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田中一君 これは
委員長にもちょっと言っておきますがね。いろいろしかつめらしいむずかしい
法律をつくって、いま言うように抜い穴はたくさんあるんです。ざる法なんです。だから
国民全部に向かって、安心なさいと、幾らほしいと言ってもとられない方法はございますよと、声を大きくして言いたいんです。一面においては、もっと税の緩和される、あるいは
国民の
負担が軽減されるという
手法がありながら、これを悪用して使わない。一面、いま申し上げたように、千平米買ってあと千八百平米買って三千平米だと、この場合には
適用がないんです。どうもずいぶん
国民から税金を取ったり物価を上げたりする大きな技術を持っている
政府としては、なかなかけっこうな案でございます。したがって、これを今後とも改悪しちゃいけませんよ。ただ問題は、大体において点の面を既成市街地の三百坪
程度のものを買うなんということになりますと、その
地方公共団体がこれに対して相当な計画をしなきゃならぬ。したがって、そういうもの、ことに区画整理が済まないようなところではこれは買えないもんですよ。買ったってしょうがないんですよ。隣地も買わなきゃならぬ、また買わなきゃならぬ、また買わなきゃならなくなります。売らないやつまでもどうしてもこれ売ってくれよと、ここに庁舎をつくるんだから売ってくれよと、ここに保育所をつくるんだ、何をつくるんだと言って
土地の
取得に狂奔しなきゃならなくなる。したがって、これは一面公営住宅、あるいはせんだっても
建設委員会にかかっておりました住宅金融公庫等の資金で家を建てようという、マンションとかなんとかを建てようとする人もたくさんいますよ。公営住宅の
土地がないと、こういう人たちもおるでしょう。それを目当てにやるだけのことにすぎないということがひとついわれておるんです。したがって、私が申し上げたいのは、時間がないからたくさん言えないんですが、例示だけするわけですが、そういう公営住宅の敷地などをどのような形でもっていままで
取得してきたのか、あるいはそれがどうにもならないという訴えは相当あると思うんです。したがって、その困難さから、これは当然市民に市民の住宅として還元するものであるという前提ならこれは認めるところもございます。しかし、だからといって、今日あなた方の
考えている九百五十万戸五カ年計画の中の住宅を見ても、六〇%以上は
民間の自力建設に依存しているという現状です。この依存している現状を見た場合には本人に、その
土地、その適地へ、本人に融資をしてうちをつくらしたほうがずっといいということも言えるんです。私は今日、せんだっても
建設大臣と大いにやり合ったんですが、住宅金融公庫の持ち家政策とかそうした住宅政策そのものの根本的ないま改定期、曲がりかど、思想的な曲がりかどへきている。ここで新しい立場から日本の住宅政策、ことに過密化しているところの大
都市、この大
都市周辺の住宅政策というものは相当
考えにゃいかぬぞと、こう言っているわけなんです。これの対象となるものは、おそらく過密化しているところの
土地などは大体できないと思うんです。大体そんなこと言ってきませんからね。今度線引きされた市街化区域の適地を求めようとしているのでございましょうが、こうして一面においては
民間の自力建設、持ち家を推薦するんだと、いわゆる
民間産業にも大いに依存するんだと言いながら、現在東京周辺にある、東京の二十三区内外にあるところの木造の、いつも火事があると何人か死ぬという新建材でつくっている木造、木賃アパート、これなどは八十万世帯あるというじゃございませんか、東京周辺に、八十万世帯がある。これはむろん非常に過密化したところの地域に密集しているんであります。こうして
民間のだれかがここでこうしようああしようという試みでもって計画している
土地を横取りするという場合ですよ、横取りしないかもしれない、横取りするような場合があったら、その場合にはもう先行して、いまの非常な悪い環境で生活している五部屋とか十部屋という小さなアパートのほうをどうするかの問題が先行しなきゃならぬと思うんです。これはむろん私有、
民間経営のものでありますが、これに対する手を打たなきゃならぬと思うんです。これにはどうしても
都市区画整理というものが並行して行なわれる、そうしてそこに
政府の施策として大きな資金も流す、計画も立てると、そうした困難なことは
一つもしないで、当然しなきゃならぬ
行政上のひずみというもの、高度成長政策のひずみというものがそういう形で生まれている現在の
都市の
状態というものを
考えないで、困難を一切避けて安易な気持ちでもってこういう
手法を用いるということ、これはむろん前段に申し上げたように、
国民の住宅として還元させるんだという前提で一応の賛意を表しますけれ
ども、
手法が悪いです、
手法が。もっと真剣に
国民の
利益を
考えるということでなくちゃならぬと思うんです。
建設大臣、こうした
手法、いま三つか四つの例示をしたにすぎませんけれ
ども、住宅政策、
土地政策なんというものじゃございません。これは
土地政策なんというものじゃございません。ただ
一つの
目的をもって公営住宅その他の住宅を建てなきゃならないんで、敷地がないんだと、買えば高いんだというところの発想がなした安易な案なんです。住宅問題というものを、まああなた、佐藤さんがやめたってまだあなたは非常にいい人柄だから、渡海さんも、二人とも次の内閣にも
大臣としてひとつ
考えてほしいと思うのは、そうしただれもできない問題を解決しようとする意欲的なものがあなた方の役目なんであります。住宅問題をどうするか、
土地の問題なんというのはこれは水田さんとはずいぶん長い間何回か議論しておりますからここであえて申し上げませんけれ
ども、住宅の問題、いま八十万世帯と数えられているところの東京周辺の木造のアパート、いつも火事になれば何人か死んでいるアパート、この施設をどうするか、それらを含めてひとつ御答弁願いたいと思います。これは渡海さんにもお願いしたいんです、この同じ問題で。