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委員長(
松永忠二君) いまお尋ねいたしましたのは、規模を大きくするという意味で、たとえば、床固めの
工事の数をふやすということも考えているようです。また、扇状地の用地買収の問題も考えておられるようです。あるいはまた砂防指定地の拡大というようなものも考えているようであるし、また大臣ごらんになったとおり、一番上の第一期の床固めの
工事のところにほとんど土砂が埋ってしまって、それを越えているので、あれは床固めの
工事であるけれ
ども、土砂をとめるわけなんで、すでに一ぱいになっていると、相当機能としては減退をしていると考えなければいけないから、そういう床固めをした
工事のところにたまった土砂排除という問題がある、こういうことについて
事務的にも考えて進めていられるということであるし、これを的確にやるということが非常に重要だということを、私のほうから申し上げ、大臣もその点はほとんど同意見であろうと思う。そこで、いまお話のあった源頭部の問題ですが、実はこの前のときの大沢くずれの最後の結論として、大沢くずれの拡大を防止するということが
一つ。それから扇状地の安定化をはかるということがその二、それから、下流への土砂の害を防除するというのが第三番目。そのために有害土砂生産の根源部を主体として、滝の
部分及び扇状地において土砂の抑制をはかって流砂の調節をはかる、そのために源頭部では山腹工と滝保護工を
施工して砂れき生産の増大を防ぐというのが方針になっているわけですね。したがって、いまもっぱら大臣が見て言われているのは、扇状地の安定化という問題なわけです。ところが、実際の問題としては、実は扇状地に流れて来る土砂を生産する根源部があるわけであります。この根源部を主体にしてやらなければ、この
被害を防ぐことはできないという考え方で、砂防の
調査をやって、航空写真をとるとか、地表の地質を
調査するとか、あるいはまた砂防の工法についても大沢の崩砂防工法の試験をするということを四十六年あたりにやっているわけです。したがって、やはり大沢くずれの源頭部を何とかしないことには、結果的には扇状地だけの安定をはかってもどうにもならぬではないかというのが、これは
現地でもそう言っているし、われわれも結果的にはそこに問題があるというふうに考えているわけです。したがって、従前の源頭部のいわゆる大沢くずれというものの
場所の航空写真と今度
被害を受けた後の航空写真を比べてみれば、どれだけいわゆる崩壊が進んでいるのか、今度八日の日に再びまた土砂くずれがあったというのは、その源頭部の土砂がくずれてきているわけなので、非常に困難ではあっても、源頭部の
施工という問題について一歩前進をしていかないことには問題の根本的な解決はないのではないか。同時に、その流れてくる土砂の扇状地のいわゆる安定という問題について、大臣の言われる、もう少し大規模に考えていかないと、いままで以上に土砂の崩壊が来るのではないか、こういう
感じを、私も
現地をたずねてみて、やはりただ扇状地安定だけでは問題は片づかないという
感じがしたのです。したがって、お話しのように、改良
工事的ないわゆる扇状地
工事というものをひとつ考えなければいかぬと同時に、いわゆる源頭部について一歩前進した対策をしてもらわなければいかぬ。この砂防の
関係の建設省でつくっているものも、扇状地における土砂防止の
工事を行なっていますが、今後は扇状地の
工事と並行して源頭部大沢くずれの難
工事に挑戦していかなければなりませんと、こういうふうにして、これからここへ挑戦しなければいかぬと言っているわけです。この問題について、お話になったように、大臣が就任された当時、懇談会をやって、翌年直轄事業としてこれを認めて、そして四十四年以来着工して、今度つくった床固めが非常な効果を発揮して、人命にとにかく
被害なしに終わったわけであります。したがって、大臣があと任期そうたくさんあるとは思いませんけれ
ども、熱意と従来の研究をもとにして、何らか一歩前進した源頭部の対策を進めてほしいというのが
現地やわれわれ
関係者の
要望です。したがって、そういう問題について御意見を聞かしていただくとともに、根本的な対策をやはり進めていかないといけないのではないか。後ほどお伺いいたしますけれ
ども、かりに建設省が非常に努力をしたとしても、中流部には林野庁のいわゆる
工事のところもあるわけです。これは十カ年にたった九千万の金しか使えなかった、こういう点からいうと、そこの関連も明確にしていかないと、やはり考えているような完成ができないのではないか。こういう点で、短い時間でありますので、大臣にもう少しその点の見解をお聞かせをしていただきたい。