってまた、がけくずれ等に伴います調査測量につきましてもそのやり方等について誤解を招くような方法は避けたいということで一貫してきております。したがって、所長発言がどういう趣旨か存じませんけれども、私どものほうでそういった着工態勢に入れるほどにいま全部が完了しておるとは私のほうでは受け取れないわけでございます。したがって、その取材の中で何らかのそういう誤解なり誇張なりそういったものがあるのじゃないかという感じがいたしますけれども、なお、詳細については十分調べたいと思います。現在、町議会から出されました意見書に対しまして、先ほども申し上げましたように、この十一日に回答をしたばかりございまして、今後の生活再建なり地域開発、こういった問題について十分話し合いがなされた上で、工事が着工されるということがやはり望ましいことだと思いますので、それまでの間におきましては、私どもはやはり強行するといったような態度は避けていきたいと考えておる次第でございます。
  13. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 新聞もでたらめ書くとは思ません。しかも長谷川所長もそういったいわゆる、これは談話の形だったか記事の中に出ておったか、これは私もいまわかりませんが、それをさっき言ったように、五十三年までに完成したいんだと、それにはもういますぐ着工しなければ間に合わぬと、こういったことがありました。そこで、局長は早急に上毛新聞、きのう十八日付、私うっかり途中汽車の置き忘れてきたもんですからいま持ってないんですが、十八日の新聞ですから新聞記事を調べ、さらに現地長谷川君についてもひとつ調査願って、そのいきさつをこれは資料の形で私のところへひとつ御提出願いたい。それによってまた次の機会にいろいろと質疑するなりあるいは要望するなりやりますから、きょうのところはこれでやめておきますが、早急にひとつ両方の調査をして資料の形で私のところまでひとつ持ってきていただきたい、これを要望しておきます。
  14. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 小山委員から緊急に発言を求められておりますので、これを許可します。小山君。
  15. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 委員各位の御同意をちょうだいしてひとつ提案をいたしたいと思う。  これは田中内閣と申しますか、田中総理自身政治上の大目的の一つとして日本列島改造論をもって社会に訴えておる。この方向は私は何人も認めるであろうと思うが、これを行なうのに最も大事な問題は地価対策である。その地価対策に対して、一体どうなるのかということの見通しもつかないで、ただ列島改造というようなことでごたごたしておることは、これははなはだ遺憾なことで、とりわけわれわれ建設関係を持っております委員として、むしろこの問題を中心として、一党一派の問題ではないので、これは各党一致してひとつ十分に検討を重ねてすみやかにその結論を出さないといたずらに民心を混乱させるのおそれがある、こう思いまするので、この地価対策に対してまして、物価高に悩む今日、この日本列島改造論が一そう地価をいやが上にもつり上げるおそれがあるので、これに対する地価対策について本委員会でも十分に研究を進めていただきたいという希望と、政府はすみやかにこれに対して具体的の案を持ってこの委員会に臨むべきであるということを提案いたしたいと思います。御同意を願いたい。
  16. 沢田政治

    委員長沢田政治君) ただいまの小山君の御提言について、その他の委員からも、広範の意味を含めた建築に関する小委員会を設けたらどうかという御提案もございますので、いまの御提案、御提言も含めて後刻理事会でこの扱いについて協議したいと思います。御了承いただきたいと思います。
  17. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 けっこうです。     ―――――――――――――
  18. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 次に、次期通常国会提出予定法律案の構想について政府から説明を願います。大津留官房長
  19. 大津留温

    説明員大津留温君) お手元に時期通常国会提出予定法案という刷りものを差し上げてございますが、これに基づきまして御説明申し上げます。  建設省といたしましては、次の通常国会提出いたしたいとして検討しておる法案が全部で二十四件ございます。そのうち予算関連のものが十三件でございます。その他が十一件。そこにございますように、建設省設置法の一部改正法案、これは研究学園都市建設を本格的に進めるために地方支部局といたしまして研究学園都市営繕局というものを設けたいということと、北陸地方建設局及び四国地方建設局営繕部を置くという内容でございます。  次は、地価公示法の一部改正法案でございまして、地価公示を拡充いたしまして、市街化区域のみならずその他の地域宅地までこれを広げまして土地評価適正化につとめたい、こういう内容でございます。  次は、人口急増市町村等における公共施設等整備のための特別措置法案仮称でございます。これは宅地開発等に伴う団地建設等に伴いまして人口が大幅に増加するという地域におきする学校その他の公共公益施設整備のために必要な費用に関しまして地元公共団体負担が過重になるという実態でございますので、国がその負担または補助の割合を拡充いたしまして、あるいは地方債を拡充いたしまして、地元負担を軽減をしようと、こういう内容でございます。  次は、都市開発公団法案ですが、これは、過密都市からの産業人口分散促進いたしまして地方都市にこれを受け入れようと、そのために地方中核都市整備のため、あるいは大都市における既成市街地の再開発を行ないますための機関といたしまして都市開発公団を設けたいという内容のものでございます。  次は、都市における公園緑地等整備保全に関する法律案仮称)でございます。これは、都市におきます自然、緑とオープンスペースを確保するために都市公園整備いたしますとともに、緑地保全地区というものを設けまして緑地保全のための新たな規制制度を設けたい、こういう内容でございます。  次は、海岸法の一部改正法案でございまして、海岸保全区域内の直轄工事をいたします区域内の保全施設の修繕及び維持を直轄で行なうことができるようにしようという内容のものでございます。  次は、道路整備緊急措置法等の一部改正法律案でございまして、これは道路交通需要の増大と多様化に伴いまして、現行の五カ年計画を拡大改定いたしまして、来年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定いたしたいという内容のものでございます。  次は、道路法の一部を改正する法律案。これは、道路交通の安全と円滑をはかるため、信号機等道路附属物とするという内容等のものでございます。  次は、日本道路公団法の一部を改正する法律案。本道路公団高速道路を通行する者の利便をはかるためのトレーラーヤードとか自動車ターミナル等施設設置管理を行ななわしめることができるようにしたいとともに、また、その業務に密接に関連する事業を行なう企業に公団が投資することができるというような内容改正を行ないたいというものでございます。  次は、東京湾横断道路株式会社法案仮称)でございます。東京湾地域におきます交道混雑に対処いたしまして、特殊法人を設立し東京湾を横断する有料道路建設及び管理を行なわせようとするものでございます。  次は、住宅金融公庫法等の一部改正法案でございます。公庫の行ないます住宅資金等貸し付けの利率の引き下げと貸し付け条件の改善を行ないますとともに、宅地造成資金貸し付け対象範囲を拡大いたしたい、また、公庫主務大臣の認可を得て借り入れ金をし、または債券を発行することができるようにいたしたいという内容でございます。  次は、特定賃貸住宅建設促進に関する臨時措置法案仮称)です。これは、大都市及びその周辺の都市と、住宅不足の著しい地域におきまして、土地所有者等賃貸住宅建設する場合に、そのの建設資金に対しまして地方公共団体利子補給を行なう場合に国がその一部を補助しよう、そういうことによりましてこの民間の賃貸住宅建設促進しようとするものでございます。  次は、住宅融資保険法の一部改正法案現行住宅融資保険てん補率の引き上げ、保険代位を行なう権能を与えるという内容改正でございます。  次は、土地利用計画法案仮称)でございます。国土利用適正化するために、全国土にわたりまして土地利用計画を策定して、自然環境の保護と、地域住民生活活動等調和をはかろうという内容のものでございます。  次は、地方中核都市整備法案仮称)でございます。これは、先ほど申し上げました過密都市からの分散を受け入れる地方都市整備を行ないますために、その計画的な事業が行なわれるようにいろいろな措置をしようというものでございます。  次は、広緑生活圏整備法案仮称)、これは、地方住民福祉向上という趣旨から広域な生活圏を設定いたしまして、地方道生活利便施設等その他地域住民生活活動に必要な基盤整備を行なおうという趣旨のための特別措置等規定するものでございます。  次は、特定土地取引抑制に関する法律案仮称)でございます。これは先ほども御意見が出ておりましたように、土地投機的取引抑制ということをねらいといたしまして、一定規模以上の土地取引につきましては公共団体の長に届け出をし、不要不急取引につきましては、その長が中止の勧告等を行なうことができるというような内容のものでございます。  次は、都市計画法の一部を改正する法律案都市計画区域内におきます土地利用適正化を一そう進めるために、都市開発許可制度を現在の市街化区域内にとどまらず、都市計画区域全域に及ぼしたいという内容等のものでございます。  次は、屋外広告物法の一部改正法案でございます。屋外広告物に対する規制の強化、屋外広告業者に対する監督指導充実等内容のものでございます。  次は、公有水面埋立法の一部を改正する法律案現行法が非常に古い法律でございますので、現在の状勢に合うように公有水面の埋め立ての適正化をはかるために免許基準の明定その他のことを改正しようというものでございます。  次は、沿岸海域公共的管理に関する法律案仮称)、これは従来も本委員会で再々御論議がございました沿岸海域利用を秩序化し、環境保全をはかるというために沿岸海域管理に関する規定を設けまして、その適正化をはかろうという内容のものでございます。  以下の三法案は、検討中のものでございますが、その一つは、公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案、これは、公共工事契約保証制度を改善いたしまして、公共工事が円滑かつ適正に行なわれることを保証するために、保証会社公共工事工事完成保証を行なうことができるようにしようというものでございます。  次に、農住団地整備法案仮称でございます。農業との調和のとれた居住環境の良好な田園市街地開発し、住宅宅地の供給の促進農業保全をはかるための事業を行なえるように所要の規定を設けようというものでございます。  次は、地代家賃統制令の一部を改正する法律案地代家賃統制令は、一定猶予期間を置いてその効力を失うものとするという内容のものでございます。  以上でございます。     ―――――――――――――
  20. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 次に、第六十八国会において成立した法律施行状況等について政府側から順次説明を願います。
  21. 大津留温

    説明員大津留温君) 資料のナンバーによって総括的に御説明申し上げます。  下水道事業センター法は、五月二十九日に公布いたしまして、七月二十二日に施行いたしました。これに必要な政令改正は七月二十日に行ない、必要な省令改正は目下検討しておりまして、近く改正を行なう予定でございます。  河川法の一部を改正する法律は、六月一日に公布し、同日施行いたしました。これに必要な政令並びに省令改正は今月下旬、今週中に行なう予定にしております。  特定多目的ダム法の一部を改正する法律は、六月六日に公布し、同日施行いたしました。これも政令は八月二十四日に改正し、必要な省令は今月下旬に行なう予定にしております。  住宅金融公庫法の一部を改正する法律は、五月二十二日に公布し、同日施行いたしました。必要な政令は同じく同日に改正を行ない、省令は七月十三日に改正を行ないました。  都市公園等整備緊急措置法は六月十五日に公布し、同日施行しております。これには政令省令関係はございません。  治山治水緊急措置法の一部を改正する法律は五月十六日に公布し、同日施行いたしました。これにつきましても政令省令はございません。  新都市基盤整備法は六月二十二日に公布いたしましたが、公布の日から六カ月以内に施行ということで、まだ施行に至っておりません。これに必要な政令省令は目下検討中でございます。  公有地の拡大の推進に関する法律は六月十五日に公布し、九月一日に施行いたしました。ただし、土地先買いにかかる部分につきましては、十二月一日に施行することにしております。これに要する政令は七月十七日に制定し、省令は八月十七日に制定いたしました。  石油パイプライン事業法は六月二十六日に公布いたしましたが、六カ月以内に施行することとし、いまだ施行に至っておりません。これに要する政令省令は目下検討中でございます。  日本勤労者住宅協会法の一部改正法律は六月一日に公布、同日施行いたしました。これに関連する政令省令はございません。  宅地建物取引業法の一部を改正する法律は六月二十四日に公布し、同日施行いたしました。これに要する政令改正はございませんが、省令につきましては、現在検討中ということでございます。
  22. 朝日邦夫

    説明員朝日邦夫君) 本年の六月一日当委員会で御可決をいただき、同九日に参議院の本会議可決成立を見ました琵琶湖総合開発特別措置法でございますが、これは六月十五日に法律第六十四号として公布、即日施行されました。なお、これに基づきます施行令でございますが、八月七日に政令第三〇七号として公布、これも即日施行を見ました。なお、この法律に基づきますいわゆる十カ年計画の策定の手続がすでに開始をされておりまして、法律の第三条に基づきます滋賀県知事が案の作成の段階で開催すべき公聴会がございますが、これは九月の十一、十二両日にわたりまして、彦根、大津で開催をいたされました。なお、関連でございますが、本日の閣議で淀川水系水資源開発基本計画変更の決定がなされる予定になっております。  それから、同じく法律に基づきます滋賀県知事が案を付議する滋賀県議会でございますが、これは九月の二十八日招集の予定になっております。これらの手続を経た上で、原案が政府提出をされて決定を見るという予定でございまして、私どもといたしましては、十月の下旬ないし十一月の上旬には決定をいたしたいというふうに考えております。
  23. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) 首都圏整備法等の一部を改正する法律は、六月十六日に両院で成立いたしまして、六月二十二日に公布になっております。これに基づきます政令は、首都圏整備法等の一部を改正する法律施行期日を定める政令と、それから首都圏整備施行令等の一部を改正する政令につきまして、本日の閣議において制定をされまして、二十一日に公布をし、十二月一日から施行することになっております。
  24. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 以上をもちまして政府側説明を終わりました。  ただいまの説明について、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  25. 田中一

    田中一君 大津留君、この法律案は省議としては大体了承されておるのですか。
  26. 大津留温

    説明員大津留温君) 実は、この委員会が済みまして、きょう午後省議を開きまして正式に決定いたす段取りにしております。
  27. 田中一

    田中一君 これは政府が出すなら出しても差しつかえない問題だけれども、いまも雑談でここで話しているように、国会の運営はどういうぐあいに考えておるか。今日までかかる法案が物理的にほんとうに十分な審議がなされるのだという前提で考えられておるのか。まあ、とにかく予算を取るためにも、これらを出さなければ取れないから、まずやっておこうじゃないかということなのか。きょう省議でおきめになれば、その結果をひとつ御報告願いたいと思うのです。ただ、たとえば道路の問題にしても、あるいは土地の問題、ことに農地の問題にいたしましても、なぜ建設省はこれに介入するかというようなものがこれはあらわれているものの中にあるわけです。たとえば道路のことにしても、これは内容は詳しくはわからぬですが、あなた方の素案ができておるかどうかしらぬけれども内容は私の質問が的確じゃないかもしらぬけれども道路の信号等は道路法上の施設であるというような見方をしようとする、一方道路交通法がある、おのずから守備範囲が違うわけです、今日の立法体系からすると。たとえば農地の問題にしても、農地が農地として的確な目的を果たし、これを確保するのだというような表現をされておるけれども、農地そのものがこれは建設省所管に何の触れ合いがあるかということを考えると、これもまたおかしな問題です。前段に建設大臣はおられなかったけれども、あなたのほうの小山邦太郎委員から、日本列島改造という事業を総括的に行なうための一つの施策として、いろいろな問題を出しておる、そういう問題を当委員会検討しようじゃないか、これは超党派で検討しようじゃないかという提案がさっきなされたのです。いずれ当委員会でそれに対してどうするかという問題は取りきめられると思いますけれども、ただ、こうして一つのものに対してあらゆる面から法律でがんじがらめにしておる、そしてだから目的は達せられるのだというような考え方で日本列島改造なんかできっこないのです。何といっても、そこにいるエリートらしい官僚が、自分の力の足りないものは法律でもって押えつけるのだというような発想からくるところの法律制定とか改正とかというものは、国民は納得しないのです。ここに提案というか、いま示されたところの法律案だけ見ても、非常に多岐にわたる権利関係なりあるいは現行法によるところの規制が行なわれている、その上にまたもう一つ網をかけてこれを完全なものにするのだというような考え方、これが随所に見えるわけです。きょう省議で建設大臣態度をおきめになると思うけれども、しかしこの内容の持っているものが、ただ手直し、足りないところをちょっと建設省のほうで手をつけるのだというような考え方じゃ、この法律はわれわれはどうも正しく受けとめることができない。根本的に土地の問題なら土地の問題というものを中心にして、現在国民が納得しないものならば、全体を一ぺんばらばらにして、いまの法体系をばらばらにして、ほんとうのものに、すなおなものに位置づけるというような発想がなされなければならぬと思うのです。いずれ、きょうといいますから、きょう省議でおきめになると思いますけれども建設大臣、ほんとうにこれをおやりになるつもりでいるのか、これはあなたの発想なのか、あるいは総理の発想なのか、あるいは問題点を示して事務当局で検討さしたものなのか、その点だけちょっと伺っておきたいと思うのです。
  28. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) きょう省議を開いてきめると、こういう考えだったんですけれども、きのう、これちょっと見てみたんです。ところが自分でもちょっと納得できないものがあったものですから、実はきのう決定しないできょうに延ばしてみたんでありまして、きょうきめるかどうか、まだわかりませんです。私としてもやっぱり出す以上は納得したものでなければなりませんし、まだ不勉強でして、自分で納得できないものがあったものですから、きのうをきょうに延ばしたということになっております。きょうまた話をいたしまして、納得のできないものであったならば、また延ばすかもしれません。そうでありまするから、私は出す以上は、ほんとうに日本列島の改造なんといいましても、そんな簡単なものじゃない、非常にむずかしいことなんであります。私はあれを読んで見まして、方向としてはいいものである、改造しなきゃならない、望ましいことだけはわかりまするが、さてやるという段になったならば、たいへんなことであるということは心ひそかに期しておるんであります。それで、しかもそのやり方が権力主義的でなく納得ずくでやろう、その納得もなかなか全体が納得するなんということは容易じゃないと思っておりますよ。それも若干不本意であっても、納得してもらうためには思い切って金もかけなきゃならぬだろう、いろんな点で非常な問題がありまするから、その一部である建設省のこの提出する法案ですから、自分もどうしても納得したものを出してみたいという思いまして、実は、私自身も全体に対しては、そうすなおじゃないんであります。そうでありまするから、私がそういう点でお話をお聞きしておりまして、それが出される法案の中に生かすようにしてもらったならば、私非常に助かると、こう思っております。きょう省議を開きましてきめる方針ではございまするけれども、それは納得したならきめることであって、納得できなかったらまた延びるものであるということを前提にしてどうかお話くだされば非常に幸いでございます。
  29. 田中一

    田中一君 それから、あなたも非常に長く国会にいらっしゃるんですから、いろんな問題はおわかりでしょうと思いますが、物理的に、これできますか。今日までわれわれのほうは――予算の先議は衆議院にあります。したがって、法律案も大部分は衆議院先議で行なっているのがいままでの慣行なんです。昨年は二つ、三つはこちらが先議になったものがありますが、それでようやく全部の法律の審議ができるということになるわけです。だから実際の問題として、これだけの法律案を定例委員会で審議が可能かどうかの問題も非常に疑問があるんです。そうなると、一体どうしようとするのかという疑問を持つわけですね。全部衆議院先議だということがいままでおおむね使われていることなんです。これはまあ何といっても今度の選挙ですね。きょうは何か新聞見ると任期一ぱい解散はないということを総理は言っているなんて新聞に出ていたけれども、こんなばかなことはないと思うんですよ。ばかなことはないということは、そんなことは許されないと思うのですよ、国民感情から言っても。まだ総理のほんとうの総理としての見解というものが示されておりませんから、私どもそれを非常に注目してその時期を待っておりますけれども、一体これだけの法律案を出して、おまえたちはこれを審議しなよといってもできないということになるわけです。したがって、きょう省議でおきめになるにしても持ち越すにいたしましても慎重にしていただきたいと思うのです。非常に困難です。そして内容がすべて一歩も二歩も前進しておるという形をとっておるものですから論議も相当あろうと思うのです。そういう意味において、いま大臣の言われていることをそのまま受けとめます。そして、そういう意味で、物理的にもあらゆる面において慎重に検討していただきたいと思うわけです。これ建設大臣だけです、申し上げたいのは。
  30. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) まあ両院がありまして、出した法案は、必要な法案として出すのですからどうしても通してもらいたい、こう考えておりまするが、さて、その通るか通らないか、通れるか通れないかというようなこともやはり考慮に入れなければならないのじゃないかと、こう思いますので、この法案全体につきましてもやっぱりほんとうに慎重に扱ってみたいと思っております。私もおっしゃるとおり長い議会生活を営んでおりまするから、そういうようなこともほんとうに考慮の中に入れてやってみたいと考えております。
  31. 田中一

    田中一君 法律案の問題については、これはまだ未知数ですからこの程度にしておきます。  次に、私、建設省に御承知おき願いたいのですが、国会を通りますと、法律の上でもって政令並びに省令、規則等で行政府に委任をしている事項がたくさんございます。どうも従来これがどういうぐあいに運営されているか、また国会において、われわれの審議の過程においていろいろそういたしましょう、ああいたしましょうと約束したものが、そのまますなおに行なわれているのかどうかという点に疑問があるものですから、こうして非常に繁雑な……、繁雑というよりもわれわれが見たってすぐに一ぺんにわからないような政令、規則等が実体論から言ってあるのですが、あえて伺うわけなんです。これを詳細に伺うと時間がかかってしようがないのだけれども、これは審議の過程で問題になっておって、これはその点はこういたします、その点はそう解釈しますといった問題点だけでも、それぞれの部局から説明してもらえぬだろうかな。そういう形でしないと、これはたいへんです。
  32. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) それでけっこうですから、ぜひやってみてください。
  33. 沢田政治

    委員長沢田政治君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  34. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 速記つけて。
  35. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) それじゃ、順次各所管の局長から御説明いたします。
  36. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  37. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 速記つけて。
  38. 田中一

    田中一君 あっち飛んだりこっち飛んだりすることがあるから、それはひとつそのように理解しておいてください。  下水道センターの役員等の任命はできましたか。
  39. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 下水道事業センターは国と地方の出資を要しますので、いまのところ十一月一日発足を予定しております。したがいまして、まだ任命はいたしておりません。
  40. 田中一

    田中一君 どういう方々を想定されておりますか。
  41. 大津留温

    説明員大津留温君) センターの役員は、センター法に基づきまして発起人会というものができまして、発起人会の会長さんは愛知県知事の桑原幹根さんです。発起人会が理事長となる人を推薦する、それから監事になる人を推薦する、それを建設大臣が承認して指名するということになっております。それで、その理事長と監事になる方を推薦するという発起人会は、実は今月の二十二日に予定されております。ですから、二十二日になりますと発起人会で御推薦がある、それを受けて建設大臣が指名すると、こういう段取りになりますので、もうしばらくお待ち願いたいと思います。
  42. 田中一

    田中一君 建設大臣、いまの官房長の話がありましたが、やはりこれは役人の、役人上がりか下がりかしらぬけれども、役人をお出しになるつもりですか。
  43. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) いろいろ専門的なものですから、考えてみましたけれども、やっぱり古くとも役人上がりのほうがいいのじゃないかと、こういうふうなことのようですよ。
  44. 田中一

    田中一君 まあ非常にむずかしい問題で、センターの管理という面を中心にするか、――管理が中心になるんでしょう、学校みたいなものですから。そうすると、そういうものがいいのかもわかりませんが、講師などはどういうところから求めるんです。下水道事業なんというものの学者はあまりいないんですよ。これはどういうほうから採るつもりですか、官房長。
  45. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) センター部門にも、現在主として地方公共団体等で働いておられる方で割愛していただける方をある程度直接センターの職員として入れまして、その人によるセンター部内での研修というものを主に考えておるわけでございますが、もちろん実地研修なども重要でございますので、研修所もそういった実地研修にふさわしい場を求め、そういったところで、先ほど申したセンターに直接採用した人及び随時現役等の専門家を講師に招聘して研修に当たりたいと、このように考えております。
  46. 田中一

    田中一君 従来、政府関係機関はあまり設けないんだというような考え方で佐藤内閣は一貫してきておりましたけれども、今度は、このセンターは佐藤内閣時代のものですけれども、ほかに考えられているもので、特殊法人をたくさんつくるようになっておりますね。方向が変わったんですか。今度出されている法律の中でも、特殊法人をずいぶんたくさんつくらなければならない。そういう方向になったんですか。また建設大臣がそういう姿勢でいるわけですか。
  47. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) そのことについては変わったわけではありません。変わったわけではありませんけれども、いろいろなところからやっぱりこんなものがたくさん出てきておるのですね。しかし、これはいずればまとめなければならないと思っております。全体としてまとめなければならない問題だなと、このままでは済まされない問題だなあと私は思っております。
  48. 田中一

    田中一君 都市局長、この施行令の中の第一の問題、これはどういうことを言おうとしているんですか。「下水道事業センターに対する出資の目的とされる金銭以外の価額の評価」云々というのですね。これはどういう事態をもってこれを評価委員会にかけるんですか。これは前提になっているんですか。
  49. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 現在具体的には予定はないんですけれども地方公共団体などがセンターに出資する場合に現物出資の道を開いておるわけでございます。その場合の現物出資の出資額を評価するために、この評価委員制度法律で開いておるものですから、それを受けて委員の構成を定めておくという趣旨でございます。
  50. 田中一

    田中一君 現物出資ってどんなものですか。土地ですか。どんなものなんですか。
  51. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 考えられるのは土地とか建物でございます。
  52. 田中一

    田中一君 評価委員は、大蔵省の職員ではどういう人を考えていますか、建設省職員ではどういう人を考えていますか。
  53. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) この評価委員会は常設するものじゃなくて、個々に現物出資の話が出てきたときに、それをきめるためにそのつど設けて、また解散していただくということでございますので、現在はそのような事態がありませんから、まだ人の予定もしておらないわけでございます。
  54. 田中一

    田中一君 いつごろこれが成立して出発するんですか、事業開始は。
  55. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 各地方の出資を全部受けましたあとで、したがいまして、十月中にそれを全部受け入れることに予定しまして、十一月一日設立登記に持っていきたいと思っております。
  56. 田中一

    田中一君 次に、特定多目的ダム法ですが、三カ年計画として金はどのくらい借りることになっておりますか、融資を受けることになっておりますか。
  57. 川崎精一

    説明員川崎精一君) 初年度は六億でございます。
  58. 田中一

    田中一君 住宅金融公庫法改正についてちょっと。この法律提案されたときに、なぜ自分の守備範囲外のところに手を伸ばすのかという質問をしたのに対し、建設大臣、住宅公団は市街地再開発等の事業が行なえる、住宅金融公庫はそういうものがない。ところがそれがあえて法建改正してまでも九十億程度のものを、市街地開発に参加しようといって法建の改正をやったわけなんです。住宅金融公庫のもう成立の趣旨というものは終わっているわけなんですよ。定款、目的で御承知のように、住宅金融公庫の資金というものは、金がない人、どこの金融機関からも金が借りられないような人、こういう人に金を貸して、住宅資金を貸すのだということになっている。ところが、昨年度などもたしか十五万戸程度だったと思うのですが、申し込みが一ぱい一ぱいなんです。もう借りる人がいないのですよ。大体金利が高い、それから担保が非常に過大なる担保をとっている。そしてがんじがらめにして、住宅金融公庫の金を借りただけで家が建たないわけです、これは御承知のとおり。建たないのです、金利が高くて、担保をたくさんとるし。たくさんとる――建物だけじゃないのですよ。三分の一程度の金を貸して、しいて言えば、そうしてあとは自己資金、借り入れ金等でつくった三倍プラス土地というものを担保にしなければ貸してくれないなんという制度はいまないのです。だからもう改組しなさい、こういうことを西村建設大臣とも約束して、何とか善処すると言っておりました。今度また何か住宅金融公庫、出そうという法律の中にも、どういうものを変えるのかしらぬけれども、何か一部改正法律案を出したいということを言っておりますけれども、これはことしの通常国会改正のときにもこの問題くどくど言っているのです。おやめなさいと言っている。もう国民のものじゃないじゃないか、こういうことを強く主張しておったのです。何とか住宅金融公庫法は、もう目的を達したのですから、しかしあれだけの何百人かの人間がおりますし、優秀な人もおられるでしょうと思いますから、それらを活用して、性格の変わった方向に法律改正をするということにしなきゃならぬと思うのです。どうお考えでしょうか。
  59. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) 金融公庫に対しまして、金利が高いという御批判も非常に強かったのでございます。金利も安くしなければならないと思います。それから条件もあまりきつ過ぎる、だから条件も非常に緩和しなきゃならない。それからおっしゃるように、その三分の一ぐらいの金を貸して、そして家を建てろなんということも無理だと、こういうことも承知いたしておったものですから、金額もまあ四百万ぐらいに上げようと、こういうようなことを考えたのです。考えて、そして住宅金融公庫法の一部を改正しようと、こういうような考えを今度起こしたのであります。田中委員のおっしゃるような非常に深刻な議論がこの前の国会においてかわされたといたしまするならば、そういうようなことももっと強く踏まえて、もう一ぺん考えてみてもいい、こう思っております。
  60. 田中一

    田中一君 これは木村さんにぜひ考えてほしいと思います。もう国民はそっぽ向いているのです。こんなものは借りたって、がんじがらめになってどうにもならぬのです。これは官房長だって、沢田君だってよく知っているはずですよ、実態というものを。ただ、役人や建設省から無理やりに出した人間もいるし、もう二十何年たっているのだからこれはしようがないのだというのじゃ困る。そうして、再開発の資金なんというものも、これははっきりと住宅公団法律の上でもって再開発に協力できるようになっている。ばかな話で、どうにもならぬと思うのです。だからいまの浅村総裁に、勇気をもってやれということを激励しておいたんです。あとは貸し付け金の回収だけやればいいのです。だけれども、あれだけのスタッフがいるのですから、このスタッフを何とか生かして使う道はなかろうかと、私は考えております。だからそれは、いま出されるという法律案の中にも置きかえて、住宅金融公庫が行なえる仕事だってあるのじゃないかと思うのです。特殊法人をもしっくるというならば。どうもこれ見ると、金利を安くするとかなんとかいうことだけうたっているのですが、これは何か、きょうひとつ木村さん、こんなものはだめだと言ってくださいよ、出したってだめだ、そのくらい言ってくださいよ。もういろいろ気になって、手直し手直しって言って延命策をとっていますから、自分の命を長くしようという気持ちしかないのですから、いまの人はそうでもないかな。これはぜひこんなものだめだよと言ってください。  それから、公有地の拡大推進に関するのは、これはまあ共管になっておりますが、こんなざる法ってないですよ、木村さん。これは二千平米以上はとれぬのだとなっておりますけれどもね。千平米ずつ、一つ一つ買うなら買えるのです。二千平米以上になっているのです。適当なところを、おれのほうがこの法律に引っかかるから、とにかく千平米売れよ、そうすれば買える。また千平米、これなら買えるのです。千平米まで買えるこんなざる法なぜつくったかというのです。ばかな話でしょう。千平米ずつ買っていれば買えるのです。完全なるざる法で、何のために、どういう目的のためにこれをつくったか私にもいまだにわからないのです。これはただ単に住宅を建てようというもろもろの事業団体が、これなら楽にいけるのじゃないかというだけでやって、ほんとうに思いつきの法律改正なんですね。法律改正提案なんですよ、こんなばかなことを。これもひとつもう一ぺん大臣も御検討なすって、地価対策なんということをキャッチフレーズにしてやっていますが、地価対策じゃない、地価を上げているのですよ。この点もうひとつ御検討願いたいのです。どういうぐあいに運営しているか、建設省のほうはこれはだれが担当しているか、都市局かな。現在の運営、方向、計画、どう立てているか、説明願いたい。
  61. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) 公有地の拡大の推進に関する法律は、先ほど官房長が御説明いたしました一覧表にありますとおり、すでに政令省令には制定いたしておりますが、土地先買い関係規定が十二月一日から施行でございますので、目下この周知徹底をはかるべく準備を進めている段階でございます。いまおっしゃるように、都市計画施設予定地とかあるいは道路予定地とか河川予定地といった特定の用途がきまっておりますところは、これはまあ広さに関係なく先買い権が働くわけでございますが、そういった土地でない一般の市街化区域内の土地につきましては、おっしゃるとおり二千平米ということになっておりまして、政令でも法律の二千平方メートルを下らない規模という、その最低阪度の二千平米というものを政令で定めさしていただいた次第でございます。まあ私どもとしては一応利用目的がきまっておらない土地につきまして、そうこまかいものまで一々届け出て先買い権ということはいかがと思いまして、御提案し、御審議いただいたわけでございまして、なお、今後この運用の実態をみまして、おっしゃるような非常な脱法的行為が頻発するようでございましたら、また、その時点で十分検討さしていただきたいというぐあいに考えております。
  62. 田中一

    田中一君 脱法的行為じゃないんだ。脱法的なことが行なえるようにできている法律なんだよ。だめだよ。何か、こうなれば取り締まってこうするのだというような発想じゃいまの近代行政官はあっちゃならぬよ。君ら優秀な青年――青年じゃないか。だめだよ。何かあれば取り締まるのだというようなことじゃなくて、完全に目的を遂行できるような形を整えることなんだよ。思うようにならなかった場合に、どういうぐあいに取り締まるつもりなのか。
  63. 吉田泰夫

    説明員(吉田泰夫君) ことばが不適当でございましたが、二千平米で思うような効果があがらない。二千平米以下で切り売りするような事態が頻発した場合に、公有地拡大推進法の趣旨が生かされないということであれば、まあ、これは法律改正を要するわけでございます。そういうことも含めて、ほんとうの意味で運用できるように、その段階で検討さしていただきたい、このように考えている次第でございます。
  64. 田中一

    田中一君 いけないよ、こんなもの、やめてしまえよ。ざるになっているにもかかわらず、ああ、ざるに気がついた。また処置してやろうなんということはしないで、こういう法律をやめたら、もっと根本的に土地の問題は考えるべきなんです。土地の問題は根本的な問題として考えるべきなんです。あそこに抜け穴があったから、もう一ぺんこれに網をかけようかなんということを考えないで。まあ、これは将来のことだからどうこう言いませんがね。  建築審議会に諮問してある日照権、日当たりね。日照の問題等はどういう方向にいまいっているのか、説明してください。
  65. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 建築審議会の中に分科会をつくりまして、専門家の方々に御審議をいただいております。十回近くやったと思うのです。しかし、その間いろいろ問題がございまして、議論が非常にまとまらぬ場合が多うございました。それの問題は、とりあえずどうするかということと、恒久的にどうするか、こういう問題の処理の問題。それからもう一つは、それを調和させるためには日照の基準をいかに考えるべきか、この基準の問題で非常に問題がむずかしゅうございまして、これが残っておる。したがいまして、審議会といたしましても、中間答申を近くに控えておりますけれども、それがなかなかまとまらぬ段階でございます。したがいまして、私どもは経過をつぶさに聞いております。そういうものがまとまり次第、何らかの処置をしたい、こういう態度でございます。
  66. 田中一

    田中一君 まとめさせるということなんですね。おそらくまとまらぬと思うのです。しかし、何らかの答申をいつまでにしろ、こういう方向ですか。
  67. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 諮問をいたしておりますから、当然答申は出していただくということで急いでおります。
  68. 田中一

    田中一君 急いでいるというのは、いつごろまでですか。
  69. 沢田光英

    説明員沢田光英君) できれば次の通常国会法律提出したい。法律になると思いますので、さようなタイミングに合うようにというようなことをお願いをしております。
  70. 田中一

    田中一君 そうすると法律できめようというの、あなたのいまの考え方は。
  71. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 法律が必要な場合には法律制度になるわけでございますから、そのときには間に合うようにと、かような意味でございます。
  72. 田中一

    田中一君 ちょっとことばを変えてきたね。――法律できめよう、法律をつくらなければならないのだという前提に立っているのですか。
  73. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 審議の中に、法律制度でなければ処理できない御提案もございます。それから、そうでない御提案もございます。したがいまして、そういうものが出てきた場合に制度にせざるを得ないという場合には当然新しい制度を、かようなことでございます。
  74. 田中一

    田中一君 この提案しようという法律案の中には日照権の基準もあったかな。
  75. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 実は落としております。と申しますのは、内容がさだかでございませんもので、一応追っかけて出す、こういう態度で現在の時点では落としております。
  76. 田中一

    田中一君 そうすると、出すつもりがあるということは確実なんですね。
  77. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 先ほども申し上げましたように、審議会における御提案の中に、制度によらざればできない部分と、そうでない提案といろいろございまして、そういうことで制度でやるべきかどうかということも議論になってございます。したがいまして、結論が制度でやらざるを得ないということになってきました場合には、そういう法律案が案件として出てまいる、かような次第でございます。
  78. 田中一

    田中一君 そうすると、はっきりきまっていないということになるね。それで、きまってなくて、今度きめるというのですね。制定するというのですね。
  79. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 答申の内容によりまして、法律制度で処置せざるを得ないというふうなことになった場合には、法律として次の国会に出したい、かように考えます。
  80. 田中一

    田中一君 もう一ぺん聞きます。諮問としては、どうしたらいいかという諮問をしたのか、あるいはどうしても日照権という権利を確定させろという前提、権利があるという前提でこれを法制化しろ、こういう諮問のしかたなんですか。その点もう一ぺん聞いておきたいのですが。
  81. 沢田光英

    説明員沢田光英君) そういう権利の問題というよりも、現在この社会で起こっております日照問題、これをいかに緩和と申しますか、解決と申しますか、そういうことにすべきか、こういう諮問の意味でございます。
  82. 田中一

    田中一君 そうして、それは次期国会あたりには必ずそれをきめようということなんですか。
  83. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 国会の問題といたしまして、法律で出るか出ないかわかりませんけれども、しかし、国会までには私ども態度をきめなければいけない、かように思っております。その態度をきめるデータを答申として早くいただきたい、かような――しかし審議が非常に錯綜しておりまして、議論が非常に多うございまして難航しているというのが実情でございます。
  84. 田中一

    田中一君 建設大臣北海道の長官を兼務でしたか。
  85. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) 兼務しておりません。自治大臣北海道長官を兼務しております。
  86. 田中一

    田中一君 公安委員長だったね――昨年でしたか、建設業法の一部改正が行なわれたのです。その際に別表で、専門業種といって二十八業種というものを指定してあるのです。ところが実情はもうその二十八業種なんていう法律できめているものの中には、全然事業としてないものもある、商売として成り立たないものもあるのです。そういうものもあるのです。そこで、これは実態に即したものに変えていきなさい、こういうことを法律をつくるときに、法律案を成立さすときに注文つけてあるのです。たとえばいまあの工事の中において専門工事として左官工事なんていうのがあるのですが、ふろをつくるのも、タイル張るのもみんな同じなんです。専門工事としてタイル工事なんていうのもあるのですが、そんなものはみんな一人でやっちゃうのです。タイル工事なんていうもので商売している人はいないのです。それが相変わらずタイル工事業という形で指定してあるのですね。こういう近代化した技術も開発され、いろんな形で変わってきている中において、どこまでもそれらの業種があるものという誤認をして、いままで法律でそうなってるわけです。これを何とか直さなければならぬじゃないか。だから御承知のとびなんていうものも、とびというのはましらのようにどこでも飛んでいって丸太を中心にしたとびだったわけです。いまそんなものは御承知のように少ないわけです。鉄骨いじったり、鉄筋いじったりというのがいまの近代的なとびなんです、それで機械を使う、おのずから変わっているのです。これを相変わらず昔のままの業種分けをしている、専門業種として法律できめているわけです。この点相当検討されたと思うけれども、どうなってるのですか、計画局長
  87. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) 二十八種類の業種につきましては、先生のいろんな御意見、御指導等ありまして、その直後におきまして建設大臣の告示でその内容の詳細を一般に周知するようにいたしたのでございます。さらにいろんな会議等を通じまして、全国的にも内容がよくわかるように私どもPRにつとめているわけでございます。これにつきましては、先生のおっしゃるように、なかなか分け方もむずかしゅうございますし、また判断もむずかしい点がございますので、問い合わせも相当ございますけれども、そのときにはよくいろいろ指導いたしておるわけでございます。さらにまた、先生にもその当時申し上げましたように、本年度、建設業の基本問題調査ということでいろいろな問題を調査いたしますが、その中でこの問題を調査する委員会をつくって、そしていろいろな内容検討するということにしておりますけれども、現在まだ一回ぐらいやっただけでございます。早く私どももこの点について検討を進めまして、また、先生の御指導もいただきまして結論を出していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  88. 田中一

    田中一君 御承知のように、せんだってここで、これは茜ケ久保君が質問した例の住宅公団のベランダが墜落したという問題がある。そうすると、のめのめとこういう答弁をしています。従来はベランダにコンクリートを流し込むのは、現場でコンクリートを練って、ねこという小さな一本足の車がありますが、ねこで持っていって流し込んだから鉄筋というものが動かなかった。いまは生コンですね。生コンをポンプでもってやるものだからそれが動くのだという答弁をしているのです。だからああいう事故が起きたと言っているのです。そんな、御承知のように安い単価で早くやれと言って注文を出している住宅公団でしょう。工法が全然変わっている。新しい工法が開発されている、開発されているにかかわらず、まだ古い工法がいいのだといってそれを指導しているなんということはあり得ないじゃないかということで、ずいぶん私は文句を言ったんです。そのように施工方法がたくさんいろいろな形で開発されているのです。それに合ったような何をやっているわけです。専門工事として法律が指定している、これはずいぶんおかしいでしょう、そんなものはないのです、そういう仕事はもう。そうして専門工事として法律的に明定していないものですから監督もできない、非常に危険な仕事をしておる。だからやはり多用化している施工方法が開発されているのですから、これらを全部洗い直して、そうして下請というようなものでなくして、ほんとうに一人前の専門工事業として認めなさいと言っておるのです。ひどいもんなんですよ。たいていゼネコンという例の、大手ばかりじゃない、請負人が下請の二割ぐらいまではねるんです。これは大きな規模でやっているから税金もかかるでしょうけれども、下請、孫請、ひ孫請なんていうのがざらにあるんです、専門工事で。ところがこれは法律的に明定されていないんです、これはそこに問題がある。これは計画局長、あなた方がゼネコンにこの問題について審議会等に相談してくれということもないようです。自分がいままで頭をはねていたいい種がなくなっちゃっちゃ困るから。だからそうじゃなくて、ほんとうの専門の弱小な工事を施工しているものを中心にしてどうやればいいかということの検討をしてください。ただ、全国建設業協会にはかればいいのだという、そんなものじゃない。実際に困っているのは、その人じゃない。だから早急に相当近代化している施工方法があるのですから、これに見合うような方法を考えてほしいと思います。いいですか、いつごろきめますか。政令にまかしておるから、政令でできるのですから。二十八業種は御承知のように法律になっておりますから、それに法律と同じ効果を持たせるような、単独で事業が行なわれるような方向できめてほしいと思います、どうですか。
  89. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) 御承知のように、これは政令委任はございませんで、告示でいろいろ詳しい内容を書いて、そして周知徹底をはかっておるわけでございます。したがいましていま申し上げましたように委員会でなるべく早く結論を出しまして、その間に先生にも御相談をいたしまして、やはりそれまでして法律改正をする必要がありましたら、もちろんこれは法律改正のことも議題にのぼってくると思いますが、告示をもう少しわかりやすくするとか、その他そういうような作業も行ないまして、一般の建設業者に迷惑のかかるようなことのないようにいたしたいと思います。
  90. 田中一

    田中一君 いつごろまでに答申を求めるのですか。
  91. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) 委員会の諮問とか答申というものじゃございませんで、期日はございませんけれども、できるだけ早くというふうに思っております。まあ年度内にはともかく片づけたいというふうに私ども考えております。
  92. 田中一

    田中一君 実態は住宅局に聞いても、あの程度の答弁でびっくりしたでしょう。君、いまごろねこ車持って四階五階まで板場を伝わって持っていって、コンクリートを流し込むというようなものはないのだよ。全部生コンでポンプでもってどんどんどんどんコンクリートを流し込んでいるんだよ。まだ公共団体の設計というものがそうなっているかと思うと、おそろしいと思う。この間、これは沢用君に聞いておくけれども沢田君、君そう思わないか。仕事のほうは君専門だから。
  93. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 先国会公団からさような答弁をしていたと思いますが、先生のおっしゃるとおりだと思うんです。やはり、設計と施計技術の進歩というのは相伴って進んでいかなきゃいけない。それが、やはり、ともすればどっちかがアンバランスになる。そういうところからそごが起きてくる。これは私どもの行政の範囲内だと思います。そういうところで十分な調整といいますか、そういうものに目を光らせなければいけない。そういうふうに感じています。
  94. 田中一

    田中一君 計画局長、とにかく早く出してください。
  95. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) はい。
  96. 田中一

    田中一君 お願いします。  それから、私はこんなことくだくだ言っているのは、やはり法律は通した、成立した。しかし、われわれ委員としては委員会の審議の過程で注文をつけているのです。ああしなさい、こうしなさいと、全部政府のプラスになることばかり。むろん国民もプラスになる。ところがこれはいつも等閑視される。等閑視されるというのは、われわれも不勉強なわけなんですが。だから、きょうあなた方に来て教えてもらっておるわけだ、どうなっているかということを。だから、こういう慣行はどうしてもなくさなきゃならぬと思うのです。法律を通しちゃったあとは知らないのだというんじゃないのです。やはりわれわれ国会としても責任があるわけです。どういうぐあいに実施されているかという点は重大な問題なんですから、あえて聞くんですから、木村さんもめんどくさいかもしれないけれども、聞いておいてくださいね。  これは、どこに聞いていいもんかわからないんですがね、これは一部の新聞に実は出たことなんですが、大体埋め立て地というものは――しゅんせつで砂を流し込んでいますね。埋め立ての仕事は、これは大体どこの仕事になるんですか。住宅敷地としてつくる場合もあるのです。その場合には、大体二年ぐらいたたなければ上に家を建ててはならないというのが不文律なんです。自然沈下――まだ固まっていませんので、二年ぐらいたって雨も降り何して締まってくれば、まあ大体いいだろうということになるんです。そういうことの法定化なども私は必要じゃないかと思うんです。この点は沢田君、どう思う。
  97. 沢田光英

    説明員沢田光英君) 埋め立ての話は特に書いてございませんけれども、基準法で敷地は安全、衛生的でなければいけないと、こういう総括的な条項がございます。それに照らして、要するに、埋め立てた場所が非常に沈下が激しくて危険だというような場合には、それ相応の今度はくいを打つとか、そういうプロテクトできる範囲内の設計をしてできてくれば、敷地も当然安全になると。それがされない場合は、それは危険な敷地だということでぐあいが悪い。かようになるんじゃないかと思います。
  98. 田中一

    田中一君 その危険だというくいを打たす。くいを打たす工事そのものが危険なわけなんです、くいを打つということそのものが。そういう場合があるんです。現に、そういう事例は一部の新聞に出ていましたけれども、私はあなた方の監督範囲のことをあまり引っ張り出していやみなことを言いたくないので言わないのですがね。これはくい打ち工事などはもうはっきりした一つの専門工事として認めなきゃならぬのですよ、専門工事として。何にもないですよ。いまこのくい打ち工事というものはたいへんなものなんです。ことにダム等のグラウト工事――セメント注入工事ですね。これなんかも、専門工事として認められていないのです。だから、せんだっての下筌ダム、松原ダム等の漏水なんかも起きるわけなんです。つかまえどころがないわけなんです。こういう点、非常に近代化されている建設工事ですから、それはもう総じて、そういう意味の安全を守るための法制化をしてほしいと思うのです。その点はどう思うか、住宅局のほうでどう考えるか。
  99. 沢田光英

    説明員沢田光英君) まあ、くい打ち工事の場合の例をとりますと、くい打ちの場合にどういうくいをどういう状態で打って、最終的にそれがどういう耐力を出さなければいけないかということは、基準法の政令でこまかくきめてございます。試験方法も全部きめてございます。したがいまして、そういうものを確認した上で、上に家を建てるという制度になってございまして、くい打ちはそういう意味で非常に重大でございますから、この行政はかなり行き届いておると思います。ただ、先生のおっしゃいます施工の問題は、それをどういうふうに具現するかという問題で、これは基準法ができた結果でございますから、私どものほうでもむしろ施工業の側の話で守っていくべきだと思います。
  100. 田中一

    田中一君 計画局長、法制化しないでいいか。
  101. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) ちょっと失礼しました。
  102. 田中一

    田中一君 だめだ、ちゃんと聞かなければ。くい打ち工事なんというのは、非常に基準法ではくいを打たなければいけないということをきめているでしょう。しかし、くいを打たなければならないときめておるそのくいを打つこと自体と、危険があるということと全然違うわけだ。だから、そういう業種も法制化しなさいということ。君の見解どうかと聞いている。
  103. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) くい打ち業者につきましては、先生、この前の国会のときからもいろいろ御意見ございましたけれども、確かに先生のおっしゃる点が、非常にもっともな点もあろうかと存じます。したがいまして、先ほど申し上げました委員会でいろいろ論議をする際、それももちろん含めまして、いろいろ議論をして、そうして結論を出していきたいというふうに考えておるわけでございます。その結果によりまして、法律改正をするのか、また、告示の内容を変えるかということをきめたいということを考えております。
  104. 田中一

    田中一君 あのね、もう何だぜ、危険なのはわかっているんだよ。何メーターぐらいになるのか、相当高いやぐらを都心のまん中でかつぎ回って、そうして据えつけてくいを打つ。いま、建設省は、重車両のオペレーターの試験制度なんというのを、そういうことをやっているんですが、同じようなことで、そういうところは、やぐらをいじり回すという技術者ですね。この技術者の教育あるいは技能検定をするような方法をとれませんか。これはだれが答弁する。
  105. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) 建設業法によります技術検定では、いま、御承知のように機械施工、土木施工、それに管工事がつけ加わったわけでございます。さらに先生のおっしゃる点につきまして、つけ加えるかどうかということについて検討してまいりたいというふうに考えます。
  106. 田中一

    田中一君 これは必要でしょう。
  107. 高橋弘篤

    説明員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げました業種の分類との関連もございますし、また、先生の多年の御主張でもございますので、最近のそういう業種の新しいものが出てきているという意味におきまして、確かにそういうことも必要であろうかと存じます。先ほど申し上げましたように検討してまいりたいというふうに考えます。
  108. 田中一

    田中一君 もう一ぺん建設大臣に伺いますが、この提案資料と考えられる法律案の中に、とにかく土地問題が非常に大きなウエートを占めておる。いずれこれは予算委員会なりあるいは建設委員会なりで田中総理の構想に対する専門的な質問もするつもりでいますが、土地の問題がいまも私のほうの小山委員からも提案されているように、衆議院じゃそういう土地問題の小委員会を持って検討している。これは非常にいい姿勢だと思います。そこで、この法律の中で土地の問題を縮めて一つにしたらどうかということを提案したいんですよ。この手法あの手法、農地のほうは、農林省のほうはわりに農地のほうがやかましくなってきましたから、それもひっくるめてやってしまえと考えていいでしょうと思いますが、何とかそういう点は混乱のないような形で縮めてやったらどうかという気持ちを私は持っているんですが、これは建設大臣どうですか。
  109. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) ぜひ私もそうしてみたいものである。ただ、やはり日本列島改造ということだけでなく、あらゆるものが前進しようと思うと皆ひっかかるのは土地であります。土地に対する基本的な態度というもの、対策というものを持たないと何も前進しないようなときになってきている。こう思っておりますから、一つにまとめられるものであったならば、ぜひまとめていきたい。それを私は持ちたいと思っておったんですが、不勉強なものですから自分自身でそういうようなものをつくれないでおったのです。そうですから非常にけっこうなことであると思いますから、そういう方針で臨んでいきたい、こう考えております。
  110. 田中一

    田中一君 そこで大臣に申し上げますが、そこに並んでいる多くのエリートは、自分の守備範囲は非常に大事に守るのです。建設省の中で同じ目的を果たすための立法というものを各局で重複してやるわけです。これはやっているのですよ。さっき申し上げたように、住宅公団都市の再開発一つの役目を持っているにかかわらず、住宅金融公庫にまたそれをやらしている。これは住宅公団と住宅金融公庫と同じ建設省の住宅局のほうの守備範囲でありながらも、あえてそういうことをするのです。都市局と住宅局がいままで競合なんというものはしばしばこの委員会で申し上げたことがあるのです。局の仕事をふやすために国民が迷惑するということをあえてやっているのです。これは耳が痛いだろうけれども、高橋君、君よく知っているだろう。だれのために法律をつくるのか、こういう悪い習慣はきちっとひとつ締め上げてください。いろいろ要望するわけですけれども、ほんとうに締め上げてください。だれのために法律があるのか、だれのためにやっているのかということを非常に疑問に思うのです。みんな官僚は正しいものであって、決して悪いことを、まれにありますけれども、悪いことをする者はいない。しかし政治がこれを悪くする場合もあります。どうかあなたはよい官僚を育てて、これだけの国が月給をやって養っている官僚ですから、そんなものすぐ首を切ってどうかというのではもったいないですよ。これを活用していただきたい。これだけ申し上げてやめます。
  111. 木村武雄

    ○国務大臣(木村武雄君) どうも非常にありがとうございました。
  112. 沢田政治

    委員長沢田政治君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時十五分散会      ―――――・―――――