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1972-10-12 第69回国会 衆議院 運輸委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年十月十二日(木曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 細田 吉藏君    理事 江藤 隆美君 理事 佐藤 孝行君    理事 佐藤 守良君 理事 山村新治郎君    理事 内藤 良平君 理事 田中 昭二君    理事 河村  勝君       石井  一君   小此木彦三郎君       關谷 勝利君    箕輪  登君       井岡 大治君    金丸 徳重君       斉藤 正男君    宮井 泰良君  委員外出席者         運輸政務次官  加藤 六月君         運輸大臣官房長 薗村 泰彦君         運輸省航空局長 内村 信行君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ————————————— 委員の異動 十月十一日  辞任         補欠選任   斉藤 正男君     中嶋 英夫君 同日  辞任         補欠選任   中嶋 英夫君     斉藤 正男君     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件(新関西国際空港建設に関する  問題等)      ————◇—————
  2. 細田吉藏

    細田委員長 これより会議を開きます。  航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。石井一君。
  3. 石井一

    石井(一)委員 私は、本日は関西国際空港のその後の経過についてお尋ねをいたしたいと思います。  申すまでもなく、この空港問題は国策上も非常に重要な問題でございますし、地元関心も非常に高いということでございます。ここしばらく私たちは慎重に航空審議会審議並びに本年末に出されるであろうとしておりました答申の結果について注意深くその動きを見守っておったわけでありますが、何か昨日航空審議会もまた開かれたようでございますが、その後の経過についてごく簡単にまず御答弁をいただきたいと思います。
  4. 加藤六月

    加藤説明員 石井先生質問のとおり、関西国際空港位置と規模につきましては、昭和四十六年十月に航空審議会に諮問しており、また、なお今日同審議会において審議中なわけでございます。  審議は現在までに約二十一回重ね、最終的な取りまとめにいま入ろうとしておる段階でございます。したがいまして、答申年内に行なわれるのではないかと承っておるわけでございます。  また先にお答えするようになるかもわかりませんが、運輸省としては現大阪国際空港騒音問題の解決、関西地区における航空需要の増大、こういうものに対処するために緊急に新空港建設することが必要であると考えているわけでございまして、このような大プロジェクトを進めるためには関係地方公共団体理解協力が絶対的な条件ではないかとも考えておるわけでございます。
  5. 石井一

    石井(一)委員 いまの御答弁と私が理解いたしておりますのとかなりの食い違いがまずあるわけでございますが、昨日の結果、年内答申というものは非常にむずかしい段階に入ってきた、こういうふうに伺っておるのですが、いかがですか。
  6. 内村信行

    内村説明員 航空審議会関西空港については、これはただいま政務次官から御説明申し上げましたように現在二十一回、きのうもいたしました。そこでやることは実はたくさんあるわけでございます。極力これはあらゆる点についての問題を討議するというふうなことから慎重に御審議をお願いしておりまして、大体の目標といたしましては、大体年内答申という線で向かっております。ただ先ほど申し上げましたように、これはいろいろな問題がございますので、皆さんに御納得のいくような方法を講じてまいりたい。その意味では慎重にやりたいと思っておりますので、場合によっては年を過ぎることもあるかもしれません。つまり年内ということを区切ってしまって審議が不十分なことではいかぬ。現在のところはこちらの希望といたしましてはできるだけ年内答申をいただきたい。また審議会としてもできるならばそういうふうな方向でやっていきたい、そういうふうに思います。
  7. 石井一

    石井(一)委員 すでに昨年暮れの予算編成時点において、いわゆる新空港公団を設立するかどうか、それを予算に計上するかどうかというような、運輸省のほうからはそういう要求まで出てきたものが、それから一年間ずっとずれ込んで、しかも伊丹というのはいろいろほかの問題もかかえておりますけれども、もうパンク寸前だ、これからの工事の期間を入れると。慎重審議をしていただくことは非常にけっこうなのでありますが、ただいまの政務次官局長の御答弁にも多少のニュアンスの違いがあります。しかしおそらく政務次官は政治的に御答弁になったので、私は年内答申は無理ではなかろうかという感触を持っております。そうすればこの大きな事業がどういうふうになってくるのか。これは予算編成期をのがすとまた非常に大きな変革を余儀なくされる、こういうふうなことでありますが、特に昨日の審議の中では今度の新しい空港というのは伊丹との関連においてどうしても競合することがあるから、かなりの発着回数というものは制限されるであろう、こういうふうなことも言われておるようであるわけでありますけれども、そこで慎重審議でそうおくれておるのか、一体何がまだなされてないのか、今後何をなせばこの答申の出る時期がくるのか、もう少しその点は重要でありますから具体的にお答えをいただきたいと思います。
  8. 内村信行

    内村説明員 関西空港をつくるべきかつくらざるべきか、あるいはどこにつくったらいいかというようなことについてはいろいろな条件から考えております。  一つ自然的条件がございます。この自然的条件といたしましては——と申すよりも航空の安全からどういうふうに見るか、この条件を。その中に自然的条件がある。なお管制の問題進入経路の問題といったような技術的な問題がございます。それからもう一方において非常に大きな問題は公害を極力少なくしていくという問題がございます。その意味からは騒音の問題あるいは排気ガスの問題、その他建設中の公害の問題といったようなものがございます。そういったものを今度スクリーニングしてまいりますと、一体建設難易の問題はどうかという問題がございます。土木工事、それにいたしましても工法としては埋め立てがいいのか、あるいは桟橋工法がいいのかあるいはフローティング工法がいいのかという問題がございます。またどういう場所にとりましたら建設上優位であるか優位でないかという問題がございます。そういったような問題。さらにもっと進みますと、一体地域計画とどういうふうに斉合性を保っていくかという問題もございます。都市計画ないし港湾計画、そういったものとの斉合性をどういうふうにするかという問題さらにアクセスをどういうふうにするか。アクセスの面から見ればこれはどこがいいかというような問題、アクセス可能性の問題、そういった問題もございます。それで最後には公共団体がこれを受け入れるかどうかという問題が最も大きな問題、こういうふうな問題でございます。  ただいままでに自然的条件はどうであるかとか、あるいは工法難易の問題はどうであるか、アクセスの問題はどうであるかというふうなことは大体において審議を終わりました。昨日やりましたのは、一体進入ないし出発ルートがどういうふうになってくるであろうかというふうなことを御審議いただいたわけでございます。さらに今後の問題といたしましては、一体経済的にどういうふうなメリットがあるか、あるいはデメリットがあるかというふうなこと。もう一歩申しげますと、地域計画どの斉合性、そういったようないわゆる経済的価値の問題をどういうふうにとらえるかという問題がまだ残っております。これは相当むずかしい問題でございますけれども、極力やっていかなければならぬと思っております。  それからいままでいろいろなことを研究いたしましたけれども、それぞれいろいろな項目についてどういうふうなケースをとるべきか、一つ項目一つ項目みな同じようなウエートでは必ずしもないので、一体どういうふうなウエートをかけて総合的に判定するかというふうな問題もございまして、そういうふうな問題も今後さらに一定の何かクライテリアをつくりまして御審議を願いたいというふうな問題が残っております。そのあとで最終的に公共団体受け入ればどうかという問題が残る、こういうことでございます。
  9. 石井一

    石井(一)委員 まだ私の質問に十分そのままお答えいただいてないようでございますが、それでは少し角度を変えまして、まず本年の予算編成に関してどういうふうに処置されるのですか。
  10. 内村信行

    内村説明員 予算要求といたしましては、関西空港公団をつくるということで二十五億、そのうちの五億を政府出資要求しております。
  11. 石井一

    石井(一)委員 次に、先ほどいろいろ御説明ございましたが、技術的なものは大体終わったのだ、しかし総合的に判断しなければいかぬのだ、こういうふうにもとれるのですが、地元との調整という問題も残っておる。言うなれば、そこまでいっておるなら、慎重審議ということは必要でありますけれども答申を出し得る状態に入っているんじゃないですか。あとどのくらいかかるのですか。
  12. 内村信行

    内村説明員 したがいまして、大体年末には答申を出していただきたい。またそのつもりで審議願っておるという状況でございます。
  13. 石井一

    石井(一)委員 そうすると政務次官、その次にこれは閣議決定にすぐ持ち込まれるものなのか、あるいはその後関係閣僚会議というふうなものでもつくられるのか、その後の位置決定までにはどういう経過を踏まれようとしておるのか、この点はいかかですか。
  14. 加藤六月

    加藤説明員 われわれとしましては、答申をいただいて、その内容を十分審議し、その裏づけになった資料というものを地方公共団体十分話し合いをする。それで成田国際空港の苦い経験等もございますので、すぐ閣議に持ち込んで決定して地元へ押しつけるということをせずに、地方公共団体受け入れ体制といいますか、御協力といいますか、そういうものを十分見きわめて、あるいはどの程度協力していただけるかという地方公共団体のいろいろな意思の表明のしかたはあると思いますが、そういうもの等も勘案いたしまして、地元との、特に地方公共団体、それぞれ県、市町村があると思いますが、そういう方々と相当なる話し合いをした上でないと、すぐ閣議へあげるということは好ましくない、こう考えております。
  15. 石井一

    石井(一)委員 そういたしますと、具体的なところはこれからいろいろと臨機応変に御決定になるというふうにとらざるを得ませんが、かなり決定はおくれるというふうな印象を受けるわけですが、そういうふうにとってよろしゅうございますか。
  16. 内村信行

    内村説明員 ただいま政務次官からもお話し申し上げましたけれども、一体地方公共団体がこれをどう受けるかということがかぎでございます。したがいまして、地方公共団体がよくわかった、大いにやりましょうといっていただければ、すぐにでもできる。しかしいやいやこれじゃまだだめであるとか、反対であるとかというようなことになると、これは長引かざるを得ない、こういうふうに考えます。
  17. 石井一

    石井(一)委員 そういうことになると、なかなか空港はできないということになって、ますます国策上重要な問題に直面せざるを得ませんが、その議論を続けておりますと、きょうは時間がないようでありますから、次に多少伊丹との関連についてお話を伺いたいと思います。  そこで、総論から始めるべきなのですが、先ほどちょっと関連して申し上げましたのでお伺いしますが、新空港関西部会審議を続けた結果、伊丹が存在する限り、これと競合するために、相当大きら空港を海上につくったとしても、発着回数というのは相当制限されるという結論が最近技術的に出てきておるというふうなことを、私、仄聞いたしたわけですが、まずこの点非常に重要でありますから、お答えをいただきたいと思います。
  18. 内村信行

    内村説明員 その点やや私は違った見解を持っております。新空港というものの発着回数は、やはりある程度制限されざるを得ないというふうに思っております。しかし、それは伊丹空港と競合するからというわけではなくて、極力騒音というものを人家に影響を及ぼさないようにしようということから、海から入って海へ出るということを考えております。そういった関係で、相当長いルートを、海から入って海へ出るというふうなことをいたしますので、それがおもな原因となって発着回数は制限せざるを得ません。したがいまして、騒音公害を避けるためにもやむを得ず発着回数を制限する、こういうことでございます。
  19. 石井一

    石井(一)委員 伊丹空港騒音対策に関しまして、最近たいへん地元では大きな問題になっております。またこの間、運輸大臣環境庁長官も当地へ行かれて、これは非常に大きな問題であるというふうに言っておられますが、その後、この両大臣の視察の結果、何かこの騒音対策に対して運輸省のほうに、そういう意味での具体的対策というものの指示があったのかどうかという点、それから、もう一つ伊丹周辺財団法人空港周辺整備公社、これを最近知事が認可したというふうなことを聞いておりますけれども、これが騒音対策上どれだけの効果をあげることになっておるのか、この点について、これは簡潔でけっこうでございますが……。
  20. 内村信行

    内村説明員 伊丹空港騒音問題につきましては、私どもは非常に重大な関心を持っているわけでございまして、大臣から指示があるまでもなく、私どもといたしましては、予算につきましても来年度は今年度のほぼ倍近い百十四億——これは全部伊丹じゃございませんが、相当部分伊丹周辺に参ります、というような予算を出しております。  それから、いま先生御指摘になりました公社の問題とも関連いたしますけれども、ただ予算を出すだけではなく、やはりその空港周辺整備なり再開発をしていく、そういうことによって騒音に弱いものをそこからどけて、もしできるならば、騒音に強い産業と申しますか、あるいはベルト地帯と申しますか、グリーンベルトと申しますか、そういったものを持ってくるとか、いわゆる飛行場周辺の再開発というものをやらなければならない、そのためには、また現在住んでおられる方に移っていただく代替地の造成というものもやらなければいけないというふうなテクニカルな問題もございます。そういう問題を詰めまして、そういうことによりまして具体的な騒音対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。  大臣からも、現在考えられている騒音対策を極力強力に進めるようにというふうな指示を受けている次第でございます。  そこで、いま御質問ございましたいわゆる県に認可された三市の共同組織でございますか、この問題でございます。これはおそらく伊丹市が中心となりまして、川西及び尼崎といった市がそれに参加して一つ事業団というものをつくろうというふうなものであろうと思います。私、先ほど申し上げましたように、騒音対策といたしましてはやはり空港周辺というものを整備いたしまして、人家はなるべくそこからどいていただく、それで騒音に適当なものを持ってくるというふうにしなければならぬということが基本的な考え方でございます。ただ、そのためには、これはどうしても地域計画と密着いたしますので、国だけの力をもってしては、こういうことの実現は、言うべくして不可能でございます。こういうことでございますから、私どもといたしましては、大阪府あるいは兵庫県あるいは伊丹、豊中市といったところといろいろ御相談を進めてまいりまして、何かそういったものをつくってやるべきじゃないかというふうなことを御相談してまいりました。私ども考え方は、やはり府とか県とかいうものが主体になりまして地域計画をつくる、府、県というものが主体になった事業団あるいは公社的なものをつくり、それに市とか、あるいは実業界といったようなものも加わり、さらに政府も融資ないし助成をするというふうなことをして、一つ事業団によってそういったことをやっていくのがいいのじゃないかというふうに、基本的には考えておるわけでございます。ただ、その点につきまして、府、県、各市の足並みが必ずしもそろっていないというふうなことが実情でございますけれども、それにつきましては、いま府、県と私どものほうといろいろ御相談しておりますので、遠からず何らかの結論が出るだろう、その結論が出れば、それに沿ったものとして、この新しく認められたものにつきましても進めていただけるならば、いま申し上げました騒音対策は非常に有効なものになるだろうというふうに考えております。
  21. 石井一

    石井(一)委員 伊丹関連しましてたくさんございますが、もうあと一点だけお伺いいたします。  この間、この問題に関して、NHKテレビの放送などもございましたですね。飛行場部長が出席されておりましたが、周辺住民の非常な関心というものは、一体この新空港ができることによって伊丹というのは全廃されるのか、それともるる説明があったようなあらゆる公害対策というものを加えてやはり存続さしていかざるを得ないという考え方なのか、これはそれなりに新空港建設ということに非常に大きな関係があり、先ほど私が聞いております、そこにいわゆる発着回数の競合の問題があるのかという問題とも非常に大きな関係があるわけでありますが、伊丹に対する基本的な方針をひとつお答えいただきたいと思います。
  22. 内村信行

    内村説明員 関西空港をつくる大きな目的は、やはり伊丹騒音対策というのが大きな目的でございます。ただ、と申しまして、新空港ができましたら伊丹を廃止するかというと、必ずしもそこまで考えておりません。ただ、空港ができますれば、国際線を全部移す。国内線相当部分を、さしあたり半数は移していくということによって伊丹騒音というものを極力低いレベルに押えていきたい。その後におきましてもいまよりははるかに低いレベルに押えていきたいというふうに考えております。ただ、そういうことでございますけれども、なおその後につきましては、さらに騒音対策というものをどういうふうにするかということもからみ合わせまして、地元の御理解を得ながら、やはり空港として使ってまいりたいというふうに考えております。
  23. 石井一

    石井(一)委員 そこで、新空港に対する反対の運動というのはかなり苛烈なものが一部にあるわけでございますが、私は内容は最近だいぶ変わってきておると思うのでございます。従来公害、特に騒音大気汚染というものに対してきびしい反対を続けておりましたけれども皆さん方実地飛行をやられたり、資料公開されたりして、そういう面に対する説得はある程度進んできておられるというふうに私は解釈しております。そういう意味では、昨年暮れ以降、まだその後の資料公開はありませんが、こういうものはできるだけ早く公開をされたいと思います。それからまた、実地飛行などについても今後さらに繰り返し繰り返し、これはむだじゃありません、非常に費用もかかることであろうと思いますけれども住民サイドに立ってそういうことをひとつやっていただかなければならぬと思います。  私が最初に申しました反対内容が変わってきておるというのは、公害そのものに向けるのではなしに、最近の向け方というものは、たとえば要するに航空需要というものがそんなに多いものじゃない、にもかかわらず、非常に大きな需要を打ち出して、そのことによっ空港が必要だということはそれはけしからぬじゃないか、こういうふうな理論とか、あるいはそういう運輸省が提出されるそういう予想をやれば、その時点では世界石油の三分の一から消費しなければいかぬようなことになってくるという理論とか、これは私は非常に説得力のない反対理由だというふうに受け取らざるを得ないのですけれども。それから、まだ言っておりますことは、いわゆる鉄道その他の輸送機関に比べて、航空輸送というものに対する料金を国が過保護して非常に低く押えているからこういう状態になるのである、そういうことをしなければ空港というのは必要ではない、こういうふうなことがこのごろは表に公害に対するものでなく出てきておる。そこで、これは議論は別の機会にいたします、もう時間がだいぶ迫ってきておりますから。  航空需要に対して現在見ておられるのは、これはいたし方のない一つの非常にかたいベースに乗ったものなのか。簡単でけっこうです。それからまた、石油の消費の問題はこれはちょっと飛ばしていただいてけっこうでありますが、三番目の料金に対する国の過保護、これはどういうふうに運輸省としては考えておられるか、この二点にしぼってひとつお答えいただきたい。
  24. 内村信行

    内村説明員 まず第一に需要の問題でございますが、遠い将来の需要の見通しというものが実は非常にむずかしいわけでございます。私ども昭和六十年度におきまして、国内線搭乗人員が大体一億人から一億五千万人程度というふうに見込んでおりますが、これはかつての新全総をつくりました当時のスケールでいきましてやったものでございます。したがいまして、その後を見ますと、御承知のように、いろいろ経済成長伸びも若干純化しております。需要伸びも若干純化しております。したがいまして、こういうものを合わせて入れまして、数字をとってまいりますとどうなるかわかりませんけれども、ただマクロに見まして、六十年度に一億ないし一億五千万というのは若干の、二年かそこらのずれはあるとしても、マクロとしてはそう違いはないのではないかというふうに考えております。  それから、もう一つ料金の問題でございますけれども、私どもといたしましては、しいて航空会社料金というものを低く押えておる意図はございません。と申しますのは、先般もおわかりのように、航空につきましてもなるべく受益者負担制度というものをつくりたいということから、現在の空港整備特会におきましてその財源の相当部分受益者負担になっており、そのコスト運賃に反映しているわけでございます。そういった意味から航空機燃料税というようなものを創設し、あるいは航行援助施設利用料というものを創設いたし、それによって上がったコストの分は運賃を上げておるというようなことでございまして、そういったものはいわゆる国鉄との均衡を見る、イコールフッティングというふうなこともございます。そういった議論はございますが、そういったことにつきましては受益者負担というようなことで受益者である航空会社から取る。そうすると、それが運賃にはね返ってくる。そういうようなことをやっておるわけでございまして、故意に運賃を低く押えておることはないと考えております。
  25. 石井一

    石井(一)委員 第一点のマクロ的な需要伸びということに関しましては、ひとつ私に資料を見せていただきたいと思います。私も十分検討いたしまして、反対理由が正しいのかあるいは皆さんおっしゃられている観点からこれをやっていかなければならないのかということ。第二点については一応御答弁でよくわかりました。  そこで、要するに、航空機需要伸びるから、新空港をつくらなければいかぬのだというだけでも、これはやはり住民に対する説得力も弱い。これは例は非常に悪いですけれども自動車がどんどんふえる、したがって道路をどんどんつくる、それから車をどんどん生産し、今度は反対自動車規制をしなければいけない、こういうふうに行政方針を変えていくということになれば、伸びるからつくった、しかし伸びてしまったら今度はとめるということではいかぬのであって、やはりこの新空港というものが都市に対してどれだけの新しいメリットを与え、新しい機能を加え、そうして将来のいわゆる情報産業時代に適応するのかというような観点から根強い説得をしてもらわなければいかぬというような感じが私はするわけであります。たとえば神戸のポートアイランド沖一つとりましても、何か航路に支障が起こるから空港をつくるということは非常に不利な面があるというふうな御説明もある。しかし世界の趨勢というのは陸海空といいますか、この三つが総合されてそこに一つの人の流れ、ターミナルというようなものができて初めて非常に経済効果の高いものができてくるというわけであって、航路があるからあれだということになれば、どこもかしこもみんなばらばらの行政になってしまうということになるわけである。もう少し航空体系と申しますか、将来に対するビジョンというものを、技術的な調査というものも必要でありますし、反対理論に対する反駁を加えるということも必要でありますけれども、私はもっと肝心な点はそういうふうな面じゃないかと思うのであります。この点についてもちろん考えておられると私は思いますけれども、何か御所見がありましたら、時間が迫っておりますから、あともう一問で終わりたいと思いますが、お答えいただきたいと思います。
  26. 内村信行

    内村説明員 おっしゃるとおりでございます。私先ほど申し上げましたように、空港決定のための諸条件があります。その上に自然的条件とか運航上の問題であるとかあるいは工事内容とか、いろいろ申し上げましたが、その最後に、やはり地域計画との斉合性と申しますか、いかに地域に組み込まれておるということが必要であるかということを申し上げました。その点は先生がいま御指摘のような点を十分やはり勘案いたしまして、一体地域社会におけるメリットはどういうものであるかというようなことも十分考えながら検討していかなければならぬというふうに思います。
  27. 石井一

    石井(一)委員 いまの点も議論をしておりますと切りのない問題でございますが、私十分これを要望しておきたいと思います。  そこで最後に、私はざっくばらんに申しまして現在のような状態ではまだ一年や二年きまらぬじゃないかという感じがするのです。こんなことを申し上げると非常に失礼でありますが、皆さんも一生懸命審議を続けておられるわけでございますが、答申もまだまだ非常に時間がかかりそうだ。それから、その次に地元との話し合いとかなんとか言われますが、地元がどういう状態であるかということも御承知だと思います。私はもちろん話し合いはしてもらわなければいかぬと思いますけれども、これまたかなりの時間がかかる。そうなると、その問いま十五万七千回までもうすぐに到達しようというときに、これは一体航空行政として、国策としてどうされるのか。私はいまのようなペースでやられておると、たいへん重大な問題に突き当たると思う。必ずしも私が賛成であるとか反対であるとかいうことでなしに、一つ国策として私は申し上げておるわけでございます。いまのような状態でかりに五億ですか予算化されても、これがことし認可される見通しがあるのだろうか、これも心配でありましょうし、それから後に地元説得というのにどれだけ時間がかかるのだろうか、これも非常に私は心配でございます。そういうことを考えると、この問題は非常に先が暗いという感じがいたすわけであります。そのためにはやはりいかに慎重審議ということをいわれましても、できるだけ既定どおりに——もうすでにおくれておるのです。言うならば、もう昨年つくられなければいけない公団が一年おくれて、ことしまたそういう状態に入ろうとしているのですから、まず基本的な航空審議会答申というものを現時点においてでも年内に出していただいて、あと総論であるとか政治的な配慮というものは、それから後に加えていかなければいけませんけれども、もう少しきびしい態度で新空港問題に対処してもらわぬと、結局困るのは国民であるという感じがいたします。私はそういう面で強い反省と要望をいたしておきたいと思いますが、この点に関しひとつ御決意を政務次官並びに担当当局のほうからお伺いいたしまして、私質問を終わらしていただきたいと思います。
  28. 加藤六月

    加藤説明員 先生のいわれるとおりでございまして、航空というものを大局的に見ますと、非常に早く関西に国際空港を設置しなくてはならないという、その必要性はわれわれも痛感いたしております。また伊丹における騒音問題等の大きな解決前進のためにも、関西国際空港の一日も早い設置あるいは完成ということが望まれておるわけであります。  ただ先ほど申し上げましたように、答申をいただきまして、おい、答申が出たからすぐ場所をきめ、着工しろ、こういわれましても、地方公共団体理解といいますか御協力といいますか、それをわれわれといたしましても相当重要視いたしております。したがって、地方公共団体に短期間に理解していただき、あるいは協力していただける、あるいは意見がこうこうだということがまとめていただけるなら非常に早く着工できるし、完成できる。地方公共団体のほうでそういった問題について混乱やあるいはごたごたがあって、意見の表明がおくれるようなことになりますと、やはりおくれるということで、先ほど来先生がおっしゃいましたいろいろな反対理由、そういうものに対しまして私たちは積極的に話し合いをし、また運輸省としてはそれに対するいろいろな資料を提供しまして、地域住民皆さん、国民の皆さん方の御理解を一日も早くいただいて、早く着工する体制に入りたいという気持ちを表明さしていただきます。
  29. 石井一

    石井(一)委員 私は住民サイドに立ってこの質問もしておるつもりでございますけれども、いま最後に御答弁になった姿勢であれば、またそれに一年、二年かかるのですよ。もうすでに現在地元では、何がどうかということは全部はっきりわかっているわけですよ。もう少し政府が科学的な、技術的な調査資料のもとにイニシアチブを持ってもらって、その調整を短期間に政府がリードするという姿勢で話し合いする。向こうが了解がつかなければといったらいつまでたってもこれはできませんよ。この点を強く申し上げておきまして、次の機会に私の議論を譲らしていただきたい、こう思います。
  30. 細田吉藏

  31. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 どういうわけか、きょうは航空質問ばかりだそうでございますから、私も若干伺いたい点があるわけであります。  まず第一に、昭和四十五年十一月二十日、閣議了解事項として「航空企業の運営体制について」という決定がなされ、それぞれこの線で航空企業の運営体制について運輸省は指導をされてきたと思う。ところが四十七年七月一日運輸大臣示達という形で、この事業分野などを大別して、これまた大臣示達が出ている。これは局長でないとわからぬと思うのですけれども閣議了解事項とこの大臣示達というものはだいぶ内容的に食い違いがある、私はこのようにしかとれないわけでありますが、局長はこの閣議了解事項を受けてこういう示達が出たというようにお考えになっておりますか。
  32. 内村信行

    内村説明員 私はそういうふうに考えております。
  33. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 あなたは立場上そう言わざるを得ないと思うのですけれども、きょうは時間がないからこの次にこの違いをまた追及いたしますが、だいぶ違っているんですよ。しかも四十七年七月一日という日はどういう日かというと、自民党総裁選挙を数日後に控え、大臣の交代も明らかな時期に突如として出されたという政治的な背景があるわけだ。ここに前政務次官佐藤君もいらっしゃるけれども、どうもどさくさにまぎれて大筋を変えたというようにしか思えない。脈絡が一貫しているというならばそれでいいです。きょうは時間がありませんから後刻この追及をいたしますので、保留をしておきますから、局長、いいかげんな答弁をしないで、責任をもって答弁をいただきたいというように思うわけであります。  そこで、日本の航空業界は今日なお混乱している。ますます混乱してきたというように思うのだけれども、御承知のように日航に対しては国際線をやらせる、同時に国内の幹線も若干やる。それから全日空については国内線をやらせる。それから東亜国内については国内の地方線をやらせる。それから沖縄が返ってまいりましたので、南西航空については沖縄周辺をやらせるということで、大筋は私は今日なおそれでいいと思う。悪かったけれども、いつの間にかこうなっちゃったんだからどうしようもないと思う。悪いんですよ。実際はこんなことじゃなかった、初めの方針は。  そこで、最近起こっている二、三の具体的な例——ますます混乱に拍車をかける傾向にあるので、二、三の例をあげて伺いたい。たとえば、中華人民共和国との国交正常化に伴い、過日試験飛行に日航と全日空の両機が飛んだ。この中華人民共和国との航空路開設にあたって、福岡を使うのか長崎を使うのか、鹿児島を使うなんということを言っている人もあります。それはいろいろこれから検討する余地があると思うけれども、中華人民共和国というのは外国ですよ。その国際航路をなぜ全日空に試験飛行させたのか。これは準国内線として見るのかどうなのか、この辺にも一つの発想の転換がなければならぬ。  それから例のハイジャックにあった「よど号」がその後どこへどう行ってどうなっているのか。私は知っていますけれども、これの運用のしかた、これもまたいままでの基本方針からは、ずれてくるのじゃなかろうかというように思わざるを得ない。  もう一つは、非常に重要な問題であるのに全く等閑視されている近距離航空輸送についての早急な施策。この間私は運輸省資料要求して、日本の航空会社の現状はどうなっているかといって取ったのです。そうしたら日本航空にこうこうだ、全日本空輸はこうだ、東亜国内はこうだ、南西航空はこうだというのが出てきた。ところが今日六十数社といっている人もありますし五十数社といっている人もありますけれども、飛行機の数は四百四十六機も持っていて、いろいろな仕事をしている小型機事業者についてはまとめて報告されただけで、その内容なんかはちっとも書かれていないんです。航空事業といえばかつては航空三社、今日では南西を入れて四社というようにしか考えていない運輸省の頭の古さ、かたさ、あるいは大資本奉仕への姿勢というふうなものしか考えられぬ。(「安全第一」と呼ぶ者あり)後ほどその安全の問題にも触れますけれども、小さい会社が必ずしも不安全だとはいえないのです。このごろ見てごらんなさい。日航だって全日空だって事故ばかりやっておるじゃないか。ずうたいが大きいばかりが能じゃない。そういう意味からいろいろお尋ねをしたいわけですけれども、いまお尋ねした全日空の中華人民共和国への航路開設あるいはハイジャックにあった「よど号」がその後どこの飛行機になって、どのように飛んでいるのか。それから近距離航空についての現状と対策といったようなものを一口にお答え願えませんか。
  34. 内村信行

    内村説明員 逐次お答え申し上げます。  まず第一に、全日空がこの間から中国へ飛んでおるが、あれはどういうわけだ、こういうお話でございます。四十五年十一月二十日の閣議了解によりますと、国際線につきましては、「国際定期航空については、原則として、日本航空が一元的に運営する。」それから「近距離国際チャーター航空については、日本航空と全日本空輸の提携のもとに余裕機材を活用し、わが国国際航空の積取比率の向上に資するよう努める。」こういうことでございます。それによりまして、少なくとも現在までの段階では、これは全部チャーターでございますから、全日本空輸も認めておるということでございます。しかし、今後どうするか、これはまた全然別の問題でございます。慎重に審議していきたいと思っております。  その次に「よど号」でございますけれども、「よど号」は現在は東亜国内航空が使用しておりまして、東京−大分−鹿児島−福岡線に就航しております。ちょっとその御説明を申し上げますと、四十五年の三月三十一日に日本航空の使用機材としての「よど号」がハイジャックされたわけでありますが、これはもう一歩先をたどりますと、東亜国内航空の前身であります国内航空の所有機でございました。それが前の航空再編成のおりに、日本航空とそれから国内航空とが将来合併することを前提としてチャーターする、こういうような趣旨でございました。そういうふうな前提に基づきまして、日本航空が国内航空のジェット機をチャーターして使ったというふうなことでございます。そのために、当時は日本航空がチャーターする「よど号」として——チャーターと申しますか賃貸する「よど号」として日本航空が使っておったわけでございますが、先般の航空再編成によりまして、あらためて、日本航空と国内航空との合併が変わりまして、国内航空と東亜国内航空が合併する、こういうふうな新しい線が出まして、前提がいささか変わってまいったものでございますから、日本航空といたしましては、これを東亜国内航空に返還し、東亜国内航空が使用機として運航に使っているというふうな状況でございます。  三番目に、近距離航空の問題でございます。これは、実は先般横浜航空が北海道で事故を起こしました。私どもといたしましては、はなはだ申しわけないことと思っておるわけでございますけれども、今後は何とかそういうふうな路線における絶対安全性というものを確保しながら、路線における需要というものにもこたえていかなければならないというようなことから現在検討中でございます。近く航空審議会にかけまして、どういう方向で持っていったらいいかということを検討いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  35. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 からむわけじゃないですけれども、東亜国内航空にはボーイング727が三機あるわけですね。そのうちの一機が「よど号」であって、あとの二機はまだ日本航空が使用しているんでしょう。三機ともみな返したのですか。
  36. 内村信行

    内村説明員 全部返還を受けております。
  37. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 了解。このことはまた後ほど触れますけれども、いま横浜航空の北海道における事故についてお話がございまして、これを契機に近距離輸送について本格的な検討をし始めた。事故がなければ本格的にやらぬわけで、事故があったからこれはいかぬ、何とかしなければ……。あの事故さえなければ、今日まだあまりこのことには積極的になっていないのじゃないか、悪く考えればそうも言えると思うのです。ところが、実際問題として近距離輸送については日航は日航なりに、全日空は全日空なりに、東亜国内は東亜国内なりにいろいろな意見があるようでございますね。そこで研究会などを設けて、公式か非公式か存じませんけれども、御諮問の形をとられた。その報告がまとまって出されたのか、あるいはまとまらないで試案というような形で出されたのか、あるいは並列というような形で出されたのか。航空審に諮問をされ答申を得てというような形をとるようでありますけれども、近距離航空輸送についての航空局あるいは運輸省考え方、手続的にどういう手続をとっていかれるのか。三者三様の意見を聞いてもまとまらぬ。そこでまとまった答申を求めた。ところがこれもまとまったものとは思えない、このように私は思っておるのですけれども、正式な諮問ではもちろんないと思いますが、一体どういう手続をとられたのでございましょうか。
  38. 内村信行

    内村説明員 いま先生の御指摘になったのは近距離航空輸送研究会というもののお話だと思います。実はこれは任意の研究機関でございまして、私どものほうでつくるように言ったものでもなければ、私どもで諮問したものでもございません。  そこで近距離航空輸送研究会というのは日航とかあるいは全日空、東亜国内航空をみな委員にいたしまして、自発的に一つの研究会をつくりまして、そこでSTOLというものを中心にいたしまして、それを一体どういう路線にどういうふうに運営していったらいいかということを自発的に研究しておるわけでございます。  それと一方別に、話はいささかこまかくなりますが、先ほどのようないわゆる離島なんかの場合、長い滑走路ができません。したがいまして、航空輸送需要はあるのだけれども、長い滑走路がないのでYSは就航できない、小型の輸送しかできないというような場所がございます。そういったところを安全に運航するためにはどうしたらいいか。あるいは辺地におきまして、これは横浜航空の場合もその例でございますけれども、輸送需要が非常に少ない。したがいまして、フレンドシップとかYSを持っていくわけにはいかない。需要が少なくても辺地の輸送機関が必要であるというような場合には、小型機による輸送というものを地方の要望からいたしまして考えざるを得ないという問題がございまして、こういったようなことを一体どういうふうに解決すべきだろうかというようなことに私どもだいぶ悩んでおったわけであります。  そういった点から、一つ考え方といたしましては、そういったものにつきましてはSTOLというようなものを使って輸送するということも考えられるではないか。これは先ほどの近距離輸送研究会とは別個に発生した考え方でございます。そういうもので運ぶということは考えられるが、それにはやはり相当な設備も要りますし、それからお値段もいままで使っておったような飛行機より高くなります。そういったようなことから、弱体な経営主体ではこれを受け入れられないではないか。また弱体な主体にやらしたら安全性からも疑問があるというようなことから、STOLを使うにしても一体どういうような受け入れ体制を持たせなければいけないか、私どもといたしましてはこれを検討していきたいと思います。私どもの考えましたのは離島がおもであります。STOLでなければいけない離島、それに辺地を加えて考えたわけであります。そういうようなことから、私どもといたしましては経営主体を考えざるを得ないということになってまいりました。  それとは一方的に、いわゆる近距離航空輸送研究会なるものが、成田ができても地上交通機関というものは、やはり相当不便な点もあるだろう、したがって、都心と成田とSTOLで結んだらどうかというようなことをまず第一の発想といたしまして、それに加えて中距離といいますか、都市間輸送というものをSTOLでやったらどうか、こういうふうな発想からできたのが先ほどの研究会でございます。したがいまして、私ども考え方とはややこれは異なりますけれども、私どもといたしましては、私どもはこういうふうなものを考えておる、それについてあなた方はどう考えているかというふうなことを日航なり全日空なり国内航空なり横浜航空なり、またいまの近距離航空輸送研究会にも並列に意見を聞いたわけでございます。その結果、並列にいろいろな意見が出てまいりました。それぞれ違った考え方を持っております。こういったものを一つ資料といたしまして、これを航空審議会のほうにかけまして、そこで皆さまに御検討いただいてはたして一体どういう形のものが一番合理的であるかということを御検討願って、それによって進めたいというふうに考えておるわけでございます。
  39. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 運輸省の姿勢としては、横浜航空を含めた数社にこの近距離航空輸送のあり方について、公式非公式は別として聞いてみたところが、出てきたものはまちまちだった。たまたまそういうものを網羅した研究会があって、そこでも研究した結果が、いろいろなものが出てきた。しかし、これもまた必ずしもまとまったものにはなっていない。そこで、おそまきながら運輸省は、近距離航空輸送についてどうあるべきかということを航空審に諮問をした。手続上はそうなっている、そういうことですか。
  40. 内村信行

    内村説明員 まだしたわけではございませんで、するという段階でございます。
  41. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 これはいつごろして、いつごろ答申を求めるつもりですか。
  42. 内村信行

    内村説明員 近々諮問申し上げまして、予算に間に合う段階答申をいただきたい。
  43. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 ここにも行政の立ちおくれがあるわけで、そんなことはない、各社に聞いたのです、気にはかかっていたんですということでありましょうけれども、要するに航空三社なり四社なり五社なりは、それぞれの考え方があって近距離航空輸送についても考えておった。しかし、混乱をしてはいけないし、何とか航空行政の一環としてのまとまったものがほしいということで近々諮問、答申という形になる。後手でありますけれどもやらぬよりはいい、このように思いますが、しかし、これとても私は航空審はほかの審議会に比べてかなり専門屋もいますので、いい案が出てくれることを望むわけでありますけれども、しょせん事務局は航空局の中にあるし、航空局の官僚が答申案もつくって、このような答申をしてくださいませんか——実際はそういうことじゃございませんか、いかがですか。
  44. 内村信行

    内村説明員 私は、実際はそういうことではございませんと思います。いわゆるたたき台の素材としてこういう考え方、こういう考え方があるということは申し上げますが、その決定はあげて審議会におまかせしたいというふうに考えております。
  45. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 そう言わざるを得ないと思いますね。そうすると答申案が出た、答申案を確実に運輸省は実施をしますか。
  46. 内村信行

    内村説明員 私はそういうふうにいたしたいと思っております。
  47. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 従来もそうでありますけれども、特にこの航空行政には政治力だか経済力だか何だか知らぬけれども、非常に介入しやすい産業でございまして、一局長の良心的な判断などではどうにもならぬことが過去に多かった、多過ぎた。私は、純行政として最も重要な課題の一つである近距離航空輸送についての具体案については、航空審が答申をするその内容を十分尊重をすべきだ。しかもその答申のあり方については、先ほど事務局が答申案をつくって、それをそのままのような形で答申をするということでなくて、広く業界あるいは特に国際的な近距離航空輸送のあり方等についての体制といったようなものの中から判断をし、しかもすみやかに結論を出すべきだというように思うのですけれども、次官、大局的な問題でございますので、しかも諮問を間近に控え、短期間に答申を望むという態度である以上、確固たる信念といったようなものが望まれるわけでありますけれども加藤次官からひとつ見解を伺いたい。
  48. 加藤六月

    加藤説明員 先ほど来航空局長お答えいたしましたように、近距離航空輸送、主として離島、辺地、これを結ぶ航空事業の確立と、それに伴いますところのSTOLの活用という問題につきましては、先生いまおっしゃいましたとおりでございます。私たちは近いうちといいますか、ほんとうの近々に審議会答申を求あるべく諮問いたしたい。そうしてこれまたすみやかに答申をいただきまして、昭和四十八年度の予算の上にこれを反映していきたい。ただ先ほど来先生がおっしゃっておりましたように研究会の案、日本航空の案、全日空の案、東亜国内航空の案、横浜航空の案、こういったものは一通り全部出そろいましたので、そういったもの等加味してやっていきたい。  また先生が一番最初におっしゃいました小型航空事業者というものが全然これに加味されていないじゃないかということで、この小型航空事業者の意見というものをどうやって反映していくかという問題につきましてもきのう協議いたしまして、反映さしてもらう方法等も考慮し、そういうわが国全体の全航連といいますか、航空関係事業者の意見等も盛り込んだ上で、ひとつすみやかに答申をいただき、それを実現していく。またそれに伴うところのいろいろな助成案も検討していく。ともかく四十八年度からこういった問題を発足させたいという心意気、したがいまして、なるべくならば年内までに全部こういった作業が完了すべく努力していきたい。こう考えておる次第でございます。
  49. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 次官、いみじくもいい答弁をちょうだいいたしましたけれども、社団法人全日本航空事業連合会というのがございますが、何か日本の航空といえば日航、全日空、東亜国内という三社に限られているような感が非常に強いのですよ。国連じゃございませんけれども、たとえ二機しか持っていない、三機しか持っていないという事業者だって、やはり航空事業連の会員なんです。そうした弱小というと申しわけないのですけれども、事実上弱小ですから、そういう事業者の意見もぜひそんたくしてほしいというように思うわけでありますと同時に、いま次官がおっしゃいましたけれども、四十八年度予算要求の中にSTOL五機の購入が申請されているはずであります。一体この五機というのは、国がほとんど全額を出して買うわけでありますけれども、どこへ一体使わせるつもりなのか。もうそういう企業体ができていて、あるいはできることを予想して予算要求ということになればわかるのですけれども、そっちのほうはさっぱりわけがわからぬが、取るだけ取っておけということなのか。これは大蔵省が聞くとちょっと困るのですが、確固たる運輸省には方針があって予算要求をし——何でも取らなければしようがないのですから、だと思うのですけれども、答える必要がない、答えてはぐあいが悪いというならいいですよ。いいけれども要求していることは事実だし、ぜひ取ってほしいと思うのですけれども、わかっている範囲で、一般会計なのか、例の特別会計なのか、その辺よくわからないのですが、どうなっているのですか。
  50. 内村信行

    内村説明員 場所といたしましては、私ども、先ほど御説明いたしましたように離島を主として考えております。したがいまして北海道地区あるいは佐渡のほう、それから伊豆七島あたり、それから沖縄、その辺を考えております。  それから事業主体というものは、これは航空機に対する購入補助でございますから、必ずしも事業主体がいまきまらなければいけないというものではございませんが、望むらくは事業主体がはっきりしたほうがいいと思います。ただ沖縄の場合には南西航空事業主体となって行なうことになっております。
  51. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 これからも先ほどの近距離航空輸送の案が固まって、当然それとの関連のことになるだろうというように思うのであります。後ほどまた伺わなければならぬと思いますので留保いたしますが、最後に、私は、申しわけありませんけれども局長以下の履歴書を取ったわけであります。(「プライバシーの侵害だ」と呼ぶ者あり)それはちゃんと断わって、出せたら出してほしいということで取りました。あなたは比較的航空畑を歩いてきた人であることが明らかになりました。たとえば検査とかその他の実務幹部、これも航空畑はえ抜きであることもわかりました。しかし、あなた以外の中間管理職というのか高級管理職というのか、もうあっちへ行ったりこっちへ行ったり、要するに一連の官僚のたらい回しの中でたまたま今日航空局に籍がある。——頭をかいている人もありますけれども、そういう人が多いのです。私は航空行政というのは必ずしもパイロットでなければできぬとは思っておりません。しかし、農林省から来たり郵政省から来たりして、そんなのがわかるわけがないと思うのですね。そういう意味でやはり、三軍というものがありますけれども、見習い士官で陸でおい立った人はずっと陸でいくですよ。見習い士官のときに空軍だった人は大体空軍でいくですよ。陸の人が空にいったり、陸の人が海にいったり、そういうことは、航空行政というのはかなり専門職でもありますし、ないわけであります。しかし実務をやっている方方はみなその道の方々でありますけれども、この人たちはどういうわけだか部長、局長になっていけないのですね。それでおしまい。どうも見てみると大学の準業年次だとか、特に東大ですね。それから席次もやはりいまでも何かものをいうのですか。だれが一体人事をやるのか私はわかりませんけれども、これは次官、あなたも反官僚を唱えて政治家になっている。ぜひ選挙が終わっても次官をやってもらいたいと思うが——もっとも大臣になるかもわからないが、ぜひあなたの任期中に——佐藤政務次官にも私はよく言ったんだが、官僚退治のために乗り込んでいるつもりだ、こう言った。ところが中へ入ってみると、なかなか容易じゃないようですね。そういう意味で、航空担当の皆さん、あまり大学の卒業年次だとかあるいは成績だとかなんというようなことを抜きにして、もっとこの道のべテランでまとめてほしい、こういうように思うのですけれども、次官、大臣にかわってひとつ決意のほどを御披瀝ください。
  52. 加藤六月

    加藤説明員 いま斉藤先生から御意見をおっしゃっていただきました。もちろん航空局の役人の構成、いろいろあると思います。先ほど来いろいろよその省から来ておる人もあると言われましたが、航空局には——わが国の民間航空には長い歴史といろいろなものがございまして、各界各方面の知識を集めて航空産業の育成と航空事業の安全という問題を確保していかなくてはならないので、そういった問題、また長い歴史の中に、それぞれの職員があるということは、私、これは当然だろうと思うのです。またあちこちとんとんかわってきて現在のポジションにおるということも、これはまたわが運輸省全体から考えましても、安全という問題からいきますと、空にも陸にもあるいは海にも安全ということは必要でございますので、そういう点をそれぞれ経過——ポジションを済ましてきた人が、そういった地位につきまして、また新しい目で航空の安全という問題を検討する必要もあると思います。そういう点で、要は能力のある人、航空事業あるいは航空安全に熱心な人が埋もれてしまって意欲を失ってしまうようなことにならないように、私たち大臣政務次官は考慮していかなくてはならないという点を心がけて、大臣運輸政務次官という仕事を日夜やらせていただいておるわけでございます。先生の御意見を今後も胸に秘めまして、そういった一連の人事をやっていきたい、こう考えておる次第でございます。
  53. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 終わります。
  54. 細田吉藏

    細田委員長 田中昭二君。
  55. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 きょうは各委員先生から、航空問題がたいへん焦点になってお話しになっています。私も聞いておりまして、いま時代に合った航空需要供給といいますか、これがたいへんな変動というか、そういうものが見受けられると同時に、不幸なことにはこれに関連する事故、そして航空機、エアライン同士の醜いといいますか、私たちには常識で考えられないようないろんなうわさ、であればいいのですけれども、そういう話を聞きます。  そういう環境のもとで、まだ国会も開かれておりませんが、休会中に当の航空行政の責任者である航空局長、あなたはせんだって欧米の航空事情を視察されたと聞いております。航空問題は諸外国とも関係深いことでございますし、この行政の責任者がそういうことをされたということはたいへん時宜を得たことと私は評価しております。そこでまずその状況、御感想を率直にお聞きしたい。
  56. 内村信行

    内村説明員 先般たいへんかけ足で回ってまいりましたものですから、先生に非常におほめいただいて、どうも恐縮でございますが、率直に申し上げますと、私、今度、平生から一番気にしております航空安全というものを外国の航空行政は一体どういうふうにやっているかというふうなことと、それから、これもしょっちゅう問題になります騒音問題、それが一体諸外国ではどうであるかというふうなことを主として見たいと思って回ったわけでございますけれども、特に航空保安の面、これは前丹羽大臣もおいでになりまして、いろいろそのお話ございましたけれども、やはりおっしゃるようにわが国の航空保安対策というものは、率直に言って、外国、特に米国あたりよりはおくれているのではないかというふうな感じがいたしました。
  57. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いまのところは抽象的なお話だけですが、私もう少し具体的にお聞きしたいのですが、特にそういうふうに視察されて重点的に見聞された内容調査された内容を少しお聞かせ願いたいと思います。
  58. 内村信行

    内村説明員 騒音問題と保安の問題、ひとつ分けて考えますと、まず騒音問題につきましては、大体趨勢といたしましては外国においてもだんだんそういった環境問題というものが大きくなってまいるというふうな趨勢にあるというふうに見受けました。しかし、実際上の騒音問題というのは、わが国と比べますとやはりわが国のほうがはるかに強いのではないかというふうな印象を受けました。と申しますのは、ある意味におきましては家屋の構造がやはり石づくりとかレンガづくりということで防音が比較的しやすいというふうな問題がございまして、やはりわが国の騒音問題は、われわれが独自の問題として体当たりしていかなければならぬだろうというふうな感じを深くいたしました。特に、外国にたよるということではなくて、われわれ独自の解決策を真剣に求めていかなければならぬというのが騒音問題についての感想でございます。  それからもう一つの保安の問題でございますが、何と申しましても航空管制の問題、これにつきましてやはり米国なりあるいは英国、フランス等それぞれ——フランスは私参りませんでしたけれども、大体レーダーによる航空機管制をやっているというふうなのが実情でございます。アメリカあたりにおきましては、大体航空交通管制部が二十一カ所ぐらいございます。その航空路の監視レーダーというものは全国で約八十五カ所ぐらいございました。ただ、八十五カ所ございますけれども、それによるカバーというのが大体六〇%強ぐらいをカバーしているというふうな話でございました。さらに今後昭和五十年度までには二十六カ所のレーダーを増設いたしまして、それによって全航空路の九〇%をカバーするであろうというふうなことを言っておりました。  それから、英国につきましては、現在五カ所航空交通管制部がございまして、航空路監視レーダー、これが十六カ所ございまして、それによりまして大体ほぼ全体の航空路をカバーしておる。また、フランスにつきましても三カ所の航空交通管制部がございまして、五カ所の航空路監視レーダーによってほぼ全域をカバーしているというふうな状況でございます。  それから、特に私気がつきましたのは、空港のターミナルにおける管制方式でございます。これは、アメリカではまだ全国に行き渡っておりませんけれども、シカゴのオヘア空港では、いわゆるARTS3というふうな新しい情報処理システムでもってやっております。これは、私どもの現在のレーダーは、ただ機影が映る、それが映ったままに動いてくる、それでアィデンティフィケーションを要求するとぱっと出るというようなものでございますけれども、このARTS3と申しますのは、大体背番号みたいな、情報電算処理をいたしますので、各飛行機に背番号が出てまいります。そのフライトナンバーが出てまいりまして、それから高度、速度、これが刻々にずっと出てまいります。それによって、目で見ながら実際に管制をするというふうなことができるようになっております。そういったことは、まだこれはシカゴのオヘアだけだそうでございますけれども、私としては非常に感銘を深くいたしたような感じでございます。
  59. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 ちょっと、順序を間違えないように、私がいまお聞きしたのは——わかっておると思いますけれども、順序があと先になりますと、質問のしかたが変わってきますから。  いまお話の中で出ましたシカゴでやっておるARTS3という機械を、それだけ具体的におっしゃったのですが、それでは日本でそれを取り入れてやるというような計画がありますか。そうすると、ああいうふうなニアミスが起こりました事故以来、五カ年計画を三年に縮めて、管制、保安業務を充実するというふうな政府の姿勢だったわけですから、それと関連してそういうふうな新しい機械をいつごろ日本に導入したいと思っておるのか、また運用ができるのか、そういうことをお尋ねしたいと思います。
  60. 内村信行

    内村説明員 空港におけるターミナル情報処理システム、これは私どもといたしましても必要性を痛感しておりまして、航空保安施設の整備五カ年計画に基づきましてこれを整備したいと考えております。ただ、このARTS3そのものを入れてまいるのではございませんで、私どもいまARTS−Jこう言っておりますけれども、やはり同様なスタイルで、これを日本の風土に合わしたようなものでございますが、そういうふうなものをつくるべく、その一環といたしまして、昭和四十八年度及び昭和四十九年度で、いわゆるARTS−Jというものを完成さしたい。その後、管制官の十分な完熟訓練を経ましてこれを充実さしてまいりたいというふうに考えております。
  61. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そうしますと、大体四十八年度、四十九年度にはそういうものと似通ったものを入れたい、そういうことですね。
  62. 内村信行

    内村説明員 四十八年、四十九年二カ年で完成させまして、五十年度から評価試験に入る、こういうふうに考えております。
  63. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そういうことではちょっと心細いですね。また次の質問でやっていきたいと思いますが、そこで今度は航空路の問題です。  航空路の問題は、今後の航空路のふくそうを考えますと、行かれたところでどういうふうなことをやっておったのか、そういうことについて様子をお伺いしたいと思います。
  64. 内村信行

    内村説明員 航空路につきましては、やはり各国ともレーダーによる管制ということが実現されておるようでございます。ただこれにつきましてはまだ情報処理化というふうなものまではいっておりませんけれども、レーダーによりましてほとんど全域をカバーしておる、ほとんど全域をレーダー管制でやっておるというふうな状況でございます。アメリカ、イギリス、フランスも大体そういうふうな状況のように聞いております。
  65. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 外国のものにつきましてはそれぞれ私も調査しましたし、お聞きしたりして、大体心得ておるつもりでございます。専門的でありませんけれども、そういういま航空局長が見てこられたそういうものの状況をわが国と比べますと、一番先に思い当たるのは、昨年の大きな二つのニアミスの事故であります。そういうことにつきましては、この委員会でもいろいろ論議をいたしたわけでございますが、日本の航空路の長距離レーダーですか、この整備計画というのは大体どのように進んでおるのか、概略御説明願いたい。
  66. 内村信行

    内村説明員 航空路監視レーダーは、現在は箱根と福岡の三郡山、この二カ所にあるわけでございますけれども、さらに今後、航空保安施設の整備五カ年計画によりまして、昭和四十九年度末までに六カ所新しいものを設置いたしまして、日本の全空域を八カ所の航空路監視レーダーによってカバーしたいという考えでおるわけでございます。  すなわち、もう少し詳細に申し上げますと、銚子の付近に山田というところがございます。この銚子の付近に、山田レーダーを本年度中に完成いたします。それから昭和四十八年度におきましては、沖縄の航空路監視レーダーを完成いたします。さらに昭和四十九年度末までに北海道、東北、近畿それから南九州、この四カ所の各レーダーの整備を行なってまいりたいと考えております。この四カ所につきましては、いずれも四十七年度、つまり本年度中にはその敷地の選定をいたしまして、四十八年度には所要機材を発注いたします。さらに用地造成、局舎建設等をいたしまして、四十九年度中には設置を完了いたしたい。五十年度からは、さらにこれら八カ所のレーダーが完成いたしました後に、全国の主要航路につきましてはレーダー管制が行なわれる、五十年度以降はさらにこれらの情報処理化をはかりたい、こういうふうに考えております。
  67. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 私は航空路の長距離レーダー管制、これがきちっといかなければ、結局航空機同士のニアミス発見とか予防とかいうことにはたいへん心配を持っておるのです。いま局長のお話で、大体既定の計画に従っての状況はよくわかりました。問題はこれができるかどうかでございます。これはできるようにがんばってもらいたいわけでございます。根本的に日本の空域の全体をカバーするということは、これは審議会答申も出ております。私も期待しておるわけでございますけれども、ただ、いまの八カ所では、どうしてもレーダーサイトの場所の選定、それから電波でやるわけですから、障害物があったりして死角が出ます。現実に九州でも、あの三郡山のレーダーに航空機が見えなくなる、また箱根のレーダーも——私も東京管制部に行って実際飛んでおるのをどの程度見えるか、一回だけでなしにずっと三回見にいって、いろいろ検討してみた。ところが肝心なところで見えなくなる。見えたり見えなくなったりたいへん心細いレーダーの状況を、担当者の管制官からもそういうことを聞きました。このことについては、もう少し詰めて質問したいと思いますが、その八カ所ができた場合に、問題はそういうレーダーがほぼ日本の全域をカバーするといいますけれども、そうでないということをまず指摘しておきたい。  それと同時に、現在計画されておりますレーダーの——さっき四十七年度とおっしゃいましたね、その中のそれを引き続き四十八年度のレーダーにつきます予算的な裏づけといいますか、そういうものの具体的な計画があればまずお聞きしておきたいと思います。
  68. 内村信行

    内村説明員 先ほどお話し申し上げましたように、航空路監視レーダーのうち、北海道、東北それから大阪、南九州につきましては四十八、四十九年度の二カ年で整備を完了したいと思っておりますが、その中で四十八年度の予算要求といたしましては約二十億円を要求いたしております。  それからさらに沖縄については、四十八年度は、二カ年計画で最終年次になります。これにつきましては八億円を要求しておるような次第でございます。
  69. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 四十八年度予算要求が二十億円ということでございますが、その四十八年度にはどこのレーダーサイトをどうするというようなことを、それと関連してやはり土地も確保しなければいけませんでしょうし、そういう関係はどうなっておりますか。
  70. 内村信行

    内村説明員 四十八年度の要求の分につきましては北海道、東北、大阪、南九州の分が二十億でございまして、それに必要なものは用地買収経費等でございます。用地買収経費を含めますと、これは一カ所当たりにしますと大体十五億になります。それからレーダーの装置一式は大体八億円、そういうふうに勘定しております。
  71. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そこで管制部では、現在のところでは箱根と三郡山にありますレーダーでございますが、福岡の管制部に対する四十八年度予算はどうなっておりますか。その後の予算措置はどのようにお考えになっておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
  72. 内村信行

    内村説明員 福岡航空交通管制部におきます四十八年度以降の計画をまず申し上げたいと思います。  われわれといたしましては、昭和四十六年度を初年度といたしまして航空保安施設整備五カ年計画をつくっておることは御承知のとおりでございますが、それに基づきまして航空交通管制業務の近代化を促進しております。その一環といたしまして昭和四十八年度を初年度とする三カ年、八、九、十、この三カ年で航空路管制施設の整備をはかってまいりたいと考えております。  そこで、福岡の航空交通管制部でございますが、その整備はその一部として行なわれるものでございまして、その概要を申し上げますと、まず第一に現在の三郡山のレーダー、現在福岡の管制部に三郡山のレーダーの像が入ってきておるわけでございますが、そのほかにさらに近畿及び南九州に新しく設けられます、先ほど申し上げましたが、そういうふうなところに設けられるレーダーの情報をその管制部に持ってくるということにいたしましてレーダーの監視空域の拡大をはかりたい、そういうふうに考えております。  それから次に、現在の東京航空交通管制部、これにつきましては飛行計画処理情報システム、FDPと申しますが、これを取り入れましてフライトプランによりまして運航票をつくるわけでございますが、その運航票を自動処理しておるわけでございます。これをさらに東京管制部から足を伸ばしまして、福岡の管制部におきましてもそのシステムを使って運航票の自動印刷を行なうというふうなことを考えております。  それからさらに新しいレーダーの情報処理システム、これを設置することによりまして福岡の交通管制部のレーダーのスコープの上に先ほど申し上げましたような呼び出し符号とか名称とかあるいは高度、速度、そういう飛行情報というものが自動的にあらわれるというふうな管制の情報処理、レーダー情報処理をいたしまして、それによって管制官の労働の負担を軽減するあるいは管制効率を向上させたいというふうに考えております。  それからさらに対空通信の問題でございます。対空通信につきましては福江のほかに三カ所に設置いたします遠隔制御対空通信施設、これを活用いたしまして、質的にその向上をはかり、もっと聞きやすいようにいたしたいというふうに考えております。  こういうふうな施設を設置いたすために、また航空交通量もますますふえてまいりますので、現庁舎のままでは非常に狭隘でございますので、新庁舎を建設いたしまして、勤務環境を改善いたしたいというふうに考えております。なお新庁舎の建設用地につきましては、現庁舎の周辺調査中でございますが、これにつきましては本年度に何らかの処置をいたしたいというふうに考えております。
  73. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大事な御発言がありましたからもう少し聞きたいのですけれども、やめておきます。  いまの福岡管制部ですけれども、これは私も実際現場に行ってみますと、たいへんいまおっしゃったように狭隘です。あの近くには、相当近くに国有地もありますし、まあそういうことをお考えになっているのだろうと思うのですが、同じくまたそのすぐ近くに、いままでの航空局の、運輸省の用地で、全然使ってない用地があるのです。それは前からいろいろ私お話を聞きますと、何だかんだというようなお話があっておりますけれども、それは全然具体的な話が進まないままでは、新宮町にあります福岡通信所、これについては、こういうところを利用されるというようなお考えがあるのですか。
  74. 内村信行

    内村説明員 まだ詳細きまっておりませんが、それを含めて検討いたしたいというふうに考えております。
  75. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 こまかい問題をお聞きしましたが、私は最初に申し上げましたように航空企業、いわゆるエアライン等の現在の経営状態等なり運航状態を見てみますと、たいへん心配になることがあります。  ここに、私の手元にも「日航乗員の現状と問題点」ということで陳情書みたいなのがきておりますが、これはいままでの航空需要に対してこれを取り扱い、また進めておる職員が十月二十日には全面ストに入る、こういうことは当然御存じと思います。まず日航がこういうストに入るということになりますためには、それぞれの背景があると私は思うのです。ここに書いてあるとおり私は信用したいのですけれども、いままでの政府考え方、先ほどの斉藤委員のお話も出てきましたけれども、慎重にやらなければいけない、こう思うのです。そういうことにつきまして、ひとつ背景なり何なり、今後の政府方針なり、ほんとうは大臣にお聞きしたいのですけれども大臣のかわりに有能な政務次官がおいでになっておりますから、まず政務次官からその辺の背景なりまたこれに対する国民の不安に対する明確なる方針をひとつお聞きしておきたいと思います。
  76. 加藤六月

    加藤説明員 田中先生からいま日航乗員の現状と問題点についてお話がございました。日本航空というものは日航法に従い、またそれぞれの航空法規に従って運営されておるわけでございます。そうしてまた国内におきましても、国際線におきましても、国民の重要なる足としての任務を果たしてき、また今後もそういう面で果たしていってもらわなくてはならない立場にあるわけでございます。そういった問題につきまして、その背景と問題点、いろいろあると思いますが、さらにわが運輸省といたしましてもこれを十分検討して、どうぞ国民の足を確保することに支障ないような方法をとってもらいたいということでございまして、政府としてどこまで日本航空とこの問題を協議していくかという問題があるわけでございますが、私たちはあくまでも法律に従って運航してもらい、また国民の足を混乱におとしいれないような立場で処置していかなくてはならない、こう考えておる次第でございます。
  77. 内村信行

    内村説明員 ただいま政務次官からお話がございましたので、私からつけ加えることもないかと存じますけれども、ともかくこれは労働問題でございまして、それぞれの法律に基づく権利としてやっておるわけでございます。私どもからこれを干渉するわけにはまいりませんけれども、やはり私どもの希望いたしたいことは、労使双方胸襟を開いてフランクな立場で話をして、いやしくも労使の対立というものが国民に影響を及ぼすことのないようなことを望んでおるわけでございます。
  78. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 加藤政務次官はよく御存じのはずだから、私はそれを端的にこの場で披露してもらいたいのですよ。大臣よりも政務次官のほうが御存じだし、また心配もしている。心配しないようだったら、それは問題です。ですから、ここで言えないということ自体が私はおかしいと思うのですよ。私はことばじりをとるわけではありませんけれども、先ほどあなたは、日航法の法律に従ってということがお話の中にありました。日航法というのはいつできたのですか。日航法によって、いままで日航がどういう営業をやってきましたか。極端にいえば、日航法を、そういう考え方でストまでに検討するというようなことで、ほんとうにストを迎えたときにはどうなりますか。  そういうことと、それから日航のストが決行される前後に国民の皆さまにものすごい迷惑のかかるような不慮の事態が起こりはしないかということも私は聞いておるのです。そうしますと、先ほどから航空企業は安全第一でなければならぬということは繰り返し言われておる。すべてにおいて安全が優先しなければならない。にもかかわらず、日航の、エアラインのいままでとってきましたいろんな——具体的にあげてもいいですよ。日航法がどのようにいまの事態に合っていないか、具体的例を、時間が許せば、これだけでもずっと、何時間でもやりますが、そういうことはもう御存じのはずだと思います。もう少し何か、一つだけでも明らかな、ストが回避をされるような方向を御答弁をいただきたい。
  79. 加藤六月

    加藤説明員 私は日航法に照らしてと申し上げたわけではございませんので、そこはひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。  それから、日航法が古いか新しいか、現在の日本航空の運営体質と日航法が適応しておるかしていないかという問題とは、これはまた今回の問題とは別問題として——私佐々木運輸大臣のもとに、政務次官としてやはり大臣にもよく御意見を承りまして、航空局長に少し日航法そのものを検討してみてはどうかということは二、三カ月前に指示してございます。その指示しておることと今日当面せんとしている問題とは、ある面では共通の問題もあるし、またある面では別の問題もあると思います。  何はともあれ、私たちは安全ということが第一。その安全第一という場合には乗務員ばかりではなくして、日本航空の全職員が不愉快な気持ちやいろいろな気持ちでもって日々の業務にタッチしますと、いまおっしゃるようないろいろな問題が出てくるように思います。それは先ほど航空局長答弁申し上げました、労使間における信頼感というもの、不信感というものがどの程度、どういうことで広がっておるか。これは経営者側もあるいはまた労働者側もそこら辺は胸襟を開いてよく話し合いをして、ほんとうの意味で国民に信頼し安心して乗ってもらえる日本航空というもののイメージをつぶさないようにしていただきたいという立場でいろいろ——ただ労使問題に運輸省が直接入っていくということはどうかと思います。そういう意味で、先ほど申し上げました日航法の問題云々ということはあるわけでございますので、そこはひとつ誤解ないように。また私自身必要があればいろいろな動きや考え方もいたしたい、こう思っておるわけでございます。どうぞよろしく御協力お願い申し上げます。
  80. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それはいまこうやってお聞きすれば、政務次官のお考えもよくわかります。だけれども、日航は純粋な営利企業と違いますよ。全日空とか東亜国内航空などとは出発点から違うのです。会社の内容から違うでしょう。そうするならば、私は当然いまの日航法を検討しなければならないということは、これはもう政務次官の御発言ですから尊重いたします。職員の不安感といいますか、労使の不信感といいますか、そういうことを政府、当局がちょっと聞いてやってアドバイスすれば、そういう不慮の事態に立ち至らないようなこともあるのです。私が言うまでもなくあるはずですよ。そういうものに対する努力が政府自身なければいけないじゃないかということを私は指摘している。  こればかりしますと何かたいへんお困りのようでございますからやめておきますけれども一つだけ申し上げておきましょう。この中で言ってあることの中で、これはだれでもがそうだと思いますが、日航がずっと経営をやってきまして、いまたいへん無理な経営をしておる。これは国際線、国内線の飛行機の就航状況なり乗客数なり運賃なり——この運賃なんかひどいのですよ。あたりまえの値段でいけば相当収入が上がるのを、料金のダンピングといいますか、そういうのが行なわれておる。こういうのが行なわれますと、結局直接の影響は乗員あたりに出てきますよ。いわゆる安全というようなものは第二の問題になってきておる。そういうことを考えてみますと、日航がたいへんいままで経営上いろいろな困難を乗り越えてきた。そしてその中には経費の節減ということもうたわれております。そうしていきますと、当然整備士なり操縦士に対するいろいろな教育、それから指導の手抜きといいますか、簡略化というような合理化も進んでおる状況は、私はこれは否定できないと思うのです。そういう中で日航では、また日本の航空界では大御所ともいわれた松尾会長がこういうふうなことを言っている。私は皆さんに聞いてもらいたい。これは何か四十七年七月二十一日の日航の式典の席上で、松尾会長は「安全に関する限り合理化よりも優先すべきである」こう発言し、「キャリーオーバー」、航空機の一部が故障していても飛ばすということだそうですが、その「適用が、少し行きすぎているのではないかと危惧している。」こういう発言を、わが国の航空界の大御所ともいわれる松尾会長がやっておりますが、この言ってあることを航空局長なり政務次官はどのようにお考えになりますか。この言ってあることばの意味はどういうことかお尋ねしたい。
  81. 内村信行

    内村説明員 松尾さんの言っている意味は、何よりも安全が第一であるということに尽きると思います。
  82. 加藤六月

    加藤説明員 合理化よりか安全というのが第一であるというのは、これはもうわが省の強い方針でございまして、そこはもうはっきりいたしております。ただその場合に、安全ということと合理化ということとのからみ合いをどうやっていくかという問題はあると思いますけれども、貴重な生命財産を運搬する運輸業というものは安全が第一でなければならぬということは、もう当然のことでございます。  それから次のキャリーオーバーの件につきましては、ただいま立ち入り検査をいたしております。そういう過程におきましていろいろ出てくる問題がありましたら、わが運輸省といたしましてはそれぞれ適当なる処置あるいは指導あるいは監督を講じたい、こう思っておる次第でございます。
  83. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 航空局長、私はあなたも知っていることだと思うのです。いまの政務次官お答えのほうがよほど……。だからそうあまりことばにあれせぬで、知っておることをそのまま言ってもらえばいいと思うのです。  私はなぜこういうことを聞いたかというと、この問題については少しまた時間をさいて私は論議しなければならぬと思いますけれども、そういう時間が与えられないで残念でございますけれども、これは何を示唆しているか、何を言っているかということだけはひとつわかってもらったと思うのです。日航が現在の時点においてこういう問題をかかえておるということですね。そこで運輸省としては立ち入り検査等を行なって適当な処置をする、こうですね。ところが外部から見ますと、たいへんに航空行政が手ぬるい。具体的にはこれは当たっておるかどうか知りません。両方あると思いますけれども航空局にエアラインの社員が無給でずっと仕事をしておる。御存じでしょう。政務次官も笑っているから何か心当たりがあるかと思います。何かこの委員会でもそれが問題になったそうでございますが、そういう航空企業の職員が航空局に机を並べて一緒に仕事をしておる。そういう姿を見て世間では、そういうことで立ち入り検査というようなことが大体実をあげるんでしょうか。電話一本で航空局の行政、予算の配分、立法の方向というものは日航なりそれぞれの関係企業に筒抜けである。それではいま政務次官が言われたようなことは私は世間は納得しないと思うのです。ですから官房長、運輸省でそういう関係会社の出向社員があることについてひとつその前後の模様を説明してください。
  84. 薗村泰彦

    ○薗村説明員 お答え申し上げます。  結論から申し上げまして、先生御指摘のように従来日本航空、全日空等から航空局に出向と申しますか、調査員が出てまいっておったのは事実でございますが、実はこの秋に、月日は明らかにいまちょっとできないのですけれども、整理をいたしました。現在航空局の中に民間の会社から調査員のかっこうで来ているということは全然ございません。
  85. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それは何で整理したんですか。整理した理由を聞きたいんだけれども、きょうはそれはかんべんしておきましょう。——言いたいですか。言いたいなら言いなさい。
  86. 薗村泰彦

    ○薗村説明員 実は調査員の制度について先生お尋ねの、当面航空局のことでございますのでちょっとほかの点に触れて恐縮でございますけれども、実は調査員の制度についてはいい面と悪い面とあると私ども思っております。絶対に避けるべきは民間企業との癒着でございます。そこで先ほども例を申し上げましたとおり、航空局の中は完全に整理をいたしました。日航、全日空に限らず海運会社からも二人ばかり来ておる者がございましたので、これをはっきり整理したということを申し上げたいと思います。
  87. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 その整理した理由についてはそれだけでは私ちょっとまだ不十分ですから、これは私のところに来ていただいてひとつ納得のいくまで説明を聞きたい、こう思います。  そこで、地元の問題になって申しわけございませんが、福岡空港でございますが、きょう実はたいへんなニュースが報道されておるのです。おそらく航空局長は御存じないというようなことかと思いますけれども政務次官にもぜひひとつ大臣にかわって政治家らしい答弁をお願いしたい。いませっかく日中国交が回復しまして、これからほんとうの善隣友好が行なわれてこそ国交回復のほんとうの実があがる。こうやってそういう機運に向いておるときに、運輸省は何か日本と中国との定期航空路の設定について、ほんとうに行政面ですかどうか知りませんけれども、それを打ちこわすような報道がなされておる。結論的に詰めていきますとそうなります。ということは、完全に申し上げれば、日中定期航空路についてはほぼ確定した。東京−北京間の航空路も、それは当然なるだろう。そのほか九州−上海を結ぶ定期航空路もほぼきまった。その空港は鹿児島、上海航路であるとこれは書いてあるのですよ。運輸省は、何かそういうことを私が言いますと、そういうことは知らないとお答えになるかもしれませんけれども、知らないならば聞く必要もないのだけれども、ほんとうに知らないのですか。知らないのだったら問題ですよ。
  88. 内村信行

    内村説明員 ほんとうに知りません。
  89. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 運輸省でも航空行政の責任者、私は何もあなたを——率直でいいと思いますよ、知らないなら知らないで。しかし、そういうことは知ってもらいたいのですよ。知らなければあなたどうなりますか。それじゃ国会ではそういうことを私たちに言う必要はないのですか。
  90. 内村信行

    内村説明員 日中の問題については大臣も非常に意欲的でございまして、ぜひ早期に何らか交渉を持って日中の航空関係をきめていきたいという意向を持っておられることは事実でございます。しかし、どの路線をどうするとか、あるいはビヨンドをどうするとか、あるいは中間地点をどうとるとか、これは外交折衝の問題でございまして、現在ここにはっきりしたものを持っておりませんし、またかりにあったとしても公表すべき問題では全然ございません。そういうことで私どもといたしましては、そういった問題については一切ノータッチと申しますか、一切そういうことについては申し上げていないというのが実情であります。
  91. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 航空協定が一番先に行なわれておるというようなことは私どもも新聞で知っております。しかし政務次官、どうですか、これはあなたは御存じですか、いままでの経過、交渉なり。どこと言わなくてもいいから……。
  92. 加藤六月

    加藤説明員 これは航空交渉というものは交渉でございまして、相手のあることでございますし、さらに二国間だけではないわけでございます。新聞へ出たのはどういうように出ておるか存じませんが、まだ白紙でございます。
  93. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 じゃこれ以上この問題は……。私も地元でいろいろ立場がございますが、実際問題として鹿児島空港ということが話が出ておることは間違いないと思うのです。ところがこれを決定するについては、ひとつ慎重にやってもらいたい。ことばがちょっと足りないのですけれども、もう少し言いたいのですけれども、それはひとつ察していただきまして、福岡空港の現状ですけれども、福岡空港についていろいろな、空港ターミナルビル等の状況は航空局長御存じですか。  実はもう一つびっくりするようなニュースがきょう報道されているのです。こういうふうに当局がこの委員会の席上では知らない知らないと言いながら、現実はほんとうに地域住民にとってはショックを受けるような報道がなされておるのですよ。知らないでしょうね。ですから、まず福岡空港のターミナルビルの状況と、福岡市なり県のそれに対する考え方というものをひとつ御披露いただきたい。
  94. 内村信行

    内村説明員 現在御承知のとおり、福岡空港のターミナルビルはだんだん狭隘になってまいっております。したがいまして、そのビルを建て増しをするというふうなことがだんだん必要になってまいりますが、それをどこにどういうふうにつくるかというふうなことにつきましては、県、市と現在相談中でございまして、まだ的確にどこというふうにきまっていないというのが実情でございます。
  95. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それでは、その報道されたものをちょっと読んでみます。局長は知らないというようなことですからね。ひとつ政務次官もよく聞いておってください。これは地域住民にとってはたいへんなことです。  まず基本的に、福岡空港はことしの七月に米軍から返還されて、民間空港としての開港式に私も出席しました。それで、いままでの経過においては、土地の提供者等もいろいろな困難な状況を乗り越えて、まだ未解決の点もございますけれども、民間空港として開港することについては、大いなる期待と喜びを持っておるのです。その福岡空港が、きょうの報道によりますと、福岡空港再び基地化するか、こういう見出しですよ。自衛隊が居すわって、そして軍事基地としての性能を強くしてきたというような内容で、これではいま申し上げました日中の国交回復という原点から起こってくるいろいろな善隣交流というものも妨げられるんじゃないか、こういう内容になっておりますが、具体的にことしの一月から八月までの飛行場に飛んだ飛行機の状態、民間航空機がたいへん困っておる問題等もここに書いてあるようでございます。そういう問題をあなたはお聞きになってどうですか。地域住民、土地の所有者は、民間空港ならということで運輸省に土地を貸したのだ、それをこっそりと自衛隊に使わしたり米軍に使わしたり、日米安保協定にないような航空機まで飛んできているじゃないですか。そういう事実を知っておりますかどうですか。
  96. 内村信行

    内村説明員 確かに福岡空港につきましては自衛隊も一部おりますし、それから米軍も一部残留することは聞いておりますが、その限りにおきまして、その部分だけでございまして、そのほかにこれが今後基地化するとかいうふうなことは、私としては全然承知しておりませんし、そういうことをさせたいという気持ちは毛頭ございません。
  97. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 政務次官どうですか。私はいまの報道はうそじゃないと思うのですが、運輸省で福岡空港を運営するのか、その点をはっきり言っていただきたいと思うのです。
  98. 加藤六月

    加藤説明員 運輸省が運営いたすわけでございます。そうしてまた、先ほど航空局長答弁いたしましたように、なるべくそういうことはないようにいたしたい、こう思っております。
  99. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それではこの問題については、また航空局長とも、いろいろお話を承って真実を確認していきたいと思います。  きょうはこれで質問を終わります。
  100. 細田吉藏

    細田委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十四分散会