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政府委員(小
田村四郎君) それでは、この中間取りまとめが行なわれましたのが昨年の一月でございますが、そのときまでに行なわれました
議論につきまして若干申し上げさせていただきたいと思います。
まずこの会議の目的といたしましては、各種の
公的年金制度の内容につきまして、共通的な
部分と個別的な
部分とを
検討し、
物価あるいは
生活水準等の変動に対応する
年金額の
改定につきまして、できる限り共通の
基準及び方式を求めるということを目的として発足したわけでございます。そうして四十二年七月以降、昨年の一月に至りますまでに総会を六回、幹事会十回、小委員会十一回開催いたしております。そこで出ました問題といたしまして、
国民の
生活水準、
物価、
給与、その他の経済的諸条件に著しい変動を生じた場合に
年金額の
改定を行なう必要があることにつきましては、意見の一致を見たわけでございます。また、これを行なう場合にできる限り共通の
基準及び方式によることが望ましいという点につきましても、一致を見たわけでございます。
そこで、まず
改定の
対象となる給付の問題でございますが、給付の内容につきましては、老齢給付、障害給付、遺族給付すべてについて
改定を行なう必要があるということでございまして、この点につきましても意見の一致を見たわけでございます。
次に、
改定の
対象となる
部分の問題でございますが、この点につきましては、各
年金の内容によりまして若干の相違がございます。たとえば
恩給あるいは
公務員関係、あるいは私学、農林
関係の
年金につきましては、内容的に定額
部分という区分がございません。そこで、それに対しまして、民間におきますところの原告
年金あるいは
国民年金あるいは船員保険、こういうものにおきましては、定額
部分とそれから報酬比例
部分と
二つに分かれております。この
改定をどういうようなやり方で、どういうふうにやっていくかということにつきましては、それぞれの
特殊性がございまして、いま直ちに一致して統一的な取り扱いをするということは困難だ、さらにこれらの内容について深く
検討する必要がある、こういうことになったわけでございます。
それからその次に、
改定の
対象となるものと申しますか、どういう方を
対象にするかという点でございますが、この点でも一部に意見の対立がございまして、たとえば他に収入がない、一定の年齢以上のものについて優先的に行なうべきである、こういう意見がございましたのに対して、その
対象について区分すべきではない、こういう意見がございまして、必ずしも一致を見ることができなかったわけでございます。
また、
改定につきまして、用いるべき指標にどういうものを使うかということでございますが、この点につきましては消費者
物価指数が最も重要な指標であるという点につきましては、意見の一致を見たわけでございます。しかしながら消費者
物価以外に、たとえば
給与水準をどのように織り込むべきか、あるいは
生活水準をどのように織り込むべきか、これらの点につきまして、必ずしも意見の一致を見ることができませんでした。
それから
改定の方式でございますが、方式につきましては、いわゆる完全に自動的に
改定が行なわれる完全自動方式、あるいは一定の指標に基づいて政策的に
改定を行なう半自動方式、あるいは完全にそのときどきの政策判断によって行ないます政策
改定方式、
三つの方式が考えられるわけでございますけれ
ども、この点につきましても、必ずしも意見の一致が見られなかったわけでございます。
それから最後に、一番大きな問題といたしましては、
改定に要する財源の問題がございます。この問題につきましても、いわゆる三者負担方式でやるべきである、あるいは国の負担
部分をさらに重くすべきであるという意見、まあ各種の意見が出まして、これは必ずしも意見の一致が見られなかったという
状況でございます。
概括して申し上げますと、そういうような問題点が出てきたわけでございますけれ
ども、これを考えてみますというと、やはり各
年金制度につきましては、それぞれの目的、沿革等から、
体系が異なっております。これを一括して、急に一斉にまとめあげるということは非常に困難であるということで、ただいま
総務長官から御
答弁申し上げましたように、四つの
グループに分けて、そうして個別的に、類似した
グループの中において問題点を掘り下げようということで、昨年の一月以来、この各
グループごとに
検討するということになったわけでございます。