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1972-09-09 第69回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年九月九日(土曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 高田 富之君    理事 小沢 一郎君 理事 藤尾 正行君    理事 吉田  実君 理事 米田 東吾君    理事 小宮 武喜君       天野 公義君    笠岡  喬君       北澤 直吉君    竹内 黎一君       千葉 三郎君    永山 忠則君       藤井 勝志君    別川悠紀夫君       松浦周太郎君    森下 國雄君       山村治郎君    金丸 徳重君       広沢 直樹君    川端 文夫君       津川 武一君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      本名  武君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    杉岡  浩君         大蔵政務次官  大村 襄治君         大蔵省銀行局長 吉田太郎一君         文部省管理局教         育施設部助成課         長       西崎 清久君         文化庁文化財保         護部長     高橋 恒三君         厚生省児童家庭         局長      穴山 徳夫君         農林大臣官房参         事官      澤邊  守君         農林省農地局長 小沼  勇君         林野庁長官   福田 省一君         気象庁長官   高橋浩一郎君         建設省河川局長 川崎 精一君         建設省住宅局長 沢田 光英君         自治政務次官 三ツ林弥太郎君         自治省財政局長 鎌田 要人君         日本国有鉄道施         設局長     篠原 良男君     ————————————— 委員の異動 九月九日  辞任         補欠選任   奥田 敬和君     別川悠紀夫君   川崎 秀二君     永山 忠則君   坂元 親男君     千葉 三郎君   塩崎  潤君     笠岡  喬君   田村 良平君     松浦周太郎君   高鳥  修君     北澤 直吉君   中村 拓道君     山村治郎君   中山 利生君     竹内 黎一君   羽田  孜君     森下 國雄君   羽田野忠文君     天野 公義君   芳賀  貢君     金丸 徳重君 同日  辞任         補欠選任   天野 公義君     羽田野忠文君   笠岡  喬君     塩崎  潤君   北澤 直吉君     高鳥  修君   竹内 黎一君     中山 利生君   千葉 三郎君     坂元 親男君   永山 忠則君     川崎 秀二君   別川悠紀夫君     奥田 敬和君   松浦周太郎君     田村 良平君   森下 國雄君     羽田  孜君   山村治郎君     中村 拓道君   金丸 徳重君     芳賀  貢君     ————————————— 本日の会議に付した案件  自然災害防止のための気象業務整備に関する  件  昭和四十七年六月上旬からの断続した豪雨等に  よる災害対策      ————◇—————
  2. 高田富之

    高田委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、自然災害防止のための気象業務整備について委員長から政府当局要望いたしたいと存じます。  災害対策の重要な課題は、災害原因となる自然現象を精密に把握し、その情報の迅速、正確なる伝達により防災体制を確立することにある。災害対策特別委員会においては、気象業務重要性にかんがみ、再三にわたり、その飛躍的拡充強化を要請してきたが、昭和四十八年度予算要求に際しては、特に左記の事項について留意し、定員の確保及び予算措置等について十分な配慮を行なうこと。  一、集中豪雨監視並びに通報体制強化について  集中豪雨等異常気象を早期かつ正確に把握するため、地域雨量データ即時通報システム整備等地域気象観測網整備を行なうこと。また、重要地点レーダーの更新及び各地気象レーダーの常時監視体制強化等気象レーダー観測体制整備を推進すること。  二、世界気象監視計画の推進について  (1)静止気象衛生業務整備について  アジア・大洋州地域における静止衛星の打ち上げは、わが国の気象現象の常時監視及び気象資料収集等に大きな効果が期待され、また各国の気象業務にも大きな貢献が期待されるので、諸施設整備及び研究開発を促進すること。  (2)海洋気象ブイロボット整備について  世界気象監視計画に基づき、海洋気象資料充実をはかるため、海洋気象ブイロボット整備すること。  三、海洋気象観測船整備について  海洋及び海上気象観測充実強化をはかるため、老朽観測船の代船建造を行なうこと。  なお、この要望は、災害対策基本問題に関する小委員及び理事各位と協議いたしまして取りまとめたものであります。
  3. 高田富之

    高田委員長 昭和四十七年六月六日から七月十三日までの断続した豪雨等による災害対策について、その後政府においてとった措置について、政府当局から説明を聴取いたします。総理府総務長官本名武君。
  4. 本名武

    本名国務大臣 昭和四十七年六月六日から七月十三日までの断続した豪雨等による災害激甚災害として指定し、及びこれに対して適用すべき措置指定する等の政令制定等について御報告申し上げます。  六月からの豪雨等による災害激甚災害として指定し、及びこれに対し適用すべき措置指定する等の政令制定につきましては、関係各省庁において鋭意作業を進めまして、去る八月十七日政令三百十六号をもって公布、施行いたしました。  激甚災害として指定いたしましたのは、六月六日から七月十三日までの断続した豪雨及び台風第六号、第七号、第九号による災害であります。  次に、この激甚災害に対して適用すべき措置として指定いたしました措置は次のとおりであります。  一、公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助  一、農地等災害復旧事業等に係る補助特別措置  一、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費補助特例  一、天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置特例  一、土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助  一、中小企業信用保険法による災害関係保証特例  一、中小企業近代化資金等助成法による貸付金等償還期間等特例  一、中小企業者に対する資金融通に関する特例  一、公立社会教育施設災害復旧事業に対する補助  一、私立学校施設災害復旧事業に対する補助  一、日本私学振興財団業務特例  一、市町村が施行する伝染病予防事業に関する負担特例  一、母子福祉法による国の貸付けの特例  一、水防資材費補助特例  一、罹災者公営住宅建設事業に対する補助特例  一、公共土木施設農地及び農業用施設等災害に係る地方債元利補給措置であります。  なお、今回の指定に先立って、罹災者公営住宅建設事業補助特例につきまして、激甚災害指定基準の緩和をはかり、また激甚災害に対処するための特別財政援助等に関する法律施行令の改正により適用範囲拡大をはかっております。  また、今回の災害におきまして、山くずれ、がけくずれによる被害各地に発生いたしましたことにかんがみ、非常災害対策本部におきまして、これらの災害原因と機構の解明、さらに今後の対策についての技術的検討を行なうために、八月十五日から八月二十三日まで九州、四国、中国、中部、関東に、科学技術庁を中心建設省農林省林野庁、通商産業省、消防庁の研究機関研究者からなる技術調査団を派遣いたしました。調査結果につきましては、現在調査団において取りまとめ中でありますが、九月中旬には取りまとめが終了し、報告を受ける予定となっております。  なお、この機会に、去る六日午後からの低気圧によりますところの一般被害状況について御報告申し上げます。  警察庁の調べによりますと、けさ九時現在までに死者六人、行くえ不明四人、家屋全壊十三棟、床上浸水二千三棟となっております。  以上、御報告申し上げます。     —————————————
  5. 高田富之

    高田委員長 次に、昭和四十七年六月上旬からの断続した豪雨等による災害対策について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永山忠則君。
  6. 永山忠則

    永山委員 災害弔慰金に対しては、政府はどういうようなお考えを持っておられますか、お聞きをいたしたいと存じます。要するに、死者に対する災害弔慰金の問題でございます。
  7. 本名武

    本名国務大臣 災害弔慰金につきましては、七月の集中豪雨による災害から、不幸にしてなくなられた方あるいは行くえ不明の方々に対して地方団体がお見舞い金を出した額に対して、国が半額の助成援助をいたすということにいたしまして、その額は一応十万円を限度として、その半額を国が支出するということにいたしているわけでございます。
  8. 永山忠則

    永山委員 その支出する場合、激甚災害指定を受けた町村へは全部おやりになることになっておりますか。それとも、聞くところによると、災害救助法適用市町村だけというような考え方も一部あるように聞いておるのですが、それではきわめて不公平になりますので、ぜひ激甚災害指定市町村お願いをしたい、こう考えておりますが。
  9. 本名武

    本名国務大臣 先ほど御報告申し上げましたとおり、今次の災害激甚災指定をいたしたわけでございます。各町村につきましては、その事業種類施設種類あるいは対策種類等によってそれぞれ特別の措置を講ずることになっているわけでありますが、たまたま弔慰金につきましては、実は災害救助法を適用した町村に限って支出するということにいたしたわけでございます。先ほども申し上げましたとおり、一応これは、地方団体が行なった弔慰金に対して国が財政的な援助をいたすというたてまえになっておりますので、災害救助法を適用された町村と適用されない町村では、その財政支出の上において相当の開きがあるということを考えまして、一応負担の大きい、指定された町村に対して、財政援助の意味も含めまして弔慰金援助をいたすということにしたわけであります。したがいまして、いまのところでは、災害救助法を適用されない町村には、これは該当しないという扱いをいたしております。
  10. 永山忠則

    永山委員 いまのはそういう方針であるということだろうと思うのでありますが、われわれ、小委員会におきましては、そういう不公平は承服できないという意見でございますので、再検討お願いをいたしたいと考えております。  次は、今回の災害は、私は広島県でございますが、ことにわれわれのところは神武以来の大豪雨であり、大災害である。したがいまして、建設省が百年に一ぺんくらいな水位を想定して旧来計画いたしました堤防を、大体二メートル以上オーバーをいたしております。しかもそのオーバー中心は、山くずれからきた岩石と土砂、これが二メートル以上オーバーする一番大きな原因になってきたのである、こういうように考えられますので、旧来原形復旧ではどうしてもまた災害が起きるということで、当局のほうにおきましても、予算にこだわらず、しかしケース・バイ・ケースではあるが、地元意見を十分尊重して改良復旧をやるつもりであるということは、速記録にも吉瀬説明員大蔵省のほうからはっきり言っていただいておりますが、どうも災害復旧ということは、原則原形復旧なんだ、だからして改良復旧を大幅に取り入れることについては、現地係官が非常にかたくなな頭を持っておる要素がある。そこで、災害復旧基本を変える。要するに、原形復旧ではだめなんで、再び災害が起きないようにするという改良復旧原則であるというような頭の切りかえをし、また災害復旧基本原則も変えるという方向で将来行かなければいかぬと思うのです。これに対する長官の御意見を承りたいと思います。
  11. 本名武

    本名国務大臣 お話にありましたとおり、災害復旧原形復旧をもって原則といたしているわけでございますが、同じ復旧でも、災害を受けた個所の実情によりましては、必ずしも原形どおりにはいかない場合には、ある程度の改良がなされることは当然でありますが、ただ問題は、将来をおもんばかり、再び災害の発生することを未然に防止するために、今次の災害においては、政府は特に、改良復旧を前提とした復旧工事を進めるということを決定しているわけであります。ただ、永山先生指摘のように、実際現地に行きますと、現地担当する担当官は、改良復旧改良復旧といいましても、なかなかそのように運びにくいのだという御指摘は、ときどき受けているわけでございますが、それらの問題を克服して、つとめて改良復旧に進むようにいたすということで進んでいるわけでございます。  なお、制度として、基本的にはやはり改良復旧を加えて災害復旧原則とすべきであるということについては、今後検討いたしてまいりたいと考えております。
  12. 永山忠則

    永山委員 改良復旧原則でやるという方向でお進みいただくことが適切であると考えます。  そこで、私がそういうことをあえて申しますことは、現地関係が必ずしもよくいっていないという事例を申し上げ、それに対しても御検討を願いたいと思うのでありますが、たとえて申しますと、三次市に市の河川橋梁がございますが、これは市が市道の改修計画を立てて、そして橋梁台帳のほうへは、この改修計画にのっとってこの橋をこのくらいにするということが出ておるのでありますが、現状はそうでないから改良は認めない。また、例を言いますと、三次市向江田町の池田橋、あるいは神杉甲田橋、粟屋の旭橋、これは例ですが、そういうのは、現在幅が二メートルないし三メートルのところでありますが、四メートルにするということが市の事業計画ですでにできて、台帳整理もそういう方向でしてあるのでありますが、それを改良を認めてくれということにつきましても、これに対しては原形復旧でいかなければいかぬ、こういうようにいわれておるようであります。  いろいろたくさんあるのですが、一、二の事例で御了承願いたいのであります。  庄原市の関係で、西城川という川で高地区にございます市の橋でございます。この市の橋が国鉄橋梁と並んでかかって、しかも一番のど笛の狭いところへかかっているのです。それで、前にも落ちましたのですが、とにかく前に半分落ちて半分残り、そして今度また半分落ちたわけであります。したがいまして、半分落ちておるのだから、しかも国鉄橋梁を上げてくれればいいのですが上げない。そして並んである。しかも一番のど笛の狭いところにある。したがって、少しずれた広いところにこれを持ってきてやりたいというのでありますが、とにかく半分残っておるのだからそういうわけにはいかない。しかもそれは二メートルの、消防車も行かないような古い橋でございます。これは当美屋橋というのであります。これも少しずらして、広いところで四メートルをやりたいという要望をしておるのでありますが、改良は認められない、こういうように言われておるのであります。事例は幾らでもあります。  今度は頭首工の問題を話します。頭首工関係農林省の問題だ、農林省関係だから、建設省はどうも頭首工には手が触れられぬ、こう言うのですが、農林省のほうで言えば、頭首工治水計画でやれるんだ、こういうように言っておりますが、この頭首工が水害の一番もとをなしておるのであります。それで、落ちた部分を、今度はどうしても可動ぜきにしていただくかポンプあげにしていただくか、これは地元との話し合いもございますが、する以外はないというように考えられておるのでありますが、必ずしも可動ぜきに全部やろうというような方向には行っておりません。  それから、落ちたところはそうですが、たとえば三次市の隣の君田村にあります神野瀬川頭首工は落ちていないのですからして、これはどうもこうも直すわけにいかぬ。しかしこれを直さねば、土手を巻いてもまたどこかがやられるということは、名前は言いませんけれども土木権威の人が、私が視察するときについて歩いてそう言っているわけです。それではこれを可動ぜきにするか何かしてくれと言えば、これは落ちていないからどうもならぬ。そうすると、その付近堤防を直してもまた災害が起こるということでは非常に困るのではないか。これは事例でございますが、そういうようなことで、その例はさらに三良坂町というところにもあります。頭首工を直さぬ限りは、その付近を上まで巻いてりっぱな土手にしてもまたどこかがやられるだろう、こういうことを技術者のほうで言っておりますが、しかしこれは農林省関係であるし、もう一つは落ちていないのだからどうもならぬ、こういうように言っておるのでありますが、今次の災害がもう旧来のものでない、また将来もそういうことが考えられますので、ぜひひとつ頭首工の問題は、農林省建設省十分話を詰めて、将来災害が起きないようにという方向で御検討を願わねばいけぬと考えておるのでありますが、これに対する御意見を承りたい。
  13. 本名武

    本名国務大臣 七月豪雨による被害に対する災害復旧は、先ほど申し上げましたとおり、改良復旧を旨として工事を進めるということにいたしておりますが、具体的な個所別のお尋ねでありますので、担当建設省農林省からお答えお願いすることにいたしたいと思います。
  14. 川崎精一

    川崎説明員 ただいまの先生お話農業取水ぜきの問題、それから地方中小河川にかかっております木橋、こういったものが、大体集中豪雨の場合に非常にいろいろ被害拡大をするような方向に作用しておるということが、最近各所に見られるわけでございます。したがって、今回の災害でもそういったところをひとつ統計的に調べてみて、今後の井ぜきをどのような構造に進めればいいかというような点について基本的な検討をいたしていきたいと思っておりますが、現在の私ども考え方といたしますれば、新しく河川に井ぜきを設けられる場合には、必ずこれは管理者がございますので、いろいろ負担の問題とかあるいは維持管理の問題、こういったものがございますが、行政指導をいたしまして、なるべく可動ぜきにするようにいたしたいということで指導をいたしておるわけでございます。  なお、災害復旧の場合に、井ぜきそのものだけが被災をいたしますと、これはやはり農林省所管でおやりになることでございますが、河川の立場から見れば、いろいろ個々に事情はございますけれども、やはり固定ぜきを低くして可動ぜきにするということが望ましいことでございますので、私どもも、そういった場合には積極的に協力する方向で進めていきたいと思います。  なお、そういった井ぜきが明らかに河川流下能力に支障を来たし、そのために災害を非常に助長していくといったようなことで、一連の改修計画とあわせてその固定きの改良も必要だというような判断に立たざるを得ないような個所につきましては、これは私どものほうの災害復旧なりあるいは関連事業、こういったものをあわせまして、固定ぜきを可動ぜきに改良させるというような指導は現在も行なっておるわけです。したがいまして、そういった調査とあわせまして、今後は基本的にどのような方向で進むかというようなことにつきましては、さらに農林省等とも十分話をいたしまして、御趣旨を生かすようにしていきたいと思っております。
  15. 永山忠則

    永山委員 農地局長がお見えになりましたが、ちょっといま話しておったことは、頭首工が今度の災害の一番大きな問題になっておるのであります。全部やられているところが大部分ですが、残っておるところも、同じ三次市のところにあります神野瀬川の君田村にある分を言ったのでありますが、さらに三良坂町の灰塚地内にある反谷頭首工という、これは例だけでございますよ、各所にそういうことがあるのでございますが、そういう残っておるものも可動ぜきにせなければ、そこの土手を巻き上げをして強くしてもまたどこかがやられるから、これはどうもならぬというわけですね。ところが、可動ぜきのほうは農林省所管でありますからと、こう言う。そうすると農林省のほうは、これは治水計画でやれるのだというような、キャッチボールになるものですから、具体的なことは別として、やはり残っておる分でも将来災害がどうしても起きるというところは直していただかなければいかぬということを、一番最初に申し上げましたが、災害はもう一ぺん起こらぬということで復旧するという基本方針で将来もいくべきだ、こう言っているわけなんです。また、今回は特に非常災害だからそういう方向で考えようということを、一番むずかしい大蔵省のほうも御了承いただいて、そういうようにここの委員会でも説明していただいておりますが、ここで農林省建設省でよくお打ち合わせの上で、いま河川局長もそう言われましたので、ひとつ農地局長の御答弁をいただければと思います。
  16. 小沼勇

    小沼説明員 お答え申し上げます。  先ほど建設省のほうからもお話がございましたが、頭首工被害が生じた場合に、河川洪水量なりあるいは洪水水位が増大したために、その原形復旧するということが非常にむずかしい、あるいは適当でないというふうなことが出てこようかと思いますが、そういう場合におきましては、もちろん治水の条件も考慮しなければなりませんが、取水をする頭首工でございます場合には、やはり治水関連をとりながら、できるだけ可動ぜきですね、可動部を設けて復旧するというような改良のしかたを取り入れていく必要があるのじゃないかと思いまして、そういう線で指導をしてまいりたいというふうに考えております。また、場合によってはこの頭首工を低くするというふうなやり方もありますし、あるいは可動部を設けるというやり方のほかにもっと別なやり方で、たとえばポンプを設置してやるとかというふうな復旧のしかたもあろうかと思います。いろいろやり方がございますが、現地に即応してやはり今後、先生指摘のように災害が二度と起こらないようなくふうをしてまいりたいというふうに考えておる次第でございまして、これにつきましては、治水建設十分連絡をとりながら現地に即して進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
  17. 永山忠則

    永山委員 落ちているところは比較的話はいくようですが、落ちてないところを、やはりそれがために再び災害が起きるという場合は、十分ひとつ御検討を願いたいと考えるのであります。  また、これは建設農林両方にまたがっておるのでありますが、今度の災害で、どうしても河川敷は大幅に広げるということが望ましいのであります。また、そうしなければ再び災害を防止するわけにはいきません。そこで、その河川敷で流れた田、畑あるいは屋敷ですね、宅地、こういうものを、どうしても河川敷としてできるだけ広くとっていただくことが次の災害を防ぐことになりますが、その価格の問題であります。川原の値段で買おうというようなことを言うような係官もないでもなかったのでございますが、農林省のほうからは、旧来田畑宅地等は、どうせ復興するのに自己負担は要るだろうから、その自己負担分はひとつ少なくしてもらわなければいかぬが、旧来田畑宅地というもので買収をしていこうというように承っておるのでありますが、この点をもう一ぺん、ひとつ念を押しておきたいと考えます。建設省のほうから……。
  18. 川崎精一

    川崎説明員 お答えを申し上げます。  ただいまお話しのような、災害に伴って改良的な復旧を行なわなくちゃいけないというようなときには、やはり当然、新しく河積拡大というような処理を必要といたしますので、新規に用地の取得が必要になってまいるわけでございます。新しく堤外地、いわゆる河川の中に取り込まれる土地につきましても、現在の河川の実情からいきますと、相当堤外に民地が残っておるわけでございまして、全国ではもう十数万ヘクタール程度、農耕地が主でございますが、ございます。したがって、そういうものを全部買収するかどうかということになりますと、いろいろこれは所有者自身も、多少冠水はしても今後あとあと使いたいというような希望があったりいたしますので、やはり個々の実情に応じて処置する必要があろうかと思います。  ただ、そのときにあたりまして、どのような評価でこれを公共事業のために取得をするかという点でございますが、そういったときには、農地等につきましては、これはそこそこ復旧費をかければ再び農地になるわけでございますから、私どもも、そういった実態を十分考慮しながら取得をするように、指導を在来からもしているわけでございます。したがって、農地の場合には復旧にどの程度の費用がかかるかといったようなめどもございますので、いわゆる公共事業に伴って用地を取得する場合には当然現状で、そして公共事業によって受ける損失を補償するということが原則でございますけれども、いま言ったような事情を十分考慮して指導をしてきておるわけでございます。  なお、宅地につきましては、これは農地と違いまして、宅地の地価自身は、やはり危険なところにある宅地と安全なところにある宅地ではおのずから評価が違いますので、多少農地の場合と同列には考えがたいんじゃないかという気がいたします。しかし、常識的な、復旧によって公共事業に提供しないところは十分宅地の機能を果たし、そうして、公共事業のために提供をした土地は荒れ地のままで評価をするということは、多少実態にそぐわない場合もございますので、そういった点につきましては個々の実情に応じて、私どもも十分その土地の事情等を考慮して判断するように今後とも指導をしていきたいと考えておるわけでございます。
  19. 永山忠則

    永山委員 局長さんにはっきり御答弁を願いたいと思いますことは、非常に回りくどくございましたが、要するに川原の値段、いまの川原の値段では無理だ、したがって農地復旧する場合の自己負担分は除かなければいかぬが、そういうような実情を考慮した上でケース・バイ・ケース検討しよう、宅地においても復興の関係等も考え、その場所等も考えて、とにかく川原の値段で買うということは無理だから、ケース・バイ・ケースで十分その実情に即応してやる、こういうようにこれまでも聞いているのですが、はっきりそういうように御答弁をいただいたと見てよろしゅうございますか。
  20. 川崎精一

    川崎説明員 お話のような趣旨で私ども指導をしてまいります。
  21. 永山忠則

    永山委員 さらに私は、もう一度災害が起きないという観点を中心改良復旧をやってもらいたいということと、もう一つは農林省建設関係が、すなわち構造改善、河川改修と今度の改良と総合調整の要るところは、十分ひとつ検討してやってもらいたいという点について触れるのであります。  具体的に申しますと、三次市の十日市町、これはこの間もちょっと触れておきましたので、局長さんのほうの答弁で大体の方向はわかっておるのでございますが、しかし、あそこに流れております、三次市の内水面を形成する一番中心になる北溝川と片岡川、この二つの川が大体はんらんをする。とにかく三次市の災害はそこが中心になって、そこの川が大はんらんをしているということでポンプ揚げをすることになっておるのですが、しかし、一たん水害のときにはそのポンプが役に立たない。今年もそうでありまして、とにかくそこからつかれて天井裏までいくというように、被害が非常に甚大なのでありまして、それで北溝川と片岡川を改修して、そしてポンプ揚げと総合して計画を進めていただかなければ、要するに私から言えば、一定災で北溝川、片岡川等をお取り上げをいただいて、総合的に早急にやっていただくというような施策ができなければ、再び水害を防ぐということにならぬと思うのでありますが、その点に対しての御意見を承りたいのであります。
  22. 川崎精一

    川崎説明員 ただいまお話しの三次市の治水の事情でございますが、御承知のように、やはり在来から改修の重点といたしますれば、江川の本線、それから馬洗川の本線、こういったものを中心に私ども改修をしてきたわけでございますが、そういった改修の進むにつれまして、ただいまお話しの、市内を流れております北溝川、それから市外地から入ってきております片岡川でございますか、こういった河川のいわゆる内水の問題が次に重要な治水上の問題になってくるわけでございます。お話のように、確かに両河川につきまして今回の災害の実態を見ますと、かなりの浸水家屋を出しておるわけでございますが、これは都市の市内河川災害の特徴でございますが、いわゆる公共施設の被災自体は非常に少ないわけでございまして、北溝川で約一カ所でございますか、それから片岡川で金額にしまして二千二百万程度といったような、施設とすればほとんどたいしたものではないというようなことで、やはりこういう都市災害につきましてはいわゆる災害復旧の制度にはなじまないのじゃないかという気がいたします。したがって、基本的にこの両河川洪水に対する処理能力なりあるいはポンプ等の能力の増強、こういったものから手当てをしていく必要があるのじゃないかと思います。現在この北溝川には、毎秒約六立方メートル程度の排水機が設置されております。これは三十九年から四十年にかけて約三台を設置したものでございます。こういったものをもっと大幅に増強することによって、かなりそういった内水の処理がうまくいくんじゃないかというようなことで、現在私どものほうではこれを倍増をいたしまして、新しく毎秒六トンのポンプを増設するということを計画いたしておるわけでございます。これができますと、合わせまして約十二トンくらいの能力になります。現在私どものほうで一般的に、農地等に対するポンプの能力として指導いたしておりますのは、平方キロ当たり一トンのポンプ、こういうような感覚でおるわけですが、両方合わせますと約十平方キロ弱でございますので、かなりの威力が発揮できるのじゃないか。なお、これに引き続きまして両河川改修計画が立ちますれば、ポンプの増強と合わせまして、北溝川等の市内河川改良工事、こういったものをあわせて促進をしていきたいと考えておる次第でございます。
  23. 永山忠則

    永山委員 北溝川と片岡川の改修計画とあわせてポンプの増強をはかるということでございます。まあ五年、十年かかってやるということではどうもならぬのでございまして、災害が年々あそこは続いておるのでありますので、この河川改修をあわせて早急に総合的な計画のもとに実現をしていただきたいと考えます。  それから、農林省との調整関係が非常に必要だという例を一つ申し上げますと、三次市の高杉町に岩倉川という川がありまして、そこの周辺を県営で圃場整備二百町歩の事業計画が、四十七年から計画が進められておるのであります。そこでその圃場計画と——岩倉川は全面的にいまやられておりますので、やはり改良復旧へ入るべきであると考えておりますが、その圃場計画と災害改良復旧関係、これを総合的にマッチしてやっていただくということでございませんと、圃場整備が十分行なわれないと思うのでありますが、そういう点に対して両省の緊密なる連絡でやっていただきたいと考えております。  この問題をなぜ取り上げるかといえば、どうも圃場整備のほうがおくれて河川改修が先に進む、あるいは圃場整備が進んで河川改修がおくれてくるということになりまして、それが全面改良を持ってきていただくことができるか、調整費を持ってくることができるか、こういう問題がございまして、調整費の関係改良復旧関係、圃場整備関係、この三つを総合調整をして計画がそごしないように、しかも災害復旧が十分できるように御検討を願いたい。すなわち、両省の緊密なる連絡が必要だという一つの事例を申し上げておるのでありますが、この農林省の圃場整備関係についての御意見を承りたいと思います。
  24. 小沼勇

    小沼説明員 ただいま先生指摘のとおりの問題が、地域によっては起こり得るかと思います。これにつきましては、従来からも河川改修と県営圃場整備、あるいは国営の事業もございますし、また団体営事業もございますが、そういう圃場整備につきまして、十分その進度の調整なりまた計画の調整なりを建設側とやってまいりたいというふうに考えておりますし、今後もそう進めてまいりたいというふうに考えております。
  25. 永山忠則

    永山委員 また農林省建設省の調整の関係でございますが、これは総領町の稲草というところに、下側は県道、上も県道、その間高さが百メートル、幅が三百メートルの関係で、十三軒ほど家がありまして非常に危険な状態にあるのでありますが、建設省のほうは、山が一部崩壊しておりますから林地崩壊でやればいいということで、わずかな崩壊部分だけ取り上げておるのでありますが、地元のほうでは、崩壊しておる一部だけでなしに、その全体の山がいま危険でどうもならぬから、これをひとつ危険防止をしてもらいたいというのですが、農林省のほうは崩壊している部分だけだ、建設省のほうは農林省にやってもらえばいいんじゃないかということで、非常な不安を感じておるのであります。要するに農林省建設省が、この山地崩壊、急傾斜、砂防関係、こういうものを緊密なる連絡のもとによく調整してやっていただきたいという事例を申し上げておるのでありますが、これはほっておいたらたいへんなんです。建設省のほうでは、下に十三軒の家もあるし、そして県道が下と中腹——これは庄原−福山線でありますが、通っておって、崩壊せんとするのが高さが百メートル、幅が三百メートルという状態で危険区域なんですが、この点についての建設省のお考えを聞きたいのであります。
  26. 川崎精一

    川崎説明員 お話のところにつきまして、実は私も昨日伺ったばかりで、急いで現地のほうに調査するように指示をしたわけでございますが、現在まで聞きましたところでは、どうもやはり林野関係所管に該当はしないのじゃないかという気がいたしております。一時的に県道にクラックがきておるわけでございますが、こういったものにつきましては、当然道路の維持上あるいは保安上処置を応急にしておるようでございまして、根本的にそういった地帯ががけくずれを起こさないような対策をどうするかということが、次の問題になろうかと思いますが、これにつきまして現地の話を聞きますと、三百メートル程度の区間にわたって人家が散在をしておるというようなことで、現在のいわゆる崩壊防止事業補助対象にはちょっとしがたいのじゃないかということでございます。しかし、やはり現地の実情に応じて、緊急を要するようなところは処置する必要があると思いますので、現在県の土木におきまして、何らか県の単独事業で処置をしたいどいうようなことで、方法なりその他の点について検討を進めておりますので、結論が出ますれば急いで応急的な処置を講じたいと考えておる次第でございます。
  27. 永山忠則

    永山委員 とても県の単独事業なんかで行なわれるようなものではないのでございまして、再検討を願いたいと思いますが、関連をいたしまして、今度は、山地崩壊が各所でございます。その山地崩壊の場合に、農林省林野庁のほうは、一軒の家ではこれは補助対象にならぬ、こう言われるのでありますが、とにかく山地が崩壊したのですから、大体二、三百万円みなかかるような状態になっておるのであります。そこで、一軒だろうが二軒だろうが、——いま私、十軒以上ということを申し上げたのでありますけれども、散在しておりましても十軒以上あるんですから。建設省は十軒以上だ、農林省のほうは二軒以上とか三軒とかというようなことで、キャッチボールになっておるのでありますが、とにかく一軒でも何百万という、山くずれで皆まいっているんですから、これはひとつ、一軒とか二軒とかいう軒数でいくべきじゃないので、工事費が三十万円以上の場合にはやるという、工事量でいくべきであるというように考えるのでありますが、いかがですか。
  28. 福田省一

    ○福田説明員 御指摘の二戸、一戸の問題でございますけれども、山地崩壊防止事業におきましては、三十万以上、八十万以下、こういう限定でございます。八十万以上はちょっと別な方法がございますけれども、一応二戸以上としてございますが、去る六月にこれを緩和する措置をとりまして、公共施設についての災害、たとえば町村道であるとか五百ヘクタール以上の開発林地を持つ林道、これらにつきましては、公共施設としまして、これもやはり林地崩壊防止事業補助対象とするということにしております。したがいまして、大体家はそのそばに道があるわけでございますから、道のそばにある家が災害を受けたという場合には、それでもって救われるということになると思うわけでございます。また、二月と申しましても、運用上は一世帯というふうにいたしております。農家でございますから、大きな家がありますれば二世帯以上入っておる場合もございましょうから、そういうことで、できるだけ原則的には、個人災害ということにはいろいろ問題もありまして、いま検討中の問題でもございますので、この二戸というものの解釈につきましては、ただいま申し上げたような方法によりましてできるだけこれを救済するというふうにいたしておるわけでございます。
  29. 永山忠則

    永山委員 現地のほうではなかなか、ただいまお説のようなことになっておりませんので、道路があるとかあるいは林道があるとかというような公共施設等をよく考慮されて、さらに二世帯ということですが、家屋としては住んでおるのですが、さらに家畜関係の作業場、こういうような棟があるわけですからして、住む者は一人でも、家としては二棟以上みな農村は持っておるわけでありますから、そういう点も弾力的な解釈をしてとにかく災害が大きいのですから、実際はどうもようせぬということなんですよ。何か補助でも取り上げてやろうというような、そういうさもしい根性じゃないのです。よう復興をせずにみな泣いておるのですからね。そこで何とかひとつ弾力的な解釈で処置をしていただきたいというように考えるのであります。  さらに、総合計画の一環として河川局長にお尋ねいたしたいのでありますが、三次市の直轄河川で無堤防地区があるわけですね。これは粟屋地区、青河地区、片山地区、上川立、船所というような、とにかく直轄河川で無堤防で、しかも無計画、五カ年計画にも何にも入っていない。これがもう大災害を受けた中心でございますが、こういうようなところをやはりすみやかに計画を立てて——どうせ災害を受けておるのですからして、改良復旧の一環でおやりいただくと思うのでありますが、こういう無計画地区あるいは無堤防地区、ここが江川でやられた一番中心ですから、ひとつ今度の改良復旧の計画を総合的に進めていただきたいということをお願いしたいのですが、どうですか。
  30. 川崎精一

    川崎説明員 先生も御承知ように、私どもが大体全国、少々の豪雨があっても麦心して受けとめられるというような治水環境を確保しようと思いますと、三十六兆くらいの予算がかかるのじゃないかというような試算があるわけでございまして、したがって、できるだけ緊急なものから逐次治水投資を行なっていくというのが現在の実情でございます。しかし、災害等がございました場合には、やはり民生の安定といいますか、そういう観点からできるだけ早急に、緊急に、一連の被災区域に対して、再度災害を防止して人心を安定するというような意味から、災害復旧に先ほど来お話しのような改良復旧、これは災害関連事業と称しておりますが、こういったもの、それからいわゆる本来の治水の安全度を向上するための河川改修事業といったものを集中的に投資いたしまして、地域治水環境の向上をはかっておるわけでございます。したがって、直轄区間でございましても、やはりいまお話しのような区間が至るところ実はあるわけでございますが、こういった災害の実情を十分踏まえまして、私どもも、頻度の高い、災害の程度の著しいところについては、やはり改修計画等を早急に立てた上で事業の促進をはかるというような姿勢でこれから臨みたいと考えておる次第でございます。
  31. 永山忠則

    永山委員 ただいまのところは災害をひどく受けたところでございますので、ぜひ改良復旧でおやりいただくことを信じておりますが、同時に、それに関連しまして、堤防の末端を低くするのです。そうして内水を排除しようという考え方なんですが、逆に川のほうから逆流してくるという状態ですから、堤防の末端を低くするという考え方を、これはやはりおやめいただいて、総合計画のうちで御検討願うということでございます。  それから、もう一つは運輸省との関係でございます。やはり三次市にあります鉄橋でございますが、その鉄橋の下に堤防をつけようということで、建設省土地まで買収したのです。ところが運輸省が賛成しないものですから、せっかく買収した土地を解約をした。それで毎年、水さえ出ればそこはやられるのです。したがいまして、やはり国鉄と運輸省との話し合いを十分詰めていただかなければ——今日に至るまで投げてあるわけです。これは塩町地区にある鉄橋でございますが、この鉄橋も低いのですから、国鉄のほうはこれを上げるということをまずやっていただかなければどうもならぬわけなんですが、上げるまで時間がかかれば、その下を土手をつくるというので、すでに用地買収まで前にしたくらいなところでありますので、何とかして土手をつけてもらわなければ、とにかく水が毎たびついて、ちょっと雨が降ってもつくという状態でありますが、この点に対して国鉄との話し合いはどういうように進んでおるか、またどういうように将来しようというお考えでございますか。
  32. 篠原良男

    ○篠原説明員 先生のいまの御質問にお答え申し上げますが、四十一年に三次の土木建築事務所長から岡山の鉄道管理局長に協議がございまして、築堤のかさ上げの協議が来ております。鉄道橋を上げますと、橋梁からわずか百六十メートルくらいのところに三次の駅がございますので、駅の全体を上げなければならぬ。工期が非常に長くかかるし、工費的にも非常にばく大になりますので、早期にやるためにはそれでは暫定方法でやろうということで、四十一年の一月二十七日に運輸省へ参りまして、岡山鉄道管理局長から現地三次の土木建築事務所長あてに書面で暫定協議について協定を結びまして、その中で第七項目のところに「今後協議書添付図面のうち将来計画堤防高に改修する場合には別途河川の改修工事として協議しよう」というように書いてございまして、協議が参りましたら、私のほうも協議を受けてかさ上げについて進めていきたい、かように思っております。
  33. 永山忠則

    永山委員 そこを堤防をつくれば三次駅がつかるということでございますから、なかなか協議にも何にもならぬのでありまして、結局は橋梁を上げていただく以外ないのじゃないか、こういうように考えるのでありますが、この場合、何年も放置してあって非常な災害を受けていますから、よく両省において御検討を願いたいと思うのであります。  それから農林省のほうで、いまの総領町の五箇の国有林、総領町松山奥というところの国有林が大崩壊をいたしまして、これで総領町のほとんど半分は、河川から耕地みなやられてしまって、全面的に総領町はやられたという関係でございますが、その国有林の復興計画はどういうようになっておるか。そのために困っておることは、大きな石が入り込んで、それで土砂があって、そうしてそこへはブルが入らぬものですから、手動のブルをいま総領町は七台買って、そうしてこれが復興をやろうということになっておるわけですが、その七台を買うということに対しても、金がないから、自治省のほうで災害起債を認めてもらうか特交処理してもらうか、何とかしてもらわなければならぬと言っておりますが、それで今度七台の、手でやるブルを入れてやりましても、あのとき田は、一反が七十万円以上は限度があるわけです。それ以上いかぬ、こう言われるわけです。そうすると、どうしても七十万円以上かかるのですから、あとは自己負担だということになれば——あの方面は非常にいい米も出ますし、これは田も少ないし、ぜひひとつ田に直したい、こう言っておるのでございます。そこでその問題は、官林の復興計画はどうなっておるか、そうしてその官林の大きな山の木と石と土砂で、とても限度七十万円では耕地復旧ができぬのだ、その限度額を撤廃してくれ、これはどこも言っているのですよ。そこだけじゃありません。とにかく今度の耕地の復旧は、何といっても大岩石と土砂ですから、いまの限度額ではどうにもならぬので、この限度額を撤廃してもらいたい。  同時に自治省のほうには、その手でやるブルを買うのを災害復旧債か何か起債を認めてもらいたい、普通の起債ではどうもならぬから。あるいは特交でやってもらうか、こういうように言っておるのでありますが、ひとつその点をお伺いすることと同時に、時間の関係がありますから続いて申し上げますが、とにかく山がくずれた場合に、畑があるものですから、畑の限度額以上は、山地崩壊はとらぬ、こう言うのです。ところが、山地の崩壊で二百万円から要るというので、畑の限度額で、二十万円で復興せよと言われてもできるはずがないですから、いわんや畑があるから、畑の復興だ、山地崩壊には取り上げぬ、こういうような事例を、庄原市小用町というところに持っております。そういうのはたくさんあるのでございますが、一、二の事例を申し上げますけれども、そういうように、とにかく限度額を撤廃してもらわなければ、畑でも田でも、今回の分はどうしても普通の復興ではできないのだ。同時に手でやるブルを——これはここだけじゃありません。三良坂町も、東城町も、とにかく大ブルが入らぬものですから、この小さいブルをみな買おうというのでございますので、それに対する助成の道あるいは起債の道あるいは特交の関係、こういう点をあわせて関係省で、限度額撤廃の問題等をあわせて、そうして国有林五箇、松山の復興計画の問題、本来は地元民が、過伐があの原因を来たしたのだから、限度額以上の分はひとつ林野庁で持ってもらいたいという陳情なのでございますが、この点をお願いしたいと思います。
  34. 福田省一

    ○福田説明員 総領町のことでございますが、こちらで調べましたところでは、これは時雨量で四十ミリ、一日三百八十二ミリ相当の雨量でございまして、相当崩壊が出ていることは御指摘のとおりでございます。そこで、この地区の上流が国有林になっておりまして、調査しました結果、緊急治山事業としまして、本年度に治山工事をいたしたいと考えております。谷どめ工三基、工事費一千一百万円という予定で、この総領町の松山の国有林の治山工事を本年度からさっそく実施したいというふうに予定いたしております。なお、町全体としましては工事費二千万円ぐらいを予定しているわけでございますが、いま御指摘のこの総領町の国有林の崩壊につきましては、本年度から直ちに着工する考えております。  それから、たんぼの崩壊を治山費でやったらどうかという御指摘でございますけれども、この周囲が山林でございまして、山林は相当大きく崩壊しておる、その中に一部こういう田畑があるという場合には、治山工事の一環として、その田畑の中に施設をする場合もございます。原則としましては、やはり山林の崩壊につきましては治山事業で実施していただきますし、田畑災害につきましては農地局のほうで実施していただくというたてまえではございますが、ただいま申し上げましたように大部分が山林である、その中で何か谷どめ工とかその他の施設をしなければならぬという場合においては、包括しましてできるだけ治山事業で実施するというふうにしてまいりたいと考えております。この現地の実情をよくまた調査しました上で、復旧につきましてはできるだけ速急に取り上げてまいりたいとかように考えております。  なお、ブルその他の問題につきましては、農地局のほうからお答えいただきたいと思います。
  35. 小沼勇

    小沼説明員 国有林の崩壊によりまして農地に土砂が堆積しているという総領町の例でございますけれども、四十七年度におきます総領町の十アール当たりの限度額は七十二万一千円になっておりまして、一般に限度額は、毎年工事費の単価が上がりますので、それを勘案して引き上げられておる状況でございます。  この復旧事業の内容といたしましては、御承知のとおり排土あるいは耕土の搬入、畦畔の復旧などいろいろございますけれども、そのほかに被災農地に含まります農道とか水路の復旧もございますが、これにつきましては別途農業施設災害復旧事業という形で採択をいたしまして、そこでその処理をしていくというふうなことを、現地に合わせながらくふうしてまいっております。  そういう点で、いま限度額引き上げというふうなことは考えられておりませんけれども、いろいろの事業をくふうすることによって現地に対応するようにしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  36. 永山忠則

    永山委員 限度額の引き上げはどうでも要望するのですが、同時に、いま言われましたように、総合的に耕地復旧をやるということもあわせて十分御検討願いたい。すなわち、構造改善をみなやられておるのですから、そこで旧来のような小さい田をつくるということでなしに、構造改善をあわせて復旧をおやりになるということになれば、合理化によって、限度額についてはいろいろ計算上の問題もできてこようと思うのですが、とにかく地元要望は、限度額じゃどうもならぬのだということを言っておりますので、ひとつ構造改善と総合計画で十分やりながら、しかもどうしても限度額をオーバーするという問題についてはまた御検討を願わねば、事実上においてようやれませんから。  それから同時に、いまの松山官林の五箇の分は、私の聞いておる範囲では、ことし二千万円の事業をやって、三カ年間で二億一千万円でこれを直そうというようなことを言われておるというのですが、この点ひとつ、わかればはっきりしてもらいたい。いまここでわからなければ、あとから委員長と私のほうへ報告願いたいのです。
  37. 福田省一

    ○福田説明員 お尋ねの本年度の松山町の復旧費については、二千万円を予定いたしております。三カ年の計画につきましては、なお検討いたしました上で決定いたしたいと思っております。
  38. 永山忠則

    永山委員 とにかく災害復旧というのは大体三年ですが、ほんとうはみんな二年でやってもらいたいというのが要望です。だから、広島県あたりは、県のほうで債務負担行為等にいたしましても、とにかく二年復旧ということを努力しようと言っておるのですが、これに対して研究するということじゃおかしいのですが、どうですか、三年以内に復旧するという災害復旧原則林野庁だけは別だということにはならぬようにしてもらいたいのですが……。
  39. 福田省一

    ○福田説明員 御指摘のように速急に復旧するようにいたしたいと思っています。
  40. 永山忠則

    永山委員 それでは、いまの手動ブルの関係に対しての援助もしくは起債あるいは特交に関する考え方はどういうようでございますか。  あわせてお聞きいたしたいのは、三次市のごみ処理の関係は、すでに前回、それに対して二分の一は補助で出す、あと二分の一はオール起債でいく、その起債のうちの五七%は特交で見ようということを聞いておるのでありますが、今度水路で、下水道等へヘドロが流れてきまして、そういうのを処置した諸費用ですね、こういう関係も非常に大きなものでございますし、さらに災害復旧に規定をされております諸種の費用よりは、いろいろな費用がオーバーをいたしておる。これらの問題もございますが、これは前にも言いましたが、まだ答弁がはっきりしておりませんけれども三次市が非常動員をして職員を呼び寄せた。しかし、水につかりまして、そこで急遽二階へ書類をあげるためにだれもそこを逃げることができないということで、自動車も全部つかっておるという状態であります。それに対して市は目をつぶって見ないというわけにはいきませんから、何とかそれに対する処置をしてやらなければならない状態なのでありますが、こういうように、町村は非常な負担をせなければならぬという情勢にあるのです。こういう関係を特交要因として見ていただきたい、何とか財政処置をしてもらいたいということが強く要望をされておりますが、これに対して、いま諸種申し上げました問題とあわせて、自治省のほうもあわせて御答弁を願いたいのであります。
  41. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林説明員 お話しの今次災害にかんがみて、自治省といたしましては、地域の実情を十分把握をいたしまして、遺憾のないようにいたしたいと存じます。ことにいまお話のありましたごみ処理の問題、自己負担の問題だとかを含めまして、実は被害を受けた地方団体は、被害者の救助等の災害応急対策負担、また職員の超過勤務手当、災害対策に多額の経費が出されるわけでありますし、それとともに地方税の減収その他の減収も生じますので、御質問の件も含めまして災害対策事業費、被災世帯数、全半壊戸数、農作物被害状況、その他の被害被災の状況及び財政事情を勘案いたしまして、特別交付税を重点的に配分してまいりたい、かように存じております。
  42. 永山忠則

    永山委員 そこで、さらに文部省と自治省へお聞きしたいのでございますが、今次災害で教育関係は、文教関係設備品の被害は、文部省の今回の基準は、被害面積、浸水状況によりまして生徒一人当たり小学校が五千五百円、中学校が七千五百円を限度としておるのでありますが、何といっても作木村等を中心にして全部軒裏までつかりましたので、とてもそんな基準ではどうもならぬのです。この基準を引き上げることをお考え願いたいことと、同時にまた、そのオーバーした分に対しては特交要因として見ていただくということが非常に強く要望されておりますが、御答弁をお願いしたいと存じます。
  43. 西崎清久

    ○西崎説明員 ただいま先生からお話がございましたように、災害にかかる設備の補助につきましては、災害復旧の国庫負担法の施行令におきまして、一応小学校が五千五百円、中学校が七千五百円という基準額はございます。しかし、さらに政令の二項というのがございまして、設備の被害が著しく大きいという場合とか、この基準額の算定によって計算した被害額が著しく実情から離れるという場合には、認定によりまして災害復旧に必要な額を算定することができるというふうな特例規定がございます。  実情としましては、まず基準額の算定をいたしますけれども、実情に応じてこの特例を適用しまして、必要な設備の購入の金額を算定するということを従来からやっておりますので、先生の具体的にお聞きのケースについても、現在実態調査をいろいろとやっておりますので、現地の御希望に沿えるような災害復旧の額を算定したいと考えております。
  44. 永山忠則

    永山委員 厚生省のほうへお聞きしたいのですが、保育所の関係は、災害を受けました場合においてこの備品等は一切見ないということでありますが、どうしても見られぬことになれば、自治省の特交要因にでもお願いせなければいかぬわけですが、その点どうでございますか。この間も、それはどうも見られぬようなことでございましたが、見られぬとすれば自治省側の特交要因として見ていただくというように——いま政務次官から、いろいろの補助その他の関係が優先をしてどうしてもいけぬ場合は考えるべきだという原則には、当てはまるのじゃないかと思うのですが、この点ひとつ厚生省のほうから御答弁を願いたいと思います。
  45. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 お答えいたします。  従来は建物につきましては補助をしておりましたけれども、備品については従来からやっておりません。
  46. 永山忠則

    永山委員 備品についてやってないということでございますので、自治省のほうもひとつ十分御検討を願いたいと存じます。  それから、山腹崩壊の関係関連をいたしてでありますが、庄原市に円通寺という指定重要文化財の寺がございまして、そのうしろが崩壊をいたしておるのであります。そこで、どうしてもこの防災堰堤をつくらなければならぬのでありますが、その場合には、国が指定した重要文化財は国のほうの補助が八五%でやっておるのでございます。そこで、これは林地崩壊で取り上げていただくか、あるいはこの本堂修復工事のような補助率八五%で防災堤をつくることができるかどうか、この点もひとつお聞きしたいのであります。
  47. 高橋恒三

    高橋(恒)説明員 先生指摘のように、円通寺の裏山の土砂くずれがございまして、その土砂くずれの付近になお地割れがございますので、再度豪雨等がございますと、本堂いわゆる重要文化財のほうにまで被害が及ぶかもしれない。そういうことで、やはり御指摘のように土どめの石がき等を築くのが適当ではなかろうか。その見込みでございますけれども、約三百万円ほど要するのではなかろうか。で、既定の予算内でとてもまかないきれませんので、この予備費を要求いたしておりますけれども、本堂の補助率等も勘案をいたして、十分検討させていただきたいと思います。
  48. 永山忠則

    永山委員 十分ひとつ御検討を願いたいのであります。  そこで金融関係でありますが、いま非常に評判が悪くて困っているのは住宅金融公庫の関係でございます。災害を受けた三次市で金を借ろうといたしましても、十五坪以上を直すときには金は出さぬとか、あるいは設計がしっかりしてなければ出さないとか、保証人が、とにかく災害を受けた人同士の保証人では保証力がない。そして事務手続は銀行まかせでありまして、なかなか指導をしてくれない。もちろん市のほうでする余裕も何もありません。そこで担保力の問題、事務手続の問題、こういうこと等々で困って、しかもこれが補修が、大体ちょっとやられましても、全部が水につかっているのですからして——四十万円までは気やすく貸してくれるのでありますが、まあ八十万円ということになっていますけれども、そこまで出してくれることはなかなかないのですね。とにかく、その限度額を少なくとも百五十万円ぐらいにやっていただかなければ、全部水につかって、これを直すということは困難でありますので、補修の限度額を百五十万円に引き上げて、そうして事務手続を簡素にする。  その際一番必要なことは、何といっても信用保証協会の保証でございます。これは中小企業者も同じでございますが、この保証料がたいへん高いのであります。それで、県よりも高いので、災害者に対してとにかく保証料を下げるということは必要なんでありますが、県の保証料よりもさらに高い一%の保証料を取っておるというような状態でございまして、しかもその保証協会の保証がなかなか得られないというような状態でありますので、ひとつ保証協会の保証料を、何といっても災害にあった者に対しては、災害にあわぬ者よりははるかに安くしていただくというようにやっていただくことと、そして住宅金融公庫は、とにかくいまからでもおそうないですから出張して、そして現地で必要な分は処置してやる。というのは、貸し家におる人がとてもかわいそうなんです。自分の家でないから、その金を出しようがないじゃないか。自分がおるんだから、少し金をかけてでもやらなきゃおれぬのだ。家主が直すとしても、なかなか直してくれない。家主自身もまいっているのですから。そういうような状態でありますので、住宅金融公庫の関係者はすみやかに現地へ行って、何日には行くから、希望者は、いまからでもおそくないです、来いということで、手続を簡素化し、これをよく指導してやる。そして信用保証協会の保証もすみやかにつけるようにして、保証料も下げていくという方向で進めていただきたいのですが、住宅金融公庫の事務の簡素化の問題並びに信用保証協会の保証料の引き下げの問題、それから、今度補修関係は八十万円を百五十万円に引き上げてもらいたいという問題を、ひとつ御答弁を願いたいのであります。
  49. 沢田光英

    ○沢田説明員 住宅金融公庫を通します災害復興住宅は、災害に際しましての住宅対策の一つの大きな柱でございます。ただいま御指摘のようなことでございますと、たいへん私どもも残念な結果になりますので、額につきましては今回大幅に上げまして、建設費のほうは三百万、補修費のほうは百万、先生のおっしゃいます百五十万までいきませんけれども、今年度はとりあえずそういうふうなことで上げております。手続につきましては、私ども、そういう大きな柱でございますので、しかも災害でございますので、弾力的に運用しろというふうなことは常々指導してまいっております。  また、災害に際しまして皆さま方、住宅に対する不安というのは非常に大きゅうございますので、直ちに行って親切な窓口を設けろという指導をしてまいってきております。ただいまの御指摘のようなことでお話がありましたので調べましたところ、一応本所からも三名、支所からたびたび巡回はしております。また、現地の金融機関で相談所の窓口を開催しておる。これは三次市の例でございますが、そういうことでございます。しかし、これは形式的に出しましてなかなかPRが行き届かなかったり、あるいは親切な扱いができなかったのかもしれない、という反省をしておりまして、直ちにそういう態度を改めるように実は注意をして、今後これに対処したいというふうに考えておる次第でございます。  保証協会のお話は、私のほうの所管でありませんので、別の方から御答弁をお願いいたします。
  50. 吉田太郎一

    吉田説明員 保証協会の件についてお答えさしていただきます。  すでに先生御承知かと思いますが、保証協会は、県あるいはその他の自治体とそれから金融機関が出資しておる団体でございまして、歴史あるいは沿革まちまちでございまして、非常に内容の充実しておるところもありますれば、あるいは体力の弱いところもあるというような現状で、しかし、おおむね大体保証料の引き下げについては努力をしてまいりまして、現在、通常の場合に一・三%くらいになっておるというのが全国の平均の姿でございます。災害につきましては、これは通常の料率よりはさらに低いものをきめておりまして、〇・五%から一%くらいのところに分布しておる状況でございます。  私ども、まあそういう保証協会個別の事情、沿革、いろいろございますので、なかなか一律指導というわけにはまいりませんが、仰せのように、災害のようなものについてはできるだけこれを引き下げていくように、政府といたしましても援助いたします。あるいは県なぞを通じまして、あるいは保証協会直接に、その低下につとめております。確かに一%というような災害貸し付け料率というのは全国的に見て多少高いほうで、目につくほうでございますので、その辺のところは鋭意努力さす、引き下げていくということを今後やっていきたいと思います。なお、県からの災害特別融資というような制度がございます県がございまして、この辺のところは、主として零細小規模の災害を受けた企業者についてはそれよりさらに優遇しておるという事例が見られます。望むらくは、その辺のところにさや寄せをしていくというようなことが一番望ましいわけでございますが、何ぶん現在の保証協会の体力等から見まして、それを目標に努力していくというのが現状だろうと思います。いずれにしても、今後引き続き努力していきたいと思います。
  51. 永山忠則

    永山委員 ひとつ引き下げるように努力してもらいたいと同時に、一時に保証料を出すということでは、非常に災害を受けて困っておりますので、分割支出ができるようにお願いをしておきたいと考えます。  なお、住宅金融公庫のほうは、三次市に商工会がございますから、商工組合か会議所等とよく相談の上、現地も非常に協力しようといっておるようでありますから、十分ひとつ検討を願いたいのでありますが、同時に、いまの五箇の国有林の、三カ年計画ではやろうという御意思でございますが、もしわからなければあとからでもいいんですが、私のほうに御報告願いたいのは、どれだけかかれば直るか、どれだけ費用がかかるか、大体二億一千万円の費用でもって三カ年でやるというように話を聞いておるのでありますが、その真相を十分お知らせを願いたいと思うのであります。  金利の関係でありますが、中小企業金融公庫あるいは農林中金あるいは国民金融公庫、商工中金、こういうような制度融資あるいは政府関係機関、こういうことを、災害者に対してやはり金利を引き下げてやる、限度ワクも広げなければなりませんが、この点に対して——、とにかく災害を受けたんですから、それで農林関係やっぱり六分じゃ、五分五厘じゃいうような金じゃ、それは無理ですよ。とにかく貿易金融だって五分にしているんだから。輸出金融に対して五分にして災害を受けている者に六分で貸すなんということは、私は、およそ許されぬことだと思うのでありますが、災害を受けた者の金利は大幅に下げるということを、時間がありませんから、どの分はどう下げるということは今度の小委員会で全部、各金融関係の、政府関係は出してもらいまして、そして、これは限度をどれだけ上げる、どれだけ下げる、期間をどうする、据え置き期間をどうするということを提出していただくことになっていますから、一々お問いすることは避けまして、基本的に、金利を下げ、そして捉え置き期間を十分置いて、しかも長期でこれを支払いをする、限度額は引き上げるということを基本的にお願いをしたいのですが……。
  52. 大村襄治

    ○大村説明員 災害貸し付けにつきましては、従来から貸し付け限度、貸し付け期間及び捉え置き期間、金利等の面におきまして、一般の貸し付けに比べましては相当優遇しておりまして、特に激甚災の場合の金利は六・五%と、現段階では企業金融における最も優遇された金利になっておる点は、御承知の点だろうと思うわけでございます。  ただ、現行のこれらの融資条件につきましては、各方面から強い改正の御要望がございますし、また今回の災害の実情に顧みまして、私どもといたしましてもいろいろ検討いたしております。  まず、貸し付け期間につきましては、従来から実情に応じ弾力的に処理してきておりますので、国金、中小企業金融公庫の十年以内、商工中金の十五年以内、今回も現行制度のもとで弾力的に運用するということで進めてまいりたいというふうに考えております。しかし、貸し付け限度の点につきましては、今回の災害の実情に顧みまして、引き上げをすでに決定いたしております。たとえて申し上げますと、国民金融公庫の災害貸し付け限度でございますが、従来は、直貸しの場合でありますが、五百万円の一般限度のほかに、従来の災害特例が百五十万円の上のせということでございましたが、今回の改正によりまして二百万円上のせ、百五十万円を二百万円に増額いたしております。同様に、国民金融公庫の代理貸しの場合、一般限度が百万円で、従来の災害特例はなかったのでございますが、今回の改正におきましては二百万円の上のせをする、こういうふうな改善もすでに決定いたしておるわけでございます。また中小金融公庫、商工中金につきましても、これに準ずる災害限度引き上げの実施をすでに決定しているわけでございます。  そこで、激甚災貸し付けの金利をさらに引き下げるべきであるという御意見についてでございますが、この点につきましては、金利体系全般とも関係のある問題でございますので、なお引き続き慎重に検討してまいりたい、さように考えている次第でございます。
  53. 永山忠則

    永山委員 この金利を引き下げる、ワクを引き下げていく、そうして据え置き期間の関係等は次の小委員会で十分検討をして、政府の御考慮を願うものは御考慮を願わなければいかぬということになっておりますので、この点は、厚生省の世帯更生資金、母子福祉貸し付けに関する資金ですね、これも限度を引き上げていただかなければいかぬと思うのですよ。とにかく弱い者は声をよう出さぬのですから。私に電話で、世帯更生資金、もうちょっと上げてもらわれぬですか、どうもならぬのですと泣き声をして電話してくるのです。ですからして、声の大のものは限度を引き上げる。そうして、そういう家庭の、もう非常に困っている人々はかすかに——、電話賃もようよう出しているのですよ。そういうものだけは引き上げてやらないというようなことじゃ、私はいかぬと思うのですよ。だからして、この厚生省のほうも限度額を引き上げるということで、大蔵省とよく相談をして、いまからでもおそくはないのですから——、来年はそういう計画があるというようなことじゃ、これはもう鬼が笑いますよ、いまの問題を言いよるのでありますから。そういうように、ひとつ小委員会のほうへそれらのいまの分を全部提出を願いたいのであります。  事務がきわめて煩瑣な事例として農林省に申し上げますが、とにかく災害の際は事務を簡素化しなければいけないのであります。いま住宅金融公庫へ申し上げましたが、それ以上に農林災害の分の事務は複雑でございまして、とにかく一括して名前を全部書いて、そしてこれに対して災害場所をみな書き入れる一括様式というのです。そこで庄原市が、いま公共だけでも約千百四十になります。その他でも約一千ばかりあります。その約二千五百のものを一括様式に縦に名前を書いて、そうして横に災害状況を書けということになれば、大体五十メートルの長さで、横が六メートルです。この部屋くらいなものをつくって、一括みなこれを全部処理しなければいかぬというのですね。それで前にも困ったのですが、そういう書類を県庁へ持ってこいということになりますれば、小さいトラック一ぱい要るのですよ。そして県庁でもそれを広げるところがないのですよ。そういうような事務を今日なお災害でやれということなんですから、そこでいま庄原市は六名の応援を受けておりますが、もう十二名応援をもらわなければ十二月一ぱいまでに査定することはできぬというので、いま県に相談をし、自衛隊のほうから技術職員の応援を願うかというようなことを大わらわでやっておりますが、こういうような事務の簡素化、カード式にしたらどうですか。それを、一括にこれをやれというようなことが、いま今日の時代に、コンピューターの時代に、そんなことがまだ行なわれておる。旧態依然、そういうことで非常に事務費に困っておるのであります。  そこで、事務の簡素化と、これはまあ自治省政務次官が原則論を言われておりますから、大体わかると思うのでありますが、その事務をやろうといったってできないから、そこで県の指導は、コンサルタントに頼め、土改連、土地改良組合へ頼めということで、頼んでいるわけです。ところが、その設計費というものは非常にばく大なものです。その費用をどこで出してくれるんだ。要するに、これを査定した後にはその事務費は入れてもらえるかもしれませんが、査定前のそうした外注をした関係のもの、あるいは特別に頼んできたもの——応援隊はこれは別でございます、各県から来ておりますから。そういうような関係はどういうような助成措置でいくか。あるいはそれがない場合は特交要因になるというように、政務次官の大体論でわかりますが、そういう点に対してひとつ農林省で承りたいのであります。
  54. 小沼勇

    小沼説明員 災害の査定につきましては、特に災害の査定設計書を作成するわけでございますが、実際の被害県では人員が足りませんので、現在二十二の都道府県から、島根、広島、岡山等に対しまして合計四十二名の技術職員を応援派遣しているところでございますが、各都道府県とも土地改良団体の連合会の技術職員を全面的に活用しておりますが、同時に民間のコンサルタントも活用するというふうに指導しておるところでございます。そこで、この査定設計書を作成するにあたりまして、コンサルタント、土地改良連合会に委嘱しましたものの経費につきましては、今後その測量、設計の委託に要した経費の一部を補助できるかどうかということで、目下財政当局と協議をいたしておるところでございます。いずれにしましても、査定期間が延期しますと、現地でも非常に迷惑されますから、被害個所の早期の復旧がはかられますよう可能な限り技術的にも応援をし、早急に査定を実施したい、かように考えている次第でございます。  なお、御指摘いただきました事務につきましては、査定の内容にわたるわけでございますけれども、できるだけ今後簡素化してまいるくふうをいたしたい、かように考えております。
  55. 永山忠則

    永山委員 カード方式にでもするとか——ただ考えるというのでなしに、いま現実に困っているのですから、もしそれができないようなら——やはり人も、そう言っても、各県から一カ月以上来ちゃおらぬのですよ。それからそんなに応援もできないですから、何とかして簡素化してもらわなければ、十二月一ぱいまでには出せということはできない、こう言っているのです。それならば一月一ぱいにまで延ばしてもらえるか、こう言うのですが、その点はどうですか。予算関係で一月一ぱいに延ばせるかどうか。  それを一つ聞いて、それから、自治省政務次官はお忙しいようでありますが、要するに補助、起債、法令その他でできるだけのことをやる、しかしどうしてもいけぬ分は特交要因ですべて見るということに対してもう一度答弁をして、それからお帰りを願いたいと思うのであります。
  56. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林説明員 原則的に先ほども申し上げましたが、いまお話しのように、その分につきましては特別交付税のほうで重点的にめんどうをみたい、かように思っております。
  57. 小沼勇

    小沼説明員 査定設計書の作成等に手間どった場合に、十二月に間に合わないという場合は——できるだけ早期に復旧することが必要でございますから、そういう意味では早いほうがいいのですけれども、どうしても間に合わないという場合には十二月一日を越えても受け付けるという考え方でおります。
  58. 永山忠則

    永山委員 今次の災害はほんとうに異常な災害でございますので、旧来の常識では処理できない情勢も多々ございますが、約束いたしました時間を非常にオーバーいたして恐縮でございますので、一応ここで私の質問は留保いたしまして、次期にお願いをさしていただきたいと考えます。ありがとうございました。
  59. 高田富之

    高田委員長 米田東吾君。
  60. 米田東吾

    ○米田委員 私は、政府に対しましてまず最初にお聞きしたいのでございますけれども、八月二十六日に、新潟県の佐渡島を中心にいたしまして集中豪雨がございまして、相当の被害が出ておるわけであります。県の集計によりますと、被害総額約八億三千百万円、このうち両津市だけで五億七千六百万円、三分の二は両津市に集中した被害になっているわけでございます。この八・二六の集中豪雨被害状況あるいはこれに対する政府としての対策というものを、報告は来ていると思いますし、政府におかれましても対策が各省を通して進められておると思いますので、まずそのことを最初に御答弁いただきたいと思います。
  61. 川崎精一

    川崎説明員 建設省関係被害の状況について御報告申し上げます。  お話しの二十五日から二十六日にかけまして佐渡地方に局地的な集中豪雨がございまして、両津それから金井、相川、こういったところに百ミリ以上の雨が降っております。特に両津では百七十七ミリというようなかなり大幅な雨量を記録をいたしております。  これの結果、建設省所管の道路、河川、そういった公共施設被害は、現在私どものところに来ております新潟県からの報告では、個所数で約三百三十四カ所、被害額が四億二千三百万というような報告になっております。これらのうちで特に河川等で応急に処置をするところ、それから道路交通の確保、こういった緊急を要するものにつきましては、直ちに応急復旧工事に着手をいたしまして、現在はほぼ完了をいたしておるということでございます。  なお、現地のいろいろな状況等もございますが、大体十月の初旬には災害復旧等の査定の準備ができるということでございますので、十月中旬には査定官を派遣いたしまして災害復旧に対する査定を行ないたいと思います。その結果を待ちまして、工事の実施に必要な予算等の手続はあらためて早急にとりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  以上でございます。
  62. 澤邊守

    ○澤邊説明員 農林省関係の、このたびの両津市を中心といたしました佐渡の災害について、県の被害報告によりますと、農地農業施設で約三億一千万、治山施設あるいは林地荒廃等で約三千四百万、農作物等につきましては水稲を中心にいたしまして約一千五百万、総計で三億六千二百万という報告を現段階では受けております。  災害復旧につきましては、暫定法に基づきまして早急に復旧を進めるために、現地査定を農地関係につきましては十月の当初から、林野関係につきましては九月の末から行ないたいというふうに考えております。  局地激甚の問題が出ておりますけれども、これは御承知のように査定額がきまりましてから検討するということでございますので、そのように確定後に検討したいというふうに考えております。  なお、その他の対策といたしまして、水稲被害につきましては、被害の実情に応じまして共済金の仮払い等の措置について、今後県を通じて指導をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、天災融資法の発動等につきましては、農林省の統計組織を通じます災害調査がまだしばらくかかりますので、それを待って検討するわけでございますが、県の報告を見る限りでは、やや適用するのが困難ではないかというように考えております。
  63. 杉岡浩

    ○杉岡説明員 局地激甚についてお答えいたします。  局地激甚につきましては、公共土木等につきましては当該市町村の標準税収入の一倍をこえるもの、あるいは農地等につきましては当該年度の農業所得推計額の一〇%をこえるものというふうになっております。これにつきましては、ただいま建設省あるいは農林省から答弁いたしましたように、それぞれの査定額が決定し次第、それぞれの標準税収入あるいは農業所得推計額、これと見まして必要な手続をとってまいりたい、こう考えております。
  64. 米田東吾

    ○米田委員 それぞれ建設省農林省あるいは総理府等におかれまして、この災害に対処する作業をすでに進めておられることについて御答弁をいただきまして、非常に喜んでおるところでございます。ただ、総体的に言えることでございますが、被害額では、わずかにということばは失礼か、当を得ませんけれども、総体的には八億程度でございますので、決して今日の日本の災害の状況からいきまして、大きな被害というふうには見られないと思いますが、この対象になっている地域が、たとえば離島の佐渡島あるいは町村財政の非常に弱い離島の市町村、そういうところが対象でございますし、また、この地域は四十二年、四十四年——ここ一、二年は大きな災害がなかったようでありますけれども、やはり二年ないし三年おきぐらいには、相当な被害を受ける災害に見舞われておる。そういう面では非常に復旧の力の弱い地域であり市町村でございますので、関係の総理府並びに特に公共土木を扱う建設省、あるいは農地農業用施設等についての対策を進めていただく農林省関係、これらの官庁におかれましては、こういう事情をひとつ御理解をいただいて、積極的な十分な対策を進めていただきますように、私は冒頭にお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。これは総括的な、総論的なお願いでございます。  それで、建設省関係の具体的なことについて一、二お伺いをしたいのでございますが、特に被害の一番集中いたしました両津市を対象にしてお聞きしたいのでありますけれども、私も両津市の被害現地を見てまいりまして、非常に胸を痛めておるわけでありますが、ここの地形といいますか地勢は、佐渡の外海府、それから土地のことばでは大佐渡、小佐渡、要するに金北山の山系、それから手前のほうの小佐渡といいまして、ちょっと海抜は低いけれども一つの丘陵地帯、山脈地帯があるわけでありまして、その中に国中平野があって、そこに耕地があり、住民がそこに大体集中して住んでおる。その入り口が両津市ということになるわけでありますが、山合いからすぐ海に達しておる。その中間に、非常に面積の少ない土地に住民やそういうものがしがみついておる。今度の場合は、たとえば二十六日の十五時から十六時の間、一時間で約三十九ミリの集中豪雨を受けておるわけでありますが、十六時から十七時まで十二ミリ、十七時から十八時まで二十一ミリ、この大体三時間に約百ミリ近い集中豪雨を受けておるようなところでありますので、そういう地帯になりますと、一挙に山から走ってくる水が川をあふれ、あるいは破堤をし決壊をさせ、そうして農地や住居を襲う。そこには中間的な緩衝地帯が全然ない。鉄砲水をそのまま海に吐き出して、そして農地やあるいは公共施設をいためてしまう、こういう実は地形なんであります。その犠牲を、今度の場合は小河川あるいは中小河川がまともに受けて、被害の程度というものは、そう大きな破堤や決壊はありませんけれども、実に多くの破損、破壊がされておるというのが特徴であります。  そういうことでございますので、この復旧等につきましては、私は、まず原則的には改良復旧の要素というものを相当取り入れてもらいませんと、実際問題として原形復旧にもならないし、今後毎年——大体二年か三年ごとにこの程度の災害が起きておるわけでありますが、今後の防災にもならないという条件があるんじゃないか、こう思っておるわけでありますので、そこらあたりの点は、これはなかなか現地を見ないとわかりませんけれども、御配慮いただけるようになっているかどうか。たとえば両津市の例でございますけれども、ここでは要するに小河川、二級河川以下であります。ここの二級河川といっても規模はほとんど小さいのでありますが、他との均衡上、町村が二級河川に県のほうにお願いしてやってもらっておるというような事情でございまして、普通の常識でいう二級河川の程度とは全然違う。それでもその二級河川以下が十七河川、そうしてこの中に被害を受けた個所が百五カ所。たとえば外城川というのは二十一カ所も、一つの河川でこまかい破堤やあるいは決壊をもたらしている。羽黒川等においては十二カ所、和木川等においては十カ所、総体的に十七の小河川で百五カ所の破堤や決壊が出ておる、こういう特徴でございます。こういうことを考えてみますと、いずれこれは今後の復旧その他改修についての査定なり調査なりがなされると思いますけれども、相当改良復旧という条件を取り入れていただきませんと、おそらく今後また被害を繰り返すことになりますし、ほんとうの意味の原形復旧にもならないということになるんじゃないか、こう思っておりますが、そういう点についてひとつぜひこれは建設省として配慮をしていただかなければならぬと、私、現地を見て実は感じてきたわけでございますけれども、いかがでございましょうか、お答えをいただきたいと思います。
  65. 川崎精一

    川崎説明員 やはりお話のように、両津市を中心とする建設関係災害では、被害が一番多いようでございます。私どものほうには概括の報告しかまだまいっておりませんが、二級河川で、これは外城川というふうにいっておるようでありますけれども、そのほかいわゆる普通河川といいますか、そういったものがかなりたくさんやられておるようであります。二級河川でなくとも、別に私ども特別の扱いをするということは考えておりませんので、この際適切な計画を立てて災害復旧をする必要があるのじゃないかと思います。  今回の災害に対します全般的な姿勢としましては、きょう長官からもお話がございましたような改良復旧にも、十分われわれ留意をして指導をしていきたいと思います。新潟県は、過去にも羽越災害とか、かなりああいう災害を受けてきておりまして、県の職員等も、いろいろそういった改良復旧等に対する技術的な訓練もかなり受けておりますので、そういった点では遺憾のないようにやってくれると思いますけれども、十分私どもも行政的にも指導をいたしまして、御趣旨のような方向で、再度災害をこうむらないというふうに、復旧の万全を期するという方針で臨みたいと思います。
  66. 米田東吾

    ○米田委員 局長、いまの御答弁、私は心強くお聞きをしたわけでありますが、いまの御答弁のように、県並びに関係市町村等をぜひひとつ指導していただきまして、この際、改良復旧原則だと私は申し上げませんけれども改良復旧を十分取り入れた、今後少なくともこれらの地域には被害が出ないような、災害復旧の諸方策というものを進めていただきますように、これは特に私はお願いしておきたいと思います。  県や市の立場では、私ども、あの諸君からすれば政治家というふうに見ておるわけでありますが、私どもが、すでにもう建設省もあるいは国も災害復旧の姿勢は変わっているぞと言いましても、法規法令の規定その他が変わっておりませんから、やはり原形復旧という原則にこだわる。これは官庁の側からいたしますれば、私は責めることはできないと思いますけれども、そういうことで落とされてしまう。あるいはそこで、もうこの地域あるいはこれらの河川関係改良なり関連なりというものは落とされてしまう。そうなりますと、局長が幾らよくしてあげますと言われましても、そこまでは来ないわけであります。そういう点で私ども非常に残念でございますので、ひとつぜひ局長のいまの御答弁を、新潟県の関係の土木なりあるいは市町村建設課なりよく徹底していただきまして、この地域が二度とこのような不幸な災害の事態にならないように、積極的な指導お願いしたいと思います。それが局長からお約束できれば、もう河川関係建設関係では、そう大きな問題はないわけであります。いまのところ公共土木だけで、局地激甚の指定を受けるような被害の程度まで達しておらないようでありますから、しかし高率補助でこれが解決できるようにぜひ措置をしていただきたい。  私も現地を見まして感じましたが、今度の十七の小河川は、いままでほとんど河川改修とかあるいは災害復旧等についての場合でも、その部分だけが多少ブロックが積まれたり石がきが積まれたり、コンクリのようなものになったりしておりまして、水系の大きな部分というものは手を加えられず、全然自然のまま残っておるというのが大部分でございまして、今度のこの河川改修等については、思い切ってこういう小河川中小河川に、災害復旧だけではなしに、もっと建設省として河川改修の政策あるいは事業というものを進めてもらわなければならぬということをしみじみ感じてまいったわけであります。今後の河川改修の方針等もありましょうけれども、これらの小河川に対して、建設省として河川局として、どうでしょうか、大体どの程度、いつごろまでに、こういうようなものは実際問題として建設省が見てやれるような、そういうことができるようになるのでありましょうか。いろいろ長期計画があるようでありますけれども、なかなかこういうところまでは手が届かぬのではないかと私は思っておるわけでありますけれども、その点はどうでございましょうか。局長からお聞かせいただけませんか。
  67. 川崎精一

    川崎説明員 最初の、今回の災害復旧等の実際の作業なり等につきましては、先生お話のように、私どものほうからも十分趣旨を徹底するようにいたしたいと思います。  なお、小河川の問題がいろいろ、最近の集中豪雨等にかんがみまして、問題にはなるわけでございます。われわれといたしましては、重要度に応じて適切な処置をしていく。特に、災害等がございまして、いわゆる災害復旧なりあるいは改良復旧、こういったもので処置ができないものは、やはり本来の改修事業もあわせて投資するような河川が相当あろうかと思います。そういった意味で、再度災害に対して、できるだけそういった機会に徹底した改修を行ないたいということでございます。全国的に見ますと、私ども昭和六十年ぐらいで概成をしたいという考えを持っておりますが、これはやはり全国的な水準の問題でございまして、災害等を契機にいたしまして、そういった個所については、すでに羽越豪雨等でも先生御存じだと思いますが、ああいった手法をとってそれぞれ解決をしておるわけでございまして、査定等の結果を待ちまして、どういう対策が適切かどうか十分県とも協議して検討をしていきたいと思います。
  68. 米田東吾

    ○米田委員 建設省関係でいま一つお聞きしたいのは、実は急傾斜地の関係でございます。  いま私が説明いたしましたように、佐渡の両津の地形といいますか、山が海岸まで出てきて、そしてすぐ海につながっておる。その間には、わずかのところに道路がありあるいは住民がへばりついておる。こういう地形でございまして、地図を見てもらえば一目りょう然だと思うのでありますが、そういうところでありますだけに、私も現地をずっと見まして驚きましたのは、急傾斜地に指定されるべき条件を持った地帯、そういうところがほとんどでありますけれども、行って聞いてみると、急傾斜地の指定は受けておらない。県も市も一応、住民等を対象にしてどうかといっても、結局のところは関係住民が承知をしない。県も市も、そこらあたりが災害を受ける、集中豪雨になれば、がけくずれとかあるいは地すべりとか、そういうようなものが起きることは万々わかっておるのだけれども、そこに居住されている皆さんやなにかが、他に代替地がないとか、佐渡の特徴でありますが、わずかのところに島民が住んでおるものでありますから、なかなかそこを手放さない。そういうようなことで、急傾斜地の指定を受けないまま、危険な状態で生活しておられるわけでありますけれども、こういう地域に対しては、私は、行政上何か措置ができるか、それとも急傾斜地の指定そのものについての基準のあり方やそういうものに改正を加えてもう少し効果的なものにするか、いずれかの方法をとらなければ、この急傾斜地の指定というせっかくのこの政策上の一つの対策というものは、絵にかいたもちになっておる。まことに私は残念だと思うのでありますが、そうかといって、現行のこの基準やいろいろの制約をそのままにしておいて、おまえさん方早く指定を受けなさいとも言いかねる。これはどういう方法をとったらいいか、私もこれから災害対策特別委員会等で十分検討していただきたい問題だと思いますけれども、ひとつ林野庁なり建設省で、これらの関係についてどんなふうにお考えを持っておられるか。実は両津市では一カ所もないのです、指定を受けたところは。県が調査したところによりますと、たとえば傾斜の度合い等が四十度であるとか三十五度であるとか、やや足りないとしても、高さ五メーターあるいは五戸以上という基準があるようでありますが、そういう関係を当てはめますと、両津市だけで大体八十カ所から百カ所くらいのところが指定になるような関係になるというのであります。しかし、いまのところ一カ所も指定も受けていない。どういうのだと聞いてみると、結局はそこに住む皆さんは私権を侵される。指定を受けると、向きを変えるとか増改築をやるとか、あるいはいろいろやると届け出をしなければいけない。なかなか許可をもらえない。要するに、私権を侵されるということは煩瑣であり、それではそういう狭いところに住みついていられないということになってしまうので、わかっておりながらも指定は反対だ、こう言っておるわけであります。何か解決の方法はないものかということを、私はひとつ関係林野庁等にお聞きしてみたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
  69. 福田省一

    ○福田説明員 現在、危険個所等につきましては総点検を全国やっているわけでございます。その結果の取りまとめを現在急いでおるわけでございますが、それがまとまりました段階で、危険個所等につきましては保安林に指定するというふうな措置をとりまして、安全な対策を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございますが、特に、災害が出ません以前に、予防治山といたしまして危険個所の崩壊等の防止の施設を講じてまいりたいというふうに考えまして、総点検の結果を現在検討いたしておるところでございます。
  70. 米田東吾

    ○米田委員 その程度の答弁はしょっちゅう、この委員会でも小委員会でもいただいておるのですけれども、いま私が指摘したような問題、急傾斜地の指定の基準やそういうものについて、もっと根本的に検討するというようなことは考えておられないのでありますか。  それから、点検、点検といいましても、危険の度合いやそういうようなものは、県の土木なりそういうところでみんなつかんでおるわけでありますから、私は、点検するということはそう重要なものではないと思うのであります。いまでもわかっておる。ただ問題は、基準のとり方やそういうようなものが一つのネックになっておるものだから、あなたのほうの考えのように、指定を受けて、そして国の一貫した急傾斜地としての対策を進めていくということがなかなかできない、こういうことじゃないかと思うのであります。だから、保安林だとかそれから予防治山と言われましても、実際問題、両津のようなああいうところには、何も効果となって出てくるようなものはないのじゃないかと私は思うのでありますけれども、これはどうでしょうか。
  71. 福田省一

    ○福田説明員 林野庁で取り上げておりますそういう急斜地の事業につきましては、林地崩壊防止事業ということでやっておるわけでございますが、いまお話しの基準につきましては、建設省農地局等と合同いたしまして、現在そういった基準を含めて検討しているわけでございます。  御指摘の急傾斜地の問題につきましては建設省所管でございますので、そちらのほうでお願いしたいと思います。
  72. 川崎精一

    川崎説明員 お話のように、佐渡ではいわゆる指定になっておるのはないそうでございます。地形からいっても、やはり日本の典型的なああいう狭い地形でございますから、当然あっていいと思うのですが、御指摘のようないわゆる私権の制限、行為の制限、こういったものが非常にネックになっておる。それからもう一つは、これは個人所有の財産でございますので、それを直接利益を受けるというような点では、やはり一般の公共事業と多少違った扱いをする必要があろうか、そういったことで、まあ受益者に対する負担が伴う、こういった点。そういう点がやはり非常に隘路になっておりまして、現在の法律では市町村意見を聞いて指定をするわけでございますが、なかなかそういう手順が踏めないというようなことで、現在全国では二千カ所余りが指定になっておるわけでございます。災害等がありまして非常に危険が迫っておるというようなところは、最近はかなり指定されるところが多くなってまいりましたが、お話のようになかなか進まない。  そこで、それも私どもも、一体どうするかというようなことで非常に困っておるのが実情でございますが、中央防災会議等の提唱で、今度は全部点検しようじゃないかということでございますので、その中からひとつ共通した何か新しい対策なり何なりを見つけていきたいと考えております。  ただ、当面といたしましては、やはり人命尊重ということは絶対の命題でございますから、まずわれわれが調査段階で浮かんだ危険な個所、いわゆる指定区域じゃございませんけれども、そういったところに対して何らかの避難なり何なりの体制をとりたいというようなことで、現在、四十四年でございましたか、調査しますと全国で約一万三千カ所ばかりそういうのがあがってまいりまして、その中で約七五%、一万カ所くらいは市町村地域防災計画の中に入れてもらいまして、したがって何かの方法でそういった危険個所に対する住民の認識なりあるいは役場の連絡、避難体制、こういうものがそういった点からもとられるのじゃないか。また昨年から、危険住宅の移転事業でございますが、財政当局とも話をいたしまして、そういう新しい制度を創設したわけでございます。これで非常に危険な個所とか、あるいは戸数も少ない——膨大な金をかけて崩壊を防ぐということも、これも一つの手法ではございますけれども、やはり財政的にも限度があるというようなことで、もよりに安全なところがあればそういうところに移転するほうがむしろいいんじゃなかろうかというような場合には、移転事業というものでひとつ救済していこうじゃないかというような制度も、ようやく発足したばかりでございます。  そういったものを総合的に考えまして、先ほどの総点検の結果と相まって、ひとつ何らかの適切な対策をさがしていきたいと考えておる次第でございます。
  73. 米田東吾

    ○米田委員 次に、農地農業施設関係について若干の御質問をしたいのでありますが、先ほど局長から御答弁いただいたのでありますけれども、これは査定が終わらないと、たとえば農業関係での局地激甚の指定を受けるか受けないかということについて、きまりませんか、これ。さっきの御答弁ではそういうようなことでございましたが、たとえば、いまわかっておる農地農業施設、この関係では、両津市の場合は被害総額が約二億三千万円というふうに市はつかんでおるわけであります。それで両津市の農業所得の推定額は十一億、これはもういまでもはっきりわかっおるわけであります。被害事業の大体推定でありますけれども、これは二億三千万円。こういうことになりますと、これは査定の段階で二億三千万がどの程度落とされるかわかりませんけれども、しかし、先ほど河川局長から御答弁いただきましたように、こういう僻地の離島の、しかもそういうところを切り開いて、農地農業用の施設の農民の負担が相当、他の越後平野なんかと比べて多いのでありますが、そういうところに、みずからが負担を覚悟で切り開いて農地をつくる、あるいは農業施設をつくって、今日に至っておるわけでありますが、そういうところでありますから、やはり査定の段階等においても、特別に私はどうこうせいという意味ではありませんけれども、やはり現地の事情等を十分勘案した計算が出てこなければならぬのじゃないか。そうもうすぱすぱ、査定でみんな切ってしまうというようなことでは、これはたいへんなことになるのじゃないかと思うのでありますが、二億三千万円で、これがかりに三〇%程度切られたとしても、私は大体局地激甚の指定を受ける被害になっておるんじゃないかと思うのでありますけれども、どうでございましょうかね。これはいまの段階ではお答えできませんか。
  74. 小沼勇

    小沼説明員 局地激甚の指定基準で五千万円未満の場合は除かれますが、両津の場合は、現在事業被害額等につきまして査定をやっておりますが、これは推定でございますけれども、おそらく局地激甚の指定基準に当てはまるのではないかというふうに考えております。  なお、査定を了してから工事に入るということになりますが、応急のものはすでに手がけておりまして、農道等については工事を完了しております。
  75. 米田東吾

    ○米田委員 これはまだきょうの段階では、私も十分な資料を持ち合わせておりませんので、もっぱらあなたのほうにお願いするだけでありますが、ぜひただいまの御答弁のような趣旨で、今後も現地に対してめんどうを見ていただきたい。県や両津市に対してそういう指導、配慮をいただきたい、これだけ申し上げておきたいと思います。  次に、これは全然別の問題でありますが、四十四年災害の際に、新潟県賀茂市のその後の河川改修あるいは復旧関係につきまして、この機会に一、二お聞きをしておきたいと思うのでありますが、幸い川崎局長さんおいででございますので、ひとつ端的にお聞きしたいと思いますが、第一期、要するに毎秒五百トンという第一期の関係で、四十八年の出水期までというめどで非常に建設省の積極的な御配慮をいただいておるそうでございますし、県並びに加茂市当局も非常に感謝をいたしておるところでありますが、この第一期の関係は、ほぼ建設省としては計画どおり、来年の出水期までということになるわけでありますが、毎秒五百トンの工事というものは完了するというふうに見ておられますか。この点ひとつ現状をお聞かせいただきたいと思います。加茂川の部分だけでけっこうでございます。
  76. 川崎精一

    川崎説明員 お答え申し上げます。  四十四年に災害を受けましてから、加茂市の市街地のいわゆる鉄道から上流、これは全部災害復旧災害関連事業、この二つで採択をいたしまして現在進めておるわけでございますが、四十七年度をもって一応全部完了いたします。したがって、これで鉄道から上は一応五百トンの疎通能力を全部持たせられるということでございます。  なお、下流につきましては、将来の第二期の改良工事等の含みの問題、それからいろいろ区画整理の問題等いろいろございますけれども、私もこの春現地を見てまいりましたが、現在のところ用地取得等も順調にいっておりますので、前の災対等でお話を申し上げました四十八年の出水期までというのは、まずまずだいじょうぶじゃないかというように考えております。
  77. 米田東吾

    ○米田委員 それで、現地のほうでは、局長さんも御視察をいただいて御承知いただいておると思いますが、要するに第二期工事のめどを早くつけたい、それから大幅の市街地上流部分の立ちのき代替地を求める、その他いろいろ関連する大きな事業があるわけでありますから、予算措置等につきましても非常に関心を持っておられるわけでありますが、とりあえず四十八年度、いま予算編成の時期に入っておりますから、ここではっきりしたお答えはもちろんいただけないと思いますけれども、四十八年度予算要求の段階、予算編成の段階では、地元の計画に合わせていただきまして、立ちのきその他の用地買収等が完了できるような配慮をいただけるものだと思っておりますが、この点はいかがでございましょうか。
  78. 川崎精一

    川崎説明員 最終的には、四十八年度の予算がきまりませんと、いろいろはっきり申し上げられない点もございますが、私どもの考えといたしますれば、当然四十八年の出水期までに完了する、それに対する必要な経費、こういうことで現在要求をいたしておるわけでございまして、特にひどい災害を受けた地域でございますから、重点的にそういうものは十分配慮されると私どもは考えておる次第でございます。
  79. 米田東吾

    ○米田委員 ぜひひとつ御努力いただきまして、せっかく軌道に乗って、市長を先頭に市議会が一丸となって、住民ぐるみで加茂市の百年の大計をここではっきり解決しようということで取り組んでおるわけでありますから、地元並びに関係者の取り組みにぜひひとつ御配慮いただいて、合わしていただきまして、国の予算やあるいは建設省の御計画でそこに水が入ったりあるいは速度が落ちるというようなことのないように、ぜひこれはお願いをしておきたいと思います。  あわせて国鉄当局に、局長さんがおいででございますのでお聞きしておきたいと思いますが、加茂川の鉄橋の関係でございます。これは前々から、加茂川の鉄橋のかけかえというものが一体的な事業となって建設省改修計画もなされておるわけでありますし、国鉄当局もすでに下条川等については完了されておられるわけでありますし、非常に取り組んでいただいておることについて承知いたしておるわけでありますが、加茂川の鉄橋だけは、用地買収等で進んでおるかもしれませんけれども、まだ一向にその様子が出ておらない。建設省の計画は、いま局長から御説明いただきましたように、大体所期の計画どおりのテンポで進んでおるわけでありますが、鉄橋のほうもこれに合わせていただけるものだと思いますが、いまどんな状況になっておられますか、施設局長からひとつ現況をお聞かせいただきたいと思います。
  80. 篠原良男

    ○篠原説明員 信越線の加茂川の橋梁改修の計画でございますが、現在十九メートル二百、二レーンございますが、四十メートルの橋梁——二十二メートルを四レーン、四十メートルにスパン拡張する改良工事のことだと思いますが、四十七年の一月に建設省河川改修の協定が終了いたしまして、本年の二月から工事の着工の段取りになっておりまして、先ほど河川局長がおっしゃいましたように、毎秒五百トンの通水量に対する対応は、国鉄といたしましては四十八年の四月までに完了する計画で、現在工事を進捗さしておるところでございます。
  81. 米田東吾

    ○米田委員 局長、この四十八年の四月完了見込みという毎秒五百トンの一期工事関係は、そう私は問題にしていないのですが、そのあとの千二百トンに当たるこの橋梁のかけかえであります。これが私はたいへんな事業だと思うのでありますが、私はしょっちゅうあそこを通っているのでありますけれども、そのほうが一向に目につきません。それはやはり計画どおり進めておられるのかどうか、これが私の質問の重点なんでありますが、いかがでございますか。
  82. 篠原良男

    ○篠原説明員 千百トンか千二百トンか忘れましたが、先生のおっしゃる千二百トンの通水に対しては、四十九年十月までに完了するように建設省と協議しておりまして、現地工事を進めておると存じますが、私ちょっと現地の詳細を存じませんので、いずれ書面でまた回答いたしたいと思っております。
  83. 米田東吾

    ○米田委員 わかりました。ひとつ現地をぜひ督励していただきたいと思います。  最後に、川崎局長さんにもう一つお聞きしておきたいのでありますが、この加茂川の改修計画ですね、災害復旧に伴う改修計画につきましては、四十四年災害当時、委員会でもいろいろ私からもお願いいたしましたし、議論いたしましたが、一期と二期と分けまして、十カ年計画で仕上げをして、毎秒千二百トンの川に仕上げる。十カ年計画ということで取り組んでいただいておると私は記憶いたしておりますが、この十カ年計画を、今日の時点に照らしてもう少し短縮することができるんじゃないか、短縮していただかなければならぬのじゃないかとも、私は実は思うのでありますけれども、あの四十四年からの十カ年計画ということになりますと、五十三年であります。川幅をずっと広げたり、五百トンから千二百トンにするわけでありますから、私どもしろうとではわからない事業の量があるんだろうと思いますけれども、それにしても十カ年計画というような、今日の事態では気の長い——あの当時においては私はやむを得なかったと思いますけれども、これはもう少し短縮して、八カ年ぐらいで仕上げるというようなことができないものかどうか、そういう配慮が必要じゃないかと思うのでありますが、局長、いかがでございましょう。
  84. 川崎精一

    川崎説明員 全国の河川の水準から見ますと、加茂川自身、一応第一期工事ということで、毎秒五百トンの改修が四十八年に完了いたします。これができますと、全国水準からいきますと、まあかなりいいほうじゃないか、率直に言ってそんな感じがいたします。しかし、やはり十分ではございませんので、被災した時点の、災害時の流量が約八百トンぐらいじゃなかったかと思いますが、そういう点ではやはりまだ不安が残っておりますので、引き続いて改修をしたい。  それでは何年がいいかということになりますと、財政上の問題その他もいろいろあろうかと思いますが、この二次改修については、かなり用地取得、それから家屋の問題——約六百戸ぐらいあるそうでございまして、そういったものがうまく順調に解決していくかどうか、そういう点が非常に心配されるわけでございます。しかし、いずれにしろ、やがて大改修があるので、その家を引っ越さなくちゃいけないとかいうような不安をまたいたずらに助長することも、これもやはり避けなくちゃいけないというふうなことで、少なくとも次の改修に伴うそういった移転の問題だとか、新しい加茂市の町づくりの問題、こういったものに支障のないような措置だけはできるだけ早くしたい。その上で、これはまた予算との相談になりますが、できるだけ短縮する方向でいきたい、このように考えております。
  85. 米田東吾

    ○米田委員 これで終わりますが、ぜひひとつ、ただいまの御答弁のように配慮していただきますようにお願いしておきたいと思います。災害復旧も四年が三年に短縮されているという今日の時期でもございますので……。  あの加茂市は、御承知のとおり、市の行政あげてこの問題だけに取り組んでおりますから、市長から議会以下、この問題だけで、完全にほかのことはなかなか機能しないくらいに市としてはたいへんな事業なのであります。十年間これをずっとやられたのでは、市の行政にだっていろいろな問題が出てくると私は思いますから、とにかく可能な限り短縮さして現地にこたえていただきますように、私からもお願い申し上げておきたいと思います。  以上で終わります。
  86. 高田富之

    高田委員長 津川武一君。
  87. 津川武一

    ○津川委員 先ほど広島県の三次市の災害について、永山委員から詳しい質問がありましたが、確認の意味で一つだけ聞いておきたいと思うのです。  あそこで、江川、馬洗川、西城川、神野瀬川、それから片岡川、北溝川というふうなかっこうで、一緒にもつれ合ってあの災害になったわけですが、そこで、この復旧原形復旧でなく改良復旧だ、こう解釈してよろしゅうございますか。
  88. 川崎精一

    川崎説明員 先ほど永山先生にもお答えいたしましたように、やはり改良にしろ原形復旧にしろ、災害復旧という観点からいきますと、片岡川、それから北溝川でございますか、いわゆる公共施設として見ますと、ほとんど災害らしい災害はないわけでございます。そういった点で、そういうのには少しなじまないのじゃないかということを申し上げたわけでございます。しかし、治水上はやはりほっておけないという感じがいたします。したがって、やはりそれに対応した治水対策をできるだけ早く立てまして改修に当たりたいと考えております。
  89. 津川武一

    ○津川委員 そこで北溝川、片岡川ですが、局長、さっき、十二トンのポンプアップをすればよろしい——ところが、あそこに流れてくる水は、北溝川も片岡川も三十トンなんですね。それで、災害のときには、もうあっちの親川が一ぱいになっているから、その分だけ突っ込んでくるので、十二トンでは不安だというのが、技術上の問題で、私も現地に行ってみましたが、これが強く指摘されてくるわけであります。この点で、ポンプアップはいいのかどうか。  もう一つは、あの北溝川、県営でしょう。ところが、小さい川だけれども、水がくるときには、すべてどこでもそうだけれども、親川よりももっと大きな川になる。そういう災害対策の立場からいうと、これは建設省管理の川の一部と考えていいのじゃないか、そうすべきじゃないかという、これが二つ目の点です。  三つ目には、片岡川、北溝川の上流のほうに、今度は縦貫道路のインターチェンジができるでしょう。そうすると百二十町歩、百五十町歩くらいの水田がつぶされる。これが水田であるときは、水をまんべんなく百二十ヘクタール、百五十ヘクタールのところにたたえていたけれども、水田がつぶれてしまうと、水が一気に入ってしまう。また、インターチェンジをやるとお客さんが来るというので、その付近にもう一つ、ぶどう園としての何か特別な農場を設置する。水田をぶどう園にする。これもまた、水田を養うための水があそこに一ぺんに突っ込んでくる。そうなってくると、ひとつ全体を検討していただかなければならない。十二トンでは絶対納得できないのじゃないかということが一つ。第二番目には、北溝川を、小さい川だといってほっておけない。災害上でいうとあのとおりになりますので、分水、水のバイパスですね、分水として、市街地から除いてしまったらいいじゃないか。  こういうことが地元の人たちから強く指摘されるし、望まれている状況なので、そこまで考えた改良復旧が必要だと思うのですが、いかがでございますか。
  90. 川崎精一

    川崎説明員 先ほど、当面六トンと申し上げたわけでございまして、できれば二、三年ぐらいで何とか早く、しかも直轄でやりたいと考えております。しかし、私どもも、十二トンでいいとは決して思っていないわけでございます。農業関係の開発の話は、私は実は十分存じませんでしたが、やはり地域開発、特に縦貫道とかいろいろな問題があるというようなこともございますので、この際できるだけそういった姿も見詰めて、河道の改修、それからポンプの容量、こういったものは相関的な関係がございますから、そういったものも合わせた上で、もう六トンのポンプをつければおしまいだという考えは、われわれ毛頭持っておりませんので、改修と合わせて増設はしていきたい。  なお、北溝川自身につきましては、これも改修費からいきますと、県の調査では六億ぐらいあればできるというようなことで、たいした金ではございません。しかし、市街地を流れておりますので、そういった面で用地の取得とかにいろいろ問題があるのじゃなかろうか。したがって、そういう点から先ほどのお話のようなバイパスとかいろいろな案が出てくるのじゃないかと思います。一部いわゆる取りつけ部分等については、来年度から改修に入りたいというような計画で、いま予算等の作業をしておりますけれども、先の地域開発の問題なり、河川改修を根本的にどのように考えるかという問題もいろいろございますので、その辺をできるだけ早急に詰めさせた上で事業に着手をしたい。  それから、管理の問題がございましたが、これは流域からいいましても約四平方キロか五平方キロの河川でございますので、そういうことになりますと、東京都内の小さい河川も全部国が管理しろというような議論につながりますから、管理はやはり現在の体制で支障がないのじゃないかと私は思っております。しかし、直轄に直接接続しておるわけですし、守っておるところは一緒でございますので、いろいろそういう計画の検討なり技術指導については私どものほうで極力応援をしまして、計画が十分りっぱな計画になるような協力はいたしたいと考えております。
  91. 津川武一

    ○津川委員 私はそういう技術についてはしろうとなので、特にお願いするのは、そういう点で農業関係とも早急に打ち合わせていただいて、地域の人の意図をくんで、技術的に最善を期して、今度ひどくやられた三次の人たちの心意気を盛り立てる必要があると思うのです。この点はそこで終わります。  川崎局長、林野の関係とあわせてもう一つ答えていただいてから帰っていただきます。  そこで林野庁長官の福田さん、私、この間のあの集中豪雨で、秋田の営林局の二ツ井営林署管内、それから青森営林局の深浦、鯵ケ沢、弘前営林署管内を、局とそれぞれの営林署に案内してもらってかなり歩いてみたんです。そうしたら、これはたいへんほっておけないと思いました。たとえば二ツ井の営林署でいいますと、七万五千立米植える、切るのが二十万立米。植えるほうは三年、四年の幼木、切るほうは百五十年のブナ、ナラ、こういうことなんですね。弘前営林署の実態で見ますと、四十四年から四十七年の四年間に切ったのが二千六百三十二ヘクタール、この中で皆伐が千七百六十八ヘクタール、新植したところが千五百六十五ヘクタールなんです。新植しているのは、いま早いので四年木、切られたのが百五十年木なんです。これをいま、切ってしまったものをなぜ切った、こういうことを繰り返したくはありませんが、これでは山林の治水の役割りは何にも果たすことができない。保水力も何もあったものではないです。この現状を私は遺憾に思うけれども、ここでこれは論議しません。  そこで、鯵ケ沢の管内で、これは赤石川を見ましたけれども、五百町歩切っております。皆伐されております。皆伐しなければならないような経済的な事情もわかりますが、山を治めて再び災害を繰り返さないために、切ってしまった山をどうするか、どうして水を治めるか。たとえば、もう一つここへ防災堰堤をつくるとか、河川改修をするとか、川敷を広げるとか、こういう具体的な措置に出ないと、同じことを繰り返していくと思うのでございます。  そこで、これは川崎河川局長と福田長官、両方から答えていただきます。
  92. 川崎精一

    川崎説明員 各地先生のおっしゃるような議論を聞くわけでございますが、林野庁で守備しておられるのと私どものほうで守備しておるのと、多少事業の性格が違っておるわけでございまして、河川に雨量以外に土砂といったようなものが流出してきて、これに悪い影響を与える、はんらんをさせる、こういったことで私どもは、どちらかといえば下のほうを向いて、河川のほうを向いて砂防等の事業をやっておるわけでございます。したがって、その砂防事業なりあるいは河川計画を立てる場合に、土砂がどの程度山地から流れてくるかというような点では、やはり林野庁その他とそれぞれ打ち合わせをしながら計画を立てておるわけです。しかし、河川事業そのものも相当息の長い事業でございますから、その間に山地の状況等が変わってくるということは当然考えられるかと思います。したがって、そういった状況の変化というようなものに対応してできるだけ、必要ならば砂防ダムをつくるなり河川改修をして計画規模を拡大するなり、こういったことは当然必要かと思います。  いまお話しの鯵ケ沢でございますか、あの辺のやつを見ておりますと、やはり現実に相当な崩壊があった。したがって、今後かなりの流出土砂量が予想されるということはもう明らかでございますから、当然、復旧なり何なりにあたっては、そういったことを十分考慮した対策を立てる必要があろうかと思います。山を治めるほうは、これは林野庁でやっていただくわけでございますが、それにしてもなおかつ流出をしてくるというような面では、私どももそういったものと計画の斉合性を持たせまして、十分配慮して復旧をしたいと思います。
  93. 福田省一

    ○福田説明員 御指摘の生長量の問題と皆伐の問題につきましては、あまりくどくど申し上げますと弁解のようになりますので、簡単に申し上げておきますが、従来の国有林に対する増伐の要請は、最近は逆に自然保護重点という要請に変わってきております。その大勢の中で私たちは、四十七年度以降、生長量と質の悪い森林の林相の改良、この二点を重点にしまして伐採量を減らすことにいたしました。それから皆伐につきましては、従来能率重点ということを中心に、数十町歩の大面積皆伐をやってきてはおりますけれども、いま御指摘の治山、保安関係のことを考えまして、これは十分規制しなければならぬということで、皆伐面積はごく小さくして、しかも飛び飛びにして天然林には間を残すという方針に変えることにいたしました。  さて、御指摘の二ツ井なりあるいは鯵ケ沢の伐採地に対してはどうするかという問題でございます。これにつきましては、崩壊いたしておる場所につきましては、四十七年度から、実は第四次の治山治水五カ年計画によりまして——五カ年計画の予算規模が、大体前計画の倍になっております。重点的に治山事業を実施してまいりたいと思っておりますし、特に、まだ崩壊はしてないけれども、崩壊の危険性のあるところにつきましての予防治山の経費につきましては三倍くらいの伸び、重点的にそういった対策を講じてまいりたい、かように考えております。
  94. 津川武一

    ○津川委員 そこで河川局長、弘前営林署、弘前から西海岸のほうに六十何キロの林道をいま通しているのです。弘西林道という名前をつけている。そこを歩いてみまして、防災堰堤がつくられてある。だけれどもたよりない。みんな埋まっちゃって用をなさなくなっている。そこで、両局長長官がいるから——私も、切るなとは言いません、宝の山だから。切るときに防災上の、治山上の対策があって切るならよろしい。建設省と密にタイアップして同時に仕事するならばよろしいけれども、そこのところが心配なんだ。これが一つ。  行ってみたら——これは建設省も一緒に参加しなければならぬ。いまの林野庁長官のことばは、切らないと言っている。ところが、切らないのはどこかというと、川のまわり、道路のまわり、そこは切らないで、それより離れた奥のところは皆伐せざるを得ないだろうといって、一緒に行った営林局の経営部長が、どんなものでしょうと私たちに意見を求める。そこで、二ツ井の計画を見てみると、依然としてそういう形なので、これは厳重にいま長官の言ったことをそのまま実行に移すように。これが一つ。  それから、その点で絶えず建設省とタイアップしていく必要があると思うわけです。これは答弁要りません。  河川局長はもうよろしゅうございます。  その次に、林野庁長官、道路です。私も見てみたのだけれども、ここに写真まで持ってきたけれども、林道を開いたら——弘西林道はかなり大規模ないい道路ですが、そうすると、その開いた道路の上ががけくずれしてくる。道路の下のところからがけくずれしてくる。これが林道を通すことは非常にいいことになる。このいいことが同時に災害の重大原因になっているので、林道の通し方、やはり林道を通すと同時に、災害の防止の工事を施して林道をやるべきだと思うのです。この点でもう一度、二ツ井の考え方なり弘前の弘西林道を見てみて、点検して、これはすべての国有林野の林道に当てはまることなので、この態度はどうですか。
  95. 福田省一

    ○福田説明員 林道をつくります場合には、従来の考え方は、主として木材の生産を重点に考えておったものでございます。したがいまして、できるだけ安く木材を生産するということに重点を置いてきたわけです。したがいまして、林道もできるだけ安くつくるということに主眼を置いておった。もちろん、そういう災害を起こす原因等、配慮したつもりではありましょうけれども、その点については非常に反省しなければならぬ問題があると思うのであります。  従来、平均しますと、国有林の林道はメートル当たり大体一万円でございます。高速道路なんか、御承知のように何百万とかかる。ところが、わずか一万円くらいで林道をつけている。もちろん地形の悪いところ等は二万とか三万とか、あるいはスーパー林道等は五万、六万でございますけれども、大体一けたでございます。したがいまして、今度はそういう山の自然保護ということを考えますと、林道の工事やり方を変えていかなければならぬと思うわけでございます。のりを切る場合もハッパはあまり大きくかけずに、ハッパを大きくかけますと、能率はあがりますけれども、ひびが入ってのり面が崩壊しやすいとか、下のほうに土砂が落ちてまたそこの木を枯損させる、いろいろそういった被害がございます。したがいまして、のりはできるだけ少なく切って、その切ったのりには緑化工事をやるとか、あるいはまた道路の下の盛り土をした場所、この盛り土もできるだけ一カ所にまとめて、そこにはやはり一つの土どめ工をやるとか植栽をするというふうにしていけば、単価は高くつきますけれども、あとのほうが心配ない。林道をつくったあと引き続いて治山事業をやらなければならぬということは、必要なくなるわけであります。ですから、林道工事というものと合わせてやらなければならぬ。治山工事とひっくるめまして一番いい安全な工法をとっていくというふうに考え方を変えてまいりたい、こう思っておるわけであります。これは予算関連する問題でもございますので、私ども、その点十分努力してまいりたい、かように思っております。
  96. 津川武一

    ○津川委員 第三番目の問題は、林野庁の倫理の問題なんです。道義の問題、道徳の問題。皆伐したとか植林したとかで用がなくなって、林道をあまり使わなくなった。それが今度の災害でやられておる。あまり用がなくなった林道がかなりやられておる。それを直してくれと営林署に行くと、もう使わなくなった道路だと言われる。そこで今度県や市に行くと、ここは県や市の分でないからと言われる。これで被害を受けてなかなか回復しないで困っておるのは、その林道を実際使っておる地域住民なんです。これは私は、一応復旧さして、その上で市町村なり県に移したほうがよろしいかと思うのです。実際林野行政で使わなくなった林道も、地域住民にとっては大事だ。こういう点で林野庁がだいぶ損しておるようです。何やっておるのだ、使ったあとはこわしっぱなしで投げていくのか。こういう点で、一応修理して、修理したかっこうですみやかに市町村とか県に移管すべきだと思うのですが、こういう方針はいかがです。
  97. 福田省一

    ○福田説明員 お話のように、従来は木材生産が主体ですから、木材の生産が終われば林道は必要がなくなるというふうになるわけであります。しかし、林道は御指摘のように、その後造林すれば、その造林の管理のためにときどき必要になりますし、特に地元の人たちは、山に入っていろいろ仕事をされたり、あるいはその他の連絡のために必要な場合が非常に多いわけでありますから、この林道の問題ばかりでなくて、国有林の仕事をいたします場合には、伐採はもちろん、造林その他あとの管理、たとえば山火事、そういったような場合のことを考えますと、地元の方々の協力がなければ、山の経営は実際は不可能でございます。そういう意味で、やはり国有林としては、地元の皆さんのためを考えて経営をしていかなければならぬというふうに私は考えておるわけであります。そういう意味におきまして、いま御指摘の林道につきましても、有効に使えるものは県道なりその他の公道に移しかえるというふうにしてまいりたいと思っております。また、そういう制度もございます。それからまた、こわれたところは直して、国営の仕事は少なくても、できるだけ地元のためを考えて、いま御指摘のような方法をとっていきたい、かように考えております。
  98. 津川武一

    ○津川委員 最後に、林野行政のあり方ですが、治山治水のために金を使う。これを林野庁の独立採算制の会計でまかなえといっても無理な話で、やっぱり国がここのところは一般会計から投資すべきだと思う。  もう一つの問題は、国有林だけでなくて民有林全体として、外材が多くなって日本の内材が半分以下に減ってしまっておる。どうしてこうなるかという点について考えてみると、物価は上がるが、材木の値段は上がらない。したがって、森林経営に熱意を失う。三十年後にお金の入るものにいま投資する人は、よほど金にゆとりのある人でなければできない。そこで、国有林だけでなく、全国の森林に支持価格を設けて——いま投資して、植えていく山林労働者を確保できるような、そういう賃金を払えるような支持価格、こういうものを設けなければ、私は日本の森林はたいへんになると思うのです。  そこで外材をどうするか。これには課徴金をかけていく。こうして山林労働者のためになり、または日本の森林を育てる林業者が喜んで植えられるようなかっこうに、森林行政の財政に使う。こういうことが今度は、治山治水にも国の一般会計からも出させる、こうすることによって、私は、初めて山が治山治水の、レクリエーションの、ほんとうの国民の休養としての役割りを果たすことができると思うわけです。この点で私は、七月二十七日のこの委員会長官に質問しようと思っていたら、ちょうど政務次官が出てきてくれて、ものすごくいい答弁をしてくれて、六千何ぼ億の治山計画なんてとんでもない、五兆円やれ、山林労働者にもっと、四千、五千の賃金を払わなければいかぬ。私は感激してしまったわけです。こういう点で、非常に文句のない答弁をもらって、議事録にこういうふうに書かれてあるんで、これは大事にして、お経みたいに私は読み上げようと思って、大事にこれを使おうと思っているのですが、これでも実現できるものもできないものもある。やはりあの中で、政務次官の体面を汚さないように、そして長官でやれるものはどこいらか、ここらの林野行政の根本的な対策について、治山上の立場がありますのでお答えを明らかにしていただきたいと思うのです。
  99. 福田省一

    ○福田説明員 いまの治山の問題を考えますと、先生ただいま御指摘のように、国有林の特別会計制度は戦後発足したわけでございますけれども、その以前は、森林の伐採収入というのは森林に半分くらいしか実は返っていかなかった、これではいかぬということで特別会計制度が発足したわけでございます。いま収入の九割以上が木材販売収入でございます。支出の六割くらいが人件費、こういう状態。木材価格は横ばい、人件費はどんどん上がる。当然これはアンバラになりまして、積み立て金がいままで相当あったのですけれども、四十七年度でこの積み立て金もゼロになるわけでございます。そこで特別会計制度をどうするかということは、国有林としての非常に大きな問題に実はなってきたわけであります。ただいま林政審議会に国有林部会を設けていろいろ検討していただいておりますが、近く結論を出していただくことになっております。  ただ、考えとしましては、木材の販売収入ですべてをまかなおうといたしますと非常な無理がくることは、先生指摘のとおりでございます。そこで伐採量につきましては、先ほど申し上げたように規制いたします。それから、伐採方法につきましても規制するわけであります。そうしますと、従来以上に掛かり増しが出てくるということで、ますます苦しくなるわけであります。しかし、国有林の経営の態度につきましてはいろいろ批判もありますので、近代化、合理化すべきところは徹底的に合理化、近代化を、労使話し合いながらやっていかなければならぬと私は思っております。それをやりました上で、治山事業のようないわゆる公益的な面での経費については一般財源の負担お願いするというふうにしていかなければならぬと思うわけでありますが、そういった問題を中心に、ただいま林政審議会で御審議願っておるわけでございます。  一方、外材の問題でございますけれども、外材につきましては、ただいまのところでは、輸入商社とユーザーと林業者とそれから役所が入りまして、需給の検討会をやっております。四十七年度までは、ただいまのところは大体規制されておりますけれども、これはあまり大量に入ってきたりしますと、御承知のように国内の木材価格、林業に非常に影響を来たすわけでありまして、ただいま御指摘の造林事業が非常に不振になってきた原因も、そこにあるわけであります。これに対しては課徴金なりあるいは関税なりを設けるべきではないかという意見もありますし、またそれは国際的にいろいろな問題を起こすので、関税とか課徴金は問題だから、流通税とか消費税というような形でいくべきじゃないか。一方、御承知のように内地材については木引税がございまして、内地材に税金をかけて外材にかけないというのはアンバラだろうという意見は、もっともな点もあるわけであります。これらにつきましては、ただいまのところでは自主調整をやっておりますけれども、いずれの方法によるかということは、いろいろとただいま案を検討いたしておる段階でございます。自主調整がうまくいかなければ、どうしてもそういういずれかの方法をとらなければならぬと思うわけであります。  そこで一方、林業労働者が山からどんどん減少しまして、最近は二十万ちょっとぐらいしかおりません。どんどん過疎化しておる現状でございまして、林業経営も、そういう理由で非常にむずかしくなってきておるわけでございます。国有林と民有林は若干事情は違うわけでございますけれども、働く者の労働環境をよくしてやるとか、社会保障制度をもっと拡充してやるとかいうことは必要でございますので、特に民有林に対しましてはそのための助成制度を現在やっておりまして、たとえば通年化をする制度とか、あるいはもっとほかのほうへ行って働けるように流動化の問題とかその他のことができやすいような一つの助成制度を現在やっております。そうしまして、社会保障制度が適用できるような状況をつくろうとしておるわけであります。  一方また、構造改善事業によりまして、いろいろと林業経営の、あるいは林産業経営の基盤を育成していくということによって支払い能力をよくしてやり、生産性をあげられるようにしてやっていきますと、初めて賃金水準も高められると思うわけでございまして、そういった条件ができて初めて賃金水準の問題も解決するだろうと思うわけであります。  いろいろと関連する問題がございますけれども、民有林、国有林を通じまして、労働問題につきましても、こういった他産業に劣らないような処遇をやるための基盤整備ということで、ただいまいろいろ制度改善をやっておりまして、四十八年度もなお引き続いてそれを前向きで検討してまいりたいと思っております。  先般森下政務次官のおっしゃったことに対しまして、私ども非常に意を強うしておるわけでありまして、できるだけそれは具体化してまいりたい、かように思っております。
  100. 津川武一

    ○津川委員 これで終わりますが、委員長に、いつの日でもいいのですが、治山治水、防災という立場から林野行政をひとつ特別に検討していただくような形をとっていただければありがたいと思いますことを申し上げたいと思います。
  101. 高田富之

    高田委員長 理事会で相談して善処しましょう。  本日はこの程度にとどめます。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十七分散会