運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1972-06-16 第68回国会 参議院 内閣委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年六月十六日(金曜日)    午後一時三十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         柳田桃太郎君     理 事                 町村 金五君                 安田 隆明君                 鈴木  力君                 水口 宏三君     委 員                 黒住 忠行君                 源田  実君                 世耕 政隆君                 田口長治郎君                 土屋 義彦君                 長屋  茂君                 細川 護煕君                 山本茂一郎君                 足鹿  覺君                 上田  哲君                 峯山 昭範君                 中村 利次君                 岩間 正男君    衆議院議員        内閣委員長代理  加藤 陽三君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君        運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君        郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君        労 働 大 臣  塚原 俊郎君        建 設 大 臣  西村 英一君        国 務 大 臣  江崎 真澄君        国 務 大 臣  中村 寅太君    政府委員        行政管理政務次        官        岩動 道行君        行政管理庁長官        官房審議官    大田 宗利君        行政管理庁行政        管理局長     平井 廸郎君        行政管理庁行政        監察局長     小林  寧君        防衛政務次官   野呂 恭一君        防衛庁参事官   高瀬 忠雄君        防衛庁参事官   鶴崎  敏君        防衛庁参事官   岡太  直君        防衛庁長官官房        長        宍戸 基男君        防衛庁防衛局長  久保 卓也君        防衛庁人事教育        局長       江藤 淳雄君        防衛庁衛生局長  鈴木 一男君        防衛庁経理局長  田代 一正君        防衛庁装備局長  黒部  穰君        防衛施設庁総務        部長       長坂  強君        防衛施設庁施設        部長       薄田  浩君        法務省矯正局長  羽山 忠弘君        文部省大学学術        局長       木田  宏君        農林政務次官   佐藤  隆君        運輸大臣官房長  高林 康一君        運輸省航空局長  内村 信行君        郵政大臣官房長  森田 行正君        郵政省電波監理        局長       藤木  栄君        労働政務次官   中山 太郎君        労働大臣官房長  藤繩 正勝君        建設政務次官   藤尾 正行君        建設省道路局長  高橋国一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君    説明員        建設省道路局国        道第一課長    菊池 三男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○許可認可等整理に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案(第六十七回国会内閣提出、第六十八回国  会衆議院送付) ○国家公務員たる看護婦等給与改善に関する請  願(第二三六九号)(第二三七三号)(第二三  七七号)(第二三八八号)(第二三九〇号)  (第二三九一号)(第二四九五号)(第二四九  六号)(第二四九七号)(第二四九八号)(第  二五四〇号)(第二五四一号)(第二五四二  号)(第二五四三号)(第二五五四号)(第二  五五五号)(第二六〇二号)(第二六〇三号)  (第二六〇四号)(第二六〇五号)(第二六〇  六号)(第二六一四号)(第二六一五号)(第  二六一六号)(第二六五〇号)(第二六五一  号)(第二六五二号)(第二六五三号)(第二  六九一号)(第二六九六号)(第二七〇四号)  (第二七一七号)(第二七八一号)(第二七八  二号)(第二七八八号)(第二八〇六号)(第  二八二四号)(第二八九七号)(第二九二七  号)(第二九八一号)(第二九八二号)(第二  九八三号) ○靖国神社国家管理立法化反対に関する請願  (第二三七八号)(第二五四九号)(第二七三  六号)(第二九四二号)(第二九四三号)(第  二九四四号)(第二九四五号)(第二九四六  号)(第二九四七号)(第二九四八号)(第二  九四九号)(第二九五〇号)(第二九五一号) ○航空自衛隊美保基地拡張整備計画反対に関す  る請願(第二六一七号) ○恩給共済年金最低額引上げ等に関する請  願(第二七二四号) ○両眼失明重度戦傷病者に対する恩給等改善に関  する請願(第二八一八号)(第二八一九号)  (第二八二〇号)(第二八二一号)(第二八二  二号)(第二八二三号)(第二八六五号)(第  二八六六号)(第二八六七号)(第二八六八  号)(第二八六九号)(第二八七〇号)(第二  八七一号)(第二八七二号)(第二八九九号)  (第二九〇〇号)(第二九〇一号)(第二九〇  二号)(第二九〇三号)(第二九五二号) ○継続審査要求に関する件     —————————————
  2. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  許可認可等整理に関する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は順次発言を願います。
  3. 水口宏三

    水口宏三君 許可認可整理につきましては、これはもう長い間問題になっておることでございますが、これは、言うならば、いわば行政改革の一環としての、特に行政運営上非常に重要な問題であるということから、許認可問題が毎年のように問題になるわけでございますが、大体この法案成立経過ですね、これについて少し伺いたいんでございますけれども昭和三十八年の八月二十日の閣議決定行革本部設置がきめられておりますけれども、これを見ますと、「行政改革本部は、行政制度及び行政運営改善に関する基本的事項について審議し、その実施推進を図る」、実施推進をはかるということまではっきり閣議決定できめられている。これは事実、実施推進をはかるということを閣議決定できめたことの効果はどの程度であるかどうか、これも伺いたいのでございますけれども、その次に、この行革本部構成として、本部長行政管理庁長官、部員として官房長官内閣法制次長総理府長官、それから行政管理事務次官大蔵事務次官自治事務次官、いわばこういう関係の各官庁事務次官によって構成されておるわけでございますが、この行革本部が一応中心になって第一次及び第二次の行政改革案を作成したことは私から申し上げるまでもないわけでございますけれども、実は伺いたいのは、この中で一体こういう行政改革の問題を本来ならば中心的に取り上げるべき行政監理委員会——確かに行革本部本部長行政管理庁長官になっておりますけれども、そのわきに行革本部というものがあってそれが非常に強力だ、そこで行政改革をやっていくんだというこのシステム、そのシステム自身、先ほど申し上げましたように、推進の力まで持たしている。そういう状況の中で、この法案を作成するにあたって、あるいはその背景となる行政改革全体について、行政管理庁というものがどのように一体かかわり合ってきたのか、その経過についてまず伺いたいと思います。
  4. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 過去の経緯等関係を私のほうから御説明いたします。  行政改革本部が、まず第一点、実施推進をはかるということはどういうことかということでありますが、先ほど先生指摘がございましたように、たとえば第一次、第二次の行政改革計画につきまして、まず昭和四十三年に閣議決定を行ないましたものを受けまして、それを具体化するために行政改革本部として、各省庁と相談し、かつこれを推進するというたてまえにおきまして、その基本方針なり実施要領を策定いたしまして、これを各省庁にお願いをする、その結果出てまいりました具体的計画につきまして、それぞれの所管官庁を定めまして推進をはかった、こういう形をとっております。  それから第二点の、行政管理庁長官行政改革における立場の問題でございますが、先ほど先生指摘がございましたように、行政管理庁長官は一面におきまして行政監理委員会委員長たる立場を持っております。そういう意味におきまして、行政監理委員会の御意見として出てまいりましたものをいわば内閣の政策に反映すべくいろいろと中心的な立場に立っているわけでございます。一方におきまして、閣議なりあるいは行政改革閣僚協議会という組織がございますが、そこにおいてきめられましたものを行政改革本部として推進していく場合の中心的存在として機能する、こういう形をとっているわけでございます。
  5. 水口宏三

    水口宏三君 まあ構成から言っても、確かに行政管理庁中心的役割りを果たしておることはわかるのでありますけれども、本来は行政管理庁は、申し上げるまでもなく設置法に基づく機関である。行政改革本部というのはいわば閣議決定に基づいてつくられた機関である。だから便宜的に行政改革本部がある程度いろんな仕事をすること、これはわれわれ別に文句は言いませんけれども、いいことであれば。ただし、この行政改革というのは、基本的な重要な課題について、行政管理庁そのものがむしろいわば直接的に責任を持って立案をし、あるいは計画をし、推進していく体制のほうがより好ましいし、また行政管理庁あり方としてそのほうがいいんじゃないか。必要があればそのつど、なおその各省庁だけではなしに、民間人たち意見を聞くのもいいだろうし、あるいは学者の意見を聞くこともいいだろうし、現実行政監理委員会等もあるわけです。そういう意味で、そういう中で行革本部というものを——何かむしろ閣議決定による行革本部というものを上にかぶして、そこがむしろ中心になって、中心というか責任を持って進めていくのだ、行政管理庁はその中で中心的役割りを果たしていくのだという立場は、逆なような気がするのですけれども、その点、特に行政管理庁長官は、行政管理庁長官であると同時に、この閣議決定によりますと行革本部本部長でもあるわけなんで、行政管理庁長官として、その点についてどうお考えになっていらっしゃるか、長官にお伺いいたしたい。
  6. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 行政管理庁でいろいろ行政監理委員等の御意見基礎行政改革の案を立てました場合、これを実行しますのはやはり各省庁担当大臣のところでやってもらうということになっております関係で、やはり案を実行に移していく場合に、行革本部を通しまして、その本部を通していろいろ推進していくということも、事務的にもあるいは方法としてもやはりそういうことが私はいいのではないかと、かように考えております。いま水口委員の仰せられましたように、行政管理庁が直接改革実施に当たるということになりますと、いまの制度では私はやはりいろいろ問題があると思います。いまその点は考え方としては私は水口委員考え方一つの見識だと承ったわけでございますが、いろいろ監理委員会等議論をしました中にも、やはりそういう意見があったことを私どもは承知しております。しかしいまの時点では、いまの機構によって推進していくということがいいのではないか、かように考えてやっておるわけであります。
  7. 水口宏三

    水口宏三君 いまの法的制度そのものを見ますと、いま長官がおっしゃったように、行政管理庁設置法を見ましても、たとえば行政機関機構定員及び運営に関する調査企画立案及び勧告を行なうことと、これは決して自分でつくった案を実際に推進していくというのは設置法上は権限内に入っていないわけでありまして、そういう意味で、おそらく閣議決定によって行革本部というものをつくってこの推進という役割り行革本部に持たせたのだろうと思うのでございますけれども、将来はそういう何か逆の形でなしに、むしろ行政管理庁自身責任を持ってそういうものを推進をしていく、しかもこの大もとになっているのは、私から申し上げるまでもなく臨時行政調査会などをつくってほんとう行政改革を行なおうという当時の政府の意気込みもあったし、またそのつど佐藤内閣を通じて行政改革の問題は常に問題になっているわけです。その場合、制度行政管理庁がそういう推進権限を持っていないということが、どうも私としては納得できない。と申しますのは、同じ総理府の中にあります経済企画庁科学技術庁、最近できました沖繩開発庁等を見ても、これはそれぞれ設置法上一応推進権限をみな認められておるわけでございますね。たとえば経済企画庁の場合にしても、長期経済計画の策定及び推進、これが一応経済企画庁権限の中に入っておりますし、科学技術庁にいたしましても、やはりその権限任務なりに「科学技術庁は、」云々として「科学技術に関する行政を総合的に進推することをその主たる任務とする。」、これもおそらく各省庁にまたがっての科学技術関係のものについて、科学技術庁がある程度立案をし、推進をしている。特に私たち多少反対——多少というより、反対だったんでございますけれども、今度できました沖繩開発庁なんかになると、もっと強力なそういう実施に関する推進権限を持っている。本来、一番国民がこれまで問題にしてきておった行政改革、それのいわば当面の責任官庁とみなされるべき行政管理庁のみが、実施推進について、いわばその発言権がないといいますか、権限が与えられていないということはどうも納得できないのでございますけれども、そういうことで一体行政管理庁がなぜ推進権限を持っていないのか。おそらく設置法をつくるときにもそれはいろいろ議論があったと思うのですが、また事実そういう権限を持っていない、行政管理庁のお仕事というのは。先ほど長官は、実際行政改革をやるのは各省庁なんだ、したがって、各省庁やる気にならなければできないということもあるでしょう。やる気にならないからできないのではなしに、それをやはりまとめて推進をしていく、やらしていくというものがなければ、それは従来、各行政官庁というものがなわ張りの問題とか、あるいは既得権を離したがらないというのは、もうみんなが認めておることなんであって、せっかく行政管理庁がつくられたけれども、これはいわば各省庁が一応自分のところできめたものを行政管理庁に持ってくる。そうしたら事務的に行政管理庁はまとめるということだけなんであって、行政管理庁意思に従って本来あるべき方向にこれを推進していくという力がないということは事務的にも大きな支障を来たす。そういう意味におきまして、なぜ行政管理庁だけが科学技術庁経済企画庁、あるいは沖繩開発庁と比べて推進権限を持たなかったのかという、その設置法上の理由と、それから実際にそういう設置法のもとでいま事務を進めていらっしゃる——これはあるいは長官でないほうがいいかもわかりませんけれども局長なり何なりが非常に無力を感ずるのじゃないだろうか、事務推進する、進めていく上で支障を来たすのではないか、そういった気がいたしますので、まず前の設置法上の問題については、なぜ長官から伺いたいと思いますし、あと事務を進めていく上での問題点については政府委員の方から伺うというふうにいたしたいと思います。
  8. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 最初に局長から事務的な答えをさせて、あとで私からお答えいたします。
  9. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 第一の問題にも関連いたしますが、行政管理庁設置法自体昭和二十三年の法律でございまして、まあ現在の段階であらためてこういう法律をつくります場合に、あるいは先生の御指摘のございましたような形で行政改革推進というようなことを入れるかどうかという議論がございますれば、あるいはいまの法律とは若干変わった形になるかもしれませんが、ただ実体的に行政管理庁設置法の内容を見ますと、第二条の第一項第一号におきまして「行政制度一般に関する基本的事項企画すること。」という権限も与えられておりますし、さらに第二号で「行政機関機構定員及び運営総合調整を行うこと。」というようなことも規定されております。さらに第三号におきましては、「行政機関機構定員及び運営に関する調査企画立案及び勧告を行なうこと。」という規定も置かれております。さらに第四条にまいりますと、こういった行政管理庁所掌事務の遂行に関し、必要に応じて各行政機関の長に対し必要な資料提出及び説明を求めることができるというのが第二項にございます。さらに第三項におきましては、「所掌事務に関し、随時、内閣総理大臣又は関係行政機関の長に対し、意見を述べることができる。」という書き方をいたしております。こういうことで、実体的に申しますならば、行政改革に関して企画をし、これに関して内閣レベルなり、あるいは行政レベルにおいて推進するための法文的な基礎は、一応実体的には大体備わっているものではないかというふうに考えております。ただし先ほども申し上げましたように、現在の段階でこういう法律をつくるとすれば、あるいは先生の御指摘のような考え方法文もできたかもしれないということは私ども感じております。  それから事務的なレベルの問題といたしまして、まあ実際上困っているのではないかという御指摘もございましたが、現実の問題といたしましては、確かに権限は大きければ大きいほど強力であることは私どもも認めますが、現実の問題といたしまして、現在の内閣法のもとにおきまして、各所管大臣内閣の一員であるというたてまえを前提といたしますと、行政管理庁考え方自体が、イコール直ちに国の考え方になるというたてまえは若干問題があるわけでございまして、やはり現在の形のような法文なりあるいは制度運営というのはやむを得ないところではないかというふうに考えておる次第でございます。
  10. 水口宏三

    水口宏三君 いま管理局長の御答弁はそれなりに一つ説明にはなっていますが、私が申し上げた点についても御同意なわけですね。と申しますのは、行政改革というのは、これはもうほんとうに年じゅう問題にされ、どの内閣行政改革をやりますと言っていながら手がつかない。なぜ手がつかないのか。これは要するに各官庁がそれぞれ大臣を持っている。そうして自分たち権限なり、あるいはなわ張りなり、そういうものを侵させない。これは各官庁独自性という意味では確かにそういう面もありましょうけれども、そういうことで、だんだん既成事実がふくれ上がっていって問題になってきているわけですね。行政改革の観点というのは、やはり私は国民政府の問題である。だから国民政府の問題として政府自身が進んで行政改革というものを行なっていくのが本来の姿ですけれども、なかなかできないということで、かつて臨時行政調査会のような、ああいう大がかりな民間人々を集めた委員会もつくり、またそれに似た形で現在も行政監理委員会がある。これはみな行政改革というのはやりにくいから、私はそういうものをつくらざるを得ない面があるのだろうと思うのです。いまの御説明の、設置法上の権限とおっしゃいますけれども、確かに設置法の第二条には、一、二、三というように、企画なり調整なりあるいは勧告事項が出ている。また長官権限としては資料提出、あるいは説明を求める、あるいは内閣総理大臣にあるいは関係行政機関意見を述べることができるとございます。それは私は、むしろ行政改革というのは非常にやりにくい、困難である。またこれまでの経験を見ても事実上ほとんど実績がなかなかあがりにくいものだ、こういうものを担当する官庁が、さっき申し上げた他のいわゆる総合調整機関である官庁に比べてより権限が少ないということは何としても納得できません。それじゃ行政管理局長が、いまそういう設置法をつくるとすれば、私が申し上げたような意見というものがだいぶおそらく問題になるだろうという、そういう御答弁がありました。そういう意味では、むしろこの許認可の問題もさることながら、行政管理庁そのものあり方ですね、これをむしろ私は設置法の問題として、ここでもって考え直していただきたい。そのあり方としては、これはよくいわれますように、なかなか役人同士役人のことを言うというのは言いにくいものだ、それならば私は、やはり現在の行政監理委員会そのものが、そのままでいいかどうかは別にして、これはこれこそ民間人々なり何なりを中心にした、むしろそういう行政監理委員会をつくって、そこに権限を持たして、そうしてそこが、むしろ現在の行政監理委員会といえば諮問機関ですね、諮問機関でなしに、そこがむしろ審議をしてつくった計画というものを、これを実施推進をする権限行政管理庁が持つ、そういう形になっていけば、せっかくつくった、たとえばかつての臨時行政調査会のこの答申どももっともっと実現されたのじゃないか、ことに答申の中でも許認可事項については、かなり重点を置いて答申をいたしておりますが、これはあとで伺いますけれども、ほとんどこれは実効があがっていない。これなんかを考えましても、私は現在の行政管理庁あり方そのものをこの際むしろ考えていただき、行政管理局長自身がそれを御賛成だとおっしゃっておるなら、むしろ長官自身の御意見も伺った上で、できるならば早急に私どもはそういう対策をとっていただきたい。これは単に私は役人同士でつくった上に権限をうんと強化するったって、これはお互いにけんかになりますから、私はやっぱりそういう委員会なるものを、国民意思に基づく委員会のようなものにそういう権限を持たせる。そうして行政管理庁はそこでつくった計画を各官庁実施するような推進する権限を持つ、このことが私はやっぱり非常に大事なんじゃないか。それで大臣にはまたあとで伺いますが、今度の許認可の問題なんというのは、私はそういう意味じゃ各省のいわばつくったものをただ行政管理庁がまとめて、一応法律として出しているだけであって、行政管理庁というのは主体性がないんじゃないかと、そういうふうにすら考えられますので、いま申し上げたような点について、一体今後そういうことをおやりになる気持ちがおありになるのかどうか、長官に伺いたいと思います。
  11. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) いま水口委員から御指摘がありました一つ考え方というのは、これは前の行政管理委員会の方々の中にも非常に強かった意見でございます。これは御承知のように、私もいま行政改革をやるために、行政管理庁ができて今日までいろいろやっておりますが、実績がなかなかあがらないということは率真に私は認めるべきだと思います。やはり今後それではどういうふうにするかということが御指摘の点でありますが、これはなかなか、水口委員のことばの中にもありましたように、行政改革というものが非常にむずかしいと、これはまあ皆さんの理解していただく点であると思います。しかし、そのむずかしさをどうして乗り越して行政改革の実をあげるかということが、これが行政管理庁に私は期待されている点であると、これは御指摘のとおりであります。前の委員会でもそれが非常に強い意見で、最後の白書等にもそういうことがうたわれておりますし、あるいは第一次のあの臨調のときの勧告が一向実行に移らぬじゃないかという批判も非常に強く出てきたのでありますが、今回新しくできました監理委員の人たちの中にも、やはりまあいま水口委員が御指摘になるような考え方を持っている人が、かなり私は強く持っていらっしゃると思うのです。で、私もやはりこの点は今後の行政改革一つの大きな問題点であると、かように考えておるものでございますが、今回の監理委員会人たち意見というものもそういう問題を何らか解明する方法で意見がまとまることを私は期待して、監理委員会の今後の活躍に希望をつないでおるようなわけでございます。私もいまのその点については何らか方法を考えなければならないと考えておるものでございます。
  12. 水口宏三

    水口宏三君 それじゃ私が申し上げました、まあ行政改革というものはやりにくいということは私も非常によくわかりますし、またやりにくいからこそどうしてもこれはまたやらなければならない問題でもある。これは内閣がかわろうが、政府国民との関係というものは、これはずっと残っていくわけですね。それですから、やはり歴代内閣がこれに手をつけてはいつも失敗しているという、そういう一つ経過もあるわけでございますから、これはいま行管長官が、まあ具体的にはそれを別に何ら否定なさいませんでしたから、まあ私の考え方が他にもあると、また私の考え方を頭から否定もなさっていないということは、そういうものについて今後考慮をし、むしろ行政管理庁そのものあり方行政改革そのものの取り組み方ですね。そのためにはいまの行政管理庁あり方、あるいはそれの諮問機関である単なる行政監理委員会だけでは困難である、したがって、われわれは今後これらが改善されるということを期待してよろしゅうございますね。
  13. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 大臣からお答えいただくことであろうかと思いますが……。
  14. 水口宏三

    水口宏三君 いや、いまの一言、大臣から伺えばいいんです。詳しくは要りません。
  15. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) いまの点は、私が申し上げた気持ちの中にも受け取っていただいたと思いますが、今後の大きな課題として、今度の監理委員会人たちにも当然検討していただく課題として考えております。また、監理委員の人たちの意向をいろいろ聞いてみますと、大体非常に根本的に行政改革推進方法等についても検討したいという意向を持っているようでありますから、委員の期待に沿うような方向で歯車は回るものと私は考えております。
  16. 水口宏三

    水口宏三君 それではこの点は私、ぜひひとつ積極的に取り組んでいただくことを期待して質問を終わりまして、次に、本法案と直接の関係のある行政運営改善の問題ですね。まあ行政改革となると、これは非常に広範になりますけれども、今度の許認可事項というのはおそらく行政運営の中のやはり重要な一つの課題だろうと思うのです。この行政運営改善につきましては、行政管理庁行政監察を行なっている。で、この監察結果に基づいて各官庁にいわば勧告を行なっているわけなんですね。ところが、残念なことには、せっかく綿密な監察を行ない、あるいは国民の要望も聞いて行政運営についてのさまざまな問題点を各省庁勧告をする。ところが、実際に各省庁がそれを直すかどうかということを、これはまあ報告はとれるにしても、直させるべきやっぱり少し推進力が欠けているということがありますので、これは行政改革全般の問題だけでなしに、特に行政管理庁として重要な仕事であるこの行政監察の結果に基づいて行政運営改善していくためにも、やはり行政管理庁というものがその勧告の実現の推進の力、権限というものを持つということが非常に大事だと思うのでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  17. 小林寧

    政府委員(小林寧君) いま先生が御指摘になりましたとおりでございまして、行政監察では勧告をいたします。と同時に、一般としては三カ月後に回答をいただきまして、さらにその後に六カ月に改善状況を追跡調査をすることになっておりますが、なかなか現在のように社会経済の変動の激しい情勢下でありまして、そうしたような点については今後十分推進勧告というものを飽きることなくやっていきまして、改善に努力したいと、こう考えております。
  18. 水口宏三

    水口宏三君 そこで、特に今回出されました本法案にあるこの許認可整理に関する問題でございますけれども、これはどうも先ほど申し上げました昭和三十八年の閣議決定に基づく行革本部設置ですね。それからその後、何年でございますか、四十三年十月のこれは第一次改革計画ですね。それからさらに四十四年の第二次計画、二回にわたって一応行革本部がいわば行政管理庁にかわって行政改革、特にまあこの中にははっきり許認可及び報告等の整理という事項を含めて一応計画をつくっている。ところが、このあれを見ますと、これは各省庁にそういう方針を指示して、各省庁がむしろ自発的に許認可整理に取り組んで、現在の行政運営上こういうものが整理できますとか、こういうものは縮小できますという、そういうものをつくったものをいわば行政管理庁に、まあ行革本部ですか、報告をして、そこでつくり上げられたものがどうもこの許可認可等整理に関する法律案じゃないかとわれわれ邪推するのでございますけれども、あるいはまあ邪推でなくて、行政管理庁そのもの行政監察に基づいて積極的に各省庁に働きかけて、通産省なり農林省なりがこれを持ちたいというけれども、ぜひこの際直すべきだというような積極的な関与をなさっていたのか、それとも、やっぱりそういうものについては各省庁の一応自主性にまかせて、各省庁の報告に基づいてこれを整理してこの法案をおつくりになったのか、その経過についてお伺いしたいと思います。
  19. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 実は行革三カ年計画というものは、各省が自分のところを総点検して、そして当然手当てを必要とする簡素化とか、あるいは廃止、そういうような許認可なり報告というものを出してくるのが本来の趣旨でございまして、ただこれは臨時行政調査会においても、三百七十九の個別事項以外については、やはり一定期間ごとにたなざらい的措置と書いてありますが、要するに五年ぐらいに全面的の再検討と整理というのをやれということの精神の延長であると私どもは考えております。で行政監察の立場といたしましては、もちろんこれも大いに推進していく、そして整理すべきようなものをさらに検討し、推進していく、これは必要でございますが、さらに、行政監察の中に行政運営改善とか、個々の許認可整理というものを毎年テーマに取り上げておりまして、ほとんど恒例的に、本年度もそういうような観点からやる予定でございますが、各省が出さないようなもので、行政上当然手当てを要するような許認可あるいは報告等についても、今後推進していく、こういう両面の措置をとっております。
  20. 水口宏三

    水口宏三君 いま行政監察局長のお話は、これはむしろ私が申し上げようと思ったより先にお話になった点もあると思いますけれども、それは確かに今回の許認可というのは、先ほども申し上げた第一次、第二次の閣議決定に基づくいわば各省庁の自主的な立場で、その趣旨にのっとってやるという原則に基づいてつくられたものである。ただし、そのときにあなたがおっしゃったように、臨時行政調査会の、これはたまたま私当時専門委員をやっておったものでございますけれども臨時行政調査会の性格というのはかなり画期的なものであったと思うんです。全く官庁の利害関係から離れて、そして各界のいろいろな人が集まって長期にわたって討議をした。そうしてそういう観点から行政改革に対する全面的な一応意見書を出しております。その中の特に許認可の問題が非常に問題になって、許認可事項については、いまあなたのおっしゃった三百七十九件があげられている。これは今度の第一次、第二次の許認可事項整理についても、当初計画から見ると積み残しがあるらしいんで、これはあとで伺いますけれども、特にこれまでの私の申し上げた考え方の方向を延長していくならば、この臨調で出した三百七十九件こそ、私はまず完全にこれは処理さるべき問題ではないのか。そこで処理できないところに、むしろ行政改革の不徹底さがあるし、またそれを推進していく力がないところに、私は行政改革そのものの取り組みに対する法的なと申しますか、機構上の欠陥があるんじゃないか。ことに臨調答申から見ると、八年たっているわけです。八年たった現在、先ほどあなたは五年ごとに総ざらいしろというけれども、八年前に総ざらいしたものが三百七十九件あって、これは何としても整理すべきだというものが、昨年の当委員会での御答弁を伺うと、百四十四件がまだ未処理だということでございますけれども、現在どのくらいが未処理になって残っておるのか。
  21. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 四十七年二月一日現在未処置となっているものが百四十三でございます。もちろん御指摘のとおり、これについても今後大いにやらなければいかぬ、これは当然のことだろうと思います。
  22. 水口宏三

    水口宏三君 先ほどから私が申し上げておりますのは、その点なんでございます。臨時行政調査会という観点で、あれだけ時間と金をかけて多くの人の知恵をしぼって、そしてつくり上げたものがことしでちょうど九年目になるのですか。三百七十九件。昨年は百四十四件未処理だった。ことしは百四十二件未処理でございますか——一年かかって二件しか処理されてないわけですね。ここにこそむしろ私は問題点があるんじゃないか。これを先ほどから実は指摘してまいったのであって、その意味においても、どうもそれは一回答申が行なわれて、これが官庁の手にゆだねられると、行政管理庁自身官庁であるからそう強いことは言えない。あるいはいろいろ各省庁に話を聞いてみると、それぞれの言い分があるというようなことから、何としてもそれは思い切ってやれないところに問題があろうかと思いますので、私はやはりそういうものを思い切ってやるところを何とかしてつくるということがどうしても必要なんじゃないか、そういう点から言っても、先ほど長官の御答弁にありましたように、そういう趣旨に沿って、早急にひとつそういう体制をつくっていただくということを重ねてお願いいたしたいと思うんでございます。  それでもう一つ重ねて伺いますが、一体臨調でつくった三百七十九件、一年かかって二件しか処理できなかったと言われるのですけれども、何でそんなにこれはむずかしいのでございますか。またそういうことを、長官の御意見から言っても、また監察局長意見から言っても、私はどうもこういうものにもっと積極的に取り組んで、去年百四十四だったらせめてその半分ぐらいは処理するということがあってしかるべきだと思うのでございますけれども、なぜ二件しか処理できなかったのか、その辺の経緯を伺いたいと思います。
  23. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 現在残っております百四十三の中で、特に問題が当時の情勢と変わってきたようなもので、規制を緩和しろ、あるいは廃止せよというのに対して相手方省庁あるいは私のほうでもそれができないようなものがございます。たとえていいますと、食品衛生法関係許認可とか熱管理法、これは煙の問題でございますが、関係許認可、へい獣処理場の施設の許可、これを緩和しろ、いま悪臭の問題が非常に問題になっております。そうしたような公害とか、あるいはさらに安全性の問題もございます。火薬の取締法の問題とか、そうしたような一連の当時の、情勢と違って、公害なりあるいは安全というものが非常に問題になってきておる、そういうようなものについては、各省側ではむしろ規制を強化すべきだ、また私のほうの監察でも、たとえば、食品衛生の監察をいたしましたときに、どうしても規制を強化せざるを得ないというような、こういう一連のものがございます。  もう一つは、やはり慎重を要するために審議会等を活用して、もちろん方向としてはそうしたような簡素化の、あるいは合理化という点をやっておるようなもの、たとえば伝染病予防法関係、こういったようなものについて伝染病予防調査会の審議の結果待ちになっておる、また薬事法の関係につきましても、中央薬事審議会でもって、医療用具の器具の対象の範囲をどういうふうにするかということについても審議中である、こうした二点の問題、当時の情勢と非常に変わってきているという点と、審議会等で慎重に審議をしておるというようなものがあることは確かでございます。しかし、多くのそれ以外のものにつきましては、やはり行政監察の立場といたしまして、あるいは行管といたしまして今後とも推進をする、そうして実現を目ざしまして監察等によってその促進をはかっていくということはもちろん言うまでもございません。
  24. 水口宏三

    水口宏三君 いまの御答弁の中で、私ちょっと納得できないのは、だからこそぼくは臨時行政調査会が五年くらいたてば情勢も非常に変化するので、総ざらいすべきじゃないか、総ざらいという意味は情勢の変化に適応して、新しくことにいま公害の問題などは、これは最近急速に社会的問題になっておりますから、こういうものに対する指摘というものはあってしかるべきであろう、またあの八年間の間に、日本の経済情勢というものが全く変わっておりますね。当然それに伴って、当時の臨時行政調査会では手のつけられなかった問題も、いま当然廃止すべき問題として出てくるであろう、ところが八年間ほったらかしのままだ、総ざらいするということもあまり行なわれていないような気がいたします。なおかつ、具体的に情勢の変化については、いま申し上げた総ざらいによってやっていただきたいということが一つと、審議会にかけてということでございますけれども、八年間審議会で議論をして結論が出ないというのは、どうも常識的にちょっと理解できないことなんでございますね。それならば当然審議会の審議を促進するなり何なりをして、早くけりをつけるべきである。もう八年間もぼやぼやしているから、情勢が変わってしまうということになるわけです。だから私はやっぱり行政需要というものは、年々変化しているんだから、行政需要にミートしたような行政というものが行政改革の基本であるならば、当然そういうものは手早く処理していく、そうして一回は情勢の変化に応じてやめたけれども、また新しい情勢の変化でそれをまたつくるとか、あるいはそのときは必要だと思ったが要らなくなったのをなくなしていくと、そういうやっぱり行政需要の変化に応じて敏速に適応できることが一番大事だと思うんです。それを八年間も審議会で議論してまだ結論が出ませんじゃ、そんなものはもう全く、何というか、大体改革というものの本質にぼくはもとるんだろうと思うんですね。そういう意味からいっても、まず総ざらいをして、臨調で答申したものについて、そういう問題あろうと思いますから、ぜひひとつ新しい体制をつくって総ざらいをして、今度は新しい観点から、行政需要に見合った形での許認可の再整理を行なう。それから、これはまあ臨調ですでに答申したものであっても、八年間も審議会でかかっているものは、もうこんなものは全くこれは無意味なんで、審議会そのものが無能ですよ、もしか八年間もかかって結論が出ないとするなら。審議会そのものを改組していただきたいですね。その点はいかがでございますか。どうも私納得できないので、伺いたい。
  25. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 確かに審議会等で慎重審議する期間が長過ぎるという点もございますし、さらに情勢の変化等、いろいろの問題もございます。したがいまして、御指摘のとおり、今後残っているものにつきまして、できるのかできないのか、できるとすればいつになるのかというような点について再検討を今後必要と考えております。したがって、そういうふうに努力したい、そういうことでございます。
  26. 水口宏三

    水口宏三君 それとの関連で、きょうお出し願願ったいわゆる許可認可整理というのは、いままであったもので、各省庁が大体自分のところでいわば要らなくなったものを出してきて、これを寄せ集めてお出しになっているわけですね。ところが、一方ではどんどんまた新しい許可認可制度法律の新設に伴ってつくられる。それでむしろ新しくつくられるもののほうがきょう整理されるものよりも多いんじゃ、これはどうも総合的な許認可制度の再編成あるいは整理と言えないと思うんですね。だから、内容的にいって、大体各省庁自分のところで——もうこれは自分のところですら要らなくなったと思うものを出してきているというんじゃ、非常に内容が乏しいと思う。しかも、それとは反対に、新しい許認可事項がどんどんふえていくというのでは、これはまあいつまでたっても、ウサギとカメの追っかけっこみたいなもので、ウサギのほうが速きゃ、全体的にはふえるほうのが速いのであって、ちっとも整理にならないわけですね。そのあたりについては、具体的に多少例をあげていただいて御説明いただきたいと思います。
  27. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 昨年の通常国会——第六十五国会でございますが——で成立した法律による許可認可等の新設、改廃状況について調査をいたしましたが、新設二百五に対しまして、廃止は三十五、統合が一で、差し引き百六十九の許可認可等が増加となっております。したがいまして、今国会はまだ検討しておりませんが、毎年、廃止するあるいは整理するものよりも増加するものが多いということは確かであります。
  28. 水口宏三

    水口宏三君 そこで、私は行政の中の大きな要素であるたとえば財政問題については、毎年大蔵省が——これはまあ大蔵省がと言うとおかしいけれども内閣が予算編成権を持ってその実施を大蔵省がやっている。まあこれにも多少不満があるんで、私はこれは、行政改革というのは、一番めどは予算編成権を内閣が持つべきだと思いますけれども、それはまあ余談になりますからさておいて、一応大蔵省が財政的にチェックをする。また、実際それを担当している人たちは総定員法で縛られている。だからふやすも減らすも常にこれはチェックされている。許認可というような国民生活にとって非常に重要なこういう問題が、これほど問題になっていながら、いまお話しのようにむしろスクラップ化されたものだけが行政管理庁に集まって、片方では年々百六十から二百がふえていくという、こういう状況をこのまま放置していいものだろうかどうだろうか。当然の許認可事項設置についても、どこか納得できるような機関がチェックをしていくべきじゃないか。それでないと非常にアンバランスになる場合がありますわね。ある省庁はむやみに権限を振り回して許認可事項をふやす。ところが、ある省庁はむしろ行政指導をやるなり何なりでうまくやっている。国民の受ける印象からいってもちぐはぐが出てくるでしょうし、また本来の行政あり方としてもそういう形は好ましくない。現実に、これはどこかチェックしているんでございますか。
  29. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 確かに、先生指摘のような問題があることは事実でございますが、許認可等の新設の問題につきましては、各省庁とも、基本的な考え方としては、臨調答申以来の考え方政府行政改革考え方にのっとりまして自律的に抑制するということを第一義といたしております。さらに、先ほど御指摘もございましたように、予算定員等の審査を通じて間接的にこれを抑制するというやり方もいたしております。また根拠となる法令案の審査を通じまして法制局等による抑制等も行なわれておるわけでございまして、極力許認可等の新設は行なわないというたてまえで仕事を進めておる次第でございます。
  30. 水口宏三

    水口宏三君 それはだからおかしいんじゃないですか。そう言っておきながら、年々なくなるものよりか新しくつくられるものが多くて、差し引きどうしても百六十と。このままでいったらおそらく二百になるでしょうね。ふえているのは現実なんですからね。それは気持ちとしてはなるべく抑制したいという気持ちはおありになるけれども、どこか、きちんとけじめをつけていかなくちゃ、これは各省庁、おれのところだけは何とか認めてくれと言うことは当然ですからね。そういう意味で、気持ちの、心情論としてはわかりますけれども、実際の行政運営の面でどこかチェックしなけりゃこういうものは抑制されるはずがないですわね。事実、四十六年は第二次計画の最終年度になるわけですね。四十七年から新しいものを検討する検討事項の中にずっと許認可事項が入っておりますね。第二次計画——昭和四十四年七月十一日の閣議決定の今後の検討事項として、「行政事務整理簡素化」の中で、「許認可および報告等の整理」ということを今後もずっと続けていくんだというようなことがうたわれておりますし、四十四年八月六日の行革本部の決定でも、「各省庁において引き続き許認可等整理をはかる。なお必要に応じ、行政改革本部の方針にしたがい、行政管理庁がその推進をはかる。」、「新設の抑制措置については内閣官房……」、これはいま申し上げた問題なんですけれども、いずれにしろ、四十七年以降、行管でもって何か具体的に計画をお持ちか。チェックする機関はぜひ何か考えていただきたいということは、これは、私いま言ってもすぐつくりますということは言えないと思いますけれども、問題があることを指摘したままにしておきますが、四十七年度以降はどうなさるんですか。
  31. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 先ほどの御指摘は、第二次行政改革計画における実施事項並びに検討事項についての御指摘でございますが、これは一応第一次、第二次行政改革計画自体が昭和四十六年度までのおおむね三年間を目途とするということで規定されておりまして、一応昭和四十六年度をもって第一次、第二次行政改革のけじめをつけるという段階に達していることは事実でございます。そのあと、四十七年度以降においてどのように取り扱うかという問題につきましては、許認可のみに限らず行政改革事項でなお検討を要すべきものとして残されているもの全体に通じて考えなければならぬ問題でございまして、これについては、ただいままでのところ、政府としてまだ決定をいたしておりませんけれども、一応基本的な私ども考え方といたしましては、今後引き続きなお検討を怠らないつもりでございます。そういう意味で、今後においても許認可整理問題はなお継続していただきたいと考えてはおります。ただ、その場合におきまして、先生指摘のございました、いわゆるこれらの新設抑制のための特別の機関を設けるという問題につきましては、実際問題といたしまして、現在新たにつくられる許認可等の事案を見ましても、かなり行政が専門化、技術化いたしておる現状におきましては、第三者機関が直ちに明確にその要否を判定するということはだんだんむずかしくなってきておりまして、そういう意味において、もし、それでは十分な審査をするための機関を設けようということになりますれば、各省の所管事項について相当膨大な機関をつくらないとなかなかうまくいかないのではないかというような問題もございます。したがいまして、そういった点を考慮に置きながら、まあ現在のやり方では不十分だという御指摘もございますが、なお慎重に今後検討していかなければならぬだろうと考えておる次第でございます。
  32. 水口宏三

    水口宏三君 ちょっといまの御答弁あいまいなんでございますけれども、私はせっかく四十六年度で終わって四十七年度も取り組もうというんですから、四十七年度以降こそ、私のいま申し上げたような問題も含めて、行政管理庁中心になって、効果のあるむしろ行政運営改革、特に許認可事項整理にしぼっていいですよ、そういうものを考えていただきたいというのが私の要望であり、またこれはある程度これまでの長官の御答弁なり局長答弁なんかに出ていることですから、これは今後の問題としてぜひひとつ取り組んでいただきたい。   〔委員長退席、理事町村金五君着席〕  それからもう一つ私がわからないのは、まあ臨調の三百七十九件が積み残しになったというのは、それはまあ情勢の変化もございましょうけれども、この行政改革本部自身が計画したものがいまだに百四十二が積み残しになっているわけですね。これはむしろ各省庁が自発的に「これは整理できます」と言って自分のところで出したものがなおかつ積み残しになっているというのは、これはやっぱり情勢の変化ということですか。
  33. 小林寧

    政府委員(小林寧君) もちろんこれは各省から出したものでありますから、当然責任を持っていただくと同時に、今後とも行政管理庁でも推進しなければならない、そういう性格のものだと思います。非常に先生から御指摘がありましたが、やはりその中には情勢の変化によるようなものでこちらのほうで推進できないようなものもございます。しかし、そういうものがすべてではございません。たとえば貸し家組合というようなものは、こんなものは当然要らないということで最初やっておりましたが、そのうちにいわゆる土地を持っている農業者というものが集まって組合をつくって一つの団地みたいなようなものを建てる、そういうようなことがありまして、昨年の通常国会で農地所有者等の貸し付けをする、資金的な手当てをしてやろうというようなそういうようなものができまして、たとえば貸し家組合というものが情勢が変化したというようなもの、あるいは自家用自動車の共同使用の認可というようなもの、さらに高圧ガス製造者の許可、まあいろいろございます。ございますが、これは全体ではございません。したがいまして、四十六年度で終わってもさらに四十七年以降、こうしたようなものについてはトレースを、追跡調査をやっていくつもりでございます。
  34. 水口宏三

    水口宏三君 それでは、先ほどの臨調の答申の積み残しの分と、今度行革本部でおやりになった分の積み残しでございますね、これをできましたら、まあ全部件名まで詳しくというのはたいへんでございますから、ある程度類別でもけっこうですし、もちろん件名がわかれば一番ありがたいのでございますけれども、これをひとつぜひ資料として、これはあとでけっこうでございますから、出していただけませんですか。これは今後のやっぱり許認可事項整理の問題を私たち勉強するのに非常に重要だと思いますので、これはまあ当委員会でというよりあとで私から申し上げてもよかったのでございますけれども、ついでにこの資料を至急出して私の手元までいただきたいと思います。  それからもう一つそれと関連して伺いたいのは、もしこういう行政運営改革、あるいは特に許認可事項だけにしぼってみても、まあこういうものは確かに直接行政を担当しているところから上がってくるものでございますね。これ、つくられているものは。直接行政を担当しているということになりますと、たとえばわれわれ通産省と一括して言ってみても、通産省の官房長が全部知っているわけじゃございませんから、これは重工業局長とか通商局長とかさまざまある。そうすると、おそらく私は局の段階までいくと、その局の行政の実態というものがはっきりするんだろう。そうすると、各省庁から出てきたものを自発的に出したというこの許認可事項整理というものは、もとはおそらく各省庁の局の段階で、おそらく局でもって大体局議あたり開いてきめて、この中に実態としてそれが結びついているものである。われわれにとってそれは不満であるか満足であるか、プラスであるかマイナスであるかは別にして、実態として結びついたものとして討議されて、それが省全体としてまとまって行管に上がってくるという、そういうプロセスをとるだろうと思うんですね。そうしますと、私は国全体の行政運営改革について、先ほど申し上げましたように、本来なら臨調に似たような、あるいは現在の行政監理委員会をさらに強化したような、そういう機関審議し、計画を決定するということが望ましいし、その実施推進の力を行政管理庁が持つという共同の体制をとることが望ましいということは先ほど申し上げたとおりなんですよ。それをたまたまそれが各省庁に当てはまるんじゃないか。おそらく各省庁官房長なりあるいは大臣なりが各局の実情はわからないわけですね。各局に行った人が一応事情をまとめて、通産省ではこうです、農林省ではこうですと出している、これでは私はやっぱり、そこのところでほんとうに空洞化されちゃうから、各省庁にもやはりみずからのそういう行政運営についての改革についての何らか特殊な機関と申しますか、人と申しますか、機能と申しますか、そういうものをつくらなければ現実行政改革というものはなかなかできないし、またそこのところこそ国民政府が接触をする一番重要な点だと思うのですが、そういう意味で各省庁の問題について一言お考えを伺っておきたいと思います。
  35. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 第一点の行革三カ年計画及び臨調の積み残しの問題について報告をするという問題については、早急に検討しまして、そうして具体的に御報告申し上げることにいたします。  第二の点は、管理局長のほうから……。
  36. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 先生の各省庁行政改革担当官をつくるという御意見でございますが、これは新しい御提案でございまして、現在までのところそういうものは設けられておりませんが、今後の問題として、いわばかなり行政事務レベルの問題については、そういう問題は検討に値するというふうに私ども考えます。
  37. 水口宏三

    水口宏三君 それではこれでやめますけれども、いままでの総まとめと申しますか、結論として、私はぜひひとつ今後とも行政改革全体はもちろんのこと、行政運営、さらにその限定して許認可事項一つをとってみても、現在の制度ではしり抜けである、したがって当然強力な実施体制というものをつくっていく、その根幹はやはり私は行政改革というものは行政を担当している行政官庁だけの自発性に待つことではこれは不可能であるということは長年の歴史が証明しているわけですから、何とか監理委員会なりあるいは臨調のようなものをおつくりになって、それを中心にして新しい行政改革の方向を定める、行政管理庁が今度はその実現のための推進力を持つように、できれば設置法を改正する。さらに各省庁につきましても何らか各省庁の行管担当官というのはちょっと大げさでございますね、ですから各省庁側は私はこういう行政運営についての改革責任者なりあるいは機構なりをつくるということをぜひ実現をしていただく、そうして許認可整理というものがしり抜けであって、スクラップだけを一応取り除いてみたらあとにはもっとたくさん許認可が出ていたというようなことが再び起こらないように、四十七年度以降の計画をそういう線に沿ってぜひお立て願いたい。またそういうことを前提にして今度の法案というものが、何ていうのですか、これは来年度から新しいものをつくるためのいわば踏み台と申しますか、たたき台としての意味をなしておるわけですから、私どもこの法案そのものだけでは全然満足できないのだと、ぜひこれを一つの契機にして四十七年度以降のそういう方向をお考え願いたいといろことを申し添えて、それについて一言長官からの御意見を伺って質問を終わりたいと思います。
  38. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 許可認可の問題につきましても、水口委員指摘をなさったとおりであると私も思います。なぜこれがなかなか廃止ができないかといいますと、これは多少当たりさわりはありますけれども、ざっくばらんに申し上げますと、やはり非常に抵抗が多いということだと思うんです。その抵抗は、行政間の抵抗だけでなく、いろいろ国民とつながっておる問題等がありまして、かなりそういう点の抵抗が多くて廃止に困難を感じておるということは私は率直に申し上げ得ると思います。それから新しいつくるほうはまたやはりそういう意味でどんどんできる傾向にある。さっき監察局長が言いますように、廃止するほうよりもできるほうが多いというようなことになれば、水口議員が指摘をなさるように、所期の目的は達し得ない。そこでやはり私は何らか強力なチェックする機関をつくるか、何かこれは画期的な方法を考えなければ所期の目的は達し得ないと私自身も考えております。これは今後の問題でございますが、そういう、いま御指摘になったような方向で検討を続けてまいり、必ず成案を得るようにして、また皆さん方にいろいろ御協力を願うことがあり得ると思いますが、そういう方向で検討してまいりたいと思っております。
  39. 上田哲

    ○上田哲君 水口議員のあとを受けて御質問いたしますが、いまの長官の御発言からひとつ続いて承りたいのですけれども、できますかね、これは。どうも長官のお話の中にも、抵抗があって困るんだと言われるのですが、弱い者いじめされているよと言う人に、いじめているのはどこのやつだと聞いてもしようがないと思うんですけれども、しからばできるだけ早く成案を得てとおっしゃるのだけれども、どうも許認可というのは毎回毎回この委員会に顔を出すときの質疑、あるいはそれからあとの発展をながめておりましても、これはとうていいわゆる国会答弁に終始するだけで先にいかないのじゃないかと思うんですよ。これ、結論的には賛成法案なんでして、どうも迫力がないわけですけれども長官、そこのところ何か間もなくかわるわけですけれどもほんとうに近く成案を得てなんて調子のいい話じゃなくて、もっと絶望的なら絶望的なような話を、心の底を聞かしてくれませんか。
  40. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) これは上田議員が御指摘のように、非常にむずかしい問題でございまして、率直に私はむずかしさを申し上げたもので、国会答弁のような形で、御指摘のような意味で、ずるい意味で申し上げたのじゃございません。実際正直に申し上げまして、やはりこの許可認可等の問題はいわば国民とのつながりもありますものですから、その辺のいろいろ抵抗もかなりある。その抵抗と一緒に役人のやはり自分立場というものも私はかなりあると思います、正直に申し上げまして。そこで廃止のほうは非常にむずかしいが、つくるほうは逆に非常に強力であると、こういうことでございますので、御指摘のように非常にむずかしいことでございますけれども、これはやはり何らかの方法で大局的な見地に立って、いたずらにふえることのないような、臨調等でも御指摘になったような方向にもっていくような何かのくふうが要る、くふうが要ることは間違いないと思うんです。そういうことでございますので、私はこの前の監理委員等の中でもやはりそれはあなた方の御指摘と同じような意見が出ておる面もありますので、新しい委員会でやはり行政管理庁として力を合わせて何かやらなければいけない。私はある程度、まあことばはきわめて粗雑でございますけれども、荒っぽいような何か方法を考えなければ成果はあがらぬのじゃないか。どこにもここにも差しさわりのないようなチェックの案では実効はあがらぬと思いますので、多少無理があっても荒っぽい案をつくって、そしてできるだけ廃止の方向に持っていけ、さっき水口議員も仰せられたように、また必要がある場合には、どうしてもこれは国民のために必要ということであればまたそのときにつくっていくという形で何か方法をやはり検討せなければならぬ、正直にそういうふうに考えておるわけでございます。
  41. 上田哲

    ○上田哲君 ちょっとしつこいようですけれども、荒っぽい案というのはたとえばどんなものですかね。これは長官でなくてもいいですよ。
  42. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私がいま具体的にこういう案と申し上げるところまでいっておりませんけれども、これはやはり今回の監理委員等にも検討課題としていただいて、思い切った案を考えてもらわないといかぬということでございまして、いま私が荒っぽい案を持っているわけじゃございません。
  43. 上田哲

    ○上田哲君 そこに並びいる方々に伺いたいのですけれども、荒っぽいということばに当たるような何か考え方というのは多少は進んでおるのですか、それともまるっきり絶望的であるということを長官の口を通じて今回表明したにとどまるのですか。その辺はフリートーキングみたいな形になってもぐあいが悪いのですけれども、何かあったら、そんなことを考えたらどうかぐらいなことはひとつ聞かしていただかなければ、二十件ばっかり何とかいたしましたということを麗々しく並べてもどうにもならないのですよ。
  44. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) これは私個人の考え方で監理委員におはかりしたわけじゃございませんし、役所としてまとめた意見でもございませんが、やはりどこかに一つのこういう許可認可事項の場合の機関をつくりまして、もう原則として当分認めないくらいのきびしい一つ機関でチェックしていく。一方、廃止するほうだけを強力にやっていて、そういう何か方法を、機関をつくることも一つの方法じゃないか。それが行政管理庁の中につくるかあるいは別のところにつくるかは別として、そういうことでもやらなければ、皆さんが御指摘なさるようになかなか実効があがらぬのじゃないかと正直に考えておるところでございます。
  45. 上田哲

    ○上田哲君 その話をひとつ前向きにやっていただくようにお願いをして、目下未処理の多い省庁省庁別に言うとどういうことになっておりますか。
  46. 小林寧

    政府委員(小林寧君) いま詳細な資料を持っておりませんが、やはり衛生関係、公害関係等に関係のある厚生省、こういうところが未処理が非常に多うございます。
  47. 上田哲

    ○上田哲君 どうも話が違うんですね。大蔵省には衛生も公害も関係がないようですね。そんなことを言っているから、これは話がおかしくなってくる。いつ大蔵省が公害のことをやりました。いつ大蔵省がクリーニング屋なんかの話をしたことがありますか。そんな程度のことを答弁しているような感覚だから、いつまでたったって減らぬのですよ、これは。一番多いのは大蔵省じゃないですか。大蔵省が四十一件、厚生省が三十五件、労働省が二十件、建設十二件、運輸九件が違っていたらお答えください。
  48. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 臨時行政調査会と間違えまして、確かに行革の三カ年計画では大蔵省が四十一件が未処理になっております。厚生省は三十五件でございます。
  49. 上田哲

    ○上田哲君 三カ年計画なんて最終のところへ来ていてその話を一生懸命しているときに取り違えるような答弁は何ですか。そんな感覚だから話がおかしい。大蔵省に四十一件もあるのはどういうことですか。その内容は何ですか。
  50. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 大体起債関係とかあるいは……。
  51. 上田哲

    ○上田哲君 だめだ、そんな答弁は。時間かけていいからうしろからしっかり聞きなさい。
  52. 小林寧

    政府委員(小林寧君) あるいは外資導入とか、そうしたようなものの為替管理というようなものの規制というものが非常に……。
  53. 上田哲

    ○上田哲君 大体は要らないのですよ。具体的なものを一つ一つあげて、なぜそれが進まないのか、具体的にあげてごらんなさいよ。そんないいかげんな答弁では、これ反対に回るぞ。
  54. 小林寧

    政府委員(小林寧君) たとえば為替管理というようなものにつきまして標準決済範囲の拡大とか、大蔵大臣の包括同意あるいは通産局長への委任の範囲の拡大等につきましてはこれを漸次行なっていく。また現実問題といたしましては現地の通関連絡協議会というところでやっておりまするが、しかしそれを線を引いてそうしてこういうふうにするのだというような点については意見がなかなかまとまらない、こういうような点がございます。
  55. 上田哲

    ○上田哲君 答弁になっていないよ。そんな答弁では満足しませんよ。答弁にならないよ。もっとしっかり勉強してください。
  56. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 具体的な問題については説明員から……。
  57. 上田哲

    ○上田哲君 ちょっと待った。その程度以上にはあなた知らないんですか。その程度以上に知らなくて答弁できないようなことならこれはだめですよ、幾らがんばったって。いわばそこに問題があるんだよ。抵抗が多いというのも私はよくわかる。しかし、抵抗の多いということ以前に、抵抗を排除する力がないじゃないか、努力がないじゃないか。まるっきり方角違いのことを言ったり、件数がわからなかったり、中身が全然説明できないその程度のことしかできないようなことではですね、どうせ国会というのは賛成法案だからいいだろうぐらいに思っているんじゃないですか。件数を減らさなくてもいいと思っているんじゃないですか。抜本的な方針なんというのはもともと必要はないと考えているところに問題があるじゃないですか。行管というのはこれはなくしたらどうですか。根本的に話が全然迫力を感じないな。私のほうも迫力がないんだけれども反対法案なら力も出るんだけれどもね。何とかこの方向に力を加えたいと思って質問しておっても、こんなレベルのこんな答弁でもって通るなんて思っているのはけしからぬと思うんだ。その反省をまず言ってごらんなさい。できなければ長官から聞きたい。
  58. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 非常におしかりを受けましたが、さらに補足説明をいたします。  外資に関する法律の規定によって日本銀行に取り扱わせる事務の範囲を定めている、これを委譲しようということになっていたわけでありますが、最近における国際通貨問題等に関連しまして昭和四十六年五月十七日から外国人の公社債、投資信託等の取得を制限する措置をとっておりましたが、短期のものの取得の認可は日本銀行に委任することとすると外資の流入を抑制しようとしている政策と矛盾することになりますので、情勢の推移を待って措置する予定である、こうしたようなものが一連にずっとございます。
  59. 上田哲

    ○上田哲君 時間の制限もありまして、こまかいことを一々やっていることができないのですが、こまかいことをやることのかわりに一言文句を申し上げておけば——やはりもうちょっと具体例をしっかり頭にほおり込んで説明ができるようなことでないと熱意を感じませんよ。そのことを申し上げておきましょう。われわれの感覚というのはどこまで真剣に整理をしようかという気持ちがあるのかがわからぬのですけれども、どうも国民生活に密着をして過度の規制の緩和をはかろうという意図から積極的にやっていくというよりも、もう不必要になってしまった実態、そういうものにあわせて整理あとから追いかけるというような感じしかないように思うのですね。行政改革計画による許認可整理に一割とか二割とかいう整理基準ですかね、ワクですか、こういうものがあることがおかしいじゃないですか。これ実態にあわせてやっていこうというのなら、当然それは結果的に一割になったり二割になったりすることはあっても、さきにワクがあるという考え方そのものが、実は抵抗が外にあるんではなくて、取り組みの姿勢におかし過ぎるところが出てくるということになるんじゃないですか。
  60. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 確かに一つのめどとして一割、二割という点は理論的なものではございません。ただ行革の三カ年計画、これは一次、二次ございますけれども、全部の許可認可等及び報告等を洗いまして、そしてその中から各省の努力目標というものをつけたもので、本来ならば全体的な対象になる。しかしその中の一割あるいは二割というものをそれぞれ許認可と報告につくったということが事実でございます。
  61. 上田哲

    ○上田哲君 昨年もこの委員会が附帯決議をつけているわけですね、附帯決議はよくおわかりになっておられますか。——ありますか、あればいいです。あともう十三分しかありませんから、その附帯決議の中では、国民生活に密着した実効あるものについてやれ、ということになっておりますね。これはおわかりだと思いますよ。そうすると、今回二十件のうち、まさしくそういう当委員会の昨年の附帯決議の要請にこたえたものであるということがいえるものがどういうふうにありますか。
  62. 小林寧

    政府委員(小林寧君) たとえば近畿圏の工業団地の造成、これは現在、長田野団地等いろいろ進行中でございますが、登記事務を非常に簡素化する、こういうようなものがございます。また、保護司というものの定数を定めるのに法務大臣が従来いろいろやっていたというのを、地方更生保護委員会にまで下に下げまして、実情に合うようにする。あるいは電波法における検査方式というものを現実のタクシーとか救急車というようなものについて手続を簡素化する。そうしたような具体的なものがございます。また、流通業務市街地の整備につきまして、団地造成における登記事務、これは近畿圏の場合と同じでございますが、そういうような点につきまして、国民の生活と密接に関係し、かつそれを利便な方向へ持っていくというようなものでございます。
  63. 上田哲

    ○上田哲君 いまのお話の中にありました一つ、二つの例で伺いますが、無線のことで承りたいが、実際にはこれはやれなくなったからやらなくなったということのように思えてならないのですよ。そういうように感じているんだということを受け取って具体的に答えていただきたいが、現在の無線局の定期検査というのは実際にはどういうふうに行なわれていて、その検査は原則として毎年一回行なわれることになっているけれども、その毎年一回の対象になっている局はどういう局か、また数はどうか。それから毎年一回の検査を省略している無線局とはどういう局なのか、そのあたりまず簡単に伺います。
  64. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 無線局の定期検査のうち一部実地検査をしないこととし、そして電波を発射させまして、それによって検査をする。もちろんそれによって電波の交通混乱が起きた場合には、その無線局のほうにいくと、これは当然のことでございます。そうしたような体制をとることによりまして、無線タクシーとかあるいはパトカーあるいはその他のこれに類するようなもの、そうしたようなものの検査事務を簡素化する、こういうことでございます。  具体的にはこの種のものが、これは概数でございますが、八十万件のうち二十万もう出てきている。しかしこれは事務を簡素化するという問題よりもむしろ非常に定型化されまして、そして発信局の機械そのものも、それから発信技術も非常に定型化されてきている。そういうことでもって、この事務についてわざわざ現地に一々回るという必要がなくなってきている。そういうような性格のものでございます。いま八十万のうち二十万という概数をあげましたが、具体的には定期検査の実施計画というのを郵政省のほうが立てております。そしてもしこれが可能になりますれば、相当量の事務が簡素化される、こういうふうに考えております。非常に技術的な問題でございますので、お許しを得られれば郵政省のほうから御説明を願いたいと思います。
  65. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 私ども毎年一回検査をいたしておりまする無線局の数は約一万二千九百でございまして、そのうち大ざっぱに分けまして義務船舶局というのが七千、海岸無線局が三千六百五十、航空関係の無線局二千三百ということでございます。そのほかに御質問ございました検査、毎年の検査を省略している無線局はいわゆる簡易無線局でございますとか、気象援助局、アマチュアあるいは固定その他の形態等になってございまして、その局数は約八十二万でございます。現在約八十五万の無線局がございます。
  66. 上田哲

    ○上田哲君 膨大なものなんですね。本来無線局の検査というのは職員を派遣して検査をする、こういうところが本来だという考えですか。
  67. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) これは電波法にきめられておりますように、本来毎年一回職員を派遣して検査をやる、そういうことになっております。
  68. 上田哲

    ○上田哲君 人を派遣して検査をするということがふさわしくないとか、あるいはたいへん定型化してきているからそういうことでない形のものが効率的であるとかという考え、これは思想の変化ですね。いまもなお人を派遣して検査をすることが正しいということが変わらないことになると、これは手抜きだということになりますね。それはどうなんでしょうか。数が非常に多いということから考えますと、まあそれ自身、手抜きそのものがいけないということではないけれども、しかし筋道から言うとそういうことではないのか、ということが一つあるんですがね。
  69. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 本来無線局の検査というのは、法律にございますように、人を派遣して検査をするというのが本筋でございます。ただし、先ほども行管のほうからお答えがありましたように、非常に簡易なものであるとか、無線局自体の無線機器が非常に性能が向上いたしまして、まあ電力の小さいというものでございますれば、特に人を派遣して現地に行かなくても、いわゆる電波を探知いたしましてそれによってかえることもできる、そういうものも出てきたわけでございますので、この行政事務の簡素合理化、そういった線に沿いまして私どもとしましてはそういう方法もひとつ考えたいということでございます。
  70. 上田哲

    ○上田哲君 整理をしっかりしなさいというふうに言っているたてまえですから、われわれのほうも。それにしては論理がおかしくなってきても困るのですが、基本的には人を派遣して検査しなきゃならないと考えるべきなんだが、どうも手が回らなくなったというので手抜きをする。手抜きをすれば手抜きをされたほうは喜ぶだろうというようなことが出てきたんじゃ困るということを一つ言っているわけですよ。そういう点ではこういう簡素化と言いましょうか、切りかえによって障害が起きてくる不安は全くないでしょうか。どんなことが心配されるか、そういうことがあれば言ってもらいたい。
  71. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 先ほども障害という問題が一番大きな問題でございまして、特にこういうことによりまして、いまの無線局に妨害を与えるということについてはまことに電波監理の上から問題でございますので、そういう点では十分考えまして、特にそういう心配がない、たとえば移動無線、まあタクシー無線というものもたくさんございますけれども、あるいはほかの救急用の無線もありますし、いろいろございますけれども、そういうものはいわゆる本部と言いますか、基地局と連絡をするというのが主体でございまして、基地局のほうをしっかり検査しておけば、それと通信関係である移動局のほうでございますけれども、それは十分に把握できるのじゃないかということで、まあ、たとえばそういうものにつきましては電波監督することによりまして検査にかえる、そういうことになったのでございます。
  72. 上田哲

    ○上田哲君 時間になりましたからやめます。長官ひとついろいろな、私もあまりよくわからないことが多いものですから、それなりにわか勉強して一生懸命調べてきたのだけれども、これを一つ一つ伺ってみても時間も足りませんし、また大体出てくる答えはわかっていますから、これ以上言ってもいかぬでしょう、意味がないでしょう。それはやはり手をちょっとつけてみても何だか、のれんに腕押しのような感じがしますよ。いまの話もそれでけっこうだし、もう少しこまかく聞いてみたらおもしろいことありそうだなと思うけれども、まあ、とにかく蛮勇をふるわないとどうしようもないですね。その蛮勇をどういうふうにふるうのかということをぜひひとつ——いま事務項目とかいろいろありますね。その辺のところを先ほど水口委員が最後に声を励まして言われたように、ぜひから文句、から答弁にならぬようにしていただくようにがんばっていただきたい。それが、やはり具体的に国民生活の利便のために役所が努力したというような実効がにじみ出てくるような、そういうやはり目玉の一つや二つも考えて努力していただくように付言をして申し上げて、時間でありますから終わります。決意でも述べてください。
  73. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) いろいろ御指摘になりましたようないわゆる行政改革の実効をあげていく上に、これは行政管理庁としても苦心をしておりますが、前の監理委員の方々も、監理委員会等で結論を出してもなかなかそれが実行に移らぬということについて非常にきびしい御意見等もあったのでございますが、そういう点等を踏まえまして、いま上田委員が指摘なさいましたように、新しい監理委員等の英知をお借りいたしまして、実効のあがるような方向で行政改革推進に当たってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  74. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は許認可の問題について二、三質問したいのでありますけれども、実は大臣ですね、公害等調整委員会の質問のときに、私はあなたに、行政監理委員のいわゆる兼職の問題をあなたに質問しました。どうなりました、その後。
  75. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 官房審議官から答えさしていただきます。
  76. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣、なぜこんなことを言うかといいますと、大臣ね、先ほどから大臣は、行政改革を進めるに当たっては障害が多い、こうおっしゃいましたね。これは多いでしょう。私たち許認可で何回かやっていますよ。しかしながら、それは大臣がどれだけ行政改革に取り組むかということにかかっているのじゃないかと思うのです。そうでしょう。本気で大臣行政改革にいままでどれだけ取り組んできたかというのが問題なんです。だから、私は、あなたのところで行政監理委員会の委員を任命するにあたって、少なくとも行政改革関係のある、あるいは閣議決定されたその本来の方針に基づいて、あなたのほうでもこの行政監理委員をちゃんと任命すべきである。だからあなたは、その問題について、従来の方針に違った委員が今回の委員の中で半分も、三名も任命されておる。そのことについては問題はないかもしれませんが、少なくとも行政監理委員会の監理委員をするからには、そういうふうな基本的な考え方にはきちっとやっぱり沿った人を任命しなければいけない。また、たくさん兼任しておってどうしてもそういかない場合には、その中のひまなものをやめてもらう。それが政府の方針に従う行政監理委員じゃないですか。そうでしょう。それをあなた自身がこの間答弁しているんですよ、この間の委員会で。そのことについてはすぐ検討するとあなたが答弁しておるのに、それをそのほかの人にやってもらわないとわからないような——私はこの次の許認可のときにやりますということを言っておるんです。あなたが本気で許認可の問題あるいは行政改革の問題に取り組んでいるならば、これはだれにも聞かなくてもわかるはずです。そうでしょう、大臣。   〔理事町村金五君退席、委員長着席〕 そういうところに許認可がうまくいかない原因があるんです。私は何回もこの許認可の問題について質問してまいりましたけれども、そこに姿勢があるんですよ。これは、私はこの許認可法案には賛成ですよ。賛成ですけれども、問題があまりにもあり過ぎます。私は、きょうはこの問題を出した各大臣が全部来てもらわないと審議できないわけですよ。あなたのところの局長、みんなわからないじゃないですか。だから大臣を出してくれといってさっきから要求しているんです。大臣が来ないとわからないですよ、みんな。そのくらい重要な法案なんです、これは。ね、大臣、そこのところをわかってもらいたいんですよ、大臣。どうですか、大臣
  77. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私は行政監理委員をお願いする際に、基本的にはいろいろ兼務等がなくてこの問題に専念していただける人を選ぶということがそれは一番いいということは原則としては考えております。それからその線に沿っていろいろ検討したのでございますが、やはり適材を選ぶということがこれもきわめて大きな要素でございますので、適材としてこちらからお願いしたいような人がいろいろのやはり委員会等を兼ねておられるというようなのも、これは実際に非常に多うございますので、まあそういう人の場合は行政監理委員としての仕事がはたして完全に果たしていただけるかどうかということを検討いたしました。さらに、やめていただくようなことができる場合は、やめていただきたいというようなことで、今回の場合も、他の委員会仕事をやめていただいた人もあるようなわけでございます。
  78. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣ね、私は決して——その適材適所を選ぶ、これは当然だと思うのですよ、私は。それは幾つも兼任している人を選ばざるを得ない場合もあるでしょう。しかしながら、行政管理庁行政監理委員を選ぶ場合には、少なくとも政府の基本的な考え方、それにまるっきり反対の方じゃ困るわけでしょう。一つの方針というのがありますね。この兼任の問題にしたってそうです。いま大臣がおっしゃったように、そういうこともやっぱり話し合ってもらいたいと思うのですよ、私は。  そこで、今度新しく行政監理委員会の新しい委員が任命になりましたね。この委員に対する、この第三期の行政監理委員会の委員に望む大臣の所信というものを私はまだ聞いたことがないんですが、どういう所信ですか。
  79. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 新しい行政監理委員の任命が、御承知のように少しおくれましたので、現在の時点では、いままでの行政監理委員会のやってこられた経過とか、あるいは監理委員の権限とか、そういう具体的な問題の説明をいたしておる段階でございまして、行政監理委員に新しい検討課題というものを、まだ行政監理委員にも諮問というような形でやっておりません。いまそういう諸準備をしておる段階でございます。
  80. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はね、大臣ね、そういうことじゃ私はいかぬと思うのですよね。やっぱり行政改革ということに対する大臣の、新しい行政監理委員に対して、やっぱり現在までの状況とともに、どういう点がネックになっておって、やっぱりそのほんとうの基本路線というものは大臣として考えてなくちゃいかぬと思うのですよ、私は。そこで、大臣ですね、先ほどから同僚の議員の皆さんが質問になりました、行政改革はなかなか進まない、私はきょうこのことを質問するというよりも、きょうの法案の内容についてきょう質問したかったけれども、いま同僚議員がいろいろ質問するのを聞いておりまして、大臣は、行政改革を進める場合にはいろいろな問題がある、それこそ新しい推進機関のようなものを設けなければいけない、いろいろそういうような意味の話もちょっとありました。そこで、大臣ですね、この「行政改革の現状と課題」という本が発表になっておりますね。これは大臣が、もう大臣の名前で書いてあるわけですから、大臣委員長のときの本ですから、これはもう当然私はもう大臣御承知だと思うのですがね。この中にきちっと、現在の、少なくとも行政監理委員会の委員の現在の態勢ではだめだと、現在の調子ではもう行政改革はできないということを勧告していますよ、ちゃんと。これは大臣の考えなんでしょう。やっぱり大臣委員長ですから、大臣の考えも入っているんだろうと私は思うのです。それについて、この中に、もっと端的に申し上げます。このページの一〇七ページにあります。これについての大臣の考えはどうですか。まあもっとわかりやすく言います。これに賛成なのか、大臣は、反対なのか、どっちですか。
  81. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 御指摘になりました点は、前の監理委員会で、第一次臨調当時の結論等がなかなか実行に移されておらぬというきわめてきびしい指摘がございまして、これはみな先ほどから水口委員とか、上田委員等も指摘をなさったようなことと同じような考え方でございまして、これはやはり政府に対してもっと強力な、監理委員会の得た結論というものが行政改革の実現に進まなければならぬという考え方で、これは政府に対して非常にきびしい指摘でございました。私は大臣として、いろいろ事務当局等とも検討しまして、少しことばがきびし過ぎるという考え方もいろいろありましたけれども、私はやはり役所というものは、できないことに対する批判はすなおに受け取るべきである、こういう考え方で、私もこの内容に賛成をして、これは自分自分をしかるというような気持ちで賛成をしたものでございます。
  82. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 もう一回確認をしておきますけど、基本的には、いろいろ意見もあるけれども大臣はこの意見に対しては基本的には賛成なんですね。
  83. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私は、中身のいろいろな問題につきまして、すべてが賛成ということじゃなくて、やはり行政監理委員会で得た結論はもう少しスムーズに行政改革の実現にそれが移っていかなければならぬというそういう基本的な態度に賛成でございまして、それについては今度の行政監理委員の人たちに具体的に検討していただいて、どういう方向でやったらいいかということを検討していただきたいと、かように考えておるものでございます。
  84. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あのね、大臣ね、私は大事なことをいまやっているわけです。とにかく大臣、新しい行政監理委員会ができました。私はそれに関連があるからいまこれは言っているわけです。この「行政改革の現状と課題」で、あなたもこれに関係ないとは言わせませんよ。四十六年度も含めての、あなたが大臣になってからの報告なんです。あなたが委員長のときに出した報告なんです、いうたらね。ですから、ここに書いてある「新しい調査勧告推進機関設置」については、あなたも一応、政府に問題はあろうけれども、この考え方には基本的には賛成なんでしょう。どうなんですか。
  85. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 基本的には賛成でございます。
  86. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それなら、大臣、この勧告の中にありますね、最後に。行政監理委員会の長があなたであることがいかぬのですよ。これはいままで何回も主張されたことですよ。行政監理委員会の長が国務大臣のあなたであることがいかぬのです、あなたであることが。いままで全部、行政改革を何回となくこれ本になって出ております。しかしながら、それが一つ実施されない理由は、あなたが、行政管理庁長官行政監理委員会の長を兼任をしているということが行政改革が進まないネックになっているのです、現在。あなた、そうでしょう、現実考えてみなさい。国家公安委員長というのは、これは一生懸命やっておられますよ、外から見ていましてもね。しかしながら、あなた、行政管理庁長官として、それで行政監理委員会委員長として、よく考えてみない。仕事のバランスやいろいろ考えてみても、こういうような勧告自体から見てみても、実際これはどういうぐあいにいまあなた——その次のページに結論がちゃんと書いてありますよ。この機関の長には「行政監理委員会のような国務大臣による委員長の兼務制はとらないものとし、委員長および委員は、すべて民間の学識経験者から選ぶものとすることが適当である。」、あなたも賛成しているのですよ。ちゃんと書いてある。「適当である。」とあなたが書いたんです、言うたらね。あなたがやめたらいいんです、この第三次行政監理委員会の長を。そしてあなたが選んだ新しい行政監理委員会の委員の中から長を互選をして、そしてちゃんとすればいいんですよ。これは、大臣、どうですか。
  87. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 行政監理委員会指摘しました点は、これはやはり将来の行政改革を進めていく上にいま御指摘になったようなことが好ましいということであって、私もその点は、兼任よりも専任がいいということ、あるいは一般の学識経験者等が委員長になってやったほうがいいということ等、これはやはりそういうお考え方に基本的には賛成でございます。いまは私が委員長をしておりますが、委員長代理というものを民間の委員にお願いをして、そこを中心にしていろいろ審議を進めていただいておるわけでございます。将来のあり方としては、これは兼任よりも専任がいいということは、これはまあだれも私は異議はないことだと思っておりますが、いまの制度がそういう現状のようなことになっておりますので、将来の問題としては私は専任にしたほうがいいと、かように考えております。
  88. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それは大臣違いますよ。この中に将来なんて全然どこにもないですよ。これは現実の問題として、行政改革がこの臨調答申以来いろいろ出てきたけれども、なかなか進まない。現実の問題としてこういうような問題が一ぱいあると、一ぱい書いてある。こういうぐあいに一ぱいあるのが進まないのはこういうわけだと、だからその結論として、現実にいまある行政監理委員会の長もこういうぐあいにしたほうがいいんじゃないかというのが現実ですよ。将来じゃないですよ。いま現実たちがやっているこの行政改革というのはこうしなくちゃいかぬという考えじゃないですか。将来のことじゃないですよ、これは。
  89. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) いまの制度大臣がやるということになっておりますので、これはやはり設置法等でそういう方向に改正をしなければならぬと思っております。そういう意味で、私は将来はそういうことは好ましい、かように申し上げたのであります。
  90. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、私はそれをあまり言いませんけれども大臣、あなたは、いま設置法でこういうぐあいにきまっているからやむなくあなたが委員長をやっているのであって、それで将来はこの意見のとおりする、そういうことですか。それなら、この次の国会でこの行政管理庁設置法の改正を出してもらわなければなりません。当然、現実にそういう点でやっぱり行政改革を進めてもらわないとほんとうにこれは……。まあ私が言いたいのは、これは行政監理委員会というより、またそのほかの問題も一ぱい触れているんですね。ですからそういう点からいきましても、これはほんとうに重要な問題だと思うんですよね。私は、今度の新しい行政監理委員会の六人の委員の皆さん方が、実際に勧告し、出して、ほんとうに何にもできなくて行き詰まってしまって、また総辞職ということになりますよ。いまの委員の皆さんだって、長い間やってこられた方々はみんなそういう点で一つのむなしさを覚えていられますよ。何回もそういうふうな個人的に勧告をしたり、それは尽くすだけの手は一ぱい尽くしたと思うんですよね。新しい委員の人たちも、いままでの人たちのやったこういうものはやはり引き継がれていくだろうと私は思うんですよね。そういうような意味でも、大臣の私は決意いかんにかかっているんです。  ですから、もうあまり言いませんけれども大臣ほんとう——まあ大臣も今度もうすぐやめられるかもしれませんけれども、こんなことを言うとほんとうに私もむなしい気がしますけど、大臣行政改革中心になるあなたがほんとうにやっぱり行政改革を本気でやるんだという決意に立ってもらわないとどうしようもないと思うんですよ。そこらの決意はどうですかね。こまかいことはいいですわ。
  91. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 私は、昨年の七月に大臣になりまして今日まで、いま御指摘なさるような気持ちで努力はしてきたつもりでございます。微力で御期待に沿い得なかったかもしれませんけれども、気持ちはそういうことでございますが、今後もやはり、行政改革というものの必要であるということは十分認識いたしておりますので、そういう努力を続けてまいりたい、かように決意を持っております。
  92. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 行政改革そのものについては種々問題が山積みしておりますけれども、きょうは法案の問題があって、時間も制限されて質問いたしておりますので、法案の中身に入ってまいります。  まず私は、この許認可の問題ですが、この許認可の問題を勉強すればするほど、ほんとう許認可に対する考え方自身が変わってきているんじゃないか、私はこういうぐあいにしみじみと思うわけですけれども許認可に対する考え方というのは基本的には何に基づいて——基本的な考え方ですよ、基本的な考え方は何に基づいてやっているのか、それをちょっとお伺いしたいと思うんです。それは、ただ単に行政改革の第一次案、第二次案、第三次案に基づいてやっているなんというものじゃなくて、もっと基本的な考え方に立って、こういうような考え方に立ってやっているんだという点をお伺いしたいんです。どうですか。
  93. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 許可認可等整理の問題につきましては、やはり国民に利便であり、かつ能率的な行政を具現するということ、これはもう論を待たないものと思います。ただ、この一連した整理法というのを従来出してきました経緯は、やはり臨時行政調査会でもって、特に許認可等改革に関する意見の中で整理、簡素化の基準を示しております。その基準に従いまして、廃止、統合、委譲及び規制の緩和というような基準に基づいて私ども考えてきたわけであります。具体的に申しますと、たとえば廃止については、許可認可を設定した当時の背景、事情が変化したもの、規定が形式で実質的な効果がないもの、法律に明確な根拠がなく国民を規制しているようなものというような、具体的なそうしたような条項に基づきまして私たちやってきたつもりでございます。
  94. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 しからば、あなた臨調答申の廃止の項の基本的な考え方を、確かに第一項目から第七項目まで例をあげられていますね。しかしながら、今回の許認可のこの法案の二十項目の内容を見ますと、これに当たらないのが多過ぎるんですよ。たとえば、いろいろ具体的に言いたいですけれども一つずつやっていきますが、まず、先ほど郵政省の問題が出てまいりました。これは郵政省の電波監理局長さんですか、ほんとうはこれは郵政大臣に来てもらいたいんですけれども、大体監理局長、こういうふうな法案は、わが内閣委員会に出すのが間違っているんじゃないですか、大体。こういうふうな法案は、電波の監理の問題にしたって、電波法の改正なり、そういうふうなのでやればいいんですよ、そしてやっぱり専門的に議論すべきです、これは。私たち内閣委員会にこういうふうな問題が出てきて、実際に行政管理庁局長や皆さんが全然答弁できないですよ、これは。こういうふうな、ほんとうに、これは確かに、そのたとえばですよ、ヘルツの問題一つにしても、サイクルをヘルツに変える、一体これが、許可認可、たとえば、報告、いずれにも入らないんじゃないですか。いま、この行政改革の、臨調答申の中の廃止の項目のどこにも入らないじゃないですか。こういうふうなものをなぜ許認可で出すのか、あなたの省は、先ほど出てまいりました電波の問題にしたって何にしたって、全部これは便乗ですね。これは言ったら、計画外ですよ、大体これね、先ほどの無線局の定期検査の問題にしたって、高周波の問題にしたって、これは全部で四つありますけれども、あなたのほうが一生懸命よけい出したら行政管理庁許可認可整理件数がふえるから、要するに何%できたとか、こんだけやったというような、行政管理庁としては非常に成果になるような感じになるから、要するに何というか、郵政省は非常に熱心にやっておる——ただ熱心にやっておるという、そういうふうな問題じゃなくて、こういうふうな問題は、私は逓信委員会でやるべきですよ。  たとえば、ヘルツの問題一つにしたってそうでしょう、尺貫法からメートル法に変わりましたよ、あのときだってちゃんと単独立法で出てきたんじゃないですか。それをどうしてこういうふうな許認可なんかで出してくるんですか。私は得心がいかないんですよ、得心がいくようにあなたのほう並びに行政管理庁で一ぺん説明してくれませんか。
  95. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 電波法につきましては確かにそうしたような点もあるのではないかということで、私のほうも慎重に検討はしたつもりでございます。特に先生の御指摘のサイクルからヘルツという問題は、要するにサイクルをヘルツに切りかえるということは、これは非常に問題が大きく、また臨調の答申等についてもそうしたような点で範囲逸脱ではないかという点も検討したわけであります。ただ、私ども判断にあたりまして、たとえば通産ではすでに電気用品の取締法に基づくその運用において、ヘルツを使っておる、そして同時に、そうしたような業界なり事業所等では、一般国民は別として、ヘルツを使っておる、今後国際的にもヘルツに移行すべきであるというような、そうしたような動静の説明を受けました。そしてそれがさらに、業者の方なりが種々の申請手続、あるいは表示において、ヘルツと書いてあるものを、さらにサイクルと書き直し、そして申請手続をするという実態も伺ったわけであります。そのような観点から、これはやはり許認可等整理の一環として処置することが適当ではないかというようなことで、これを考えたわけでございます。なお、具体的には郵政省のほうでひとつ……。
  96. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 電波法の改正の問題につきましては、現在私どもも放送法とあわせまして抜本的な改正は進めておるわけでございますが、その中で、せっかく許可認可等整理に関する法律案というものがございますので、それになじむであろうと思うものを取り上げまして、特にこの行政の簡素、合理化ということを私どもとしても重大視しておるわけでございますので、行管にお願いしまして、この法案の中に入れていただいたというわけでございます。いま具体的なヘルツの問題でございますが、これは、いま行管のほうから御説明ありましたように、実はこの電波法及びそれに基づく関係省令と申しますか、それだけが現在サイクルということばを使っておりまして、ほかの電波関係、あるいは電気通信関係におきましては、ほとんどがヘルツということばを使っておりまして、先ほど御説明ありましたように、申請する側も、それから私どもとしましても、いろいろ不便でございます。したがいまして、この際、この許認可整理法案の中に入れていただきまして、ヘルツということばに統一さしていただいたというわけでございます。御存じのように、いわゆる計量法におきましては、もう数年前、ヘルツまたはサイクルという両建てになっておるわけでございますが、もう世間一般がヘルツで統一されておるというところで、私どもとしましてもこの際ヘルツに統一したいということで、踏み切ったということでございます。
  97. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あなた方ね、いろいろ説明していますけれどもね、全然説明になりませんよ。許認可でどうしてもこれやらなければいけないという必然性なんか、これ全然ないですよ。電波監理局長ね、あなたね、いま一般的にはヘルツになってきているとか、それはそうかもわかりません。  それじゃ、ちょっとお伺いしますがね、小学校、中学校の教育で何年生のときにヘルツということばが出てきている、何年生ごろから、このサイクルとヘルツの関係は学校の教育でどうなっておるか知っていますか、ひとつ説明してください。
  98. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) どうもまことに不勉強で申しわけございませんけれども、学校教育では存じておりません。
  99. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 行政管理庁知っていますか。
  100. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 申しわけございませんが、知りません。
  101. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あなた方ね、私はわざわざ調べてきたんですよ。両方使われているんです。ちゃんと両方、現実にね。一般的に確かに片方に統一する必要は私はあると思うんですよ。ありますけれども、サイクルというこれに非常に親しまれているあれもあるんですよ、やっぱり。また私は、それだけじゃなくて、いま一つの例としてちょっと聞いたわけですけれども、こういうふうな問題は、あなた、電波法、いまあるいは放送法の全面改正をやっているとおっしゃいましたけれども、そういうふうな委員会で、こういうふうな基本的な単位になる問題ですね、やっぱりね、こういうような問題については、やっぱり議論をすべきですよ、そういうところで。こういうような問題が一般的にどういうぐあいに使われているか。ただ郵政省の設置法ではこうなっている、ただそれだけじゃね、私はこれは許認可に出す必然性は全然ないと思うんですよ。現実にどこにも、許認可のいずれの項目にも入らないから「その他」なんて、そうでしょう。だからね、私は許認可に対する基本的な考え方が変わってきているんじゃないか。これも、ヘルツの問題もそうです。先ほど同僚議員がおっしゃいましたけれども、この電波法の無線局の定期検査の問題かてそうじゃないですか。これはこの許認可整理の中の一体何になっとるんですか。要するに定期検査をやめる——一年に一ぺんやる検査をやめるというのはね、なぜやめるんですか、これ。現実にいまやっているわけでしょう。やっているんですか、現実に。どうなんですか、監理局長。やっているんですか、これ。
  102. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 先ほどもお答え申し上げたわけでございますけれども、現在は電波法に基づいて年一回やっているわけでございます。ただしこの年一回やる必要のないものもあるわけでございまして、非常に簡単なものであるとか、そういうものはやっておりません。
  103. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 わかった。そうするとだね、この法律をこういうぐあいにすることによって、いま現実に年一回やっている検査をやめると、該当するその局はどのくらいあるんですか、該当する局は。
  104. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 私どもは、いまこの法案がもし成立するということでございますると、約五千五百の無線局の検査をやめまして、監視によってかえたいというふうに考えております。
  105. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうすると、全国で五千五百の局をいままで検査していたんですね、毎年一回ね。何人でやっていたんですか、これ。そうすると、これをやることによってこれは何人定員を減らすんですか、あなた方。どうするんですか。これは五千五百いままで毎年一回やっていたんだから、それをやらなくなるんだから、しかもただ無線で受けて本局にすわっていてできるんですから、相当これは合理化できますね。これ行政管理庁の喜びそうなことですけれども、これは行政改革でこれ五千五百の局を検査したのをやめるわけですからね、これに見合う定員の削減はどうなっているんですか、これは行政管理庁は。
  106. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 現在、おっしゃいますように、この検査をやめるというわけでございますけれども、ただやめただけではなくて、先ほども申しましたように、監視を今度やるということになるわけでございます。一方、この無線局の数というものは毎年十万以上もそえているということでございまして、私ども仕事全体としましてはむしろ人間が足りないということでございまして、それ自体につきまして私ども定員の削減ということは考えてないわけでございます。
  107. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はね、そんなことではもう全然納得できませんよ。これはね、要するに仕事がふえてきた、局がふえてきた、だから手が回りかねる、だからどうしようもないから、まあだいじょうぶそうなところだけはやめることにしようと、もう頭からそういうぐあいにあなた方おっしゃっているなら話はわかります。そうじゃないじゃないですか。そうじゃなくて、もっともらしい理由をつけて、それでやっているんじゃないですか、これ。こんな許認可の、ぼくは、こういうふうな、確かに同僚議員が言ったように、検査を毎年一回やってもらわないんですから、これは喜ぶ人もおりますよ。喜ぶ人もおりますね。しかしながら、電波という問題は、これは大きな問題ですよ、やっぱりね。あなただって大事だとさっきおっしゃってましたね、いろいろね。いろんな障害が起きてき、いろんな問題が起きたら、あなた、どうするんですか。そういうふうな歯どめも何もなく、確かにそれは電波を出すほうは簡単です。そのときだけちゃんとダイヤル合わせてぴしっとすればいいんですから。しかしながら、私はこういうふうなやり方はおかしいと思うんです。こういうふうな議論は、私たちのこの内閣委員会では専門じゃありません。専門じゃありません。年一回のこの法律を改めることによってどういうふうなメリットが現実にあるのかということを私たち委員会議論するだけで、実際上の技術的な問題というのは議論できませんよ、これはどうしてもね。だから、そのメリットについては、行政管理庁監察局長やみんなはどういうぐあいにこれは考えているのかと言うんです、私は。これが一つです。現実の問題として、こういうふうな問題は全部少なくともそれは計画外で、あなた方が積極的に出してきて、行政管理庁は喜んでいるそうでありますけれども、しかしながら、これは逓信委員会で、専門の委員会で私は議論をすべきだと、こう前々から主張しているんです。それぞれどうですか。
  108. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 私、技術者でございませんので、そう具体的な点についてのメリットという点はうまく言えません。しかし、やはりこの法案提出するに際しまして、はたしてそれが国民の側あるいは行政の側にどうかということについて担当の電波監理局のほうに聞きまして、具体的にその受信しており、検査をしているところの機械なり何なりにつきまして、でき得る限り理解できるように説明してもらいました。そういたしますと、確かに現在のいわゆる自動車やタクシーあるいは救急車等につきまして、そうしたような電波を受けて、そしてそこからいろいろの点について検査の糸口にするというような点については、直接業者側に行かなくってもできるという点が一つ。もう一つは、そうした電波の、いわゆるわかりやすく言えば交通でございますが、交通についよておかしいものはさらに現地に行く、そうしたうな移動車をもってやる方式というものは、そうした自動車を、業者といいますか、業者の側にも一々来られない、また役所のほうもそういうことでもってでき得る、さらにその数からいっても、非常に定型化されてきて現在一々いく必要がないというその三点については理解できましたので、これはやはり簡素、合理化の線に沿ってもいいのではないか、こういうふうに考えたわけでございます。
  109. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 行政管理庁のほうからの御答弁と同じようなわけでございまして、私どもとしましても、あくまでもこの行政の簡素、合理化、特に免許人に対する負担の軽減と申しますか、そういった点を三体として考えてきたわけでございまして、それ以外の他意はないわけでございます。特にこの電波の世界は日進月歩でございまして、いろいろ新しい通信方式、電波の利用法の形態というものが複雑化しているわけでございまして、私ども自体としましても、一般的に言いますとできるだけ行政自体も簡素化する必要がある、その点についてやったわけでございます。
  110. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 だから、だからぼくは、局長ね、だからこれは内閣委員会でやるんじゃなくて、あなたの委員会で、逓信委員会でやれというのだ、要するに。だから何もわからない内閣委員会なんかに持ってこないで、現実にこれは複雑でたいへんですよ。重要ですよ。いま行政監察局長がおっしゃっていることなんていうのは、こんなこと何もあなたのほう、向こうの言うことをそのままうのみじゃないですか、結局は。行政管理庁としては、実際たとえば定員五千五百件という毎年検査やっているやつは、これはやらなくなるのだから人数も減ると、そういう点はこういうぐあいにできると、またこういうふうな行為が行政改革の面からもこうだと、実際具体的にこうだと、行政監察局としてのメリットというのは幾つかあるべきですよ。そういうこと全然なしで、あなた方ほんとうにもう郵政省の言うとおり、郵政省から説明を受けた三つのことこれだけですって、そんなことじゃ行政改革なんて進みましせんよ。だから私は言うんです。それはやっぱり許認可についても一つ一つやらなければいけません。本格的に検討しなければいけませんよ。その上で、なるほどこれは当然行政改革として許認可のほうで法案として取り上げるべきだ、しかも、こういうふうに大体それぞれの省庁からそれらを簡単に改革しようなんていって三つも四つもぽんと出してくるときはあやしいですからね。こういうことはないですから、大体。それを三つも四つも出してきて、ああこれは熱心だなんて……昨年は運輸省でした、ことしは郵政省が熱心だと、そんな、たったそのくらいの、何ていうかな、感情的、人情的、そんなことでは——もっと血も涙もない感覚でないと、あなた方、行政改革なんてできませんよ。みんなにだまされてやっているような行政改革なんてありませんよ。やっぱりもっと本気で議論してちゃんとすべきじゃないかと私は思うんですよ。どうなんですか。これ局長どう思いますか、あなた。
  111. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 確かに専門的な問題に立ち至りますと、私そうしたような十分な判断する知識はございません。しかし、今度出したような点はさきに述べたようなことでございまして、先生がいま御指摘になったような点については、今後とも、行政監察を発動する際、あるいはこうしたような一括性という法案が行なう際においては十分に検討し、御期待に沿うようなものを中に入れるということについて私のほうで覚悟して今後やっていきたい、こう考えております。
  112. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 郵政省といたしましても、別に行政管理庁をだましてということではございませんで、あくまでも先ほど来御説明申し上げているように、行政の合理化ということだけを考えているわけでございますので、御了承願いたいと思います。
  113. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしても、電波監理局長、この問題については私たち内閣委員会では専門的なことはわかりませんよ、やっぱりどうしても。ですから、やっぱりこれはあなた方の専門の委員会でやってもらうよりないですね。きょうは法案通るかもしれませんよ。通るかどうかわかりませんけれども、これはどっちにしてもあなた方の委員会で実質的に議論をしてもらって、そしてやっぱりその上できちっとやってもらいたいと私は思うんです。今後もこういう問題は出てくると思いますので、そうすべきだと思うんです、基本的な考えとしては。  それから、これはもう私はほんとうを言うと得心がいかないのですが、有料道路の工事の検査の問題ですね、これもこの中に入っているわけですけれども、これはこの議案を見ましても私はとてもじゃないけれども、納得することができないんです。どうしてこういうようなのを許認可で、大臣、この許認可の中の一番最後のほうの、あなたのほうの説明書の最後のほうに出てくるのですが、要するにいま高速道路というのは相当問題になっています。それで、高速道路が日本全国に張りめぐらされていますが、私は大阪ですけれども、大阪の高速道路も最近事故がものすごく多いのです。要するに、私はきょうはあんまり具体的な問題に突っ込んでやりませんけれども、とにかく事故が多い。私の手元にも相当いろんな写真が送ってきています。あなたの手元にも、監察局の皆さん御存じでしょう。そういうふうな工事の中間検査をどうしてやめるようにするのか。中間工事の途中において検査をするのをやめて、工事が完了した場合に検査をする、こんなことをしたら道なんというのはでき上がってしまうとどうしようもないんでしょう。やっぱり私はこれはきちっと道の、道路整備特別措置法の改正ですが、許認可の改正ですが、どうして中間検査をやめることにするのか全然納得ができないんです、私は。この点は大臣どうですか。
  114. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 有料道路の中間検査というのは、今後高速自動車国道、それから首都高速道路、阪神ももちろん入りますが、の自動車専用道路、あるいは橋梁とかトンネル、その他災害の予測されるような山腹、峠、その施工に高度の技術を要するものについて重点的に実施するとい趣旨でございます。安全性の問題につきましては、建設省において慎重に検討した結果、検査が省略し得る、要するに一般の国道と同じようなところでございますが、そういうところを省略いたしまして、その残りをもっていま申しましたような重点的なところをやろうと、こういうことでございまして、行政管理庁としても十分その事情を聴取した結果判断いたしたものでございます。
  115. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はいまの答弁わからない、もう一回説明してください、もう一回。ちゃんとわかりやすく、紙に書いたやつなんか見ないで、具体的にちゃんと言ってみなさい、ちゃんと。
  116. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 中間検査というのは、当初できましたときに、まだ工事の技術あるいは工法等が十分でございませんでして、そのために中間検査というかっこうにして、それによってとんでもない方向にいかないような趣旨でその制度を考えたわけであります。しかし、現在道路公団、あるいは阪神なり首都高速道路公団等におきましては相当の技術が出てきておるということでありまして、特にそういう場合に中間検査を行なう方式としては、重要なところを重点的に行なう、同時に一般の国道的なようなところで中間検査をしなくても普通のやり方で十分いけるようなところはそこのところを省略する、それによって重点的に中間検査を行なう、こういう趣旨に私たちは聞いております。またそういう趣旨であるとして、内容を検討した結果、問題がない、こういうふうに考えたわけでございます。
  117. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いまの答弁で私全然納得できませんよ。あなたそれはうまいこと言ってますよ。言ってますけれども法律でちゃんときまった中間検査をやめる、高速道路の中間検査をやめる、それで重点的にやるなんと言っていますが、中間検査がろくすっぽできないのに重点的に何を検査するのですか。それだけの人数はどこにいるのですか。あなた方技術が進んだ、進んだと言っておりますけれども、技術が進んでおりましても、やはりきちっとした中間検査をしないとどうしようもないというのはあなた方よくわかっているんじゃないですか。建設省来ておりますか。こういうふうな問題についてはあなた方どう考えているのですか、この問題については。
  118. 藤尾正行

    政府委員(藤尾正行君) 私は建設省の政務次官でございますが、元来道路等のすべての構築物、国土全体にわたりましてすべてこの建設につきましては一切検査というようなことを、官僚的なことは一切やめる、そうしてすべて国民、業者それぞれの責任においてそれが完全に行なわれる、それが私は理想的だと思う。しかしながら今日の情勢ではなかなかそこまでいかない。いきませんから、やむを得ず、一番危険であると思われる、ただいま申し上げたような高速自動車国道、あるいは首都あるいは阪神あるいは本州四国、こういうふうな特別な、非常に混んで重要だと思われる国道につきましては、これをあえて中間検査をする。そのほかにおきましても、危険であると思われる橋梁あるいは構築物、高架道路というようなものにつきましても中間検査をどうしてもやっていかなければならぬ、かように考えまして、その他につきましては、できるだけそれに勢力を集中すべく、中間検査の煩を避けまして、そうして建設技術者の総力をあげて最も能率的にやりたいというのが今度の改正の趣旨でございます。
  119. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いやどうもわからぬですね。これは、要するに中間検査をやめる範囲というのはどういう範囲なんですか。そうしてどういう範囲は、あなたいま中間検査やるとおっしゃいましたね、それは中間検査をやる範囲はどういう法律によって中間検査をやるときめられておるのか。そうして中間検査をやめるものというのはどういうものをやめるのか、これは具体的におっしゃってみてください。
  120. 藤尾正行

    政府委員(藤尾正行君) 中間検査をやると言っておりまするもとの法律は、これは建設省令でございます。したがいましてこれは政令でございます。検査をいたしまするのは主として構築物を中心にするものでございまして、特段と今日最も交通量の多い高速自動車国道、これを中心にいたしまして、その他高度の技術で、これがひとつ間違いが起こると何が起こるかわからないというような橋梁あるいは特別の高架道路、こういったものに限っておるつもりでございます。一般の道路、これにつきましては、あえて検査するに及ぶまい。それぞれの業者の良心にまかせて、そうしてできるだけのことはやってもらいたい、責任をもってやってもらいたい、こういうことにいたしておるわけであります。
  121. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それはあなた、理解ちょっとおかしいよ。建設省令が基本になっているのは、これは私もわかります。私たちきょうの委員会に出ている問題というのは、要するに建設省令に基づいてできた道路整備特別措置法の一部を改正するわけなんです、きょうの法律では、そうでしょう。あなたはこの内容を、説明した内容を見ますと、日本道路公団等の行なう有料道路ですよ。やはり「有料道路の建設工事については建設大臣または都道府県知事の完成検査及び中間検査を受けることになっているが、単に有料道路ということのみで中間検査を行なう必要がないので、中間検査については当該道路の構造施工方法等から見て特に必要と認める場合のみ行なう」ということは、これは要するにあなたがおっしゃっているような一般の道路と違うんです。やっぱり高速道路なんです。有料道路、そういうふうな、これは現実に阪神高速なんかでも相当問題が起きていますね。なぜああいう問題が起きてきたか。やはり私はいろんな問題があると思うんですよ。私、具体的にきょうはこの問題についてやらないつもりですけれどもね、あまり時間がありませんからやりませんけれども、しかしながらこれは私は中間検査をやめるということは、とてもじゃないけれどもこれは納得できませんよ、こんなんじゃ。やっぱりあなたがさっきから強気でおっしゃっているかしれませんけれども、こんな、これだけ有料道路や高速道路の事故が起きているときに、中間検査をやめるなんというのはよくないですよ。これはまあ納得できるような説明をしてもらわないと、あなたのおっしゃっているようなことは全然私は納得できませんよ。
  122. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 答弁要求しますか。
  123. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ちゃんと答弁してくれ、ちゃんと。
  124. 藤尾正行

    政府委員(藤尾正行君) ただいま私はあなたの御意見だと思いまして伺っておったわけでありますけれども答弁しろということでございますので、あえて答弁さしていただきますけれども、ただいま申し上げましたように、私どもは国で、国家的に重要幹線としております道路公団の行ないます幹線道路あるいは重要指定都市等々の重要道路、こういったものにつきましては残念ながら中間検査をやらざるを得ない。それだけの安全性の確保、それをもって確保していくということをやってまいりたい、やらなきゃならぬ。非常に残念でございまするけれども、これもほんとうを言うと省かしていただきたい、そう思っているのですけれども、やらざるを得ない。その他の一般有料道路におきましても、橋梁あるいは高架道路というような構築物につきましては、これまた同じくこれについての中間検査もいたします。しかしその他の部分、橋梁でない部分あるいは高架でない部分、そういった部分につきましては、これは業者の責任とそうして国民の良識において、そういう中間検査の要らないようなりっぱな心がけをもって工事に当たってもらう。それが当然のことでございますから、私どもといたしましてはその当然のことを当然あらしめて、より能率を高からしめるように指導をしてまいりたいというのが私どもの考えでございます。
  125. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はね、こんな次官だめですよ。大臣、こんな答弁聞きたくないですよ、私は。私はそんなあなたのような、そんな答弁聞きたくないです。大臣でないとだめですよ。委員長、やりません、質問。大臣、こんな、だめですよ、そんな。
  126. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 答弁の要旨をよく調べまして、ほかに郵政大臣もお見えになっていますから、ほかの質問にかえてください。その間にやります。
  127. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そんないいかげんな、だめです、そんな。冗談じゃない。私は初めから大臣要求したんですから、ちゃんと。そんな答弁ないですよ、そんな答弁。失礼じゃないですか、そんな。そんないいかげんな答弁なんてないですよ。
  128. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 検査が必要でないとは言ってないんですからね、すると言っているんです。
  129. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、もうだめです。大臣いないとだめです。休憩を要求します。
  130. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 別な質問に入って、それまでに呼びますから。
  131. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いやだめ、いやだめです。休憩。失礼ですよ、大体。
  132. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 休憩をしないで進めてください。
  133. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は協力するつもりだったんですけれども、だめですよこんな、こんないいかげんな、冗談じゃないです。高速道路で一ぱい事故が起きているじゃないですか、一ぱい。一ぱい起きていて、そんな、冗談じゃないよ。
  134. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 郵政大臣もお見えになっていますから、質問をほかの質問にかえてください。
  135. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 郵政大臣お見えになっていますから、郵政大臣だけ済ませましょう。  郵政大臣、先ほどから郵政省の問題は種々やったわけですけれどもね。それで、いずれにしても、私はこの私たち内閣委員会は、いわゆる電波の問題とかヘルツの問題とか、こういうものは、専門の委員会とは違うわけです。ですから私はこういうような、郵政省の今回の許認可の問題で四件出ていますね。今回四件出ておりますけれども、こういうふうな問題はですね、基本的には私はできたらこれは要するに逓信委員会でやってもらいたい。そうでないと、もう監察局の局長さん、みんなわからぬわけです。専門的にいろんなものが出てきますからね。ですから私、先ほどいろいろ答弁もありました。大体わかりましたけれども、基本的にはやっぱりこれは、こういうふうな問題は逓信委員会でやるべきじゃないかということを大臣に一言、それは今回は法案がこう出ちゃったわけですからやむを得ませんよ。やむを得ませんが、しかしこういうような問題はやっぱりそうすべきだ、そういう考えがあるわけですよ。こんなことはなかろうとは思うんですけれどもね。要するにこの多少許認可法案整理に便乗してきたんじゃないかというにおいもしたものですから、そんなことはないという答弁もありましたよ。さっきありましたけれども、そういうふうな許認可という問題を考えてみても、これは要するにいままで検査をすることになっていたのが、しなくてもいいと、それで要するに電波を受けるだけと、そういうふうに変わっちゃうわけですね。ですから許認可、いわゆる許可認可、報告なんという基本的な考え方から言えば、これは臨調答申の基本的な考え方からいっても、どこにも当てはまらないのがあるわけですよね。そういう点から考えてみても、やはり私はこの問題については、私、逓信委員会でやってもらったほうがいいんじゃないか。そういうことです、基本的なことは。ここら辺の問題について、やはりお話のありましたように、たとえばヘルツの問題にしても、尺貫法をメートル法にかえたときも、現実に単独立法で出てきて、相当議論が行なわれたわけですね。そしてその上で尺貫法がなくなってメートル法になったわけですね。そういうふうな問題もありますので、そうすべきじゃなかったのかということをさっきからお伺いしておったわけです。大臣に多少見解をお伺いしておきたいと思います。
  136. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) 先生の御要請があったにもかかわりませず、私、別の、逓信委員会のほうに出ておったものですから、たいへん出席がおそくなりましたことをまずもっておわび申し上げます。  ただいま先生の御指摘の問題でございますが、実は私、責任者でありながら、ヘルツとかキロサイクルとか、こういう技術的な専門的なことばになりますと、一応わかったような顔をしておりますけれども、しんからわかっちゃいないわけでございまして、やっぱり御趣旨もよくわかるわけでございますから、郵政省並びに国会の場におきまして、十分検討に値するかと思いますので、そういうふうにさしていただきたいと、かように考えております。
  137. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  138. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) それでは速記を始めてください。
  139. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしてもきょう最終日でありますし、時間的制限もありますので、質問を続けますけれども、これは大臣、先ほどから私はその許認可の性格が変わってきたのじゃないかということをずいぶん言っておりますけれども、いま政務次官は、いろいろ中間検査を重要なところはやるのだとはおっしゃっておりますけれども、現在、実際上この道路整備特別措置法できまっているわけですよ、これは。きまっている。やるのなら、このきまっている道路整備特別措置法の中の要するにこういうふうなその中間検査をやめて、完了時だけでいいというような、こういうような法律ほんとうはおかしいわけですよ。おかしいと思うわけですよ、私は。次官が言うように業者を信用できないようじゃどうしようもない。確かにそれはそのとおりだと思うのですよ。そのとおりかもしれませんが、しかしながら、それは何も疑ってかかるわけではないのですが、道路なんというものは、でき上がってしまうとどうしようもないわけですよ。現実に大阪で、私は突っ込んでは、きょうは時間的な問題もありますからやりませんけれども、あなたのほうが行政監察をこの間命じて、大阪の高速道路で一体何カ所欠陥のところがあったのですか。どうなんですか。
  140. 小林寧

    政府委員(小林寧君) 確かに非常に問題がございまして、大阪においては十七、さらにそれに二カ所で十九カ所だと思いましたが、そうしたような工事がございます。したがいまして、中間検査の問題とは別にということではなくて、いわゆる高速道路の建設にあたっては、その設計及び検査、特に竣工検査、その後における点検というものが今後真剣に考えられなきゃいかぬということは、そういうような事例によってもうかがわれます。
  141. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 だからね、大阪の高速道路をちょっとチェックして調べただけでも十何カ所、それだけ問題があるんじゃないですか。総じて問題がある。それを確かに完成検査だけでいいと、それは何も建設省令で定めれば、その中間検査もできないわけじゃない。できないわけじゃない。何ぼでもできる。いままで以上にできるという答弁を衆議院なんかでやっているわけですから。それは確かに省令で定めればいままで以上にできるかもしれません。いままで以上にできるんなら、何もこんな法律を、中間検査をやらなくてもいいなんて法律を改める必要ないんです。ですから、私はこういうふうな問題は、許認可という問題とからみ合わせて考えてみても、行政官庁自身がもっと本気で取り組まないといけないんじゃないか、この問題。そう思うんですよ、大臣。だから、こういうようなもの、許認可——もう一つずつ、私はきょう本気でやり出すと、私はきょうは三時間、四時間やらしてもらいたいということをさんざん言っておったんです。しかしながら、きょうのいろんな法案の問題が、今後あとがつかえている問題があるから、時間を一時間にしぼってくれとさんざん言われたから、もうほんとうに必死になってしぼっても、いまみたいなやり方じゃ私はほんとうにどうしようもないんですよ。こんなんじゃ、とてもじゃないけど、まだまだいろんな問題がありますけれども、これはほんとうにこういうふうな問題についてももう少し突っ込んでやっぱり考えるべきであるし、中間検査をやめるなら、いままでやることになっていてやめるわけですから、その場合はこういうぐあいな手当てをして——中間検査をいままでやっていてやめるんですからね、その場合はこういうふうな手当てをしている。デメリットは出ないようにする。そういうふうな姿勢がなくちゃいかぬでしょう、やっぱり少なくとも。そういうような姿勢が幾らかでも見えれば、われわれはそれは得心ができますよ。ところがそうでないということは、これはわれわれ、この法案を通すための処置なんというのはできないですよ。大臣、どうですか。
  142. 中村寅太

    国務大臣中村寅太君) 御指摘になりましたような弊害等が起こらないように、将来の問題としては監察等をやり、いろいろ注意をしてまいりたいと思いますが、基本的には、建設省とよく相談をしました結果、大体この道路建設技術等が進んでおりまする段階で、この程度のところはもう中間検査を省いても安全性が保たれるであろうという確信のもとにこの法案を出しているのでございますから、その点はひとつ御理解願いたいと思います。
  143. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はあと大臣が来てから質問をすることにしまして、あと岩間さんに譲ります。
  144. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はまあ非常に簡単な問題を聞くわけです。時間のこれはひとつある程度の制限があるようですから、きょうはもうあと何時間もないのですが、ここに請願文書表というのが出ているわけです。これは六十八国の文書表。その中をこう開いていきますと、これは私が紹介議員になって出しておる請願が相当あるわけです。たとえば二一四六号、これは千葉県の市川から出された。それで「東京外郭環状一号線道路建設計画の抜本的再検討に関する請願」、同じようにこれはずっと幾つか出ているわけですね。そこで、この請願に対するわれわれの立場からいいますというと、こういうものを——きょうはもう六十八国会の最終日でもありますから、そうしてしかもこの問題は非常にやはり道路行政と深い関係を持っているものですから、お聞きをしたい。  それで、三月の十六日の建設委員会、これは課長も出ておられますか、参議院の。
  145. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 出ておりません。
  146. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうことになるから食い違いがあるんですよ。  そこでわが党の春日議員が、これは質問をしているわけです。これは速記録は、まさか、これもお読みになっているかどうかわかりませんが、この点で、こういうような問題を聞いているわけですね。  現在、まあ御承知のように千葉と埼玉の環状線の問題で、ここではどうもこの計画そのものについて根本的に検討してもらいたい、抜本的に再検討してもらいたい、こういう問題があることは、これは御承知だと思うのです。それに対して、地元の人のこのような実情を無視してごり押しはしない。さらに、地元に反対が非常に多い場合には、これは工事を強行しませんと、こういう答弁をこの三月の建設委員会で道路局長が答えている。正確に言いますというと、「地元の人が反対すれば、いたしません。」こういうふうにはっきり答弁しておるのでありますが、この点は確認してようございますか。
  147. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 三月十六日の春日委員から質問がありました点について、道路局長がそのように答えていることは私も承知しております。確認してけっこうでございます。
  148. 岩間正男

    ○岩間正男君 次官にもお伺いしておきますが、ようございますか。
  149. 藤尾正行

    政府委員(藤尾正行君) よろしゅうございます。
  150. 岩間正男

    ○岩間正男君 そこで私はお聞きしますが、この外郭環状道路をつくるという構想は、これはいつごろできたものなんですか。
  151. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 御承知のように東京の都内に入ります交通が非常にふくそうしております。特に千葉県、それから埼玉県を含む東京の東側の部分は環状道路が整備されておりませんので、非常に込んでおります。したがって、そこに環状道路が必要であるということは相当前の時期からいわれまして、調査を続けておりました。その調査の結果、やはりここに外郭環状道路が必要であるということで、昭和四十一年から四十四年にかけましてこの外郭環状道路の計画決定をやっております。特に東側のほうにつきましては、四十三年、四十四年ごろに都市計画決定をしております。したがって、相当前から計画があり、都市計画決定が四十三年、四十四年になされておるということでございます。
  152. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、決定したのは四十四年ということはわれわれも知っておるのです。しかし、この構想を立てて、しばらくこれはあたためられたわけですね。それで、しかもこれは審議会の決定を経てさらに最後的決定をしたと、こういうことになっていますが、しかしまあ審議会では何もこれは横やりが入らなかったわけです。その構想を最初に企画して立てたのは、これは三十八、九年ごろと聞いておりますが、違いございませんか。
  153. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 当初の計画調査段階にいろいろございますが、発想はそのぐらいからあったというふうに聞いております。
  154. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、大体いまから八、九年前のこれは構想なんですね。もう十年になんなんとしようとしているわけですね。大体、どうです、東京近郊の都市の様相というものは、十年たてば一体どのような変化を起こすか、こういう調査はこれはお持ちになっているかどうか知りませんけれども、たいへんなことだと思うのですけれども、最近これはどうですか、この外郭環状線をめぐってのこの十年間の推移というものは、どういうふうにこれはおつかみになっていらっしゃいますか。
  155. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 最近のこの十年間ぐらいの間に交通が異常にふくそうしておりますことは周知のことでございます。したがいまして、交通のふくそうも事実であり、それからこの十年間に東京の近郊に相当住宅が出、その辺の地形あるいは環境等が変わっていることは事実でございます。
  156. 岩間正男

    ○岩間正男君 相当などというものですか、これ。十年間ここの東京近郊の変貌を相当などというこういうことばであらわせますか。日本のこれは国語の意味からいったって、相当なんというものですか、これは。どうですか。
  157. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) 相当という使い方でございますけれども、実はもし、この外環についての、限ってのお話であれば、この中で相当進んだところもあれば、いまだにまだ人家のついてないところもありますので、私は全般的なお話と申し上げたので相当と、場所的には人家のやはり数のふえたところもありますし、全然ふえてないところもございます。
  158. 岩間正男

    ○岩間正男君 たとえばこれは市川市の場合です。これは私らの調査では、昭和四十年の十月、この国調によりますというと、約二十万八千人だと、人口。ところが四十七年一月に調べてみますというと、二十七万三千人、まあ市川は相当にこれはふえております。実際行って見てそう思います。ところが市川なんかよりもっとこれはふえているところがあるわけですね。これは私は東京近郊の世田谷に住んでおりますけれども、この周辺、ことに環状線の通っている狛江周辺なんていうのはこれはたいへんなことです。いままでの全く村落に過ぎなかった、十年前村落に過ぎなかった、そういうところが、いまは市に発展してきている。狛江、調布なんというところはこれは膨大なものですね。そうしますというと、これはまあこの計画というものは、この現状に合うということになっておるのですか、どうなんですか。
  159. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) これは調査は確かに三十七、八年ごろから、そういう計画なり、始めましたけれども計画決定をいたしましたのは四十三年、四十四年でございますので、その計画決定の時点では、やはりここしかルートはないということで、これは年々ふえてはまいりますけれども調査のほうも続けておりますので、そういう状況を把握した上で、都市計画決定をしたものでございます。
  160. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあそういうことを聞いてないわけです。つまり実情に合っているかどうかということを聞いているわけなんです。つまり追っかけるような調査、合理化するような調査では何にもならぬです。しかもまあそういう変動の部分を含めて四十四年に決定したのだと、こういうことを言っておりますけれども、これは原案を見てもらえばはっきりすると思うのですけれども、こういうものは、ほんとうにこういう要素が全部織り込みになっているかというと、そういうふうになっていない。だからいつでも最初の計画というものがあとになってずれてしまって、そうして非常に矛盾なんです。道路をつくるけれども、もう二、三年で使いものにならないというようなそういう事態が起こってくるのです。つまり科学的な調査がないわけです。科学的に十年後というものを想定して、それによってどういうこれは動態になるか、そういう事態をつかんで、はっきり織り込んだこのようなものによって、これが計画がなされていない、そういう点がこれはあるわけです。そういう点からお聞きしているわけなんですけれども、これはたいへんにこの状態は変わってきているのですね。そこでどうなんですか、反対があれば工事をしません、こういう答弁なんですが、これはまあ一応確認しておくとして、現状から考えれば、非常にものすごい変化があるのですから、この変化というものは単に量だけの変化じゃないのです。質的な変化が非常に起こってきておるわけですね。したがって、これに対して再検討する必要があるんじゃないかと思うんですが、こういうことはいかがですか。
  161. 菊池三男

    説明員(菊池三男君) ただいま再検討というお話がございましたけれども、再検討の内容でございますが、たとえばいろんな構造的な問題等につきましては、これはやはりなるべく地元に迷惑のかからないような道路にする、なるべく公害の影響のない道路にするというようなことに対しましていろいろ検討することはございます。ただ、もし先生の言われますことがルートを変更するという意味の再検討ということであるとすれば、これは都市計画決定してやっておる道路でございます。しかも、先ほどから何回も申し上げますように、四十三年、四十四年にきめた道路でございますので、特にいまこのルートを、ルートそのものの位置の再検討ということであれば、再検討はむずかしいと思います。
  162. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ちょっと速記をとめてください。   〔午後四時四十分速記中止〕   〔午後五時二分速記開始〕
  163. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 速記を始めてください。
  164. 岩間正男

    ○岩間正男君 実は大臣のおいでにならない間に、東京外郭の環状線道路の問題についてお伺いをしてたわけです。  第一に、まず、請願が非常に出されているんですが、この前、これは大臣も御承知だと思いますが、三月十六日の建設委員会でわが党の春日委員が、この環状線、ことにまあ千葉、埼玉——東京のほうはこれはすでにもう凍結してると、いままでの計画を。そうして抜本的に検討してると、こういう状態なんですが、千葉、埼玉のほうでもそれをやってほしいと、こういう要求が出ているわけです。で、とにかく地元で非常にこの道路、環状線が実情にふさわしくない、生活環境を破壊すると、そういうことで非常に反対が起こってる。反対がある場合には工事には着手しませんという、そういう答弁を道路局長がしているわけです。あなたが答弁している、それは事実でしょう。
  165. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) ええ。
  166. 岩間正男

    ○岩間正男君 そこで私は、この環境はもうものすごく変わっている。ことに、この計画が決定されたのは最初、まあ四十四年ということになってますけれども、実際この計画を始めたのはいまから七、八年前になっているわけですね。そういうことになると、八年間の環境の変化というのはたいへんなことなんです。人口の激増、それからそれに伴うところの学校、あるいは団地、そういうことが、このままの計画がそのまま遂行されればたいへんなことになる。それに対してここに膨大な請願が来ているわけです。これを抜本的に再検討してほしい。単に反対があれば工事をやめますと、こういうことだけじゃこれは足らぬと。で、当然私は、東京のほうはこれはすでに抜本的に検討するということで凍結をして、この環状線の工事は現在これは凍結になっているわけです。そうすれば、東京でできたことが当然、これは千葉あるいは埼玉というのはほとんど条件は同じですわね、そういうことですから、やはり千葉、埼玉のほうも凍結すべきだと、こういうふうに考えるわけです。再検討するお考えがありますかどうか、その点をお聞きしてるわけです。で、非常に時間がないわけですから、色よい返事をいただけばこんな、あんまりやりませんよ。
  167. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 御指摘の東京外郭環状線につきましては、すでに昭和四十一年から都市計画決定いたしております。これは御承知のように東京の外側を回ります環状線でございまして、高速自動車国道がすべてこの外環をスタートすることになっております。従来国道と申しますと日本橋を起点としておりましたが、高速自動車国道は外側を起点とする——リングを起点とするような計画になっておるわけでございます。まあ東京都内の交通、ただいまごらんのようなたいへんな混雑でございますが、この外郭環状線をつくることが最良な手段ということで、建設省は二年ほど前からこの工事に着手したわけでございます。  ただいま御指摘の区間は主として市川、松戸付近の東側になるわけでございますが、ここにおきましては、ただいま、地元と協議に入る段階反対を受けているわけでございますけれども、われわれといたしましては、この道路につきましてはすでに数年来十分な調査をいたしまして、すでに都市計画決定までされておりますので、地元住民の意思も反映されているというふうに判断しております。したがいまして、この事業につきましては、たとえば付近の方々に迷惑を与えないような構造に、たとえば掘り割り方式を使うとか、あるいは地下にもぐらせるとかいうふうな方法があろうかと思いますが、そういう工法における検討は十分いたしますが、ルートについてこれを変更することは考えておりません。  なお、先ほど御指摘のように、先回の国会におきましても答弁しましたように、地元の人たちが納得いくまでは着工しないことは、約束いたします。
  168. 岩間正男

    ○岩間正男君 大体これは計画を発表するまでは秘密にしておいた。そうして計画ができて決定してから一年後に、それは地域の人にこれを発表したということですから、実際はわからなかった。だから、その要望をくみ入れて計画がなされたかというと、そういうことじゃなかったわけでしょう。しかも、事情はものすごく変わっている。人口の動態について、先ほどたとえば市川について話がありましたが、昭和四十年から四十七年までの約七年間でこれは七万も人口がふえているわけですね。そういうことですから、当然これはこの沿線の学校の問題、これ一つ見ましても、これはたとえば学校について、お調べになったと思いますが、時間がないそうですから端的でいいですよ、むだ肉は要らぬ、大体どのくらいですか、それだけ言ってください。
  169. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) ただいま手元に資料がございませんが、十二、三学校かと思います、近くを通るのは。
  170. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは幼稚園が大体四園、それから小学校が六校、それから中学校が一校、高校が一校、大学等が二校ある。ほかに病院もあります。そうすると、十一キロメートルのその地域にこれは十四校の学校があるのであります。この騒音なんか、これは調査されましたか。これについてどうですか。
  171. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 騒音等についても調査しております。
  172. 岩間正男

    ○岩間正男君 どういうことです、調査の結果。これは持ってきておりませんか。
  173. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) ただいま手元に資料を持ってきておりません。
  174. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはあとで出していただいてもいいが、われわれの聞いたところでは、時間交通量が五千三百台、それから平均走行時速が六十キロ、こういう場合に、十メートルの地帯では七十五ホン、二十五メートルでは七十二ホン、五十メートルでは六十八ホン、百メートルでは六十四ホンと、そうして百十メートルのところで窓を開いて六十六ホン、閉ざしても五十九ホン、こういうことですから、これは学校のやはり授業には非常に差しつかえが出てくるわけですね。そのほかに団地もある。これは市川あたりの周辺の状態というのは、これは刻々に変わっている。そうすると、このごろの東京の変化というのはすごいでしょう、近郊の。とにかく五年——五年とありませんよ、三年して行って見たらまるで変わっている。いままでのたんぼのところが全くこれは団地ができ、そうして住宅街ができ、それに付属したところのなにがみな出るわけでしょう。そうすると、そこのところを七、八年前の構想でやられたのでは、全然その当時の環境とはまるで変わっているのであります。そうすると、道路というものの一体文化的価値というのはどういうことになるのか。結局はこれは自動車を持っている人の便利というようなことになるのだが、地域住民の生活環境というのはこれはどういうことになるのか。この騒音公害一つとってみても、これについてはやはりどうしてもこれは再検討する必要があると思うのですが、これは大臣にこの所見を伺いたい。どうです、これ。もうきめた、そういうものだからあくまでこれはやらないんだ、そうしてそれは至上命令だ、こういうことでは、何のために道路をつくるかわからない。結局はそのために公害というものがたいへん多くなるわけですね。いかがでしょう。
  175. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 岩間さん、せっかくいろいろなお尋ねでございます。当該道路につきましては道路局長からお話ししましたが、私はいま高速道路をつくります建設省の基本姿勢でございます。まあたいへんわれわれも公害あるいは環境その他を考えなければならぬようになりました。非常にむずかしいところ、立場でございます。しかし、私は現地の指導につきましても、これは少し金がかかっても、あるいは時期が少しおくれても、模型等をつくって十分に住民の了解を経るようにやってもらいたいという指導をいたしておるのでございます。道路は道路の必要があって道路をやっぱりつくるのでございますから、これも国民のためでございます。その間の調和をとることにつきまして、建設省の道路担当者も十分従来の姿勢と違ったような考慮をいたしておるのが現状でございまするから、岩間さんどうぞそういうことにつきまして、希望のあるところはわれわれも十分取り入れてやりますから、その辺で御了承賜わりたい。当該道路につきましてはいま道路局長が言ったような次第でございます。姿勢としては十分気をつける、注意するということで御了承賜わりたいと思っております。
  176. 岩間正男

    ○岩間正男君 構造を変える、そういうことだけで救済されない問題があるわけですね。だからこういうような反対が起こっているんです。私は、東京は凍結して抜本的再検討をやっている。なぜ一体、埼玉、それから市川というのはほとんどこれに準ずるような、そういう近郊のところですね。それはやらないのか、そこのところがどうもはっきりしないのです。だからもっとやはり基本的に検討すべきだ、こういうふうに思うんですが、この点もう一度お伺いします。
  177. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) それはあれです、やはり計画、都市計画決定して——建設省だけが好きだからここをこうするんだということではございません。十分都市計画決定して、その都市計画の決定にはいろいろ手続を踏んで、そうしてそれがよかろうということによってわれわれはやる立場をとっておるのでございますが、決して建設省だけで独善でここに道路をつくる、そういう横着なことはできるはずはございませんから、また、やることにつきましては最前申しましたように私は模型等は十分つくらせております。それで十分見せて、公開にして、そうしてあくまで皆さん方の了解を得てやる、こういう姿勢をとっておりまするから、どうぞひとつ御了承賜わりたいと思います。
  178. 岩間正男

    ○岩間正男君 東京は凍結してやっておるのですよ。そうして千葉とあれができないというのは納得しかねるのです。それから、もっとやはり基本的に、何のための一体道路計画なのか、この点がもうほんとうに地域住民の要望から離れてそうして独走しては困るんですから、ほんとうに独走になってしまう。この点についてはやはり再検討すべき、そういう全体の政治姿勢の私は問題でもあると思うんですから、特に大臣の出席を要求したわけです。お答えなければ、しかし私は納得しないということを申し添えて、私の質問を一応これで終わっておきます。
  179. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 峯山君、保留質問……。
  180. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣たいへんお忙しいところ来ていただいたのですけれども、今回の許認可の中で大臣担当の道路整備特別措置法の一部を改正する法律案が出ているわけです。この中で、有料道路の工事の検査という項目がありまして、大臣御存じのとおり、いわゆる原則的には有料道路の建設工事では中間検査をなくして、そうしてそのほか、なくするかわりといっては何ですけれども、二項目に、いわゆる建設省令で定められるものは省令で定めて特別に検査をする、こういうような法令の改正をしているわけですね。これはやっぱり私たち先ほどから種々問題にしているわけです。建設のいわゆる中間検査をなぜやめるのか。やっぱり中間検査というのはきちっとやったほうがいいんじゃないか。特に現実に有料道路あるいは高速道路の現在何と言うか、走っている人たちの事故もありますけれども、道が非常にいたみが激しいとか、特に、私大阪ですけれども、大阪では、阪神高速道路の工事が非常にずさんだったのかどうかわかりません。あとの運用が悪かったのかもわかりませんけれども、十数カ所にわたってひび割れがきたりいろいろな問題が起きていますね。そういうような観点から考えてみても、私たちはやはり中間検査というものは知るべきじゃないか、要するにこの法律で定めたぐらいでいいのじゃないか、そういうぐあいに考えておったわけです、私たちは。それが今度は中間検査をなくして建設省令で定めるということでありますけれども、先ほど次官から、建設省令でたいへんな道路はみなやるのだ、中間検査を。けれども私が次官の答弁で納得のできないことは、要するに中間検査をやるなんということは、こんな恥ずかしいことはないのだ、要するに信用できないような建設業者は、要するにそういう業者に請負わせることもいかぬし、業者を全面的に信用すべきなんだ、そういうふうな意味答弁がちょっとありましたけれども、私はそういうふうなことは見当違いでありまして、やはり現在も法律で中間検査をやるということはきまっておったわけでありますから、いろいろな事情で、私は、中間検査はやらなくても建設省令で定めるものだけやることになったのですけれども、やはりいままでの事情もありますから、やはりそういうふうなデメリットなんか出ないようにちゃんとチェックすべきじゃないか、こういうふうに思うのですよ。こういうような意味答弁をしました。中間検査なんてやらないほうがいいのだというような非常にきびしい姿勢で答弁がありましたので、そこら辺から少し雲ゆきがおかしくなってきたのでありますが、大臣の御見解を最後にお伺いして私の質問を終わるわけですけれども、そこら辺のところの見解はどうなんですか。
  181. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) 土木各工事も大分技術が進んできましたし、また、工事を早く進めるといった上におきましていろいろな手続きを省こうじゃないかということは建設省でも議論されておりまするが、まあ、中間検査、やはりその場合場合によって考えなければならぬことはあると思います。現にあなたがおっしゃいましたように、大阪におきましてはああいう高速道路のまことに申しわけないようなことをいたしておるのでございます。中間検査やったらどう、やらないからどうということじゃございません。したがって私は、中間検査の要らないように相当技術も発達してきたということで、手数を省きたいということもございますけれども、一がいにはそうはいかないというふうに私は考える次第でございますが、実際そういうふうな答弁しか私はできないわけですが……。
  182. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣、私もこれ以上質問しましても済みませんから、やはり大臣、中間検査ということはやはり私は大事だと思うのですよ。確かに技術がいろいろ発達してきましても、やはり法律の上で中間検査をするということになっておりますと、受けるほうもやはり中間検査を受けるのだという、そういう気がまえがありますし、するほうも、手間がかかりますけれども、きちっとできる。しかし、いまいろいろ聞いておりますと、必要なところだけいままで以上にやるようなことを言っていますけれども、要するにあとは随時できるような形になるわけですよ。そうなんですよ。それはそれでいいのかも知れませんけれども、それじゃいままでやってきたのは何のためにやってきたのだということになるわけですから、ですから、そういう意味ではやはりこういう問題は、今後やはり中間検査を中止したことによってデメリットが出ないように、そういうふうなカバーはやはり建設省としても真剣に考えていかなきゃいけないんじゃないか。私はわかっているんですよ、いろんなこと。わかっているんですけれども、要するにそういうふうな、これを中止したことによってかえってまずい点が出てきたりしないように、やっぱり建設省としても心がけていかなきゃいけないんじゃないかということを言っているわけなんですよ。
  183. 西村英一

    国務大臣(西村英一君) わかりました、御質問の趣旨、お尋ねが。私は中間検査のその必要がないなんていうことは絶対考えません。それは中間検査を、ちゃんと技術とそれからあれがあれば、それは念には念を入れたほうがいいわけでございます。しかし、一方私が言いましたように、技術も発達したし、場合によってはそういうことを省略してもいいんじゃないかというようなことが昔と違ってだんだん起こりつつあったということで、中間検査が必要がないなんていうことは絶対私は考えておりません。でき得ればそれだけの手間とそれだけの努力をするということは、それは非常に必要なことでございます。一方、またその必要性もほかにありますから、この辺はひとつ十分注意をしてやらなくちゃならぬことは当然でございます。最近の道路の事故も間々あるわけでございます。大阪においては特に最近ありましたので、十分注意をして対処したいと、かように思っている次第でございますから、どうぞ御了承を賜わりたいと思います。
  184. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認め、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。  許可認可等整理に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  185. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  187. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。趣旨説明を聴取いたします。廣瀬郵政大臣
  188. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま議題となりました郵政省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、郵政省の地方管理組織の適正化をはかるための改正であります。  東京都に置かれている地方郵政局は、全国十カ所に置かれている地方郵政局のうち最大の規模を有し、膨大な業務量のため一郵政局としての管理能力の限界を越えておりますので、これに対処するため、東京都に地方郵政局を一局増置して、首都圏における郵政事業の整備充実をはかり、事業サービスの向上に万全を期そうとするものであります。  以上がこの法律案提出いたしました理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  189. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 本案の審査は後刻に譲りたいと存じます。     —————————————
  190. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。趣旨説明を聴取いたします。赤城農林大臣
  191. 赤城宗徳

    国務大臣(赤城宗徳君) 農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  わが国の農業及び農政は、最近の内外の諸情勢の激しい変化の中にあって、種々の重要な課題に当面しております。  すなわち、内には高度化、多様化しつつある国民食糧需要の変化に対応し、農業生産をこれに適合させ、食料需給のバランスをとるよう農業生産の再編成を急速に進める必要がありますし、食料品の価格安定等に対する国民全般の強い要請にかんがみまして、農畜水産物の流通及び消費者保護に関する行政を強力に推進することが一段と必要となっております。また、外には、経済の国際化の進展等に対応して、わが国農業の構造改善をさらに一そう推進し、わが国農業の国際競争裏において競争できるような近代的な農業として確立することを目途として、その体質の改善をはかることが基本的に重要となっているのであります。  このような農政上の重要課題に積極的に対応するためには、構造、生産、流通、価格等の各般にわたる施策をさらに強力に推進し、今後の農政の方向に即応することができるよう、農林省の体制を一新する機構改正を行なうことが必要であり、この法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案のおもなる内容について御説明申し上げます。  第一は、農林省の任務の明確化であります。  国民食糧の安定的供給につきましては、従来から農林省がその当然の任務として必要な施策を講じてきたところでありますが、このたびの機構改正の機会に、国民食糧の安定的供給をはかることを農林省の任務として法文上明らかにすることとしております。  第二は、農林本省の内部組織について再編整備を行なうことであります。  さきに述べました今回の機構改正の趣旨に即しまして、農林経済局、農政局、農地局及び蚕糸園芸局を再編して、構造改善局、農蚕園芸局及び食品流通局を新設するとともに、農林経済局の所掌事務の整備を行なうこととしております。以下、その概略を申し上げます。  まず、構造改善局の新設は、わが国農業の体質の改善をはかるための構造改善諸施策を強力に推進するため、現在の農政局の構造政策担当部門と農地局の農地制度及び農業基盤整備担当部門とを統合するものであります。なお、この局には次長を置くこととしております。  農蚕園芸局の新設は、需要に即した農業生産の再編成をはかる施策をさらに一そう推進するため、現在の農政局及び蚕糸園芸局の農産、蚕糸、園芸、普及等の主として生産改善に関する施策を担当する部門を統合するものであります。  食品流通局の新設は、野菜について生産から消費に至るまで一貫した施策を推進するとともに、生鮮食料品等の価格流通対策、物価対策、消費者保護等の諸施策の総合的かつ効果的な推進をはかるため、食品流通行政についてこれを総括する局を設けるものであります。  農林経済局につきましては、金融、税制、農業保険及び農業団体に関する行政相互間における緊密な連繋をはかるとともに、国際関係の施策を強力に推進するため、その体制を整備するものであります。  また、農林経済局統計調査部につきましては、農林畜水産物の生産、流通、価格等に関する情報関係事務の強化をはかることとし、その名称を統計情報部に改めることとしております。  第三は、農林省の地方組織を整備することであります。  地方組織につきましても、本省の組織改正に対応して地方農政局の組織及び所掌事務を整備するほか、食糧事務所につきましては、新たに本省の野菜等の生産流通に関する事務を分掌させることができることとしております。また、輸出品検査所を農林規格検査所に改組することといたしております。  第四は、試験研究機関の整備拡充をはかることであります。  野菜に関する施策及び食品の加工流通に関する施策の拡充強化の一環として、これらに関する試験研究についてもその体制を整備することとし、このため、野菜試験場を新設するとともに、園芸試験場を果樹試験場に、食糧研究所を食品総合研究所にそれぞれ改組することといたしております。  最後に、林野庁の機構改正について申し上げます。  最近におけるわが国の森林・林業をめぐる情勢は、森林の公益的機能に対する国民的要請が急速に高まる一方、林業生産が停滞し、これに伴い外材の輸入が増大する等きわめてきびしいものとなっております。このような情勢に対処して、造林、林道及び治山に関する施策の推進、国有林野事業の改善その他民有林及び国有林を通じての新たな施策の展開をはかるため、林野庁の内部組織の整備をはかることとし、林野庁に次長を置くとともに、職員部と業務部を統合して国有林部を設けることとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその主要な内容であります。何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  192. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 続いて、衆議院の修正部分について説明を聴取いたします。衆議院議員加藤陽三君。
  193. 加藤陽三

    衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました農林省設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  御承知のとおり、今回の機構改正により林野庁の所掌事務が整備されることとなっておりますので、これとの関係から、沖繩開発庁沖繩総合事務局が分掌することとしている林野庁関係事務についても、その関係条文を整理することが適当であると考えまして、附則において、沖繩開発庁設置法の一部を改正し、所要の整理を行なった次第であります。  以上が修正の趣旨であります。
  194. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 本案の審査は後刻に譲りたいと存じます。     —————————————
  195. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。塚原労働大臣
  196. 塚原俊郎

    国務大臣(塚原俊郎君) ただいま議題となりました労働省設置法の一部を改正する法律案の提案理由とその概要を御説明申し上げます。  わが国の経済、社会はますます多様化、高度化の度を深めてきており、これに対応して労働行政組織を充実することが必要であり、この趣旨に沿いまして今回の改正を行なうものであります。  改正の第一点は、大臣官房の労働統計調査部を統計情報部に改組することであります。  最近における経済社会の急速な変化に対応して、労使はもとより国民一般からも労働に関する的確な諸情報に対する需要が一段と強まっております。このような要請にこたえるには、従来行なってまいりました統計調査実施及びその結果の提供だけでなく、新しい需要に応ずる的確な情報を開発するため、データの収集、整備、解析等を電子計算機を活用して迅速に行ない、適時適切な情報を提供する業務を充実強化する必要があります。このため、労働統計調査部を統計情報部に改組して、これらの業務を一層強力に推進しようとするものであります。  改正の第二点は、大臣官房の雇用促進事業団監理官を廃止することであります。  これは、同監理官が所掌する事務に加えて、本年四月一日から実施される労災保険と失業保険の保険料の徴収事務の一元化に関する事務その他の重要事項を総括整理する職として、政令で大臣官房審議官を置くこととしたため、この監理官を廃止するものであります。  改正の第三点は、労働基準局に福祉部を設置することであります。  最近におけるわが国の経済社会の発展の過程で、ゆとりのある生活、快適な生活環境等人間性回復に対する労働者の欲求が高まりつつあり、これらの欲求を実現するための政策的対応が切望されております。現在、労働省においては、各局おのおの個別の行政分野の側面からこれに対処しているところであります。しかしながら、このような最近における労働者の多様な欲求に対応して、幅広く、かつ、積極的に、労働者の福祉向上のための施策の展開をはかる組織体制を作る必要があります。このため、労働基準局の賃金部を改組して福祉部を設置し、将来における勤労者生活についての総合的なビジョンの策定をはじめ、週休二日制など一般的な労働時間や賃金の問題、定年制、退職金、勤労者財産形成など労働者の福祉の増進に関する施策を推進しようとするものであります。  以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  197. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 続いて、衆議院の修正部分について説明を聴取いたします。衆議院議員加藤陽三君。
  198. 加藤陽三

    衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました労働省設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  原案では、労働基準局の賃金部を改組して福祉部を設置することにしていたのでありますが、最低賃金をはじめとする賃金行政の重要性にかんがみ、この福祉部を賃金福祉部に改め、同部に最低賃金、家内労働等に関する事務をも行なわせることとし、昭和四十七年四月一日としている施行期日を、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することに改めた次第であります。  以上が修正の趣旨であります。
  199. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 本案の審査は後刻に譲りたいと存じます。     —————————————
  200. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。丹羽運輸大臣
  201. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  航空交通の安全の確保は、現下緊急の国民的要請でありますが、この要請にこたえ、かつ、航空輸送の飛躍的発展に対処するため、航空保安に関する組織の強化をはかることが、今回の改正の趣旨でございます。  次に、改正案の内容について御説明申し上げます。  第一に、航空局に管制保安部を置くことであります。  航空交通の安全を確保するためには、航空保安施設の整備、航空保安要員の確保とあわせて航空保安を担当する組織を強化することが必要であります。このため、航空交通管制、航空保安施設の設置管理、航空通信施設の運用等の航空保安業務を担当する管制保安部を置くこととするものであります。  第二に、航空局に次長一人を置くことであります。  航空局は、今回の改正案により四部二官十八課から構成されることとなり、その事務は、航空保安業務をはじめとして近年急激に増大しており、かつ、複雑多岐にわたっていることにかんがみ、局務を統括整理する次長を置くこととするものであります。  このほか、都市交通に関する基本的な計画については、昭和四十七年四月以後運輸政策審議会で審議することとされていることに伴い、都市交通審議会に関する規定を整理するものであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  202. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 続いて、衆議院の修正部分について説明を聴取いたします。衆議院議員加藤陽三君。
  203. 加藤陽三

    衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府原案では、船舶技術研究所大阪支所の位置の変更等に関する改正規定を除き、昭和四十七年四月一日から施行することとしておりましたが、衆議院における議決の時期がすでにその日を経過しておりましたので、これを公布の日から施行することに改めた次第であります。  以上が修正の趣旨であります。
  204. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 本案の審査は後刻に譲りたいと存じます。  暫時休憩いたします。    午後五時四十一分休憩      —————・—————    午後六時四十四分開会
  205. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次発言を願います。
  206. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは二、三質問したいと思います。  先日の内閣委員会で、大臣、四次防の問題がずいぶん出てまいりました。その四次防の策定につきまして、同僚議員の質問に答えまして、大臣は、七月中に決着をつけると、そういうふうな話が出たように記憶をいたしておりますのですが、これはどういうことなのか。実際問題、今回の常会の会期もきょうあとわずかで終わりなんですが、佐藤内閣は新総理大臣ができるまでは続くわけでありまして、そこら辺のところもありまするけれども、これはどういうことになっておるのか、そこら辺のところをお伺いしたいと思います。
  207. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 四次防の策定につきましては、先ごろ上田議員からの質問がございましたので、率直に申し上げたわけであります。それは、いずれこの会期が終わりますると、最も近い機会に国防会議議員懇談会を開きまして、凍結になっておる仕儀もありまするし、また大綱を決定したというような経緯もありまするので、この四次防を一体どうするのかということをこの国防会議議員懇談会でやはりきめるべきだというふうに考えております。経済企画庁長官その他から経済の見通しはまだ立たない、どうしてもだめだというような話があれば、これはどうも、従来の経緯から見まして、にわかに策定できるものではないと思います。ただ問題が問題だけに、できればということを申し上げたわけです。そして、私あのとき申し上げましたのは、君はどう考えるかと言われれば、私はなるべくすみやかにきめていただきたいということをその場で発言するつもりです、というようなニュアンスで御答弁を申し上げたわけであります。しかし、これはあくまで願望でありまして、周囲の情勢等々が、かりに最も近い機会に総理が勇退をするというようなことになりますと、次の総裁選びなどというようなことで、非常にこれはいろいろ動きが同じ政府与党において激しくなる。そうなりますと、はたしてどういうものであろうかという疑問は残るわけでありまするが、いずれにしろ、この問題は延ばすにしろ、策定にきめるにしろ、これはやはり、国防会議議員懇談会の議を経て決着をつけるべきである、一総理大臣が、幾ら総理といえども、これは延ばすとか、これはやめておこうとか軽々に扱う問題ではないと、こういうことを申し上げたわけであります。
  208. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣のおっしゃる趣旨はよくわかりますけれども、実際問題として、大臣があのことを発表になりましてから、相当議論が行なわれていますね。そこで、もうちょっと突っ込んでちょっとお伺いしておきたいのですが、これから四次防が正式に決定をして、われわれの目の前にきちっとした四次防の計画が詳細に出てくるのはこれからどういうふうな手続を経て出てくるのか、そこら辺のところを一ぺんお伺いしておきたいと思います。
  209. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 時期はもっぱら政府の御決定になることだと思いますが、私ども事務的な検討といたしましては、なるべく早い時期に防衛庁内部の検討を済ませなければなりません。その上で、大蔵省あるいは国防会議事務局というようなところで検討していただくわけでありますが、それの結果、途中の段階では、この前の経緯もありますので、私どもとしては発表するつもりはございません。そして国防会議で決定をされ、閣議で決定いたしますれば、その段階で発表をされます。ただし、いま発表といいますか、国防会議及び閣議で決定されまする内容といいまするのは、主要項目の内容ということでありますので、通常で申せば、たとえば航空機、艦艇などの品目と数量が出ます。それから通常ならば、またそこへ総額の経費が入る、そういうものだけであります。したがいまして、問題は、そういった数量的なものだけで、中身の説明をどうするか、これは一応四次防の大綱ということで、三次防の延長としての性格づけがなされておりますが、必ずしも説明が十分でないかもしれません。そういったものをどういうふうにするか、これは、私どもとしましては、いずれできるであろう防衛白書の中では十分に説明したいと思っておりますが、そういう点に少しまだきまっておらない模様がございます。
  210. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、これは、長官はできるだけ早く国防会議等で決定をしてもらいたいという希望が、願望があるわけですね。しかも、大臣の個人的な考えとはいえ、一応七月中には何とかというような考えがこの間あったわけですね。ということは、いまの手続の順序からいきますと、これは要するに防衛庁内部としては、防衛庁の考えとしては、もうすでに四次防の詳細について、防衛庁の中では決定しているものかどうか、そこらのところどうですか。
  211. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これはまだ決定を見ておりません。したがって、やってやれないものではありませんが、まあ相当困難が伴うことはこれは事実です。  それから必ずしも、まあ何といいますか、佐藤総理が七月末であるのか八月にかかるのか、その辺が、きょうの皆さんの審議のぐあいなどからみ合わせながら、何か総理も深刻に考えておるといううわさもありまするので、まあそれやこれや、そういうことを考え合わせて、われわれ防衛庁としては、ひとつできるだけ早い機会に決着をつけてもらいたいものだと、こういう願望を持っておることを率直に申し上げたわけでありまして、閣僚間に意思統一がなされぬものを無理にどうしようといっても、これはまあちょっと事の性質上そういうわけにもまいらぬかと思っております。しかし、いずれにしろ、これは国会が終わりましたら、二十日とか二十三日とか閣議がありますから、そういうなるべく早い時点で、一応関係議員の懇談会は開いてみたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
  212. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 どうも何回も同じようなことを聞いて申しわけないんですけれども、先ほどの久保局長答弁ですと、防衛庁の原案ができる、そうするとその次にこれは国防会議ですか、国防会議がきまってから大蔵省とか、そうですが。それとも国防会議にいく前に大蔵省とかそういうところの検討があるのか、そこら辺の順序はどうですか。
  213. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) これは二通りあると思います。通常のやり方ですと、国防会議事務局に説明をし、かつ、必ずといいますか、同時にかどうかは別といたしまして、並行して大蔵省にも説明を始めるということであります。まあ、その前後はありますが、最初の窓口はやはり国防会議事務局、大蔵省はまた別途並行もしくはややずれて大蔵省と折衝する、そうして最終的には、大蔵省との了承の済んだところで国防会議事務局で仕上げをする、そうして事務局のほうで国防会議にかける議案をつくりまして国防会議にはかられる、こういう手続になると思います。
  214. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、防衛庁内部で原案がきちっとできて、それを国防会議事務局へ持っていく、国防会議事務局でそれを検討する、それは同時かまたは多少前後して大蔵省とも折衝を始める、そうしてそこで、ちゃんと国防会議事務局で仕上げたものを国防会議にかける、そしてその国防会議で最終的に一応きまる。そうしますと、大臣が七月とおっしゃったのは、最終の国防会議というのを七月ということだったわけでしょう。これはどうなんですか。
  215. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 最終の決定の時期が、まあ七月の終わりあるいは八月に入りましょうか、まあそのあたりということで申し上げたわけで、これがもっと早く総理の引退表明があったり、総裁選挙ということになりますと、これは事実上はなかなか困難な相談になるのではないか、そういう予想も立ちます。しかし、われわれとしてはできるだけ、ああいう形で凍結されておるものは訓練に支障を来たしまするので、早く解除したいものだという、まあ願望を持っておるものですから、やはりつい責任者としては早くやりたい、こういうことを率直に申し上げたわけで、現実処理はどうなるかということになると、なかなかこれはそう簡単ではないというふうなことは思います。
  216. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 何回も同じことを聞いて申しわけないんですけれどもね。防衛庁の内部ではまだ原案ができないということでありますけれども、これは実際問題として防衛庁内部の原案はいつごろまでに仕上げたいと思っていらっしゃるのか。それから国防会議に話をするわけでしょう。国防会議としてもやっぱり最低このくらいの日にちがかかるというものはあると思うんですね。そこら辺のめどというものはどういうふうに考えていらっしゃるのですかね。
  217. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 私どものほうでは、事務的にこれはいつごろにめどを置くかによりまして内部の詰めも変わってまいりますけれども、一応七月の初めごろというふうなことを目標にしております。そしてまた、国防会議事務局なり大蔵省なりがどの程度かかるかということにつきましては、これは向こう方にサウンドいたしましたところ、もっぱらおまえさんのほうの持ってくる内容によりけりであるということで、私どもがたいへんむずかしいものを持ち込めば時間がかかるし、比較的向こうのほうでのみいいものであれば比較的短い時間で処理をしてもらえるということであります。
  218. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、要するに四次防といいますと、一口に言っておりますけれども、これは相当な国の予算を使うわけですね。五兆円というような——まあそれは五兆円を切るのかどうか、ちょっと私わかりませんけれども、従来から出ている原案から見ますと、五兆円前後の相当なものになりますね。こういうようなものを策定する場合、やはり防衛庁当局としては早く決定してもらいたいという希望はあるでしょうけれども、これはやはり慎重にやってもらわないといかぬわけですね、やっぱりね。それで、ちまたではもういろんなことが言われているわけですよ、現実に。この四次防というものは相当いろんな問題が——次の内閣になってからでは、いろんな中国との問題も出てきますし、そういうようないろんな問題もあって、そういうような政治的配慮も含めて七月中にということを大臣が言ったんだということを言っている人もいるように聞いているわけですけれどもね。ここら辺のところは大臣どうなんですかね。そんなことはないと私は思うんですがね。そこら辺のところはどうなんですか。
  219. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 私の申し上げます意味は、そういう諸外国とはかかわり合いなく、やはり当然これは三次防の延長という形ですから、やっていただきたい、そういう立場のわけです。しかし、さっきから申し上げまするように、経済見通しが非常に困難であるということを理由に延ばしたものが、経済関係閣僚がそれは困るというものを無理に押し切ってやれるものではありません。ただ、われわれ防衛庁側の姿勢を率直に申し上げたわけです。しかし、たまたま今度の国防会議議員メンバーには、次期総裁候補と世上言われておる人が二人入っておりますから、どっちがどうなっても、あなた方はそれじゃこれは一体いつ決着つけるのか、これは詰めなければいけませんな。まあそういう意味も大いにあるわけで、できればやると、できぬということならば、一体両候補はどう考えておるのだ、その考えのいかんによっては、なんということは申しませんが、やっぱりいろいろ話し合いが出て、そこで本人たち一つの見通しといいますか、めどというようなものも立とうかと思います。
  220. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 確かに、いま大臣おっしゃっておりますように、この国の経済政策の基本といわれております新経済社会発展計画ですか、これ実際問題いま検討やっておりますね。それで再検討中であると私は聞いておるわけですけれども、この再検討が実際終わるのはことしの年末になるんじゃないか、そういうように聞いているわけです。そうしますと、実際問題として、この四次防の策定の前提となるような問題だと私は思うんですね。そうしますと、四次防を急いできめるということはやっぱりいろんな魂胆があるんじゃないかということを勘ぐられてもしようがないんですよね、実際問題。そういう点から考えても、そういうふうな批判があるのも私は当然だと思うんですがね。こういう点については大臣としてはどうお考えなんですかね。
  221. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) やはり無理なことはどうも困ると思います。ただ、経済の見通しというものもあくまで見通しでありまして、これが金科玉条であって絶対不変のものであるというわけのものではありませんから、およそのめどが立てば、これはやはり策定を急がなければならなぬというふうに考えますが、全然経済閣僚が否定するものを無理に押し切るなどということは、これはあり得ることでもありませんし、またはそれはできないと思います。したがって、今後の展望に立ちながら一体どうするのか、やれるのかやれぬのかということです。それで、佐藤内閣の任期中に決着がつかぬとすれば、やはり同じ政党内閣でありまするから、どうするのだ、どうしようというようなことで、一つの方向を具体的にするということになるのではないかというふうに思っております。姿勢としては私どもはやりたい、この願望は持っておりますが、どうなるかということについては、これはいま峯山さんがおっしゃるように、そう簡単ではないという感じはいたします。
  222. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣の願望としてはよくわかりますけれども、その願望も、実際問題これは佐藤さんの総理のときには無理じゃないかと思うのですがね。これはどうですか、実際問題として。
  223. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 早く引退表明をされ、あとのスケジュールがどんどん進むようですと、これは事実上無理であろうということも言えないことはないと思います。しかしまだ、これからどう展開するかちょっとわかりませんので、あまり早くあきらめたくないと思っております。
  224. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そのメリットというのは、何といいますか、いつごろまで総理があきらめたら、やめたら、その次の総理になるのか、七月一ぱい現在の佐藤さんがやっていると、やっぱり佐藤さんの時代にきめようと思うのか、その辺のところはどうですかね。
  225. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) このことだけでなしに、やはり私は経済関係閣僚の意向というものを尊重してまいりたいと思っております。この人たちがどうしても無理だと——いや大体のめどはついた、たとえば四十六年度の経済成長の実績ども、一応御承知のとおり発表されております。まあそういうようなことで、大体予想が立つというようなことであれば、これは別でありまするが、そうでないということで反対が強ければ、それを押してどうこうするという性格のものではありませんですね。これはもうはっきり申し上げていいと思います。
  226. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしても、経済閣僚の皆さんの賛成を得なければ策定することは不可能であると、そのとおりだと私は思うのですがね。現在の時点から考えてみますと、やはり新しい内閣で、この四次防については、新しい総理のもとでこの今回の四次防については策定をし、そして新しい総理を含めての国防会議、そこできちっときめられるというのが私は一つの筋じゃないかと思うのですがね。ここら辺のところはどうですかね。
  227. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 御承知のとおり、大綱まできめましたし、それから本年度予算を初年度とするということで発足をした四次防でありまするので、できればこれで決着をつけていくというのも一つ考え方だと思います。しかし、峯山さんのおっしゃる御意見も、やはり一つのこれは長期計画である以上、考え方だと思います。ですから、峯山さんの一つの御意見、願望といいますか、そういうようなことで承っておきたいと思います。
  228. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それじゃもう一点。先日の私たち内閣委員会で相当北爆の問題、在日米軍基地の態様等についても相当議論が行なわれました。そういうようないろいろな事前協議、あるいは随時協議というような問題についても、私たち委員会としても外務大臣に申し入れをいたしました。そういうようないろいろな時点から考えてみても、これはやはり事前協議の内容についても再検討しよう、随時協議についても行なおうと、そういうような議題ですね。また、現在のいろいろな国際情勢等を種々考えてみましても、こういうときに四次防の長期計画を策定するということは、やはり時期的に見てもちょっとまだ熟していないような気がするわけですね。そういう点も考えあわせて、やはり新しい内閣のもとでやってもらいたいということを私は要望しておきたいと思います。  次に、これは在日米軍基地のいろいろな問題について、二、三お伺いしたいのでありますが、まず一つは、これは先日から新聞でも報道されておりますけれども、立川の基地の問題でありますが、要するに立川の基地の周辺に、米軍のいわゆる何といいますか軍属の人が住んでおる。それは要するに、立川市がバイパス道路をつくるために立ちのきの交渉を始めたと、一人一人交渉を始めたら、基地の中のようなかっこうをしているけれども、実際は基地ではなくて私有地——私の私有地ですね、そういうようなところに米軍の軍人軍属、あるいは民間人たちが住んでおって、しかもそういう人たちは基地の中から電気や何かを引いてやっておる、こういうようなことが新聞報道等でもなされております。私たちも現地に行って実際に見てまいりましたけれども、これはやはり非常に問題だと思うのですが、ここら辺のことについては、防衛庁としてはどういうように調査をされておりますか。
  229. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 施設部長がお答えをいたします。
  230. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) 立川のいわゆる基地外住宅、基地の外の住宅の問題でありますが、先生指摘のように、われわれといたしましても、高松のバイパスというものをいろいろ立川問題の解決として地元に返還しようと、こういう作業をやっておりましたところ、御指摘のように、いわゆるわれわれ通俗にXYZというような地帯でございますが、その中に約五十四戸の民間の方々の住宅がございます。それで、それは施設庁といたしましては、あくまで基地外であるということで、基地とこの住宅との間にはフェンスが張られております。ただ御指摘のように、施設面的にはそれでわれわれはっきりしておるわけでございますけれども、電気とか水道、その他のユーティリティーがストレートにそこに入っておる。そういうことで、この辺にいわゆるかかってまいります地方税とか国税とかの問題があろうかと思いますが、この問題はちょっと私ども施設庁での所管にも必ずしもならないものでございますから、外務省のほうとこの問題は詰めてまいりたい、こういうように思っております。
  231. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 こういうような問題は、確かに外務省が担当は担当でしょうけれども、実際問題として、米軍も非常に悪いと思うのですよ。いわゆる米軍の基地のまわりにそういうように建ててですね、そこから電気を引いてやるなんてことは非常にけしからぬと思うのですよ。こういうことについては、やはり防衛施設庁としても慎重に調査をして、厳重に抗議を出すなり何なり処置をしてもらいたいと思うのですよ。しかも、こういうようなところはほかと違うのですよ。こういうようなところは、要するに立川だけでもそのほかアメリカンビレッジとかレインボーハウスとかいろいろある。そういうようなところも同じようになっているのです。しかももっと言いますと、その立出の基地だけではなくて、全国至るところこういうのがあるというのですよ。私も実はまだ詳細に調査が行き届いておりませんけれども、こういうことは非常に私は遺憾と思うのですね。やはりこういうことについては、施設庁としても慎重に調査をし、またこういったことがないように、これは外務省等にもどうせ打ち合わせの随時協議のあれがあるでしょうから、そういうときにきちっと言っていただく、そういうようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
  232. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これは占領中から惰性できたというような感じが非常に強くにおうわけです。御指摘のようにこれは遺憾なことに思います。したがいまして、施設庁において至急調査をいたしまして、やはりそういう問題をてきぱき処理しまして、正常な形にしたいと思います。これは税法上も疑いがありますし、決着をつけます。
  233. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣が決着をつけるということでありますので、ついでにもう一つだけ申し上げておきますというと、要するに基地では、在日米軍基地ではないのに、やっぱりちゃんとフェンスを張りまして、それで基地であるかのように見せているというんです。私がちょっと見たところ、わかりにくかったけれども、やっぱりフェンスを張ってありまして、一般的に、ちょっと見るとやっぱり基地の中のように見えるわけですね。それで、実は立川のそこで、同じところで、その中に入って——入ってといいますか、もっとわかりやすく言いますと、どろぼうが入って、それで射殺された事件があるんです。ところが実際問題、それは基地内であるのかないのか、また刑事事件としていろいろむずかしい問題が起きているわけです、現実に。基地の中でそういうふうな事件が——これはどろぼうが侵入してきたということで射殺された場合と、基地でない場合とは、全然違ってくると思うんです。現実にこういう問題が起きているそうですが、私はもっと詳しい資料は届いておりませんけれども、やっぱりこういう問題についても、これはどういうことなのか、施設庁としても調査をしてもらいたいと思うのですよ。これはどうですか。
  234. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) 私もその射殺事件そのものはちょっと存じておりませんが、基地内と基地外というのは地位協定の解釈上も全然適用の刑法条項も違うわけでございますから、もしこの事件が基地外——われわれ、いま申し上げたXYZの基地外で行なわれたものでありましたならば、基地内で適用されるような法律は当然排除されるものと思いますので、私もその事件は存じませんので、至急調べたいと思います。それで、施設庁は御承知のように、幸いに基地に近いところに各事務所等もございますので、御指摘のような問題の解明に当たっていきたいと、こういうふうに思っております。
  235. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしても、この問題につきましては、やっぱり在日米軍基地の調査——先日資料を私いただきましたけれども、あの資料を見ただけではこういうことがあるかどうかなんて全然わからないわけです、実際問題としては。やっぱり施設庁としては、各それぞれ、何といいますか、専門の人たちがそれぞれの地域にいらっしゃるわけですから、こういう問題についてもこういうふうなことがないように、やっぱり調査をやってもらいたいと思うんです、全国的に。これはどうですか。
  236. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これは今度次官を頂点にしまして、施設担当の参事官をその当番幹事ということにして基地総点検といいますか、これは自衛隊、米軍基地こういったものを含めまして検討をするプロジェクトチームを発足させました。そういうことによって、そういう問題もあわせ解決をするような方向で進めてまいりたいと思います。早急にひとつ取り上げます。
  237. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、場合によっては防衛庁とは違うかもしれませんけれども、在日米軍基地ですね、特に岩国ですがね、この岩国の基地で米軍の軍人が持っている武器ですね、いわゆるピストルとか、いわゆる何というかな、カービン銃みたいなものですね、ああいうふうな銃とか弾薬とか、そういうふうなものが不法に持ち出されて、そしてそういうふうなものが暴力団とか、そういうふうなものに渡っているということが、先般から地元等で相当問題になっているわけです。こういうふうな問題については、これは防衛庁としてはどういうぐあいに掌握していらっしゃるか、そこの辺をちょっと一ぺんお伺いしておきます。
  238. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) 米軍地域内からのいろいろのものが、特に武器があれしておるということは、われわれ、先ほどの立川の問題と同じで、必ずしも所掌でございませんでしたので把握いたしておりませんが、ただ、地元の新聞等に載りますので、地元の局長がそういうことをいろいろ確かめに行くようなことはございます。いまの御指摘の件は、局のほうでも把握していないと思いますが、この問題は米軍の管理権の問題でございますので、そういうことを厳重にしてくれという通知は私のほうでもできますので、もう少し実態を私のほうで調べさしていただきまして適当な申し入れ等をいたしたい、こういうふうに思っております。
  239. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは外務省当局をちょっと呼んでおけばよかったですけれども、いずれにしましても、こういうふうな問題が相当問題に現在なっているわけですね。これは米軍基地への立ち入りというのはどういうぐあいになっているんですかね。実際問題、自由に立ち入りできるのか、またはこういうふうな武器の持ち出しですね、こういうことはどうなっているのかですね。たとえば普通の日本人が、一般の人が武器を持つなんということは、これは無理ですね。そういうような場合、そこら辺のところはどういうぐあいになっているのか、ちょっと一ぺん——わかりませんか、そこらのところ。
  240. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) 私からお答えするのはどうも筋違いなように思いますが、立ち入りにつきましては、米軍の三条の管理権に基づいて米軍がコントロールする。しかしながら、現地の事情等がございますので、たとえば三沢などでは海水浴といいますか、沼がございますが、そういうところに泳ぎにいくために施設庁のほうでいろいろあっせんしまして、バスなり車を通すと、こういうふうなこともやっております。普通は立ち入りのパス制度になっておるようでございまして、従業員の方々、あるいは絶えず用件のある方等はわりあいフリーに入って、フリーといいますか、そういう身分証明の実体を示せば入れる、こういうふうに聞いております。  それから、どうも銃砲の所持の問題は、ちょっと私お答えできる立場でございませんので御容赦いただきたいと思います。
  241. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 委員長、ちょっと関連して。  この問題は、やはり管理をしっかりしてもらいませんと、黒ヘルだとか、赤軍派だとか、いろんなものが横行しておりまする現実にかんがみて、米軍側にも十分外務省から注意喚起をしてもらう。私ども防衛庁におきましても、武器管理については、先ごろから幹部会において厳重に管理するようにということを言っております。幸い防衛庁は武器と弾薬とを全然別なところに管理をしておると。しかし、この上とも十二分に注意するようにということで厳重話し合いをしておるような次第でございます。米軍側についても御心配の点は、これはもう日本人として共通の心配の点ですから、率直にひとつ注意喚起をいたしたいと思います。
  242. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それから、やっぱりこれも米軍に関係があるんですが、先日から弾薬輸送の問題で、同じく呉ですか、呉の米軍の広弾薬庫ですか、それからトラックで、通告前に——日にちを間違えたとかいうことで新聞に載っていましたけれども、無通信で弾薬の荷役作業とか、そういうような輸送をやったというようなことが新聞で報道されていましたけれども、これは要するに弾薬輸送とか、トラックで輸送したり、あるいは船積みをしたり、そういうようなときの手続、あるいは届け出というのはどういうようになっていますか。
  243. 黒部穰

    政府委員(黒部穰君) 弾薬の輸送は、火薬類取締法の適用を受けるわけでございまして、輸送する場合には、発送地の地方公安委員会のほうへ届け出をいたすことになっております。
  244. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この間、広島県で具体的に問題が起きましたですね、あの実情を説明してください。
  245. 黒部穰

    政府委員(黒部穰君) 広の場合というのはいつのことなんですか。
  246. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 呉、呉。
  247. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) 御指摘は、広の米軍弾薬庫の問題だと思いますので、私からお答えいたしますが、去る六月三日、呉の施設局は、広弾薬庫の保安水域における弾薬荷役に関連いたしまして、六月の九日の八時より六月十二日の十七時までの間に実施するという現地米軍からの通告を呉の局は受けております。この旨直ちに関係の漁業組合に、通例の手続に従いまして通知したわけでございますが、実際のところは六月九日といいましたのが、米軍のほうは八日に入港をいたしまして、九時から十七時の間にはしけ三隻で運んだわけでございます。このように一日ずれておりますので、通知を受けました呉局長としましては、直ちに米軍に対して今後かかることのないよう厳重に抗議を行なわせております。そうして関係の漁業組合等にも、その間の事情を御説明いたしまして、いずれにいたしましても、これは中央の段階でも問題にいたしたいということで、去る十三日の施設特別委員会でも、厳重に米側に対して抗議を行なっております。
  248. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしましても、どのような事情があったにしましても、このような弾薬の荷役等については、やっぱり地元の漁民やまた付近の住民にとりましては、非常に重要な問題だと私は思うんですね。かねがねから、こういうような問題が、特に呉を中心にしまして広弾薬庫、秋月弾薬庫等あすこら辺ずいぶん密集しておりますし、やっぱりこういうような問題は、きちっとやってもらわないと困ると思うんですね。こういう点についてはやっぱり本気で取り組んでもらいたいと思うんですね。そこで、これはやっぱり米軍の弾薬船が港に入ってくるたびに、やっぱりこういうようなことがたびたび行なわれているだろうと私は思うんですけれども、これはことしに入って、実際問題として何日間そういうような制限の日にちがあったのか、そこら辺のところはどういうぐあいに掌握されていますか。
  249. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) この関係は、前回も当委員会でお管えした記憶がございますが、保安水域というもの、制限水域というものをかけておるという関係で、われわれのほうに情報が入ってくるわけでございまして、普通、輸送の場合は当該地の海上保安部等に連絡がいくわけでございますが、私のほうの局では、確かに先生おっしゃいましたように、あすこには幾つも弾薬庫がございますので、かねがねこの問題には注意を払えというふうな指示をしておりまして、ことしの状態だけ申し上げますと、一月には二十四日間、二月には二十日間、三月には三十一日間、四月には三十日間、五月には二十七日間、こういうふうに現時点では制限といいますか、使用実績があがっております。
  250. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あれですか、一月に二十四日、二月に二十日、三月に三十一日、四月に三十日、五月に二十七日というのは、要するに制限を設けた日にちがこれだけというわけですか。
  251. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) はい。
  252. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうするとこれは相当な制限がされている。制限のない日というのはほんのわずかですね。そういうぐあいになってきますと、これはこういうことに対する漁民なり、こういうことの制限を受けるために被害を受ける住民あるいは漁民、そういう人たちに対する補償とか、そういうふうな問題についてはどういうぐあいになっているのか。実際問題そういうのは補償というのは払われているのかどうか、そこら辺の実態どうですか。
  253. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) とにかく補償実績を持っておりませんが、先ほど先生の御指摘の、確かにととしになりましてからの制限が、たとえば三月では三十一日、まるまる一月ということでございますが、昨年中は、七月に九日間とか、あるいは九月に八日間、十一月に二日間、こういうふうないろいろな数が出ております。しかし、これは使用の実績に応じて漁業補償するというあれでございますので、現在のところ広弾薬水域につきましては、四十六年度の実績では六百二十一万四千円支払っております。秋月弾薬庫につきましては四十六年度の実績で申しますと八百十四万払っております。それで、この海面制限の状況でございますが、私の説明が少し不十分だったと思いますが、ある陸地の弾薬積み込みの場所を中心に百メーターの円形、これの海面に及ぶ部分だけと、こういう形になっておりますので、水域としましてはそう大きなものではございませんので、漁業補償の実態は先ほど申し上げたとおりでございます。
  254. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 確かにその制限海域というのは、海面といいますか、そういうようなものは非常に短い、少ないといいましても、いま金額は六百万円というお話ありましたけれども、私たち実際に地元の皆さんにいろいろ聞いてみますと、ことしになってから制限のなかった日にちというのは非常に少ない。しかも、補償額というのは、過去の実績から見ても年間平均一人当たり、一世帯当たりというんですか、大体一万五千円ぐらいだというんですね。そういうような話を聞いているわけですけれども、非常にスズメの涙ほどの補償額だというんですけれども、こういうようなことじゃ、やっぱり地元の漁民の皆さんや、そういうものを考えてみますと、これはやはり、そういうふうな実際魚価といいますか、魚のそういうような問題の補償と、それからもう一つは、こういうような危険物がしょっちゅう自分たちの出はいりしている港で取り扱われている、そういうことに対する補償といいますか、そういうような問題も考えてみますと、非常に少ないんじゃないかと思うんですが、そこら辺のことについては、何らかの配慮が行なわれているんですか、どうですか。
  255. 薄田浩

    政府委員(薄田浩君) これは先生も御承知のように、いわゆるアメリカ合衆国軍隊のためには漁船の制限を、自衛隊の場合には自衛隊法百五条でやっておるわけでございますが、これはいわゆる実損補償という形になっておりまして、現在のところは、御指摘のように、この間制限された実損を補償するということでございます。先生のおっしゃいましたそういった危険感に対する関係は、どうもなかなか補償体系の中に入りにくいということが、事務的にお答えする限りでは法律上の制限がございますので、むずかしい問題であると思っておりますが、単価とか、それから実際の漁獲高の実績等を詳細に地元のほうで出してもらっておりまして計算しておりますので、現在のところは先ほど申し上げたような金額、こういうふうになっております。
  256. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしましても、こういうふうな漁民の皆さんの非常に危険に対する補償というものも、実際問題としては実損で評価できないかもわかりませんけれども、そういう点にも将来配慮していただきたいというふうに思います。  それで次に、もう一点機雷の問題をちょっとお伺いしておきたいのですが、戦時中の機雷の処理ですね、これは要するに、非常に先般から重要な問題として出てきておりますが、これはどういうぐあいになっているのか、ちょっと一ぺんお伺いしておきたいと思います。
  257. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 米海軍が投棄しました機雷が一万一千個ばかりありました。そのうち約六千個は処分されてあと五千個残っている。これは米側の資料に基づいてやったものでありますが、したがいまして、現実に五千個が海底にあるかどうかということはよくわかっておりません。ただし、実態申しますると、危険海域といたしまして三万四千平方キロばかりありましたものが、そのうち九三%は機雷の掃海が終わっております。この掃海が終わっているという意味は、埋没しているものは別にいたしまして、水中にあるものについての掃海が終わっている。そうしますると、海域で約七%ばかり残っておるわけですけれども、これは非常に浅い海面であるとか、あるいは漁船その他出入りのないところでありますとか、あるいはノリなどを栽培しておりまして、なかなか漁業関係者と折り合いがつかないようなところというようなものが残っておるようであります。こういった未掃海の分につきましては、地元地方公共団体及び関係組合などと話し合いがついたものから逐次要請に応じて掃海をやっております。こういう段階でございます。  問題は、相当数残されておると思われまする水底に没しておるものの機雷でありまして、この点については、この前も申し上げたかと思いますけれども、四十五年の十月に総理府中心になりまして関係省で打ち合わせをやりまして、基本方針が出ております。それによりますると、一般的な機雷の掃海は引き続いて防衛庁がやる。そこで、港湾工事などで海底を攪拌するような工事作業を行なうような場合には、残存機雷の爆発するおそれがある、そういったような場合には、事前に十分の探査をやるように運輸省が指導をするということで、一応の業務分担が関係官庁間ではできております。この前の新潟の件は、実は同じ区域を毎年しゅんせついたしておりまするので、その際には機雷による触発がなかった、したがってだいじょうぶであろうということで、この通達にもかかわらず、例外措置でもってそういうものは必ずしもしなくてよろしいんだという指導であったそうであります。そこで、運輸省のほうでは改めまして、毎年そういうものをやるものにつきましてもあらためてそのつど機雷の探査をやるということ、それからもちろん新たな海底についてしゅんせつをやるようなときには当然機雷の探査をやっていくということで、改めた通達を出したようであります。  そこで問題は、この機雷の処分というものが一応自衛隊法では海上自衛隊の任務になっておりまするけれども、この法律の解釈をめぐっていろいろ問題ありますけれども法律解釈は別にしまして、自衛隊が何とかできないかという問題があるわけであります。ところが、現在海上自衛隊が持っておりまする掃海艇というのは、中型も小型もいずれも水中に浮いておる機雷を処分するもの、そういった機材しか持っておりません。それから陸上自衛隊が磁気探査の装置を持っております。これは地雷を探知するものでありますが、ところがこれが数十センチの程度であるということで、海底にはこれまた使えない。そうしますと、海底に数メートル——二メートル、三メートルのものを探知する機能というものが現実に海上自衛隊にない。しかも、この機能を持っておるのが業者が一つだけでありますが、その装置がその会社の特許になっている。必ずしもりっぱなものでもないようでありまするけれども、それがわれわれのほうで使えないという問題もあります。そこで、従来海上自衛隊が研究をしておりましたのは、実は磁気探知機ではありませんで、音響による探知機でありました。音響のほうが海上自衛隊としては能率もあがるし都合がよろしいということで、その方向で研究を進めておるようでありますが、これがなかなかまた研究開発が成果を見ておらないということで、海上自衛隊がこの磁気探知の機能をどういうふうにして持てるかいま検討しておるところであります。で、これはまあ海上自衛隊の任務であるなしはともかくとしまして、海上自衛隊がやるならばどういう問題があるかということを詰めた上で、あらためてもう一度運輸省とも協議をしてみたい、こういうふうに思っております。
  258. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この問題は非常に私は重要な問題だと思うのですね。日本の近海を安全に航行できるように、あるいはこういうふうな新潟のような事故が起きないようにと、そのためには海上自衛隊に機雷をちゃんとさがし当てるあれがないということでありますけれども、自衛隊は音響とおっしゃいましたけれども、これは費用はどのくらいかかるものですか。その音響の探知機といいますか、あるいはその磁気の特許といいますか、自衛隊が使っていない、それはどれくらいするものか、一ぺんちょっと……。
  259. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 経費につきましては、四十六年度に使いましたのが四百五十万円と出ておりますが、これが実ははなはだ芳しくないのでありまして、この音響機雷というのは非常にむずかしくて、これを完成するのが五十三、四年度ということでありまして、それまでの総経費は出ておりません——わかっておると思いますが、私の手元に資料はございません。しかしながら、こういうふうに長くかかったのではこれはあまり意味がないということで、磁気探知機のほうでどの程度できるかということを調べさせております。ただ会社のほうでは、特許であり、言うならば全国の仕事を一手に引き受けている、非常に繁忙をきわめているということで、会社の利益上なかなかわれわれのほうに物を見せないんだそうであります。したがいまして、そうむずかしいものではなかろうと思いますけれども、会社が持っておるものに類似したものがつくれない、あるいは会社そのものがそのノーハウというものをわれわれのほうに提供はもちろんしようとしないということでありますので、特許に触れない範囲においてそういうものがどういうふうにしてつくれるかどうか、これをいま研究させております。
  260. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣、私は自衛隊法の九十九条の問題からいきましても、やっぱり機雷の処理というか除去という問題については、自衛隊としても大きな任務だと思うんですよ。こういうふうなやっぱり探知する機械ですね、こういうふうなものについては、やはり特許があっていろいろ問題もあるでしょうけれども、特許に似たやつを開発しようなんてそんなむずかしいことなかなかたいへんだと思いますので、こういう点には私はお金を多少使ってもいいんじゃないかと思うのです、実際問題。そんな四百五十万なんということからいいますと——四百五十万もたいへんな金額ですよ、これも。だと思いますが、防衛庁でいろいろやっていることから考えますと、こういうふうな点は、日本の近海を安全に、あるいは先般の事故のようなものをなくするためにはやっぱり必要だと私は思うのですがね。そこら辺のことについては力を入れてやるべきだと思うのですが、大臣どうですか。
  261. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 山中総務長官のところで昭和四十五年にさっき説明のあったようなことをきめているわけですね。今回も、しゅんせつするところは当然探知機を使わなければならぬが、従来ともそこでしょっちゅう掘っておるから省略したと、ここに問題が発生したわけですね。そこで、しかも年数がたちますと機雷の付属機器が腐食しまして、全く例外中の例外と申しましょうか、その炸裂の能力だけはまだ残っておったということで、おそらく、しょっちゅうしゅんせつしておるところですが、あの港そのものが川の河口であり、同時にまたいろんな川が、そこへ中小河川が流れ込んでおるというような特殊事情でああいうことが起こったんだと思います。したがって、地中の探知機というものがわずか一会社しかないということは、もうほとんどそういう例がなくなったことを意味しておる。そういう危険がうんとあるならばもっとたくさんの会社がそういう機器を持っておるわけですが、それがないということは全く例外中の例外が起こった。しかし、例外といえどもあんなことが起こっていいものじゃありませんから、これは御指摘の点については、いま総理府中心になりまして調整をいたしております。もう先々週あたりから運輸省側とわれわれ防衛庁の代表も出てまいりましていろいろ打ち合わせをしておりまするので、やはり御指摘のように、防衛庁が持って当然こういうことはやるべし、あるいはまた埋没機雷というものはそんなにあるわけではないから、やはり業者に委託をしてやれと。どういう結論になりますか、よくひとつそのあたり留意をしてまいりたいと思います。まあ峯山さんのおっしゃる意味は、いろいろ兵器には金をかけておるんだから、こういう埋没されておる機雷探知機等々は防衛庁が買うべきじゃないかというふうの御意見だと承わりますので、そういう点も十分考慮に入れながら今後の対策に資してまいりたいというふうに考えます。
  262. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私の質問はこれで終わりますけれども、この機雷の問題については、自衛隊法の九十九条を見ますと、やっぱり海上自衛隊の任務として、機雷等の除去というのは任務としてあるわけですね。
  263. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 浮遊機雷ですね。
  264. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 浮遊機雷ですか。——いずれにしても私が認識しておりましたのは、こういう機雷について一応海上自衛隊が全部処理するものだと、こういうふうに思っておったわけですがね。そういうふうな場合、やっぱり新潟みたいな事故があった場合に、その責任というものはどこにあるのか。海上自衛隊というものにやっぱり責任があるのじゃないか、私はこんなふうに考えておったのですが、そこら辺のところはどうですか。
  265. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これはやはり海上自衛隊は長官の命を受け、海上における機雷その他——まあ埋設されたものを海上と言えないかもしれませんが、まあ従来の解釈は、浮遊機雷、航行に支障のあるものと、こういうことできておるわけです。それで、総理府が御承知の統一見解を出して、しゅんせつをしたり、掘り返したりということばをつかっておりますが、掘り返したりする場合はやはり磁気探知機で十分調査をしろと、こういうことできておったわけですが、さっきも申し上げますように、例外が例外で済みませんので、これは結論を急ぎまして、峯山議員のおっしゃる意味を、何かやはりひとつ実らせるような形で決着をつけていくようにしたいと思います。で、まあ、現在防衛庁の責任ではこれはございません。やはり機雷探知機でちゃんと調べるところを、従来何べんも掘り返しておるからいいわいという手数省略があったというところにあやまちの原因があったわけですから、このあたりの責任の所在というものは、まあなかなか判定もむずかしいわけでございますが、しゅんせつ船の、あれは何かカッターで強打したというようなふうに私報告を受けておりますが、十分調査してまいりたいと思います。
  266. 中村利次

    中村利次君 まず最初に、これはごく最近、十三日ですか、発足をしました基地総合調整本部について、具体的にどういうことをやるのか、お伺いをしたいと思います。
  267. 鶴崎敏

    政府委員(鶴崎敏君) 今週の月曜日に、いまお話しの基地総合調整本部が正式に長官の決裁を得て発足をしたわけでございますが、そのねらいは、御承知のように、基地をめぐるいろいろな周辺の状況が非常に急速な変化を見せておるというようなことで、もともとは、基地は、御存じのようにあまり人家のないようなところにあったわけですが、異常なる都市化現象というようなことで、この基地の存在と周辺の調整というものが非常に大きな政治問題になってきたということがございます。そこで、あらゆる基地について、いろいろ問題も多いので、これを全体的に調査をしまして、一体それぞれの基地にどういった問題点があるかというような実情をまず把握をする、その上で、そういった問題の解決方法をどうするかというようなことを基本的な方針をひとつ考えようということで、これがこの基地総合調整本部についての基本的な任務ということになるわけでございます。それからさらに、これは方針的な問題でございますが、個々の基地の具体的な問題、これもやはりあわせて、この基地総合調整本部で解決をしたいということで、これにつきましては、それぞれの担当しておる部局が検討した結果をこの調整本部に協議をする、そこでこれを審議してどうするかということを個々にきめる、こういう二つの任務があるわけでございます。  そこで、本部構成員でございますが、本部長事務次官、副本部長が防衛施設庁の長官、それから本部の委員が、長官官房長と、防衛局長、経理局長、それから施設担当の参事官、各幕の副長、統合幕僚会議の事務局長、防衛施設庁の次長、こういったメンバーが本部の委員になっております。さらにその下に事務局を設けまして、事務局長は施設担当の参事官、それから事務局に参事を置きます。これは内局の関係の課長、あるいは各幕の部長クラス、施設庁の部長と、こういった方々で構成をしております。それからさらにその下に専門の職員を若干名置きまして、いろいろ資料の収集とか、あるいは審議すべき事案の案を作成する、こういったような事務的な面を処理させるということでございます。  そこで、この基地総合調整本部というのは、それでは性格的にはいつごろまで続くものかという問題もございますが、一応は、これは臨時的な機関というふうに考えております。先ほど申し上げました基地に関する基本的な処理方針を策定するまでということでございますが、しかしながら、それが終わりましても、いろいろ個々の問題がまだまだ解決されないものがたくさんあるというような状況であります場合には、さらにそれを継続させるということも可能であろうと、こういうふうに理解をいたしております。
  268. 中村利次

    中村利次君 そうしますと、この基地のいろいろな問題について、基本的にその対策を策定をするということになりますと、それには具体的な行動が伴なわないということですか。たとえば、よく言われます基地周辺の基地公害等に対して、実際に、具体的な住民調査をやるとか、あるいは基地の実態調査をやるとか、それに基づいて実態確認をしてそれに基づいて具体的な手を打つと、こういう具体的な行動までは伴わないということなんですか。それはどうなんですか。
  269. 鶴崎敏

    政府委員(鶴崎敏君) 先ほど申し上げましたように、それぞれの基地の実態を把握するというためには、これまでにいろいろ調査した資料もございますので、一応、そういうものを集めまして分析をし、それによっていろいろ方向づけをするということもございますが、なお、従来の資料で不十分な面につきましては、また新たな調査をして状況を把握すると。それから具体的にどうなるかという点につきましては、一例を申し上げますと、先ほどのように、周辺の開発と非常にフリクションを起こしておるというような場合には、地元の協力を得て他に代替地をあっせんしてもらってこれを移転する、あるいは一部を縮小して地元に開放するとか、いろいろそういった具体的な措置もございますし、また公害的な問題につきましては、従来やっております防音工事その他の周辺整備法に基づく施策を従来どうり継続していくというほかに、やはりこれまでの対策ではどうも不十分であると、さらに一歩進んだ施策を考えなくちゃならぬという面もあろうかと思いますが、そういう問題につきましても、この調整本部で十分検討して、そのときのいろいろな客観的な情勢に対応するような措置をとっていきたい、こういうことでございます。
  270. 中村利次

    中村利次君 在日米軍の基地の整理縮小は政府もどうしてもやらなきゃならぬという姿勢でいらっしゃるわけですから、それと、やはりこの前の本委員会でも議論の対象になりましたけれども、これは、適切であったかどうかは別にして、久保防衛局長の有事駐留論等もございまして、こういうのもやはり米軍基地というものに重大な関連があると思いますが、あわせて四次防にも関係があると思いますけれども、いままでの御答弁によりますと、それでは、そういう問題等も含めて、基地あるいは基地周辺に問題があるものに対しては、たとえば、何というのですか、いわゆる基地公害等に対して、どうしても騒音が激しければ移転してもらうというような具体例を言われましたけれども、米軍基地のありようを含めて、たとえば、基地の移転をすることもあり得ると、そういういろいろな方策を策定をして解決までここでやるんだと、こういうぐあいに受け取ってよろしいですか。
  271. 鶴崎敏

    政府委員(鶴崎敏君) 先ほど申し上げましたように、基地と周辺とのいろいろな関係調整するためにはどういうことをやらなくちゃならないかということをここで検討し、その結果につきまして長官に報告をしまして、長官の決裁を得ましたならば、その具体的な方策は実際にこれを行なっていくということでございまして、ただ単に審議するということだけではなくて、もちろん審議した結果これはやるべきであるということになりますと、当然これはそれぞれ実行に移していくと、こういうことに相なるわけでございます。
  272. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、やはり一つでも二つでも解決しようという意欲に燃えて発足をしたわけです。ただ問題なのは、周辺整備だとか環境整備、これはもとよりでありまするが、どうしても移転しなければならぬという問題も出てくるだろうと思います。これは都市化現象の急激な進行によって、これは変えたほうがいいだろうというものもありましょう。しかし、そういう場合は、原則的にはやはりその県の県知事なり、あるいはどうしても撤去をと言われる市町村長なり地方公共団体の責任者にごあっせんを願う——これはやはり御協力をいただきませんと、口で移転すると言いましても、なかなか歓迎されない向きもあります。したがって、われわれのほうも協力いたしまするが、そのかわりひとつ地方自治体においても御協力を願いたいというような形で事を進めませんと、実際問題としては計画倒れにならざるを得ぬと思うんです。そのあたりの今後の調整をどうしていくかということもあわせ検討しながら、積極的にこの運営を進めていきたいというふうに考えております。
  273. 中村利次

    中村利次君 これはまあいろいろ関連が出てくるわけでありますけれども、基地のあり方だとか在日米軍のあり方だとか。ところで、がらり変わるようですが、これは防衛庁ばかりじゃなくして外務省の所管かもしれませんけれども、防衛庁の立場から、最近行なわれました米ソ間のSALT交渉の合意ですね、これをどういうぐあいに評価をされているか。
  274. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 私ども日本にとってこれがにわかに大きな影響がもたらされたというふうには考えません。しかし、御承知のとおり、日本は日米安全保障条約によりましてアメリカの核のかさに含まれる、こういう形になっております。そういう面から言いまするならば、核の軍縮をお互い同士が認め合ったということは、日本の平和追求の上にも役に立ったというふうに考えてよかろうかと思います。それで、今度の会談の経緯を見ておりますると、軍事面のとりきめもさることながら、やはり両国が平和共存路線を歩むとはいっておりましても、何となく従来あった不信感をぬぐおうと、国際的にお互いが信頼し合えるような雰囲気をつくろうという点にウエートがあったように思います。そして、今後とも対立を激化させないようにとか、あるいは世界の軍縮に協力をしようとか、いろんな話し合いがなされておりまするが、ことごとく平和に対する模索を両国ともやはりいたしておるわけでありまして、その点は、世界平和という大きな見地からいえばよかったというふうに考えておるわけであります。ただ、冒頭申し上げましたように、それじゃこの話し合いによって日本がどれだけの利益を得るかということになりますると、必ずしもそんなに直接的なものはない。世界の平和追求という点からいえば確かに効果があったと、こういう表現で従来御質問にはお答えをしておるわけでありまするが、しかし、お互いが国際的な信義を確かめ合うことによってもっともっと東西の関係が緩和され、しかも戦争が遠のく、緊張がほぐれるということになっていくことは、私どもとしても望ましいことですし、これからもぜひ続けてもらいたいものだというふうに考えております。
  275. 中村利次

    中村利次君 これはやはりおっしゃるとおりですね。直接の影響があるなしというよりも、世界平和のためには少なくとも一歩前進であるということは、これはまあだれしもが異論がないことだと思うんですけれども、やはりそういうものがすべて相互関連をしながら、私は米軍の有事駐留論が生まれ、それから四次防の白紙還元というのですか、練り直しというそういう政府の意向が生まれてきたんではないか。確かに、これは累次にわたって政府答弁しておられますように、日米安保体制というものは政府から見てこれは必要なものであり、そして、これを基本的に変えるべきものではないとお考えになっておる。しかし、やはりそういう国際的な緊張の緩和というものがいろんな形でわが国の防衛体制にも左右されてくるべきであるし、また当然そういうのを前提としていろんな策定がなされておると思うんですけれども、どうでしょう、そういう点は。
  276. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 私どもは日米安全保障条約というものを基調にしながら防衛というものを考えていこうという姿勢を持っております。いまおっしゃる意味は、かつて久保君が自分の私見を述べた論説に、まあそういう一つの方向を示した個所があったということだと思いますが、私、久保君の話を聞いてみましても、またその論説を読みましても、必ずしも有事駐留ということは言ってないわけですね。やはりアメリカに協力を得る以上は基地は提供しなければならない、しかしアメリカ側も、ただ従来のように、この安保条約を中心にして、いたずらに基地だけというようなことでなしに、経済とか文化とか、あらゆる面において協力をする、また基地においても不必要なものは縮小していくということが望ましいというふうな方向で立論されておるわけでありまして、これは従来の私ども考え方とそんなに変わるものではないというふうに思っております。しかし、世の中が平和になれば、特に世界の方向がだんだん平和で日本に対する危機も遠のくと、平和は極東においても定着したということになれば、当然現在、たとえば沖繩の基地をはじめとして相当縮小されていいわけですし、また安保条約は、いま中村さんも言われるように、持っておるといたしましても、やはりそれはそれなりに運用の面においていろいろまた考えられる点もあろう、これは私ども想像にかたくないと思っております。
  277. 中村利次

    中村利次君 そこで、いわゆる陸上自衛隊の十八万人体制につきましてですね、これは大体戦闘編制というのですか、十八万人体制はですね。大体世界の情勢が、いま直ちにわが国の安全と平和に重大な影響を与えるということはないにしましても、だんだん緩和の方向に向かっておるということは、これはまあ衆目の認めるところですから、したがって、いろいろな構想は言われておりますけれども、たとえば平時十五万人体制だとか——これはこの国会でも御答弁があったと思うんですけれども、緊急部隊教育訓練の方向に向かっていると、そういういろんなことが言われておりますけれども、そういうお考えがあるのかどうか。それからそういうものを将来構想として四次防の見直し等の中にもしあるとすればどう生かされようとしているのか、そういうところをひとつ……。   〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
  278. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 陸上自衛隊の十八万というのはいざというときにその姿で戦えるように、防衛に当たり得るようにという、いわば編制上は有事即応という形をとっております。これはなぜかと申しますると、兵器の進歩によりまして非常に戦争の期間が短かくなったということがあります。それからまたもう一つは、日本は徴兵制というものがとれない。したがって、持っているもので防衛に当たらなければいけない。御承知のようにスイスとかスウェーデンは二日で七十万、八十万というものが徴募できるわけでありますが、わが国にはそういう制度はない。したがって、たとえば奇襲攻撃を受けたようなときに、いま持っている編制で戦わなければいけないということで、すぐに戦える、いわば有事即応という形で十八万人の編制をとっております。  ところで、しかしながら平素どの程度のものを充員しておくべきかということにつきましては、これはこの編制とは違って充足率、充足度の問題であります。充足度の問題は、基本的には最小限、訓練をし、それから部隊の運用の研究ができるというようなことでなければいけません。そのためには、たとえば幹部段階、各種の部隊、たとえば普通科の部隊あるいは特科の部隊あるいは司令部段階、そういった各種の段階におきましてどの程度の充足度があればよろしいかということを積み上げていって計算してみますると、八十何%、若干上下いたしまするけれども、そういった結論が出るわけであります。片方で予算の制約もありますので、通常八七%とか六%、そういうような数字が出てまいるわけであります。  そこで問題は、私どもとしましては十八万という上限というものはやはり必要であろう、しかしながら、常時これを充員しておく場合にどの程度のものがよろしいか、やはり量より質ということばもありまするし、質を重視した場合、しかしながら訓練がある程度できなければいけません。たとえば、戦車が四名が定員でありますると、三名で動かないというときにはやはり四名充員しなければいけない。しかし、ある程度の戦車は寝かしておいてもよろしいという場合もあるかもしれません。そういった訓練の度合いを積み重ねていって、どの程度のものを充足すべきであるかということは、従来の経験値からわれわれは数字を持っているわけでありますが、こういったものを今後の人員募集の困難なおりから、また質を重視しなければいけないときにおいて、そういうものについては常に検討を続けていかねばなるまい、こういうことを従来申しておるわけであります。
  279. 中村利次

    中村利次君 いま自衛隊の募集が非常に困難なおりからというお話がありましたので、ついでにお伺いをしておきたいと思うんですけれども、だいぶ、おっしゃるとおり自衛隊の充足率が悪化をしておりますね。大体募集人員に対して応募人員が倍くらいしかないということになっておるようですね。それから、ひいてはこれがどうも自衛隊の中で、直接結びつくわけではないでしょうけれども、いろんな不祥事件が発生するようなおりに、直接間接影響するような自衛隊員の質の低下につながっておるのかどうか、あるいは、とすれば、そういうものに対する対策というものをお持ちかどうか。それから、やはり労働力と自衛隊の人員充足というのは密接不可分、うらはらみたいな関係にあると思うんですけれども、そういうものを含めて何らかの対策をお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
  280. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) 現在の充足率は確かに若干低下いたしておりますが、大体さっき先生おっしゃいましたように、受験者は約二倍になっております。ただ実際の質と申しますと、これはやはり若干景気の左右もございまして、現在は、特に昨年からは質に重点を置きまして、質の向上に特に力を入れておりますので、最近の入隊者は比較的質がいいというふうに考えております。しかしながら、もちろんこの予備隊発足当時の状況に比べれば、相当質は低下していることは事実でございますけれども、この質の問題というのは、自衛隊の隊員としての質ということになりますと、世界の国の軍人との比較もありまして、その点からすれば必ずしもそれほど日本の自衛官が質が低いというふうには一がいには言えないような感じもいたします。しかしながら、とにかく質の向上をはからなければいけないということで、いろいろな角度から検討しておりますが、まず第一に、やはり自衛隊隊員の魅力化対策、大いに魅力化をはかりまして、そして応募者をふやすということに重点を置きたい。それによって実質的に質のいいものが確保できるという角度から、昨年以来特にこの隊員の魅力化対策をいろいろな角度から検討いたしております。  それから、今後の労働力は確かに若年労働力が減少してまいります。と同時に、進学率が向上しまして、特に高等学校に進学する者が非常にふえますと、中卒の、中学卒業生が非常に減ってしまう。実質的にむしろ高校卒業が大部分になってまいりますので、この際高等学校卒業生から自衛官をとらざるを得ないという角度で、今後高等学校卒業生をいかに確保できるかということを中心に検討いたしております。
  281. 中村利次

    中村利次君 自衛隊の中にもどうも不祥事件が起きていますけれども、そういう点はやはり質の問題あるいは何というのですかね、募集に対する応募者の問題、そういうところと直接の影響があるとお考えかどうか。関係があるとお考えかどうか。とすれば、それに対する対策はどういう対策をお持ちか。
  282. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) やはり結局応募者が少なくて受験率が少なければ当然質の低下というものは避けられない、大いに関係があることでございます。したがって、今後そのような隊内の犯罪の発生を減らすためには、何と申しましても、自衛隊に入隊する前の事前の身元調査、これを厳格にやらなければいけないというふうに考えておりますので、時間をかけましても、事前の身元調査を十分にいたしまして、それによってある程度入隊者数の確保が困難であってもやむを得ないという角度から、昨年来募集の重点をその点に置いております。
  283. 中村利次

    中村利次君 これは応募者の多寡に関係があるのかどうかしりませんけれども、海上自衛隊——海上あるいは航空は相当多数の欠員があって、むしろ今度の計画による、法案による増員数を上回るということになっておるのではないですか。
  284. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) 現在増員をお願いしておりますのは海上自衛官と航空自衛官の増員でございますが、海上自衛官の充足率は現在九八・三%、航空自衛官の充足状況は九七・九%となっておりまして、むしろ昨年来この増員がございませんために、相当募集数を削減と申しますか、抑制しておるという状況に海上並びに航空はございます。
  285. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) ちょっとつけ加えますと、実はこれをお願い申し上げたいということで御審議を願っておるわけでありますが、まあありていに言いますと、御承知のとおり沖繩に配備をする数が二千九百、とりあえず一口に言えば。そのやりくりをどうしてもこれは部内でやっていかなければなりません。そうすると、現在この防衛二法でお願いしておりまするものが通りませんと、特に空を徐々に、配備していく上にも非常な支障がくるわけなんです。そういうことで、現在の沖繩に配備する数、これは四次防にも関連してくるわけでありますし、まあ衆議院側で廃案ということになったわけでありますが、これは三次防の決着分もありまするし、同時にまたこの数をふやしていただくことによって、何とか不自由をしながらもやりくりをして、国内及び沖繩のバランスをとっていきたい、こういうわけでございますので、どうぞひとつそのあたりを十分御了察をいただきまして、すみやかにひとつお認めをいただきたい、こうい思っておるわけでございます。よろしくお願いいたします。
  286. 中村利次

    中村利次君 これはどうも、まことに失礼ですけれども、沖繩に自衛隊の配備をすることによって欠員がひどくなるという理論は、これはちょっと残念ながら私は成り立たないと思うのですね。やはり海上自衛隊の現在の定員の中に、いまおっしゃったように九八・三%ですか、千百二十三人か幾らになりますね、欠員が。あるいは航空自衛隊は九七・九%であって、九百五十人あまりの欠員がある。そうすると、やはり私どものしろうと考えからいきますと、現在の定員においてこれだけの欠員があるわけですから、したがって欠員をほうっておいて増員をはかるというのは、全くこれは何といいましょうか、本末転倒といいますか、増員をはかってみても、欠員が現実にある。その欠員を埋められもしないで増員を提案をするというのは、まことにつじつまが合わないという気がするのですよ。そういう点、これだけの欠員があるというのはなぜなのか。あるいはもう一つは、そういう欠員がありながら、なおかつ増員をここに提案をされるというのはなぜなのか。そういう点を明らかにしてほしい。
  287. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) 現在海上自衛隊が欠員六百三十六名、航空自衛隊が八百七十八名でございます。やはり人事管理をやってまいりますと、これだけ、四万人前後の部隊の運用となりますと、どうしても九八%以上の充足を常時確保しておくということは非常に困難な問題がございます。たとえばある部隊に一部急に欠員ができたということが常に私のほうで把握できませんので、一応九八%くらいのところで推移しておきませんと、場合によったら過員になるおそれがある。オーバーするおそれが従来からもございまして、特に昨年度は航空自衛隊の場合は一〇〇%をこえるような危険性がございまして、そういう意味におきまして、この人事管理の運営をはかっていくためには、部隊が大きくなりますと、あるいは人員数が非常に大きなものになりますと、大体一%ないし二%の欠員でいくということは、これは最大限の努力ということになる。これは非常に技術的な問題でございますが、そういうことになります。
  288. 中村利次

    中村利次君 これは私が聞いた数字が、どうもいま御答弁いただいた数字とだいぶ違っていまして、私のほうが間違いだったのじゃないかと思いますけどね。非常に奇異の感を受けましたけれども、それでは、まあそれは御答弁に従う、その数字に従うことといたしまして、自衛隊の増員はここ数年間ずっと——数年間じゃなくして、ずっと続けられてきておりますし、四十四年度は七千七百二名、四十五年度には九百八十四名、四十六年度は千三百名、それから四十七年度に今度千三百名増員がはかられてきておるのですけれども、これは冒頭に申し上げましたように、まあ日本の自衛力の限界、これは装備もありましょうし、人員もありましょうし、いろいろ総合的なものになると思いますけれども、そういう議論になると、これはまたたいへん議論の多いものになると思いますけれども、しかし非常に単純に考えまして、国際的にやはりどうなんだといわれればとにかく、具体的にはやはり緊張緩和の方向に向いているということは間違いない。そういう中で日本の自衛力はどうあるべきかというのは、むしろ堅実な方向に、平時編制の方向にいきこそすれ、数年前よりももっと臨戦体制をとらなければならないという理由は、これは一つもないと思うのですね。今度は反面、一般の行政職員の場合を考えますと、これはだんだん減員をする方向にあるわけですね。四十三年度から三年間に、あれは三%ですか、五%ですか、それからその後の三年間には九%減員をしよう、こういう方向にあるわけでして、これは計画削減の措置が片方にはある。片方には世界の緊張は緩和しつつあって非常に好ましい方向にいっているというのに、この自衛隊だけは増員の傾向にあるという、この疑問に対してはこれはどういうぐあいに考えますか。
  289. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これは御承知のとおり、自衛隊はゼロから始まったわけです。したがって三次防、四次防というわけで、まだ補備充実をしていく形成段階、こういうことでございますね。したがって、ぜひお願いをしたい。御承知のとおり、最初は三十五万ということでしたが、陸は十八万ということを目標において、ようやく四十七年度で十八万人体制にこぎつけ得る、これは当分これを堅持していこう、こういうことで方向が出ているわけであります。したがって、さっきの海とか空とかは、装備にあわせてそれを操縦する人、その人員をお願いしているわけでありまするから、特にいま防衛を強大なものにするというのではなくして、あくまで充実段階である、こういうふうにお受け取りを願いたいわけであります。
  290. 中村利次

    中村利次君 どうも充実段階——確かにゼロから発足をしまして今日の状態になったことは、これはもう何人がどう言おうと間違いございません。しかしやはり、私はGNPの一%あるいは〇・九%という、その議論では割り切れないものが、自衛力については、自衛力はいかにあるべきかというものにはありますし、それから、何といいましても、やはり私はそれは独立国としての自衛をどうするかということを全くこれを否定するということじゃなくて、やはりそういう自衛措置を認めるにしても、おのずから国民の合意を得られるものでなければいけない。それがまた、やはり国際的な情勢あるいは極東の情勢に見合ったものでなければならない。私は前提として、これは自分かってかもしれませんけれども、そういう判断に基づいて、いろんなやはり四次防の練り直しだとか、あるいは、こういうことをあまりくどく言うと防衛局長お困りかもしれませんけれど、久保構想にしたってそういうところから出てきたのだろうと判断をいたしますから、そうなりますと、やはりこれは私にとってはまともな方向であり、好ましい方向である。そういうことになりますと、やはりちぐはぐを感ずるわけです。ですから、やはりゼロから発足してここまできて、まだ未整備状態だということではなくて、そういう客観的情勢のもとでやはり私どもは判断しようとしているわけでありますから、何か、もっと、なるほどというような御答弁はございませんか。
  291. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) なるほどというところは、これはやはり未整備状況、まさに補備充実段階であるということを申し上げるより方法はないわけでありますが、もともと日本は局地戦に通常兵器でたえていく装備ということで、まあこの程度はというわけで、しかもこれは三次防の決着でございますから、まあ四次防においては、さっきからいろいろ、峯山さんからも御意見がありましたが、われわれは早くやろうと思っておるわけですが、なかなかそう簡単には情勢が許さないような雰囲気があるようです、これは。ですから四次防については、これはやはりああいう疑義が生じたり、それぞれ問題があったわけでありますが、これは三次防ですでに決着をつけて幕を閉じるわけですから、これはひとつ首を縦にお振りをいただきまして、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
  292. 中村利次

    中村利次君 これは三次防の決着とおっしゃいますけれども、三次防の決着であろうと四次防の始まりであろうと、私はやはり国民の合意を取りつけられるものでなければならないという立場からしますと、国際情勢の変化なり、あるいは極東情勢の現状、あるいは米中、米ソ、その中におけるわが国の占める地位、そういうものが相互関連をして、時々刻々変わる情勢の変化に対応するような自衛力というのが当然考えられてしかるべきだと思うのですけれども、やはり三次防の決着だから、これは非常に表現は悪いですけれども、惰性としてこういうものを整え終わるのだということについては、どうもいささか納得しがたい面があり、抵抗を感ずるのですけれども、いかがでしょう。
  293. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 中村さんの御意見は私どもわからぬわけじゃありません。しかし、これは、さっきも申し上げたように、その補備充実しておる段階である。これが計画が遂行されたあとならば、平和のきざしが見えたとか、あるいは平和情勢が定着してきた、これはひとつ大いに縮小しようとか、また足踏みでいいのではないかというこの見解は、その時点なら成り立ち得ると思うのです。ところが、日本は何も事をかまえるわけではありません、これは善隣友好をたてまえとし、平和外交を国の大方針とするわけですから。しかし、これだけの経済力を持って、しかも資源のない国が資源を海外から仰いでくる。その航行も日本の沿岸三海峡、この近くは当然安心して航行できるような、その根本に資するための海上自衛隊、この装備はまだまだ充実段階である。いやそれじゃ、だれがどう一体妨害を加えるのかという問題もあろうかと思います。しかし、日本もここまで来ておりまするので、まあ三次防の決着程度の、特に今度は海とか空とかに人員を配備するわけでありまするので、これはひとつお認めをいただきたい。充実してからなら、これは御指摘になるように、もっと弾力的に動かすことができようかと思うわけですが、まあ現在の時点では充実をさせる段階であるというわけでありまするので、その辺はひとつ区別してお考えを願いたいと思います。
  294. 中村利次

    中村利次君 これはどうも残念ながら大臣と見方、判断を異にするようでございますので……。  それでは、陸上自衛隊の場合には十八万人構想とか十五万人構想とか、あるいは臨戦体制あるいは教育訓練、平時編制体制といういろんなことが言われておるわけですけれども、海上自衛隊の場合には、どうも定員らしきものをいままで示されたことがなくて、こう、表現は非常に悪いでしょうけれども、ずるずるずるずると増員をしてこられたわけですけれども、これは艦艇の建造計画等、そういう兵器装備、これはちゃんと問題提起をされてきまっていっておるのですけれども、それにかかわる兵員については、計画的なものをお示しにならないでずっと増員されてきた。しかし、少なくともこの海上自衛隊のほうもちゃんと計画を持ったものをお示しになるべきではないかと思うのですが、そのお示しにならない理由と、あるいは今後計画をきちっとされて、兵員等の増員計画についてもお示しになることになるのかどうかですね。
  295. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 陸の場合は十八万人体制ということで考えておりまするが、何せ日本の置かれておりまする地理的環境が四面海を持っておるということで、海は、中曽根君が十年を視点としてというときには三十数万トンというような表現を使っておったようでありまするが、それは十年を視点にはちと多過ぎるというわけです。まあしたがって、これをどこまで伸ばすかということはまだ現在詰めておりませんが、中曽根構想のような膨大な拡充強化ということは考えておりません。しかし、これは防衛局においても今後詰めてまいりまするし、私しばしばここで申し上げておりまするように、防衛研修所というものがただ四十人程度の研修生の研修をするということだけでなしに、やはり安保条約の運用面において、一体日本はそれにどう対処するとか、いま御指摘のように、陸が十八万ならば一体海は艦船何万トンなのか、また飛行機ならば、これは機数で表現するわけですが、何機が一番いいのか。まあ千機程度ということを中曽根君これまた申しておったわけでありまするが、そういうことをもっと具体的に、中村さんにはもとよりですが、国民に向かってもわかりやすく説明する、やはり一つの根拠をまとめてまいりたい、こう思っております。今度は防衛研修所に防衛庁としては有能な者を配置して、そしてひとつ十分そこで検討をしてまいりたいというふうに考えております。   〔理事町村金五君退席、委員長着席〕
  296. 中村利次

    中村利次君 そうしますと、現在の定員が三万八千幾らですか。そういうものを——たとえば陸上自衛隊の十八万人、これはきちっと計画的なものが示されているわけですけれども、海上自衛隊も、そういう何といいますか、最終的にはどれくらいのものにしたいという計画をお示しになる構想があるわけですね。
  297. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 若干私の発言が前に物議をかもしましたけれども、私は防衛力の限界という意味で、たとえば陸が十八万とか海空が何万というふうにできればいいではないかという発想をしたわけでありますが、いまのところそういうようなことで、必ずしも防衛庁の態度として、海空については、船のトン数とか、それから航空機の機数とかというものでめどをつけるという方向はありましたけれども、それに対する要員がどれくらいであるか、これは厳密にやりますると、後方関係の部隊、司令部の部隊、あるいは学校関係、いろいろ細部にわたって検討しなければなりませんので、相当困難でありまするし、四次防原案でも、また今度の四次防でも、さしあたってそこまで煮詰め得るか、ちょっと疑問に思っておりますが、一つの検討課題ではなかろうかというふうに思っております。
  298. 中村利次

    中村利次君 次に、あちこち飛び散らすようですけれども、空ですけれども、第四高射群がこれは当初予定されていた構想と変わったことになったようなことを聞いておりますけれども、これはどういうことになっていますか。
  299. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 第四高射群に属する高射隊の配置の場所についてなかなか合意が得られませんで、たとえば飯塚の場所に高射隊を二つ置いている。こういうものは、いざというときに配置がえをして防空に当たるということになるわけでありますが、できるならば平素からその地域の防空に当たって、適切な配置、適切な距離を置いた配置にすることが望ましいということでありますが、遺憾ながら、全国的に見ましてもなかなか高射隊を配置する場所、施設が得にくいというようなことで、施設が若干当初の構想よりも縮小されたということであります。   〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
  300. 中村利次

    中村利次君 これは、当初は五高射隊で編成をする方針だと言われておったと思うのですけれども、これはまあいろいろな変化があるにしても、将来の構想というか、将来の計画についてはいかがですか。
  301. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 間違っておりますればあとで訂正をいたしまするけれども、将来はたしか六個に、これは四次防の中で六個にふやしたいということではなかったろうかと思います。ちょっと確認をいたします。
  302. 中村利次

    中村利次君 わが国の防衛体制上、高射群の必要高射隊数はどれぐらいというぐあいにお考えになっておりますか。
  303. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 四次防の原案におきましては、第七、七つまでにするということでありますが、いまこの点について検討を進めております。大体そういう方向であろうと思いますが。そこで一つの高射群の中では、たてまえとしましては四つの高射隊からなります。これは通常の場合であります。しかしながら、編成の過程におきまして、その上部機構である、上部組織である高射群というものを急に編成できません場合に、最初は三つであったり、四つであったり、あるいは五つであったりするわけであります。モデル編成としましては四であるということであります。なお第四高射群は、お話のように五ということであります。
  304. 中村利次

    中村利次君 これは四次防原案では、確かに七高射群とされていたんですけれども、それでは、四次防原案が見直されるということになった現在でもやはりこの七高射群という構想は変わっていないということですね。
  305. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) ナイキの部隊については、群の数は大体そういうことではなかろうか。ただ、その中身をなしまする高射隊の数でありまするとか、あるいはそこに持ってくるミサイルの数の問題でありまするとか、そういったような問題についてはなお検討しておる最中であります。
  306. 中村利次

    中村利次君 この高射群を、将来、これは今日以降、まあ七高射群ということになりますと、これはふえるわけでありますから、配置をする地区は、いろいろこれもうわさをされておるわけでありますけれども、大体計画としてはどういうぐあいにお考えになっておるのか。
  307. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) これは四次防の中でありますので、特定の個所は想定いたしておりませんけれども、日本の地域の防空上から申しますると、中国から四国にかけてが穴があいているかっこうになります、これは航空機を含めてでありますが。そういたしますると、あの一帯について、つまり中国地方から四国にかけての空域をカバーするに足るような配置が望ましい。したがって、第七は一応そういうような場所を想定いたしております。
  308. 中村利次

    中村利次君 そうしますと、いまの御答弁からしますとね、わが国の防空体制の最終的なものは七個群であって、そしていまお答えになったような配置をやろうと。大体そういう構想だと受け取ってよろしいのですか。
  309. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 最終的なというところが問題であるわけでありますが、たとえばキューバでありますとか、それからエジプトなどをとってみますると、防空が十分でありまするためにはこの対空ミサイルのカバレージ、つまり到達距離で円をかいてみますると、その円でそのカバーすべき地域を全部おおい得るようになっております。したがいまして、そういう観点からすると相当数要るわけでありますが、われわれとしてはそういうようなことは考えないで、政経の中枢、あるいは輸送の要域といったような、全国的に見まして特定要域についてある程度の防空効率を持ち得るようにということを考えております。そういう観点に立った場合に、最終的にどの程度のものがよろしいかと、こういうことがわれわれの検討課題でありまするし、将来、対空ミサイルも漸次技術的には進歩いたしまして、前の古いものがなくなってまいります。そうすると新しいものは、またこれを経費を食うものでありますので、経費効率の面から見て、あまりふやし過ぎてもいけないというような問題もあります。したがいまして、最小限どういうような配置をするのが望ましいか。どこまでそれを整備するのが望ましいか。これは四次防と別個に、あるいは今後の検討としてわれわれは勉強してまいりたい、そういうふうに思っております。
  310. 中村利次

    中村利次君 そうしますと、もう全然この構想はないということですか。何かやはり、最終的なものでもないけれども大体こういうことを考えておるというようなことでもあればお答えを願いたい。
  311. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) これはやはり幕僚研究といたしましてはいろんな構想があります。しかしながら、そういうものが、技術的な制服の研究の中身がわれわれの行政レベルに乗り得るものであるかどうか。つまり行政の上に乗っかる範囲内のものとしてはまだ検討が済んでおりません。
  312. 中村利次

    中村利次君 次は潜水隊群ですね、これは四次防の原案にもやはりこのことは盛り込まれておったのですけれども、これはいまの航空と同じように、空と同じように、この四次防構想の原案の練り直しの中で、大体どういう構想をお持ちなのかお伺いをいたしたい。
  313. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 四次防の中では、潜水艦の古いものが減耗してまいります。したがいましてそれの代替を考えるわけでありますが、これの隻数が現在検討中でありますけれども、潜水艦の数についてそれほどふやすつもりはいまのところございませんので、潜水隊の部隊の数は一応変わらないんではないかというふうに思っております。
  314. 中村利次

    中村利次君 四次防原案の中では、これは九隻建造計画あったわけですね。これは消耗に対する代替分だけではないでしょう。そういう点はどうですか。
  315. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 九隻、これは防衛庁原案では九隻としておりましたが、そのうち減耗分が五隻、増強分が四隻でありました。しかし、われわれの今度の検討では九隻をつくるつもりはございませんで、もう少し少ない数字で検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
  316. 中村利次

    中村利次君 四次防原案では、少なくともさらにその一潜水隊群ぐらいの編成をしようという構想があったわけですよね。ですから、私がここでお尋ねをしたいのは、その構想がなくなったのかどうかですね。白紙に還元をされたのか、あるいは今後の四次防を策定される場合に、そのことは生かそうとされておるのかですね、いかがですか。
  317. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 四次防原案のときには九隻をふやすということで、増強分が入っております。しかし編成につきましては、これは毎年度の業務計画で検討するわけであります。編成の長期計画というのは必ずしもつくっておりません。少なくとも防衛庁レベルでこれを決定するというものが長期計画としてはございません、編成については。したがいまして、四次防の中で隻数がふえるけれども、それにしたがって潜水隊群がふえるというふうにはなっておりません。  そこで、いま申し上げましたように、九隻よりも少し少ない数字で考えれば、現在考えておりますいまの潜水隊群の数がふえるわけではあるまい、こういうふうに思っております。
  318. 中村利次

    中村利次君 そうしますと幾らか少し隻数はふえるけれども、潜水隊群はふえないということになりますと、どういうことになりますか。
  319. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 一潜水隊群はたしか二ないし三潜水隊からなっております。そこで、これは建設過程でありますので、一潜水隊は潜水艦の二隻ないし三隻で編成されますけれども、二隻であったり三隻であったりいたします。そこで九隻からどの程度減らしますか、いまの検討の中身にかかわるわけでありますけれども、減耗分を差し引いてみておそらくたいした増減はあるまいと、ふえてもたいしたことはあるまいということになりますると、いまのように潜水隊群として大きなこの群の数は変わらない範囲におさまるだろう、そういうつもりでおります。
  320. 中村利次

    中村利次君 だいぶ慎重なお答えなんですけれども、これはしかし大体構想ぐらいあるんでしょうけれども、結局減耗代替分を除いて、四隻をふやそうというのがどういうぐあいに変更をするのか、二隻になるのか三隻になるのか一隻になるのか、もう少し、というのをもっと具体的にひとつお答えを願いたい。
  321. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) これは潜水艦だけをとりましてもいけませんので、いろんな護衛艦艇がどういうふうに、何といいますか、ふやし得るか、それから減耗分がどうであるかということと、それから陸海空の総体の経費がどうなるかということとの相関の関連でありますので、絶えず動いておりまして、今日の状況でどれくらいにするということを申し上げるほどの数字はございませんし、かりに事務案がありましても、いずれ大蔵省あるいは国防会議事務局というようなところでの検討の過程でまた変わってまいるということでありますので、この点はもう少し固まったところでお話を申し上げたいと思います。  それからなお、いまの編成の点については四次防全体としての編成は確かにまだございません。
  322. 中村利次

    中村利次君 そういたしますと、四次防原案の中でその期間中に九隻の潜水艦をつくるというのが、四次防を白紙にして見直しするということになっても、この潜水艦の建造計画は白紙にしたわけではないということですね。やはりふやそうという御意思がある、こういうように受け取ってよろしいですか。
  323. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) それは白紙にするということの意味でありますが、防衛庁原案がそのまま生きているわけではない。白紙ということは一応それをはねのけてもう一度考え直すということで、一から考え直すという意味であろうと思うのですが、そこで、一から考え直してみる場合に、最小限減耗分がございます。いままで持っておったものが艦齢がきてそれが除籍されるというふうになります。そうしますと、減耗の更新ということでありますので最小限度五隻は要るであろう。そこで五隻というものが確保されて——確保というか、それは一応つくらなければいけないだろう。これは三次防までも毎年一隻ずつつくっておりますから、三次防の延長として、あるいは三次防並みということでそのペースでまいれば一隻ずつつくる。そこで、それ以上にどの程度つくれるか、つくれないかはこれは総体のバランスの上で検討しなければならないという意味であります。
  324. 中村利次

    中村利次君 これは先ほどの大臣の御答弁の中でも触れられましたけれども、いわゆる中曽根構想と称せられるものの中には情報本部設置構想があったわけでありますけれども、今度の第二幕僚室の強化がこれと関連があるのかどうか。全く関連がないのか、あるいは関連があるのか。
  325. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 四次防原案では統合情報機能の強化ということを打ち出しておりまして、その中身としましては、いわば戦略的な情報、陸海空に共通的な情報、そういうようなものは一つの組織でもって扱うのが適当であろうという考えをとっておりました。  そこで、それの目ということにもなりますけれども、一応それと別個に、常時日本の周辺で不審な艦艇、航空機その他が動いております。そういうものを常に、動態情報と申しますが、そういった動態情報を常に把握しておるというようなこと、それから災害その他の場合の情報が一本にまとまって一つのセクションに図示されるということで、いわば長官のもとで指揮をされる場合に情報が一つの場所に全部集まっておるという、現在のところ陸海空でもそれぞれの動態情報は別々に把握されておりますけれども、それを一本にしようということで、この法案の中での統幕の五人というのは入っておったわけであります。そういう意味では、陸海空が現在別々に行なっておりまする動態情報の統合化を統幕の中でやろうとしたということであります。ただ、これは統幕の中でありますので、四次防原案で考えておりまするのは、別個の情報機関をつくるということであります。それを統合幕僚会議の付属機関にするか、どういう組織にするかはまたおのずから別個の問題であります。
  326. 中村利次

    中村利次君 その統幕で統合戦略見積りというものがこれはつくられておりますね、これは第三幕僚室か第五幕僚室であろうということはまあ間違いのないようですけれども、これはどこでつくられておりますか。
  327. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 第五室であります。
  328. 中村利次

    中村利次君 それから、これもあちこち飛ぶようですけれども、防衛計画の中で人員と兵器、装備の関連があると思いますけれども、現在の国際情勢の中でどちらのほうに重点を置いてお考えになっておるのか伺います。
  329. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) これはたいへんむずかしい御質問であります。基本的に申せば、幹部要員それから技術要員という意味では人員というものも重要であります。ところが半面、人員が常時において十分な訓練ができるためにはそれに見合うところの装備がなければいけない。その装備というものも、一応高度な技術の発達した今日では、それ相応の程度の高い兵器、装備が必要であるということで、いずれかということについてはちょっと私どももなかなかお答え申し上げにくいということであります。
  330. 中村利次

    中村利次君 これは自衛隊の装備も、私はこの委員会で前に申し上げたことがありますけれども、非常に近代化する傾向が、これは当然のことでしょう。しかし制服というのは、これはいわば職人みたいなもので、世界的な最新兵器をほしがるというのはこれは当然のことであろうと思うのです。これをシビリアンコントロールでどうコントロールしていくのかということがあると思いますけれども、とにかく傾向として装備の近代化は、これは世界の趨勢として進められていくことになるでしょう。その場合、先ほどから私が提起をしましたいわゆる隊員の質ですね、非常に募集も困難になってくるという、そういう隊員の質の点をあわせ考えますと、どちらに重点を置くのかということと同時に、この相関性というものをどうしていけばいいかということがやはり課題になると思うのですけれども、そういう角度からの関連というものはいかがでしょう。
  331. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) 装備を近代化することは私は必要だと思います。そして、いわゆる少数精鋭の部隊を養成していく。御指摘のように、確かに私武器を持った制服というものは非常に性格として攻撃的なものだと思います。それをコントロールするのがやっぱりいわゆるシビルコントロールなんで、シビルの責任というものは非常に重要なわけです。もちろん攻撃的であるということは武器そのもののことを私はさすわけで、この制服自体の指導幹部もやはり国の方針、方向というものを誤ってはならない、これは申し上げるまでもないわけであります。したがって、やはり少数であっても効力を十分発揮できるもの、やはりそういう形が日本の装備では有効ではないかというふうに考えておる。従来もそういう考え方にのっとってここにきておるわけでありまして、大ぜいの者が古い武器を持って起つということは、何となくこれはやはり効率的でないというふうに判断して差しつかえないものだということで、現在の装備方針をとっておるわけであります。
  332. 中村利次

    中村利次君 これはやはり同じ質の問題で、大体いまの自衛隊の曹クラスというのはおそらくこれは中核、どこの軍隊でも下士官という中核、昔もそうだろうと思うのですが、この曹クラスの大量停年の問題があるようですけれども、ここ四、五年くらいのうちに相当大量に曹クラスの停年があると聞いているんですけれども、これは事実はどういうことになっておるのか。それからこれに対する対策ですね。これは何か職業の問題等も考えておるやに聞いておりますけれども、曹クラスの大量退職があるのかどうか。どれくらいの規模なのか。それからそれに対して対策等について伺います。
  333. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) ちょうど警察予備隊発足以来採用しました隊員が曹になりまして、これらの者が逐次停年になっていくというのが、大体あと二、三年しますと約三千人程度ぐらいになるのではないかというふうに考えております。そこで、これらの対策でございますが、本年から退職時一年間の間、できるだけ勤務時間外を利用しまして職業訓練所に職業訓練に行かせる。それに対して国のほうである程度の援助をするということになりまして、今年から、昨年度に比べまして約五倍の一億五千万の予算をつぎ込みまして、停年になっていく人で技術を持ってない人の全員につきまして職業訓練を一年間実施するということで、再就職がしやすいように措置いたしております。
  334. 中村利次

    中村利次君 ここ二、三年に三千人というお答えでしたけれども、そんなものですか。ここ五、六年ぐらいのいわゆる中期構想でどうでしょうか。私が聞いたところでは相当、一万数千という大量な停年退職者が出るということを聞いているんですけれどもね。
  335. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) 現在は大体約千人程度毎年停年退職いたしております。しかしながら、大体五十年から五十一年ごろになりますと、毎年約三千人程度の停年退職者が出てくるであろうというふうに考えております。これは現在のままで推移しますと、もう少し多くなりますけれども、なるべく昇任率を高めまして、なるべく幹部にしてあげるとか、あるいはできるだけ曹長とか一曹にしてあげるということによりまして、四十五歳停年の者は五十歳に、階級が上がることによって停年が延びますので、そのように操作を逐次いたしまして、実質的には大体三千人程度の停年の数で押えようというふうに考えております。
  336. 中村利次

    中村利次君 次に、自衛隊の離職者の就職審査会の設置の問題ですけれども、これはよくうるさく言われますけれども、天下りを避けるためのものだと言われますし、従来長官の承認だけでよかったものを、四十五年ですか、防衛庁の内部に自衛隊離職者就職問題協議会というものを設置してこられたのですが、今回さらにこれを立法化して自衛隊の離職者就職審査会としてここで審査をするのだということになっておりますけれども現実には立法化する以前に対策を講じてこられているのですね。実際に就職問題協議会にかけられたのは二、三人というような非常に少ない数で、離職者と言っても幹部自衛官なんですけれども現実には非常に大量の退職された方たちのうちの三〇%あまりが防衛庁と取り引きのある登録会社に入社をされておるという事実があるそうでありますけれども、こういう点については、今度審査会も立法化しようとなさるについて、どういうぐあいにお考えになっているか。ただ、かっこうだけはついたけれども実体は従来と何ら変わらないということになるのか、いやそうじゃなくて、きちっとした国民の納得のできるような、そういうものにするというお考えなのか。とすれば、具体的にはどういうことをお考えになっているのか。
  337. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) この審査会にかける数が少ないのには理由が二つございまして、一つは、常に事前に指導いたしておる、したがって危険なものにつきましては、疑わしいものにつきましては、もう申請してこない、やめるということになっておりますので、非常に少ないということになります。  もう一点は、実際問題としまして、防衛庁の自衛隊の離職者がそのようなりっぱな会社の重役とか、あるいはそのほかの重要な職務につく機会が少ないという二つの面から見まして、大体年間一件ぐらいしかございません。そのようなことでございまして、今回審査会を設けようという場合に、この条文の規定から申しましても、審査会に付議し、その議決に基づいて行なうということになっておりますので、具体的には字句の解釈からしますと、長官の法定権が完全に審査会の審査を受けなければならないという拘束力を持っておりますので、その意味におきまして、今後厳格な審査をいたしてまいりたいというふうに考えております。
  338. 中村利次

    中村利次君 その理由についてのお答えがございましたけれども、しかし実際に、やはり昭和三十八年度から四十六年の暮れまでに退職した一佐以上の幹部自衛官の方たちが、先ほども申し上げましたけれども、二千人あまりのうちの六百何十人というのが三十数%ですね。この防衛庁の取り引き関係のある会社にお入りになっているわけですよ。これはいまお答えになったことではどうも解消もされませんし、納得もされないと思うのですね。ですから、そういう点をもっとやはり正直にといいますか、具体的な裏づけをもってお答えいただかなくちゃ困ると思うのですよ。
  339. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) まあ三十数%、確かに登録会社に参っておりおりますけれども、これらのものはほとんど嘱託とか顧問とか、あるいは一般の事務職員とかいうようなものでございまして、この審査会等で審査されるような、役員あるいはこれに相当する地位というものに就職している者は、先般も御説明しましたけれども、過去八年間の間にわずかに十九名ということになっておりまして、その他の者はほとんど重要な職務といいますか、責任のある地位についている者はいない。したがって、審査件数も少ないということになっております。
  340. 中村利次

    中村利次君 私はそこに問題があるということを指摘したいんですよ。役員または役員に相当する地位——顧問あるいは嘱託とおっしゃった。これは、顧問あるいは嘱託というのが、これは何というのですかね、隠れみのになって、役員あるいは役員に相当する地位ではないのだと、顧問、嘱託は。そういうものの隠れみのになって国民の批判を受けるようなことがやられるとすれば、これはたいへんにどうも遺憾なことであり、重大なことだと思うんですね。ですから、この顧問あるいは嘱託というのは何だと。私の知っている限りでは、民間では顧問なんといったらたいへんな地位のところもあるわけです。ですからそういう点、隠れみのになって、審査件数が非常に少ないんだと、そういうものが今度はこの審査会になってもそういう隠れみのがそのままになって、いままでと同じように野放し状態になるんだと、なお国民の批判を受けなければならぬということになりますと、これはまあ何といいますかね、今度立法化によってかっこうはつけられたけれども、それはあくまでもかっこうであり看板だけであって、実質は何ら前と変わらないということになると、ますますこれはどうも不信感が強くなるんじゃないかという気がしますから、したがって、そういう役員と嘱託、顧問とは違いますというお答えだけではなかなか納得しかねるのです。どうですか。
  341. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これは中村さんの疑問はわかりますが、現実はその月給が証明するんですね。役員ということになりますと、まあ当今は実業界は経営者時代ですから、相当役員の報酬というものは高いわけですよ。で、いまの自衛官が再就職する場合は、おおむね十万円から十五万円程度、隠れみのになるという御心配は、まあそういうわずかな月給、で、ようやく共済年金を充当してどうにか教育盛りの子弟を養うと、こういうありさまでありまするから、それは役員と嘱託では違うわけです。それから顧問という名称は、かつて多少位が高かったという配慮で、まあ名前ぐらいはよくしておこうという会社側の配慮に出るものであって、実質は伴わない。これはこの待遇を勘案していただくというとすぐわかるわけでございまして、これは私、防衛庁に入りまして、全くこれは弱ったことだと、これを何とかうまく解決しなければ防衛庁の将来ということにも響くと思って、目下人事教育局長などともいろいろ協議、検討しておるようなわけでございまして、まあ現実の状況というものは、産軍癒着とかそういうていのものではなくって、むしろこの低い処遇、あとの第二の人生をどう歩ませるかという点についてよくよくこれは別途考えていかなければならぬいろいろな問題を含んでおるというふうにすら私思っておるわけでございまして、この点は冒頭申し上げましたように、重役といわゆる名ばかりの顧問というのでは、だいぶその処遇等において非常な違いがある、これはひとつ御同情を願いたいものだと思います。
  342. 中村利次

    中村利次君 これは伺ったところでは、たいへんに私自身どうも、それが事実とすると誤解があったようです。しかし、であれば、私は、防衛庁はやはりその疑惑があることは事実ですから、むしろ積極的に事実、実態を明らかにして、そして国民に問うという姿勢があっていいと思うのですけれどもね。これはきょう、資料がございましたら私お聞かせ願いたいと思うくらいですがね、ありますか。
  343. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) まあ大体正直なところ申しまして、現在会社の嘱託とか、あるいは将クラスであれば顧問という名称を一応使っておりまするが、大体お願いしておりまするところは一般的に一佐クラスで十万から十二万、将補クラスで十三万から十四万、それから将が十五万程度というところでお願いいたしております。
  344. 中村利次

    中村利次君 これはその顧問あるいは嘱託の人たちですか。
  345. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) これはもう、全然虚飾のないお話をいま人事教育局長が申し上げたので、私もさっき申し上げたとおりで、これは間違いございません。全くこれは第二の人生を歩んでいく上からいいますと、ほんとうにむしろ気の毒なような形にある。それで、そうかといって世間に誤解を招くことがあってはなりませんし、何かもっとこれは対策はないものか、全く苦慮しておるのです、これは。いま答えたとおりでございます。
  346. 中村利次

    中村利次君 これは恐縮ですが、だいぶやはり感覚のズレがございまして、定年退職後十万あるいは十二、三万から十五万ぐらいの、役員でなくて嘱託あるいは顧問という、顧問料といいますかね、嘱託料といいますか、そういうものがつくというのは、むしろこれは大臣はお気の毒だとおっしゃいますけれども、一般国民からすると決してお気の毒な処遇ではなくて、相当これはほんとうにうらやましい処遇だと言わざるを得ない。まあこんなところで引き合いに出すのは変な話ですけれども、国会議員が十年やって年金が十三、四万ぐらいですから。これはね、十五万だ、十二万だという顧問料、嘱託料というのは、これは決して低い額じゃございません。民間会社でしたら、そうですね、部長、課長クラスがこれは将に相当するのか、将補に相当するのか知りませんけれども民間に行ってそれほどの処遇を受けるということは、これは系列会社なんかに行っては相当がんばらなければそういうことにはならないのですね。そうなりますと、これはやはり国民の疑惑というものは——とすればですね、とすれば、やはりどうも登録会社なんかに行くのは、これは天下りであるという、そういう感覚、認識になるのは、私の体質からいいますと、これはまあ当然であろうと思います。  そこで次の質問ですけれども、そういうことになりますと、これは冷遇か厚遇かはこれはおきましょう、そういう論争をやるつもりはありませんから。この顧問、嘱託までを含めて審査の対象にされるおつもりがないかどうか、これをお伺いしたい。
  347. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) 顧問、嘱託等名称のいかんを問わず、役員に相当する地位であれば当然これはもう審査の対象になるわけでございますが、それでなくても、まず将、将補、一佐クラスがいろいろな会社に行きます場合に、事前にどのような名称でどのような処遇で、どのような事務に従事するかということを全員について担当者がチェックいたしております。そのうちで特にやはりこれは長官まで持ってあがらなければなかなか結論が出ないというようなものが最終的に審査会にかかってまいるわけでございまして、その事前のチェックというものは、これは全員について行なっておるわけでございます。そういうような意味におきまして、まあ顧問とか嘱託であればもう全然審査しないというようなものではございません。
  348. 中村利次

    中村利次君 ですから、そこに引っかかるんですよ。私は私の感覚というか、私の体質でものを言うのはこれはよしますけれども、私は私なりの考え方があるけれども、そうじゃなくて、やはり天下りというのは国民的に非常に不信感を与える。これは自衛隊の場合なんかには、私はやはり自衛隊が愛される自衛隊になるためには、不信感の一つでもこれを積極的に私は防衛庁がなくするような努力をされるのが当然である。しかし、まあ先ほどの大臣の御答弁によりますと、むしろ退職後の処遇はほんとにお気の毒だというおつもりですから、こういうことを言うのはどうもちぐはぐになるかもしれませんけれども、しかし大臣のお考えはそうであっても、国民の疑惑というものは、やはり十数万、十二、三万から十五万というと、天下りだと見ておると私は思うんですよ。ですから、そうなりますと、やはり顧問、嘱託というのは、これは役員及びこれに相当するものだったら、顧問、嘱託の中でそういうものだったら審査の対象にしますということでは納得ができなくなりますね。そうなりますと、顧問、嘱託というのは、やはりこれは隠れみのということになりますよ。そうではなくて、役員及びそれに相当するもの、顧問、嘱託等も含めて、いわゆる幹部自衛官が登録会社にお入りになる者についてはすべて審査の対象にする、それで一向差しつかえないんじゃないですか。一向に差しつかえないと思いますし、何もちょこちょことやることはないわけでありますから、正々堂々と胸を張っておやりになるんだったらおやりになったほうが私はむしろいいんじゃないか。何か、実際にはわずかの人しか審査の対象にならない。ところが、ふたをあけてみると、これは数字から言ったら、非常に大量の方たちがやはりその登録会社にお入りになっておる。こういう印象を除くためには、これはやはりすべて審査の対象にされるほうが、私は防衛庁にとっても自衛隊にとっても、そのほうがむしろいいんではないかと思うんですけれども、いかがですか。
  349. 江藤淳雄

    政府委員(江藤淳雄君) 先ほど申し上げましたように、顧問、嘱託の名称のいかんを問わず、とにかく役員に相当する地位であれば、当然これはもう審査会で審査して判断すべきものでございますけれども、まあ実際問題としまして、一佐とか将補クラスでは、実際に勤務する会社の処遇は、内容としましては、技術を持ってない者につきましてはまあセールスマンであるとか、あるいはその他それに近いような仕事をやっておるわけでございまして、まあ将補の場合におきましては、どちらかといいますと、ユーザーの立場である自衛隊の特殊知識というものを会社のほうで活用したいという面で、顧問というかっこうになっておりまして、先ほど申し上げました十万とか十二万とかいう金額は、一佐、将補の場合は現実に実際の仕事を担当して働きながらこの程度の金額という額でございまして、その意味においては必ずしも高いものではないというふうに考えております。もちろん、それらの者がどのような会社に行き、どのような地位につくということは、すべて担当人事当局におきまして全員について審査いたしておりますので、それを全部審査会に上げる必要はない。これは各省とも同じでございまして、そのうちの疑わしい者が人事院に回っておるという点から見ましても、これを何百、何千件というものをすべて審査会にかけなくても、事前の人事当局のチェックで十分ではないかというふうに私たちは考えております。
  350. 中村利次

    中村利次君 私はそれが非常にふしぎなんです、なぜ審査の対象にする必要がないと言ってがんばられなければならないのかですね。先ほど申し上げたように、何もこういうものは審査の対象にしないんだと言ってがんばられる必要はないと思うんですよ。そういうぐあいに非常に固執をされますと、自衛隊法の六十二条にある退職後二年間は在勤中五年間の、何ですか、この関連のあるいわゆる言うところの登録会社の役員についてはいけない。それで、自衛隊法の六十二条で、二年間は顧問あるいは嘱託にしておく、しかし三年か四年たてば役員あるいはそれに相当するものになる人もあるかもしれない。その場合は、明らかにこれは隠れみのだということになるでしょう。そういう事実はありませんか、それじゃ一つも。たとえば二年間は顧問という名称にしていたけれども、三年、四年、五年たって、役員あるいはそれに相当するものにおなりになった場合、そうすれば、やはり自衛隊法六十二条があるから一応はこういうかっこうにしておくけれども、これが私は天下り——何ですか、利権関係がどうのこうのといって国民の疑惑を招くもとになるわけですから、ですから、私はこういうよけいなことを言うつもりはなかったんですけれども、したがって、それをやはりあからさまにすっきり信頼されるものにするんだったら、顧問も嘱託も全部審査の対象にしようということになれば、そういう疑惑は私はなくなるのじゃないかと思うんです。そういうことをやってどうして都合が悪いのか。私は、むしろ自衛隊が国民に愛され、すっきりされるものにしたいというおつもりがあるなら、私が申し上げる必要もなく、そういうことを防衛庁のほうでお考えになるのが当然のような気がするんですがね、いかがですか。
  351. 江崎真澄

    国務大臣(江崎真澄君) いま人事教育局長とも話しておりますが、顧問から重役になるというようなのはほんの二、三名、あったとしてももう例外中の例外ということを言っております。   〔理事町村金五君退席、委員長着席〕  それから、先ほど私が待遇がきわめて低いということを申し上げましたが、これは誤解があるといけませんから率直に申し上げさしていただきますが、たとえば防大を出ても簡単に一佐になれないんです。ほとんどは二佐どまりでやめていくわけです。で、二佐の停年は五十歳でございます。したがって、第二の人生をどうするかということになりますと、なかなかこれはやはり問題がある。それで一佐、将補というのがちょうど中央官庁でいいますると課長クラスなわけですね。で、おそらくその課長クラスの諸君が大体第二の人生に歩み出す場合にどういうふうかということを他の省庁と比べますると、防衛庁というものは決してよくない、こういうことを率直にさっき申し上げたわけであります。したがって、それを、まあ全員が天下りをするわけではありません。それでもちょっと三〇%を上回ります。で、まあこれをできるだけ減らしていけ、疑惑を持たれるな、これはやはり自衛隊の士気を考えても、御指摘になる意味はわかりますが、全く停年が早いということによって非常にまあ困るわけでございます。したがいまして、今後疑惑を薄める努力、これは私どもも当然とってまいらなければならぬと思いますが、いま中村さんが自衛隊にも理解を持っておられる政党の立場で、そいつはちょっと厚いぞとおっしゃるとすれば、非常にこれは私残念に思うわけで、いま申し上げたように中央官庁のそういう者と比べていただくと低いと、こういうことを言ったわけですから、この点はひとつ御了承願いたいと思います。
  352. 中村利次

    中村利次君 それでは、まだ質問が残っておるんですけれども、何ですか、休憩にしたいということですから、それではまたあとで続けることにします。
  353. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 暫時休憩いたします。    午後九時二十分休憩      —————・—————    午後十一時七分開会
  354. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は順次発言を願います。
  355. 水口宏三

    水口宏三君 郵政につきましては、今度、いまの東京郵政局を東京と関東の二つに分けるということでございますけれども、これまで郵政の問題、全逓のマル生等をめぐって人事上いろいろ問題があったわけですね。今度東京の郵政局を二つに分けるということは、これが御説明を伺うと、東京郵政局の業務が非常に多くなり過ぎている。これを東京と関東に分けるということでございますけれども、東京と関東に分けた場合、業務上の分量ですね、東京郵政局と関東郵政局と。それに伴って定員の配分ですね、この二つについて伺いたいと思います。
  356. 森田行正

    政府委員(森田行正君) 現在東京郵政局の定員はざっと千三百名ございますが、これを二つに分けまして、若干名ほかの郵政局もしくは本省から定員を融通いたしまして、できます東京郵政局は大体八百五十名、それから関東郵政局はそれより若干下回る程度の定員を考えております。
  357. 水口宏三

    水口宏三君 それでこういう場合、私から申し上げるまでもないと思うのでございますけれども、どうしても自分が東京のほうへ残りたいとか、関東のほうへ残りたいとか、いろいろ本人の希望もあるでございましょう。またそういう業務上のなれとか、あるいは分量とか、そういうものを勘案していろいろ希望があると思うのでございますけれども、こういうふうな、局を分けて人を再配置する場合に、本人の希望というものを十分取り入れるのか、それとも、もしそういう再配置をして不利益を生じた場合、本人に対してどういう措置をおとりになるのか。
  358. 森田行正

    政府委員(森田行正君) 管理者の諸君につきましては、適性その他を見てこちらのほうでやりますが、一般の職員につきましては、できるだけ希望も聞きましてやりたいと思っております。どうしても希望が入れられない場合でも、毎年人事異動もございますし、条件の変化もございますので、よく本人の意向を体しまして適正な人事配置をいたしたい、かように考えております。
  359. 水口宏三

    水口宏三君 それからもう一つ伺いたいのでございますけれども、当然局を二分すれば、まず局長は二人できますね。当然局長が二人できれば、それに伴って管理者の数はふえるわけであります。ところが、全体の定員定員法で縛られているわけですね。それで、どんどん業務がふえたので二つにお分けになるという観点からいくならば、当然実務に携わっている者もある程度ふえざるを得なくなるのではないか。そういう場合、管理者のほうはどんどんふえていっても、実務に携わる者についてはどういうふうにお考えになりますか。
  360. 森田行正

    政府委員(森田行正君) 実務に携わる者につきましても、当該郵政局に関しては増員をいたすつもりでございます。
  361. 水口宏三

    水口宏三君 いまございます東京郵政局の庁舎、これが二つの局に分かれた場合に、当然局舎も二つになるということになります。そうすると、いまの局舎の中を二分して二つの局をおつくりになるのか、あるいは局舎を別におつくりになって、いまの東京は東京、関東のほうはどこというふうにおやりになるのか。その場合、局舎の確保が非常にいま東京の場合困難だと思いますけれども
  362. 森田行正

    政府委員(森田行正君) 現在の東京郵政局の中には、関東電波監理局、東京郵政監察局、東京郵政局の三局が入っております。幸いなことには、本省庁舎が新しくできまして若干余裕がございますので、本省の十一階に東京郵政監察局を全部収容いたします。で、その余った余地を利用いたしまして関東郵政局の職員に入っていただく。それでも若干狭うございますので、手直しをいたし、かつ来年度の予算では増築ということをお願いしたい、かように思っております。
  363. 水口宏三

    水口宏三君 それから、一般にこういう電波業務は、特に私はスタッフよりはラインの業務が非常に多いと思うのですね。従来は一局でもっていろんなラインで流れていた。ところが二つの局にした場合に、当然同じラインのものが二つできるわけですね。そうすると、なれない仕事もやらなければならぬだろうし、いろいろ私は問題が出てくるのじゃないだろうか。そういう場合の人事配置についてどういうふうにお考えなのか。それとも、なれないものでも、むりにおまえやれというような形でおやりになるのか、その点について。
  364. 森田行正

    政府委員(森田行正君) 現在の東京郵政局の職員のみならず、各地方にございます郵政局の管理者、それからまた本省、そういうところから適材を選びまして新しいポストにつけるつもりでございます。
  365. 水口宏三

    水口宏三君 労務関係、これは国鉄のマル生から始まって郵政のマル生もいろいろ問題がある。これは、私は実は新聞の切り抜きなんかもあるんですけれども、二、三日前に郵政のマル生の提訴でもって全逓側が勝訴したという事例があるわけですね。そういう意味で、どうも労務関係というのは、当局者と労働組合との間でうまくいかないのが通例だと思うのです。それでですね、こういう二つの局に分けて管理者が非常にふえるということは、言いかえれば管理体制が強化されるということになるわけです。なおさらそういう形でもって労働者に対する締めつけが強くなってくる。また再びマル生的なものがどんどん生まれてくるというようなおそれを感ずるのですけれども、その点についてはどういうふうにお考えですか。
  366. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) 郵政省は何と申しましても従業員が三十二万という多数を擁しておるのでございまして、したがって労務関係は一番郵政行政の根幹をなすものでございますので、平素、労使間におきましては、不信感を払拭いたしまして、誠意をもって対処するということが最も大切であるということを強調いたしておりますが、最近いろいろ御指摘いただいておりますので、そういう点は特に肝に銘じまして、今度の郵政局を二分割するに伴って締めつけが増加するというようなことの絶対ないように、その点は特に配慮してまいりたいと、このように考えております。
  367. 水口宏三

    水口宏三君 郵政大臣、まあこれまでの問題についてはそういう考え、今後の問題についてはそういう方針をおとりになること、われわれ大いに期待をいたしておりますけれども、御承知のように、先ほど申し上げたように、これまでいろいろな事件が起きて裁判ざたになっている。そういうことを引き起こしたまあいわば管理者ですね、こういう管理者というものをこのまま——今度局を二つに分けるとさらに管理者がふえる、ふえるから、しかたがない、そういう人もそのまま置いておくという形になると、これは非常に私はうまくいかないのじゃないか。これまで明らかに不当労働行為を行なった管理者についての処分というものをお考えになっているわけですか。
  368. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) 労務体制の改善ということについては、当然人事ということも関連をいたしておるわけでございますから、そうした処分を含めまして厳正な態度で善処してまいりたい、こういうように考えております。
  369. 水口宏三

    水口宏三君 これはですね、大臣はそうおっしゃいますけれども、これは民間の企業を問わず、これを管理し——あるいは民間でいえば経営者の側に立てば、組合が一本になって強く出てこられるということはとかく自分の思うようにならない。言いかえればよく言われる分割支配。組合なら組合を二つつくっておいて、組合同士がいがみ合う、そういう形にしておけばいわば管理者としては管理しやすい。そういうことでいままでマル生運動なんかも起こってきていると思うのですけれども、そういうことについて、今後絶対そういうことはない、むしろ組合運動についてそういうような意図から介入することは絶対させないということをここではっきり確言していただけるかどうか。
  370. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) 先刻も逓信委員会で同様な御質問が横川委員からございまして、これに対しましてはっきりお答えをいたしたわけでございますけれども、その辺は特に御意思を体しまして、厳に将来そういうようなことのないように十分努力してまいりたい、こういうように考えております。
  371. 水口宏三

    水口宏三君 いまの郵政大臣のおことばを私信じますけれども、御承知のように、社会党としても、この春、国労並びに全逓についてのマル生問題については調査団を出して、それぞれ具体的な事実もつかんでおりますし、本来時間があればそれらのことについて一つ一つ実は伺いたいのですが、こういうことが起こるということは、もちろん大臣のみの責任ではないと思います、大臣はかわるわけですから。それで、むしろいままでの郵政における管理体制の中にそういう性格があるのだと。したがってこの際、局を二つに分割するというのを機会にして、労働組合と管理者との関係、明らかにそれは二つの対立する関係なんですから、対立する関係は対立するものとして正常にやっぱり私は運営をされていくべきだ。それに対して不当な労働行為を行なった者については厳重に処分をしていただいて、むしろ健全な組合を二つつくることが私は結果的には業務が円滑に運営できるのだと考えますので、これまでのマル生にあらわれてきたような、一方の組合には不利な条件を出す、自分の息のかかった組合には有利な条件を与えるというような形で分割支配などということがたとえ少しでも起こらないということをここではっきりひとつお約束願って、私の質問を終わりたいと思います。
  372. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) 水口先生のおっしゃることはまことにさようでなくてはならないと思っておりますわけでございますから、十分御意思を体しまして今後努力いたしたい。今度の二分割については、御承知のように、全逓も喜んでくれているのでございまして、まあそういうような御期待に沿うことを今後最大の努力として続けてまいらなくちゃならぬと、こういうように考えておりますわけでございます。
  373. 上田哲

    ○上田哲君 時間の迫った設置法審議でありますから、理事会の申し合わせに基づいて、法案審議とは別に大臣の御出席を求めて内容の審議をするということになっておりますから、こまかいことを省きます。ただ大臣に三点だけひとつ明快に結論的なお考えを承っておきたいと思います。  第一は、CATVの問題について、政府のお考えの中には、われわれとしてかなり問題としなければならないところがあろうかと思います。実態に即し、考え方に即してその方向にかなりの修正をする、努力をするというひとつお考えを持っておられるかどうか。  それからもう一つの問題は、日本広報センター、放送番組センターのいまの放送にかかわるいろいろな問題があります。この問題についてもひとつじっくりお話をしたいと思いますが、これについて材料を十分に出していただいて御討議をお願いをいたしたい。  第三に、放送法については目下改正の意図はないだろうと思いますけれども、この点を明確にしておいていただきたい。  この三点をお願いいたします。
  374. 廣瀬正雄

    国務大臣(廣瀬正雄君) 第一のCATVについては、ただいま本会議で参議院を通ったわけでございますけれども審議段階でいろいろ御意見を承っておりますので、その趣旨を体して、それは上田先生指摘のところと一致いたしておるかと思いますので、十分勉強してまいりたい、こういうふうに考えております。  それから番組センターの問題でございますが、これは必要な資料は提供いたしますし、私、番組につきましては、放送業者の自主的な御自覚によって改善するというよりほかに方法はないと思っておりまするのでございまして、そういう意味におきまして、いろいろ御意見もちょうだいし、拝聴してまいりたい、こういうふうに考えております。  それから放送法の改正の問題でございますが、これは御承知のように放送は自由でなくてはならない。番組の編成はそうあるべきだということが第三条にうたわれておりますし、四十四条の三項にはその審議規則も明記されておるわけでございまして、私はそれ以上の何ものも番組については加える必要はないと、かように考えておるのでありまして、番組の向上等についていわれておりますけれども、これはただいま申しますように立法的な問題でなくて、運営と申しますか、放送業者の自主的な自覚によって改善するということ以外に方法はないと思っておりますので、郵政省から行政指導をやるというような考えを毛頭持っておりませんし、また法律の改正につきましても、放送番組の内容については全然考えていないのでありまして、改正する必要があるということになれば、たとえばこれまた決定しているわけではございませんけれども、放送法で、NHKは全国にあまねく施設をやらなくてはならぬという条項がございますけれども、民送についてはそういうことがございませんので、そういうことは、国民の共有の公共的の性質を持った電波を民放といえども使って事業をやっているわけでございますが、そういうような、民放もあまねく国民に見えるように、聞こえるようにやることが必要ではないだろうか、そういう義務的な考えを持ってもらうことが肝要ではないかというような、これは一例でございますけれども、改正をやる必要があるんじゃなかろうかというようなことも考えつつございますけれども、これもはっきりしたきまった件ではございませんので、そういう程度の検討をいたしておりますけれども、番組の内容について、とやかく言論の圧迫とか干渉とかいうふうなことについては全然考えていない。そういう意味においては放送法の改正の意図はございません。
  375. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認め、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。  郵政省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  376. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  377. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  378. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は御発言を願います。——別に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認め、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。  労働省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  379. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  380. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  381. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 次に運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のある方は順次発言を願います。
  382. 鈴木力

    鈴木力君 運輸者の定数の配置の問題について一つだけ伺っておきたい。  時間がありませんから簡単に伺いますけれども、特に外局関係の、今度の航空局関係もそういう傾向があると思いますが、技術的な、あるいは出先の実務的なそういうところの定数がどうも、どちらかというとおろそかにされているような気がしてならない。特に私は、具体的な例をあげますと、気象庁関係の末端のところの観測事務のところが、合理化されて定数がどんどん減らされてしまっている、こういう点については、今後の設置法を運用しながら、なお外局や直接この法案にはない地域にまで総点検をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  383. 丹羽喬四郎

    国務大臣丹羽喬四郎君) ただいま御指摘をいただきましたとおり、私のほうは現業事務というものを非常にやっている次第でございます。したがいまして、現業員の定数の確保ということは運輸行政を円満に通行する上におきまして一番大切でございます。また定員の点だけでなくて、実員を確保するということが一番大切なことでございまして、ただいま御指摘がございました方向におきまして十分その定員の確保ということにつとめてまいる所存でございます。
  384. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認め、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。  運輸省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  385. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  386. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  387. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 請願を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、第二三六九号国家公務員たる看護婦等給与改善に関する請願外七十六件であります。これらの請願は、先刻理事会で協議いたしましたとおり、国家公務員関係四十二件、恩給、共済関係二十一件、計六十三件は議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものとし、靖国神社国家管理立法化反対に関する請願外十三件は、留保するものと決定することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  388. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  389. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  390. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 継続審査要求に関する件についておはかりいたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案は、閉会中もなお審査を継続することとし、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  391. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  392. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後十一時三十一分散会      —————・—————