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1972-03-14 第68回国会 参議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年三月十四日(火曜日)    午前十時四十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         柳田桃太郎君     理 事                 町村 金五君                 安田 隆明君                 鈴木  力君                 水口 宏三君     委 員                 黒住 忠行君                 源田  実君                 田口長治郎君                 土屋 義彦君                 長屋  茂君                 細川 護煕君                 山本茂一郎君                 上田  哲君                 山崎  昇君                 沢田  実君                 峯山 昭範君                 岩間 正男君    国務大臣        国 務 大 臣  江崎 真澄君        国 務 大 臣  山中 貞則君    政府委員        内閣総理大臣官        房会計課長    國塚 武平君        防衛政務次官   野呂 恭一君        防衛庁参事官   高瀬 忠雄君        防衛庁参事官   鶴崎  敏君        防衛庁長官官房        長        宍戸 基男君        防衛庁防衛局長  久保 卓也君        防衛庁人事教育        局長       江藤 淳雄君        防衛庁経理局長  田代 一正君        防衛庁装備局長  黒部  穰君        防衛施設庁総務        部長       長坂  強君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査  (昭和四十七年度総理府本予算に関する件) ○国の防衛に関する調査  (国の防衛問題に関する件)     —————————————
  2. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会開会いたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のうち、昭和四十七年度総理府本予算に関する件を議題といたします。総理府総務長官から説明を聴取いたします。山中総務長官
  3. 山中貞則

    国務大臣山中貞則君) 昭和四十七年度総理府本府の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。  昭和四十七年度総理府本府の歳出予算要求額は三千五百四十四億六千四百五十八万三千円でありまして、これを前年度歳出予算額三千百八十一億五千九百二十六万一千円に比較いたしますと三百六十三億五百三十二万二千円の増額となっております。  総理府本府の歳出予算要求額は、総理府本府内部部局及び附属機関のほかに、青少年対策本部北方対策本部日本学術会議近畿圏整備本部及び中部圏開発整備本部機関に関するものでありますが、そのおもなる経費について、以下予定経費要求書の順に従って申し上げます。  政府施策に関する広報活動積極的推進に必要な経費二十一億三千百八万二千円、褒賞品製造に関する経費四億六千八百四十四万円、恩給支給に必要な経費三千四百十八億八千六百九十万三千円、青少年対策本部に必要な経費十一億六千九百六十七万八千円、北方対策本部に必要な経費一億一千六百三十九万三千円、日本学術会議に必要な経費三億五千五百七十六万二千円、近畿圏整備本部に必要な経費一億七千六百九万七千円、中部圏開発整備本部に必要な経費一億四千七百四万三千円等であります。  次に、その概要を御説明いたします。  政府施策に関する広報活動積極的推進に必要な経費は、広報煤体拡充強化及び世論調査実施等に必要な経費でありまして、前年度に比較して三億五千六百八十五万六千円の増額となっております。  褒賞品製造に関する経費は、春秋叙勲、経常的に行なう死没者及び外国人に対する叙勲褒章等授与戦没者叙勲及び定例未伝達勲章、勲記の授与等に必要な経費でありまして、前年度に比較して一億二千五百六万七千円の増額となっております。  恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて、文官、旧軍人及びその遺族等に対して恩給支給し、また国会議員互助年金法に基づいて、退職した国会議員及びその遺族に対して互助年金等支給するための経費でありまして、昭和四十七年度においては、新規裁定による増加、失権に伴う減少並びに昭和四十六年度実施した恩給金額の平年度化のほか、恩給金額改定等昭和四十七年度恩給改善措置に要する経費でありまして、前年度に比較して三百四十一億六千二百五十一万五千円の増額となっております。  青少年対策本部に必要な経費は、青少年問題の研究調査少年補導のためのセンター運営費補助青少年健全育成推進事業、青年の国際交流経費青少年指導者養成確保及び国民健康体力増強等のための経費でありまして、前年度に比較して一億八千八百三十九万九千円の増額となっております。  北方対策本部に必要な経費は、北方地域に関する諸問題についての調査研究国民世論啓発等を行なうことを目的とする北方対策本部の設置及び北方領土問題対策協会に対する補助に必要な経費でありまして、前年度に比較して二千六百三十四万九千円の増額となっております。  日本学術会議に必要な経費は、科学に関する重要事項審議、内外の研究についての連絡調査及び国際共同事業協力に関する業務推進等のための経費でありまして、昭和四十六年度において実施会員選挙に要した経費減額となっておりますので、前年度に比較して七百四十五万一千円の減額となっております。  近畿圏整備本部に必要な経費は、近畿圏整備法に基づく近畿圏整備に関する総合的な計画作成及びこれに必要な調査実施並び近畿圏整備計画に関する特定開発事業実施を推進するための調査に必要な経費でありまして、前年度に比較して五千八百八十九万八千円の増額となっております。  中部圏開発整備本部に必要な経費は、中部圏開発整備法に基づく中部圏開発及び整備に関する総合的な計画作成及びこれに必要な調査実施並び中部圏開発整備計画に関する特定開発事業実施を推進するための調査に必要な経費でありまして、前年度に比較して六千七十八万九千円の増額となっております。  また、以上のほかに国庫債務負担行為として迎賓館調度類整備体育センター施設整備及び外国人恩給について十億五千四百六十二万二千円を計上いたしております。  以上をもちまして、昭和四十七年度総理府本府の歳出予算要求額説明を終わります。
  4. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。  暫時休憩をいたします。    午前十時四十五分休憩      ——————————    午後三時四分開会
  5. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  国の防衛に関する件を議題といたします。  御質疑のあるお方は順次御発言を願います。
  6. 上田哲

    上田哲君 一再ならず、衆議院段階で四次防の空白が続きましたし、いまもって確たる御答弁に接していないというふうにわれわれの考えるところが数多くあります。これを一言で言えば政府側のすべて責任に帰することであるというような大まかな御見解表明もあるようでありますし、集中的には当事者である防衛庁長官反省するという態度も示されているようでありますから、本院では、予算がいま衆議院にある段階ではありますけれども担当委員会として内閣委員会が初めて当局からその見解、姿勢を問う場でありますから、今日までの経過を踏まえて、特に立川沖繩問題を中心に、防衛庁長官反省ことばをまず承りたいと思います。
  7. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 防衛庁の問題でいろいろ国会側で問題になっておりますることは、私どもきわめて遺憾に思っております。四次防の問題につきましては御存じのとおりであります。まあああいうことで一応の結着を見たわけでありまするが、いずれこれは予算委員会等でどうせまた御質問をいただくことになろうかと思いまするので、いま御指摘の立川への移駐、それから沖繩への物資の輸送、この二つについて率直に申し上げたい。実はこの問題につきましては、今朝の衆議院予算委員会におきまして、遺憾の意を表明いたしまするとともに、今後を期していろいろ防衛庁側の心組みについてお約束をしたわけであります。立川につきましては、これは昨年の六月二十九日の閣議におきまして、あそこにヘリコプター連絡機といった小型航空機を主とした二十八機、機数でいいますと。陸上自衛隊基地にしたい。当時、もし首都に大災害が起こったら一体どういうことになるかという背景を踏まえて、陸上自衛隊においては、平時御承知のように民生協力災害救急作業、こういったことが一つ任務という形になっております。したがいまして、そういう点に重点を置いて、やはり立川ヘリコプター連絡機部隊を置くことが望ましい、これが閣議で決定された大きな事情であるというように私は引き継ぎを受けておるわけで、もうそれから九カ月近くにもなります。年も越しました。そこで、実は立川市の市長には年末お目にかかりました。そのときいろいろ懇請しましたが、平行線をたどって話が了解点に達しません。また年があけましてから、あれは一月の十六、七日ごろでありましたろうか、再び市長さん及び市議会議長、その他市会代表者、こういった人々が防衛庁を訪問されましたので、お立ち会いにはそこにおられる岩間先生もいらっしゃったように記憶いたしておりますが、二時間余にわたっていろいろと懇請をしたわけですが、どうも御了解をいただくことができない。ところがたまたま御一緒でありました市議会議長が、二時間余の懇談のあと、ほんとうに防衛庁長官国家目的として立川基地は何としても必要だと、そういうことかと言われますから、そのとおりでありますと。それから、自衛隊の本務を遂行することはもとよりであろうが、首都災害というときにはどのあたりを目標にどういう活動をするのか。それで、江東地区は木更津で災害救助対策ということはカバーできると思います、特にこの京浜地区、そのあたりに大災害が起こったときは、立川のこの基地を利用することにおいて相当目ざましい災害救急活動というものができるものと思いますというお話をしましたところが、これはわかった、そういうことであるならば、自分は市長一緒に来たけれども、ちょっと意見が違うんだというので、従来は自衛隊がこの立川配備されることに全面反対ということで決議をしておったが、これは一ぺん仲間と至急相談がしたいと、こういうことになったわけです。  その後、御承知かと思いまするが、市議会においては多数の市会議員諸君が話し合いをされた結果、自衛隊移駐反対を撤回すると、こういうことで、過去の決議が撤回をされたわけであります。で、その後も施設庁長官東京施設局長等地元側と再三再四懇談をしたりお願いをしたりしましたが、なかなかどうも思うように事が運びません。だんだん日が経過いたします。本年度中にということで予算措置もなされておりまするし、もともと六月の二十九日にきめられた閣議決定事項でもあります。また、一月二十一日の閣議におきまして、やはり災害は忘れたころにくるという前提で、ぜひひとつ配備したいと考えておると、その配備の日時その他方法等については私に一任されたいということで、再び閣議了解も取りつけておりました。まあ、こんな経緯で、先般——今月の、事実上は七日の深夜から移駐が始まったわけでありまするが、八日の十二時半ごろまでにかけて、トラック数台に分乗をいたしました陸上自衛隊要員が、あれは九十五名でしたか、要員が入ったと、こういうわけであります。  それから沖繩物資の問題でありますが、この沖繩物資につきましては、実は沖繩県そのもの施政権が戻ってまいります五月十五日の時点では、自衛隊が陸、海、空それぞれ配備されることは、昨年の暮れ、沖繩協定案付属法案等々の審議をめぐりまして、いろいろ審議の場に供したとおりであります。それで二月七日の日に国防会議の議を経て、第四次防衛力整備五カ年計画大綱なるものをきめたわけであります。その大綱におきまして、実は第二項の七号というところに、「沖繩施政権返還に伴い、同地域防衛を担当するとともに、災害派遣その他の民生協力を行なうため、所要の部隊整備する」、こういう前提をきめていただきましたことにより、準備活動に入ることはよろしかろうということで、先遣準備の、まだいまのところはわずか十数名でありますが、それを派遣する。今後引き続いて準備要員というものを送りまして、五月十五日に備えようということで準備に入っておったわけでございます。航空自衛隊におきましては、準備要員五十三名が沖繩に行く、これは長期出張という形をとってまいることになっておったわけであります。ところが、過ぐる七日の日にこれが寝具を発送されまして、約二百人分の寝具食器類、まあそういったものがあの那覇の港に送りつけられたわけであります。そして関税倉庫にこれが保管された。そこで、沖繩側でこの問題が表ざたになり、本土にはね返ってまいりまして、五十五名の必要不可欠な物資だけならともかく、二百人近い物資を送りつけることは不穏当ではないか。まさにこれは国防会議で本来自衛隊配備をどう五月十五日以降にきめるかと、その要員の分まで持っていくということは、これは疑義があると、こういう御意見が社会党はじめ野党の皆さん方から出たわけであります。私どもは、その準備要員そのものが五月十五日に備えてベッドを組み立てたり、食器をしかるべき場所に配置していつでも迎え入れができるような準備段階であるから、これは国防会議における大綱決定でおおむねカバーされておるというような見解に立っておったわけでありまするが、しかし、御承知のとおり、総理参議院側におきまして、自衛隊沖繩配備については重要な問題であるから慎重に検討をしたいと、また、国防会議の議を経たい、こういうことをお約束になっておられます。その後の答弁におきましても、私もそのことが望ましいと、しかも沖繩配備にあたっては県民感情を十分配意しながら、十分納得を得た上、堂々と沖繩配備をしたい、こういうことを申しておったわけでありまするから、まあ荷物が先に行った、その荷物は後刻、資料としてきょう御提出することにいたしておりまするが、寝具食器というようなたいしたものではないにしても、やはり疑義ありということならば、これは持ち戻そうということで、昨日、直ちに持ち戻しを次官に指令し、次官防衛局長に指令をいたしたような次第であります。  以上御報告を申し上げます。
  8. 上田哲

    上田哲君 ずいぶん長い演説を聞いた感じがいたしましてね、長官。私がお伺いをしたのは、そういう経過ではないのでありまして、防衛庁責任者としての江崎長官がどういう反省を持っておられるのか、どういう点に反省がおありなのかということを申し上げたのであります。いまのお話を聞いておりますと、反省というようなことばに当たるような部分はありませんでした。いかにこうすることがいたしかたなく、また妥当であったかというようなことのるる御説明があったにすぎない。これは私は非常に問題であろうと思います。で、その点については、明日、総理のおいでをいただき、また、じっくりお話をしなきゃならぬのでありますけれども、時間も制約されておりますから、反省の点をひとつしっかり打ち出していただきたい。ちなみに申し上げれば、いまのお話の中で国防会議にかけると総理が言われたこと、私もそのほうが望ましいと考えるとおっしゃる。国防会議にかけることが望ましいのか、条件なのか。総理国会約束をされた国防会議にかけなければ物品といえども配置しないということが前提条件なのか、単に望ましいことであったのかということは、ことばじりをとらえるようでありますけれども、重大な問題に今日はなってまいります。おことばづかいについては正確を期していただいた上で、たとえば時間を省略するために伺っておけば、しからば国防会議に後ほどかければ再び同じものが、百二十トンですかの数量がまた向こうへ送り返されるというようなことになるのか。そもそもが発送人は日本通運だそうでありました。防衛庁の「ぼ」の字もないというのは、これは明らかに作為があるではないか、こういう問題について、そういうようなのっぺらぼうな経過報告で、いたしかたなかったのである、たいしたミスはなかったのであるというような御答弁は、やはり今日まで国会に対して御説明をしていらっしゃった筋道からすると、首尾一貫を欠くか、無責任であります。そういう点で、どのような反省をされておられるのかということと、明確にそれに伴って政府方針としてどのような責任、処分をされるのかということをはっきり明示をしていただきたい。二点、お落としのないようにお願いいたします。
  9. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) よくわかりました。  私、ふなれでありまして、いろいろ遺憾な点があったと思っております。先ほど来の問題は、まさに政府側としては疑義を生じたということだと思いますが、これはやはり総理国防会議にかける、堂々と沖繩には自衛隊配備したい、こういうことを言っておられまする以上、国防会議にかけるべきであるというふうに考えております。
  10. 上田哲

    上田哲君 ですから、そのことは一つありますけれども長官はどういう反省を全体としてはされておるのか。間違っていたと思われるのか、思われないのか。それからどういう責任をおとりになるのか。反省はしておりますけれども、どういう責任措置をとられるのかということを御報告いただきたいと思います。
  11. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは深く反省をいたしております。そして荷物積み戻しというまことにぶざまな結果になったわけでありまして、責任の少なからざるを痛感いたしております。
  12. 上田哲

    上田哲君 具体的にお伺いしましょう。空幕長はどうされるのですか。
  13. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これらの問題につきましては、今後慎重に検討をいたしまして衆議院側において、先ほど政府側統一意見という形で述べましたが、十分慎重に考慮の上、対処をしたいと思っております。
  14. 上田哲

    上田哲君 空幕長のことのみを問題にするのではありません。伝えられるところでは、空幕長責任がないというような防衛庁では見解をとっておられるということでありますので、その点について一書お伺いをすれば、私はこの問題について、防衛庁長官が知らなかったのであるなどということは、少なくとも防衛庁長官自身として口にされるべきことではあるまい、大臣というのが自己の管轄の省庁のすべてに、一から百まで知っている道理はないのでありまして、正当な業務、ルールの上に乗って行なわれる業務が、そのことを事実問題として具体的に知っているかいなかを問わず、その長たる者責任であることは言うまでもありません。たまたま耳打ちをされておったかどうかということではなくて、その業務を遂行することが、長官方針に沿うておるかどうかということに問題があるはずであります。その点については、長官はこの配備が正しかったのか、正しくなかったのか、いかがですか。
  15. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) この準備行動は二月七日にきめました。第四次防衛力整備五カ年計画大綱でカバーされているというふうに私どもは理解しておったわけです。そういうことが準備要員だけをいうのか、あるいは五月十五日から配備される人員までを含んでその準備をすることが妥当であるのか、ここに徹底を欠いたうらみがあります。したがいまして、五月十五日の時点以降の、やはり自衛隊員のいろいろな装備物資、そういったものは、やはり国防会議の議を経て事を処することが妥当である、こういうことで政府側見解を統一したわけであります。そういうたてまえから申しまして、今回五月十五日以降の物資多量に持ってまいりましたことについては、これはいかにも遺憾に思っておりまするが、問題は、内局側におきまして、この多量物資が送られるということについてのチェックが足りなかった。もともとこれは兵器ではありません。兵器であったり、またそれが直接部隊の移動ということになりますると、内局側責任を持って、そしてユニホームが実行に移るということになっておりまするが、この物資につきましては、準備物資ということで送りつけたわけでありまするが、少なくとも、政治的に慎重に対処しなければならないあの沖繩に対して、政治配慮に欠けた。この政治判断空幕長に求めることは私は無理だと思います。やはりユニホームというものは命令に従って動く、任務を全うするというところにユニホームの真面目がある。慎重に対処をすべきこの沖繩に余分の多量荷物が送られた、このことについては、やはり私をはじめとする内局責任者責任を負うべきである、こういうふうに考えて、いかにも遺憾に思っておる次第であります。
  16. 上田哲

    上田哲君 問題は、防衛庁長官指揮下にあるあらゆる業務責任者が、その最高責任者である防衛庁長官の意図する方向に沿うて行なったのか、その方向に沿わない行為を行なったのかという点です。防衛庁長官の意図しない方向行為が行なわれたということですね。
  17. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは空幕長その他はきわめて善意で、当然の準備行動である、五十三人が行けば、その五十三人がベッドを組み立てたり、いまの炊飯用具整備する、配置する、こういうために五十三人は行くわけでありますから、悪い行為をしたという意識は一つもなかったと思います。また、内局側においても、その出張命令をいたしておりまする以上、やはりそれをチェックするのに十分慎重でなければいかぬぞ、五十三人まではいいけれども、二百人近くのものを送るということはまずいぞ、これについてチェックするのは、やはり政治判断を伴う内局責任者の仕事でありまするから、これは内局側に私は手落ちがあったというふうに理解をいたしております。
  18. 上田哲

    上田哲君 よくわかりました。そういうことになると、明らかにいまのおことば自身のように、空幕長は間違ったのではないのだ、おことばによれば善意でやったのだ、そのとおりでありましょう。つまり、その善意とは何かといえば、行政事務遂行上の立場で言うならば、最高責任者である防衛庁長官の本質的な本来的な意図に沿うものとして行なわれたということにほかなりません。そうしてまた、防衛庁長官自身はこれは政治判断でなければならないと言われた。となれば、この問題は制服の責任じゃないということになる。そのことのもう一つ上の問題は、政治判断をすべきものの責任であるということになります。  うなづいていらっしゃるから、そのとおりだと思うが、もう一つの論理は、その政治判断をすべきレベルはどこにあるかといえば、その政治判断は、先ほど防衛庁長官がお認めになったように、それが国会でお約束をされた国防会議決定事項に関するものです。閣僚事項以下のものではありません。閣僚自身が負わなければ1政治判断レベルにおいて間違ったことなんでありますから、これは空幕長責任をとらないということの問題ではなくて、さらにそれは大きく進んで、政治家としての判断、それは最高レベル防衛庁長官自身責任であったということの立場に立って、どのような御判断をお持ちになるか、態度を明らかにされますか。
  19. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) まさに私の責任であるというふうに感じております。
  20. 上田哲

    上田哲君 この責任を具体的に表明されますか。
  21. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これはいま直ちに表明をする場面に至っておりませんが、しかるべきときに当然これは明らかにしていく必要があろうと思っております。
  22. 上田哲

    上田哲君 非常に明快なことを言いますが、防衛庁長官のしかるべきときにとおっしゃることは、防衛庁長官自身の進退を含みますか。
  23. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これはどういう形で責任をとるかということにつきましては、私いろいろ考えておるつもりでありまするが、具体的にどういうふうにとるのかとおっしゃられますと、これは答えようはイエスかノーかという言い方みたいなかっこうになりますが、しばらく考えさせていただきたい、こういうふうに思っております。
  24. 上田哲

    上田哲君 国防会議でこの問題が議せられるところは、政治家としては節目をつけられるところだろうと私は思います。責任をとられることの次元は、先ほど来の論理の中で明らかなように、長官の御表明も私ははなはだはっきり受け取っているわけであります。政治家としての責任姿勢を明らかにするという意味と受け取ってよろしいですね。
  25. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 責任をまさに痛感いたしております。
  26. 上田哲

    上田哲君 政治家としての責任を十分におとりになるということを、まさに痛感という最高度の表現として承っておきます。重ねて言えば、制服である空幕長責任を問わないということは、そのような小さいものではない、さらに大きい政治責任の問題であるということを御確認された点について、ひとつシビリアン・コントロールの根底に触れる問題として、政治家として政治姿勢を込めたしっかりした責任をおとりになることを要望をして、次に移ります。  さて、いまの話の中にも明らかになりましたように、夜中に抜き打ち的に立川移駐部隊が入ったとか、あるいはささたる生活物資が送られたにすぎないのだというような説明は、私は事の本質を誤っていると思います。こまかい議論をするつもりはありませんけれども、毛布といえども、ハン一かけらといえども、近代戦の場合の中では、兵器ではありませんけれども軍事物資でありまして、そういう意味では、これが実際の鉄砲だまであって大砲ではなかったというような議論は、少なくとも防衛庁長官としておとりになる国会答弁ではないと私は思います。先ほども触れましたように、はっきりした天下公然たる防衛庁が、みずからの名前を冠さずに日本通運の名前で荷づくりをして送り出すというようなことは、これは政治責任どころかまさに低レベルな、低次元な話でありまして、そういう問題で私はこの問題をあげつらおうとは思いません。しかし念のために伺っておきますけれども、少なくとも立川基地については、配備実施するについては、その前にどういう話があろうとも事前通告をちゃんとするということになっておりました。しかし、その辺が踏みにじられたというような見解をわれわれはとるのでありますが、そういうことになると、米軍が引き揚げたあとの基地に今後自衛隊はどのような配備計画を予定されておられるのか。その資料は出ますか。
  27. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) ちょっと私申し上げておきたいのですが、日通を使ったのは、何か擬装したのではないかというような、上田さん疑いを持っておられるようですが、それはそういう意味はありません。これはいまは外国扱いですから、無為替輸出といいますか、免税で輸出をするわけですから、当然、こちら側としては大蔵省等々の各省もありまするし、向こうにいけば、受け入れ側としては琉球政府の了承も得なければならぬわけでありまして、民間の運輸機関を使ったということは、これは便宜上使ったということであって、擬装でも何でもありません。  それから、今後の立川基地配備計画につきましては、これは政府委員から答弁させます。
  28. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 立川につきましては、東部航空方面隊の部隊をいずれ配置をする予定でありますが、総体の人員といたしましては約五百三十名、航空機は二十八機でありますが、そのうち回転翼——ヘリコプターが十八機であります。その時期と申しましては、一応現在は管制訓練をやっておりますが、それの予定が約三カ月であります。その後適当な時期にこの部隊配備をしたいというのが原計画でございます。
  29. 上田哲

    上田哲君 久保さんでいいんですけれども立川だけに限らず一こまかく詰めればそれでもいいわけですけれども、米軍の引き揚げたあとのすべての基地について、立川に類するような配備計画というものは具体的に提出できますか。
  30. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 御質問がそうだと思いましたが、いまのところ米側で日本側にはっきり返還を予定しているところはございません。もちろん横田への集中という問題がありますけれども、これについては主として住宅地帯その他でありまして、部隊が現存しておったものがわがほうに返ってくるというようなものはございません。ただし、たとえば板付でありますとか、三沢でありますとか、横須賀でありますとか、思いつきますそういったものについては、計画を差し上げることは可能であります。
  31. 上田哲

    上田哲君 そういう計画が、本来、最近の自衛隊が愛される自衛隊とか国民との合意を前提にするとかいいながら、今回の立川という非常に乱暴むざんなやり方の中に見られるように、まことにみずから予定した手続を乗り越えてしまうというケースがあるのです。  いまあげられたような基地以外に、全体的な構想がどうなっているかということに私はもっと問題をしぼっていかなきゃならないということを一つ思います。その観点から一つ伺うのですが、それと先ほど来いろいろ議論がありました中で、防衛庁長官の御説明では、非常に手続上のミスに局限してしまうような傾きの御説明があったように伺うのであります。しかし、これはささやかな物資や小部隊をどこへ派遣したというような小さなことではなくて、根本的に日本の自衛隊の増強計画ないし配備計画と、そしてそれともう一つ日米安保体制の日米両軍の共同配備というような問題の計画に触れてくるだろうと思うのです。そういう観点から長官から承りたいのは、いわゆるニクソン・ドクトリン、あるいはその後のトータル・フォース・コンセプトでもけっこうですけれども、そういうものと自衛隊配備計画というものとはどういう原則的なかね合いを持ち合っているものですか。
  32. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 現時点におきまして、ニクソン・ドクトリンの影響を受けて自衛隊が直ちにどう配置がえをするかとか、どう対処するかということについては考えておりません。もともとあのドクトリン自体は、御存じのとおりアメリカの経済事情を中心にしてアジア地域の兵員を削減していこうというアメリカ独自の立場において考慮されておるものでありまして、直ちにこのアメリカの兵員減少ということを踏まえていま私は自衛隊がどう反応するかというふうには考えておりません。
  33. 上田哲

    上田哲君 そういう御答弁を承ると、きょうは時間がありませんが、どうも一言やはり踏み込んでおかなければならぬのは、一体ニクソン・ドクトリンというのはアメリカの一方的な兵員撤退あるいは防衛削減の方針ですか。かりにそうだとしても、無制限に下がっていくのですか。歯どめをするならどういうところで歯どめをするということになるのですか。その理解を御説明いただきます。
  34. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) ニクソン・ドクトリンは、もちろん無制限に一方的に撤退するだけではございますまい。おそらく現地諸国の防衛体制をある程度維持しながら撤退をするということでありますから、一般論で申せば、その国のある程度の防衛力の整備なりそれから米軍用の基地の確保ということは一方保障として残したいと思っております。ただし、日本についてどういうことであるかと具体的に申しますると、いまのところ特定の第一線部隊がいるところを明け渡すというような計画はないようであります。したがいまして、後方関係の場所、あるいは住宅地帯、そういったようなものを整理するということでありますので、御質問にありましたような、第一線部隊が撤退をするにつれて自衛隊が引き継ぐとか、あるいは自衛隊の増強に関係がある、自衛隊整備に関係があるというような場所はいまのところ具体的にあがっておりません。たとえば横田でありますとか、横須賀——横須賀は一部SRFの返還ということがありますが、佐世保でありますとか、つまりそれ以外の基地は、御質問のようにすでにそういったような体制、つまり日米の共同使用の体制にすでに入っているというようなのが今日の情勢及び今後若干将来における見通しではなかろうかというふうに私は思います。
  35. 上田哲

    上田哲君 それでいいと思うのです。私の見解では、新しい安保体制というのは三重構造になっている。核のかさとアメリカの戦略部隊と、それから日本の自衛隊と、防衛庁にとっては聞き苦しいことばかもしらぬけれども、戦略部隊をかかえ込むような、防護するような自衛隊という三重構造ということになっているという見解を持つ。久保さんのおっしゃるのもそういうことだろうと思う。防衛庁長官にひとつしっかりしてもらいたいということは、ニクソン・ドクトリンということばを、少なくとも防衛庁長官がその程度のことばでお使いになってもらっちゃ困る。アメリカの軍事戦略としては、ニクソン・ドクトリンを具体的にトータル・フォース・コンセプトということばにあらわしているわけですから、どこまでもぐんぐん下がるんじゃない。当然これの歯どめをどこかにおいて下がるということになっているんじゃないか。いま防衛局長が言われるような話し合い、その了解線というようなものがどこかになければ下がれないのであります。その下がらなければならぬところをどこに置くかということがきめられまして、——そういう話し合いはどの程度煮詰まっておるのかということを念のために伺っておきます。
  36. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 一般論といたしましては、そういった話し合いが行なわれているわけではございません。ただし、特定基地の問題について、これは完全に返還をいたします、これは共同使用いたしますというような事柄は日米合同委員会で話し合われている。したがって、その背後にある思想が、いま上田さんが御質問になり私が申し上げたようなことであろうというふうに考えるわけであります。
  37. 上田哲

    上田哲君 そうしますと、たとえば二月十七日のアメリカの国防報告に対する補足説明ではっきり向こうで言っていることは、簡単に申し上げればバッジ・システムの沖繩配備、F86Fの取りかえ、陸上自衛隊の機動力強化、対潜水艦警戒システムの充実等々というのがありますね。これは向こう側が補足説明という中で公にしていることです。こういう点を防衛庁はどういうふうに受け取っておられるか。つまりどういうふうな話し合いを進めておられるのか。
  38. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) いまの問題については、話し合いを進めているという問題ではさらさらございませんで、われわれが従来計画を進めていたものもしくは今後計画を進められるべきものについて、先方は知識を持っておりますので、そういったようなことを包括的に説明したのではないかと私は思います。具体的なアメリカ側との話し合いがあるということでは絶対ありません。
  39. 上田哲

    上田哲君 久保さんのさっきのお話では、根底的にそういう思想が両方にあるんだと。なきゃ、とにかく全然いまの安保体制そのものがなくなっちまうわけですからね。そういうことからすると、思想があるけれども何の話し合いがないという、それでは何のためにサンクレメンテをやり、何のために日米共同声明を二回も出しているかということになってくる。何のためにペンタゴンがあり、何のために防衛庁があり、何のためにワシントンに駐在武官がいるのかということになってくるわけでありますから、これは九百億とか二十七億じゃなくて全部削減してもらわなきゃならぬ。これはまあいやみでありますが、少なくともその辺の公な話し合いがまるきりないという話はないわけです。そこのところはこまかく追及していくことはやめましょうが、言いかけたことだからこの一点だけ伺っておくけれども、はっきりペンタゴンが国防報告を出して、その中で補足説明を公に行なって、具体的な内容まであげていることについて、まるきり話し合いがないんですか。もしないならば、これ以外の何かの話し合いがあるんですか。
  40. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) いまあげられました個々のシステムについて、具体的な問題として、国防省——国防省というよりも米側と、わがほう、たとえば各幕僚監部レベルもありまするし、そういった中で取り上げているものもありますが、たとえば沖繩のバッジ・システムというような問題は、全然わがほうも考えておらないことでありますので、これは一般的な、われわれの計画をいつも米側に説明し、米側からまた説明を受けている、そういったものを総合的に表現したものであるというふうに私は理解します。
  41. 上田哲

    上田哲君 沖繩のバッジ・システムの配備について明らかにこれだけのものを責任者が言っているわけです。向こうで言えば久保さんと同じような立場の人が言っているわけです、レベルで言えば。それがいけなければ、ノーならノーという反論をしなけりゃ対等な関係ではないじゃないですか。それはしましたか。
  42. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 別にやっておりません。
  43. 上田哲

    上田哲君 長官、やらなけりゃいかぬじゃないですか。長官
  44. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 検討をいたします。
  45. 上田哲

    上田哲君 いや、検討じゃなくて、やらなけりゃいかぬでしょう。
  46. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 十分そのことを確認してやはり検討をするということであります。
  47. 上田哲

    上田哲君 さっき申し上げたように、長官は庁内のすべてを知ってなくてもいいんですけれども、これは非常に重大なことの一部でありまして、こういうことについて聞き初めみたいなような答弁をされていては困るわけです。もうちょっとこの問題にしぼって具体的にまたお伺いする機会はこの半月ばかりの間にたくさんありますから、じっくりひとつお伺いすることにしますけれども、少なくとも、こういうような明らかに向こう側が——レアードが四次防がすでに発足しているじゃないかということば一つ出したら、もう英文解釈の違いだとか現在完了がどうしたこうしたというような話になっちゃって大騒ぎになるというようなことは、まことに周章ろうばいきわまりないと思う。そういうところはことばじりのごまかしで済むかもしらぬけれども、根本的に日米安保体制というものはそういう話し合いをしないで済んでいるということはないわけです。  具体的な問題にちょっと触れますが、立川に行ったのは災害対策だというわけですけれども、日ごろどういう訓練をするんですか。
  48. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 立川にさしあたりに配置いたしまするのは……
  49. 上田哲

    上田哲君 いや、それはいいですよ。中身は災害対策かどうかだけでいいです。
  50. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) それは主としてヘリコプターと軽飛行機でありますので、これは京浜地区に対する災害対策ということでありますので、たとえば状況視察でありますとか、患者の輸送でありますとか、それから避難の誘導、これは空からやるものでありますが、そういったような訓練を行なう。それから物資の投下、搬送、これは主として東富士で行ないますけれども、そういった訓練を主としてやる予定であります。
  51. 上田哲

    上田哲君 そういうことを、その程度の人間を無理やりにそこへ配置して災害訓練だと言う。なるほど、それは火つけ訓練じゃなくして災害訓練だというジャンルには入るでしょう。その災害訓練でどのくらいまで実効性を持つかということはだれでも見ればわかるわけです。現地視察をすれば何のためにこんなことを強硬にやったのかということになるわけで、実がない。問題はそこにはない。  そこで私は伺いたいのだけれども、たとえば、さっき、そういうことはしっかり確認をして向こうにノーならノーと言うんだとおっしゃるけれども、同じ項目をあげ、補足説明のときに国防総省が言っているのは、日本側が兵たん補給の下部構造を完備させ、立川、三沢基地などを緊急の際に共同使用し得るような体制をつくるように期待をしていると。いいですか。立川、三沢ということになって、はっきり立川という名前が出ていますけれども、明らかに、たとえば、アメリカの国防報告——ペタンゴンが報告を出しているバッジ・システムを立川配備することはいま考えてないんだとおっしゃるけれども、そうだったら、——向こうのほうがそうしてもらうことになっているんだということの立場を含めてトータルとして四次防が発足しているのでしょう、現在完了で。それが違うなら、違うということを向こうに言わなければおかしいことになってくる。そんないいかげんな日米安保体制じゃあるまいと思っているんだが、そういう状態の中で、もっと具体的に、立川、三沢はいざというときには飛んで行ってもらえるような体制に自衛隊を完備してもらえるような態勢でいくんだということを言っているわけです。こういうことを明らかに向こうが言っているんだということになれば、立川にあれだけの自衛隊の小部隊を送り込んだのは、東京に地震が起きたらどうしようということ、初めから算術に合わないような、そういう形は単に日米安保体制のていさいづくりではないか。まさにペンタゴンが言っているように、補足説明で向こうの高官が明らかにオフィシャルに説明しているように、立川基地にこういう配備を行なわなきゃならぬという要請が、日米軍事体制の協力体制がそういうものの中に合意されておる、あるいはされておらなきゃならない。一方的な向こうの日本政府に対する姿勢かもしれないけれども、そういう配備ではないかと思わざるを得ない。長官、いかがですか。
  52. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) それとは直接に関係はないというふうに私は考えております。  それから、ふだんは二十八機ですが、もちろん、ほんとうに災害があったということになれば、将来計画というか、その緊急計画として百機以上のものがあすこへ集中してくる、こういうことは当然であります。  それから四次防問題については、これは、レアード国防長官と元長官でありました中曽根防衛庁長官との間に、何となく四次防がもう発足するような話し合いがなされたことは、レアードが日本に来ましたときかれは総務会長でしたが、そういう話し合いがなされた。そういうようなことからだんだんニュアンスが違って向こうに受け取られたというふうのことを、私どもあとから確認して聞いております。
  53. 鈴木力

    ○鈴木力君 関連。  いまの点について一つだけ具体的に伺いますがね。何か長官は、あらゆる機会に、立川基地任務災害対策だ、何となしに、東京がもしものときには、ということで盛んにおっしゃっていらっしゃる。いま、久保局長もそういう御答弁だったと思う。  そこで伺いますがね。いつから、どういう計画でその災害対策の訓練をするのか、訓練計画ができておるのか、それを伺いたいのです。と申しますのは、実は、土曜日に私は立川基地に行ってまいりました。基地で聞いた限りにおいては、訓練要綱には管制訓練と航空気象業務、飛行通報訓練の三つをやりますとはっきり答えておる。そこで、防衛庁長官国会で盛んに災害対策ということを言っているけれども、これについてはどうだという質問に対しても、答えは、現在はこの訓練はやっておらない、将来やるかもしれないということは聞いておるが、これについての訓練計画はないと承知しておる、こういう答えが出ておるのです。したがって、計画があるならば、どういう計画があって、いつから訓練をするのか。それからその他の訓練との関係はどうなのか。こういうものをひとつ、時間がありませんから、そこでだらだら言ってもらっても困りますので、簡単に言ってもらって、あとで明細な訓練計画書等を出してもらいたい。
  54. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 現在立川に配置されておりまするのは、航空管制の準備のための訓練であります。したがいまして、この四十数名の部隊災害派遣なり災害訓練を行なうものではございません。つまり立川に航空管制所を置き、飛行場として一人前になるためには、管制機能を持たなければならない。運輸省からその指定を受けねばならない。そのための管制訓練をやっているわけであります。そこで、それが済んだところで運輸省と折衝をし、組織ができれば立川に、先ほど申し上げた東部航空方面隊を配置をいたします。東部航空方面隊というのはもちろん防衛上の必要からあるものでありまするが、平時において活用を考えるということであれば災害時でありますので、一般の防衛上の訓練とともに災害の訓練を行なうということでありますので、それは配置後に、一般の訓練とあわせて災害派遣訓練を行なうということであります。具体的な計画につきましては別にお知らせいたすことにいたします。
  55. 上田哲

    上田哲君 長官伺いますが、そうしますとね、明らかに二月の十七日に、国防報告に伴って補足説明をアメリカのペンタゴンが行なった。日本側に兵たん補給の下部構造を完備させて、立川と三沢へはいつでも米軍が飛んで行けるようにしてもらうことにしているんだという考えについては、日本側としては、これを受けないわけですね。長官長官です。長官から、イエスかノーか。
  56. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これはいまは共同使用の形です、御承知のとおり。しかし、将来計画ということについては現在の時点で相談をしていない、話し合いをしていないということを申し上げたわけです。
  57. 上田哲

    上田哲君 将来の方向として言っているんです、これは。将来の方向としてそういうふうな体制を、いつでも飛んで来られるように整備しておくということを考えるんですか考えないんですか。長官から、イエス、ノーです。
  58. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) どうもちょっと私もふしぎに思うんですがね、現在はいま申し上げたように共同使用でございましょう。しかし、将来は飛行基地は横田に集約するという一つの向こう側の提案がありますね。これについてはいろいろ経費もかかることでありまするからまだ十分成約を得るに至っておりませんが、そういう希望がある。ですから将来はむしろ日本に全面返還されるということを私どもは期待しているわけです。
  59. 上田哲

    上田哲君 私は立川のことを聞いているんです、三沢のことを聞いているんです。明らかに向こうが立川と三沢という名前をあげて言っているんです、国防総省がね。したがって、そのことについてずばりお答えをいただきたいんでありまして、いまのお答えを聞いておりますと、将来についてもアメリカ側は、日本自衛隊立川や三沢の掃除番として配置させて、いざというときには飛んで来てこれをいつでも使えるようにしておくという体制を組むというふうに考えるといっているんですが、そういう考えは否定なさるわけですね。
  60. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 現在はそういう相談をしておりません、こういうことを申し上げておるわけであります。
  61. 上田哲

    上田哲君 何べんも同じことをお伺いしてはぐらかされるような答弁をされるということは、いまはそういう相談をしてないが将来はあり得るということを含むんですか。いまおっしゃるように、その問題がないとおっしゃるならば、こういう考え方の方向に将来いくことはないとお答えになれるはずだし……。
  62. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) わかりました。私どもはむしろ全面返還という方向を推し進めてまいりたい、こう思っております。
  63. 上田哲

    上田哲君 先ほどのバッジ・システムの例にあったように、あのときも答弁がありましたけれども、同じようにこういう方向が出ていることは、今回の立川移駐については非常にそういう疑惑を深めさせる理由になります。見解をそういうふうにお持ちになるのであれば、ペンタゴンがはっきり公式に、非公式ながら公式に言っているように、三沢や立川については今後そういう形のものにしないのであることを、アメリカ側にも先ほどの問題と同じように意向を表明されることが望ましい。よろしいですね。
  64. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) もちろん、このことについては全面返還で努力をしてまいる方向に変わりはありません。
  65. 上田哲

    上田哲君 向こうに言いますね。
  66. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) ええ。
  67. 上田哲

    上田哲君 もう一、二問でやめますけれども、同じように沖繩にああいう問題が起きた、立川についても沖繩についても私たちが思うことは、どこかで判の一つを押し間違った、あるいは命令系統が若干事務的に混乱をしたとかなんとかではなくて、根本的に日米安保体制というものの合意の方向からすれば、沖繩返還協定というものの見合いの中で、こういう自衛隊の国内配置あるいは沖繩配置というものをどうしても沖繩返還の前に実施しておかなければならないという問題があるんだろう。実態的に、この雪解けの中で、そういうことを軍事力の問題として配備するということじゃないにしても、アメリカに対する説明としても、あるいは自衛隊側の国益であるというようなお話になるかもしれないけれども、そういうことがあるんではないかというふうに私は思うのです。去る十二月二十日の沖繩及び北方問題に関する特別委員会で、総理及び防衛庁長官自身から私が議事録のほうで確認いたしましたのは、沖繩配備はどこでやるんだ、沖繩配備は四次防の中でやるんだということを防衛庁長官ははっきり議事録にとどめられております。何べんも確認しております。つまり沖繩配備というものは四次防の中でやるんだということになれば、この四次防をやるということは、論理的に詰めていけば沖繩の軍事配備あるいは土地提供、それを含めた軍事力配備というものが沖繩返還協定の前提条件になるという当然の常識からして、つまりは四次防というものは沖繩配備を含めた形ではっきりいま形にならなければアメリカに対して返還協定にサインさせるという外交上の立場も出てこない、対外的な国の姿勢が出てこない、こういうことにならざるを得ないと思うのです。そういう中から沖繩配備ということがああいうふうにして非常におかしな形で強行されざるを得なかったというふうに私たちは想定をせざるを得ません。いかがですか。
  68. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 沖繩の場合、いま御指摘の点は一つの理論だと思いますが、しかしそういう立場を私どもはとったわけではありません。要するに施政権が戻ってくる、朴素に沖繩の局地防衛には日本の自衛隊が当然任ずると、こういうことですね。そこで、四次防そのものは四十七年度かち発足させよう、こういうことで十二月の十日に合意をし、また一月になってからの予算査定においても、新しいものというのは沖繩経費予算、これは見てもらわなければならぬ、これは五月十五日に返ってくるというまあ例外中の例外を踏まえてそれは認めてもらおう、しかし四次防そのものの策定ができない以上は、これは四次防的発想に立つものは、沖繩以外は全部大蔵省で切ると、こういうようなたてまえで予算編成をしたというのが私ども説明であります。
  69. 上田哲

    上田哲君 詰めてお伺いするけれども、久保・カーチス取りきめに基づく配備を中心とする沖繩配備を四次防外のところでやり得る可能性はあるんですか。
  70. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは四次防でやることが望ましい。ただしその四次防なるものは、この間の二月七日のこの大綱においてそのことを含めたわけであります。含めたわけでありますが、当然これは四十七年度予算にも、年末の沖繩関係諸法案との関連において久保・カーチス協定を御審議の場に供して審議をいただいておりまするので、特殊中の特殊事情、こういうことを踏まえて、沖繩に関する自衛隊経費というものは四次防初年度ということでこれを計上しておるわけですね。したがって、あの場合に四次防というものを発足させないで単年度にしたらどうだという意見がしばしば野党の皆さんから、まあいろんな、角度は別にしてもあったことは事実です。ところがそういうことにすることのほうが不自然だ、いわゆる四十七年度予算、約八千億というものは四次防の初年度にすることが望ましいということを私どもが主張してまいりましたのは、年度内に四次防計画を策定しようと思った、それが経済の見通し等が困難でできなくなったという一つの事情、一方では沖繩配備というものは継続的に本年度から来年度へと当然続いてまいりまするので、四十七年度を初年度に位置づけることのほうが望ましいというまあ見解にも立ったわけであります。
  71. 上田哲

    上田哲君 時間が切れましたから質問を一本にまとめて最後に申し上げるので、ひとつそれは落としなくきちっと答えてください。足りなければまたやりますから。つまりいまの御答弁からすると、沖繩配備の費目は四次防の中に含めざるを得ないという結論になりますね。これはそのまま推していけばどうしてもやっぱり四次防は、やれ凍結であるとかいろんなことは言っておりましたけれども、時期おくれになるけれども、四十七年度沖繩を含めた四次防というものはどうしてもやるんだということになるわけですね。これが一つ。  それから、こまかいことがありますけれどもそれを飛ばして、いまのところそうなると、四次防原案がなくて大綱になっていますね。大綱から原案に至る原案作成の手順は、どういう手順でこれから進められていくのか、このことが二つ目。  それから四次防原案がいまのお話によると当然四十七年度にできることになるわけですが、御存じのように一次防から三次防に至る経緯というものは、一次防が国力、国情に応じて必要最小限度の自衛の云々、二次防が防衛体制の基盤の確立であった。三次防が侵略に対する抑止力として有効な防衛力を整備する云々ということであった。今回四次防というのがそれを越えて、いわゆる防衛力構想、こういう形になっていく方向を持っていたはずです。ところが、大綱では三次防の延長と全く同じことになってしまった。第三点は、四次防原案というものは三次防の延長線ではなくて、新しい防衛構想というものを当然中に含むことになるのか。この三点を明快に……。
  72. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 沖繩予算につきましては、施政権が戻ってくるという前提を踏まえて、四次防とは関係なく新しい事態ということで査定された、こういう事実は一つあるわけですが、その沖繩配備は今後も継続的に、来年にわたりまするので、私はさっき申し上げたように四次防の初年度ということでこの経費を位置づけていくことが望ましい、当然であるという説明をしたわけです。査定は別な見地からやったわけです。  それからそういう見解に立てば、四十七年度中に四次防というものは策定するのかしないのか、これは統一見解で夏以降と、こういっております。そのことは従来、これが絶対の条件ではありませんが、GNPの一%以内、これを一つの国民の平和保障費といったような形で防衛費に計上いたしておりました。したがって、経済の先行きの見通しが非常に困難になってきた、変動の幅もいろいろあろう、こういうことがいわれるときに、にわかに五カ年計画を策定するということは、やはり拙速のきらいがある、それこそシビリアン・コントロールにもとるものであるという見解でこれを延期した。しかし、当然四十七年度を初年度にするという大綱をきめておりまするから、これはいまの四十七年度中にすみやかに策定をしたいと考えております。  それから第三点、四次防は中曽根防衛庁長官当時に、十年を視点として、まず最初の五年間でその六、七割、七割程度を満たしていくという一つの目標を明らかにいたしまして、御承知のとおり防衛庁試案なるものを発表いたしました。ところが、これはこの大綱が決定された段階において白紙に戻ったわけであります。そうすると、いま御指摘のように、この四次防大綱なるものは三次防の大綱に似ておるではないか、同じような御指摘を衆議院でもいただいたわけですが、この似ておるところがわれわれから申しまするというと非常に重要な点でありまして、それこそ侵略に対する抑止力であり、局地防衛、局地戦に通常兵器でたえていく兵備を整えるというのが三次防であります。その延長線にこの五年間を求めまして、武力を整備し、更新、充実していこう、こういう見地に立ちまして、十年を視点とするというあの目標は一応白紙に戻した、こういうふうに御理解いただいてけっこうでございます。
  73. 鈴木力

    ○鈴木力君 時間がありませんから私は質問でなしに、後日のために資料要求という形でお願いしておきます。  その一つは、立川の今度の移駐の問題をめぐっていろいろなことがありましたが、小金井市議会が反対の決議を上げた直後に、防衛施設庁から小金井市の財政担当を電話で呼び出して、付近の学校に防音校舎等の設備をしてやるというのに反対するとは何事か、反対をするならその校舎がものになりませんぞという電話をかけた事実がある。これははたして施設庁のどなたが電話をかけて、どなたの指示によってその電話をかけたのか、調べて私のところに御提出をいただきたい、それ一つ先ほどのに追加しておきます。あとで質問を幾つか機会を見ていたします。
  74. 沢田実

    ○沢田実君 きょうは時間の都合がございますので、問題をしぼって一つだけ御質問したいわけでありますが、いま問題になっております航空自衛隊の五十三名の配備については、いわゆるその整備のための人員の配置については、ただいま伺いましたが、陸上、海上についてはどういうふうになっておりますか。
  75. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 久保局長から……。
  76. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 現在陸が十五名、それから海が一名、空が二名であります。
  77. 沢田実

    ○沢田実君 それはいま、現在とおっしゃいましたが、先ほど長官からのお話によりますと、この整備のために五十三——二百名行ったので多かったのだ、五十三名実は行くのだ、こういうお話でございました。その人員に当たるものは幾らですか。
  78. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 空の五十三名に対応するものが陸が四十名、海が六名であります。
  79. 沢田実

    ○沢田実君 そういう部隊整備のために参りますためには、おそらく先ほど来お話がございましたように、いろいろなものの運搬等も当然必要であろうと思います。したがいまして、五月十五日返還までに各部隊ともいろいろなものを輸送する予定というものをおそらくおつくりになって、防衛庁としては私は計画ができ、その計画に従って発送されたものと考えておるわけですが、その点はいかがでしょう。
  80. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 順次送りつけるということで、そういう計画はいたしております。実はこれはあと先になったわけでありまするが、きょう、本日国防会議の議に、沖繩に五月十五日以降配備する年内の自衛隊員の実人員についてはかける予定であったわけです。それがにわかに、空のほうが余分の物資を送りつけるというようなこと等に取りまぎれまして、多少このことがおくれておりまするが、来週早々にはひとつぜひ国防会議の議に付してこれをきめてもらいたい、これは御質問ではありませんが、ついでながら申し上げておきます。したがって、当然計画に合わせて今後物資を送ってまいりたいと考えております。
  81. 沢田実

    ○沢田実君 長官、私がお尋ねをしておりますのは、これから先に国防会議の議を経て送付をする、発送するということではなしに、要するに先ほど長官答弁をなさった二月七日の国防会議大綱が決定したその二項の七号で所要の整備をするために行ったのだ、こういうお話でありました。ですから、あなたがおっしゃる航空自衛隊の五十三名、それに所要の物資については当然必要なものなんだ、こういうお話でございますので、私は航空自衛隊だけがかってに行ったのではなしに、陸上も海上もそれぞれ計画があって、何日までには何名行こう、品物もいつまでにはこういうふうに輸送しよう、こういうふうに一つ計画があって行なったのであろう、たまたまいま航空自衛隊のものだけが問題になっておりますが、同じように海上、陸上についてもそういうことがあるのではないかとお尋ねしているのです。海上、陸上が全然ない、航空だけがかってにやったのだ、そんなことは道理に合いません。
  82. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 御趣旨よくわかりました。陸や海につきましても、現在先ほど発表しましたような人数が行っておりますが、それはその前後に、参りまする人員を含めての荷物を送っておるというわけでございます。
  83. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、いま問題になっております二百名の航空自衛隊物資以外に、陸上、海上についてはもうすでに到着している、こういうことですか。
  84. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) そうです。
  85. 沢田実

    ○沢田実君 それでは、そうしますと、先ほどお話がございました四十名あるいは六名のそれ相当の物資が送られておる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  86. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これはごく少量の物資でございます。問題にならない、要するに自分たちが使用をする物、あとからすぐ準備要員として来る者が使用する程度の、ごく少量の物というふうに御理解願います。
  87. 沢田実

    ○沢田実君 そういうふうに陸上、海上、航空とも、発送する計画については、当然、各部隊計画をするにいたしましても防衛庁としてそれを掌握し、おそらくオーケーの指示を出して発送するなり、あるいは事前に、発送してもよろしいという権限を与えるなり何なりしておっただろうと思うのですが、その辺はどうなんですか。
  88. 黒部穰

    政府委員(黒部穰君) 陸、海につきましては、三月の初めにそれぞれまずライトバンを送っておりまして、その他陸につきましては事務用品等——今回航空自衛隊が送りました荷物の中にも事務用品がございますけれども、それと相対応いたしますような準備要員用の事務用品を三月初めに送っております。  なお、逐次これから厨房用品あるいは事務用品の追加、あるいは医療用の器材とか通信器材とかいうようなものを送るように計画いたしてございます。
  89. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) いまの答弁に補足いたしますが、今回のそのことがありまして疑義を生じましたので、計画は持っておりまするが、今後の計画においてはこれをストップさせまして、あらためて国防会議の議を経た上で対処するようにと、こういう措置をとっております。
  90. 沢田実

    ○沢田実君 今後のことは、長官先ほどもおっしゃいましたのでそれはわかりましたが、要するに、いままでのことを繰り返して答弁を要約してみますと、陸、海、空とも所要の物資について計画をして、すでに発送した分もある。これから発送しようとしている分もある、これはそのとおりですね。
  91. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) はい。
  92. 沢田実

    ○沢田実君 そのことについては、防衛庁長官としては御存じがなかったのか、あるいはこれは事務次官が一切、要するに大綱がきまったのだから、この範囲においては指揮してやってもいいという範囲でやっておったのか。あるいは空幕長なり陸、海の長が責任を持ってやっていいということになっておったのか。——過去の分です、いままでの分。いままでおのおの発送された分、それはどうですか。
  93. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは、準備要員として向こうに参りまする者の日用品、これは大綱によって当然カバーされたものである、こういう見解に立っておったわけであります。今度問題になりましたのは、御承知のとおり、準備要員五十三名に対して二百名近いものであったという、このことに問題があったというふうに考えております。
  94. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、陸、海、空とも、要するにこういう物を計画して発送することについては、内局におけるコントロールはできておったのかどうかということが、ぼくは質問したい趣旨なんです。ですから、そのコントロールをしなかったのか、あるいは、したけれども軍のほうがかってにやってしまったのか、あるいは、そういうコントロールのチェックの、何といいますか、そういうような体制ができていなかったのか。
  95. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 人員配備については、当然これは自衛隊を——準備要員とは申しましても自衛隊員を送りつけることでございますから、内局が指揮をとるわけであります。しかし、そういう日常用品につきましては従来とも幕僚長限りということで左右をしておったわけであります。
  96. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、この問題については幕僚長の責任において発送しておりました、こういうことですね。そうしますと、先ほどお話がございましたように、多く発送したことについては制服の責任ではないとあなたおっしゃった。幕僚長の責任で発送しておったなら、なぜ制服の責任じゃないのですか。
  97. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは、いまの準備要員だけならばまあまさに疑義がなかったわけですが、やはり四次防の整備五ヵ年計画によって、五月十五日の時点のものもカバーされるというような考え方に立ったという一つの読み違いと申しますか、受け取り違いというようなものがあったかと思います。もとよりこの五十五名の出張者が向こうに参りまして、そうしてその準備要員が作業をするための資材だから、これは当然五十五名のものと一緒に送って差しつかえなかろう、こういう善意見解に立って余分のものを送りつけました、こういう説明を聞けば、独走をしたり越権行為で送ったものであるというふうに考えられないわけでございまして、多少そこに余分なことをしたものだということは言えると思いまするが、五十五名は内局の指示を仰いで行くのだ、その五十五名の仕事は、先方でいまのベッドを組み立てたり炊飯用具をそれぞれ配置してすぐ用を便ずるようにするというためだから、この物も一緒に送ることは当然任務のうちだと思いましたと、こういう説明を受ければ、まことに当然であったというふうにも言えると思うのであります。そのことを申し上げたわけです。
  98. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、一応の責任は陸、海、空の長にあるけれども、そのものの判断について内局のコントロールが不十分であったというところで、内局責任があるのだ、こういうことですね、要約をいたしますと。そうしますと、あなたのお考えでは、要するにコントロールについては私は内局のコントロール、あるいは内閣のコントロール、あるいはさらには国会のコントロールというふうなものがあろうと思いますが、防衛庁長官としては、いわゆる内局のコントロールは十分きいているのだ、こういうふうに認めておられるのか、あるいはその点に非常に組織上も、あるいはいろんな面でも欠陥があるのだ、これについて根本的に手を加えていこう、こう考えていらっしゃるのか、その辺はどうですか。
  99. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは、確かにこういう疑義を生じましたことは、やはり手落ちであった、これは私の反省を含めて率直に認めなければならぬと思っております。したがいまして、そういうことを含めまして十分コントロールができるような体制をとろう、こういうことで、実はきょう衆議院側意見表明をいたした次第でございます。
  100. 沢田実

    ○沢田実君 わかりました。それでは、内局のコントロールが十分できるような体制をとって、それから、先ほど質問にお答えになったように、御自身の責任についてはとる、こういうふうに理解いたします。  それから内局の各局の人事が、たとえば警察庁関係の方々で占めておったり、ある局は大蔵省関係とかある局は通産省関係とかいうような方々で占めている防衛庁の体制について、いま防衛庁長官はどういうようにお考えですか。
  101. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) どうしても新しく発足をいたしました役所でありまする関係から、その発足時に、大学を出て入庁したという者が十分育っていない、このうらみは確かにあります。そうなれば、やはり持ち場持ち場、部署部署と申しまするか、それに従って有能な人材を各省庁より求めるということは、当然政府としてあることだと考えております。
  102. 沢田実

    ○沢田実君 それはまた次の機会に御質問いたすことにいたしまして、防衛施設庁がいろんな準備のために沖繩においていろんなことをおやりになっていると思いますが、その点について、こういうことをやっているのだという、あるいはこういう計画をしているのだということの詳細を御発表いただきたいと思います。
  103. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは主として公用地等取得のために地主との契約その他の業務を遂行しておるわけであります。詳しくは総務部長から答弁させます。
  104. 長坂強

    政府委員(長坂強君) ただいま防衛庁長官からお答え申し上げましたとおりでございますが、たとえば現在各地主組合に、今後軍用地の契約を締結する、その契約額をどのくらいにするか、いわゆる土地の借料をどのくらいにするかというようなことに関しまして説明会をしておるとか、それからこの軍用地の提供についての区域を告示する、その準備をはかっておるとか、それから地主被害に関する見舞い金の支出をするように新しい法律をこの委員会にもお願いしておるわけでございまするけれども、それの地主被害の見舞い金の支給に関する調査をしておるとか、そういうような事務をやっておるわけでございます。
  105. 沢田実

    ○沢田実君 長官は、いま防衛施設庁がやっている、そういうことについての基本は十分御理解になり、その基本方針でよろしいのだ、実際いま行なっていることでいいんだと、こういうふうに御理解ですか。
  106. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは出発にあたりましても、慎重に沖繩県民に対するように十分訓示をいたしましたし、またおりに触れ長期出張で戻ってまいります者にも状況を聞いたりしながら対処いたしておるわけでございます。
  107. 沢田実

    ○沢田実君 そこでこの機会に一点だけ、そのことでお尋ねをしたいのですが、実はこの間各党の委員が沖繩に視察に参りました。そのときに一番問題になっておりましたのがその防衛施設庁の軍用地の問題、それが一番問題になっておったそうです。いま防衛施設庁がやってることが非常に不愉快だと市町村長が言っておるそうです、やってることが。その一部を読んでみますと、「日本政府、とりわけ防衛庁及び防衛施設庁の動きが実に不愉快であります。かつて高等弁務官資金がアメリカの対沖繩宣撫工作として政治的に利用された様に、防衛庁及び防衛施設庁の幹部が基地周辺整備法の趣旨を悪用して県民の分断、利益誘導に狂奔している事実を見逃すわけにはいきません。」そういうようなことについては市町村の機関なり行政ルートでは何ら話がございません。こういうことをいま盛んにやっておるのですがたいへん不愉快です、と言って、たいへんな陳情があったそうですが、長官はこれについてどうお考えですか。
  108. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは少し極端な表現を、した人がしたのではないか。私もいろいろとこのことは気をつけて聞くようにしておるのですが、いままで軍用地の交渉はわりあいスムーズにいっておる。本土から来た施設庁の役人も、かつての戦前の日本の役人という印象とはずいぶん違う。私、実は大臣に就任いたしまする前までは、党でたまたま沖繩復帰対策の一環をになう国民運動本部長のような仕事をしておりましたので、沖繩の人が——さっきも私ここに来る前に七、八人と防衛庁で会ってここにかけつけたような次第ですが、たまたまそれと反対のような話を私いま聞かされたところで、日本の役人に対するイメージが戦前といまとではずいぶん変わったと、むしろこれはほめたような話を聞いたわけでございますが、ちょっとそれは意外に思いますが、今後それについてはよく取り調べをいたしたいと思います。
  109. 沢田実

    ○沢田実君 これはあなたのところに陳情にいらっしゃる方は、あなたと政治信念が同じような入が来れば、それはけっこうでございますと言う人もいます。また私のところに来れば、それなりの話があろうかと思いますが、私がいま申し上げたのは、委員会が視察に行ったときに陳情のあった印刷物です。あなたがいまおっしゃったような立場ではございませんので、これは大問題だと思います。そういう点で防衛施設庁はどういうふうにお考えですか。
  110. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは私は視察にいらっしゃった場合のある市井の一人の意見かと思いましたが、私の聞き違いだったならばこれは失礼をしたわけですが、市長会の代表がそういう御意見であったとすれば、これはやはり私の責任においてよく施設庁長官以下と打ち合わせをして善処したいと思います。
  111. 沢田実

    ○沢田実君 時間の都合がございますので、あとの問題は次の機会に譲ります。  以上です。
  112. 岩間正男

    岩間正男君 時間が非常に少ないですから端的にお答え願いたいと思います。それからいまあなたの御答弁を聞いておりますと、非常にことばがうまいですね。しかしたまたま巧言令色少なし仁ということがありますから、そういうことにならないように誠実に答えてほしいと思います。  第一にお聞きしたいのは、しかるべきときが来たら責任をとるとおっしゃった。しかし私はいま責任をとるのがこれは最も正しいのじゃないかというふうに考えますが、これについて端的にお答えを願いたい。
  113. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 政治家というものはやはり責任のとり方にいろいろ問題があろうかと思いまするので、これはひとつ私の良識にまかせていただきたいと思います。その方法、やり方、時期、いろいろこれは政治家としての考え方もあると思いまするので、私におまかせください。
  114. 岩間正男

    岩間正男君 あなたの胸には辞表が入っているのかどうか。これは四次防のときにはすでにあなたの胸に入っておったわけですな。これは新聞も伝えておるところでありますから。それから今度は立川の強行移駐の問題、沖繩の抜き打ち物資輸送の問題、こういうようなものが出てきている。もう条件はそろっていますよ。国民ははっきりこの問題について、いまのような答弁では絶対満足しないと思う。私はそういう立場から具体的にお聞きしたいのですが、今度の問題で、立川移駐の問題、ちょっとお聞きしますが、一体どうお考えになりますか。これはまさしく抜き打ち的であり、だまし打ち的だ、こういうふうにいわれていますね。これはあらゆるマスコミがそういうふうに書いておりますよ。実際そうでしょう。たとえば事前通告をすると言っておった。これは私も立ち会って、一月二十日にあなたははっきりそういうことを言った。ところが実際はこれは事後通告でしがなかった。あるいは八日に入るのだと言ったが実際は七日に入ってしまった。これはどういうことになるのですか。こういうものの責任はどうなのか。
  115. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 事前に通告をすべきだったと思います。ただ問題は、配置の情報が漏れまして、そこで抵抗があるかもしれない。まあ自衛隊配備にあたって、何らか機動隊に実力行使をされて配備をする、これはいかにも望ましくないという内局側判断に立ちまして、ちょうどその夜、九時近くになりましたところで、八時四十分ごろでしょうか、私に内海次官から話があって、数時間行動を繰り上げたい、こういうことを陸上幕僚長から言ってきておるが御判断はどうかということですから、混乱を回避するということは望ましいことである。特にあなた方は昔、かつては警察庁におつとめになった人だし、そういう状況判断等については専門家であるわけだからおまかせしよう、こう言って繰り上げることをまかしたわけでございます。
  116. 岩間正男

    岩間正男君 とにかく事態をまだ調べておられませんね。われわれ現地で調べますというと、いまの答弁はずいぶん違う。これは内局じゃないでしょう。実際は東部方面総監部からそういうなにを出したのでしょう。そしてそれが内局に行って、内局次官に行って、あなたのところに行って、そして戻ってきた、こういうことになっておるのでしょう。原動力は制服なんですよ、そうでしょう。そういうようなやり方では、いま非常にシビリアン・コントロールが問題になっておるから、そういうような説明をされちゃまずいんです。違うんですか。
  117. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは誤解がおありになるんじゃないかと私は思います。もともと陸上幕僚長が東部方面総監を指揮いたします。また東部方面総監から移駐する部隊に指揮をするわけであります。したがってもう七時に、きょうは実行しようということについては、私許諾を与えておりますから、したがって、その後の情勢変化で数時間を繰り上げる、それに対しての配慮いかん、それはまかせよう、こういうことになった、という順序をいまお答え申し上げたわけでございます。
  118. 岩間正男

    岩間正男君 だから、その繰り上げの原動力はだれかと、だれが発言したか、これははっきりしていますよ。われわれ四党の調査団の者が行ったのです。そしてあそこではっきり質問したのです。明確になっている問題ですよ。そうすると、あのときの中村陸幕第三部長のそういう答弁というものは明らかにわれわれを欺いたということになる。その原動力はだれだ、ここが非常に問題なんだ。制服組から出て、それに従っていっただけなんです。シビリアン・コントロールじゃなくて、逆シビリアン・コントロールです。事実はそうでしょう。
  119. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは岩間さん、ちょっと誤解があるように思うのです。そういう部隊配備を直接指揮している者が時間を繰り上げるということについて判断を求めることは、何もシビリアン・コントロールに妨げはないと思いますね。現場で衝突がありそうだ、どうも秘密が漏れた、それはやはり現地が一番よくわかるわけですから、その現場が陸士幕僚長に上申し、陸上幕僚が次官に伝える、そして次官は私の決裁を仰ぐ、そして私が裁断をした、それから行動したというわけですから。これが無断で行動したというなら、これはシビリアン・コントロールの不行き届きを指摘しなければなりません。いま承る順序としては、私、一向さしつかえはないというふうに理解いたします。
  120. 岩間正男

    岩間正男君 その結果どうなったのですか。その結果七日に入ったのですか。八日に入ったのですか。だから、それはあなたたち、そこのところがいま問題ですよ。私が問題にしたいのは、実際はそういう自衛隊の独走というか、政府の独走というか、軍部の独走というのが始まっているのです。それが体質的にもうなっているのだ、そこのところが問題だ。四次防の問題、立川の問題、沖繩の問題、少なくともこの三つの問題でこれは明らかになってきているわけです。そうして、結局内局は何かというと、それに承諾を与える機関になっているということですよ。実際の結果はどうだったかということ。これは市民と市長に対してどういうふうに謝罪するのですか。実際を誤っているのだ。われわれが立ち合ってちゃんと約束した、そしてはっきり事前通告をしなさいということが、実際はもう午後十時三十分に練馬から出ている。この通告をしたのは十一時六分だ、これは明らかに事後通告です。こんなことは、これは公約違反ですね。それから、そのときの通告だって、八日に入るのだと、こう言っている。八日じゃない、これは。十二、三分の違いがありますけれども、結局のところ七日のうちだったということです。堤防の破れるのもアリのはい出るすき間から始まるということをいっている。ところが、そういうことではないのです。これが体制的になってきているということが大きな問題だ。このことを私たちは実際にあそこを視察をして痛感した。たとえば、香月隊長に聞くと、あの分遣隊の指揮者ですが、あなたははっきり指示を受けましたか、何時に入るという指示を受けましたか一これはあなた調べましたか。どういうことを言っているのですか。
  121. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これはちょっと順を追うて簡単に申し上げますと、数時間繰り上げてくれと、こう言いますから、十二時前に入ることを含めてあの許諾を与えたことになると思うのです。数時間というのは三時間とか四、五時間という意味です。ですから、それはよかったと思います。けれども、問題は、施設庁のほうが市長に連絡をした、連絡をした者が八日になってから入りますと言っておいたにもかかわらず、七日のうちに、これは十二時前、十一時四十六分に入ったというわけですから、七日のうちに入ったということは、これは遺憾でありますと、私は衆議院でも答えておるわけであります。そうしますと、調査してみまするというと、何時に入れということでなく、何時に出発しろ、こういう命令を下した、十時半出発、こういうことを言った。普通でいうならば、まあ一時間半くらいかかるところが夜道であったために早く着いた。このことは事実です。したがって、市長さんその他に連絡したのと違っておったことはいかにも遺憾に思います。これは確かにそのとおりでございます。
  122. 岩間正男

    岩間正男君 あなたは、七日に入ることを、そういうことを含めて許可を与えた、これは重大な発言ですね。大体そういうことをしておいて、実際には立川には八日に入るということを通告しているのだな。私たちはそのときの文書まで持っていますよ。明らかにうそをついた。あなたの主観を聞いているのじゃないんです。事実を聞いているんです。それなら香月というそのときの分遣隊の隊長はこれは一体どうするんです。何時に入るんだと指示を与えられぬものをどうするんです。これはいわばめくら軍隊じゃないか。何時までに入るという目標を持たない、指示を持たないで動く軍隊はめくら軍隊だ。そういう隊長に指揮された軍隊はどういうことなのか。私は、この背景に、指摘をすると限りなくありますが、この調査のごく一端を通してみても、こういう形が出ている。これがおそろしい今後の軍隊の体質、ここまで体質はきている。あなた何と言ったかというと、現地の軍隊は悪いことをやった、そういう気持ちでいないのだということをさっき言った。これはたいへんな発言なんです。そう思うほどなれっこになっているということです。もういまや、ほんとうになれっこになっているということです。平気なんだ。こんなものはあたりまえだ。宇都宮を出るときに隠密部隊でばらばらにこれは出ているでしょう。そうでしょう。九時からもう夜の十一時ですか、それまでかかって何回かに分かれて隠密部隊で出ているわけでしょう。そういうようなものは、これは軍の中に必要な面が——軍隊というものは大体そういうものかもしれない。しかし、そういうことが平気になっている。だから、私たちがあそこで質問しますというと、国会議員というものは何でそんなことを聞くのだろう、軍隊だったらあたりまえじゃないか、自衛隊任務として当然じゃないか、こんなことを聞くほうがおかしいという顔をしてこれは答えられた。その点では、その限りにおいては正直であります。しかし、その正直というものが、はたしていまの軍隊の、いや自衛隊のそういう性格になっているのかどうか。あなたの言われる、国民に信頼される、そしてシビリアン・コントロールのもとに置かれた軍隊になっておるのか。その背景を私たちは非常に問題にするんです。この軍の独走というのは、こういう形でもうすでに大きく出てきている。これがやはり、いまのシビリアン・コントロールの問題で大きく問題にされる。  もう一つは、何といっても安保体制の中における米軍との関係ですよ。さらに、この関係のもとにおいてこの自衛隊の性格というものは非常にゆがめられてきておる。こういうことは非常に私は考えなければならぬ。これはまあ時間で、そこばかりやっていると十分時間がありませんから、簡単にやります。  次に、お聞きしたいのですが、あなたたちなぜ立川に入ったか。きょうの衆議院予算委員会のあれを見ましても、何回も繰り返していますね。民生協力災害救助等をおもな目的とする一そうしてあなたの場合は、なぜ立川に入ったか、民生安定でございます、災害出動でございます、もう一つは、議会の決議がございまして、現地の人がこれを要望しているからであります、これをほんとうに何十ぺん、何百ぺん繰り返しておるわけです。申して悪いけれども、ばかの一つ覚えのように繰り返しておられるわけだ。ところが、一体そういうことになりますか。これは中村第三部長も言っておられましたけれども、そういう計画はない。これは計画を出すそうでありますから、なるべく早く出してくださいよ。この次の、あさってくらいまでに、この計画は。少なくともそう言っているのですから。この計画はあさっての委員会までに、委員長、出してもらわないとわれわれは審議できません。つまり災害出動の計画というものがはっきりなければ、そうしてそういうようなものがここで示されてわれわれが検討するのでなければ、立川問題というのは明らかにされない。したがって、これはあさってまでに出してもらわなければならぬ。ところが、これはないのだ。計画はまだない、こういうことですよ。あなたは、現地の今度入った部隊は、さっき久保さんそう言ったね、今度入った部隊は、これはそういうような災害出動の部隊でないから、権力を持たないのだ。ところが、それを言ったのは中村第三部長ですよ。中村第三部長は、何もあそこの先遣隊のこれは部隊長じゃありません。全体の少なくともあの計画実施したあそこの何でしょう、陸幕における一番責任者でしょう。その人がそう言っているのだ、これはどうなんです。
  123. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 私が申し上げたのは、先ほど訓練ということで御質問になりました。したがって現在は航空管制の訓練をやる部隊であるので、災害訓練をやる部隊ではありません。災害訓練はやらないというふうに申し上げました。しかし東部航空方面隊が配置されれば、それは一般的には防衛任務を持っておりますけれども、平時において災害派遣その他民生協力に当たりましょうから、それらの計画を立案し、実行するということで言っているわけであります。
  124. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、民生安定と言っていますが、たとえば現地の住民がこれに協力をしない、それにも反対している。立川の場合は八二%反対している。そういう人たちのところに無理無理入って行って、民生安定ができますか。そういうものを期待していますか、そういう軍隊に。それ自身が民生破壊なんですよ、いまの立川の姿は。これは議会の問題はあとでやります、きょうは時間がないから。これはあなたの言っているのはいかにでたらめかということははっきりしておるから、これはやめます。少なくとも常に自衛隊は国民に愛される自衛隊、国民の協力、理解のないそういうところでは自衛隊は存在しない、こう言っておるでしょう。こういう立場から考えると、民生安定を口にしながらこういうことができると思いますか。この立川のこれはできると思いますか。
  125. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 御指摘のように、地元の皆さん方協力を仰がなければならぬと思います。したがいまして、今後も理解を得るように努力をしてまいります。ただ、まあ市長さんの場合は、選挙中には、自衛隊は違憲の存在だからもし立川に来れば違憲訴訟をするぞというような演説をなすったということを聞いておりますが、これはどうもそういうことになりますと、なかなか御理解を得ることがむずかしいわけですが、八二%の時点も確かにあったと思いますが、市議会の多数が、同じ引っ越してくるなら早く来いという御要請があったこともこれもまた事実でございますので、そのあたりはひとつ岩間さん御了解を賜わりたいと思います。
  126. 岩間正男

    岩間正男君 あなたはそう言っておりますが、あなたが出した「市民と自衛隊」、これは五万ですか、膨大なものを出して何とか世論を変えようとした。この中を読んでみますと、こういうことを書いていますね。「大災害発生に際しては、規律と組織力ある自衛隊の出動が、被害の軽減、防止に役立つでしょう。」そしていかにもどこに行っても全部民生安定、災害出動をうたっているわけです。ところが、われわれはこういうことを言っておるから訓練もこれは十分やっていられない。そして実際この計画というものはいまだ明らかにされていない。それから、われわれの記憶の中には忘れがたい記憶がありますよ。帝国主義の軍隊は一体何をやったか。大震災のときに治安安定のためだと言って出動した。ところがどうですか、流言飛語が起きて朝鮮人が数千人殺された。ところがそれを取り締まるどころか、大杉栄あるいは河合義虎とか平沢計七とかこういう人たちがこの中で虐殺されているんだ。だから実際はどうなんです。災害出動、民生安定を口実にしているけれども、実際はそれが高じれば治安出動の性格を持ってくる。災害が起こった、非常に治安が混乱している、これを守るのだ、そういうための治安対策というものが一方でこれは進められているんじゃないか。こういう点をこれは明らかにしないで、おそらく自衛隊というのは戦前の軍隊と違います、国民の愛する軍隊、国民の愛する軍隊がだまし討ちに入っていく。国民の、あすこの市民の非常に大きな反撃はますます高まっているのです。行ってごらんなさい。何ならこの委員会で決議して一緒に行きましょうか。そして共同で世論調査をしましょうか。あなたはほんとうにそういう点では間違ったやり方をしている。私はそういう中で最後にこれは一つお聞きしたいのですが、どうなんですか。二十八機入るという話ですが、これは霞ヶ浦の部隊はどうなるのですか。具体的にお聞きしますというと、HUlBという中型ヘリコプターは入るのですか、入らぬのですか。
  127. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 政府委員からお答えいたします。
  128. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) HUlBは十四機、二十八機の中で十四機入る予定になっております。
  129. 岩間正男

    岩間正男君 どういう装備を持ちますか。
  130. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) HUlBはこれは中型輸送機、人員の輸送機でございまして、装備そのものはしてありません。
  131. 岩間正男

    岩間正男君 私の言っているのはHUlBですよ。
  132. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 何らかの機会にお乗りになればわかるとおりでございますが、単純に人を乗せるヘリコプターでございます。
  133. 岩間正男

    岩間正男君 これは機関銃を持ちますか、持ちませんか。
  134. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 将来の問題といたしまして自衛火器としてそういうものを装備することは四次防の中で検討してみたい、こういうふうな計画は持っております。
  135. 岩間正男

    岩間正男君 そこのところを問題にしておるのですよね。対戦車ミサイルはどうですか。
  136. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 対戦車ミサイルはいまのところ計画はございません。
  137. 岩間正男

    岩間正男君 いまのところでしょう、情勢は変わるから。立川ではなれっこになる。そういう態勢の中では装備だって変えることができる。そんなときに言っていっても間に合わないのです。どうしてこれが災害救助の何になるでしょうか。
  138. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 災害救助というのは、たとえば患者を輸送しましたり物資を輸送したりします。そのときスペースが必要でございます。HUlBはそういうスペースがございますから、災害救助に役立ちます。
  139. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 防衛局長に申し上げますが、資料要求が出ております。現在の訓練計画、将来の立川における訓練計画を示されて的確に答弁のできるようにして、この次の機会にひとつその点ははっきりしていただきたいと思います。  また、岩間君に申し上げます。ここで議論をするのはもうやめていただいて、時間が過ぎておりますので、質問にしていただきたいと思います。
  140. 岩間正男

    岩間正男君 もう一つ聞いておきますが、今回、富士計画というのが立ててありますね。これを立てたのもつくったのも東部方面総監部でしょう。演習場はこれは富士を使うそうですな。そして東富士演習場を全面的に便っていると聞きましたよ。あらゆるところを使うのだ。米軍と競合するときはどうだと聞いたら、そのときちゃんと打ち合わせをしてやりますと、こういうことですね。そうすると、あそこのところまでは二十分で行きますと言ったな、たしか。これはどうなんですか。海兵隊は何ぼ入っている。東富士演習場にはすでにいま二万以上の訓練をやっておるでしょう。百五十五ミリや二百三ミリの核搭載、核弾頭をつけることのできる、そういう原子砲も来ておるわけです。こういうものと一体無関係であり得るのかどうか。ベトナム戦線で一体どういうことをされたのか、この中型ヘリコプターというのは。私はそういうふうな問題についてもやはり明確にされなければなりませんよ。そうでしょう。レアードの国防報告によりますと、総合戦力構想の中に補完部隊計画というのがあり、日本がそれに当たる。そうすると、日本の自衛隊は日米共同作戦体制の一環として米軍に従属させられる。したがって、立川・横田を一体とする戦略構想というものを見きわめることが必要であり、この中で自衛隊の果たす役割りはどういうことになっているのかを見きわめる必要がある。これは時間の関係で具体的に詳細に聞くことはできませんが、こういう課題についてわれわれは決して追及することをやめませんよ。やめればわれわれの責任を果たすことはできない。そういう課題について一体長官はどうなんです。そういう問題にほおかむりをしてそして民生がありますか。そしてそういうことをやっていけると思っておりますか。どうなんですか。
  141. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) いろいろな御質問でございますが、私は御心配の点は全然当たらぬと思うのです。もちろん自衛隊のことですから、本来の任務のための訓練も富士の演習場の上空ですることもありましょう。したがって、飛び立って演習場へ行くわけですから、立川にはたいした騒音はない。だから今後、いまは管制訓練ですが、それを見ておっていただくと、ああこの程度のものかということもだんだん御理解がいくと思います。それから御指摘の民生協力は、これはもう、そういう首都災害があったらどうするかという背景を踏まえて昨年の六月閣議できめたと、こういう経緯です。あの当時、いつ大災害が起こるかもしれないというような雰囲気が一昨年ごろからずっとあったじゃございませんか。そこで、やはりこれはひとつ首都圏の中にりっぱなものを置こうということでこれが考えられたので、ヘリコプターだけ、小型機だけというところに、われわれが申し上げておる意味の真意をほんとうにおくみ取りいただきたいと思うんです。どうぞ御了解願います。
  142. 沢田実

    ○沢田実君 資料をお願いしたいんですが、沖繩搬入の物資の件ですが、陸上、海上についてお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
  143. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) 江崎防衛庁長官、いかがですか、資料は。
  144. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) わかりました。  疑惑になりました資料がちょうどございますから、お配りいたしておきます。
  145. 柳田桃太郎

    委員長柳田桃太郎君) それでは、本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十一分散会      ——————————