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政府委員(船田譲君)
昭和四十五
年度の
一般会計歳入歳出決算、
特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払
計算書及び
政府関係機関
決算書を
会計検査院の検査
報告とともに本
国会に
提出し、また、
昭和四十五
年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額についても本
国会に
報告いたしましたので、その大要を御
説明申し上げます。
昭和四十五
年度予算は、
昭和四十五年四月十七日に成立いたしました本
予算と、
昭和四十六年二月十二日に成立いたしました補正
予算とからなるものであります。
昭和四十五
年度本
予算は、わが国経済の持続的成長の確保と物価の安定を眼目として、次のような基本方針のもとに
編成されたものであります。
第一は、財政面から景気を刺激することのないよう財政規模を適度のものにとどめるとともに公債発行額を縮減し、さらに、経済財政事情にかんがみ、法人税の増徴を行なったことであります。
第二は、
国民の税負担の軽減をはかるため、所得税及び住民税等の減税を行なったことであります。
第三は、歳出内容について、社会経済情勢の変化に即応して、重点施策の着実な遂行をはかり、
国民福祉の着実な向上につとめたことであります。
なお、補正
予算は、公務員の給与
改善をはじめ、本
予算成立後に生じた事由に
基づき、特に緊要となった
事項につきまして、所要の措置を講じたものであります。
昭和四十五
年度を顧みますと、わが国経済は、前
年度からの金融引き締め措置の浸透等により、
年度途中、夏ごろから景気後退局面へ入りました。実質経済成長率は、下期にかなり低下しましたが、上期において大幅な拡大を示しましたので
年度では、一〇%をわずかに下回る程度となりました。
なお、卸売り物価は前
年度比二・四パーセント、消費者物価は同比七・三パーセントの上昇となりました。
国際収支の面では、
昭和四十五
年度の総合収支は、前
年度に引き続き、約二十億ドルの黒字となり、外貨
準備高も
年度末には約五十五億ドルに達しました。
このようなわが国経済の
状況を背景として
昭和四十五
年度予算が
執行されたのでありますが、以下、その
決算の内容を数字をあげて御
説明申し上げます。
まず、
一般会計におきまして、歳入の
決算額は八兆四千五百九十一億八千百三十八万円余、歳出の
決算額は八兆千八百七十六億九千六百七十二万円余でありまして、差し引き二千七百十四億八千四百六十五万円余の剰余を生じました。
この剰余金は、
財政法第四十一条の規定によりまして、
一般会計の
昭和四十六
年度の歳入に繰入れ済みであります。
なお、
昭和四十五
年度における
財政法第六条の純剰余金は七百三十二億七百九十五万円余となり、この純剰余金の二分の一を下らない
金額は、
財政法第六条第一項の規定によりまして、公債又は借入金の償還財源に充てることとなるわけであります。
以上の
決算額を
予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、
予算額八兆二千百三十億八千五百十一万円余に比べて二千四百六十億九千六百二十六万円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前
年度剰余金受入が
予算額に比べて増加した額千六百七十六億六百十九万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、
昭和四十五
年度の歳入の純増加額は七百八十四億九千七万円余となるのであります。その内訳は、租税及印紙収入における増加額五百六十二億五千九百五十二万円余、専売納付金における増加額十三億五千百七十四万円余、官業益金及官業収入における増加額八億五千九百二十九万円余、
政府資産整理収入における増加額百十六億六千七百五十六万円余、雑収入における増加額四百十一億八千八百七十五万円余、公債金における減少額三百二十八億三千六百八十万円となっております。
一方、歳出につきましては、
予算額八兆二千百三十億八千五百十一万円余に、
昭和四十四
年度からの繰り越し額七百十八億六百三十一万円余を加えました歳出
予算現額八兆二千八百四十八億九千百四十三万円余に対しまして、支出済み歳出額は八兆千八百七十六億九千六百七十二万円余でありまして、その差額九百七十一億九千四百七十万円余のうち、
昭和四十六
年度に繰り越しました額は七百六十一億六千八百三十一万円余となっており、不用となりました額は二百十億二千六百三十九万円余となっております。
次に、予備費でありますが、
昭和四十五
年度一般会計はおける予備費の
予算額は千億円であります。その使用額は九百九十九億九千八百四十万円余でありまして、その使用につきましては、別途本
国会に
提出の予備費使用承諾案について御
審議をいただきますので、
説明を省略させていただきます。
次に、
一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
財政法第十五条第一項の規定に
基づき国が債務を負担することができる
金額は千九百九十三億二千七百二万円余でありますが、実際に負担いたしました債務額は千九百十四億千八百七十四万円余でありますので、これに既往
年度からの繰り越し債務額三千八十六億二千四万円余を加え、
昭和四十五
年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額千九百億七千百十七万円余を差し引きました額三千九十九億六千七百六十一万円余が、翌
年度以降に繰り越された債務額になります。
財政法第十五条第二項の規定に
基づき国が債務を負担することができる
金額は二百億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は百十三億四千六百三十万円余でありますので、これに既往
年度からの繰り越し債務額六十四億四千六百四十六万円余を加え、
昭和四十五
年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額六十六億五千二百四十七万円余を差し引きました額百十一億四千二十九万円余が、翌
年度以降に繰り越された債務額になります。
次に、
昭和四十五
年度の特別会計の
決算でありますが、同
年度における特別会計の数は四十三でありまして、これらの
決算の内容につきましては、
特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
なお、これらの特別会計の歳入歳出の
決算額を合計しますと、歳入
決算において十八兆千六百四十八億千九百五十万円余、歳出
決算において十六兆七十五億六千五百三十三万円余であります。
次に、
昭和四十五
年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は七兆四千五百八十七億三千七万円余でありまして、この資金からの歳入への組み入れ額等は七兆四千四百二億七千八百七十万円余でありますので、差し引き百八十四億五千百三十六万円余が、
昭和四十五
年度末の資金残額となります。これは、主として国税にかかる還付金として支払い決定済みのもので、
年度内に支払いを終わらなかったものであります。
次に、
昭和四十五
年度政府関係機関の
決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の
決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣からご
説明申し上げる予定であります。
また、その他の
政府関係機関の
決算の内容につきましては、それぞれの
決算書によって御了承願いたいと存じます。
次に、国の債権の現在額でありますが、
昭和四十五
年度末における国の債権の総額は十二兆九千七百九十二億九百四十九万円余でありまして、その内容の詳細につきましては、
昭和四十五
年度国の債権の現在額総
報告によって御了承願いたいと存じます。
次に、物品増減及び現在額でありますが、
昭和四十五
年度中における純増加額は七百十六億七百二十二万円余でありますので、これに前
年度末現在額五千二百九十億四千八百十四万円余を加えますと、
昭和四十五
年度末における物品の総額は六千六億五千五百三十六万円余となります。その内訳の詳細につきましては、
昭和四十五
年度物品、減及び現在額総
報告によって御了承願いたいと存じます。
以上、
昭和四十五
年度の
一般会計歳入歳出決算、
特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払
計算書、
政府関係機関
決算書等につきまして、その大要を御
説明申し上げた次第であります。
なお、
昭和四十五
年度の
予算の
執行につきましては、
予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、
会計検査院から百四十六件にのぼる不当
事項について
指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。
これにつきましては、今後一そう経理の
改善に努力を傾注いたす所存であります。
何とぞ御
審議のほどお願い申し上げます。
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