○川村清一君 ちょっと関連。
前川委員の
質問に関連して
お尋ねいたします。私もこの
共済制度の中に
果樹が取り組まれたことを歓迎いたしますし、今日までの御労苦を高く
評価するわけでございますが、ただいま
前川委員から新しい種目の
共済制度をどう考えておるかと、どう検討されておるかというような御
質問がありまして、その
内容として施設園芸それから地域の特産物、肉豚、鶏というようなことが話されたわけでありますが、私がここで特に
お尋ねし、御要望申し上げたいのは、私、これは北海道出身でございますので、北海道の土地柄からいいますと、畑作
共済なのでございます。この畑作
共済ということにつきましては、北海道の農民というものは、これは長い間強く政府に対して要請をしてまいりましたし、道民の声を代表する私といたしましても、国会の中でこれを取り上げまして、数回にわたって政府当局と
議論をしてまいりました。か
つては、大和田さんが経済
局長されておりますときにも、大
議論をしたことがあるわけでございますが、言うまでもなく畑作
共済につきましては、政府におきましてすでに三十年来から
試験あるいは調査をされてまいっておるわけであります。しかし、いまだにこれが実施されない。言うまでもなく、御承知のように北海道の耕地
面積約九十万ヘクタール、このうちの水田
面積というものが二十一五、六万ヘクタールでございますから、もう六割以上、これが畑作なのであります。ここで豆であるとかあるいはビートあるいはバレイショ、こういったようなものを耕作しておりますが、これが
共済制度の上に乗っておらない。したがって、昨年のようなああいう大冷害を受けますというと、これはまあ米につきましては、幸い
共済制度に乗ってその災害を補てんさせるわけでございますけれども、畑作については、何らのその補てん策がない。したがって、ちょっとオーバーな言い方で恐縮でございますけれども、米づくり
農家はまあ、たとえ米が一粒も取れなかったと、凶作で取れなかったといたしましても、
共済金は入ってくるわけでございます。その
共済金の額というものが、畑作において平年作で、かりにバレイショが平年作で——こういうことはないですが、かりにあったとしても、バレイショが平年作で
収穫されて、それを売って入ってきたその収入と、それから米が一粒も取れなくて
共済金を受けた収入とがとんとんであります。こんなばかげた不合理な話は、私はないと思うのであります。したがって、北海道のこの畑作というものを
振興するためには、どうしても畑作
共済というものと取り組んでもらいたい。しかし、なかなかこれがむずかしいらしい。むずかしいわけをいえば何かというと、まず畑作の主産地は北海道である。日本列島の中で非常に片寄っているというようなことから、そこに危険が出た場合に、これを分散することはできない。そうしてまた、作付
面積というものもなかなか安定していない。変動が非常に多いわけであります。で、こういったようなことで
保険設計ができない、
保険設計を組むことができないというのが、政府の言う最大の理由のようでございます。しかし、その理由がわからないことはないのでありますが、その
考え方でいくならば、いつまでたったって北海道の畑作
共済というそういう
制度ができないわけであります。
保険設計ができないわけでありますから、でありますので、私の申し上げますのは、いわゆる
共済制度というものを
一つの保険と考える。保険といういままでの考え、いわゆる既存の保険という
考え方をもって北海道の畑作
共済を
制度化するとするならば、なかなかこれはむずかしいと考えるのです。したがって、発想を根本的に変えて、従来の
考え方ではなくて、発想を根本的に変えて、そうしてこの北海道の畑作農民の経営安定ということを考えてみるならば、何らかの形の
保険設計というのですか、何と言いますか、その
制度、
共済制度というものを考えなくては私はできないのではないか、こういうふうに考えるわけなんです。
そこで、ずいぶん長い間
試験をやってきたし、実験をしてきた、調査もしているわけでありますから、いまさら
局長が、いろいろ検討いたしまして、そうして、なんというもう
段階は過ぎているわけなんです。すでに検討しているわけですよ。もう検討の結果が出ているはずなんです。私が言うように、いままでの
考え方でいったならば、これはできないのだから、根本的に発想を変えて、そして北海道の畑作
共済というものをひとつ
制度化するという、そういう
考え方はないのかどうか、これをお聞きしたいんです。まだ五年も六年も前と同じような
考え方、
段階なのかどうか、私が大和田さんと
議論してから四、五年たつわけですが、それでも一向できてこないわけですが、そういうことを考えたものだから、いま
前川委員が新しい種目の
共済ということを
質問されましたので、これに関連して私は北海道の畑作という立場からひとつ政府のお考えを
お尋ねしたいと思うわけでございます。