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参考人(
時崎雄司君) 先ほどから多くの
参考人の方から
病院の実態について
お話がありました。私のほうも何か言いにくい若干立場にあるわけでありますが、
病院のこの種の
闘争が起きた背景、特に労働条件の問題について若干申し上げたいと思うのです。
衛生部長なり内藤
病院長は突然に
闘争が起こった、さらにはまた
看護婦の
充足についてもほぼ予定に達しておるというような話をしておりますが、先ほどから時間外労働が恒常化をされているということ、さらにはまた退職していく
看護婦さんが多いということ、それから特に結核の
病棟を除いて考えてみますと、二百二十八人の入院
患者に対して七十八人もの付き添いがついている。これは二・九人に一人の割合で付き添いがついている、こういう実態であることは事実であります。
それから
大橋先生御指摘ありましたように、たとえば三交替でありますから、準夜、日勤、深夜という、たいへん普通とは違う
勤務体制をとっているわけです。準夜、日勤、深夜という
勤務に当たった場合には五十時間に及ぶ拘束をされるわけです。これは
病院長は何か誤った形で
お話しをして、手術の待機のような話でありまして、全くこれは手術とは
関係ない
病棟の
関係でございます。これはどういうことかと申しますと、普通の
職員ですと、きょう一日働いてあした出てくるまで少なくとも十六時間労働から解放される時間があるわけです。ところが準夜、日勤、深夜という
勤務になりますと、労働から労働までの間が八時間しかございません。それを三回連続いたしますと、とても友部という地域から考えて、自宅から通勤することは全く不可能になるわけです。そこで
病院の中にある仮眠室に泊るということになるわけであります。もちろん八時間しかございませんから、食事をとってお風呂に入って、そうして睡眠をとって、また朝の食事をとるまでの間、普通三時間から四時間しか睡眠をとらないということに物理的になるわけです。これを三回やりますと、間に二回の
休憩がありますから、合わせると五十時間に及ぶ拘束になってしまう。労基法から見ればどうか知りませんが、少なくとも最低八時間の睡眠はとらなければならない、連夜、夜間
勤務をしいられているということからいくとたいへんな
勤務をしいられている、現在しいられているということになるわけです。これが週一回の割り合いで
病棟の
看護婦さんの方に来るということを十分御理解をいいだきたいと思うわけです。それから手術室とか産婦人科の
病棟においては突発的に
患者さんが来るために拘束をしておくわけです。これは普通の八時間の
勤務のほかにこういう実態にあるということを御承知をいただきたいと思うし、また年次有給
休暇というのは好きなときにとるべきのがたてまえでありますが、残念ながら一ヵ月前に
勤務表の中に、あなたはこの辺で
休暇をとりなさいといって指定をする、別名指定年休制度というものが現在の世の中に公然と行なわれている。そういうことでたいへんな
勤務条件になっておるわけであります。これを四月の二十五日だったと思いますが、
中央病院の入院
患者に対してこの
県立病院がはたしてどういう
状態にあるかということを
患者さんの側からアンケート
調査をしてみました。そのうちの七五%が
中央病院に対して不満を持っております。その不満の一番多かったのが
看護婦の不足であります。それからまた、
看護婦の
勤務に対して八〇%の方がたいへんな
勤務だ、こういうことをアンケートの
調査の中で明らかにしている。こういうことであるわけです。そこで、私
たちは、こういう
状態の中から何とかして二年前に約束をした、あの百九十六名という数字を早いところ
実現していただきたい。これは単に労働条件の
改善だけではなくて、先ほど申し上げましたように、付き添いをたくさんつけているところからきているわけでありますから、
看護をもう少し手厚いものにしていきたいというのが今回の
要求の内容であったわけであります。ところが、先ほどから
大橋先生からも指摘がありましたように、昨年の十一月と、ことしの二月、
人事、保健予防両課長と
交渉を確かに持ちました。ところが、この
交渉は単にわれわれのほうから
要求を出して回答をいただくという
交渉ではなく、すでに二年前の
闘争以来県側がるる
努力をされていることと思いますが、それについて現在の
状況がどうなっているのか、それを
労使双方が確認し合おうじゃないか、こういうことで二度
交渉やったわけであります。そこで、それぞれの実態というのが
労使双方で理解ができたわけであります。これは若干のことば上の問題はありますけれ
ども、ほぼ約束の半分に満たっていないというのは、
労使双方でもって、
双方当時理解をしておったわけであります。いま相当数字が大きく言われておるようでありますが、その中には全く
看護婦の資格のない無資格者を採ったり、さらにはすでにやめた人を入れていなかったり、お産でもって長期間休んでいる人、学校へ入るために長期間休んでいる人などの数字、こういうふうにして計算していくと確かにああいう数字になると思います。ところが、実際上夜間
勤務のできる
看護婦さんということになりますと、相当制限されます。そういう点からいくと半分以下になってしまうわけであります。
そこで、これを今後どうするかということで、引き続いて
団交を
要求したら、二月の十九日以来ぷっつりと応じなくなったわけであります。やむなく
知事室前に三日間すわった、県会
開会中、われわれは
要求を認めろといってすわったんじゃなくて、ぜひ
総務部長さんなり
衛生部長さんにお会いをしたい、そういうことですわったんであります。だから、私
たちのとった行動に問題があるとするならば、その
団交に応じなかった人
たちの理由もよく聞いていただきたいと思うし、またわれわれは積極的に
知事室前にすわって、同じ
職員から批判を受けながらも、どうしてもお会いをして、こういう
事態、すなわち夜間
勤務のゼロの
状態をつくりたくないというばっかりに
知事室前に三日間すわったわけであります。そこで、
知事室前に三日間すわった結果、
総務部長とは一時間、
衛生部長とは一時間半か二時間ぐらい、それもすわり込みを解かせるためではないかと思われるような
交渉の内容であったわけであります。
そこで、そのあと二回会ったあとで、これは三月の二十五日と二十七日であります。その次に
交渉に応じたのが、何と
組合ダイヤにあしたから入りますという日の十九日の夜一時間か一時間半会ったきりであります。これで解決をし、
労使双方円満にいくというのは全く不可能であったというふうにわれわれは考えておりますし、好きこのんでそういう
夜勤切れの
状態をつくったというふうにはわれわれは理解をしておりません。ぜひその辺のところも御理解をいただき、特に、ただいまの三六協定の問題なんかについても、
組合側から積極的に三六協定を結ぼうと提示しているのにもかかわらず、今日まで何らそれに対する
話し合いも持たれなかったことをつけ加え、申し上げて、私のほうからの
説明を終わらせていただきます。