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藤原道子君 具体的でないですね。さっき言ったことといまの答弁とじゃおかしい。とにかく危険ならば危険なりにやる方法はあると思う。小林さん
たちは旅費や滞在費だけでなくて、
向こうの人はみな裸だもんだから、何か非常にみやげものなんかも要るんですってね。はだ着のようなものだとか上着のようなものだとか、そういうようなものまで持って
向こうへ行ってお願いする。今度だって、幸いにも大
酋長ですか、この人の弟さんに当たる人に会えたのでその人に依頼してきた。こういう方法だってある。
日本から行った人がそういうことまで心を配るならば、国がやろうとすれば、私は手はあると思うんです。ところが何らしていないのみならず、こうしてさがしに行っておる
人たちが、
向こうの人は
遺骨を大事にしてくれて、埋めてあったのをもらったりした。
日本人は
遺骨をほったらかしだと言われたときのつらさというものは想像に余りあると思う。これは、私は
日本政府の責任だと思う。終戦後何年たっていますか。私は、そういう点でもう少し——これは
フィリピンだけじゃございません。ほかにもいろいろあります。
横井さんのような例も出ているんです。
横井さんが生きて帰ったからといって、国をあげてあれだけの大騒ぎをする。しかし、その陰にどれだけの人がじっとがまんしているかということを考えるときに、私はこうした例があるならば、徹底的に調べてほしい。
それから二月十八日の週刊読売プンタス
情報というのには、アボ山に二十六名ぐらいいるらしいと出ていますね。それから中日では、ブギドノンに数十名
生存者があるという説もある。あるいは朝日も読売も一生懸命
向こうでさがしているという話があるということを自民党さんの代議士の秘書に話したところが、これを某新聞が発表した。ところが
厚生省から非常にしかられて、出てこいと言われているという。この人が新聞に発表したんじゃないんです。
現地ではこういう
うわさがあるから、自民党さん何とか
協力してやってくださいということを——お
名前は申し上げませんけれ
ども、ある代議士の秘書に
お話しになった。ところがその秘書が新聞に発表した。ところが、今度は
厚生省からこんなに苦労している人がしかられる。私はこれも納得がいかないのですよ。こういうことも二十日ですか、六チャンネルで放送したという話でございますけれ
ども、今度比島へ渡るときの目的は、六十六名の部下を持っておる大
酋長に何とかして会いたいという決意で行ったんですね。これだけなんです。
向こうへ行くと、あらゆる新聞社が
現地へ来て、あっちゃこっちゃさがしているわけですから、意見がまちまちになっています。けれ
どもそれを小林君の責任のように、事情も聞かないでしかりつけるとは
何事だ。こういうことがあるけれ
ども、よく君聞きたいから来てくれないかと、やさしく言われれば喜んでやってくる。それを頭からこの人がやったように解釈されて、わけも聞かずに、これだけ苦労して——いままでどれだけの金を使っているかわかりませんよ、四回、今度で五回ですか行っているのですね。
自費ですよ。幸い、この人は御商売をしていますから何とかなるでしょうけれ
ども、私は、そういう点が、国のやり方に愛情がないと、そういうふうに考えざるを得ない。たいへん口の悪いことを申しましたけれ
ども、私は、ここにいろいろ資料は持っておりますけれ
ども、新聞もたくさん出ていますね、記事はまちまちですよ。けれ
ども、どの新聞を見ても
生存者がいるらしいということだけは事実。また新聞社の人も
現地でとても
努力しているという話なんです。その
努力していないのは
政府だけと、こういう
うわさが飛んでいますよ。こういうことをひとつお考えいただいて、この
遺骨収集と
生存者の有無をもっと真剣に考えていただきたい。私は、この小林君が会をつくるときに出したこの
手紙を見て、私
たちも申しわけなかった、もっとお手伝いができたら、するんだったということをしみじみ感じているわけなんです。
そういうことで、今後
フィリピンのみならず、グアム島その他における
遺骨収集についても御
努力を願いたい。
横井さんのことだって偶然のような状態で発見されたのです。あれは国がやったんじゃない。こういうこともございますので、一日も早く
遺骨収集を終わって、そして
現地に
慰霊碑を建てることはけっこうだと思いますが、この小林さんの
手紙の中に、「
厚生省は
遺骨収集は終わりと
現地に
慰霊碑を建てる様ですが、あるわあるわたくさん御
遺骨が野に山に雨ざらしではたまったものではありません。」遺
家族の
気持ちを考えてくださいというようなことが書いてあるわけでございますので、この点につきましてはぜひ、お互いが
戦争の犠牲にならないで、こうして生き長らえているということは、こういう
人たちの犠牲の上に立っているのだということをお考えになって、真剣に
遺骨収集に御
努力を願いたいということを申し上げておきます。
大臣いかがでございましょう。