○
安永英雄君 そうすると、
委員長としては、ここで
有給ということになって、私が
主張する百分の八十ということが
結論として出ても、
予算としては、これは必要だということになれば、当然この
予算はつくんだというふうにお
考え——これは
小委員会の
範囲でお
考えになっておるというふうに私は思います。したがって、結局、
結論としては、
財政上の問題にかかわらず、必要であるということであればこの
制度はつくるのであって、いま
無給案を出しておるからということで
財政上の問題は別に無関心ではないんだというふうにお聞きしましたが、しかし、私は、当然
財政上の問題として出てくると思いますので、まあ
委員長は
財政で金がかかるからこれは
無給だということは言われないと思いますけれ
ども、私はこういうことは一応いまから
小委員会で基礎に置いていかなきゃならぬと思いますので、申し上げてみたいと思います。
大体、現在、国立・公立合わせて
女子の先生の総数は二十九万二千七百三十八、これくらいの数字になっておるわけです。そこで、毎年どれぐらいの出産件数があるかといいますというと、一万九千件を前後しておるわけです。一万九千ははずれない数字であります。したがって、全体の約六%ぐらいが出産をされておる。そこで、この数字のうち、実際に保育所に幸運にも自分の子供を入園させることができるという先生というのは、一八%ぐらいしかないんです、この一万九千件のうち。そのくらいの数字しかない。それから先生が自然に退職されるという人を除きますと、育児をしなければならぬのでとうとう教職を去らなければならないという先生の数字は、これは推定でありますけれ
ども約四千から六千、これぐらいが毎年子供を産まれてそのために教職を去らなければならないという先生であります。これが約六千件です。年齢的に見ますというと、二十五歳から三十五歳、いわゆる
教職員としてあぶらが乗り切った時期の先生がそういった数字の退職をなさっておる。したがって、私
どもとしては、こういう
状態を防止するためにこの
育児休暇制度というものをつくって、そうしてそういうことのないように、これが私は目的にあげてある
教育の全般的な水準を上げていくというこの目的でなければならぬと思うわけです。
そういうことになりますというと、
財政上に
考えた場合には、二十五歳から三十五歳ぐらいの中で非常に多いわけでありますから、その平均をとった場合に、二十五歳は七号ということで五万四百円、それから三十五歳で十七号ですから七万六千八百円、これの平均をとりますというと六万二千九百円、これがこの
休暇をとる場合の平均賃金、
平均給与というふうに見ていいと思う。こういう反面、今度、臨時に
——あなたの案では臨時になっていますが、臨時に採用をすると、こういった場合に、たくさんな例がありますけれ
ども、
一つの例としては、いま分娩の代用の先生が見えておりますけれ
ども、そこら
あたりを基準にとって、大学卒の初任給という
あたりをとりますというと四万三千八百円、したがって、そういった給与の方をお休みになる
あとを雇う。ここでいまみたいな金額で雇ってくるというと、結局、文部省がいま確保しておる、また、今度の
予算でいよいよ
決定するわけでありますが、いわゆる一年間の教員の人件費、こういったものを計上しておるわけでありますけれ
ども、実際は、文部省の持ち出し、
大蔵省の持ち出しというのは、そう要らないわけです。結果として申しますというと、たとえば八〇%
有給ということでそういった先生を
あと雇ってくるということになりましても、十一億程度の金額で八〇%の給与が支払われる。七〇%の場合では八億、六〇%の場合では六億、五〇%半分支給したとして、国の持ち出しは寸人件費に限って申しますというと、三億程度です。三〇%を
有給にする、こうなりますというと、逆に一億何がしこの人件費は余るという形になってくるわけです。いわゆる
有給でやりましてもそう金はかからないし、たとえば
一つの三〇%という
有給制度をとりましても、これは金の持ち出しは新規にこういった事業を始めるといいましても要らないと、こういった
関係を承知していただきたいと思う。
財政財政という問題は、これは小
委員長は言わないということでありますけれ
ども、この
財政上の問題はいままでずいぶん言われてきたから私はことさらに申し上げておるわけでありますが、この
委員会としても
財政上の問題でこの
育児休暇の
有給制というものはだめなんだという形は絶対に今後言ってはならないことだというふうに私は
考えます。
結論として、小
委員長、先ほど、私
自身は
財政の問題という問題から
無給の問題を
考えているのじゃない、むしろ、この問題は
制度として必要だといった場合には、
財政上の問題は配慮する必要はないというくらいに言われたから、私はあえてこれ以上は申しませんけれ
ども、この点については
財政上の問題ではずいぶんいじめられましたけれ
ども、この点は絶対に今後言ってはならないというふうに
考えます。