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稻葉国務大臣 私の
考えは、官僚はやはり出世をしなければなりませんから、それも決して全部が全部悪いということではありません、励んでだんだん階級が上にのぼるということはたいへんに努力していることですから、全部が全部悪いとは思わぬが、しくじってその地位を失うことを非常に心配しますわな。これももっともですね。もっともだが、そういうことがえてして行政が後手後手に回る一つの
原因になるように私には思われるんですね。ですから、民衆と常に接している国
会議員の
皆さんの団体である政党の言うことを役人が間違って反対しても強行突破する。私は、だから就任してから、面従腹背は困るんだという
意味のことを言いましたね。ぼくはまあしかし、しろうとだから、長年国
会議員として、文教
委員としてやってはきたけれども、こまかい点になると気がつかぬかったり間違ったことも言うかもしれぬから、そのときはよく教えてくれよ。教えても私がだめだと思えば私のほうの判断に従ってもらわなければ困る。どっちがえらいとかまずいとか言っているのではない。それは組織として
局長よりは
大臣が上ということになっているんだからわしの言うことに従ってくれ。そのかわり、それが間違っておったら命令したわしが悪いので
責任はおれがとる、あなたはとる必要ない。こういう調子で、とにかく国民と常々接触をしておられる国
会議員の
皆さんの、あるいは
県会議員、市町村
会議員、そういうような
皆さんの団体である政党の意思を行政に反映しなければいかぬ、こういう
意味で、従来の待つ政治をやめて積極的に先手を打つ行政をやらなければいけない、そういうことを申し上げた。しかもそういうことは、長年、文教制度
調査会、
文教部会等にも私は所属しておりまして、もう路線が大体歴代の灘尾さんから坂田さん、櫻内さんと、そういう方向であるとも聞いておりますし、諸政党の
皆さん方からも、
委員会に出席していい御
質問等を承っておりますから、ああこの政党はこの点等についてはこう
考えておられるなというようなことは、多少は察知しておるつもりでございますので、それをくみ入れてそして積極的に
教育を直していかなければならない、直していかなければ国民に申しわけない、こういうふうに思っておる次第でございます。