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1972-04-06 第68回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月六日(木曜日)    午前十時十一分開会     —————————————    委員異動  二月八日     辞任         補欠選任      藤原 房雄君     宮崎 正義君  二月十日     辞任         補欠選任      戸田 菊雄君     中村 英男君  三月二十七日     辞任         補欠選任      高橋文五郎君     園田 清充君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小柳  勇君     理 事                 小林 国司君                 世耕 政隆君                 上林繁次郎君     委 員                 伊藤 五郎君                 濱田 幸雄君                 安田 隆明君                 杉山善太郎君                 鈴木  力君                 中村 英男君                 宮崎 正義君                 塚田 大願君    政府委員        総理府総務副長        官        砂田 重民君        通商産業大臣官        房会計課長    北村 昌敏君        運輸大臣官房審        議官       見坊 力男君        建設省都市局長  吉兼 三郎君        建設省河局長  川崎 精一君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        防衛庁防衛局運        用課長      福田 勝一君        科学技術庁研究        調整局総合研究        課長       石渡 鷹雄君        農林大臣官房総        務課長      二瓶  博君        通商産業省鉱山        石炭局石油計画        課長       鈴木 両平君        通商産業省公益        事業局ガス課長  原田  稔君        運輸省港湾局技        術参事官     竹内 良夫君        建設省道路局高        速国道課長    浅井新一郎君        建設省国土地理        院参事官     檀原  毅君        自治大臣官房調        査官       福島 栄造君        消防庁消防課長  青山 満夫君        消防庁防災管理        官        古郡 良秀君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (昭和四十七年度防災関係予算に関する件)  (地震対策に関する件)     —————————————
  2. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二月八日、藤原房雄君が委員辞任され、その補欠として宮崎正義君が選任されました。  また、去る二月十日、戸田菊雄君が委員辞任され、その補欠として中村英男君が選任され、また三月二十七日、高橋文五郎君が委員辞任され、その補欠として園田清充君が選任されました。     —————————————
  3. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  昭和四十七年度における防災関係予算に関する件について、政府当局からその概要説明を聴取いたします。砂田総理府総務副長官。
  4. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 昭和四十七年度における防災関係予算概要について御説明申し上げます。  昭和四十七年度における防災関係予算につきましては、詳しい内容はお手元に配付してございます資料によりまして御承知いただきますと同時に、関係各省が参っておりますので、引き続いて、詳細な点は関係各省から御報告いたしたいと思います。  まず、防災科学技術研究につきましては、引き続き各省庁防災担当研究機関強化充実をはかるとともに、風水害、震災、雪害火災危険物災害農林水産業災害等各般災害防止のための研究及び各種構造物危険物施設安全性に関する研究を推進することとしており、総額三十九億二千二百万円の予算措置を講じております。  次に、災害予防につきましては、災害予防に関する教育訓練を引き続き各省庁でその実施につとめるものといたしまして、また気象観測地震観測通信運輸水防消防等についての施設及び設備整備充実をはかるとともに、道路崩壊防止等災害予防事業を推進することとして、総額千二百六十五億六千万円の予算を計上しております。  さらに、国土保全につきましては、国土保全防災の基本であることにかんがみまして、東京、大阪等重要地帯地域開発等によって急速に発展をいたします地域砂防地すべり地域等における災害の防除に重点を置き、治山治水海岸保全農地防災等各種事業実施するものといたしまして、これに要する予算総額三千八百九十六億四千六百万円を措置してございます。なお、その事業内容充実をはかるために、治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画改定を行なうことといたしております。  災害が発生いたしました場合におきましては、迅速かつ適切な救助活動実施できるよう防災体制等を確立し、応急救助、その他災害の実情に応じた必要な応急対策を講ずることとして、総額三億三千一百万円を計上しております。  最後に、災害復旧につきましては、直轄災害復旧事業は二カ年間で復旧し、補助災害復旧事業は従来四カ年で復旧を行なっていたところでありますけれども、本年からこれを一年短縮いたしまして、三カ年で復旧することといたしております。また、過年に発生いたしました災害のうちその被害が甚大なものにつきましては、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づいて、特別の財政援助または助成を行なうこととしております。なお、昭和四十七年に発生する災害復旧に関しましては、当初予算に一定の所要復旧費を計上しており、これをもって復旧を促進することとしているほか、災害融資等必要な金融措置を講じ、復旧資金等円滑化をはかることとしております。これら災害復旧には、総額二千五百三十三億七千一百万円を計上しております。  以上の科学技術研究災害予防国土保全災害応急対策及び災害復旧に対する予算額総額は七千七百三十八億三千万円になっております。  昭和四十七年度における防災関係予算について御説明申し上げましたところでありますが、もとより、災害予防重点を置きまして、その総合的対策を講ずるとともに、災害が発生した場合にも、迅速かつ適切な応急対策をとりつつ、災害復旧に万全を期してまいる所存でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
  5. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 続いて、関係各省庁から順次補足説明を聴取いたします。  石渡科学技術庁総合研究課長
  6. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) 御説明申し上げます。  科学技術庁防災関係予算は、科学技術研究といたしまして九億八千九百万円、災害予防予算三億五千八百万円、合わせて十三億四千七百万円でございます。  その内訳といたしましては、まず科学技術研究といたしまして、国立防災科学技術センター予算七億八千二百万円が第一でございます。  この防災センターにおきまするおもな業務内容といたしましては、大型降雨実験施設整備関東南部地震活動を観測するためにすでに岩槻市に掘りました深層観測のための深井戸による地震観測、さらに、昭和四十五年度に完成いたしました、これは筑波にございます大型耐震実験装置を使った耐震実験など、従来から進めてまいりました防災科学技術に関する各種研究強化する方針でございます。  次に、航空宇宙技術研究所におきまして、乱気流等によりまする航空機事故原因の解明をはかるために、昨年度に完成いたしました突風風洞によります研究計画しております。この経費につきましては、配分額が未定でございますので、資料には計上いたしてございません。  次に、原子力関係でございますが、二億七百万円の支出を予定しておりまして、放射性廃棄物処理処分に関する研究放射線障害防止に関する研究を行なうこととしております。  なお、この二テーマに加えまして、原子力施設安全性研究を企画しておりまして、これらは、原子力平和利用研究委託費を使用いたしまして民間に研究委託を行なうこととしておりますが、この経費につきましても、配分が未定でございますので、計上しておりません。  なお、従来から、特別研究促進調整費を活用いたしまして防災科学技術に関する試験研究を推進してまいっておりまするが、四十七年度では地震雪害等研究実施すべく、現在関係機関と企画中でございます。この経費につきましても、配分が未定でございます。  以上が、科学技術研究についての御説明でございます。  さらに、災害予防関係では、原子力関係といたしまして、一般環境におきます放射能水準調査といたしまして、核爆発実験に伴う放射性降下物調査原子力軍艦の寄港時におきまする放射能調査を行なうこととしております。  また、原子力施設安全管理といたしまして、原子力施設安全審査検査及び原子力施設周辺放射能の監視を行なうこととしております。  以上でございます。
  7. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次は、二瓶農林省総務課長
  8. 二瓶博

    説明員二瓶博君) 農林省所管昭和四十七年度防災関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  お手元資料の一ページの中ほどにございますように、当省関係予算科学技術研究災害予防国土保全災害復旧等、合わせまして総額一千八百九十七億円となっておりまして、別に農林漁業金融公庫災害関係資金貸し付け計画額として百七十七億円を計上いたしております。  次に、その内容について御説明申し上げます。  二ページに科学技術研究として一億七千六百万円を計上いたしておりますが、その内容は、まず農作物災害防止に関する研究でございまして、国の農業関係試験研究機関及び都道府県の農業試験場などの協力を得て、各種農作物の冷害、凍霜害及び雪害等対策研究実施するほか、耐冷品種の育成、火山灰地帯における地力保全研究を行なうこととしております。  次に、農業用施設等保全に関する研究として、農業土木試験場において安全なダムの築造、海岸浸食防止対策フィルダム耐震設計手法開発等に関する調査研究等実施することといたしております。さらに、山地荒廃復旧及び予防、あるいは水源涵養林防災林造成等治山技術の確立に関する研究並びに森林気象災害火災防止に関する調査研究林業試験場において実施するほか、火災に安全な木質材料開発に関する研究を引き続き行なうこととしております。また、水産庁漁船研究室においてまき網漁船の波浪中操業時の転覆事故防止に関する研究実施することとしております。  次に、災害予防でございますが、三ページにございますが、小型漁船安全操業という点に配慮し、漁船保険組合機関検診技術員を常駐させるとともに、事故防止のための講習会技術修練会実施するほか、船型、操業形態の実態に即した小型漁船安全基準を設定し、その周知徹底をはかることとしております。また、林野火災多発化傾向に対処し、火災予防啓蒙活動強化をはかるとともに、防火線防火樹帯設置基準策定のための調査を行なうこととしております。なお、従来どおり災害対策用として乾パンを二十六万食備蓄するほか、米飯かん詰め一万七千食の備蓄試験を行ない、また雑穀種子野菜種子についても引き続き備蓄を行なうとともに、災害用仮設住宅等のため主要営林署に五万立方メートルの国有林材備蓄することとしております。以上の事業に要する予算として九千二百万円を計上いたしております。  次に、国土保全関係でございますが、四ページにございますように、八百四十九億四千六百万円が計上されております。治山事業につきましては、現在国会に上程中の治山治水緊急措置法の改正を待って四十七年度を初年度とする第四次治山事業五カ年計画を策定し、これに基づき事業拡充実施をはかることといたしております。海岸保全事業は、海岸事業五カ年計画の第三年度として、当省所管農地海岸及び漁港海岸にかかる事業実施することとしております。また、農地防災事業につきましては、防災ダム老朽ため池等整備農地保全等、主として農地農業用施設災害防止目的とする事業を、地すべり防止対策につきましては、地すべり防止法に基づく事業をそれぞれ実施するほか、従来に引き続き災害関連事業実施することといたしております。  また、保安林整備につきましては、社会経済情勢の変化に即応し、保安林の適正な配備、施業の合理化等保安林の適正な管理実施することといたしております。  次に、災害復旧等でございますが、五ページにございますように、予算措置及び農林漁業金融公庫融資措置を合わせて、総額で一千二百二十一億九千二百万円を計上いたしております。  まず、農地農業用施設海岸施設治山施設林道施設漁港施設等災害復旧事業につきましては、政府統一方針に基づき直轄災は二カ年で完了し、補助災は三カ年で完了する方針のもとに、それぞれ事業の進捗をはかることとしております。  被害農林漁業者に対する融資でございますが、農林漁業金融公庫につきましては、貸し付け計画額として農地等災害復旧資金に六十億円、自作農維持資金に百十七億円を計上いたしております。なお、天災融資法に基づき引き続き被害農林漁業経営等に必要な資金の融通に関する利子補給措置を行なうこととしております。また、災害補償制度につきましては、農業災害補償森林国営保険漁業災害補償及び漁船損害補償の各制度を合わせまして六百九十八億円を計上しているわけであります。  以上、当省関係災害関係予算の概括的な説明を終わらせていただきます。
  9. 小柳勇

  10. 北村昌敏

    政府委員北村昌敏君) 通産省関係の四十七年度防災関係予算は、一ページの中ほどに記載してあるとおりでございまして、総額三十三億三千七百万円でございます。以下、新規予算など、おもなものにつきまして簡単に御説明を申し上げます。  まず、科学技術研究関係でございますが、二億四千三百万円を計上しております。この中では、新規のものといたしましては、近年LPGの需要の増大に伴いまして急速に普及しております高張力鋼LPGタンクにつきましてひび割れの発生防止方法及び検査方法を確立し、溶接方法等に関する保安基準を作成することといたしております。そのための経費といたしまして千二百万円を新規に計上しております。このほか、防火建築材料等に関する研究鉱山災害防止のための研究等につきましても、引き続き拡充強化していく所存でございます。  次に、災害予防関係は十九億五千六百万円でございますが、石炭鉱山における重大災害防止するため、保安設備改善整備等に対しまして多額の国庫補助を行なうとともに、石炭鉱業合理化事業団を通じまして設備近代化資金によりまして融資を行なうこととしております。また、ガス導管都市過密化対策及び保安確保等の観点から共同溝へ収容する必要があるわけでございますが、これを促進いたしますため、日本開発銀行からガス事業者に対し融資を行なうこととしております。  第三に、国土保全関係でございますが、十一億三千八百万円を計上しております。まず、地盤沈下防止対策といたしまして、地盤沈下地帯におきましては、工業用水法に基づき工業用井戸の規制を行なっているわけでございますが、これにかわります水源として工業用水道整備を引き続き推進することといたしまして、継続三事業及び新規に一事業につきまして総額七億九千六百万円の国庫補助をすることといたしております。また、新潟及び南関東のガス田地域におきます地盤沈下原因を究明いたしますため、既設の観測井による地下水の状況の調査を継続いたしますとともに、四十七年度は千葉県下に新たに二つの観測井を設置することといたしまして、そのための経費六千四百万円を計上いたしております。このほか、ぼた山の災害防止につきましても、従来どおり公害防止工事及び保全工事に対する国庫補助を行なうこととしております。  以上のほか、お手元にお配りいたしております資料には記載されておりませんが、激甚災害などによりまして中小企業者が被災した場合には、例年どおり政府関係中小金融機関より通常よりも有利な貸し付け条件で、被災中小企業者に対し融資を行なう措置を講ずることといたしております。  また、信用補完の面におきましても、必要に応じまして、中小企業信用保険公庫から信用保証協会に対しまして特別貸し付けを行なうなどによりまして、災害関係補償を促進することといたしております。  以上、簡単でございますが、通産省関係防災関係予算につきまして御説明申し上げました。
  11. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次は、見坊運輸省審議官
  12. 見坊力男

    政府委員(見坊力男君) 運輸省関係といたしまして、その資料の中ほどにございます運輸省海上保安庁気象庁日本国有鉄道、この四機関を一括して概略御説明申し上げます。  合計欄のところに数字が入ってございませんが、四機関合わせまして三百八十一億四千三百万円、対前年度比二〇・九%増に相なっております。以下、その内訳について御説明申し上げます。  科学技術研究関係でございますが、二ページをごらんいただきます。運輸省といたしまして三億四千七百万円計上してございます。これは港湾技術研究所実施いたします港湾及び海岸における防災技術開発研究のための経費三億二千二百万円、船舶技術研究所実施いたします大型専用船等安全対策に関する研究のための経費二千五百万円でございます。  次に、海上保安庁といたしまして、地震予知に資するための海底地形とか、地質構造測量等経費千二百万円を計上してございます。  また、気象庁といたしまして、三億五千八百万円計上してございます。これは気象研究所を中心として実施いたします気象、地象、水象に関する研究梅雨末期集中豪雨研究地球大気開発計画に基づく総合研究等のための経費三億四千三百万円、地震活動統計的研究のための経費千五百万円でございます。  それから、日本国有鉄道といたしまして、車両の走行性能、耐寒、耐雪性、氷雪の処理等雪害対策関係技術開発計画のための経費、二億円を計上してございます。  次に、災害予防関係でございますが、運輸省といたしまして三億九千三百万円計上してございます。これは危険物運送事業者の監査、船舶災害防止のための教育経費七百万円、空港における除雪体制整備消防機器材整備のための経費三億七千百万円、LNGタンカー危険物専用コンテナ安全基準作成等船舶災害防止のための船体構造基準検討等のための経費千五百万円でございます。  次に、海上保安庁といたしまして六十八億六千三百万円計上してございます。これは大量流出石油対策訓練のための経費四百万円、航路標識巡視船艇航空機海上保安通信体制等整備のための経費六十八億一千万円、流出石油処理及び人命救助等に必要な資器材整備のための経費四千九百万円でございます。  また、気象庁といたしまして、五十四億二千七百万円計上してございます。これは気象レーダー等気象観測施設設備整備のための経費五十一億四千二百万円、地震観測施設検潮所等整備のための経費二億八千五百万円でございます。  それから、日本国有鉄道といたしまして六十六億四千八百万円計上してございます。これは橋梁トンネル等の取りかえ及び改良のための経費四十六億二千二百万円、防雪設備除雪機械等整備のための経費二十億二千六百万円でございます。  国土保全関係でございますが、運輸省といたしまして百十二億三百万円計上してございます。これは高潮対策事業侵食対策事業局部改良事業等海岸保全事業のための経費百十一億千七百万円、災害関連事業のための経費八千六百万円でございます。  次に、日本国有鉄道といたしまして河川改修に伴う橋梁改築のための経費三十一億六千二百万円を計上してございます。  災害復旧関係でございますが、運輸省といたしまして、港湾施設災害復旧事業のための経費三十五億三千万円計上してございます。  以上簡単でございますが、運輸省関係防災関係予算について御説明を終わらせていただきます。
  13. 小柳勇

  14. 川崎精一

    政府委員川崎精一君) 昭和四十七年度の建設省所管関係予算の御説明を申し上げます。  一ページの下のほうにございますが、建設省関係といたしまして総額四千二百四十七億四千万円のほかに、住宅金融公庫融資が二十五億七千八百万円でございます。  その内訳といたしまして、科学技術研究に関するものは二ページの下のほうにございますが、合計四億五千六百万円でございまして、風水害に関する研究、それから測地的な方法によります地殻変動等調査いたしまして地震予知に寄与するという目的調査、それから地震に関する種々の研究雪害に関する研究、大規模の建築物、地下街の防煙設計法等に関する研究、それから丘陵地に建設いたします構造物の基礎の設計方法等に関する研究河川その他の仮り締め切り工事に関する研究等経費でございます。  次に、災害予防関係といたしましては、四ページの上のほうにございますが、総額四百七十二億五千二百万円で、水防施設整備及び道路崩壊防止等事業、それから江東防災事業の推進、除雪防雪、凍雪害防止及び除雪機械整備防災建築街区の整備がけ地近接住宅移転事業実施等経費でございます。また、防災建築街区におきます防災建築物建設に対する資金融資といたしまして、住宅金融公庫より十五億七千八百万円を計上いたしております。  次に、国土保全といたしましては、四ページの下にございますが、二千八百九十一億九千七百万円を予定いたしておりまして、治水事業の五カ年計画にかかります河川改修ダム砂防等事業につきましては、新しく改定を予定いたしております第四次治水事業五カ年計画初年度として推進してまいりたいと考えております。  なお、急傾斜地の崩壊対策事業海岸保全事業及び災害関連事業等経費がこれに組まれておるわけでございます。  最後に、災害復旧関係といたしまして、五ページでございますが、八百七十八億三千五百万円で、河川ダム海岸砂防設備道路災害復旧事業の金額を計上いたしております。  また、住宅金融公庫融資によります災害復興住宅建設等に対する融資といたしまして十億円を計上いたしております。  以上でございます。
  15. 小柳勇

  16. 福島栄造

    説明員福島栄造君) 自治省関係につきまして御説明申し上げます。  資料の五ページでございますが、一つは、激甚法に基づきます公共土木施設農地及び農業用施設等災害にかかる地方債に対する元利補給金の一部に相当する額といたしまして四億八千六十八万円を計上いたしております。  それから、来年度の地方債計画におきまして、災害復旧事業債は三百八十一億円を予定しております。  以上でございます。
  17. 小柳勇

  18. 古郡良秀

    説明員古郡良秀君) 消防庁におきます昭和四十七年度の防災関係予算につきまして御説明申し上げます。  総額につきましては、第一ページにありますように、三十二億六千五百万円でございます。これを対前年度比にいたしまして見ますと、二五・四%の増加となっております。  この内訳でございますが、二ページにございますが、第一に、科学技術研究のための経費といたしまして六千九百万円を計上しております。これは消防研究所におきます研究等のための経費でございます。そして、昭和四十七年度に計画されておりますおもな研究項目につきましては、大震火災の延焼性状に関する研究、地下街、高層建物の火災対策研究、合成空気あわ剤などの化学火災対策に関する研究等でございます。  次に、四ページにございますが、災害予防のための経費といたしまして三十一億九千六百万円を計上しております。このうち三千万円は消防大学校におきます教育訓練費、それから日本消防協会を通じて実施いたします消防団員の指導員の研修等であります。また、防災施設整備を行なうための経費といたしまして三十一億一千百万円計上されております。これは前年度に対比いたしますと二六・五%の増であります。このうち市町村の消防ポンプ自動車、消防無線等の消防施設整備費補助金が二十八億七千六百万円、消防吏員待機宿舎整備費補助金が五千万円、都道府県の防災資機材の整備事業に対する補助金が二千五百万円であります。そのほか、本年度新たに大震火災対策施設整備費補助金といたしまして一億六千万円が計上されております。これは特定地域におきます耐震性貯水槽、小型動力ポンプの整備等の補助でございます。  以上が主要経費でございますが、このほかに五千三百万円計上いたしまして、地方団体におきます防災業務の指導をはじめ、大震火災対策林野火災対策等の指導、火災予防宣伝等各般の業務を実施することとしております。  以上をもちまして消防庁関係防災関係予算につきまして御説明を終わります。
  19. 小柳勇

    委員長小柳勇君) このあと砂田副長官から地震対策に関する説明を受けるはずでありますが、いま衆議院の決算委員会に出席しておりますので、災害予算に関する件について質疑を行なって、砂田副長官が参りましたら、一時中断をして地震対策に関する説明を受けるということで会を運営していきたいと思います。  質疑に入ります。予算に対する質問を願います。
  20. 中村英男

    中村英男君 運輸省に伺いますが、気象庁の所管の中で、気象、地象、水象とありますけれども、気象の中に海象も含まれておるわけですか。資料二ページの……。
  21. 竹内良夫

    説明員(竹内良夫君) これは含まれております。
  22. 鈴木力

    鈴木力君 運輸省の方にお伺いいたしますが、これは予算というよりも、項目ではありませんが、いま御説明いただいた計画の中にありますけれども、この前の災害対策委員会でお伺いをしておきましたけれども、高波対策ですか、その中の釜石港湾の問題について御質問申し上げたんです。前の委員会では、運輸省が中心になりまして、例の海岸法に基づく五カ年計画で釜石港湾海岸補強の具体的な実施計画を進めるという御答弁をいただいておったと思うのですけれども、具体的にいまどういう進行状況になっているのかお伺いいたします。
  23. 竹内良夫

    説明員(竹内良夫君) お答えいたします。  釜石港は港湾と漁港の二重指定となっておりますけれども、いずれも岩手県が管理者でございますので、港湾計画は知事が責任を持ちまして、港湾も漁港も一緒に調整しながらつくっていくという体制でございます。たとえば、昨年、この港湾区域の中に嬉石町というのがございまして、そこに消波工という波殺し堤をつくる場合の模型実験をやりまして、漁港のほうの波なども調べながら一緒に計画をしていくというような体制で進めております。  先ほどの御質問の点でございますけれども、今回の台湾坊主、これに伴いまして釜石港全体の計画をもう一回見直す必要があるというように考えまして、この責任者である岩手県は、たとえば、防波堤等の施設を設置することについて調査研究を行なう。そのために四十七年度におきまして岩手県といたしまして当初予算に八百万円を計上いたしましてこれの調査に当たるという体制をとっております。これの調査の段階におきまして、運輸省、水産庁が一緒になりまして技術的な御援助を申し上げるという形でございます。  また、運輸省自体といたしましても、この釜石港付近を含めます三陸沿岸にいろいろの低気圧が来たりあるいは風が吹いてまいりますと波が変わってまいりますので、それらの波浪の特性を把握するために運輸省といたしましては、四十七年度にこの気象と波浪の関係を推算していきたいという形で研究を進めてまいりたいと考えております。この研究結果を、たとえば、岩手県のおやりになる釜石港の模型実験に使いましたり、あるいは水産庁の仕事の参考にしていただくという形で、この調査全体を進めていきたい、このように考えております。  また、海岸事業の進め方でございますけれども、運輸省と水産庁タイアップしていくわけでございまして、運輸省といたしましては、この五カ年計画——四十五年から四十九年の五カ年計画の中に約六億円の海岸事業を計上いたしまして、四十七年度からこれに着工していく、約千四百メートルの延長で護岸を実施していきたい、このように考えております。  以上でございます。
  24. 鈴木力

    鈴木力君 それで、大体大筋はいまの御答弁で私了解できますけれども、なお少し具体的に伺いますと、専門的なことわからないんですからことばが適当でないかもしれませんが、少なくとも、私がこの前に御質問を申し上げましたときの意図は、釜石港湾というあの港は、ただ単に防災という立場もありますけれども、最近港湾のいろいろな周辺の改善事業——改善事業といいますか、いろんな事業がありまして当初の釜石港湾とだいぶ中が複雑になってき、情勢が変わってきておるわけです、まあ運輸省でも調査されていらっしゃると思いますから御存じと思いますけれども。ですから前は普通の場合の海のしけぐらいのときには自由自在に船が接岸をできた。ところが最近は、ちょっと海がしけると何となくあそこの港湾の中が高波になってきて容易に接岸ができないというような状態になっておる。ですからただ単に防災という意味もありますけれども、と同時にそういう見地からあすこの港湾そのものを再点検といいますか、検討をし直したほんとうの港湾につくるということが必要ではなかろうか、そういう見地で、この前に御質問申し上げたと思いますし、いまの御答弁もそういう見地からの御答弁だったことはわかりますけれども、なおひとつもう一度御答弁いただきたい。  それともう一つは、海岸事業計画でやるという御答弁をちょうだいいたしましたが、実は私これをちょうだいして見ましたけれども、この事業計画事業の中に、どの項目にも釜石港湾が入っていないわけです。したがって、これは五カ年計画のうちのどの項目に入っておやりくださるのかお答えいただきたいと思います。
  25. 竹内良夫

    説明員(竹内良夫君) 釜石港、初めは自然の湾でございまして、そこに当初は漁民がついていたりいろいろなことがあったと思います。その後だんだんと経済が進みまして、釜石港にも製鉄所ができたり、人間的な施設がどんどんと出てまいりますと、そこに自然と人間のつくった施設との間のアンバランスが出てまいりまして、いま先生のおっしゃったように、だんだんと施設がふえるに従いまして思わぬところにいろいろな障害が出てくるという可能性はございます。いわんや港湾と漁港の二つの性格を持っているわけでございますので、これはもうおっしゃるとおり全体的な見地から計画というものを再検討、いつも再検討していかなくてはいけないというように考えます。で、ここの港湾と申しますのは、本来そこの地域管理者が責任を持つという体制をとっておりますので、釜石港の場合には、先ほど申し上げましたように岩手県が港と漁港と一緒になって考えていくと、その場合、いま自然というものは非常に変わってきているということにつきましても十分キャッチしながら考えていく。たとえば今回の場合には、施設をつくりますと対岸のほうが荒れてくると、そういうことのためには施設の前に波を殺すような施設をまたつくらなくてはいけない。あるいはいままでは要らなかった防波堤も今後は非常に深いところではあるけれども大きな防波堤が必要であるかもわからぬと、こういうことがございますので、これは県のほうがみずからの力で十分調査しながらプランを立てていくという体制をとっております。この場合に当然経済的な問題も出てまいりますけれども、この経済的な効果と実際的な経済的なマイナス面も出てまいりますので、マイナス面と効果面と両方考えながらやっていくと、そのためには模型実験等をやりまして、その際、運輸省といたしましては、この前も御説明いたしましたけれども、港湾審議会というところ——港湾審議会という運輸大臣の諮問機関がございまして、その港湾審議会にその計画を諮問いたす等のことをしながらアドバイスをしていきたいというように考えておるわけでございます。  それから、海岸事業計画でございますけれども、先生に御提出いたしました資料の中には釜石港の名前があがっていなかったというお話でございますが、これは、海岸の中には一般海岸、特定海岸、市街地海岸というような項目に分かれておりますが、釜石の場合には一般海岸という項目に入っております。
  26. 鈴木力

    鈴木力君 一般海岸というのは、その他の海岸事業に入るわけですか。
  27. 竹内良夫

    説明員(竹内良夫君) そうでございまして、その他という中にありまして、名前はあげていなかったわけでございます。
  28. 鈴木力

    鈴木力君 わかりました。     —————————————
  29. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 質疑の途中ですが、地震対策に関する件について説明を聴取いたします。砂田総理府総務副長官。
  30. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 大都市震災対策推進要綱について御説明申し上げます。  大規模な地震災害が発生をいたしました場合は、政府といたしましては従来から非常災害対策本部を設置をいたしまして政府調査団を派遣をいたしますとともに、関係各省庁の緊密な連絡のもとに、災害救助防疫対策、交通通信対策、住宅対策、文教対策、財政金融対策等、迅速かつ的確に災害応急対策を講じてまいっております。しかしながら、大規模な地震が大都市に発生をいたしました場合、火災等の二次災害による被害は甚大かつ広範囲に及ぶと予想されますので、中央防災会議で消防審議会の答申、これは昭和四十五年の三月でございまして、及び昭和四十六年二月にありましたロスアンゼルス地震調査報告を基礎にいたしまして、昭和四十六年五月二十五日に「大都市震災対策推進要綱」を決定をいたしました。この要綱は大都市震災対策の推進のための基本的な事項を示したものであります。その内容の詳細につきましてお手元にこの要綱をお配りをしてございますが、この要綱、または要綱要旨をごらんいただくことといたしましてその概要を御説明申し上げます。  大都市震災対策に関します基本的な考え方は、第一に、都市におきます過密を緩和解消すること。第二に、建物の不燃化、オープンスペースの確保等、耐震環境を整備した安全な都市を建設すること。このために長期的視野に立った各種施策を推進するものといたしますが、一方、予知困難な地震の発生に常時対処し得るよう、当面する社会情勢に即応した防災体制を極力整備をいたしまして、国民の協力のもとに国民の安全確保を優先的な目標として、防災関係機関の機能を十分発揮し得るよう措置いたさなければなりません。  この要綱は具体的には三つの部分からなっております。  まず第一は、事前対策地震発生の際、諸般の防災活動が円滑に実施できるように体制の整備をはかりますとともに、都市防災事業の推進等、耐震環境の整備を進めることといたしておりまして、特にこの事前対策重点が置かれております。  第二に、災害応急対策でありますが、ここでは、不幸にも震災が発生をいたしました場合には、まず国民の安全を確保し、その保護をはかりますため諸般の応急活動が円滑に措置できるよう必要な事項の規定をいたしております。  最後に、震災復興の方針でありますが、民生安定、震災復興計画、経済秩序等の早期回復に留意をして、必要な行・財政措置を講じ、早期に社会秩序の回復と良好な社会環境の形成につとめることといたしております。  以上、大都市震災対策推進要綱の概要を御説明申し上げましたが、本要綱は大都市震災対策の推進のための基本的な事項を示したものでありまして、その細目につきましては、現在引き続いて中央防災会議事務局に設けました十三の分科会において検討を続けているところでございます。この分科会でできるだけ早く結論を出し得るよう努力しているところでございます。  以上をもって概略の説明を終わらせていただきます。
  31. 小柳勇

    委員長小柳勇君) それでは、予算案及びこの地震対策に関して、引き続いて質疑をお願いいたします。
  32. 鈴木力

    鈴木力君 最初に、まずお伺いいたしますが、いまの御説明によりましても、基本対策といいますか、基本要綱であって、具体的な細目はまだ分科会で詰めておる、こういう段階のようでございますので、あまりこまかいことをお伺いしても適当でないと思うんですけれども、しかし考えてみますと、地震というのは、いま、ここで私が質問しているときに発生するかもしれない、こういうものでありますから、したがって現段階で、かりに、いまここで、東京に大正十二年の大震災のような、ああいう大震災が起こったとしたら、どういう手配で、どういうふうに、どういう仕組みでその対策が行なわれるようにできておるのか。その防災的な、系統的な、指令系統といいますか、連絡系統といいますか、その系統といってもことばが適切でないんですが、政府あるいは東京都あるいは市町村というような、それらの機関がどういう形で、いま直ちに対応するということになりますか、まずお伺いしたいと、こう思います。
  33. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) たいへん大略のことしかお答えがなかなかむずかしい問題でございますけれども、ただいま御報告いたしました要綱に基づきまして、防災関係機関が、それぞれの責任とそれぞれの権限において、その具体的な計画を持っているわけでございます。そこで、いま、先生の御質問でございますが、いまここで地震が起こったら、関東大震災的な地震が起こったら、まず、私どもといたしましては、当然、対策本部を設けます。その対策本部は、これはまだ正確にそういう答えが出ているわけではございませんし、本部を置きます場所がどこが適切であるかというふうなこともございます。中央防災会議があります総理府は耐震的にはそれほど強度なものではないようであります。この近辺で最も堅固であろうといま考えられているものでは、具体的な数値はまだ出ているわけではありませんけれども、総理官邸が地震に対しては非常に強い構造を持っている。おそらく対策本部も総理官邸あたりに置くことになろうかと思いますけれども、で、総理官邸に本部を置きますと、まず情報の収集が大事でございますから、通信の問題が出てまいります。ただ平生使っておりますような有線を使っての通信による情報キャッチということは、これはもう不可能に近い状態になるんではないか。そこで無線を使わなければなりませんが、昨年も、この有線による情報伝達がなかなか困難であるということを想定をいたしまして、各種無線機を使って、あるいは各種無線機を装備いたしました車両等を使いまして、各地方公共団体との連絡、自衛隊、消防庁、こういった防災機関との無線による連絡、こういう訓練も昨年もいたしたことでございますが、まず情報キャッチのための無線網の連絡というものを、この対策本部ではまず確保をしなければならないことかと思います。  そこで、それ以降は、その情報に基づきまして、国、地方公共団体それぞれがおのおの持っておりますところの、防災関係機関が持っておりますそれそれの計画——臨機応変の措置とこの計画とをかみ合わせた救援措置に移ってまいる、こういうふうな段取りになろうかと思います。
  34. 鈴木力

    鈴木力君 だんだんに、あとで具体的に御質問申し上げますけれども、私が一番先にこんなとっぴなことを申し上げましたのは、まあ対策本部を設置するという、これは当然そういう状況になれば、また、どこに置くのか、どういうということは、これは固定して考えるべきことじゃないと思いますから、それでよろしいと思います。  私がいま実は心配していることは、非常にたくさんの防災機関があるわけです。地方公共団体がある、それから消防がある、あるいは交通関係ですと、交通関係運輸省もあるでしょうし、あるいは医療関係だと、厚生省関係対策本部といいますか、分担もあるだろう。そういう広範なものが、数が多い。もし、その間に、連絡のそごを来たしたら、一体どういうことになるのか。あるいは、事前からの、防災に対する具体的な一つの案をそれぞれがつくるだろうと思うんですから、防災会議でこまかいことまで、どこをどうするということまではつくらないと思いますから、そういう計画を、連絡が不十分なままに、それぞれがつくって走り出したら、一体、どういうことになるか。むしろ、防災ではなしに、被害、逆に言ったら、それを大きくしていくような、そういう現象が起こったら、どうなるだろうかというような心配が、私は、どうしてもいまの現状ですと、されてならない。したがって、私は、いま、非常に広範囲なものが動員されるのでありますから、全部系統図を書いていって、いつでも、どういう場合でもの固定したものをつくることは非常に困難でありますけれども、しかし、その間の調整ということをとるためには、分科会でいつの日かに具体案をつくるというような、あまりのんびりしたような時期でもないような気もするんですけれども、その辺はいかがですか。
  35. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 先生がおっしゃいますような心配を、実際に防災会議の仕事を担当しております私は、もう同じ憂いを持つものでございます。やはり、あの関東大震災のような地震が、今日の東京都を仮定して、起こったといたしますと、それも、どの地点で二次的なおそろしい火災がどういうふうに集中的に起こるか、そういうことが予測がつかない。それだけに、救援活動をいたします指揮命令系統といいますか、こういうものが初めっからあらゆる場合を想定して、とてもきめてかかれるものではございません。臨機応変な措置をとらなければなりません。それだけに、指揮命令系統というものが、どこで何が起こっても、指揮命令系統そのものもまた臨機応変に措置が、対処ができるような、そういう訓練をまだまだ続けなければならないという気がいたしております。特に、無線網の確保等について、残念ながら、まだ器材その他完備されていない状態でございます。こういう点に、これからもできるだけの努力を払っていかなければいけない。ただいまも分科会で検討いたしておりますことも、できるだけ早い時期に結論を得たい、また、こういうことの結論を早く得ておくことが臨機応変の措置のできるゆえんにもなろうかと思いますので、一そう努力をいたしたい、かように考えております。
  36. 鈴木力

    鈴木力君 それで、そのうちの国の機関については、特に、私は、連絡等も、あるいはそれらの調整ということが非常にやりやすいと思うんですが、かりに、大都市の大震災を考える場合に、東京——われわれのこの足元、東京都と政府との問というと、ことばが悪いんですが、大都市震災対策推進要綱を中央防災会議が決定されたあと、具体的に、東京都の機関政府との間には、いままでに、どういう連絡があって、どういう作業を進められておりますのか、お伺いいたしたいと思います。主として、消防庁からの、東京都の消防庁、この連絡がおもな事項でございますので、消防のほうから御答弁をさせていただきます。
  37. 古郡良秀

    説明員古郡良秀君) 大都市震災対策推進要綱ができまして、実は中央防災会議のほうが招集いたしました全国の防災関係課長会議を開きまして、これはたしか昨年の六月かと思いましたが、開きまして、この趣旨を十分徹底しております。それから、消防庁といたしましても、各大都市を含みます東京周辺の各県、名古屋を中心といたします各県、それから京阪神を中心といたします各県、こういうところの県と大都市を集めまして、これも趣旨徹底し、さらに相互の、現在それぞれ独自に大都市、その他の近郊の都市地震対策を進めておりますが、この相互連絡もはかっております。  それから、各関係課長、各県の課長等につきましても、各全国課長会議、ブロック会議等におきまして、趣旨徹底をはかっておりまして、大体足並みはそろいつつあるような気がいたします。ただ、県によりまして、都市によりまして、それぞれ非常に進んでおりますところと、まだこれから地震対策に取り組もうというところがございます。それで、私たち消防庁といたしましては、できるだけ、特に進んでおります東京都が各種調査研究等を行なっておりますし、具体的な対策等を進めつつあります。それから、神奈川県におきましても横浜市、川崎市等、具体的な施策を講じておりますが、こういうものを勘案いたしまして、その他の都市につきましても、地震対策を講ずるようなことで連絡しております。  それから、消防といたしましては、常時火災に備えております。それで地震対策といたしましても火災が一番、最も大事でございますので、地震を考えました消防対策を講ずるような指導をしております。  以上でございます。
  38. 鈴木力

    鈴木力君 これは副長官に伺ったほうがいいと思いますけれども、いまのようなことは確かにおやりになっていらっしゃると思いますが、私はせっかくこれをおつくりになったら、これは去年の五月におつくりになっていらっしゃる。そのうちの最も重要なことは、やっぱりこれは一番先に書いてある「大都市における震災対策は、基本的には」という「イ」と「ロ」だと思うんですね。そうすると、これはたとえば「国土の土地利用計画にたった人口、産業の適正配置等都市における過密を解消し」、この方針は確かにその方針として私は早くやらなければいけないものだろうと思うんです。これを具体化するためには、具体的に東京をこういう都市につくりかえるという場合は、政府だけではどうにもならないだろうと思う。これは消防庁との連絡だけでは解決しない問題です。防災会議そのものといいますか、政府が東京都ともほんとうの密接な連絡をとりながらも、具体的な線引きなり、作業に一年もかかると、相当研究が進んでいなければ、どうも地震対策というかっこうにならないような気がするんですがね。したがって、いまのこの基本的な、たとえば建物の不燃化、まあ不燃化は大体その方向で進んでいると思いますけれども、「オープンスペースの確保等耐災環境を整備した安全な都市を建設する」、これは東京は東京なりに考えていると思うんです。政府政府なりに考えておる、それがまさに政府と東京都の息が合わないといろいろなそごがあるのではないか。あるいは「都市防災事業の推進」、これはまさに本来ならこの方針に基づいて東京都がやるべきことだと思います。まあ先のほうもほんとうは方針に基づいて東京都が指導的にこれはやるべきものだと思いますけれども、しかし、その間の連絡というものがやっぱりなければどうもおかしいような気がするのですが、この間の事情はどうなっておりますか。
  39. 川崎精一

    政府委員川崎精一君) 中央防災会議できまりましたこの推進要綱に基づきまして建設省のほうでいわゆる防災事業の推進、こういったことを私どものほうで担当いたしております。建設省では都市計画、それから住宅、道路、街路、こういった事業を進めておりますので、いずれもほとんどが耐震対策関係のある事業が非常に多いわけでございます。したがって、私どものほうでいわゆるオープンスペースの確保といいましても、ある面では住みよい町づくり、都市計画のやはり一環でございますし、合わせてそういった近代化される都市がやはり防災性に対する強い抵抗力を持つということは当然耐震対策の上からも望ましいことでございますので、私どものほうの関係といたしましては、いわゆる土地区画整理事業あるいは市街地の再開発事業、公園事業、街路事業あるいはまた国土保全事業といたしまして耐震のための河川事業、あるいは高潮事業地盤沈下対策事業、こういったいわゆる都市の耐震性に対する事業もかなり進めておるわけでございまして、したがって、こういったものをこの機会にいわゆる地震なり火災といったような防災の面から見直して少し計画的に進める必要があるのじゃないか。もちろん、これは都市計画の一環として行なうわけでございますから、単に建設省なりあるいは東京都がそれぞれかってにやるというわけではございませんで、計画を立てます時点に緊密な連絡は在来からもとっておるわけでございますが、なお、こういったことにかんがみまして、私どもとすれば大体まあ十年ぐらいを目途にせっかくいろいろな都市計画なり住宅の事業をやっておるわけでございますから、そういったものをひとつまとめて焦点を防災性にもあてて計画的にやろうじゃないかというようなことで、現在内部的にいろいろそういった都市地域都市の近代化と防災性を合わせた計画を立てるという作業を現在やっておるわけでございまして、御承知のように、かなり都市計画というのは時間のかかる仕事ではございますけれども、できるだけまあ公共空間を確保していくということと町づくりと合わせてやっていきたいということで努力をいたしておるわけでございます。
  40. 鈴木力

    鈴木力君 まあ非常にむずかしいことでありますから、直ちにすかっと、なるほど、よし、わかったというふうにはだれもいかないだろうとは思いますけれども、大体十年を目途にということになると、たとえば私なら私が東京の板橋区に住んでおりますが、あの強い地震があったら一体どこへどうなればいいのだという話は、区の計画はありますけれども、どうも心配だ。そうすると、基本要綱が出たから何とか十年は大地震が起こらないように国民は神さまでも拝んでおって、それで政府の十年後に期待するということではどうもやっぱりりっぱな言い方でもなさそうだ。しかし、これはむずかしいことでもありますが、私はこの際要望を申し上げておきたいのは十年計画なり二十年計画を、あとのこともさることながら、同時に現在起こったらどうするかということを、現状でどうするということを、東京都なりあるいは市町村なりあるいはその他の消防庁なり自衛隊なりあらゆる機関との間にこれはやっぱり一つのものができ上がっていなければいけないのではないかという感じがいたします。これはまた防災会議のほうにもひとつ御要望申し上げておきたいと思います。  そこで実は私がいままで変なことをお伺い申し上げましたのは具体的な事実で一つ、これは例でありまして、それのみが解決すればということではありませんけれども、一つの例として立川の自衛隊の基地のあり方と、それから災害対策の立場からの考え方がどうも立川市、東京都、自衛隊、日本の政府、この考え方がどうも一本になっていないような気がするんです。そうしますと、たとえば私がさっき、いまここで地震が起こったらと、こういうことを申し上げました。自衛隊はあそこに先遣部隊を入れて、いまは防災訓練はやっていないということになっておりますけれども、しかしあそこはもっぱら災害対策を主にする部隊だということは江崎防衛庁長官も内閣委員会で答えておる。そして、あそこにヘリコプターと小型の航空機をたくさん出して、そうしてそこを基地にしながら京浜地区、それから三多摩、東京の北のほうを受け持つんだという説明をされておる。実際はしかし御存じのように立川の基地というのは、地図をここに持っておりますけれども、東京の全くの密集地域のいわゆる繁華街のどまん中にあの基地があるわけです。地震が起こった場合に、立川の市民はどこに逃げるのかということを考えると、いま一番先にあそこになだれ込むんじゃないか、また避難をするとすれば、最もかっこうな避難場所でもあるわけです。片やそういう形で避難をするだろうし、あるいは片やここにまたヘリコプターの大量のものを持ってくるというような形になってきたら、ものすごい混乱が起こるだろうと、こう思う。それがいまの緊急になった場合の障害でありますね。だがその緊急の場合の心配よりもなお大事なことは、あの自衛隊がそういう任務を帯びてあそこに来るということを災害対策という立場から自衛隊は災害対策の部隊だと、こう言っているんでありますけれども、大都市地震対策という立場から考えてみたら適切なのかどうかその辺は検討されたのかどうかまず伺いたいと思います。
  41. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 中央防災会議といたしましては、そういうことを検討をまだいたしておりません。
  42. 鈴木力

    鈴木力君 実は、これは三月十六日の参議院の内閣委員会で、佐藤総理は検討したと答えられているんです。「私ども防災会議を開いて、そうして対策もいろいろ立てておりますから、そういう点からも、これはやはり説明をする必要があるだろう、」で、防災会議で自衛隊の任務というようなことを検討したと、そう答えられておる。しかしいま副長官は検討していないと。私は検討していないというのがほんとうだと思うんですけれども、どの程度にこの辺は防災会議で論議をされたのか伺いたいんです。
  43. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 災害時の自衛隊の災害出動、そういう問題については中央防災会議としてはもう当然のことでございますが検討いたしました。ただ、いま先生お話の立川の移駐のことについて検討したかというお話でございましたから、まだ自衛隊の立川移駐のことについては中央防災会議は検討をいたしておりませんとお答えしたわけでございます。  この機会にお答えをしておきたいと思いますが、中央防災会議できめております先ほど御説明をいたしました要綱、これは、この要綱の性格は先ほどもお話をいたしましたが、基本的な指針をきめたわけでございます。具体的な内容につきましては、その指針を受けて各省庁があるいは各防災担当機関防災業務計画策定等をその指針に基づいてするわけでございますから、これはその省庁の権限と責任において行なうことでございます。  この機会に、大都市震災対策推進要綱の中で自衛隊の災害派遣のことについてきめましたことをちょっと御報告をいたしますと、「災害時における自衛隊の果す役割の重要性にかんがみ、自衛隊は、あらかじめ策定してある計画に従い、常に資器材等の整備を図るとともに、人命救助を第一目標として非常災害対策本部等と緊密な連絡をとりつつ、被害状況のは握、避難の援助、避難者等の捜索救助、消防活動、道路または水路の啓開、診察、防疫等の支援、通信支援、人員および物資の緊急輸送」、こういったふうなことを「効果的に実施するものとする」ということを要綱できめているわけでございます。  ただいま申し上げましたとおりに「あらかじめ策定してある計画に従い」というのは、この指針に従って自衛隊の権限と自衛隊の責任においてあらかじめ計画をおきめなさいという指針を対策要綱ではきめているわけでございます。その中身についてはまだ対策本部で検討をいたしてはおりません。
  44. 鈴木力

    鈴木力君 その「あらかじめ策定してある計画」というのは、これは自衛隊の計画ということなんですか。全体のこの防災計画なんですか。  私はどうも全体の防災計画というのがあって、というのは、この方針に基づいて各都市はたとえば地域防災計画というものをつくっているわけですよ。そうすると、地域防災計画に基づいて自衛隊はこれこれこれを準備をして、そうして派遣要請があればそれにこたえられるようにしておきなさい、私は実はいまそう読んだんですけれども、いまの副長官の御答弁ですと、自衛隊に計画をしておけとこういうことだというふうな御説明だったように伺ったんですが、どっちですか。
  45. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 自衛隊の計画は、当然東京都の地方防災計画とやはり連絡を密にした上策定をされるもの、さように私どもは解しております。  なお、一言付言をいたしますが、この要綱、私ども中央防災会議の震災対策要綱の決定をいたします前に、自衛隊は一つの計画を持っておりました。それは四十六年三月六日付に作成をされたものでありますけれども、私ども中央防災会議としては、防衛庁のほうから、立川という具体的な位置づけにつきましては自衛隊災害派遣計画というものを防衛庁から参考のためとして送付を受けたことはございます。
  46. 鈴木力

    鈴木力君 その辺はよくわかるのですけれども、そこで御存じと思いますけれども、実は、この立川の基地を私が心配しておりますのは、防衛庁の説明によりますと、ここに防衛庁の方いらっしゃるはずでありますが、違ったら説明をまたし直していただいてもいいのですけれども、再三の御答弁は、災害対策を主とする部隊だ、そういう説明をされているわけです。それはそれなりに防衛庁の説明だと思うのですね。ところが、実際はこの地域防災計画を立てておる東京都、それから立川市ここのほうでは、むしろあそこの地区は一つの避難地域としての、先ほどからの基本方針にあります緑の地区に指定されています。そして、そこを避難地域としてこれを使いたい、そういう計画があるようですね。したがいまして、また、地震対策は、いまも東京都もさらに作業中だとは言っておりますが、昨年修正した地域防災計画の中にはいまの立川の基地を使う、あるいは立川に派遣されている自衛隊に対しては派遣要請の対象にはなっていない。その対象はあとで本隊が来れば対象になるかどうかは別としましても、それは時期的な問題だということは別としましても、基本的にこの災害対策の考え方が地域政府との間に違う、こういうことになってくると、地震が起こった場合ということはどうも心配だ、そういう意味で伺ったのでありますが、防災会議としてはそこまでは立ち入らない、こういうことでありますけれども、しかしいまはっきりお伺いいたしましたのは、やっぱり地域防災計画というものが、これに基づいて自衛隊が計画を立てて派遣をするようにするという基本原則ですね。これは私は確認をしておくべきことだと思うのです。そこの点については間違いないわけですね。
  47. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 私どもが承知をいたしておりますことは、先ほども申し上げましたが、要綱の中で、防災会議で決定をいたしました自衛隊の災害派遣の指針、これに基づいて自衛隊の権限と責務において東京都が定めます地方防災計画とも密接な連絡をとりながら、自衛隊自身の具体的な計画をつくっていただきたい、こういうふうに防災会議としてはお願いをするわけでございます。  なお、先ほども申し上げましたが、この要綱が決定をいたします前、三月に自衛隊の災害派遣についてということを、計画を自衛隊が決定をなさっておられますが、私どもは参考のために送付を受けました文書によりますと、立川に駐とん地として計画づけられておりますけれども、不時の災害の場合に、その駐とん地へ被災者を収容するということもまた計画の中に入っておりまして、中央防災会議としては、災害派遣のために必要な基地の確保も重要なことでありますし、避難民のそういう避難場所ということもまた重要なことでございます。ここらのところは東京都の地域計画との相互理解のもとに計画づけられていくことが一番望ましいことである、かように考えます。
  48. 鈴木力

    鈴木力君 よくわかりました。  そこで、これは防災会議に伺うことかどうかわかりませんけれども、結局いまの災害対策で私が一番困るのは、あまり分担が分かれておりますために、どなたに何を聞けばいいかわからぬというところがだんだん出てくるわけです。たとえば、いま立川の問題なら立川の問題で、災害対策上あそこに部隊を置くことが是か非かという判断は、政府機関ではどこがするわけですか。
  49. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) たいへんむずかしい問題でありますけれども、必ずしも中央防災会議だけで決定できることではないような気がいたします。中央防災会議というものの性格そのものについては私もいろんな考えを持っておりますけれども、それはちょっと別の問題でございますが、ちょっと中央防災会議だけできめる筋合いのものではないという気持ちはいたします。
  50. 鈴木力

    鈴木力君 そこで困る、確かに私は中央防災会議で、ある地域が適当かどうかというそんな判断まで中央防災会議がやるところだとは思っておりません。また、そこまでやれといわれたら、これはできる人がいないだろうと思うから、当然いまの副長官の御答弁でよいと思う。しかし私は、この災害全体を政府のセクションとして、これはどこだ、これはどこだというぐらいのその仕分けぐらいは私はやはり防災会議の事務局あたりがしていないと、さっき一番先に私が言いましたように、非常に広範な機関が動員をされるものですから、そういう中で困るのではないかということだったわけです。しかし、これはよく考えてみますと、やはり私は、主たる判断をするところは、その地域じゃないのか、たとえば東京都の場合には東京都のその機関地域防災計画を立案をして、その立案過程といいますか、防災に当たるその機関が判断をする主体ではないかと、私は思うのですけれども、どうでしょうか。
  51. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 確かに東京都が当然そういう責任を持って、東京都の権限でおやりにならなければならないことであることは、間違いないと思います。ただ自衛隊も各種災害出動をたびたびもうやってまいっておりまして、自衛隊自身も中央防災会議の要綱の指針にまた示されておるところですから、東京周辺の震災対策について自衛隊自身もまた研究を進めてきておるところでございまして、災害時の自衛隊の出動についての責任を持つ自衛隊としては、やはり自衛隊は自衛隊なりにこれだけの配備をしておかなければ、緊急時のお役に立つことができない、そういう考えも決してこれは無視ができないのではないかと思うのです。やはり東京都の地方防災計画というものと自衛隊配備の自衛隊自身が責任の持てる体制、これの相互の理解の上に立って結論が出てこなければならないものである、かように私は考えます。
  52. 鈴木力

    鈴木力君 私は、そこが大事なところだと思うのです。確かに自衛隊は自衛隊の任務を持っておるわけです。さっきお伺いしまして御答弁をいただきましたように、自衛隊は地域防災計画に基づいて、派遣要請に基づいてその任務を達成をすると、私は思うのです。だからこの基本方針に書いてあるように、基本要綱にありますように、その計画に基づいて常時準備をするものはこれこれこれ、こういう体制を整えておけ、こういうことだと思うのです。しかしその地域がここは避難場所にしたいとか、ここはどうしたいというときに、それまでのけて、自分の計画はこれだということを災害の立場からそれを認めるのかどうかということになりますと、私は非常に問題があると思うのです。もしそういうことになってくれば、いま自衛隊が行なっているから、自衛隊がというか、防衛庁が貧乏くじ引いたみたいに例にさらされておるわけですから、消防庁消防庁で何といってもおれはこうだ、あるいは建設省建設省でおれはこうだ、こう言い出す。こうなってきたら、防災計画なり防災事業というものは全く支離滅裂になってしまうのではないか。したがって、やはり責任の所在はどこにあるかということを確立をしておいて、これに全部が機能的に対応できるようなものをつくらないと、ほんとうの防災計画にならないのではないか、こう思うのですけれども、いかがですか。
  53. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) これは、自衛隊の立川移駐問題が起こりました当初から私が持っている感じでございますけれども、都道府県防災会議というのがございます。東京都も防災会議を持っておるわけでございます。いろいろな各分野から委員が出ておられます。防衛庁からもこの委員に出ておられるはずでございます。そういう考え方の一応はかれるはずの防災会議、この場でまず私はいろいろな角度から御検討なさって、結論を導き出されるのが筋ではないか、そのための都道府県防災会議、そういうふうに私は実は受け取っておる、考えておるわけです。
  54. 鈴木力

    鈴木力君 副長官の御答弁なさる気持ちは私はよくわかる、そうなれば一番いいわけなんです。ところが、そうならない事実がいまできてきてしまっているわけですね。しかもこれは、私は自衛隊が、自衛隊がというか、防衛庁が特に立川基地は災害対策としての部隊なんだと、こうおっしゃらずに、どこにもある部隊と同じような任務を持っておるんだと、そうすれば、どこにある部隊だって防災の任務を持っておりますから、特別に防災の任務を持った部隊だと、こうおっしゃらなければ、まあ事実の適否は別としても、私は筋はそれなりにあるだろうと、こう思います。そうじゃなしに、災害対策なんですと、こう言ってきて、そうして、地域計画は、まずそちらに下がっておれと、おれのほうが主導権があると、それで一体幾ら主導権を持ってやれるのか。将来計画を見ると、立川の場合ですと、ヘリコプターが二十両機ですか、これは自衛隊の方がいらっしゃるからここで確かめてもいいですけれども、人員が五百三十名、航空機は二十八、そのうちヘリコプターが十八機、それですべてをまかなうから、地域防災計画はのけのけというようなことでは、私は災害計画にはならないと思う。しかも、自衛隊のヘリコプターを引き受ける場所は、東京都の地域防災計画では数十どころじゃない、百数十つくってある。そこでヘリコプターが作業すればいいんであって、部隊が何も都市のまん中に行かなければ防災の任務が果たせないという理屈はどうしても出てこないわけです。そうして、あそこに緑の地区をつくって、木を植えて、かつての被服廠あとみたいに人を集めて焼き殺すようなことを二度と繰り返さないようにということが地域の人たちの念願でもあり計画でもある。だから私は、いま、自衛隊のあれは別としまして、そういう現象が起こった場合に、そのことが適当か適当でないかという判断を下だすところがどこにもない。そうなってくると、いまのような混乱が起こってくるのではないか、こう思うんです。で、副長官のおっしゃる、どこまでも東京都は東京都に防災会議があります、そこで意思統一をされて、そうして、すんなりと全部がそうなればいいんですけれども、そうなっていない。だから副長官のいまの御答弁から言いましても、やっぱり立川の基地の自衛隊の災害対策として乗り込んできたというやり方には無理があると、私はそういう意味だとうかがうのですけれども、こういう点については、やっぱり政府間でも、もう少し意思統一をしておくべきことではなかろうか。どこにも責任部隊がなくて、割り込んだほうが一番権利があるというふうな、そういう形にほっておくことは将来が不安でならない、いかがですか。
  55. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) これは防衛庁のほうへお尋ねもいただきたいのでございますけれども、私どもが参考のために防衛庁から送っていただきました自衛隊の災害時の派遣の計画によりますと、立川の名前が確かに出ておりますけれども、これは自衛隊が災害出動するために駐とん地を確保いたしておりますものの、その駐とん地に被災者を収容するということもまた計画の中に入っておりまして、私どもが防衛庁から参考のために送られた文書を見る限りにおいては、基地としても利用をする、いざ災害のときには、被災者の収容にその場所を使う、こういうふうに文書の上では、私たちはあまり無理のない計画のように受け取るのでありますけれども、先ほど申し上げましたように、都の防災会議が、これはもう防衛庁からも人の入っていることでありますから、この場で話のつかないわけがない、だれしも災害のときの救難活動が迅速に適切に行なわれることを望む、そういう人たちが構成している会議でありますから、その場で話がつかないはずがない、こういう気持ちがいたすのであります。
  56. 鈴木力

    鈴木力君 担当であるか担当でないか別にしまして、いまの、基地ともなる、それから被災者の避難地域ですか、収容地域としても使う、両方使うからいいじゃないかという長官の御答弁ですけれども、私は実際あそこの基地に行ってみました。航空基地ですからね、航空機が活動する基地ですよ。そうすると、航空機の滑走路、その中心は被災者の収容地区にはならない。その周辺はどういうところかといいますと、密接に立ち並んでおる繁華街の周辺ですよ。あるいは住宅の密集地域です。その密集地域地震で焼ける可能性があるわけですね。そういうところを被災者の収容地域にして、まん中は飛行機の滑走路にして飛んだりおりたりする。それが適切だとおっしゃる。防災会議の事務局長としてその衝に当たっていらっしゃる副長官の個人的な見解としても、どうも私はこれはいただきかねる。そうではなしに、東京都が考えているように、あそこは完全な被災者の収容地区なりあるいは避難地区なりにして、別の基地から航空機が飛んできて、その作業をやってもらったらどうかということ、そのヘリコプターを受け入れる、作業する場所は、ちゃんともう非常にたくさんの数が地域防災計画で用意してあるはずだ。しゃにむに立川から飛んだりおりたりしなければ、防災活動ができないという理由がどうしても東京都の人たちにわからぬわけです。だから、適切かどうかというなら、部隊は別のところに置いておって、そしていまの第一の目的のためにあそこを使えば一番いいわけです。そういう考え方と、自衛隊の考え方とがいまかみ合っておらぬ、食い違っておる。そして、いまこういう問題が起こっておるわけです。ですから、どっちがいいか悪いかということは、私はここできめつける気持ちはありません。こういう問題が防災上に支障としていま現実にできておるということは、これはやはりわれわれはまじめに検討しなければならぬ問題だ、こういうふうに考える。しかし、防衛庁の方もおいでになっていただいておりますから、防衛庁の方から御答弁をいただきたい。
  57. 福田勝一

    説明員(福田勝一君) 立川の基地が、東京都を中心にいたします大地震火災が発生いたしました場合における災害時にどのような役割り、機能を果たすのかという点でございますけれども、この点につきましては、実は昭和四十五年の三月に、消防審議会の非常に内容の深刻な答申が出まして、それをにらみまして、私どもすでに全国でたいへん災害派遣の経験等積ましていただいておりますので、そういったことを基礎にいたしまして、逐次検討を進めておりまして、昨年、四十六年三月六日に案を策定したわけでございますが、その際、主として航空機災害時にどのように全国から集結して、そしてそれをどのように使うかという点もあわせて検討いたしておったわけでございますけれども、まず東日本を中心にいたしましては、木更津、それから霞ケ浦、こういったところにヘリコプター、それから一部プロペラ機を集結する。西日本から集結させましたところの、この基地にありますヘリコプターを含めまして六十三機のヘリコプターと、それからプロペラ機二十一機、立川に配備するものを含めまして八十四機の航空機をここに集結して、主として三多摩、それから、東京都内の西部地区の災害活動をさせたい、こういう考え方が基本的にあるわけでございます。その際問題は、たとえばヘリコプター、航空機の任務といたしましては、まず被害状況の把握、すなわち情報を収集するということと、それから人員の輸送、この人員の輸送と申しますのはいろいろございまして、実際に負傷しておられる方を病院に運ぶ、そういう問題もございますし、あるいは災害の、たとえば中央防災会議等におきます非常に主要なポストにおられる方を早く本部に、指定された建物にお送りする、輸送するというようなものから、いろいろあるわけでございます。物資の輸送につきましては、もちろん緊急食糧を運ぶとか、あるいは緊急の医療品を運ぶとかというような、そういう任務があるわけでございますが、問題は、先ほど先生が仰せられました東京都にある小さな広場、あるいは学校の校庭、そういったところを百数十カ所を指定して、そこをヘリコプターの発着の基地にしてはどうかというお話でございまして、それがあれば、何も立川を使わなくてもよろしいのではないかというような趣旨のお話があったと私理解しておるのでございますが、この点でございますけれども、実はヘリコプターにいたしましても、プロペラ機にいたしましても、実は一番問題になりますのは、やはりどうしてもその基地というものがなければ活躍ができないということでございます。もっと具体的に申しますと、航空機用の燃料というものは、やはり一カ所の基地に集結しておきまして、そこで燃料を補給しながら、そういった百数十カ所の基地を中心としましてあちらからこちらへ、こちらからあちらへ運ぶ、人員、物資を輸送する、こういうことになるわけでございます。  それからもう一つは、やはりどうしてもしっかりした基地を中心にいたしまして、通信によりましてその航空機を統制するということもどうしても必要になる。こういうことで、立川というものが大震火災が発生した場合におきますところの自衛隊の活動のためには不可欠であるという、こういう結論に達したわけでございまして、この点につきましては長官からたびたび機会あるごとに話をされていることでございます。
  58. 鈴木力

    鈴木力君 いまのは答弁にならぬですよ、あなたの答弁は。私は基地は要らないとはひとつも言っていない。それから自衛隊の活動が防災上要らないとはひとつも言っていない。それらが必要だから立川が必要だという理屈は出てこない。現在ある基地のそこを基地としてどうしてできないのかということなんです。基地が必要だから立川が必要なんですと、そういうことでは説明にはならない。それをいままで同じことを繰り返してきているから、いまのような東京都の地域防災計画とも一緒にならぬと、こういうことなんです。もう防衛庁の御答弁の態度は内閣委員会でも何べんも聞いておりますから、大体いまの御答弁の態度ですから、これ以上は聞きませんけれども、こういう態度で押しつけてきているような言い方で、しかも子供だましにもならないような理屈で、あそこへ基地を持ってこようとすることは、これはこの災害対策をまじめに考えているとすると、きわめてこれはいろんな問題が将来起こるということをいま言っておるわけなんです。あえて立川だけではありません。だから、自衛隊というのは災害の場合の非常に大きな役割りを果たす、これは事実です。そうして、その任務もあるわけです。  それから、この防災計画の中にも、要綱の中にも同様の配慮がされているし、それから、地域防災計画を見ると、どこの防災計画にも、具体的にどの部隊にどういう順序で要請するという計画までできているわけです。それらと全然無関係に自衛隊独自の案で押し込んできたということが、これが問題なんです。将来そういうことがどこにもどこにもできてきたら一体どうなるだろうと、それが私の心配の一つなんです。  もう一つは、立川というところは被災地のどまん中ですよ、何といっても。大都市のいまの防災計画を議論しておるときに、あそこはかつての立川村とは違う。一番先に飛行場ができた。八百何戸かの戸数の村とはいまは全然違うでしょう。ああいう過密都市のどまん中にたった一つあるあき地を基地としてしゃにむに確保しなければ地震対策ができないということでは説明にならぬと私は言うのです。そうでしょう。食糧の補給ということがある。一体あそこの十河機かのヘリコプターでそんなに食糧があそこに補給できますか。食糧の補給地なんか、もっと適地がよその基地に一ぱいあるはずなんです。大都市の基地でないところにあるはずです。しかもスピード時代で、たとえば他の基地から飛行機があそこまで飛んでくるのにどれくらいの時間がかかるか。そういうことを計算してみて、科学的に説明をしないと答弁にはならない。  まあ時間ですから、私はこれでやめますけれども、私は最後に、防災会議の事務局長である砂田長官にお願いを申し上げておきたいのは、どういたしましても、私どもは将来の災害対策を考える場合に、行政的に言いましても、一つの機能的な統一をされた、機能的に動けるような体制をつくることがまず第一だと、私はこう考える。そうしてそれぞれの任務があるわけです。たとえば、地域防災会議なりそれぞれの任務がある。その機関がほんとうに統一的に機能されるようなものを是が非でもつくらないと、ほんとうの大都市地震対策にしても、そういう形のものにはなってこないのだと、そういう感じがどうしてもいたします。そうしてさらに、いろいろなこの基本計画にいたしましても、あるいは都市づくりにいたしましても、それぞれがみな一ぺんにいかないのはこれはだれもわかっておりますから、計画的にいま進めておるときに、何かものの言い方が変わったものが横から入ってくるようなことを、それを認めて、混乱させるようなことがないような進め方をしなければいけないだろうと、こう思います。先ほど委員長からも、将来の計画として、避難訓練とか、そういうこともこの委員会でさらに研究をしていくということでありますから、私どももそういう観点からも、なお、この地震対策についてはほんとうにわれわれのほうも真剣になって取り組んでいかなければならない事項だと思います。したがいまして、緊急対策あるいは将来の方策、さまざまなそうした点、抜かりないような対策、体制づくりをお願いいたしたいと、こう思います。  以上で質問を終わります。
  59. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 昭和四十七年度における防災関係予算案ですが、この中に、総理府の関係で、災害共済制度調査三百万円と、こうありますけれども、その災害共済制度について、総理府としてはどのように現在の時点で検討がなされているか、この点につきましてひとつ伺いたい。
  60. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 個人災害を何らかの形で救済をする方策の一つといたしまして、共済という制度で、これが救済できないか。当委員会におきましても先生方皆さん御検討いただいてまいったことでございます。総理府も検討してまいりました。共済という制度に踏み切りますのにいろいろな問題が、先生御承知のとおりに、たくさんいろいろな難問題があるわけでございますけれども、一番大きな私どもがぶつかりました障害と申しますのは、こういうことなんです。強制的な共済でやるか、任意共済でやるか、この問題が非常に大きな問題でございます。これはやはり立法いたしますからには、法制局の法律的な見解も当然聞かなければなりません。各方面の意見を聞きましたところ、こういう答えが実ははね返ってまいりました。なくなるような方の出るような大規模な災害、こういう自然災害では、少なくとも、統計的に見れば、必ずしも全国どこの地域も襲っているものではない。きわめて集中的と申しますか、そういう災害を常に受けるような地域というものは片寄っておる。それだけに全国民的に給付を受ける機会が非常に少ない、そういう事実の指摘を実は受けました。これが病気の場合の健康保険のような制度でありますならば、これは万人が病気になる機会というものは常にあると考えなければなりませんし、だれもが給付を受ける可能性を持っての掛け金、そういうものと比べてみた場合に、そういう公益性が、この災害の、個人災害を救済するために、共済という制度で発足したときに、はたしてそういうことがいえるであろうか、それだけ、強制させて加入をさせるだけの公益性というものを伴っているかどうか、非常に重要な問題である、こういう一つの障害にぶつかったわけでございます。  それでは、強制的な共済制度ではなくて、任意共済的な制度ではいかがであろうか。御承知のように、昨年、私ども調査をいたしました。その調査結果によりますと、共済制度で、個人災害に何らかの救済の手が差し伸べられるということは、まことにけっこうなことであるという御回答を実は八割方いただいたわけでございます。ところが、各市町村長さんからいただいた御回答を集計をいたしますと、あなた方の市では、何割ぐらいの住民が、この共済に入っていただけるであろうか、まあ任意共済の場合でありますね、こういうことを伺った。それに対する回答は、一割入るであろう、住民の二割ぐらいは入るであろう、こういう数字が非常に多いのでございます。そういたしますと、各地方公共団体の長からいただいた回答を、もしもこれを正しいといたしますならば、任意加入の共済の制度でありますときには、これはもう共済としてとても成り立たない。そういう強制的な共済制度、任意的な共済制度、どちらも非常に困難な事態に立ち至ったわけでございます。そこで、任意共済の場合の住民の皆さんから、抽出的にアンケートを出していただいた答えでは、そういう制度はまことにけっこうだという答えをいただいておりながら、片一方、地方公共団体の長からいただいた回答では、自分の市では二割くらいしか住民が入らないであろう、ここら辺の私どもの調査結果が矛盾をした数字が出ておりますので、たいへん重要な仕事でもございますので、もう一年、ひとつ調査を、もう少し綿密にしてみたい。そういう意味の調査費を三百万円計上したというのが、先生いま御指摘のその三百万円でございます。  なお、一言この機会に付言をさしていただきますが、実は、衆議院の災害対策特別委員会でも、もう数年来、この問題と取り組んできてくださっておりまして、いま申し上げたような共済の制度で救済の手が差し伸べられないかということが、なるほどむずかしい問題がたくさんある。それでは、前に、衆議院の災害対策特別委員会で、小委員会をおつくりになって御検討になったような、共済という制度ではない、ほかの弔慰金という形ではどうであろうか、そういうふうなことを、ただいま小委員会をつくって御検討いただいているところでございまして、各党それぞれの御意見をただいまおまとめになっておられる段階でございます。これが、もしも小委員会意見として、また、その小委員会意見が災害対策特別委員会の、国会の意見としてまとまってくるものでありますならば、私どもはそれをやはり受けて考えていかなければならないのではなかろうか。このように考えておりますけれども、私どもといたしましては、前段答えをいたしました共済制度の任意共済でいままでやった調査数字というものを、もう一ぺん再調査をしてみたい、その気持ちはいまだに実は捨てているわけではございません。そのための調査費三百万を計上した次第でございます。
  61. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうしますと、共済制度それ自体には非常にむずかしい要素が含まれておるということで、現時点ではそういうような状態である。したがって、もう一年間調査を続けてみたい、こういうわけですね。もし結果として、強制、任意にいたしましても、非常にむずかしいということだと、これは共済ということでは、ちょっと発足できないという場合、その場合には、何かほかの効済制度、そういうものを考えていこう、また、そういう制度をつくるべきであると、こういうふうに総理府としては考えておるのかどうか、その辺どうでしょうか。ある程度のそれに似たようなお答えがありましたけれども、もう一度その点をひとつ伺いたい。
  62. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 衆議院の災害対策特別委員会の小委員会で御検討いただいておりますことは、先ほどお答えをいたしましたとおりでございまして、国会の御意思がまとまってくるものと、私は実は期待をいたしております。これは私の個人的な見解を申し述べて恐縮でございますが、その場合の、やはり政府部内の意思の統一も、これは私が責任を持ってまとめてまいらなければならない。実は正直に申し上げて、非常な微妙なところでございまして、衆議院の災害対策特別委員会の御意思の決定をお待ちをしてから、私どもとしては決心をいたしたい、こう考えているところでございます。弔慰金制度を発足するにいたしましても、やはり細部については、いろいろ各関係省庁、それぞれ考え方がまた違うところがあるものでございますから、率直に申し上げまして、たいへん微妙なところでありますので、私どもといたしましては、共済の調査をして、共済制度で何とかいけないかという気持ちを持っておりますものの、片一方、衆議院の御意向のお固まりをお待ちをしておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  63. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 次にいきますが、先般中央高速道路がくずれまして、いま六カ月間閉鎖ということになっております。その後の状況はどういうような状況になっておりますか、その点をひとつお答え願いたい。
  64. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 御指摘の中央道の岩殿山の地すべりでございますが、御承知のように、先々月の二月の十七日にパトロールの際に発見いたしまして、かなり規模が大きいものですから、さっそく観測計器を設けまして、その後継続観測をやって、警戒しながら交通を通していったわけでございますが、三月の二十一日になりまして、それまでの移動量は約一日十ミリから二十ミリ程度のものだったものが、急に三十ミリから四十ミリにふえました。さっそく危険対策といたしまして、交通を大月——相模湖間の約二十五キロ間の閉鎖をいたしまして、その後現在まで交通を通していないわけでございますが、移動量といたしましては、大体先月の二十七日ごろ、約一日当たり二百六十ミリくらいをピークにいたしまして、その後だんだんおさまったような感じで、現在大体一日五十ミリ程度に大体なってきております。  しかし、こういったような晴天の状況での動きでございますので、大雨でもありますれば、またかなり大きく動くことも考えられます。それで、こういったような状況でございますので、さっそく調査をいたしまして、ボーリング、その他の観測の結果から、東大の土木工学科のこのほうの権威でございます福岡教授を中心にいたしまして、土建コンサルタント等の専門家の御意見をいろいろお聞きいたしまして、一応の対策方法をきめた次第でございまして、その対策方法が先生のいま言われました大体六カ月間の工法でありまして、方法といたしましては、大体地すべりの規模は下幅が七十メーター、のり長が百三十メーターぐらいの規模になりますが、その百三十メーターののり長の上のほうに直径二メーターぐらいの土どめぐいを数本打ちまして、この崩壊によってさらに上からくずれるものを防ぐということをまずやりまして、そういうことで上を押えておいて、さらにその下を削り落とすというような方法をいま考えておるわけでございますが、何ぶん六ヵ月という期間が非常に長いわけでございますので、何とか早くこれを処理する方法をいま検討中でございます。現状は大体そういったような状況でございます。
  65. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 閉鎖期間六カ月ということですけれども、これは大体現在の見通しでは六カ月たてば今度は通れるようになると、こういう計算なのか。あるいはまた、いまの状態でいけば相当あっちこっちが痛む、それを全部復旧した上で、そして通れるようになるのか、こういうのはどうなんですか、この六カ月というのは。
  66. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) これは、いま見られます範囲のくずれに対しては六カ月間で一応工事を終わりまして、それ以後の崩壊はまず考えられない。考えられるにしてもそういった土どめぐいで押えてしまいますので、一応それ以外の崩壊は考えられないというふうに考えております。で、六カ月間でいま徴候の見えます範囲の部分の工事を終わりまして供用するようにしたいというふうに考えております。
  67. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そこで、その六カ月間の閉鎖期間があるわけで、私が言うまでもなく、御承知のとおりなんだけれども、その閉鎖されたために、いままで中央高速道を利用していたものが全部甲州街道に流れていくということで、甲州街道が非常に混乱をしておる、こういう実情ですね。それに対してやはり何とか対策を立てなきゃならぬ。これについてはどういうふうに手が打たれておりますか。
  68. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 現在考えておりますのは、御承知のように、並行して国道二十号線が走っておりまして、従来、大体、中央道の交通量、あの付近の交通量は一日一万三千台もあったわけでございます。それに対して、二十号については九千台ぐらいの交通量があった。これで一万三千台の交通がストップしますと、これが大量に二十号のほうに向いていくわけで、二十号はキャパシティ一ぱいで通るような形になるわけでございます。これで、相当あの辺の交通に対しては、迷惑をかけることになりますので、対策といたしましては至急に一まあ幸いなことに、あの崩壊地が大月インターチェンジに非常に近いところでございましたので、大月インターチェンジから約三キロくらい手前でございます。いま閉鎖しております相模湖インターから大月インターまでの距離が大体二十五キロぐらいございます。そのうちの向こうから三キロぐらいの地点でございますので、あの手前で何か取りつける道路があれば、二十五キロの大部分を利用して通すことができますので、まあそういう検討をいたしました結果、たまたま岩殿トンネルに入る手前に県道がございまして、その県道と、それからちょうどいま中央道の拡幅工事をいろいろ進めておりますので、その関係工事道路がございまして、そういったものを利用しますと、大月市の町に入るちょっと手前のところで何とか仮の取りつけ路がつくれるというようなことでございますので、それで早速そういう方法を検討いたしまして、現在、偏七メーター程度の仮の取りつけ道路をつくるような計画ですでに工事を進めておりまして、これは大体四月中に一応取りつけを終わってこの五月の連休のシーズンには、これが利用できるように持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  69. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 六カ月の閉鎖期間ということなので、そういったことで非常にほかの面に今度ロードがかかって、そうして交通の混乱を招いておる、こういうことです。したがって、一日も早くこれを復旧するということが大事なことだと、そこでこれを人工的にいわゆる崩壊をする、そうして工事を急ぐというような、そういう面での技術、これはどういうことでしょうね、そこまで技術がいっているか、いっていないのかという問題なんですが、その点どうでしょう。
  70. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 実は先生おっしゃるように、まあこういった現在移動量はかなりおさまりつつあるような状況で、いわば通れば通れないような状況じゃないわけです。それをヘビのなま殺しのように、六カ月間閉鎖しておくというような感じもなきにしもあらずで、まあくずれかかったところですから、早くあれをくずしてしまうというやり方があれば、非常にそれにこしたことはないわけでございます。たとえばハッパでくずすとかいうような方法もないわけじゃございませんが、たまたまそのくずれかかったところが砂岩と凝灰岩の風化したような土のような土質でございまして、ハッパが非常にききにくいというような事情もございます。しかし、何ぶん六カ月というものは非常に長いわけでございまして、工事が三カ月で済めばそれだけ高速を通るほうの側からも、また、公団としての採算の面からも非常にいいわけで、何とかそういう工法をとれないかということを考えております。実はいままで移動が激しかったために、ボーリングも三カ所程度で一時中止しておりましたが、ここ二、三日前から、多少危険ですが、危険をおかしましてボーリングに入りましたので、もう少しボーリーグの数もふやせると思いますので、そういった調査結果を一応見まして、さらにもう少し広範囲のエンジニアを集めまして、衆知を集めて何とか早くこれを処理するような工法を見つけていきたいというふうに考えております。
  71. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 四十二年から四十五年にこの地質地図作製に当たった人、その人が今度の岩殿山ですか、この状況を見て、非常に防災工事が不十分であったのではないかと、こういうようなことを言っておるんですね。この点についてはどうなんですか。そういったことはないと、防災工事は完全にできておったんだけれども、ああいう状態が起きてきたんだと、こういうことなのでございますか。
  72. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 実は岩殿山周辺は、まああそこはやむを得ず——ああいう狭隘な谷合いで大月市がありまして、鉄道との関係、それから先の大月インターチェンジ等の位置の関係から、ルートの位置としてはあそこを通らざるを得ないということは現段階でも言えると思いますが、何ぶんああいう岩殿山自身の地質があまりよくないということは察知しておったわけでございます。大体あの地域の地質につきましては、物理探査をあらかじめやりまして、さらにボーリング調査実施しております。それで地質の状況は確かめております。それで一応地すべりの発生に対する可能性はその時点では見当たらなかったわけでありまして、ただ、ああいう当該地点の施工に当たっては、多少岩質に亀裂が多かったというような状況がございましたので、のり勾配は当初よりゆるくいたしまして、一割二分というのり勾配に設置いたしまして、コンクリートでのりワクを一応押えまして、これで大体一応押えられる。  それからなお、のりワク工の向かって右わきが地質的に多少弱いというふうに考えられましたので、そこでは直径二メートル、長さ十八メートルの太い土どめぐいを十本程度入れまして、それで押えた。これでまずだいじょうぶだというようなつもりでおったわけです。現実にまあその後ずっと動かないで施工後、約五年たって一応動き出したというような状況でございまして、まあ大体あの時点では、そういう対策でだいじょうぶだというふうに実は考えておったわけでございます。
  73. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうしますと、まあこの問題だけでなくて、高速道路は全国にあるわけですけれども、あういう斜面がどこにもあるわけです。そこで、斜面崩壊の際に起きるエネルギーというのですかね、強度といいますか、そういうものが測定できるようになっているわけですか。もちろん、あの工事を施工する前に傾斜をつくる、その傾斜がくずれたときには、どのくらいのエネルギーを持っているのかというようなことを、最初に測定してかかっておるのかどうか、また、そういうことができるのかどうか。
  74. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) それは技術的に、たとえば地質調査の結果、すべり面というものが非常にはっきりしているというような場合には、そのすべり面がすべるというふうに仮定いたしまして、そのすべりに対抗する力を擁壁で持たせるというふうな形で、擁壁の計算なんかでは理論的にそういう計算ができるように一応なっております。  それから、まあしかしながらそのすべり面を確かめるという問題が非常にむずかしいわけでございまして、非常に単純な板状のすべり面が発見されるというようなことは非常にまれでございまして、すべり面がもう道路の中心線に沿ってあらゆる角度、それから方向もあらゆる角度で存在する、しかもそれが非常に単一な形でなくそれからすべり面自体の地質的な性質も非常に違うというようなことで、すべり面を発見し、それを想定し、計算する場合に、どういう数値を入れるかというところまでは、なかなか現実にはむずかしいわけでございます。まあ経験的に一応いろいろなのりおおい工とか、あるいは擁壁とか、簡単な場合には吹きつけ工とか、じゃかごで押えるとか、いろいろな方法がございますが、経験的に当てはめて最も適当と思われるものを選んでやる。計算ができるのはごくまれな条件の場合だということじゃないかと、現状では、そういうことでございます。
  75. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうしますと、いまのお話でも、あの高速道路をつくるまでに地質調査をいろいろやられて、そしてつくったわけです。そして、まあいま説明がありましたように、いろいろと防災工事をやった。ところが、現実には、ああいうふうにくずれたわけです。まあ特に、人命という問題については、影響はなかったということなんですが、これは非常に不幸中の幸いといえると思うんです。しかしそれがもし人命に関係するような崩壊であったならば、これはそのままにしておくわけにはいかぬ。また、それを防がなければならぬ。そのための防災工事ということも言える。そこで、現実には綿密に調査をした上でつくられたものが崩壊したということですから、その辺に問題がある。そこでこれをやはり、先ほど申し上げたように、全国的に高速道路というのはあるわけですから、そういう事故を起こしてはならない。その事故を起こさないためには、十分計算された上で、しかもこういう崩壊が起きたというその事実を踏まえて、当然これを一つの研究課題として建設省のほうでは、調査班なり何なりつくって、徹底した調査を行なう必要があるんじゃないか、こう思うんですが、この点どうでしょうか。
  76. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) おっしゃるとおりに、のり面の工法等については、まだまだこれから研究しなければならない点が非常に多いと思います。こういう機会にやはり心を引き締めて、もっと研究をするような方向で努力したいというふうに考えております。
  77. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ちょっと最後が聞こえなかったんですけれども、この事故を踏まえて、そうして建設省としては今後のために十分研究しなければならぬと私は思うんです。そのために調査班なり何なりをして十分な調査を進めて、そうして今後の対策をはかっていく、こういうやはり姿勢が大事じゃないか、こういうふうに申し上げたんです。その点についてちょっと最後のところが聞こえなかったんです。
  78. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 今回のやつは人命に及ぶような事故にならなくて非常に幸いだったのですが、規模としては非常に大きいわけで、今後いずれくずれるんじゃないかというふうに見ておるわけでございますが、先ほど言いましたように、これの対策方法についていろいろエンジニアを集めて検討いたしておりますので、これが最後の完成までの間ずっといろいろなデータが出ると思います。しかし、そういうデータを一応全部集積いたしまして、調査委員会ということでございましたが、いずれにいたしても、公団といたしましても、これを非常に一つの大きな経験といたしまして、後のこういったものの対策に使うようにしたいと考えております。
  79. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 このことで論議しようとは思わないんだけれども、私の言っているのは、綿密な調査がなされて、そして、その上で建設された高速道路ですから、ああいうふうな崩壊が起きるということは予想していなかったわけです。それが崩壊したわけです。ですから、これはこれだけの問題でなくて、全国にいわゆる高速道路というものがあるんです。また、ああいうような地形の場所があるわけです。そういう問題をあちらでもこちらでも起こしてはならないわけです。それがもし起きるとするならば、次に起きるときは人命に大きな影響を及ぼすということも考えられるわけです。ですから、これをストップさせなければいけない、これ以上こういう問題を起こさせない、そういう姿勢が大事だと思うんです。そういう意味で、今度の岩殿山の崩壊を一つの資料として、十分これに対する研究をなさなければならぬじゃないか、将来の事故を防ぐためにも。そのためには、やはり徹底したいわゆる調査班なり何なりそういうものをつくって、部分的にこうだああだということでなくて、その場しのぎのものではなくて、徹底した調査を続けるということが大事じゃないかということを申し上げているわけです。その辺のいわゆる姿勢が建設省のほうに——そういう、言うならば、崩壊に対するプロジェクト・チームという、そういうものをつくって、そして徹底した調査を行なうんだという、そういう姿勢を持っておるのかどうか、また、そういうものをつくって、これを調査をするという考えがあるのかどうかということをお尋ねしているわけであります。その辺のところはっきりひとつ、一言でけっこうですから。
  80. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 地すべりに関する経験は、従来、高速道に限らず、近くは大崩の例もございます。全国至るところで多く経験を持っているわけであります。当局といたしましても、そのつど調査班をつくっていろいろ検討しております。これに関するいろいろなデータの集積もございますので、適当な機関をつくりまして、そういうところで十分地すべり対策を検討するような方向で考えていきたいと思っております。
  81. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そこで、何回も申し上げておりますけれども、綿密な調査が行なわれた上で、その結果、ああいうことになったということである以上、ほかの道路においてそういったことが考えられる。全然ないとは言えない。そこで、やはりそういう少なくとも高速道、この問題については、傾斜面について全国的にこれを総点検するという必要が私はあるんじゃないか。十分検討された上でつくられたいわゆる中央高速道が、ああいう状態になったわけですから、ですから、今後ほかには、そういうことがあり得ないということは言い切れないと思う。したがって、全国的にこれらの総点検をする必要があるんじゃないか。それだけの姿勢というものが私は大事であるし、また、持たなきゃいかぬ、こういうふうに思います。その点どういうふうにお考えになりますか。
  82. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 実は、おっしゃるようなことで、昨年の大崩の事故の直後、総点検を実施いたしておりまして、そのデータがすでに整っております。全国で、全部正確な数字はちょっと——二、三万個所の危険個所を把握しております。これにも危険の度合いがいろいろございますので、A、B、Cというふうにいろいろ分けております。その危険度の高いものから逐次対策を講じていくという方向でやっておりまして、高速道路につきましても、これに準じて昨年秋いろいろこまかい調査をいたしました。それで危険個所については、その後かなり手当てをいたしております。
  83. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ほんとうは私納得しないのです、その答えに。去年でしょう——意地の悪い言い方になるかもしれないけれども、そのときにやりました、だからやる必要はないんだと、こういうふうに私は受け取れる。意地の悪い受けとめ方かもしれない。その総点検を行なったあとに起きているのです、この問題が。そうでしょう。いまのお答えからいうと、私非常に答弁が甘い、こういう感じを受けざるを得ない。そこでもうやめようと思ったんだけれども再度立ったわけなんですがね。やはり去年の秋やったからそれでもう済んだというものではない。これからその後にこの問題が起きているんだから、まだまだ不十分な点があるんだということをしっかり認めるということが大事じゃないかと思うのです。それでないと、ほんとうに災害による不祥事というものをなくすことは私はできないと思う。通り一ぺんではならない。そういう意味で今後もそれは綿密にやっていく必要があるんじゃないか、総点検を。そういう意味でお尋ねをしているわけであります。もう秋にやったからそれでいいというのではない、私はこう思うわけです。もっともっと綿密な——意地の悪い聞き方をするならば、それじゃその総点検をどういう形でやったんだ、その後くずれているじゃないか、いいかげんないわゆる総点検をやったんじゃないか、こう言われてもしかたがない。だから、もっともっと、前回のいわゆる総点検のしかたというものはこういうしかたであった。さらにその後こういう事故が起きている。だから、こういう角度から今度は総点検していかなきゃならぬだろうというような姿勢、それが私は大事だと思う。ですから、そういう意味での総点検というものをやっていく考えがあるのかないのかということをお尋ねしているわけです。
  84. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 全くおっしゃるとおりでございまして、昨年秋に高速道についても総点検をしながら、そのとき想定されなかった個所にまたこういう事故が起きたわけでございまして、総点検のしかた自体にもちょっと問題があると思います。今度の原因を十分生かしまして、点検のしかた等も十分検討した上で、あらためてまた調査したいというふうに考えております。
  85. 塚田大願

    ○塚田大願君 いろいろお話が出ましたが、とにかく日本列島は災害列島だと言われるほど災害が頻発する、こういう状態でございますけれども、その中で私はまず第一に御質問したいのは、昨年は、昨年だけではありませんが、この数年来がけくずれというのが非常に多くなった。まあいまの高速道路もその一つかもしれませんけれども、このがけくずれに関連をいたしまして、昨年、十一月十七日に川崎市の生田でローム斜面の崩壊実験がされた。そのときに事故が起きた、非常に大きな事故が起きたわけでありますが、これは国民ひとしく非常なショックを受けました。何といっても、事故を防ぐための、がけくずれ事故を防ぐための実験そのものが事故を起こしたというんですから、これはショックを受けるのは当然だったと思うのですが、その場合、やはり非常に国民の方々は、とにかくこの程度の事故がなぜ専門家でありながら予想できなかったのか。いまもいろいろ予想の問題が出ましたけれども、なぜこういう事故が事前に予想されなかったのかという疑問、また崩壊そのものは大体私どもが聞いたところによると、予想どおりに起きておる。時刻も大体予想どおりであった。規模、形態ともにやはり大体常識的なものであったにもかかわらず、二十七人の方々が土砂に埋もれ、そして十五人の方がなくなったということは一体どういうことなんだということで当時非常に問題になったところでございます。  そこで、私ども考えますのに、やはりそういう実験の専門家あるいは関係者、こういう方々の中に自然の猛威を非常に甘く見る安易性といいますか、そこからくる安全性の無視、こういったものがやはりこういう事故につながったのではないか。さらには、災害日本と言われるほど災害が多発するその根本的な一つの姿がここにあらわれたんではないか。そういう意味で、私どもは非常にこれは、この事故の問題は苦い経験ではございますけれども、貴重な教訓であった。こういうふうに考えております。  そこでまず第一に質問したいのは、一体当時こういう研究実験の安全管理体制というものが、はたしてどの程度に考えられていたのか。もっと具体的に言えば、安全管理委員会とかというそういったちゃんとした基本的な方針を持ってこの実験に臨まれたのかどうか、この辺をまず第一にお聞きしたいと思うのです。
  86. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  先生ただいま御指摘のとおり、死者十五名という事故を超こしたわけでございまして、その結果から見ますれば、安全対策が万全であったとは決して申し上げられない立場にございます。また、この事故の重大性にかんがみまして、昨年十一月、事故直後に総理府に設置されましたローム斜面崩壊実験事故調査委員会という委員会が設置されまして、この事故の原因を対象といたしまして、その原因の徹底的な究明が現在行なわれている次第でございます。科学技術庁といたしましては、この委員会に対しまして最大限度、できる限りの資料の提供等その協力を行なっておりまして、その公正な御判断をお待ちしている段階でございます。  したがいまして、この研究安全管理の体制について欠陥があったのではないか、また、研究者の方々にこの危険性についてやや観測が甘かったのではないかという御指摘につきましては、十分可能性があるとは存じますが、その決定的な結論に対しましては、現在の調査委員会の結論をお待ちするというのが科学技術庁の今日の態度でございます。   〔委員長退席、理事上林繁次郎君着席〕
  87. 塚田大願

    ○塚田大願君 調査委員会がつくられて、東大の安芸教授を委員長として、いまいろいろな調査が行なわれているということは聞いております。その調査委員会の結果を待たなければわからない点も多々あると思うんでありますが、それにいたしましても、今度のこの実験は、いわゆる科学技術庁建設省、通産省、自治省、この関係の四機関の共同研究ということになっている。ところが、共同研究と言われておるんですけれども、実際はこの共同研究というのは非常に形だけであって、いわゆる官僚的な機構といいますか、あるいは学界の狭いセクショナリズムといいますか、まあこういったものに災いされて、ほんとうの意味での総合研究の実があがっていなかったのではないか。もっと具体的にいえば、研究者はたくさんいらっしゃると思うのです。すぐれた研究者、専門家、たくさんいらっしゃると思うんですが、そういう方々の協力というものが十分になかったと。こういうばらばらの研究体制が実は事故の発生の一番大きな原因ではなかったのではないか、こういう疑問を私どもは持つわけでありますが、それにつきまして、このような実験を実施された場合の責任体制というものは一体どうなっていたのか、その辺が非常に不明確ではないかと思うんですが、これはどういうふうであったのか。そしてまた、その後この苦い教訓の中から、こういう共同研究に当たっての管理体制というふうなものをどのように改善されたのか、その辺をお聞きしたいと思います。
  88. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  昨年、十一月の川崎の事故の直接の原因の、研究計画あるいは研究実施につきまして、各研究機関の連絡が必ずしも十分でなかったのではないかという御指摘でございまするが、実際われわれその後調べましたところによりますと、この四機関が、常時研究連絡協議会というものを設けておりまして、研究者間の連絡をはかっていたということははっきりしておりまするが、それが必ずしも十分であったかどうかということにつきましては、先ほど申し上げました委員会の御判断にお待ちするわけでございます。しかしながら、この事故の非常に貴重な経験をわれわれ受けとめまし  て、科学技術庁といたしましては、この国立科学技術防災センターはもちろんのこと、特殊法人も含めまして、各種試験研究機関における研究遂行に際しての安全の確保という点から、その万全を期するために、総点検をいたしておりまして、不備な点は早急に改善し、二度とこのようなことが起こらないように万全の措置をとることといたしております。すなわち、具体的に申し上げさせていただきますと、昨年十二月、科学技術庁傘下の各試験研究機関に対しまして、安全総点検を行なう旨の指示を行ないました。この指示に基づきまして、試験研究機関の長が責任者となりまする安全委員会というものを設置させまして、安全面からの研究管理体制の確立をはかってきている次第でございます。また、この安全委員会を中心といたしまして、逐次安全関係技術あるいは管理体制の整備、あるいは安全のための教育訓練の徹底等の措置を講じてきているところでございます。   〔理事上林繁次郎君退席、委員長着席〕
  89. 塚田大願

    ○塚田大願君 このことにつきまして、もう少しお聞きしたいのですけれども、今度のあの実験が公開をされた。そして、報道陣がたくさんいらした。そして、その結果、報道陣も巻き込まれてしまった。こういう状態であったのですが、この実験の公開というのは、一体どこで、いつきまったのかということも、当時、非常に問題でございました。つまり、あの実験の計画がきめられて、そしてこの実験の公開ということがされた。で、この公開ということが、一体、実際にこの計画を立案した科学者や専門家や研究者とは無関係なところで、まあはっきりいえば、いわゆる本庁の役人の中で急遽きめられて、そして当日になって報道陣に知らされ、そして、報道陣がわっと乗り込んだ。こういうことだと、もしするならば、事前のこの計画段階で、報道陣に対する安全対策というものは当然のことながら、十分検討もされず、あるいは安全な見学の場所というふうなものが用意されなかったとしてもふしぎではないのです。したがって、この実験の公開というのは、いつどこでどのようにきまったのか。この辺の問題についてはどのようにお考えでしょうか。
  90. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) この実験の公開がきまりましたいきさつにつきましては、確かに研究者グループと、それから本庁サイドと申しますか、日ごろ報道関係と接触しておりました方面との連絡が必ずしも十分であったかどうか、非常に先生御指摘のとおり問題が残っておる点でございます。  それから次に、かりにわれわれといたしましては、基本的には実験は、御要求があれば、常に公開するというたてまえで、研究はやってきております。報道関係者、あるいはその他の方々が、研究の現場においでになる場合に、その安全を十分に確保するという点も非常に重要な点でございます。そして、実は、これも安芸委員会の正確な御判断を待たなければなりませんが、先ほど先生ちょっとお触れになりました点でございまするが、公開に際しまして、くずれ落ちるであろう土砂量の算定というものが、当時研究者グループが予定もしくは想定しておりました量の約五倍の土砂量が流れ出したという事実が残っておりまして、おそらくその当時の安全区域の判断というものに若干の誤認があったのではないかというふうに思われる次第でございます。
  91. 塚田大願

    ○塚田大願君 いまの御答弁の中で、土砂量が約五倍だったと、予想よりも五倍だったという点は、いろいろこれから議論されるところであろうと思うんです。したがって、この点ではあえて私は反論いたしませんけれども、しかし、とにかく土砂くずれを防ぐための実験である。したがって、専門家にとりましては、そんなに予想外の土砂が流れたというふうには、私どもにはとうてい考えられない。しかし、それはいずれ結論も出ることでしょうから、その時点に譲りますが、いずれにいたしましても、災害が発生する場合というのは、非常にいろいろな悪条件が重なって起きる、これは常識だと思うんですね。したがって、今度の事故の研究原因追究に当たりましては、ただ単に、研究者の自然認識の甘さや、あるいはいまおっしゃった計画のずさんさといったようなものだけに、私は責任を負わせるわけにいかないのではないか、もちろんそのことも大事です。大事ですけれども、問題はそれだけではない。私は申し上げたいのは、むしろその背後にあるもんですね。つまりいま言ったような実験の公開がされたと、そして報道人がたくさん来たと、そしてその報道人の安全性が十分確保できていなかったというふうなことをひとつ考えてみましても、私はやはりむしろ背後にあるもののほうが問題ではないか。  具体的に申し上げれば、国立研究機関における官僚的な研究体制、あるいは研究評価の実態、行政官僚による研究支配の問題と、こういうことこそが私はむしろ非常に問題なんじゃないか。ほんとうにすぐれた専門家や研究者の知識なり総力なりを十分くみ上げられない形の国立研究機関の問題というものこそ、むしろ私は問題ではないかと、ここにわが国の科学技術行政の体質にまで、やはりメスを入れた問題提起が必要になってきているように思うんです。で、やっぱりこのことを私があえてここでこうして申し上げるのも、やはりこのたびの事故で非常にとうとい犠牲になられたたくさんの研究者、あるいは報道関係者、こういう方々の犠牲にこたえる意味において、私はやはりこの問題をはっきりさせなければならない問題ではないかというふうに考えるわけなんです。この点についてはいかがでしょうか。
  92. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) 国立試験研究機関の使命といたしまして、この研究者の持っております能力、あるいはその成果を十分に生かすということが、基本的な使命かと理解しておりまして、それがあるいは管理面での不備のために、その十分な成果を発揮できないというようなことがあってはならないというふうにわれわれ理解している次第でございます。  また、今回の事故の原因につきましても、それが単に研究者の責任だけに帰せられるということはおそらくあるまいというふうに、また、あってはならないというふうに考えている次第でございまして、この本庁サイドの管理面も合わせて今回の事故の経験を十分生かし、反省していきたいというふうにかたく決意している次第でございます。
  93. 塚田大願

    ○塚田大願君 いまの御決意のほどを聞きまして、ぜひそういうふうにやってほしいと考えます。この問題につきましては最後に一つだけ御質問したいんですが、この犠牲者の方々の補償の問題であります。  この問題では去る二月二十四日の政府の発表によりますと、なくなられた十五名の方々のうち、国家公務員の八名を除いて七名の方に対しては、平均千八百六十万円の賠償をするということが報道されておりますが、これはこれとして決して多い額だとは思いませんけれども、いまの政府の姿勢を示す上においては一つの指標にもなろうかと思うのです。  そこで、残ったこの七名の方々のほかの八名の国家公務員に対しては、一体どのように補償されるつもりがあるのか、その点をお聞きしたいと思います。
  94. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) 補償の問題でございまするが、事故でおなくなりになられました十五名の方のうち、先生ただいま御指摘の国家公務員八名を除きます七名の方、すなわち報道関係等六名、それから川崎市の職員の方が一名でございます。去る二月二十四日に一応賠償額を御提示申し上げまして、その後、御遺族の方々とお話し合いを進めておる段階でございます。  残る国家公務員に対してはどうなるのかという御質問でございますが、実はこれも事故調査委員会——われわれ委員会と申し上げておりまするが、この結論、この事故原因の解明、その結論が明確になりました段階で、先ほどの七名の方々に準じた賠償額を算定し、御提示申し上げるという段取りになっておる次第でございます。
  95. 塚田大願

    ○塚田大願君 まあ事故の原因が明らかになった上できめるというお話ですが、私はこの事故の原因について、科学的な究明はもちろん絶対に必要でありますが、しかし基本的な問題としましては、先ほど申しましたように、今日の政府科学技術行政そのものの貧困さから私は今度の事故が起きたというふうに考える。したがって、このなくなられた方々は、いろいろ科学技術上の問題があったとしても、私はとにかくそういう根本的な欠陥から生まれた犠牲、事故による犠牲者でございますから、私はこの国家公務員の八名の方々に対しましても、すみやかに民間の方々と同様の賠償を行なっていただきたいと、こういうふうに考えるわけです。そのことについてお答えしていただけますか、一言。それじゃ簡単に、最後ですから。
  96. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) 先ほど申し上げましたように、科学技術庁といたしましては、一応安芸委員会の結論をいただいた上で、直ちに行動を起こしたいという基本的な姿勢でございます。先生御指摘のとおり、われわれ科学技術庁といたしましては、もう公務員の方といえどもなるべく早く補償行為に移りたいという気持ちは同様でございます。  なお、その間のつなぎと申しましては何でございまするが、御遺族の方々の御希望に応じまして、補償金等の一部の前払いという形で、若干の金額を差し上げておるという点を一言つけ加えさせていただきます。
  97. 塚田大願

    ○塚田大願君 じゃ次に移ります。  次は、都市災害の問題についてでございますが、先ほどからもこの震災、地震による災害の問題がいろいろ論議されました。確かに、今日都市災害の問題というのは、非常に私どもにとりましては重大な問題になりました。一昨年の四月八日でありましたか、あの大阪の天六のガス爆発、これももうたいへんな被害であったことは私どもの記憶にまだ新しいところでありますが、特にこの東京のような、こういう過密都市における地震が起きた場合の危険性というのは、これはまさに想像を絶するものがあるということは、もう今日一般に言われておるところでございます。特に地震の六十九年周期説でございますか、そういったものを考えれば、その危険性が非常に迫っていることはもう明らかだと思うんですが、そこで、先ほど副長官からもいろいろ説明がございました。いろいろ政府としても、大都市震災対策推進要綱などをつくってやっていらっしゃる、まあこれはこれとしてけっこうだと思うのであります。とにかく耐震、耐災環境を整備した安全な都市を建設すると、こういう大きな目標で計画を進められているのは、これはまあ当然のことだと思うんです。  そこで、実はお聞きしたいのは、こういうりっぱな方針が出、そしてだれしもがこのことを願っておるという状態の中で、実はそれに逆向するような現象がなきにしもあらず。つまり、具体的に申しますと、いまいろいろ政府あるいは石油業界などのいろいろな相談で、石油パイプラインというものを関東——ここに資料が関東地方のものしかございませんが、これは相当全国的にいろいろあるんだと思うんですが、非常に危険なパイプラインを建設しようとする計画があるやに聞くわけです。ここに若干の資料もいただいております。通産省のほうの資料あるいは国鉄のパイプライン計画というふうな資料をいただいておりますが、これを見ますと、私どもしろうとにとりましては何かぞっとするものを感ずるわけですよ。とにかく何ですね、ここに地図もございますけれども、とにかく千葉から埼玉を通って栃木県までいく、この関東パイプラインというふうなものが設置される、あるいは国鉄パイプラインというのがこの神奈川——八王子からずっとまた、埼玉のほうに向かう、あるいは空港公団パイプラインでありますか、いろいろなものがもうすでに計画がされておる。しかも単なるパイプラインだけではなくて、ガスパイプラインもどんどん東京周辺、千葉から東京、神奈川にかけて計画が進んでいる。あるいは天然ガスパイプライン、東京から上越、新潟に抜けるあの天然ガスパイプライン、こういった計画が進んでいるように見るんですけれども、一体これではたしていま問題になっております大都市における防災対策というものが、ほんとうにできるのかどうかという疑問を感ずるわけです。これはしろうとくさい疑問だとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし一般の市民、都民はおそらくそう、だろうと思う。その点についてどういうふうな計画になっているのか、どういうふうに安全性が考えられているのか、この大都市震災対策推進要綱とどういう関連を持つのか、その辺をひとつ御説明いただきたいと思います。
  98. 鈴木両平

    説明員鈴木両平君) 御説明いたします。  現在パイプライン事業法案ということで衆議院のほうで先々日提案いたしまして、慎重御審議をいただいておる段階でございます。それで、先生御指摘の具体的な計画はどんなふうになっておるかという点について概略御説明いたしますと、御指摘ございましたように、国鉄が企画いたしております国鉄ライン、これは横浜、神奈川を起点にしまして、八王子を経て南埼玉に至る約百十キロ、パイプの太さは十六インチの計画が進められております。それから、それより前に成田の空港公団へ、ジェット燃料油を専門に送ります四十三キロメートル、パイプの太さは十四インチという計画が、これは一番具体的に進んでおりまして、予定によりますと、六月ごろに仕上げるということで運輸省のほうが監督して進めておるわけです。それから石油会社が十四社一緒になりまして、関東奥地への石油の輸送のために河川道路の側道を使いまして約三百キロの距離で、パイプの太さは十八インチという計画が現在進められておりまして、現在衆議院のほうで御審議いただいております法案が成立しましたあとに、その法案に基づく事業の規制、保安の規制などを受けて仕事を進めるという段階になっております。  それから、先生第二の御指摘の、これらの保安安全についてどのような準備をしておるかという御質問につきましては、そもそもパイプラインというものの必要性がわが国において問題になりましたのは、御承知のタンクローリーが町中を走ると、こういうものを何とか取り除けないかという発想が一つの端緒になり検討されてまいったわけでございますが、現在、世界で大体地球の十回りぐらいの距離のパイプを欧米各国は持って運用しております。かつ、年々大小二百本ぐらいのパイプを、距離にしまして一万キロちょっとこえるぐらいのパイプが布設されております。それで、約百年ぐらいの歴史をもって、初めのころはかなりいろいろな事故があったのでございますが、逐次いろいろの技術的な改善が加えられておりまして、現状におきましては、きわめて安全度の高い輸送手段ということになっております。  具体的な数字で申し上げますと、OECDで、ヨーロッパのパイプ全体について過去四年間にわたりまして調べたものでは、約二十二件事故があったわけでございますけれども、パイプラインの事故自身は、タンクローリーの事故に比べまして千四百分の一というぐらいの事故率に統計上なっております。それで大体五十センチぐらいのパイプが布設されますと、タンクローリーが約三千台分地中に入るというかっこうになるわけでございます。もちろん、わが国におきましては、いままで約九百キロメートルの短いパイプが全国に布設されておりますけれども、本格的な長距離パイプラインについては、石油に関する限り今回が初めてでございます。一つ、天然ガスの、先ほど先生も御指摘がございました新潟県の頸城から豊洲まで三百キロをこえるパイプラインがございますけれども、そのほかは、本格的なものは今回初めてでございます。したがいまして、わが国における土地の特殊性、地震の多いというような特殊性、それから地盤沈下地帯があるという特殊性、それから、きわめて過密的な都市、村落を通過するという特殊性などございますし、そもそもパイプラインなるものについての予備知識が一般にまだ十分でき上がっておりませんので、その辺を十分配慮いたしまして、パイプライン事業法案では基本的計画、それから事業の認可、それから工事計画の認可、完成検査、それから保安のための規制、それから保安技術者の任命などなど、万般の手続上の処置を組み込みまして、その辺のところを万遺漏なきを期したいということで進めております。  それから、地震などに関係いたしまして、一番問題になろうかと思われますので、地震とパイプラインの敷設との関係について簡単に御説明いたしますと、まず関東地区の現在の三計画は地すべり地域を避ける——大体、関東ラインは主として平地部の道路の側道、路肩を使いますので、この辺のことは大体十全にラインの決定ができるというように考えております。それから、地震による影響を受けやすい断層地帯とか、それから褶曲地帯、しわの寄っております、地層に特殊のしわの寄っておりますようなところは、これを極力避けるというような形で路線決定について十分な手当てをいたしたいと思います。  それからパイプラインの構造自体の面からの問題でございますが、先般の新潟地震の際にも、先ほど御説明いたしました頸城から豊洲までのラインは全然損傷がなかったわけでございます。あと、ロスアンゼルスのサンクレメンテ渓谷における六・六マグニチュードの地震のときの例なども、二回に亙ります専門家の保安調査団を出して調べた結果、その経験的に申し上げますと、まず、パイプラインをあまり剛構造にしない、柔構造にしなきゃいかぬ、どこか、橋脚とか、そのほかの特殊の地点で固定化しますと、そこに異常な力が集中するということでございますので、まず一つは、パイプラインを極力蛇行させる、直線の最短ということでなくて、ゆとりを持って建設する、それがまず一つ。それから二つ目は、きわめて優秀な鋼管を使用する。それから現在、ハイテストラインパイプといっております高張力鋼の特殊なものを大体予定いたしておりますけれども、こういう鋼管を使用して、地震とか、地すべりに強い、先ほど申しました柔構造でやっていく。それから、万一の場合に備えまして、ブロック・バルブ、これは過密地帯についてはなるべく短かい距離ごとにバルブを設定いたしまして、事故発生の場合には直ちに閉鎖できるような措置をとります。  そんなようなことで、百二十項目にわたりまして、非常に厚い調査を、消防庁運輸省建設省も入れまして、通産省のほうで現在よりより準備して、七月ぐらいにその細かい技術的なメジャーを織り込んで用意したいと思っておりまして、極力御指摘のような地すべり災害、その辺についてパイプの問題が問題化しないようにという措置をとってまいる考えでございます。
  99. 塚田大願

    ○塚田大願君 まあ、いまるる説明がございまして、もちろんこの法案を出そうという立場で、まさかこのパイプラインは危険でございますといってこの法案を出すわけにもいかぬでしょうから、当然それなりの準備はあると思うんですけれども、しかし、いまも外国の例などを出されましたけれども、私は外国の例なんかは全然当たらないと思うんですね、全然条件が違うんですから。あの広大な地域で、砂漠の中にパイプラインを敷くなんというのは、これはどうということはないでしょう。しかしこの過密の日本、しかも過密である東京周辺、うっかりすると東京の中にも敷かれてくるのかもしれませんけれども、とにかくそういうところにこの火種を持ち込むような形の計画というのはどうしても私は納得できない。そうでなくとも日本は公害でさんざん痛めつけられて、世界の笑いものになるほどの公害がまき散らされているときに、こういうものを、さらに石油業界の要求あるいは大企業の要請であるかもしれないけれども、この地域住民の安全性というもの、あるいは防災というものを犠牲にしてまで私はこれを設計される意図というのがよくわからない。で、まあそれはいろいろ政策論議、政治論議になりますから、おきましても、とにかくこの計画を見ましても、たとえば国鉄からいただきました計画を見ましても、そうしたらこの国鉄のパイプラインというのは線路のすぐわきにパイプを埋設するわけですね。電車が走りますすぐそのわきの所に、用地に、線路の用地にパイプを埋め込む、こういうことですわね。軌道中心から四メートルを離すと、こう書いてあります。で、一・二メートル以上の深さで埋設する。一・二メートルです。この深さで埋設する。まあ各種保安設備を設けるし、巡回検査も行なうのできわめて安全である、こういうふうに説明がつけてありますが、まあ電車の軌道からたった四メートル、そして一・二メートルの深さ、この程度で私はどうしても安全性なんということはちょっと考えられないように思うんですね。特に最近のように、国鉄の事故はどんどん起きる、ついこの問も船橋で事故が起きたばかりです。しょっちゅう国電やその他の事故が起きているときに、こういう形のパイプラインが安全だというのは、これはちょっとうなずけないところです。ですから、いま安全性のことについてはいろいろ言われましたけれども、何もこういう形の計画でなくとも、もっと知恵を出してやるべきではないかというふうに私は考えるんです。しかしこれは私どもまだしろうとで、そういう技術上の具体的なことはよくわかりませんから十分な論拠にならないかもしれませんが、しかし、ただ言えることは、とにかくこうやって災害を防ぐのにはどうしようかというので中央防災会議、あるいは東京都は一生懸命になってやっておる、そういうときに、こういう危険なものをあえて持ち込むことは決して災害対策という、防災対策の面から見て私どもは賛成するわけにはいかないんじゃないかというふうに考えます。  そこで、パイプラインのことは、じゃ、ちょっとおきまして、次に、ガス管の問題です。やっぱりこれも地下埋蔵物の非常に危険なもので、大阪の天六のあのガス爆発だけではございません。きょうの朝刊を見ましたら、横浜に、やはりガス管が亀裂をして、一歩誤れば、あの大阪の大事故の二の舞いになったであろうと警察で言っているぐらいの問題も、きょうも出ておるんです。したがって、このガス管の場合でも私は非常に問題だと思うんです。ガス管の場合には、都内だけでも、聞きますと、一万五千キロメートル走っておる。横浜その他を入れると、二万一千キロメートルある。しかし、この検査なるものは、非常に不十分でありまして、一カ月に、たった九十五キロメートルしか検査ができていない。二万キロもあるこのガス管ですね、これがたった百キロも一カ月にできない。全部検査するのには、二十年かかるという計算になるわけですが、これではたして、地震が起きたような場合には、弱いガス管が全部やられてしまう、こういう可能性だってあるわけです。現に、ロサンゼルスのあの地震の経験を見ますと、やはり、あそこでは相当なガス漏れ事故が約五百件でありますか、あった。しかも、そのガス漏れを起こしたのは、ほとんど何十年か前の古いパイプであって、新しいものはほとんど事故はなかったそうでありますけれども、たとえばロサンゼルスの場合には、一九二六年製の古いパイプを使ったものが非常に大きな事故になったと、こういう報告がされているわけですけれども、ところが、東京の場合は、とてもじゃない、もうどういうふうになっておるのか、二十年もかからないと検査ができないという、こういう実態で、はたして東京の安全性というものが保てるのかどうか、この点でひとつ担当省のほうから説明をいただきたいと思うんです。
  100. 原田稔

    説明員(原田稔君) お答えいたします。  現在、ガスのいろいろな施設、導管あるいは製造設備、そういうものにつきましては、ガス事業法によりまして、保安関係の厳重な規制を行なっております。その規制のやり方は大別して二つございます。一つは、ガス事業者自身が自主的に行なう。これは、また、あとで詳細にいたしますが、そういう方法が一つ。もう一つは、役所のサイドで行なうという方法でございます。  昭和四十五年にガス事業法の大幅な改正があったわけでございます——これは四十五年に大阪のガス爆発事故があったわけでございますが、その直前、少し前に国会を通過いたしまして成立した改正法律でございますが、それによりまして、いろいろな点で保安関係の規制が強化されております。  その一環といたしまして、まず、ガス会社が、ガスのいろいろな施設につきまして、検査あるいは巡視をする、そういったものを含めまして、保安規程というものをつくらせまして、その保安規程につきましては、通産大臣に対して届け出をさせ、届け出の内容によりまして、不都合がある場合は変更を命令することができるわけでございますが、この保安規程によりまして、導管その他の監視、検査を行なっております。現在、東京ガスにつきましては、一例を申し上げますと、導管関係保安関係検査、巡視に従事している職員は約千五百名にのぼっておりますが、その千五百名の方々が、いろいろな導管関係について、常時、必要な個所をパトロールして、検査を行なっている、こういう状況でございます。  それから、もう一つの役所のサイドの検査につきましては、これは、まず、一定のある程度高圧の施設につきましては、大体原則といたしまして、年に一ぺんの定期検査をいたすことになっております。  それから、ガスの工事実施する場合には、これもある程度の高圧あるいは中圧の施設でございますが、そういうものにつきましては、事前に工事計画の認可というものを行ないます。かっ、また、その工事ができ上がりまして、実際に使用する場合には、使用前検査というものを行ないます。その場合の認可あるいは検査の基準がどうなっているかと申しますと、これは技術上の基準というものを法律できめることになっております。これは、非常に技術的な基準が詳細にわたりましてきめられてございますが、その基準に適合しているかどうかということで認可をし、あるいは検査をするということに相なっております。  そういうことで、ガスの保安関係につきましては、いろいろと措置を講じておりますが、先生がただいま御指摘のとおり、特に他工事によるもの、水道工事あるいは地下鉄等のほかの工事に関連いたしまして、ガス管にいろいろな支障が生ずるといわような事故がままございます。幸いにいたしまして、大阪の天六事故以降は大きな事故はないわけでございますが、ときたま、そういった事故が発生いたしております。こういう点につきましては、各関係省庁あるいは事業実施主体同士の間で、十分に事前の連絡をとって行なうようにいたしておりますが、どうしてもいろいろな点で不注意等がありまして、ある程度事故が生じておるということは、はなはだ残念に思っております。私どもといたしましては、そういうことがないように、今後も、ひとつ一生懸命、いろいろな意味での検査、監督を行なってまいりたい、かように思っております。
  101. 塚田大願

    ○塚田大願君 いろいろ技術上の問題はございましょうが、しかし、ここで一々それを究明しているわけにはいきませんので、この問題について、経理府副長官から、一体、こういう石油パイプラインあるいはガス管の問題、その他問題をあげれば切りもないほどあるわけですが、みんな危険性を持ったものです。これをほんとうにきちっとやらない限り、先ほど説明されました防災計画なるものがほんとうに実行できないんじゃないかと思うんですね。その点で、副長官、どういうふうにお考えかですね、その辺の御説明を承りたいんでございます。
  102. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 震災対策の推進要綱の中で、公共施設の点検、指導をやらなければならないそういう公共施設、あるいは地震のときに当然予想されます火災予防のための各種施設の規制、こういったこともきめているわけでございます。ガス等、既存の施設につきましては、この指針に基づいて、所管官庁のほうで責任をもって対処してくれていると、かように考えておりますけれども、石油パイプラインというのは、これから工事が行なわれる問題でございますし、私どもといたしましては、やはり、その安全性について、また関係する省庁も数省庁に及ぶわけでありますから、私ども中央防災会議といたしましては、一度、法案の進み方等も考えながら、十分に、重大な関心を私ども防災会議も持って、防災会議の事務局におきまして、関係省庁から資料の提出も求め、その安全性について、私どもも参画して、その安全度というものを検討していきたい。工事実施以前に、それだけのことは確認をした上で、工事をするなら、していただく、かように取り計らっていきたい、かように考えております。
  103. 塚田大願

    ○塚田大願君 では、次に移りまして、これからは治山治水の問題について少しお伺いしたいと思うのです。  きょうは、こういう委員会でございますから、いままでのいわば総ざらい的な意味でお伺いするわけでありますが、建設省から「国土建設の現況」といういわゆる建設白書でありますが、出ております。私は、四十七年度の新しいものは、まだいただいておりません。四十六年度のものしかございませんが、これによりますと、治山治水の問題が非常に詳しく書いてございます。しかし、どうもいままでの私どもの見たところによりますと、治山治水計画というものはいつも後手後手になっていますね。毎年毎年、年々歳々やはり災害を受け、そうして復旧に膨大な国費を投入しなければならないと、こういう状態を繰り返してきたわけでございますが、大体、この治山治水計画、この建設白書によりますと、今後の課題として五つあげておられますが、しかし、確かに非常に災害が増大した、戦前に比べると非常に大きな災害になっている。水害の被害額からいえば、約八・九倍、死者は戦前の四・六倍と、こういうふうになってきておる。それから、時間雨量五十ミリによって床上浸水の危険の区域が、全国の市街地面積の一一・四%に達している。したがって、治山治水のための投資の国民所得に対する比率を大いに上げて、それに見合った投資をしなければいけない、こういうことを言われて、そうして、今後の課題として五つあげておられるわけであります。二〇七ページに書いてありますが、これをいまこまかく申し上げる時間がもうなくなりましたので、一言で申し上げますけれども、要するに、これを一言で申し上げれば、結局は、この高密度社会の形成、近郊農地の宅地化、工業用水道の需要の増大、地域開発の促進、こういうために治山治水を大いにしなければいけない、こういうことになっているように思うのです。要するに、これらのことを一言でいえば、新全国総合開発計画、いわゆる新全総、これを進めていく、これが治山治水対策のいわば中心だと、こういうふうに受け取られるわけですけれども、もしこのような角度で治山治水をおやりになるんだったら、やはりいままでどおりの高度成長政策を推し進めると、こういうことになるのではないか。これではほんとうの治山治水といいますか、つまり国民の生活と安全をはかるという、国土の安全をはかるということにはならないのではないか。公害や交通事故がまたどんどん起きてくるように、こういった、むしろ国民にとってはマイナスになるような方向でこの治山治水計画が進められているように考えるのですけれども、一体この辺はどういうふうなお考えなのかお答え願いたいと思います。
  104. 川崎精一

    政府委員川崎精一君) 御承知のように、河川そのものは、これはやはり古い長い歴史と、それから地域の発展の状況、そういったものと互いに関連しながら今日に至っておるわけでございます。したがって、非常に経済成長が著しく進みまして、社会の環境が変化してくるというような状態になりますと、河川もそれに応じた改修の方向なり、あるいは環境整備なり、そういった態様をとっていかざるを得ないというのが実情でございまして、そういった点では非常に、社会開発の速度にむしろ河川の公共投資がおくれておる、したがって、少なくとも治水関係の面から見れば、満足した都市づくりといいますか、都市施設の中の河川が不十分だという感じが非常に強くするわけでございますが、こういったものについては、できるだけわれわれとしても、都市問題というものに重点を置きまして、今後の改修を進めていきたいと考えておるわけでございます。河川の立場から積極的に都市の過密を助長するような政策をとっておるかと言われますと、決してそういうものじゃございませんで、むしろおくれておる事業をできるだけ追いかけて促進をしていきたいというのが、私どもの基本的な姿勢でございます。
  105. 塚田大願

    ○塚田大願君 この問題は、非常に大きな政策論争になる問題だと思いますので、これはまたゆっくり別の機会でもお伺いしたいと思いますが、きょうはその点で、この建設白書でこういう計画、いろいろ方針があるのですけれども、こういう課題を実行する場合には、一つの問題がやっぱり解決されなければいけないんじゃないか、それは、政府各省間の行政上、あるいは財政上の責任とその矛盾点といいますか、そういったものがやっぱり解決されないと、ここにうたっているような、いわゆる積極的な課題というものが解決できないのではないか。  たとえば、都市地盤沈下の問題でありますけれども、この都市地盤沈下というのは、大工場、事業所などが大量に地下水をくみ上げる、これが原因であることはもう今日の常識だと思うのですが、ところが、この地下水規制の権限は通産大臣が持っておる、地域住民に責任を負っておる知事にはその権限がない、こういう矛盾がやはりいろいろ絶えず問題になっておる。あるいはこの地盤沈下による災害に対して、企業は何ら責任を負ってない、防災対策はすべてこれ地方自治体の責任において行なわなければいけない。また、中小河川の改修の問題にしましても、建設省は、これから中小河川の改修に重点を置くと、こうおっしゃっておられますけれども、その事業主体は、やはり依然として都道府県などの地方自治体でありまして、今日では、地方財政の非常に逼迫の中で、実際に河川改修というものが十分に行なわれてない、こういうふうなことを考えますと、やはり一つは、この行政上のいろんな矛盾、あるいは官庁同士のセクト主義、こういったものがなくならなければ、実際には仕事は進まないと思いますし、同時に、財政上の問題につきましても、思い切ったやはり投資をおやりになる必要がある。先ほどいろいろ予算につきまして御説明がございました。確かに昨年に比べればかなりふえておりますけれども、しかし、この程度のものでは、やはり災害が繰り返される危険性があるんじゃないか。  この点につきましては、たとえば東京都の場合のあの江東地区の問題で、私ども昨年の予算委員会でも問題を出したわけですけれども、たとえば江東地区のあの防災対策には、少なくとも私どもの試算によると、一兆円ぐらいの金をかけなければ十分なことができないのではないか。ところが実際にいま政府は、いろいろりっぱな作文はおつくりになるけれども、金の面ということになると、非常にけちけちして、金は出さない、これではやはり問題が解決しないので、私どもは、ここで災害が起こってからではおそいので、思い切ったひとつ財政措置を講ずる必要があるんじゃないか、そのためにはやはり大都市災害防止特別措置法のような体制をつくってそういう思い切った措置をして、そして補助金も大幅に引き上げていくと、こういうふうにして初めて私は災害防止というものも口だけではなくて、実際に政府の本腰が入ったということが証明されるんじゃないかと思うんですが、こういう私どもの考え方に対して副長官、どんなふうにお考えでございましょうか。
  106. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) ただいま大都市災害対策特別措置法というふうな御提案があったわけでございますけれども、大都市問題は、私はやはり災害という角度だけでつかまえて、災害がはたして防除できるかどうか、それだけであっては足らないんじゃないかという気持ちがいたします。やはりそこで市民が生活していることでございますから、市民の生活の便もより一そうはかっていく総合的な都市対策というものでなければ、災害対策という面からだけこれを取り上げていうことは、ちょっといかがなことであろうかという感じを持って伺いました。ただ、江東地区の対策等につきましては、これはやはり当面は予算充実をはかっていく、そういうことではないかという気持ちはいたします。
  107. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 塚田君、もう最後にしてください。
  108. 塚田大願

    ○塚田大願君 はい。もう時間がきましたので、この問題で論議していくわけにはいきませんので、これはいずれまたゆっくりひとついろんな機会でやりたいと思います。  最後に、消防体制の問題についてお伺いするんですが、きょうはせっかく消防庁からも来ておられますので、最後に時間をいただいて、この問題をお聞きしたいと思います。  私は、消防庁関係の方々は、やはり非常に下積みの仕事をやられておられて、災害がある、あるいは火災があるというときには、非常に献身的におやりになられると思うんです。そこでただ、その消防体制の問題を考えますときには、施設や機械の面だけではやはり一面的になるので、やはり問題は人ではないかと思うんですね、人の問題ではないか。そこで、消防庁にお聞きしたいのは、消防の職員であるとか、あるいは消防団員というものは一体いま充足されているのかどうか。聞くところによると、非常に足りないということも聞きます。そうだとすれば、なかなか職員や団員を補充できない、一体原因は何か。さらにいろいろ災害がございましたときに、消防の職員はいろいろ犠牲を出されるわけですが、こういう方々に対する処遇というものがどの程度にされておるか。もし非常に不十分だとすれば、やはり職員の処遇、あるいはこの公務災害の補償が足りないということならば、私はやはりもっとこれに対して積極的な姿勢として対処する必要があるんじゃないか。予算面でも思い切って、やっぱりやらないと、この面でもやっぱりこの体制をつくらなければ防災対策を促進するということにはならないのではないかと思うんで、この点を最後消防庁の方からお聞きしたいと思います。
  109. 青山満夫

    説明員(青山満夫君) お答え申し上げます。  消防はやはり人であるということは御指摘のとおりでございまして、現在、消防職団員の数について申し上げますと、消防職員、つまり常時消防のもとにおける職員が全国七万人程度、それから非常時の消防団員につきましては、大体百二十万人と現在見ております。消防職員につきましても、御指摘のように、決して十分ではございませんけれども、現在は消防力の基準に比較いたしまして、市町村の消防施設に、はりついている施設そのものが若干下回っている関係で、それに対する人員ということで、大体施設に対する割合としましては、大体八割程度の職員が現在おるというふうに考えてしかるべきであろうというふうに考えております。  それから消防団員につきましては、先ほど申しましたように、百二十万人前後現在おります。これは確かにここ十年来非常に減ってきております。これまた御指摘のとおりでございます。消防団員がなぜ減っておるかということにつきましては、いろいろな要因があろうかと思いますが、大きく分けまして、一つはやはり市町村の合併等に伴いまして、かなりの地域で消防団が整理統合されたということ。それからまた、さまざまな消防関係の機械設備が近代化いたしました関係で、その機動化によって人員が削減されてきたということ。それからまた、いわゆる都市化現象によりまして過疎地域がふえてまいりまして、そういった過疎地域において、つまり町村部において人口の減少に伴って消防団員が減ってきたというふうなさまざまな要因。それからまた、これはおそらくうらはらの関係になりますけれども、現在全国的に常備体制が非常に進んでまいりました。その関係で逆に非常備の団員が減少するというふうなこともございまして、現在大体百二十万人程度ということで、最近五ヵ年間の平均は、詳しい数字は記憶しておりませんけれども、大体二万人前後平均して減っておるというふうな数字であろうと思います。先ほど申し上げましたように、やはり消防はどこまでも人でございますので、人の確保ということは一番重要でございます。その関係で、特に、私どもといたしましては、消防団員の確保といたしましては、消防団の機能というものが十分に生かされますように団の装備を特に近代化しまして、ポンプ自動車の重点的な配置を行なう等の機動力の増大をはかったり、あるいはまた、特に団員あるいは職員に対する処遇問題につきまして、特に出動手当、それから最も中心的な公務災害補償というものに重点を置きまして現在努力をいたしておるようなわけでございます。
  110. 塚田大願

    ○塚田大願君 もう時間が切れましたので、私は最後にやはり長官からこういう消防体制の問題ですね、非常にじみでとかく忘れられがちかもしれませんけれども、やっぱりいざ問題が起きたとき、一番頼りになるのはこういうところだと思うので、その点に対する所感をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
  111. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 市町村の常備消防力というものはだんだん充実をされてきていると私も思います。ただ、先生御指摘のとおり、消防団の団そのものが結成ができなくなってきた地域が、特に過疎地帯なんかに見受けられるようになってまいりました。もう一つは、こういう市街地、東京のような大都市市街地におきましてやはり自衛消防力といいますか、そういった特殊な環境の工場であるとか、人の多く集まるところであるとか、ホテル、劇場等がそうでありますけれども、そういった場所での自衛消防力というものはこれまた充実をされてきたと思います。  ちょっと話が横道にそれるかもしれませんが、私は神戸市出身でありますけれども、東京ほどではないのですけれども、一応の大都市であります。毎年出ぞめに出るわけでありますけれども、工場街、そういった人の集まる場所での自衛消防隊というものは、ちょうど消防団のようなものでございましょうが、毎年毎年相当な数でふえてまいっておりまして、相当な訓練をしておられるようであります。やはりこういうところに対する市町村あるいは国等の助成がなお一そう必要でありましょうし、先生が御指摘になりました消防団に対する手当等の面で毎年充実はしてきておりますけれども、まだ不十分であろうと思います。今回国会に提出をいたしております地方公務員の災害補償等の特例の問題等もやはりそういうことを解決したい、消防団の方々の士気も高めたい、こういう意図のもとに御審議をお願いすることになっておりますけれども、なお一そうの努力を私どもとしてもいたしてまいりたいと考えております。
  112. 小林国司

    ○小林国司君 だいぶ時間がおそくなりましてまことに恐縮でございますが、副長官に御要望をかねてちょっとお尋ねしてみたいと思います。  地震の周期が六十年とか七十年とか言われておりますけれども、大正十二年からちょうど計算して昭和五十年から六十年にかけて大地震が起こるのじゃないかという予測がなされております。しかし周期にはやはり一〇%前後のズレというものがございますから、そういたしますと、もうその時期に入ってきておるのじゃないか、こう思われます。したがって、先ほど来副長官から御説明をいただいたのでございますが、なるほど要綱は、文章あるいは構想等においてはまず申し分のないものができ上がっておると思いますが、しかしあすにでも起こるかもしれない地震に対して、この要綱で、直ちに都民あるいは市民が動揺することなく、整然とした対処ができるかどうかということについてはまことに疑問ではないか、こう思われます。  たとえて申し上げますと、マグニチュード八前後のものが起こってまいりますと、とたんにたいへんな大被害が起こるわけで、交通はもちろん全面的に途絶する、電気、水道、ガスは何日あったら回復できるのかわからない。それから食糧等についても、現在、米については農林省で政府米の保管の倉庫が東京都内にも数カ所ございますが、交通が全面的に途絶した中で、順調にそれらの食糧が配給できるかどうかということになりますと、これも起きてみなければわかりませんけれども、まことに疑問じゃないか。米についてだけそうでございますが、その他の野菜、その他の副食物については、とてもいまから計画を立てて地震に対処するということはこれは不可能でございますが、せめて主食だけでも、現在、農林省の食糧倉庫から搬出されるもので十分な供給ができるかどうかということは、再検討しておく必要があるのじゃないか。  私はいま川崎市に住んでおりますが、東京、川崎、横浜、千葉これは一連の関係でございますから、東京だけが地震に対する対策を立てても、これは完ぺきとは言えないと思います。千葉から川崎、横浜を通ずる一つの大きな大都市の構想の中でやはり地震対策というものが持たれていなければならない。私もいろいろ前から考えておりますが、水道が破壊することはもう目に見えております。そういたしますと、私の生活している近所に井戸がない。水の配給もおそらく、自衛隊等がやってくれても、何日間たてば水の配給があるのか、これは考えてみただけでもおそろしいことであります。井戸はない、水道は切れた、電気、ガスはもちろん切れておる、こういう状態の中で、冷静な気持ちで対処しろといっても、おそらく全都民あるいは市民がとても平静な気持ちではおれないと思います。そういうさなかに、先ほど副長官おっしゃいました、各省関係がそれぞれいろいろなことを分担しておりますが、そういう分担が水も漏らさぬような緊密な状況で、それは交通運輸関係運輸省になりましょう、あるいは食糧関係は農林省、道路とか海岸堤防というものについては建設省、それぞれの機関が緊密な連絡をとって、中央の指示のもとにうまい対策がはたして講ぜられるかということも、たいへんこれはめんどうな問題でございますが、まず何はさておきましても、具体的にもう少し問題を詰めておいていただく必要があるのじゃなかろうか。  実は昨年、東京都で避難訓練をやっております。たとえば江東区で、ある区域の住民はこの場所に避難しなさいという場所がきまっておるようでございますが、その避難場所が自分の住んでいるところから四キロも離れておる。しかも東京都は御承知のとおり、ゼロメートル地帯が年々ふえておるような状態です。一朝大地震が起きますと、堤防の破壊と同時に、いわゆる高潮によって瞬時にして水浸しになって、交通どころの騒ぎじゃない。もうおぼれ死ぬという人が相当出るのじゃないかということが予測されております。そういうさなかで、四キロも離れたところを避難場所に指定されておっても、それが現実に合っているかどうかという点については、まことに疑問だということを、その当時避難訓練を受けた人が言っております。それは副長官も御承知のことと思います。  したがってゼロメートル地帯については、もしも堤防が破壊して高波が押し寄せてきて、瞬時にして二、三メーターの水深になった。もちろん二階、三階の倒れない高層建築物がありますれば、その二階、三階に上がって水だけは防げるということになりましょうけれども、平屋建てのうちでは、おそらくもうこれはあっという間に溺死するということが——これはもう名古屋で、これは台風でありますが、御承知のとおり数千人の人が一瞬にして水にのまれた、こういうことから考えましても、なるほどこの要綱そのものは、まことにけっこうな案だと思いますけれども、もう少し具体的にいろいろなことをこまかく検討しておいて、あすにでも起こるかもしれない地震に対して、もう少し各機関それぞれの部署に従って綿密なと申しましょうか、具体性のあるものをお立てになるということが必要ではないか、こう思いますので、したがいまして、この委員会の冒頭に委員長からお話し申し上げました火災とか、あるいは交通とかという問題については、週間というものを設けて、そうして全国民に意識の高揚をはかると同時に、そういうことの起こらないようないろいろな対策をやっておりますが、地震については、いままでそういうことをやったことがございませんが、したがってできるだけ早い機会に、こういう大都会に住んでおる人たちに、こまかく地震に対する心がまえと申しましょうか、そういうものをPRするという意味と、それから東京都なら東京都という大きなところでなくて、もう少しこまかく言えば、区ごとにあるいは町内会ごとに、もしも地震が起きたらわれわれはどうするんだということを具体的に、役所だけに問題を投げかけてもこれはむずかしいと思いますが、それぞれ生活しておる町内会でも、それぞれに対する対策をいろいろ考えさしておくという意味から、地震週間というものを設けて、そうしてPRをかねて対策を検討さしておくことが必要ではないかという意味のことを委員長が冒頭に申されたわけでございます。私も全くその必要があろうかと思いますので、御要望もかねて副長官に、これは質問になったかどうか存じませんが、そういう気がいたしますので、十分な御高配をお願い申し上げたいということでお願い申し上げるわけです。
  113. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 私からも関連して端的に言っておきますが、きょうの副長官の答弁を聞いておったら、大災害に対する主導権が中央防災会議にあるのかないのかわからぬような答弁です。もっと自信を持って各省庁を引っ張っていかなければ緊急の問題解決にならぬと思います。したがいまして、この対策要綱を、この国会中に具体的に——各省庁を呼んで御決定していただいて、いまの小林委員が申しました具体的な問題をきめて、ここに御報告願えますか、これを一つ。  あと、会館の自治委員会とも連絡をとって、この参議院、衆議院の議員、秘書等全体の退避訓練をこの会期中に実施したいと思うから、中央防災会議など中心になって御指導いただきたい。これ第二点ですが、以上の点について決意を聞いておきたいのです。
  114. 砂田重民

    政府委員砂田重民君) 要綱は先生方ごらんいただきましたとおりのものでございますけれども、要は、やはり要綱の中身の詰めが問題であろうと思います。各省庁それぞれ要綱で示しました指針を受けて、鋭意準備をしてくれております。  それから、中央防災会議の各分科会におきまして、この要綱の細目について検討を進めているところでございますが、要は、その関係省庁並びに地方公共団体が、できるだけ早い時期に、確固たる要綱の中身の詰めを行なう、これが非常に重要なことであろうと思いますので、私ども、なお一そう心を引き締めて、これの指導をいたしてまいりたい。まず第一点、これをお答えをしておきたいと思います。  なかなか仕事はたいへんな仕事でございます。ただ、小林先生からも川崎のお話がございました。大震災が起こりましたときに、どこにどういう被害が出るかということは予測ができません。水の問題、食糧の問題、それを運搬するための道路を確保することがまず第一でございます。そういった意味の神奈川、東京、千葉、埼玉こういうものを、ある程度広域的にとらえての基幹道路というものの確保を、具体的に建設省でも、この震災対策要綱の中身の一つの詰めとして、ただいまその準備を進めているようなことでございますけれども、一つ申し上げておきたいと思いますことは、ただいま委員長が御指摘になりました中央防災会議のことであります。  中央防災会議は実施機関でございません。こういった要綱、指針等を決定する機関の性格を持った会議でございます。したがいまして、この要綱の中身を受けた各省庁、地方公共団体は、一たん事が起こりましたときには、これは中央防災会議ではなくて、当然政府が置くでありましょう、置かなければなりません対策本部の、指揮下に入るということになるわけでございます。対策本部というものは常設されていない。実施機関であるはずの対策本部というものは、常置はされていない。中央防災会議というものは、常置はされているけれども、これは実施機関ではない。この矛盾を実は私も少々不可解に感じているところでございます。たとえ実施機関でなくても、いま少し中央防災会議というものが、権限なり力なりを持って、一たん事があったときに、直ちに、中央防災会議で準備をしていたことを、対策本部に移せるという体制をとる必要があるという気持ちがいたします。この点につきましては、中央防災会議の事務局の充実についてひとつ御支援をお願いを申し上げたいと思います。  それから、ただいまの地震週間の御提案でございますけれども、たいへん有意義なことであると思いますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。至急に、委員会の機会でなくても、私ども検討いたしましたら、たとえ、それが中間的な報告になりましても、委員長のところへ御報告に上がりたいと思いますので、しばらく時間をちょうだいしたいと思います。  それから、いま一点、参議院の訓練のお話がございましたけれども、ひとつ私ども全面的に御協力を申し上げたい、かように考えます。
  115. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 最後に、私が国土地理院の橿原参事官に申し上げます。これはたいへんりっぱなものを、もらっておりますが、時間がありませんから一つだけ。  それは、国土地理院、気象庁地震研究所で、おのおの予知活動などの研究をやっておられるようだが、現在の地震予知研究成果に対する自信のほどはいかがでございましょうかというのが一つ。  それから、いま小林委員も言いましたが、この一九ページに「震度V以上の地震の平均再来年数の等値線」というのがありまして、関東がちょうど五十年になっておりますね。それには、アローアンスを置きましても、六十年くらいになりますから、ほんとうに大地震がくるのではないかという気がいたしますが、これがちゃんと出た以上、相当の権威だと思うが、この権威の点についていかがでしょうか。これだけを最後に質問しておきます。
  116. 檀原毅

    説明員檀原毅君) 初めのほうの問題でありますが、現在日本における地震予知計画は、五つの大学、それから六つの省庁にまたがる仕事になっておりまして、それの連合組織になっているのが、この地震予知連絡会でございます。その中で、大きく分けまして、大地震の前兆とみられるものが三種類くらいに分けられる。おのおのそれに応じまして、地殻活動検知センター、地震活動検測センター、地震予知観測センターという、大分けに三つに分けておりますが、その中身は、まだ相当広範な内容になっております。一番上の地殻活動というのは、おもに測地、測量によりまして地面の水平とか、上下の運動をつかまえる、そういった測量が主体となっておりまして、これは建設省国土地理院。それから二番目の地震活動というのは気象庁が現在やっております大、中、小の地震まで、それの地震前の活動、あるいはふだんの活動、そういったものを調べるのがそこのセンターでありまして、これが気象庁。それから大学関係で微小地震あるいは極微小地震、それから地殻活動の連続観測がありまして、これは傾斜計とか伸縮計とか、そういうものを全国に十何ヵ所の観測所に設けまして、そこで観測を絶えずやっておりますが、その辺が地震研究所の観測センターに集まっております。そういったものを総合しまして、情報を収集して、それから学術的な判断を下す、そこまでが地震予知連絡会の任務でございます。  それから、あとの行政的な方面に、どう反映させるかという点が、いまのところは抜けているところでございますが、その辺は連絡会の開かれるたびごとに中央防災会議、文部省、それから建設省、そこから連絡員といいますか、オブザーバーを出していただきまして、そういった程度の連絡はいたしております。それから連絡会のあとにも、記者にいろいろ——国民にPRの必要がありまして、いろいろレクチャーと称しましてやっておりますが、そのあとで特別に、たとえば南関東でございますと、東京都あるいは千葉県、神奈川県、そういった県とか市関係の人、あるいは消防庁、防衛庁そういう人たちも、担当者に集まっていただきまして、これは特別にレクチャーをやっております。そういったことが初めのほうのお答えであります。  それから二つ目の御質問でございますが、ここにあげましたのは、一応みなカッコ書きで、これはやってくださった先生のお名前を書いてありますけれども、要するに、その先生が責任を持っていただくという意味で名前を出してあります。たとえばいまの御指摘でありますけれども、これは河角先生がおやりになった。これはもちろん統計によっておりますが、統計というのは、明治になってからはちゃんと計器ではかっておりますから、かなり確かなことが言えるのですが、これは非常に古い過去にまでさかのぼっております。したがって相当な荒さがある。東京五十年と書いてあります、この五十年が、非常に正確かといわれますと、これはそれほど正確とは言えないと思います。たとえば、河角先生の六十九年周期説が有名になっておりますけれども、先生のスペクトル分析を見ますと、六十九年と同時に五十五年という周期も出ている。そのほかの周期も出ている。そういったものもいろいろ出てまいりまして、周期というよりは、むしろ発生間隔といったほうが正しいかと思われます。したがいまして、ここまでいわれております五十年あるいは百年、これは非常に正確というものではなくて、まあまあこの程度の荒さで、荒さといいますか、まあこの程度の荒さを覚悟した上で、この絵をごらんになっていただけばよろしいのではないかと思います。たとえば新潟の佐渡島のほうを見ますと、四百年と書いてありますが、これは新潟地震が一九六四年に起こりましたが、あれは百三十一年ですか、前の地震からたっております。したがいまして、この四百年というのはかなり違うわけであります。そういったこともございますので、こういった統計的な考え方というのは十分注意してごらんになっていただけば幸いと存じます。  以上であります。
  117. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ありがとうございました。  他に質疑がなければ、本日はこの程度にいたします。  散会をいたします。   午後二時十分散会