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1972-04-05 第68回国会 参議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月五日(水曜日)    午前十時十分開会     —————————————    委員異動  三月二十八日     辞任         補欠選任      藤田  進君     鈴木  強君  三月三十日     辞任         補欠選任      大橋 和孝君     佐野 芳雄君  三月三十一日     辞任         補欠選任      細川 護煕君     吉武 恵市君      鶴園 哲夫君     大橋 和孝君  四月三日     辞任         補欠選任      大橋 和孝君     鶴園 哲夫君  四月四日     辞任         補欠選任      佐々木静子君     藤原 道子君     —————————————   出席者は左のとおり。    委員長          足鹿  覺君    理 事                 温水 三郎君                 渡辺一太郎君                 小谷  守君                 塚田 大願君    委 員                 石本  茂君                 片山 正英君                 河本嘉久蔵君                 小林 国司君                 鈴木  強君                 鶴園 哲夫君                 藤原 道子君                 水口 宏三君                 安永 英雄君                 黒柳  明君                 沢田  実君                 萩原幽香子君                 青島 幸男君    国務大臣        建 設 大 臣  西村 英一君    政府委員        国税庁長官    吉國 二郎君        郵政政務次官   松山千恵子君        郵政大臣官房長  森田 行正君        郵政省簡易保険        局長       野田誠二郎君        郵政省電波監理        局長       藤木  栄君        郵政省人事局長  北 雄一郎君        郵政省経理局長  浅見 喜作君        建設大臣官房長  大津 留温君        建設大臣官房会        計課長      山岡 一男君        建設省道路局長  高橋国一郎君   事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君   説明員        大蔵省理財局国        有財産第二課長  柴田 耕一君        国税庁調査査察        部調査課長    松本 久男君        会計検査院事務        総局第一局長   服部 桂一君        会計検査院事務        総局第二局長   柴崎 敏郎君        会計検査院事務        総局第三局長   桜木 拳一君        会計検査院事務        総局第五局長事        務取扱      鎌田 英夫君        日本電信電話公        社総裁      米沢  滋君   参考人        住宅金融公庫理        事        山下  武君        日本住宅公団総        裁        南部 哲也君        日本道路公団総        裁        前田 光嘉君        日本道路公団理        事        吉田 伸一君        日本道路公団理        事        山川 尚典君        首都高速道路公        団理事長     鈴木 俊一君        阪神高速道路公        団理事      白岩  晃君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和四十四年度一般会計歳入歳出決算昭和四  十四年度特別会計歳入歳出決算昭和四十四年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和四十四  年度政府関係機関決算書(第六十五回国会内閣  提出) ○昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第六十五回国会内閣提出) ○昭和四十四年度国有財産無償貸付状況計算書  (第六十五回国会内閣提出)     —————————————
  2. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  去る三月二十八日、藤田進君が委員辞任され、その補欠として鈴木強君が、三月三十日、大橋和孝君が委員辞任され、その補欠として佐野芳雄君が、三月三十一日、細川護煕君が委員辞任され、その補欠として吉武恵市君が、四月四日、佐々木静子君が委員辞任され、その補欠として藤原道子君が、それぞれ委員に選任されました。     —————————————
  3. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 昭和四十四年度決算外二件を議題といたします。  本日は、郵政省日本電信電話公社並びに建設省及び住宅金融公庫と、それに関係する日本道路公団日本住宅公団首都高速道路公団及び阪神高速道路公団決算につきまして審査を行ないます。  この際おはかりをいたします。  議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査概要説明はいずれもこれを省略して会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  5. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) それでは、郵政省関係について質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 鈴木強

    鈴木強君 最初に、政務次官きょうおいでいただいておりますから、一つだけお尋ねしておきますが、実は例の庶民金融制度の新設のことですけれども、これは非常に大衆にはたいへん便益な制度だと私思います。そういう意味で、社会党のほうも、すでに党のほうでも一つの案をつくりまして、郵政大臣にもお手元に差し上げてあると思いますが、これは法律改正関連をするようでございますから、この国会に早急に提案をするということになりませんと実現できないんでございますが、この問題の進行状況はどんなになっておりますでございましょうか、ひとつ御説明をいただきたい。
  7. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) 郵便局小口貸し出しの件につきましては、たいへん諸先生方からも御心配をいただき、また御激励をいただきながら今日までまいったわけでございますが、御承知のように、大蔵省並びに各金融機関、あるいは農協等からいろいろと反対の御意見等も出ておりますので、実は早くから郵政大臣大蔵大臣とのお話し合いを希望しておられまして、その間の折衝を続けておりましたけれども、なかなかその機会に恵まれませんで今日に至っておりますが、実は、たしか新聞紙上にも発表されておりましたと思いますけれども、一両日中に大蔵大臣とお話し合いをするというところまで話が進んでおりますので、近いうちに大蔵大臣とのお話し合いが持たれまして、私どもといたしましては、もちろん、今国会にぜひとも提出いたしまして御審議を願い、成立させたいという希望で今日までやってまいりまして、郵政省といたしましてもあげてその線で進んでいるようなわけでございます。具体化いたしますのは、大蔵大臣郵政大臣との話し合いが済んでからのことになろうかと思いますので、ただいまの時点ではそういうところまでいっているようなわけでございます。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 会期も峠を越したようなかっこうになっております。ひとつすみやかに態度をおきめになって国会関係法案提出していただきませんと間に合いませんので、大蔵大臣との会談もあるようでございますから、ひとつぜひ促進するようにこの機会にお願いをしておきます。  それから、次にお尋ねしたいのは、日本放送協会放送センター土地取得に対する経緯について私は疑問がございますので、この際、郵政省並びに大蔵、それから国税局からも来ていただいておりますので、それぞれの皆さんからお答えをいただきたいと思います。  事件の概要は、いまさら私が申し上げるまでもございませんが、日本放送協会が、現在の旧練兵場あとですね、代々木練兵場あと放送センター建設をいたしておりますが、まだ全部が完成をしたというわけではございませんで、まだ残っておりますが、特にこのセンター建設用地をめぐりまして最初に申し上げましたような私は疑義を持っておりますので、私のほうから簡単にその概要を申し上げますので、疑問の点にひとつ答えていただきたいと思います。  放送センターは、まあ古いあれで悪いのですけれども、二万五千坪土地がございます。敷地が二万五千坪。これは、東京オリンピック等関係がありまして、早急にセンター建設する必要がありましたために、土地を二回に分けて入手しておるのですが、第一次の取得のほうはけっこうですけれども、第二次取得の分——五千八百七十七・〇九坪十三億六千三百八十七万六千六百円というこの第二次取得土地のことですが、私の調査によりますと、第二次取得のこの土地は、もともと千葉市が千葉稲毛海岸の五の一の七に埋め立てをいたしまして造成した土地でございますが、その建設業者若松築港という会社が請け負いまして工事をしたのでございますが、その若松築港に三十九年の五月十八日に現物支給ということで払い下げをいたしました。四万一千五百六十坪であります。ところがですね、この若松築港現物支給された土地が、その間日綿実業に仮登記されたような経緯もございますが、正式には朝日土地会社に六億二千三百四十万円で売却をされております。それが、若松築港現物支給を受けた三十九年五月十八日から三日をしたあとの三十九年五月二十一日に朝日土地売却をされておる。その朝日土地が、同年の三十九年十二月四日、わずか半年足らずの間に、NHKに十二億、いいですか、十二億九千七百九十一万八千八百円で売却をしておる。そうして、このNHK取得をした土地と、いま代々木の神南町二十五の四十五、ここに建っております第二次取得分の五千八百七十七・〇九坪ですね、この土地等価交換をされておるわけです。私は、この間にもちろん大蔵省として、国有地払い下げでありますから、介在をしてきたことは事実でありましょうし、それぞれ審議会等の承認も得て、手続的にはやっておるようでございますけれども、なぜ千葉市が造成をしたこの埋め立て地をこういう二つのところを通じてNHKに十二億で買わして、そうして今度は代々木のほうの国有地NHK等価交換でまた払い下げたか、こういういきさつについて非常に疑義があるわけですね。買うNHKのほうも、私はどうしてそういうことをしたのか一応聞いてはみましたが、それぞれの手続をとってやりました。しかし、これは、こういうふうなめんどうくさいですね、仲介を受けておらなければ、即代々木土地払い下げてもらって大蔵省が、必要であるならば、朝日土地NHKに売った土地をお買いになればいい。むしろ、千葉市が造成したものですから、地方自治体と国との関係ですから、もう少しスムーズにいったと思う。そういうことからして、非常に疑義がございますし、特に、六億二千三百四十万円で若松築港から朝日土地が買い上げた土地がですね、倍の十二億九千七百十三万の金で売られているということは、まことに納得できない。どうしてこういうことがやられたのか。  それから、聞くところによりますと、この十二億九千七百九十一万八千八百円でNHKが買った土地代金は、朝日土地収入台帳の中には十億しか入ってないということなんですね。約三億の金がどこへいったかわからないという、そういうことになっているように聞いています。それは国税庁のほうでは調べられておると思いますから、説明をしていただきたいと思います。  ですから、まず、NHK予算郵政大臣意見書をつけて国会に提案することになっておりますから、こういうふうなややこしい手続を経てNKHがこれと等価交換しなければならなかったいきさつはどうなのか、これを郵政省から聞きたいし、それから大蔵省としては、同様に、どうしてこういうふうなことをしなければならないのか。そして、聞くところによると、この十二億九千七百九十一万八千八百円で等価交換をした稲毛土地には公務員住宅を建てられているとかというふうに聞くのですがね、大蔵省がそういう公務員住宅を建てることは私は賛成です。なぜ直接千葉市と折衝してこの埋め立て地売却できなかったか。そうすればもっと安くたくさんの土地が入ったはずでありまして、こういう不経済なことをどうしてやるのか。こういうことについて、私は国有財産の管理のしかたについてもいろいろ疑問を持っておりますから、そういうところをわかるように説明していただきたい。
  9. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) ただいま御質問の件につきましては、私自身あまりつまびらかに承知いたしておりませんので、後ほど電波局長が参ると存じますので、まことに恐縮でございますが、答弁はあとに、電波局長が参りましてから答弁させていただくことにお許しをいただきたいと存じます。
  10. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  11. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 速記をつけて。
  12. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) まことに不手ぎわで申しわけございませんが、ただいま電波局長至急参るように手配いたしておりますけれども大蔵省が見えておられますので、大蔵省から先に御答弁願ってよろしゅうございましょうか。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 すぐ来るのでしょう。
  14. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) はい、すぐ来るように手配いたしております。
  15. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) 御説明申し上げます。所管の局長、次長が大蔵委員会予算委員会出席しておりますので、私課長でございますが、御説明申し上げます。  いま先生の御指摘の第二次交換にかかります五千八百七十七坪につきましては、御指摘のように、三十九年の十一月二十五日開催の国有財産関東地方審議会の議を経まして稲毛土地交換しておるわけでございます。  それで、まず、どうして、こういう交換方式をとったのかという点についてでございますが、御指摘のように、国といたしましては、公務員宿舎用地を当時非常に確保——特にあの地区に確保の必要に迫られておったわけでございます。ところで、国有地新規取得につきましては、予算措置を講じて買収していくという方法ももちろんあるわけでございますが、国有地取得につきましては、国有財産法上も交換制度というものが法律上二十七条で認められておるというようなことなどもございまして、そういうことなどから予算上の制約が事実上ある現状でございます。このようなことからいたしまして、一般的に国が必要とする時期に必要とする土地予算取得するということが必ずしも円滑にまいらないという状況でございます。したがいまして、既存国有地を有効に転活用をはかっていくということを第一義的に考えて処理しておるわけでございますが、いま持っております国有地現状のままで充当してまいりますことは必ずしも適当でないという場合には、既存国有地交換財源といたしまして新たな広い土地取得していく。本件の場合約七倍の土地取得しておるわけでございますが、そういう考え方で、当時の三十八、九年ごろ土地需要が緊迫してきたころから、私どもといたしましてもできるだけそういう方向でやってまいっておる次第でございます。そういう背景から、本件もこの方法によったわけでございます。  交換制度の一般的な背景はそのようなわけでございますが、先生最初に御指摘の、登記簿上転転としておるという点でございます。私どもは、NHKとの間に交換するにあたりましては、NHK交換相手方でございます。したがいまして、NHKが所有しておられます土地であることを登記簿上確認いたしまして、その上で交換受けしておるわけでございます。御指摘のように、登記簿上からは、三十九年五月十四日付で千葉市名義で保存登記がなされてございます。そして、同日付で朝日土地に移転されております。その後、御指摘のように、六月六日付で売買によりまして日綿実業に移転いたしておりますが、九月二十八日付で錯誤により所有権抹消登記が行なわれておるわけでございます。そうして、登記簿上からは若松築港は出てございませんが、同年十二月三日に売買によって朝日土地興業株式会社からNHK所有権が移っておるということを登記簿上確認いたしまして、評価を行ない、交換いたしました次第でございます。  若松築港の件につきましては、一たん所有権が移っておるやに聞いておりますが、私どもといたしましては、登記簿上で処理しておりますので、その点登記簿上では明らかでないわけでございます。  簡単でございますが、御説明を終わります。
  16. 松本久男

    説明員松本久男君) 国税庁調査課長松本でございます。お答え申し上げます。  先ほど御指摘の、土地の取引の具体的な金額につきましては、調査内容になりますので申し上げかねますが、御指摘いただきました朝日土地という法人からは申告書提出がございまして、また調査もいたしておりまして、その課税所得を把握いたしまして、課税処理を終わっているところでございます。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 二人の方からお答えいただきましたけれども、もちろんそれでは疑問がありますから続けますが、まず国税庁のほう。申告納税の場合のNHKに対する買却額朝日土地収納額との間に約三億円の差があったということは、これは事実でしょう。あなたのほうでどうして秘密にするのか。何でもかんでも秘密秘密と言うが、例の電報のこともあるけれども、大体秘密とは一体何なのか。どうして国会に、われわれが疑問とするところを伺うのに、それが言えないんですか。現に、申告差額については更生されて、訂正さして、税額もそのとおり取っているわけでしょう。われわれNHK決算をやったんだ。そうしますと、十二億九千七百万、約十三億になっている。これは間違いない。ところが、朝日土地のほうは十億しかない。三億円の金がどっかへいっているんだ、税金をごまかすためかどうか知らないが。これは事実でしょう。どうしてそれが言えないんですか。私が指摘しているのに、言えない。
  18. 松本久男

    説明員松本久男君) 法人税法の百六十三条に、調査事務に関して知ることのできた秘密についての禁止規定がございまして、そういうことで、具体的な金額内容にわたりますので、申し上げかねますと申し上げたわけでございます。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 それは一つ公式論だな。だからして、そうすると、私が個人的に君のところへ行って聞いたら教えるのか。資料として出せないのか。じゃ、私が質問をしたことは間違っているか、間違ってないか、それでいいです。私が指摘したことはそのとおりだというんなら、そのとおりでいいですよ。何か国民として疑惑のあるものに対して、事実を知りたいわけなんだから、それを法律をあなたは引用されたから、私らの一番痛いところをついたと思うんですが、それは先生方ひとつやってくださいと、こう言うのかもしれぬけれども、何かの方法でそういう事実をわれわれが知り得るということはできないんですか。あなた方教えるということはできないんですか。
  20. 松本久男

    説明員松本久男君) 御指摘の点でございますが、私ども税法ということでいろんな仕事をやっておりまして、いまの規定税法に書いてございますので、これを守っていきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、私がいま具体的に質問をしたことに対して、間違ってはいないんだな。それはどうですか。
  22. 松本久男

    説明員松本久男君) 間違っているかどうかという御指摘でございますが、その辺の内容お答えしますことが、調査内容関連いたしまして、漏らしてはならないという規定との、守秘義務との関連が出てまいりますので、申し上げかねるわけでございます。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、きょうは予算委員会等があるもんですから、ですから大臣の御出席もいただけないんで、やや政治的にわたる面もありますから、一課長としてなかなかお答えがしにくいことはわかります。私はそれは承知しています。ただ、われわれが思うのに、いまはマスコミ時代でして、あの秘密外交電報が漏れるというようなこと——要するに、秘密そのものが存在し、国民に政治の実態というものを、行政実態を知らせないというところに問題がある。だから、法律的な問題がありますから、それは私も少し理論的に言いまする場合にはちょっと問題があると思うけれども、しかし、マスコミの発達した時代に、具体的にいろいろな雑誌とか報道に、約三億のあなた方が税制上の調査をした、ところが問題があって、具体的にそれが取りざたされているじゃないですか。そういうことは一体どこから漏れたのですか。あなた方は秘密を漏らしたら、その者を処分するのですか。それで、国会に来れば、口を緘して、法律があるといってものを言わない。そういうところに、ぼくは行政官の姿勢がうかがわれる。大体そんなことはもう常識だよ。一切これがわからない場合は別だよ。いろいろな雑誌新聞を見てごらんなさい、みんな出ている。ただ国会で論議されないだけであって、これは天下国家周知の事実なんです。否定も肯定もできない、肯定すれば調査内容にかかわるからと——そういうことじゃ、問題は前進しないですね。やっぱり不正は不正としてあなた方は税金をまた徴収しているのでしょう、追徴をしているのでしょう。だから、そういうマスコミに漏れたのは一体——漏れたというとおかしいのだが、あなた方がしゃべったのじゃないですか。だれかが言わなければ、こんなことはわかりやしない。これは一体どういうことですか。
  24. 松本久男

    説明員松本久男君) 新聞とか雑誌その他に御指摘のような記事が出ていることは私も承知しておりますけれども、どういうソースでお取りになったのかということは全然私どものほうではわかりませんので、御指摘の点については、そういう記事を承知しておるという以上に私としてはお答えできかねるわけであります。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、これはまた別の機会にでもやることにしますが、いずれにしても、朝日土地所有の四万一千五百六十坪というものを朝日売却した金と、それからNHKが買い受けた金との間に差があったことは事実だな。何ぼということは言わないとしても、そのことは間違いないですね。そうして税金面ではどのくらいの更正をしたのですか、徴収を。追徴は幾らやったのですか。
  26. 松本久男

    説明員松本久男君) 一般論として申し上げますが、そういう土地であれ、何であれ、それは片一方のほうに売却いたしまして、その間で利益が出ますれば、正確に把握をして課税するということは、当然のことでございます。そうして、その申告金額にそれが正確に反映しておりますれば、申告をそのまま認めるということになります。調査した上で、申告の上にそれが正確に反映していないということであれば、これを更正決定するということに一般的に相なるわけでございます。まあ、本件具体的内容につきましては、先ほどから申し上げましたように、守秘義務関係から申し上げかねるわけでございます。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 だから、具体的な金額については一歩おきましょう。したがって、その売却と収納した額に差があったことは事実でしょう。そして、それに対して、税法上違法であるということからして、更正決定をし、徴収をしている。これは一般論では答えられるでしょう。そういうことは間違いないわけですね。ちゃんと答えてください。
  28. 松本久男

    説明員松本久男君) 御指摘のとおりでございまして、所得が出ますれば当然課税をいたします。その所得が正確に申告されておれば、その申告をそのまま是認する。もし正確に反映してない場合更正決定するということは、一般的にすべての、土地であると何とを問わず、税法に通ずる基本原則でございます。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 要するに、役人はそういう同じことを何回もオウム返しに繰り返して言っておって、そのうち質問者がくたびれてやめちゃうだろうと、そういう魂胆があるんだな。それはいかんよ。だから同じことを何回も言ってるんだ、私は。君らはそう言っているけれども、私は具体的に朝日土地のことを聞いているんだよ。朝日土地の場合にそういう更正決定しただろう、追徴しただろうということを言っているんだ。それも答えられぬのか。額を一歩私はおいたんだぜ、おいたんだ。それも答えられないの。答えられないなら、国税長官呼んできてくれ。これは譲れないぞ。そんな、あなた、一般論、抽象論でものを言っとったら、おかしいじゃないか。
  30. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  31. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 速記をつけて。
  32. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) ただいま、放送業務課長、それから電波局長、ともにこちらへ向かっているそうでございますので、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
  33. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 大蔵省は、政府委員室は国税長官に連絡したんですか。
  34. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) 放送業務課長が参ったそうでございますので……。
  35. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 課長じゃだめですよ、局長ですよ。電波局長呼んでください。  ちょっと速記とめて。   〔速記中止
  36. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 速記起こして。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、監理局長国税庁長官が参るまで質問を留保して、そのほかの点で大蔵省のほうにお尋ねします。  さっき大蔵省から伺いましたけれども、これはまことに大蔵省の御都合主義でやったということだな。公務員の宿舎がほしいと、ところが、その代々木が1簡単に言えば、旧代々木練兵場あとではあまり環境がよくないから、どこかいい土地を見つけて、そこに公務員宿舎を建てたいんだが、土地がない、そう思っていたときに、たまたま、NHKが旧代々木練兵場あと放送センターをつくるので、そこを払い下げてほしいと、こういうことがあったので、NHKに、ひとつあなたのところは千葉市の稲毛のほうの海岸を買って、そして等価交換ならうまくいくからと、こういうふうにあなた方がアドバイスしたわけだ。私はそこに問題があると思うのです。公務員宿舎をつくることについては大賛成。もっとたくさん計画的につくってほしい。ただ、何か機械的に予算的に組む場合には非常にわずらわしいことがあるから、国有地払い下げて、それが雑収入金か何かに入ってくると、それは、等価交換というかっこうでやればいとも安直にいくと、表から予算を組んでいくといろいろ問題があるから、そういう安易な便宜主義によって建てようという、そういうところにこの一番の根源があるように私聞いたのです。そうでしょう。こんな便宜主義的なことで、しかも、私のこれから聞こうとする、千葉市から若松築港−口綿実業−朝日土地、そしてNHKと、しかも半年もたたないうちに約倍に土地の値段が上がって、そして六億のものを十二億、十三億で買っているというような、こんな国民を愚弄するような、国民財産をそういうふうにやられちゃたまらぬわけだ。こんな便宜主義はやめたらいいですよ。こういうところに疑惑を持つんだ。もっと堂々と、長期年次計画を立てて国家公務員の宿舎を建てていくと、そういう方針でなぜおやりにならないのですか。これは利権がその中にあるかないか私はわかりませんが、どうも国民から見て疑惑を持つような、そういう土地を、公共企業体であるNHKにあなたのほうがそういうあっせんをするなんということは、これはけしからぬ話だと私は思う。
  38. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) お答えを申し上げます。  いま、第二次交換にかかります五千九百坪ばかしの土地につきましては、私どもが積極的に持ち出したわけではございませんで、御承知のように、本地をNHKに処分するにつきましては、全域で二万五千坪をオリンピックに備えましてNHKに処分するということは、三十八年の一二月二十九日付の閣議で決定されておる次第でございます。  若干、具体的に申し上げますと、先生指摘の第一次交換といたしましては一万八千坪。それから残余については、これが第二次交換になろうかと思いますが、残余はオリンピック終了後譲渡すると、こういう線の閣議の決定がございまして、その方向に沿いまして事務をとり進めたわけでございます。したがいまして、この五千八百七十七坪〇九という第二次交換にかかります国有地は、そういう方向に沿って交換の渡し財産としたわけでございまして、受け財産につきましては、なるべく郊外のところを広く受けていくということから、七倍程度の土地を受けたと、かようなわけでございます。で、受け地の選定につきましても、これはNHKさんを相手にするわけでございますが、NHK土地を持っておられません。私どもといたしましては、当時の宿舎事情等を踏まえ申して、あの地区にほしいという判断がございまして、NHKさんが取得された土地交換受け財産としたわけでございます。  それから、評価の点につきましても、これは、こういう交換を私どもは専門用語では買い取り交換と申しておりますが、相手方、つまり本件につきましては、NHKが買い取りまして、相手方が買い取った土地を国の渡し財産交換しているという事案でございますが、買い取り交換事案につきましては、取り扱い上、国が評価していく。渡し財産とともに受け財産も評価していくというふうになっておりまして、国が国の所定の基準に基づきまして受け財産を評価したわけでございます。  で、この評価基準の内容を若干申し上げますと、できるだけいろんな要素を採用して、できるだけ客観的な地価というものを把握するようにつとめておるわけでございます。相続税の課税標準価格から算定した価格、あるいは固定資産税課税標準価格から算定した価格、それから近傍類地の取引価格の実例——本件の場合四例を採用してございますが、そういうものから基準を設定した価格、この三者を平均いたしました価格でございます。それから民間精通者、本件の場合、金融機関の不動産部でございますが、この民間精通者の鑑定評価意見を二社取ってございます。その平均価格と先ほどの平均価格を再平均いたします。それを、本件の坪当たり三万一千二百三十円、総計にいたしまして約十三億という評価をはじいておるわけでございます。  以上でございます。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 千葉市から若松築港日綿実業朝日土地NHKと、こういう登記が移動しておったことは、大蔵省としてはこれは知っていたわけだね、その点どうですか。
  40. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) お答え申し上げます。  買い取り交換にあたりましては、先ほどちょっと申し上げましたが、相手方、つまりNHKさんの所有であることを登記簿上確認をするわけでございますが、当然その際には、登記簿面で了知し得る範囲、つまり保存登記埋め立てにかかる保存登記でございますから、千葉市の最初保存登記が三十九年の五月十四日にあり、その後、朝日土地から日綿実業——これは取り消しになってございますが、日綿実業、それからNHKに移っておる、こういう移転経緯は了知しておりました。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 その際、これは非常にむずかしい点かとも思いますけれども、登記所で調べればこれはすぐわかることなんですけれども取得金額、坪単価、こういったものは御調査になっておりましたですか、そのときに。
  42. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) お答え申し上げます。  いまの御質問の点は、本件交換の相手方であるNHKの前所有者、つまり朝日土地取得価格を承知していたかという御質問であろうかと存じますが、私どもの取り扱いといたしましては、通常、買い取り交換の場合は、そこまで把握しないのが通常の扱いでございまして、本件の場合にも、NHK財産を評価するということは、先ほど申し上げたとおり、いたしておりますが、その前所有者である朝日土地取得価格、朝日土地が幾らで取得されたかというところまでは通常把握いたしません。本件の場合も、その点につきましては了知していなかったものと考えます。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 そこにやっぱり問題が私はあると思いますね。そもそも、この二次取得については、おそらく、関東財務局は国有財産関東地方審議会というものを持たれて、そこでいろいろと、この土地については因果関係はないと、あるいは抵当に入っておって、土地取得したけれど、非常に問題がある——これは先般、何といいますか、何か夢の、天国の理想の土地だといって、富士の裾野の土地を売りつける土建屋さんが出てまいりましてね、それで私はこれを取り上げたことがあるのですが、聞いてみると、最初、海外から引き揚げた方々が生活に困っておるから、国有地を、炭を焼いたりまきを切ったりするというので、生計を立てるために払い下げたのですね。ところが、その薪炭組合がある会社土地を売り払った。その会社はまたもう一つ会社に売り払って、そうして今度は三番目の土地会社が富士の裾野の夢の天国といってその土地を売り出したわけですね。善良な市民はそれを全部買った。ところが、いよいよ買ってみたら、そこは建設法上の危険地区になっているのですね。砂防をしなければならぬ地区になっている。これをかりに売っても、それをまた買い戻さなきゃならない。こういうことがありまして、私は、かなりこれは農林大臣建設大臣とやり合ったのですけれども、どうも通例、皆さんは、朝日土地取得したことは事実だけれども、その前にどういうふうな経過があったのか、あるいはその取得価格が幾らであったのか——これはもうそもそも地方自治体である千葉市が造成したところですからね、埋め立てをして、ですから、そういうやはりもう少し根源にさかのぼって国有財産審議会というものが調べてもらわなきゃいかぬと思うのですよ。そうして、あなた方がこの審議会の承認に基づいてNHKに対して千葉市の稲毛海岸に所在の土地交換をするようにという指示をしたのですから、NHKに対して。その指示によってNHKは契約をしたわけです。これは事実です。だから、あくまでもあなたのほうが能動的にこの土地代々木交換しなさいという態度でやったことは、これは間違いないわけですね。ですから、もう少し、これは国有財産でございますから、私が質問する場合に、通例ですからそこまで調べませんでしたというようなことでなくて、もっとさかのぼってやってもらわないと、みすみす六億円も半年もたたないうちに損をしてNHKは買っているじゃないですか。これは、NHKというのは、われわれの受信料によってまかなっている企業体ですからね。いいですか、その視聴者から見ると、えらい不満が出てくるのは、これはあたりまえなんです。国有財産関東地方審議会が、この稲毛土地については承認をして、そうして取得するようにという指示をしたのじゃないですか、交換をするようにということを。そうであれば、もう少しその辺が大蔵省としてもよくわかっていなきゃならぬと思うから私は伺っているのです。そういう通例の場合、これはいけないです、そういうやり方は。ちゃんと事実関係を調べて確かに評価して、あなたが言うように、当時の評価で、どこかの会社に頼んで、一社、二社から坪何ぼだという評価をいただいて買いましたと、だから坪単価は間違いありません、適正ですと、こうおっしゃるけれども、現にわれわれのように事実を知っておる者からすれば、半年の間に倍にもふくれ上がってきている。そういう不当利得をする人がおっていいのかどうか。また、しかも、売り渡した金を三億円もごまかして税制上のうまい汁を吸おうなんていう、そういう不心得者があっていいですか。これは国有財産にまつわる一つの問題点として出てきているんです。あなた方はお役人で神さまのように考えているけれども、相手はそうではないんだ。だから、国民がそういう疑惑を持っているわけだから、せめてわれわれの疑問にこたえるようなことを平素やっておかなければいけないと思うんですよ。これは、あなた課長で、ちょっと多少政治的にからむから答弁がしにくいかもしらぬけれども、私の言っていることは無理ないでしょう。そういうふうにもう少し内容を、実態を把握した上で国有財産を処理しなければいけませんよ。これはどうですか。
  44. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) この際政府に申し上げますが、本日の審議のみならず、当委員会における政府委員出席につきまして委員長として申し上げます。  本委員会の審議の従来の慣例は、大臣出席を得まして審議を進めることを原則としてまいりました。しかしながら、本国会の諸般の情勢もあり、これを配慮し、また本院において目下予算委員会が開会中でもあり、その事情等も十分考え、政務次官出席を得て審議を進める便宜をはかりつつあるにもかかわらず、質問者が求めておる当該主管局長あるいはまた国税庁首脳部が姿をあらわさず、行く先も明確でなく、課長をもって事務的答弁に当たらしめることは、はなはだ遺憾であります。よって、今後かかることのないように、質問者の内容に対して政府委員として責任のある答弁を行なわれるよう強く要請をいたします。政務次官の御所見を承りたい。
  45. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) 本日は、ほんとうに連絡不行き届きでございまして、いろいろと本委員会に御迷惑をおかけいたしましたことにつきまして、深くおわびを申し上げます。今後ともこのようなことのないように十分に配慮をいたしましてまいりたいと思いますので、よろしくどうぞ御了承を賜わりたいと思います。
  46. 鈴木強

    鈴木強君 いまの私の質疑に対して、意見も入っていますけれども、あなたどう思いますか、大蔵省
  47. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) 買い取り交換の場合において前所有者の取得価格まで把握すべきであるという御意見でございますが、先ほど申し上げましたように、従前そのような扱いになっておりませんが、この点につきましては、十分上司にも報告いたしまして、今後の研究課題として検討していきたいと、かように思います。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 こういうことは、もう国務大臣も何回か私たちの意見に対してはもっともだと言っているんですよ。だから、制度上もしそういうことができないことになっておれば制度を変えるし、制度上はできるとすればもっと徹底した調査もして、少なくとも国有財産取得あるいは買却になるわけですから、そういう点は制度上を含めて検討するということになっているんですよね。さっき私が取り上げました静岡県の富士郡の国有財産払い下げの問題のときにも、国務大臣はそういう回答を私にしてくれているんですよ。あなたが上司に報告するということですから、まあ一課長としてそういう答弁しかできないことも私わかります。だけれども、やはりあなた方が、局長とかあるいは大臣よりも、むしろ当事者である皆さんが実務をやっているわけでしょう。あなた方がやってみて、実際にこういう相手によりましては税金をごまかす手段を平気でやり、また転売、転売ということに名をかりて不当の利得をしているというような、そういうのがあるわけだ。私はきょうも午後質問したいと思いますが、汚職が起こり、そうして善良な国民をだまくらかすような誇大広告をして、そうして迷惑をしているのは国民なんです。しかも、国有財産をあなた方は等価交換でやるわけですから、もう少し慎重にこういう場合には扱ってほしいということが国民の声ですよ。しかも、その動機が、どうも公務員住宅がほしいが適当な土地がない、たまたまNHKがほしいと言っているからそこを買わして、そうして等価交換すれば一応合法的であるし、いろいろ言われてもまあ法律的につじつまが合うことだから、それでいこうじゃないかということにしたと思うんです。閣議もそういうことで私はやったと思うが、そういう安易なものの考え方がいけないと言うんです。国家公務員の宿舎をつくるなら、十カ年計画なら十カ年計画をお持ちになって、そうして年々歳々、これは何としても公務員の待遇改善の一助としてぜひやってほしい。それを予算に出すと何だかんだでやられるものだから、そういう等価交換によって取得することが一番楽で、そのためにNHKにそういうところを買わせて、六億も朝日土地から高いものを、もうけられて、それも三年、五年たったというならわかりますよ、わずか半年しかたっていないんです。三十九年五月二十一日に朝日土地が買ったのだから、そうして同年十二月四日にNHKが買い受けたのです。だから半年しかたっていない。そういうふうに約倍に金がはね上がっているということは、だれが見てもおかしいと思うでしょう。おかしいと思わない人はいないと思う。そういう国民に疑惑を与えるようなことはわかるんです。だから、私はひとつ、国有財産関東地方審議会がこの稲毛土地交換しなさいという指示をしているわけですから、そのときの審議会でどういうふうなことでこれをきめたのか、これをひとつ資料として出してください。いま関東財務局長を呼ぶといっても時間がかかるので、資料として出してください。だから、あなたも実務者として、もっともな意見だとすれば大いに傾聴して、むしろ局長大臣にもそういうことを具申して、国民国有財産を完璧に管理していく、こういう態度こそ、私はりっぱな課長であり、将来を嘱望される幹部にならなければいかぬ、こう思うわけです。少し説教がましくなって恐縮ですが、もう一回だけあなたの所見を聞かせてください。
  49. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) 先生指摘の、三十九年十一月関東地方審議会の議事内容につきましては、後刻御提出申し上げ、御説明申し上げたいと思います。  なお、御指摘の点につきましては、勉強してまいりたいと、かように思っております。現在の、従前の取り扱いにのっとってやったということを御了解願いたいと思います。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 だから、私が最初に申し上げているように、非常に知能的な計算をしてこれをやっているんですよ。あなた方の目的を達成するために、どこでどうなっても法律的には違法性がないということで、ちゃんと、おぜん立てをしてやっておる。ただし、われわれは、違法性がなくても、どうもやり方がまずいということであればそれを追及し、そのことが将来への法律改正なり制度の改正につながらなければならないと思う。そういう意味で取り上げたわけです。ですから、いまの課長としての二度目の、後者の回答ははっきりしないけれども、私の意見も間違っているとは思っておられないようだから、ぜひあなたはそういうことを積極的にやってもらいたいと思う。  それから、第一次取得の分で、麻布の竜土町にあるNHK土地交換したというのがございますでしょう。
  51. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) はい。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 これはいま何に使っているんですか、竜土町のあとは。
  53. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) いま御質問の点は、第一次交換の中で大部分が売り払いでございますが、三千二百九坪七一につきましては交換しておりまして、これが先ほどの二万五千坪の内訳としての国の渡し財産でございます。で、御質問の、受け地は何に使っておるか、受け地は港区麻布新竜土町の六千五百七坪八二でございまして、これは通称青山公園に使用しておりまして、公園緑地としていま使っておるわけでございます。六千五百七坪八二でございます。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、青山公園はいわゆる等価交換をした六千五百七坪八二と全く同じ坪数になっておるのですか。多少そこに国有地か何かあって、合わせて公園にしているというようなことはないんですか。
  55. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) 地図などでお示しするとよくおわかりいただけるかと思うんでございますが、二万五千坪は、ほぼ正方形といいますか、若干長方形の横に長い二万五千坪でございます。で、東の第一次交換の売り払いは一万五千九百十三坪でございますが、二万五千のうち一万五千九百十三坪二〇につきましては、東部分でございますが、売り払ったわけでございます。これが三十八年四月十三日。それと同日付でもちまして、それの西隣接部分の三千二百九坪を交換、つまり四月十三日付の処分は売り払いと交換が抱き合わせ処分でございます。で、一方五千九百十三坪は坪当たり約十八万円で処分いたしました。そして三千二百九坪七一は、先ほどの竜土町の土地六千五百七坪と交換しておるわけでございまして、これがいわゆる第一次処分でございます。  それから第二次処分は、本件冒頭問題になりました五千八百七十七坪でございまして、これは西端の部分でございます。これが第二次交換でございまして、三十九年十二月二十八日、これを稲毛土地交換したわけでございます。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 いまのあなたが手まねでやったのはちょっとよくはわかりませんから、後ほどでいいですから資料として地図をつけて出していただけますね。
  57. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) はい。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、最終的に交換大蔵省が認可をしているんですが、四十年三月四日、田中角榮大蔵大臣の手によって認可されている、これも間違いないですな。
  59. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) いまの御質問は、決裁文書のことでございますか。
  60. 鈴木強

    鈴木強君 そうだ、第二次のほうの決裁。
  61. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) その点、帰りまして確認、調査いたしまして御返事を申し上げたいと思います。よろしゅうございますか。
  62. 鈴木強

    鈴木強君 だから質問することも打ち合わせしておったわけだから、委員長おっしゃるように、皆さんは国会というものをどういうふうにお考えかわかりません。私は軽視しているとは思いませんけれども質問一つ一つにやはりもっと周到な配慮をしてほしい。皆さん質問の前に聞きに乗るから、ある程度必要なことは申し上げますよ。これは通告でもしておかなかったらどうなるの。もう少し勉強されて、どういう角度から言われてもお答えできるような、少し勉強してくれませんかね。忙しいでしょうね、いろいろと。忙しいでしょうけれども国会にたまにしか来ないんだから、あなたも当該の課長としてその程度のことは勉強してほしかったですね。あとで、わからないならしかたがないですから、いたしかたがないですから、調べてほしいと思います。たしか私の資料では四十年の三月四日、当時は田中角榮氏が大蔵大臣であったように思うのです。その点もひとつあとで教えてください。  それじゃ、監理局長国税庁長官が来ましたからね、監理局長大臣とお打ち合わせで私の趣旨がおわかりだと思いますね。時間の関係で、私一時間ということですからね。もう公明党の黒柳先生もおいでになっておりますし、時間がなくなりましたので、もう一回繰り返しませんけれども、問題点をひとつあなたからお答え願えますか。
  63. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 速記をとめて。   〔速記中止
  64. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 速記を始めて。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 この問題は、私は逓信委員会のNHK決算の際に取り上げまして、協会側からは十分質疑をいたしまして意見を聞いております。それで、その節、あらためて本件決算委員会に場を移るものである、したがって逓信の機会にこれは大蔵当局にも私は質問しますということを、明確に逓信委員会の席上申し上げてあるわけです。ですから、きょう私が放送センター土地取得について質問するということは知っているはずですから、政務次官大臣にかわっておいでになっているのですから、担当の局長出席をして私の質疑に対して答えることは当然のことではなかったでしょうか。ですから、先刻来委員長は、どこへおいでになったかということを聞きましたけれども、どうもどこに行っているかわからぬというようなことですから、たいへん委員長もお怒りになりましたけれども、当然ですよ、これは。もう少しね、国会がきょうあることも知っているし、事前にそういう話もあったわけですから、委員会の運営計画というのはよく頭の中に入れておいてください。あなたは政府委員でしょう。そうでないと、またよけいな時間をとらせ、いやなことも言わなければならないし、もう少し姿勢を正して、委員長の御趣旨を体してやってください。
  66. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) たいへん申しわけございませんでした。  放送センター建設工事につきましては、私ども土地取得、これは昭和三十八年、三十九年、四十年と三年にわたりまして、NHKが総計四十九億五千百万円という金額取得したということは、報告を受けておりますし、その点については了承しているわけでございますが、その手続がどうであったか、それに至るまでの詳細につきましては、申しわけございませんけれども、私どもとしては承知しなかった、そういう状態でございます。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 それはまことに私にとったら心外であることですね。皆さんとしたら職務怠慢だと私は思います。なぜならば、少なくともNHK予算決算というものは国会の承認を得ることになっております。これに対して、郵政大臣はそれなりの御意見もつけて国会へ出されております。ですから、NHKが旧代々木練兵場あと放送センターをつくろうとする際、当然、NHKはもちろん放送法上の公益法人でありますし、予算の編成については独自性を持ってやっていただいておりますが、こういうややこしい土地取得については、ときには郵政大臣も閣僚の一人として、あるいは国務大臣として、閣議決定もなされておるわけですから、そのときに、一体千葉稲毛土地がどうなのか、これこれの分はとりあえず交換分合で交換しましょう、売りましょう、いまもいろいろ質疑やったのですけれども、時間の関係で詳しい数字まで私申し上げませんけれども、第一次の場合には、三千二百九坪は、これは新竜土町の土地NHK土地等価交換した。あと一万五千九百十三・二十坪というのは買収しておるのですね。そういう第一次、第二次に分けられて取得、することについても、閣議がこれをきめているわけですよ。ですから、そういう際に、こんなややっこしい買い方をどうしてしなければならぬかということについても、絶えず関心を持って土地取得についてはおられたはずだと思いますから、当然、決算で次年度の予算が出る場合、そういうことについてもう少し行政の立場から意見を述べるときは述べていただきたかったと思うのです。全然関知しなくてNHKにまかしちゃったというのは、少し無責任ではないでしょうか。いかがですか。
  68. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 私どもまあ、NHKの監督というものを法令に基づてやっているわけでございますが、しかし、NHKの性格ということからしまして、できるだけその自主性というものを尊重しているわけでございまして、そういう立場から、実はあまりこまかい点まで私どもとしては従来せんさくしてないというのが実情でございます。しかし、先生のおっしゃることも十分理解できるわけでございますので、こういった点につきましても今後さらに検討いたしたいと、そういうふうに考えます。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、局長がそうおっしゃるから、私も今後注意していただきたいと思いますが、まあ往々にして等価交換とかあるいは宅地造成した土地というのは、いろいろないわく因縁がありまして、委員長もその点を言うのです。あなたがさっきから来ていただけば、問題点をちゃんと頭の中に入れていただいて、その上で私の質問を聞いてもらえば、こんなややっこしいことであったかということに気がつき、そうであればもう少しこれは何とか郵政省としてもくふうしなければならぬということがよくわかると思うのです。そういうことが、結論だけですから、あなたの頭の中に私の切実な意見というものが入っておらぬように思う。まあ国税庁長官も参りましたが、売った金と買い取った金の、買い取った金が売ったほうの帳簿には三億円もごまかされておるとか、それから六億円で売ったものが半年でもって十二億になっているとか、そういう中に入って利権をむさぼる人たちが必ずこういうのにつきまとう。だから、等価交換とか、こういうところはよっぽど注意しなければいかぬと思う。この点は、国有財産の管理あるいは等価交換に対する政府の方針というものがいろいろと不備な点があるから、これは今後直していただくように、いまも担当課長にもおねがいしたわけですが、ですから、そういう意味において、もう少し親切に、これらの問題は、NHKまかせでなくて、政府の閣議が一応決定してこの土地買収については乗り出しているわけですから、もともとが。そういう意味においては、少し手抜かりがなかったか、こういう意味で職務怠慢ではなかったかと言っているのですよ。ですから、もっと反省して、今後こういうことがないようにしていただかなければ困るわけです。大臣によく伝えてください。どうですか。
  70. 藤木栄

    政府委員(藤木栄君) 大臣にもよく十分に御連絡申し上げます。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 それから、国税庁長官、どうもあなたの部下が私の質問によう答え切れぬ、多少政治的な点がありますからね。それで、問題はお聞きいただきましたか。聞いていただいておれば、もう繰り返しません。あなたからお答えをいただきたいと思います。
  72. 吉國二郎

    政府委員吉國二郎君) ただいま御質問のございました点でございますが、課長のほうから答弁申し上げましたとおり、実は私ども守秘義務というものに縛られておりまして、十分なお答えができない点は、申しわけないと思いますけれども、私から申し上げたいと思いますのは、一つ更正処分をやったかということ、あるいは加算税をかけたかというようなこともある意味ではやはり納税者の内容に立ち入る問題でございますので、私として申し上げたいことは、この表示に対しては、申告並びに調査の段階を通じてここに御指摘のあった価格は課税書類の上に確実にあらわれておるというふうに申し上げたいと思うのです。それでお察しいただけると思いますので、そのようにお答え申し上げます。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 それで、税法上のたてまえもあって、課長がおっしゃることも私はよくわかるのです。ですから、多少政治的にわたるのでちょっと無理だと思いましたから、あなたにおいでいただいたのですが、いまあなたのお答えで、具体的に数字をあげて、おたくで調査されております。しかも、報道面では、雑誌新聞あらゆるところに事実が載っているわけです。国会で聞けば、それを答えないというのはおかしいじゃないか。税法上のこともあります、こういうことで、私のほうでも税法言われると弱い点もある。それは、将来そんなもの秘密にしなくたっていい、悪いことしたやつはどんどん表面に出して、国民の前にさらけ出さなければだめですよ。そんなことしてかばっているから、秘密にしてと言っているから、悪いやつがだんだんとはびこってくる。だから私は、・そういう意味では、われわれも責任持って今後制度もメスを入れなければならぬと思いますけれども、問題は、あなたがおっしゃるような抽象論で、もし差があれば、調査した結果差があれば、それに対して更正課税しますということで、これに対してはどうかと言うと、逃げておったわけです、課長は。実は私は具体的な数字をあげてやっておるし、こういうふうに公になっておるのだから、これは一体どこから出たのだと、あなた方のどこかから出なければこんなことが外に出るはずはない。秘密というのは一体何か。きょうも外交上の秘密電報のこともありましたけれども、多過ぎるよ秘密が、何でも秘密だ。あなたのほうはどのくらいの秘密か知らぬが、何でも秘密国民には知らせないという。それで、秘密を何かすれば、すぐけしからぬと、こういうふうなやり方をとっている。私にとっては納得できない。だから、制度上、法上そういうことがあれば、この点もわかるので、抽象的でなくて、もっと具体的にそういうことをやったかやらないか、課税したかどうか、追徴したかしないかくらいのことを答えられるかと言うと、答えられないと言うから、それはけしからぬと言って問題になっている。あなたの答えで追徴したこと間違いなく証明されたわけですから、内容は私の言ったこと否定せぬのだから、これも間違いない、私は自信を持ってきょうは受けとめておきます。  それで、時間ありませんから、大蔵大臣も来ていらっしゃいませんのですけれども国有財産の今後の取得売却については、さっきから何回も私が申し上げておりますように、中間にいろいろな会社が介在して不当利得をしております。やはり悪徳業者といいますか、そういう人たちがはびこっておる。だからして、もう少し制度上改めるべきものは改めて、国民の前に、国民財産を処分する場合、どこで聞かれても明確に答えられるような形にしておいていただきたい、こういうことを申し上げるわけですが、これはひとつ大臣にも伝えていただいて、やってもらいたいと思います。
  74. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) お答え申し上げます。  本件のような買い取り交換におきまする前所有者の取得価格についての御論議が主として問題になったわけであります。この点につきましては、局長はじめ大臣にもよくお伝えいたしまして、先生指摘のとおり、所管課長としても勉強してまいりたい、かように思っております。御了承お願いいたします。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 私は、関東地方財務審議会の資料をいただいておりますし、麻布の土地の資料もいただいておりますが、まだ私は完全に氷解できない。ですから、資料いただいた上で、もう一度この問題について質疑をすることをひとつ留保していただきたい、委員長、了承していただきたい。
  76. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 承知しました。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 きょうは、委員長、政府側の出席が悪くて質疑ができませんでした、ただ一つしかできません。まだ私はたくさんこういうふうに準備して来たのですけれども、これはひとつ次回に譲ることにいたします。午前中の質疑はこれで終わります。
  78. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 私からもなお大蔵省当局に申し上げますが、電波監理局長もお見えになり、国税庁長官もおくればせにおいでになりました。大蔵省だけは政府委員出席していない。あなたが最後まで勉強するの一点ばかりの答弁をなさっているわけでありますが、質問者はそれに満足いたしておりません。当委員会としても、こういう重要な問題を、あなたの勉強という答弁で了承するわけにはまいりません。この次の機会には必ず責任のある方が出られるように、特にこの場の空気をよく伝えておいてもらいたい、お願いします。
  79. 柴田耕一

    説明員柴田耕一君) よくわかりました。
  80. 黒柳明

    ○黒柳明君 私は、きょう、簡易保険の募金の問題につきまして、若干公益法人のこととからんでおりますが、むしろ郵政省行政姿勢を、その不備を問題にしたいと、こう思っております。言うまでもなく、簡易保険は大衆的な、非常に庶民的な制度でありまして、もうすでに局長さんのほうには事前にこの問題を指摘し、御調査をいただいておるはずでありますから、私は指摘したいのは、全国で二万五千あるいは六千ともいわれているこの簡易保険の応募人——募金人、この人が、財団法人の簡易保険加入者協会、ここでつくっております災害見舞いの共済制度の募金も兼ねあわせてやっていると、こういう事実であります。二万五千、六千の人たちがすべてやっていると、私はそう断定はしたくないです。相当多くの人が兼ねあわせてやっているわけであります。当然、時間内におけるこういう兼業は、公務員法によって規制されているわけであります。こういうことは公務員法違反の事実でもあるんではなかろうかと、こういう観点から私はきょうの質問を始めていきたいと思うんです。まず初めに、この簡易保険の募金人が、財団法人の簡易保険加入者協会、ここでつくっております災害見舞い制度、こういう共済制度の募金もあわせて行ない、しかも当然報酬のお金までももらっていると、募金の額によって一〇%リベートが返る、こうなっています。こういう事実につきましてどのように認識しておられるか、この点からまずお答えいただきたいと思います。
  81. 野田誠二郎

    政府委員野田誠二郎君) ただいま黒柳先生から御指摘をいただきました加入者協会、これは郵政大臣の監督下にあります公益法人でありますが、簡易保険加入者協会という公益法人が、簡易保険の加入者の相互扶助といいますか、こういう観点から見舞い制度というのを設けまして、これに簡易保険の加入者から寄金をつのるという制度、その寄金を集めまして、一定の災害等にあわれた場合にお見舞いを贈呈するということを行なっておるのであります。これに関しまして、ただいま黒柳先生から御指摘のように、郵便局の職員が、これは決して、当局といいますか、簡易保険当局なり、あるいは郵便局長、あるいはその上司から命令という形でなくて、簡易保険の勧奨なりあるいは契約の保全等に有益であるという判断に、当該募集をする人たち、あるいは保険の事業に従事する人たちが意識をいたしまして、そういう仕事に関与する、こういうことになっておるのが実態でございます。ただいま先生が御指摘ありましたように、まあわれわれはそういう点を見のがしておったのでありますが、国家公務員法上から見ましてまことに不適切であると、御指摘のとおり、かように考えるわけであります。したがいまして、今後はさようなことのないように、下部を厳重に戒めることといたしまして、早急に指導を進め改善をしてまいる、このように考えております。
  82. 黒柳明

    ○黒柳明君 これにつきまして、当然国家公務員法百四条の規定においてもこれは違反している事実である。いま、あくまでも当局がこういう指示をしたのではない、私もそうであってほしいと思いますけれども、私が調べました保険加入者協会、この実態、それからどのように募金が行なわれているかという実態、これと照らし合わせてみますと、必ずしも自発的にこういう基金募集が行なわれているのかどうかということが非常に疑わしい。一言で言うならば、まあ悪いことばかわかりませんが、郵政省ぐるみでこういう組織をつくっているような疑いが非常に強い。なぜそういう疑いを強くするかというと、これから指摘する数点の事実であります。  まず第一点は、この保険加入者協会、この役員ですけれども、これはもう御承知のように、いただいた資料、理事長が元の簡易保険局長の白根さん、現在の給料が二十五万です。退職当時の給料を若干上回っているような額です。そのあとの専務理事が元の松山郵政局長、理事が東京地方簡易保険局長、いずれも十九万、十五万。役員七名のうち一人を除いて、すべてが元の郵政省局長です、役員七名とも。さらに、役員以外、理事から以下の職員、その中に元課長補佐以上が三十二名、しかも全職員百六十一名のうちほとんどが郵政のOB、しかも中央の保険加入者協会の事務所は郵政省の飯倉分室内にあります。全国十に分かれておりますが、その十の統轄本部。北海道地域、東北地域、関東地域、すべて各地方郵政局の中にその事務所を置いている。こういう人的構成。さらに、現在事務所がどこにあるかという、こういうこと。事務所がありましても、当然この賃貸料を払っていれば、これは文句ない事実でありますけれども、まず人的構成、しかもその統轄本部長以下支部長が、いま申し上げたように、全部元郵政のOB、職員百六十  一名がほとんどOBですから、その長にいるのが全部OBである、こういうことです。さらに出版物、こういう「展望」という出版物を出しているわけでありますが、これが月刊で八千六百部、本省の買上げが毎月四千四百、そのほかの四千二百はすべて各地方の郵政局で全部買い上げている。単価八十四円九十銭で買い上げている。しかも、その執筆者というものは、ここに書いてあるように、郵政局の各課、各係が原稿を出して執筆している。ここらあたりも、従来から指摘している、原稿のアルバイト料、悪いことばかもわかりませんが、かせぎということもあるんではなかろうかという——従来指摘されているんで、そこまでは今回調べませんでした。しかも、これ一つだけじゃありません。「展望」だけじゃありません。そのほかの出版物、要するに、郵政内でつくって、各郵政局で買い上げている、こういうシステムはいままでのシステムと何ら変わりがないわけであります。まあこういう人的構成、あるいはその事務所の所在地ないし出版物の発行のしかた、その買い上げ方、さらにはこの協会の四十五年の収支の状況は、出版の事業収益が一千九百九十万、それからいわゆる共済制度による収入が四億七千七百万、相当加入者があるわけです。そのほかは何もやってない、こういう性格の協会です。ですから、この出版事業の一千九百万というのは、これはあくまでも郵政内のものであります。郵政内でつくり、協会というものをルートにして郵政で買い上げ、地方郵政局にまた買い上げさせる。さらに、四億七千の寄金の収入ということがこの協会の唯一の資金源であると、こういうこと、まあいろいろさらに問題点は指摘したいと思いますけれども、こういう仕組みはすべて郵政ぐるみ1先ほど冒頭に申しましたように、郵政ぐるみでこういう寄金の募集をやり、そしてこういう組織をつくったんではなかろうかという疑惑を非常に強くするような仕組みなわけであります。まあ、いま局長さんが指摘されましたように、こういうことはうまくない、こういうことであるならば、今後これに対しての当然改善策というものの手が打たれなければならない、こう思うんですけれども、まあ当面これについてどのような改善策の手を打たれる予定なのか、その点どう考えておられるのか、ひとつ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  83. 野田誠二郎

    政府委員野田誠二郎君) 年度も変わりまして、いま御指摘のような事実もわれわれはっきりいたしましたので、緊急に地方郵政局の責任者を招集いたしまして会議を催し、われわれが考えております改善策を示達をし、厳重にそれを守らせ、その指導の徹底をはかってまいりたい、かように考えております。  その内容につきましては、これは部内に対する指導でございまして、第一点といたしまして、勤務時間内に災害見舞い——いま申し上げました寄金の制度でございますが、これの寄金募集に携わることは、御指摘のように、国家公務員法上職務専念義務に違反することになりますので、これを厳に戒めるという点で第一点。  第二点は、この制度自体が、あるいは加入者協会の行なっております事業が、簡易保険の発展に寄与する、あるいは言うところの外郭団体として加入者の利益をはかる、あるいは、相互扶助というようなことを目的にいたしておりますので、勤務時間外に寄金の募集なりあるいは事務処理等を職員が行なう場合におきましては、成規の手続を踏みまして兼業の許可なり届け出をさせるというふうに、いずれにしましても公務員法で定められました成規の手続によって処理をしていきたい、このような措置を徹底をいたしたいということを考えております。  次に、加入者協会に対する指導でございますが、郵政関係におんぶをするというかっこうでなく、今後におきましては、簡易保険の加入者の会というのが、先ほどお話しのありました全国で千六百近くの会がございまして、この代表者の数も二万をこえる数になっておりますが、これらの簡易保険加入者の会の代表者、それから、毎月保険料の集金をいたしておりますが、保険料の払い込み団体の代表者及びこの払い込み団体の集金人等を——これは全部部外の方でございますので、いま申し上げましたような方々を活用と言うとちょっとことばがおかしいのでありますが、これらの方々にお願いをいたしまして、参与——これは加入者協会の委嘱によりまして、寄金の募集及び事務処理を行なう方でありますが、この参与の制度を充実をいたしまして、協会自体の力を一そう強化をいたしまして、自立をできるだけ早い機会に実現をさせる、こういうつもで指導を強化いたしていきたい、このように考えております。
  84. 黒柳明

    ○黒柳明君 もう全面的に、私の調べた事実、誤りないと、またそれについて改善するという局長の御答弁です。私はもう了解した。あとその後の行政的な前向きの姿勢を待ちたいと思うんですが、政務次官、何かおからだが悪いところ大臣のかわりにおいでいただいて申しわけなかったんですけれども、私はむしろまだまだ指摘したい点が一ぱいあるんですけれども、もう局長さん前向きにこの点すべて非を認めて改善するということで、了解したいと思います。ただ、もう一言ぜひとも政務次官を通しまして大臣にこの点を言っていただきたい。  これは十分公的な制度としてある意味においては行なわれているわけであります。これをまず一つだけ具体的事実をあげます。これがいわゆる協会で出しております寄金の受け入れる名簿これで募金をするわけです。ところが、ここには江戸川局の公印、これは葛飾局の公印、杉並局の公印、しかもこの下にはいまおりません佐久間という判、これは元主事としていた人ですね、こういう人たちの判まで押してある。しかも、集めますと一〇%、集めた人——集めた人というのは郵政の職員、江戸川局に納め、葛飾局に納める。その人の一〇%まで引かれたというちゃんと判こまで押してある。明らかにこれは郵政の職員、いわゆる簡易保険の募金人がおのおの郵便局を窓口にして、それを郵便局がオーソライズして集めてやっている。なぜかならば、本来ならば共済制度をつくったこの協会には百六十一人の職員がいらっしゃるけれども、募金人はいないんですよ。手足になる人がいない。もちろんこの百六十一人の、全国十統括支部、そのキャップになっている人、この人はむしろ事務的に統括する役目の人です。若干の女子職員、決してこの人たちは募金人——応募人ではない。応募人というのは、この簡易保険に実際従事している郵政の職員である二万数千人の人がなっているんですね、相当の人が。それが証拠には、こういう共済制度の寄金、募金の受け入れというものがちゃんとこの郵便局の窓口で、しかも公員が押されて、しかも担当者の判まで、しかも募金人に対しての一〇%の手数料まで払われているものが、ここにちゃんと来ている。こういうようなことから、はっきりこれは公的に制度化されて——局長さんは気づかなかったとこうおっしゃっておりますけれども、されているものではなかろうかと思います。ですから、当然協会の体制も強化しなければならないという御答弁があったわけですが、協会と郵政の業務との完全な分離化をこれは当然全国的に行なっていかなければならないんではなかろうかと私思いますし、また公務員法でもこの問題は非常にうまくないんではなかろうか。そういうことをひっくるめまして、ひとつ最後に政務次官の見解をお聞きしたいと思います。
  85. 松山千惠子

    政府委員松山千恵子君) ただいま先生の、まことに実際の面でのいろいろな資料をお示しいただきまして御指摘いただきました数々の点につきまして、全部まことにごもっともなことだと存じております。  ただいま保険局長が、いままでのいきさつ、それからまた今後の前向きの検討姿勢を十分にお話し申し上げましたとおりでございまして、いま先生の御指摘のような事実が、いままで実際にあったといたしましたならば、これはほんとうに問題でございまして、やはりこの加入者協会は、見舞い制度、災害見舞いや何かにいたしましても、あくまでも加入者協会がやる仕事でございまして、それを郵便局の職員が実際にそれをやっていたということは、たいへんな間違いでございます。今後とも省内で、こういうことはあくまでも是正いたしていくための具体的ないろいろな措置を、ただいま保険局長が申しましたように、各地区の郵政局の担当者を集めまして、その面でもいろいろと検討を重ね、是正してまいることにいたしたいと存じますので、よろしく御了承を願いたいと存じます。
  86. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 他に御発言もないようですから、郵政省関係決算につきましては本日はこの程度にいたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      —————・—————    午後一時六分開会
  87. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、昭和四十四年度決算外二件を議題とし、建設省関係について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
  88. 鈴木強

    鈴木強君 最初に、中央高速自動車道の土砂崩壊事故問題に関連して若干お尋ねしたいと思います。  御承知のように、二月の十七日に、中央高速自動車道の大月——相模湖間で岩殿山というのがございますが、その付近で土砂が崩壊をするというような事故が起こっておりまして、そのために現在中央高速自動車道は三月二十一日以来全面閉鎖になっておるのであります。ちょうどシーズンを控えて、この閉鎖はかなり関係の市町村にとっては、県にとりましては影響を与えておるのでありまして、一体この地すべりはいつごろ防止できて、そして自動車道がいつ再開できるのかというところに非常に関心を持っておると思うのであります。いろいろ報道等を伺っておりますと、崩壊を続けておる岩殿山の地すべりは人工的にこれを土どめすることが非常にむずかしい、したがって自然崩壊を待ってその上で抜本的な工事を施行せざるを得ないというような、そういうふうな意見もございますし、そうなると、一体いつまでこの自然崩壊を待つのにかかるのかということも問題になりますし、人工崩壊をして、それならば早目に再開できるような工事ができないのか、そういう疑問も出てまいります。いずれにいたしましても、それらの問題を含めて、建設省、公団といたしましても、最善の努力を尽くしていただいておることは、私もよく承知しておりますが、最初にその概要ですね、事故発生以来今日までの概要と、それからこれに対する対策等を御説明いただきたいと思います。
  89. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ただいま鈴木先生の御心配いただきました岩殿山地すべりの状況につきまして、概略を申し上げます。  地すべりを発生いたしました場所は、中央高速道路の相模湖インターチェンジと大月インターチェンジの間の岩殿トンネルの西側約三百メートルの地点でございます。去る二月十七日に当公団の係官が付近の山を巡視いたしておる際に、その山の一部に亀裂があることを発見したわけでございます。それ以来直ちに必要な調査及び対策、測定等を続けてまいったわけでございますが、三月の二十一日になりまして相当大幅の地すべりを見るに至りましたので、交通の危険を考えまして、三月の二十一日の午後八時からその間の交通をとめまして、相模湖——大月間の区間を閉鎖をいたした次第でございます。その道路下に約百メートルほど離れまして民家が四戸ありましたが、それにつきましても、最悪の場合を想定いたしまして、二十二日には大月市内の旅館にかりに宿泊をしていただくようにしておるわけでございます。現在実はまだ地すべりが続いております。最近の状況を見てみますと、三月の下旬には、一番多いときには一時間に平均十三ミリ、そういう程度の地すべりがありましたが、きのうの結果と申しますか、四月の四日からきょう五日の朝の九時まで、この二十四時間の実績を測定した結果を見てみますと、少し少なくなりまして、上段のほうでは平均二・四ミリ、下段のほうでは平均一・三ミリと、やや地すべりの状況が少なくなっておるようでございます。当初ボーリング等をやりまして測定をしておりましたが、進行中のところには非常に困難及び危険が伴いますので、詳しい、実はまだ地すべりの原因あるいは見通し等については正確なデータを把握するに至っておりません。しかし、いまお話し申し上げましたように、最近少し速度がゆるんでまいりましたので、この機会に、さっそくにもさらに詳細な測定をいたしまして、まず原因と、それから今後の状況等につきまして詳細なデータを得たいと考えております。しかしながら、いずれにいたしましても、起こりました地すべりは、現地におきましては、すでに上部におきましては二メートル近い亀裂、あるいは下部のほうでは一メートル六十近い亀裂が出ておりますし、またのり面にはふくらみが出ております。これらは一刻も早く取り除きまして災害を防止する必要がございますが、やはり根本的に解決するためには、今後この地区が地すべりが起こらないように、現在すべっておりますところの上段のさらに上方に土どめのくいを打ちます。われわれ現在考えておりますのは、二メートル程度の直径のくいを——地すべりのすべり面の影響にもよりますけれども、二十メーターあるいはその前後のくいを三十本程度打って、上から落ちてくる地すべりをそこで一応とめる、そして、そこから下の現在すべっておるところの土砂を取り除く。さらに、現在すべっておるところは、さらにすべらないように、その区域の中にも土どめのくいを打つ、こういう工法をいたしまして、今後何ら地すべりの心配のないようにしていこうと思っておりますが、この工事は非常にむずかしい工事でございますし、また現在地すべりが動いておるようでございますので、できる限りの努力をいたしましてもあと数カ月は要するだろうと思って実は考えております。しかしながら、ただいまもございましたように、非常な重要な地点を通過する道路であり、また、今後夏に向かいまして、付近の一般の方々、あるいはあの地方を通行する方々、あるいは必要な貨物等の運行のためも考えまして、できる限り障害を少なくするために、幸い大月のインターのしばらく手前のところ、地すべりの起こっておる場所に県道がございますが、現在の中央道から、仮のランプをつけますとこの県道に乗り入れが可能でございますので、とりあえず臨時の出入り口を設けることをきめまして、現在工事にかかりました。これは、工事に移りまして、四月の下旬、連休までには問に合わせまして、とりあえずの交通はまず、不完全でございましょうけれども、その仮の入口を使ってお願いしたい、こう思って鋭意努力している状況でございます。
  90. 鈴木強

    鈴木強君 御苦心をいただいていることについては感謝をいたしますが、私が一番伺いたいのは、地すべりを続けている現状を人為的に、人工的に完全に防止することができるのかどうかですね。一説によると、人工的にやった場合には何十メートル程度の土砂が崩壊することになるか、まあこれはちょっと学術的に研究すればすぐわかると思いますが、そういった問題を含めまして、人工でいまのあぶない個所を全部崩壊しちゃって、それからやるのか、あるいは自然崩壊を待ってやるのか、この辺の判断はまだつきかねるのでございますか。いずれにしても、長期に閉鎖をしなきゃならぬということはもうわかるわけですけれども、たまたまあそこは四車線工事もやっていただいているわけですね、拡幅工事も。そういう関係もあったりして、人工崩壊をしてやれる見通しなのか、それとも自然崩壊を待って抜本的なことをやるのか、その辺の判断はまだつきかねるわけですが、どうですか一第一点はそこです。
  91. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 実は、先ほど申し上げましたように、現在そのボーリングの結果による詳細な測定ができておりません。でございますので、どの程度の面ですべっておるのか、どの程度の量がすべっているのか、これにつきまして明確に今後の対策を樹立するに必要な基礎資料がございませんので、いまお話しのように、早く解決するために人工でどの程度測定できるのか、あるいは自然の崩落を待つべきなのか、この点につきまして目下ボーリング調査を急いでおる状況でございまして、その結果によりまして、いまお話しのような、まずなるたけ早く解決する方法を考えたいと思っております。
  92. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。それで、その点はわかりましたが、私はこの高速自動車道を建設する際に当時の全国高速自動車道審議会の委員をしておりまして、やや山岳的な地域を通る初めての試みとしての高速自動車道については、いろいろとその審議会で意見を申し上げたことを思い出すんであります。特にあの辺は、岩殿山の辺は秩父山系に属しておりまして、大体標高六百三十六メートルくらいあると思いますが、その中腹の場所は安山岩あるいは砂岩、輝石岩等が重なり合っておるところですから、当然に地すべりを起こしやすい地形である、こういうことはもう地質学上も明確であったわけですよ。それで、二、三日前の山梨の新聞——山梨日日という新聞がありますが、その新聞にもいろいろ取り上げられておりまして、その中に、県の応用地質調査委員の田中さんという方がこういう見解を述べているんですね。「現場付近の地質は表面だけでは判断できない。少なくても六、七十メートルぐらいボーリングしたうえで岩盤、地層などを見なければならない。公団では建設のさい十分これらの調査を行なった結果、大丈夫と判断したと思うが、付近の地質がもろいことははっきりしている。現在の路線が悪い場所とは言いきれないが、これを機会に時間をかけ調査してもらいたい。多くの人が利用するだけに安全第一を願うことはいうまでもない。」、こういうふうな見解が表明されているわけですね。ですから、この中央自動車道が、あれは昭和四十四年三月変則的な二車線で供用開始をしたわけであります。当時も、この二車線では無理だということで、われわれは強い意見を出したのですが、いや当分の間は二車線でけっこうでございます、こう言って敷地だけは買収をしたのですが、変則的な二車線で開通しているというような非難をされたいわくつきの高速道ですね。私は、あれは高速自動車道ではないと思うんですよ。時速七十キロとか、制限をしておる。これはいま事故問題に関連をして裁判ざたになっていますね、これ高速自動車道であるかどうかということで。だから、そういういわく因縁つきのことでございますから、もう少し公団側として、この地層について、地質について深い勉強ができなかったのですか。特にその地域がそういう危険地層であればあるだけに、平素のパトロール体制というのはどういうふうになっていたか私わかりませんけれども新聞報道などでは、何か巡回中の方が、どなたかが火の不始末をして、山が焼けて山火事になって、上へ登ってみたらたまたま亀裂を起こしておったというような記事も載っておりますけれども、いずれにしてもパトロール体制というのは本格的にやられてないように私は思います。特に山岳地帯でございますから、地層もそういう地層だけに、平素十分な警戒をして安全対策に専念すベきではなかったんでしょうか。ちょっと話がそれましたけれども、いずれにしてもそういうふうな地層でございますから、もっと抜本的な研究というのを早目にやっておく必要があったんじゃないですか。そういうところに反省する余地はないんでございますか。
  93. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 御指摘のように、中央道の路線は非常に山岳急峻、重畳、川が多い、谷が多いところを通りますので、苦心をいたしましてつくった路線でございます。数本じゃなくて、十数本、あるいはそれ以上の企画路線をつくりまして、トンネル、あるいは橋梁、その他地質等を十分調べまして、当時ここが一番最適であるという見地から選ばれた路線でございます。もちろん、その際にも、地質を調査をするために、あるいは物理探査法なり、あるいはボーリング調査をやりまして地質を調べまして、その当時は地すべりが発生するという予想ができませんでしたので、現在の路線を決定したわけでございますが、しかし、やはり地質の関係上心配もありますので、工事につきましては一般ののり面の傾斜よりはゆるめまして工事をし、さらにまたその上にコンクリートののりワクをつくったりいたしました。しかしながら、やはり自然の力と申しますか、あるいは当時の予測におきましては予測できなかったことが起こりましたことを、非常に遺憾に存じます。今後われわれも——高速道路は非常に山間地を通る路線が多うございます、今後は一そう、現在やっております以上の調査研究をいたしまして、各地における山岳を通る道路がこのような事態を起こさないように、万全の研究と調査をいたしたいと考えております。
  94. 鈴木強

    鈴木強君 前田総裁は、建設当時、地すべりをする地層であるかないかがわからなかったというようないまお答えでありましたが、当時建設に携わった方々のお話を聞きましても、仕事中にあの地域は土砂がざらざらと落ちてきましてね、地すべりの地層であるということを十分証明しておったわけです。ですから、それは少し私は受け取りがたいあれでございますがね、たまたま、中央自動車道路の問題は、あとから私が質問をする汚職問題にも関連してくるわけです。工事に、あるいは設計上にミスないしは至らない点があったかどうかという竣工検査に対する手心を加えたか加えなかったか、これはいろいろあとからの問題で私は伺いますけれども、そういった一連のものがここに出てきた。ですから、全然あの山系が、地帯が、地すべりを起こすようなことはなかったというふうにあなたおっしゃるのですか、その点は明確にしておいてもらいたい。
  95. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) その地域につきまして、地すべりする可能性はまあなかったと。ただ、現在、地すべりしておるあの付近において、岩石が御承知のように亀裂が若干見受けられましたので、やはり普通のところよりは注意をしておくべきであるということから、先ほど申しましたように、のり面の傾斜をゆるやかにいたしまして、災害の防止、あるいはコンクリートののりワクをつくりまして、いざという場合に押えるという工法をしたわけでありますが、その工法では足りなかったということは、これは事実でございます。
  96. 鈴木強

    鈴木強君 だからね、そういうふうな特別な工法をするにはするだけの原因があったんでしょう、あの地形というものは、地層というものは。だからして、地すべりを起こしやすいような地質であったということは、学問上にもこれははっきりしておったと私は思うのです。それでなかったら、あなたそんなに特別な工法をとらなくてもよかったんじゃないですか。ですから、その辺は、もう少し当時のことも調べてみてくださいよ。それで、設計上、あるいは施工上、あるいは工事施行後の竣工検査上において、いささかの手抜かりもなかったかどうかですね。設計上のミスではないのですか。もし地層がそういう地層で、地すべり地層であるとするならば、それに対応する強固な対策を、工事を当然しなければならなかったと私思うのですね。そういう点が、あなた方が、地すべりの層でこの程度ではあると、しかしこの程度にしておけばだいじょうぶだと、こうお考えになったのだと思いますが、しかし実際には予想以上の事態が起きてきたわけだから、それには基礎調査の中にどこかに欠陥があったのでしょう。こと四年か三年の間に地層が変わってきたというなら、これ別ですよ。もし皆さんが地すべりの地層でないということをその当時はっきりおっしゃるならば、これはあなた方の地質上の不勉強です。そういうことをもっとちゃんとボーリングをして調べておれば、こういう事件が起きてももっとちゃんと防止できるだけの工事があらかじめできたのではないですか、そう私思うのです。ですから、もう少し実態調査して、いまわからなければしていただきたいし、いずれにしても、こういう事態が起きたということは、あなた方の設計上において、あるいは施工上において、実態に合わないものをやったと、何と抗弁しようとも。その点は天下にわびるべきですよ。いかがですか。
  97. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 御指摘の点につきましては、今後十分反省いたしまして、今後のことにつきましては、こういう事態の起こらないように十分な調査研究をした上で仕事をしたいと思います。ただ、自然の条件と申しますのは、当初設計あるいは施工したとき以上の変化が起こる場合もございます。そういうことを未然に本来ならば全部防止すべきでございましょうけれども、こういうふうに具体的な場合に山くずれ等がありましたことは、この点ははなはだ残念でございますが、現在の技術の力でわれわれとしましては考え得る最高度の施設、設計をすべきじゃないかと考えております。
  98. 鈴木強

    鈴木強君 私ももちろん、現在の科学の粋を集めていろいろと設計をし、施工されたにかかわらず、なおかつそれ以上の不可抗力的な要因によって崩壊が起きるということが全然ないなんてことは言わないんです。それはそういうこともあるでしょう。しかし、いずれにいたしましても、その地質の調査、研究ということを十分になさって、それに即応するだけの工事というものはやっておったと思いますけどね。だから、あなた方が予想し得なかった、当時予想し得なかった異常な変化が起こって、そのためにこうなったというんなら、これは一つの理屈として私はわかりますが、そうばっかりも言えないでしょう。ですから、もう少しあの地質の調査その他もおやりになっておく必要があったと思うし、また、いまはそれはそれとしておきますが、今後の問題としてね、もう少し——これが何十年とかたった場合は別ですけどね、まだ供用開始して三年ぐらいでしょう。だから、それはまあ三年でもそういう異常な事態が起きることも、これは私も否定いたしませんけれど、いずれにいたしましても、山岳地帯の高速自動車道については、あなたも認めてますように、今後十分配慮していただきたいと思うんです。  それで、お話によると、まだこの抜本対策を立てる前に基礎調査が必要なんですね。ボーリングをして、まあ土砂の地すべりも少し少なくなってきたから——ボーリングを二つぐらい打ち込んで中断になってますね。ですから、引き続きこの地層に対する研究をして、そして人工崩壊でいくか、あるいは自然崩壊でいくか、いずれにいたしましても、そういうことをおきめになると思います。それで、その判断をつけるのには何カ月くらいの期間が必要だといまお考えでございますか。
  99. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) いまお話しのとおり、昨今地すべりが少し緩和してまいりましたので、さっそくボーリングを始めまして、一カ月程度の調査によりまして、いまお話しの今後の工法についての考えをまとめる程度の研究ができると思います。
  100. 鈴木強

    鈴木強君 かりにあれを人工で崩壊した場合にはどの程度の土砂が崩壊をし——まあ四軒の下にある民家は移転をしていただいた、移転というか、いま旅館に一時避難をされてるようですね。ですから、かり自然崩壊して——おそらく現状を是正していくというふうなことではもうなかなかむずかしいと思いますがね。あるいは自然崩壊ということになると、これは自然にくずれるまで待たなきゃならぬですからね、一年たつか二年たつかそれはわからないんだが、そんなゆうちょうなことも言えないでしょうから、ある程度人工崩壊をしてやるというようなことになった場合、何カ月くらいたったらこれはもとに戻るんですか、復旧できるんですか、そういう計算はしてありますか。
  101. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 先ほど繰り返し申しましたように、現在すべり面の実態がわかりませんので、どの程度の分量の土砂を除くべきであるか、崩壊するかという明確なことが申し上げられませんので、明確な見込みはできませんけれども、われわれのほうで、まあ数カ月と申しますか、その程度には工事も終わらせたいと思って努力してる状況でございます。
  102. 鈴木強

    鈴木強君 皆さんのほうでは、三月二十一日に相模湖——大月問二十五キロの区間を全面閉鎖をされましたね。閉鎖をしまして、その後状況を勘案しい二十五日に至って向こう六カ月問の全面閉鎖ということをおきめになったんじゃないですか。そうだとすれば、この六カ月問の全面閉鎖というのは何を根拠としてやってるかといういまの問題に戻っていくわけですよ。これは間違いないんでしょう。
  103. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) われわれのほうでいろいろ研究しておりまして、その際に何カ月ぐらいだろうかと見通しを立てた場合に、一つの意見といたしまして、そういう六カ月ということを論ずる者もおりました。それがたまたま新聞に出ましたので、公団として正式に六カ月ということを決定はしていませんでした。
  104. 鈴木強

    鈴木強君 公団としては、現在天下に公表しているのはどういうことなんですか。正式なところを発表してください。
  105. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) われわれのほうでは、災害復旧に数カ月ということを申しておりまして、できる限り早くしたいということで努力をしているのでございまして、六カ月ということばは、その間、議論をした際出た一つの意見でございます。
  106. 鈴木強

    鈴木強君 ですから、国民から見ると迷惑千万なんですよ。いつかわからぬということだ、数カ月ということは。ですから、やはりある程度の、三カ月とか五カ月とか六カ月とかというめどを与えて、その間は全面閉鎖をするかわりに、さっきもお話があったように、岩殿山の手前において県道を利用して国道二十号線に通ずる何か臨時のインターをつくっていただけるような話ですから、そういう点やはり明確にしなければならぬのじゃないでしょうか。  それから、六カ月ということが話の中で出たというのですが、それもおそらく何かの根拠に基づいておやりになったと思いますから、もう少し明確な見通しというものを早急にお立ていただきたいと思うのです。これは一カ月間くらい現状の姿がどうなるかを基礎調査しなければならぬとおっしゃいますから、そういうことを急いでいただいて、一カ月を早目にしていただいて、できるだけ見通しというものを早目に立てるようにしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  107. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ただいま申し上げましたように、一カ月程度の基礎調査が終わった段階におきまして回復の明確な見通しを立てたいと思っております。
  108. 鈴木強

    鈴木強君 それから、この監視体制といいますか、平素におけるパトロール、こういうのは公団の方が直接おやりになっておるのでございますか、その体制はどういうふうになっておりますか、要員その他を含めまして監視体制ですね。
  109. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 地すべりを発見しましてから、その状況を把握し、通行車または近所の人人に迷惑をかけないために、公団がみずから職員を使いまして二十四時間の勤務をいたしまして監視をさしております。
  110. 鈴木強

    鈴木強君 それは地すべりが起きてからでございましょう。ですから、地すべりが起きるまではどういうパトロールをしていたのですか。
  111. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 道路公団の道路を管理するために、われわれのほうでは、パトロールと申しまして、道路の技術関係、それから交通関係、こういうものが両方で、毎日数回、道路上あるいは道路付近を巡回いたしております。で、今回の地すべりも、その巡回の途中に発見したのでございます。先ほど山火事の点でございましたが、山火事はそのずっとあとでございます。
  112. 鈴木強

    鈴木強君 何か聞くところによりますと、パトロールは、公団の職員の方が直接やるのでなくして、何かに委託をしてやっておられるというようなことを聞きましたけれども、そうではないのですか。
  113. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) パトロールと申しましてもいろいろ意味がございまして、いま申し上げましたことは公団がやっておりますが、たとえば自動車の修理、あるいは事故車の排除、こういうふうなことにつきましては民間の団体または会社に委託している場合がございますので、そういう諸君もいわゆるパトーロルと称して道路を通行している場合がございます。
  114. 鈴木強

    鈴木強君 いずれにしましても、私は、現在の監視体制というのは十分ではないようにも思います。ですから、再検討の余地があると思いますが、いまのお話のような事故自動車の排除とかいうようなことはほかの会社がおやりになっているようですね。これは私たちも世話になったことがあります。しかし、やはり専門的な知識を持った方が絶えず一日に何回か、たいへんでございますけれども、片側の斜面はどういうふうになっているか、動いているかどうかとか、異状がないかどうかということは、ある程度専門的な知識がないとうまく発見しましても処理できないこともあると思いますから、ある程度そういった専門的な人を班別に幾つか組むとか、そういうことは措置をお考えになればいいので、要員等もひとつ配置していただいて、もう少し体制を強化してもらいたい。そしてやはり事前の安全対策というものを公団のみずからの手でもう少し強化をしてもらいたいと思いますが、どうですか。
  115. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 御趣旨、まことにごもっともでございます。現在も公団の職員自身がパトロールをしておりますけれども、より一そうこれを強化いたしまして、事故の未然防止あるいは交通管理の円滑化ということにつきまして十分の措置をするつもりでございます。
  116. 鈴木強

    鈴木強君 それから、この付近の民家四戸は、人命に危険がないようにということで公団が責任を持って避難させてもらいたい、また土砂がくずれ落ちて大月の市道をこわしたような場合は公団が復旧作業をやってもらいたい、そういう費用は全額公団が持ってもらいたい、こういうふうな大月市からの公団に対する要請があると思いますが、現在四戸の方々は天野旅館という大月駅前の旅館に避難をしているのですけれども、この人たちは、この崩壊の見通しがつくまではこのまま置くようになると思いますが、そうすると、一体そういった方々の費用の問題とかということはどうなるんでございますか。この大月市のほうからの要請は、公団のほうに行っておりますか。
  117. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 民家四戸のうち二戸は、建設工事の現場の飯場でございます。これは工事業者のほうで適当に移転をいたしました。三戸につきましては、現在、いまお話しのとおり、大月市内の旅館に宿泊をお願いしておりますが、しかし、これでは非常に御不便と思いますので、目下どこか適当な仮住居をお世話したいと考えております。しかし、お聞きいたしますと、この三戸の方々は、心配もなくなったときにはやはりもとのところに戻りたいと、こう言っておられます。われわれのほうでも、危険がなくなった、心配がないという状況になりますならば、戻っていただきたいと思っております。その間における費用は、本人には御負担をしていただかないつもりで考えております。
  118. 鈴木強

    鈴木強君 市道のほうもいいですか。
  119. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 市道につきましても、そういうつもりでございます。
  120. 鈴木強

    鈴木強君 それで、まあ相模湖と大月間ということになるとたいへんな問題で、被害が非常に甚大になるんでございますが、幸い総裁のお話によりますと、五月の連休くらいまでには仮インターをつくっていただけるということですから、これはまあ非常に時宜を得た御処置だと思いまして敬意を表しますが、これについては地元の観光旅館組合とかあるいは県知事からも強い要請が総裁のほうに来ておると思います。建設省にも来ておると思いますが、お話によりますと、工事に着工したわけですか。そして、いまの場合ですと、四月の何日ごろに完成できるようになりますか、その見通しはどうですか。
  121. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 土、砂の搬入を始めました。ですからへ着工ということになっております。それから、今後の天気によりまして変わりますけれども、もちろん連休前にはぜひしたいと、四月の下旬もできる限り早くしたいと、こういうことで督励いたしております。
  122. 鈴木強

    鈴木強君 その場合一つ問題になりますのは、御承知のように、国道二十号線、大月市内がたいへんに狭隘なところでございまして、相当な混雑がいまもしておるわけですけれども、それはインターから出てきて通るか、二十号線を来て通るか、いずれにしても混雑が依然として続くわけですけれども、これにはやはり市当局なり付近の住民の方々の理解を得ておく必要があると思いますね。そういう点は落ち度はないと思いますが、そういう御配慮は十分した上で仮インターの設置ということに踏み切られたわけでございましょうか。
  123. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ごもっともな点でございまして、われわれもそれを一番心配いたしております。幸い県当局が非常に心配してくれまして、警察及び地元の方々と打ち合わせをしていただいております。そういう関係の方々、皆さん方の御了解のもとにこの工事及び交通を円滑にしたいと考えております。
  124. 鈴木強

    鈴木強君 実は、中央道が現在閉鎖されまして以来、御承知のとおり、二十号線はまさに三倍ないし四倍の交通量でたいへん混雑をいたしておりますが、いま、たまたま国道二十号線を一部拡幅工事等もしていただいておりまして、その点でかなり交通はそういう面からもさらに一そう混乱を増しているようにも思うのです。せんだっても、三月三十一日に猿橋市で大型トラックが道路沿いの民家に飛び込んで、幸い死者はなかったのですけれども、一カ月以上の重傷を負うような事件が起きておりまして、これも付近の方々は、閉鎖になって以来ものすごい通行量になりまして、その沿道の人たちは非常に危険を感ずる状態ですね。だから、この飛び込まれた家も、三十日の夜に寝る部屋だけはうしろのほうに変えて、そこへ入ってこられたというような状況もございます。ですから、できるだけ早くこの仮インターを設置していただくように特にお願いをしておきます。  それから通行料金でございますけれども、これは相模湖からずっと大月まで行きますとどうなるんでございますか、岩殿山のところに料金所をおそらくつくると思うのでございますけれども、幾ら取るようになるわけですか。
  125. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) こういう事態は実は前例がございませんので、どう扱うべきかにつきまして目下建設省、運輸省と、関係当局と協議中のところでございまして、まだどうするかきまっておりません。
  126. 鈴木強

    鈴木強君 建設省のほうでは、これについてはどういう見解ですか。
  127. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) ただいまの閉鎖されておる区間、インターチェンジとインターチェンジの区間は無料にしたいというふうに考えまして、財政当局と折衝中でございます。つまり大月インターと相模湖インターでございますが、岩殿の手前まで仮のインターをつくりますので、その区間につきましては料金を徴収しなくてもいいじゃないかという見解で大蔵省と折衝しております。
  128. 鈴木強

    鈴木強君 それは非常にけっこうですよ。そうしていただけば、皆さんも喜ぶでしょうし、率直に言って、あれだけの迷惑をかけておるわけですからね、せめてそういう程度のことは私もやってほしいと思っておりました。ですから、ぜひ大蔵当局ともひとつ談判をして、建設省の方針を実施できるように心からお願いをしておきます。  まだいろいろございますが、この点はこれで終わりまして、もう一つ、おかげさまで甲府バイパスというものが一応片道一車線でありますけれども供用開始をいたしましたが、国道二十号線の混雑があまりにもひどいものですから、とりあえず一車線で供用開始をしたんですけれども、その後、立体交差等も逐次やっていただきまして、地元は感謝しておりますが、おかげさまで立体交差の部分はほとんどでき上がりました。ところが、一つ問題なのは、甲府市の得行町というところに、県道の甲府の櫛形線と昔の山梨交通の廃軌道がございまして、その廃軌道との立体交差の地域付近の皆さんの反対がありまして、工事は完成しておりますが立体交差ができないと、こういう事件がございまして、これは弱ったものですが、何とか地元の意見を十分尊重して早く解決していただきたいと思いますが、これに対する建設省の御所見を承っておきます。
  129. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 甲府バイパスにつきましては、御指摘のように、主要地方道甲府櫛形線の立体交差と、それからその先にございます、廃止しました軌道あと、これは将来ただいまの甲府櫛形線のバイパスになる予定でございますが、この二つを立体交差いたしまして取りつけることにしたわけでございますが、その立体交差して現道におりるすぐ五十メーター先に水道道路と通称言っております道路がございまして、これは県道でも市町村道でもございませんようですが、水道道路というのに五十メーターでもってぶつかるようなかっこうになっております。したがいまして、この甲府バイパスの開通にあたりまして、交通管理を行ないます警察当局との相談の結果、水道道路は甲府バイパスを直進することをやめていただきまして、コの字型にやや迂回しまして出るようにしたらいいという結論に達しまして、そのために、側道と称します道路をつくって迂回するような方策を講じたわけでございますが、たまたまこの時点になりまして、地元から、主として昭和町と聞いておりますが、地元から、コの字型に曲がることに対しまして強い反対が出まして、ただいま調整中でございます。  いずれにいたしましても、地元の御意見を十分尊重いたしまして今後どうするかを検討中でございますが、地元の昭和町当局は一すぐ近くに中央自動車道のインターチェンジができるわけでございますけれども、そちらのほうにただいまの水道道路を新たにつくってくれというふうな御要望があるやに聞いております。これらにつきましても、県を交えまして、町当局とも相談いたしまして、何らかの処置をしなければいかぬというふうな状態でございます。まあ、われわれといたしましても、できるだけ地元の要望に沿えるように、県当局、町当局とも相談いたしまして、せっかくできました甲府バイパスでございますので、十分機能を発揮できるようにさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
  130. 鈴木強

    鈴木強君 これは、昭和町だけでなくて、竜王町というところでも反対をしているんです。それで、特に昭和町は、これから予想される西の宮線、これが通過地点になりまして、町が二つに分断されるというようなことで、多少トラブルがあるところでしてね、道路に対してはかなり敏感な住民の意識がございます。ですから、理屈は理屈としていろいろあるでしょうけれども、ぜひ十分に地元の意見がいれられるような形で一日も早く解決できるように、この上とも格段の御努力をいただきたいと思います。最後にこれだけお答えいただきたいと思います。
  131. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 御趣旨のように、県当局、昭和町、竜王町、甲府市等を含めまして、皆さんの納得のいく線で何とか措置したいというように考えております。
  132. 鈴木強

    鈴木強君 それではこの件は終わります。  次に、非常に残念でございますが、道路公団の汚職事件についてお尋ねをいたしたいと思います。  すでにもう新聞、ラジオ、テレビ等で大きく取り上げられ報道されておりますかち、いまあらためて私がこの問題の経過なり概略を申し上げる必要はないと思いますが、池上雅夫という名古屋の道路公団の支社長が、鴻池組の東京支店の工務部長である西村盛啓という人から五十万円を収賄したという疑いで、西村氏が逮捕されたと。これがきっかけになって、この道路公団の汚職事件というものが拡大の一途をたどり、警視庁の取り調べが進むにつれて、国民があ然とするような事件に発展をしてきているわけであります。  これは、道路公団というのは、純然たる官庁組織ではありませんが、本来建設省のおやりになる仕事を道路公団に委嘱をしてやっている準政府機関的な政府機関の仕事でございますから、それだけに、官庁職員の綱紀の粛正という点から見ましても、きわめて遺憾なことでございます。私は、時間がありませんから、幾つかの問題点だけを取り上げてここでお伺いしますが、まず、道路公団の総裁、あるいは建設省の道路局長として、こういう事件が発生をいたしますのには、それなりのよって来たる原因があると思うんでございますが、この発生をいたしました一番大きな原因はどこにあるとお考えでございましょうか。私は、現在司直の手によって取り調べをしてる事件でありますから、そう微に入り細をうがってここで質問をしたいとは思いませんが、事実関係について二、三明らかにしておく必要があると思いますから、あえてきょうお伺いをするわけです。まず第一番に、いまの点について、建設省なりあるいは道路公団から見解を述べてもらいたいと思います。
  133. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ただいま鈴木先生から御指摘いただきましたように、はなはだ申しわけないことでございますが、私のほうの名古屋支社長をしておりました池上雅夫が、去る二月の二十五日に警視庁の取り調べを受けまして、直ちに逮捕されております。公団の職員として、しかも重要な地位にある者がこのような容疑を受けましたことは、これは本人の不心得はもとより、私、公団の総裁といたしまして、監督する立場にある者といたしまして、まことに申しわけないことでございます。  現在まだ取り調べ最中でございまして、詳細な事情はわかっておりませんけれども、去る三月十六日に起訴されました。その容疑は、三藤開発株式会社という会社の社長から数回にわたり現金を受け取ったという容疑でございまして、ただいまお話がありました鴻池あるいはその他の者につきましては、関係の者が取り調べを受けておりますけれども、事情がまだ明確にわかっておりません。いずれにいたしましても、公団の重要な職務を担当し、しかも建設業者関係の深い地位にある者がこういうことをしましたことは、非常に申しわけないことでございまして、われわれといたしましては、何と申しましても、職員の綱紀の粛正が大事でございます。厳正なる態度を持しまして公正な職務を執行するという心がまえが根本でございます。この点につきましては、いままでの届かなかった点につきましては十分反省いたすとともに、今後は絶対かかる不祥事件の起こらないように、十分、私を含めまして、全職員一致いたしまして、今後の不祥事故絶無を誓い合った次第でございます。
  134. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 御指摘の池上雅夫名古屋支社長の事件につきましては、おそらく建設省並びに建設省関係します公団、公庫始まって以来の事件でございまして、われわれといたしましても深く反省しつつある次第でございます。どこに原因があったかにつきましては、事件の詳細をわれわれはまだつまびらかにしておりませんので、何とも申し上げることができないわけでございますけれども、やはりそういうことの起きないように——特に幹部職員については、こういうことはまず起きないというふうな前提にわれわれ立っておったようなきらいがいたします。十分われわれとしましても自戒いたしまして、綱紀粛正につとめていきたいというふうに考える次第でございます。
  135. 鈴木強

    鈴木強君 皆さんは専門的な立場にあるわけですから一おおよそこういう事件が発生するのにはどういうところに問題があるか。これはもちろん、基本的には御本人の心がまえにございます。ただ、実際に仕事を運営する際に運営のやり方ですね、そういうものから、組織機構を含めまして、たとえば支店長の権限なり、その権限をチェックするような内部的な牽制組織というものはどうなっておるのか。あるいは、指名業者を指定する場合にはどうなるのか。あるいは、ABCDクラスに分ける指名業者を一たん指名しましたら、次のクラスの変更ということが非常にむずかしいとも聞いておる。また、お届けになったABCの業者とさらにその下請になる業界との関係は一体どうなっておるのか。さらに、そのまた下請、孫請というような形のやり方もあるように聞いております。ですからして、そういうふうな現在おやりになっている制度、機構上の中において、この点はこうしなければならないというふうな点がおありなのかどうなのか。それも基本的には本人の心がまえにあるので、どういう牽制組織をしてみたところでこれはむだだとおっしゃるのか。まあそうはおっしゃらないと思いますけれども、そういうような点はどうなんでしょうか。新聞報道等では、黒い入札制度というようなことでだいぶ報道されておりますね。ですから、この場合も、年度の発注計画案というものが、一つはお役所の好きなマル秘扱いになっているそうでありますけれども、そういうものがある業者の手に先に渡ってしまって年度の計画が把握される、そして自分はどこに食いついていこうかというようなことをあらかじめ考えながらお役人さんと接触をしていく、こういうようなこともいわれておるわけですね。ですから、そこいらの、いろいろと皆さんが実際にやってこられて、こういう事件を契機にして、再びこの事件を起こさないためには、基本的には職員の心がまえにあるが、さらにこうしたらいいかというふうな、そういう御所見は持ち合わせになっておらないのでしょうか。何か西村という鴻池組の工務部長の取り調べのときに、わいろに使うような金は下請工事の請負人から謝礼としてある程度強制的に取り上げていく、こういうこともやっておる。こうなると、弱い下請の人たちは、引き続いて工事をもらいたいと思うならばある程度元請の言うことも聞かなくちゃならないでしょう。そこに弱肉強食といわれる大きな原因が出てくる。私は、入札なんというのは、おそらく指名競争入札、随意契約、そういうふうな方法をとられているように、調べてみるといろいろやっておりますけれども、そういう際にも、やはりある権力というものがそこに動いて特別なはからいをするようなことがこういうふうな汚職になる原因じゃないですか。きょうは大臣が来ておりませんから、道路局長で、あなたは行政官の一職務責任者ですから、ちょっと政治的な問題にわたるような点があれば、これは私はあえて答えてもらう必要はありませんけれども、いま私が伺っておるのはそういう点なんです。私は個々の具体的な事例を出してここでやってもいいです。いいですけれども、せっかくいま取り調べ中でもありますから、こういう点はそれに譲ってもいいと思うのです。ですから、そういう基本的なところに、どこかに一つの問題点があるんじゃないかと私は思っております。その点を皆さんがどう考えられるのか。ないというなら、私は一つ一つこれから問題を出して、指名入札から、下請の関係から、金の契約高から、全部私は私で調べたことで伺います。どうなんですか。
  136. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 公団におきましては、工事を実施する際には、本社で指名を決定する大型の工事と、支社長が実施をする小型の工事と、二つに分けて仕事をしておりますが、その際に、本社で指名を決定する場合におきましては責任は公団総裁でございますが、これを立案する際に、関係者と申しますか、担当の理事に研究をさして、私はその意見に基づいて私の責任でいたしておりますが、そういう機会にこの部長がどの程度の参考意見を申したかわかりませんけれども、あるいはそういうことから部長に相当な権限があるだろうというふうに考えたものがあって、それがこういうふうな事件を起こす一つの原因になったのじゃないかというふうに思います。  もう一つは、公団の仕事は大部分土木事業でございまして、相当な事業の下請をやって仕事が進んでおります。その際に、下請会社の決定につきましては、従来は、公団では、主体的な部分あるいは全部一括下請するということは禁止しておりまして、しかし、御承知のように、最近の建設業の実態は、相当部分を下請に出して仕事をしております。そういう際に下請の決定をする、もちろん決定権限は元請業者でございますけれども、それを自分の友人あるいは知り合い等の関係から、公団の者が個人的に推薦あるいは依頼するということがあったのじゃないかという気。がいたします。先ほど申し上げました三藤開発という会社は、公団では土工の下請を主としてやっているということで承知しているくらいでありまして、たぶん池上が三藤開発から収賄をいたしましたのも、そういう関係におけることから起こったことかと存じます。私は、そういう関係もございますので、公団で指名する業者の決定につきましては最も厳正にし、私の責任において絶対公正な指名をしたい。それから下請の方法につきましては、従来の例がとかく現在の実際の実情に合ってない点も考えられましたので、さっそく研究の結果、四月一日から新しい様式によりまして許可すべきものは許可をする、許可をするまでもないものは業者の自由にまかして、そのかわりその報告を聞く、そうした上で工事が円滑、能率的に執行ができるようなこちらから適当な指示ができるというふうに変えまして、下請、元請、公団全体がそれぞれの分と責任に応じて明確に仕事ができるような措置を講じた次第でございます。  以上の措置によりまして、公団職員の自覚とまちまして、このような不祥事件は今後絶対に起こさないように考えた次第でございます。
  137. 鈴木強

    鈴木強君 池上雅夫という人が昭和四十四年七月から四十六年の三月ぐらいまでは公団本社の建設第二部長をしておったわけですか。それともう一つは、その間に中央高速自動車道工事は本社直括でやって、池上という第二部長が責任を持ってやっておった、これは事実ですか。
  138. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 池上は当時、道路公団本社の第二部長、主として高速道路の建設を担当する仕事をいたしておりました。
  139. 鈴木強

    鈴木強君 それで、この三藤というのは、中央高速自動車道のほかに、東北高速自動車道粟野工事区ですね、それから東北縦貫工事等の工事をやっておりまして、いずれも大手業者の下請なんです。で、約十億円という工事額の工事をこの三藤開発がやっておるのですが、これはあれですか、下請は、公団としてはこれとこれとこれを下請にするという、一つの、何といいますか、認定制度みたいなものは、下請業者についてはやっておるわけでございますか、それとも大手業者に下請はまかしてやっておるということなんでしょうか、その点はどうですか。
  140. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ただいまのお話のように、三藤開発は、土木、機械土工につきまして、下請という形で公団の各地の道路に関係いたしております。従来は、公団の土木工事につきましては、道路工事につきまして例を申し上げますと、道路工事の本体になる仕事は元請業者が自分でやる、こういうたてまえをとっております。ところが、実態を見ますと、実は大手の業者につきましても、自分のいわゆる配下と申しますか、その大手と、専門的に元請業者と一緒になって仕事をしている諸君がおります。これらは、いろいろと会社の運営あるいは待遇との関係から、実際上は大手の直営的な仕事を、一部分として仕事をいたしておりますけれども、形式上は別の会社が下請をとっておるというふうなことになっておりまして、一見いたしますと直営でございますけれども、形式的には下請という形をとっておるようなところもございます。そういうことで、元請が全部自分のいわゆる配下に属する土工会社、土工屋等に仕事をさしております場合には、これはそれほど問題ないのでございますけれども、土工量が相当ふえてきまして、自分の配下のものだけでは手が足りないというときには、やはりそうでないところの土工業者を頼んできまして、そうしてその元請の企画、調整、指導、責任のもとにおいて、ごく技術的なと申しますか、局部的な仕事を下請という形でやらしております。しかし、これは、いま申しましたように、従来の公団の方針である主体的な土木工事は自分で直営すべきであるという方針、たてまえと若干ずれてきております。そこで、こういうふうなことが不明瞭であった点があるいは今回のような事故になったのではないかという反省もいたしましたので、私は、この機会にこれを改めまして、すべての土工について下請はすることを認める、そういたしまして下請関係を明確にいたしました上で仕事をさしていこうということにいたした次第でございます。
  141. 鈴木強

    鈴木強君 いまおっしゃるような点は、そのとおりだと私も思いますが、そうすると、根幹的な工事については原則として元請業者がやる、その場合には文字どおり元請がやるのであって、それを今度自分がやったような形をして下請にやらせるということは、これはうまくないこと、よくないことだ、今後はそういうことはやらせないと、少なくとも完全に元請業者がそういう体質を整備して、もし足りない点があれば整備をしてやるということにちゃんとしたわけですね。それは、これの事件が起きてからそうしたわけですか。
  142. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 従来は、下請の承認をしないで、事実上直営のような形でやっておった実態がございましたが、実態がしかし下請である場合には、やはり下請を承認するということが筋と思いまして、かねてから研究いたしておりました。たまたまこういう事件もございましたし、従来からやはりわれわれのとったやり方と、土木工事の元請、下請の関係を改善しようと思って研究しておったちょうどその時期でございましたので、この四月から、従来の研究とあわせまして、事故の防止にもつながり、また土木工事の実態に合うような措置といたしまして、下請承認制度というものを確立したわけでございます。
  143. 鈴木強

    鈴木強君 それはけっこうであります。反省の上に立って正しい方向にいく、これはあたりまえのことであります。そういうことをやっておるから、従来いろいろな、これをやってくれとか、あれをやってくれとか、池上という男が盛んにアドバイズをしてある業者をあっせんするというような中でわいろを取るというようなことができるような仕組みになっておった。これは悪を行なわせる一つの道だった。これを直していただいたので、これはいいと思う。今後厳重にそいつは実施していただくようにお願いしておきたいと思います。  それから、おたくのほうの、公団の規程等を拝見しますと、「日本道路公団工事等契約事務処理要領」というのがありますね。昭和四十二年一月十一日に達第二号で出しております。この十一条を見ますと、「指名競争に参加させることができる者は、契約金額に対応する級に格付けされた者とする。」、これが原則ですね。「ただし、必要があると認めるときは、上位及び直近の下位の級に格付けされた者を当該指名競争に参加させることができる者とすることができる。」、これが私は一つのくせ者だと思う。こういうように上位とか、直近下位とか、そういうものが、そのときの状況によって、本来はできないランクのやつをやるというような、こういう裁量が、一体だれがこれをきめるのか知りませんけれども、やはり問題を起こす一つの大きな問題点だと思うのです。これはすみやかに改正しなさい。どうですか。それでなかったらクラスをきめた意味がない。
  144. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 建設業のあり方の根本としまして、やはり工事の規模なり性格と請負業者の能力というものを対応させようというのが国の方針でございまして、公団もその方針に従って工事を等級に分け、また業者も、土木の場合はABCDと五等に分けて、それぞれ対応させるような工事の発注をいたしております。しかしその際に、やはり優良な業者があった場合、あるいは特に能力のある者につきましては、機械的に分けました等級だけに限定するということも実態に合わない点がございますので、直近のものにつきましては、特別の場合には入れ込んで指名をするということも、これも一つの政府の方針でございますので、この方針に従って運用をしておる次第でございます。これにつきましては、目下のところ、そのことでよかろうというふうに考えております。
  145. 鈴木強

    鈴木強君 「日本道路公団工事等契約事務処理要領」というのはだれがつくるのですか。建設省がつくるのか、公団がつくるのか。
  146. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 公団の内部のきめでございます。
  147. 鈴木強

    鈴木強君 そうでしょう。そうであれば、あなたは、もし上位なり直近下位にやらしてもいいような体質を持っておるならば、なぜ上に上げてやらないのですか、クラスを。なぜ上げてやらないか。要するに、資格のない者に、そのときの判断によって上位、直近下位の者にやらせるというのですから、これはだれが認定するのですか。こういうところに問題が残るということを私は言っておる。時間がないから、ここでつべこべ言っても——またあらためてやることにしましょうか。だから、大いに検討して——実態として私はある程度わかります。わかりますけれども、その認定をだれがやるのか、これは一体支店長がやるのか、だれがやるのか、合議制になってやるのか。こういう点が、もしかりに支店長なら支店長の単独の考え方でやるとすれば、そこにやっぱりいまのような汚職の道を開いていくことになる。業界の人なんていうのは、あなたは政府機関ですから、役人が考えるようなものじゃないんだ、これは。業者というのは、まことにわれわれの常識では考えられないようなことをやるんだから、これが汚職事件の発端にもなった。目的と手段のためには何をやるかわからぬ。そういうことをあなた方は知っているかどうか知らないが、こういうふうなあいまいもことした自由裁量によってやれるようなことがあるから、また問題を提起することになるものだからね。そういう点は、大いに建設省と相談するなら相談をして、こういうものはやめなさいよ。そして、直近下位の人たちをそこに格づけできるというならば、その人たちは上げてやりなさい。それでもし足りなければ、その点は、おまえのところはこういうふうにしてAクラスにしてやるとかいうふうにして、その実力のある会社をふやしなさいよ。それをふやしもしないでおいて、そのときの状況でもって、これはAにやらせるとか、Bにやらせるとか、こういうふうな判断をすることは、間違いですよ、これは。私は、実態としてはこれはわかります、あなたの考え方は。しかし、もうここまできたら、むしろ業界の体質を改善して、A、B、C、D、Eをもっと圧縮してAをふやしたっていいじゃないですか。そしてたくさんの人たちに競争入札で入ってもってやったらいいじゃないですか。そういうふうに行政指導をするところはして、業界の人たちにも協力体制をつくったらだうですか、その間に。そのほうが私はベストだと思うのです。そんなものですからね。
  148. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) A、B、C、D、Eの格づけにつきましては、客観性を確保してございます。恣意的にきめると弊害が起こりますので、建設省その他でおきめいただいておる基準を参考にいたしまして、会社の客観的な能力、あるいは資本金なり技術者の数、あるいはまた道路なら道路に対する実績、その成績等を、実は非常に複雑な要素がありますのを、計算機を使いまして明確に出した数値によりましてランクをきめております。しかし、具体的な工事につきましては、そのランクのちょうど中ほど、ちょうどランクの境目に当たるような工事があります場合には、やはり場合によっては、こういうふうに機械的にはじき出したランクのすぐ近所の者に、ランクが違って、あるいは直近の下位にあった者でも、やはり能力があれば仕事をしていただくということがかえっていいじゃないか。しかし、これはいまお話しのように、乱に流れますと問題を起こしますので、私どものほうではほとんどこれは認めておりません。特に例外的な場合に私の判断できめておることでございまして、今後も、先生の御指摘の点につきましては十分反省しながら、業界及び建設工事の適正ということにつきまして十分配慮をしたいと考えております。
  149. 鈴木強

    鈴木強君 総裁が御決定になるようですね。それでしかもあまりないというんだから、ないならばこれはおやめになって、そして私が言ったような形に、やはり業界の体質改善、強化、こういう方向にやったほうが私はいいと思いますから、私の意見を含めて検討していただくことにいたしましょう。  それで、委員長、ちょっと時間が足りなくなりまして、次の藤原先生の時間を私食って、申しわけないのでこれでやめますけれども、ついては、さらに質疑をしたいと思いますから、資料をお願いしておきます。この問題になっております三井建設、それから三藤開発ですね、これの経歴書並びにごぐ最近三カ年、四十四年ぐらい以降の収支決算書というようなものが取れるかどうか。それから鴻池組のほうもそうですね、これは指定業者になっているのは必ず取れると思いますけれども、もし指定業者になっておらなくても、下請でどうしても収支決算、目論見等が取れない場合は、これはやむを得ませんけれども、そういうのをひとつ拝見をし、さらに、いまちょっとお話がありましたが、A、B、C、D、このランクの決定、さらに下請との関係、こういう問題についてはとても短い時間ではもう解決することはできません。ですから、どうかそういうような資料を早急に出していただいて、私の質問を次に譲ることにしていただいて、きょうは終わりたいと思うのですけれども、特にマル秘文書ですね、要するに年度発注計画案のマル秘文書なんかは、一体だれがどこでどう保管しておくのか、こういうルート等についてもひとつ説明してもらいたい。  それから最後に、これは苦情になるし、公団総裁の意見も聞き、建設省にも聞きたいのだけれども、たとえば一昨年の十一月に、日本道路公団理事の退任記念論文集というのを一冊二千五百円で発刊されていますね。その際、公団が窓口になって業者に対して、おまえのところは何部買ってくれというような予約を半強制的に依頼しているというような事実があると聞いていますけれども、これはどうですか。こういうことはやはりいけないことだと私は思いますね。もし事実とすれば、こういうことは今後一切やめてもらいたいと思います。それだけ伺って、あと資料を出してもらって、さらにお伺いします。
  150. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ただいま御要求の資料につきましては、さっそく調製できるものにつきまして提出をいたします。  それから、公団の関係者が出版物を関係業界に割り当てしたというお話でございますが、先般、そういう強制かどうかわかりませんけれども、業界に依頼したことがありましたので、私も非常によろしくないと思いまして、直ちにこれは取りやめさしまして、関係の者は処分いたしました。そういうことで、われわれ、これからいささかでも疑惑を招くようなことはないように十分注意したいと思います。
  151. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) ちょっとこの際、私から資料を要求しておきますが、国または地方自治体の別とを問わず、高速道路別、原因別死傷事故の資料を御提示願いたいと思いますが、いただけますか。
  152. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 承知いたしました。
  153. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) なお、この際、大津留官房長ですか、大臣政務次官もおいでになっておりませんので、いままでの鈴木委員と主として前田参考人との質疑を聞いておりまして、何か日本道路公団は、道路に関する限り、第二建設省的な感を私は深く持ちました。すなわち、現在、中央道における大規模な地すべり等についても建設省は終始沈黙を守っておられます。土質その他の基礎調査、あるいは研究、今後の対策、すべて一手に前田参考人が御答弁になりました。そこで、私の感じたことでありますが、国または地方自治体関係等各種の公団その他が経営する今後ますます増大するであろう高速道路の設計、道路の構築、施工、いま鈴木さんが最後に指摘をされた運営、そうした問題に対して直接の責任は公団であると思いますが、国の建設行政を代行する公団でありますから、当然、最終的には建設省の責任、つまり指導、監督権限に属するものだと、かように私は考えます。いままでのやりとりを聞いておりますと、全く公団が恣意的な運営をやろうと思えばできる印象を受けました。建設省はふだん、あるいは時を選んで、公団等に対していかなる指導、監督を具体的になさっておるのでありますか、その適切な方法は具体的にどういうふうになされておりまするか、この際、明らかにしていただきたい。
  154. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 先ほど来の鈴木先生からの御質問は、中央道の事故をはじめといたしまして、道路公団の幹部職員の汚職の問題等、公団総裁が第一次的には責任を負うべき諸問題についてのお尋ねでございましたから、責任者である公団総裁から種々御答弁申し上げた次第でございますが、委員長の御指摘のとおり、道路公団は建設大臣の監督下にございまして、その指示いたします計画に従って事業を進めておるものでございます。したがいまして、道路公団の行ないます事業、あるいは職員の行状につきましても、最終的には建設大臣の監督下にございますし、建設大臣の責任でございます。先ほどからいろいろ問題になっておりました高速道路の計画、あるいは料金の問題、あるいは補償問題の基準、いずれも建設大臣が認可または指示したところに従ってやっておるわけでございます。また、組織的には道路局長がこの監督に当たりまして、道路局に道路公団監理官という道路公団の監督をもっぱら担当するポストもございます。また、一般的にそういった業務、運営、あるいは職員の綱紀というようなことにつきまして、大臣官房の監察官というのがいろいろ監察もいたしております。いろいろ問題がございましたにつきましては、建設省も十分責任を感じ、その改善につとめる考えでおります。至らなかった点につきましては、今後一そう反省の上つとめたいと考えております。
  155. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 私、これ以上申し上げませんが、大体、特別会計でやってやれないことはないわけですね。ただ、愛知用水公団等が初めてああいう公団方式をとったというのは、資金調達の面で外資を導入するとか、あるいはその他の資金の調達面から、主としてああいう形の公団方式がとられたことが動機となって、最近は各種の公団、あるいはこれに準ずるものが各方面に乱立して、監督官庁が侵されるような膨大な機構となり、目の届かない現状が多々あろうと思います。その点については、建設当局においては心を新たにして、公団設立の趣旨にかんがみて、遺憾なきを期していただきたい、このことを強く御要望申し上げておきます。
  156. 藤原道子

    藤原道子君 私は、すでに当委員会で審議された点もあろうかと思いますが、最近、各方面からいろいろな質問がまいりますが、道路公団あるいは道路施設協会に対する批判等もまいりますので、先日施設の調査に行ってまいりましたが、どうも納得のいかない点がございますので、きょうは貴重なお時間を委員長に特にいただきまして御質問をしてみたいと思います。あるいは重複する点がございましてもお許しを願いたい。と同時に、当局におかれましても、国民が批判をしている、いろんな意見が出ておるということを受けとめていただきまして、わかりやすい、正確な御答弁をお願いしたいと思います。  まず第一に、道路施設協会の設立の経過と道路公団との関係についてこの際明らかにしていただきたい。
  157. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 道路公団は、主として高速自動車国道等の建設管理を行なっておりますが、この道路におきましては、その実態から見まして、ドライバーのための休憩所、あるいは給油所、自動車の修理所というものを設けまして、利便をはかる必要がございます。これにつきましては、道路公団自体が管理運営するという案もございましたけれども、しかし、実態的にいいまして、国民に対するサービス業務の速度からいいまして、むしろこれのほうが適切に手の届くサービスができるということも考えられましたので、高速道路の進捗に応じまして一道路公団にかわって道路公団の行なうようなことについて公正に、しかも行き届いたサービスができるために、民間のと申しますか、公共的な財団法人をつくりまして、それによって施設を建設管理していくことがいいだろう、こういうことで、道路公団の管理しておる道路のサービスエリア等の地区におきまして、いま申し上げましたような施設を管理運営する主体として道路施設協会を指定し、それに道路の占有を認めまして、それによってサービスをはかっておるのが、いま御指摘の道路施設協会と公団との関係でございます。
  158. 藤原道子

    藤原道子君 施設協会は財団法人ですね、そうすると財団法人としての基本財産は一体どうなっているんでしょうか。財団法人が認可されるときには、民法第三十三条あるいは三十七条、三十九条に基づく財産があったと思われますが、それは何であったのでございましょうか。
  159. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 道路施設協会をつくった当初におきまして、設立者がその当時において持っておった資産を基礎にいたしまして財団法人をつくった次第でございます。ただいま手元に資料がございませんので、あとでまた明確に御答弁申し上げます。
  160. 藤原道子

    藤原道子君 資料を持ってきたじゃないですか。持って帰ったじゃないですか。
  161. 大津留温

    政府委員(大津留温君) お尋ねの基本財産でございますが、四十五年度末現在におきまして五億二千七百三十七万六千円余でございます。
  162. 藤原道子

    藤原道子君 私が聞くところによりますと、厚生会の売店等もこの財産の中へ入っているというように伺いましたが、そうですか。
  163. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 私の承知しておりますところによりますと、施設協会を設立する際に、道路厚生会という団体が別途ございましたが、そこが持っておった財産の一部を分けまして、それを財団法人の基本財産にしたというように聞いております。それがいま先生の御指摘のことと存じます。
  164. 藤原道子

    藤原道子君 財産というのはほかから借りてきても、財団法人つくるときには差しつかえないんですか。大蔵省いらっしゃいますか。
  165. 大津留温

    政府委員(大津留温君) ちょっと先生もう一ぺん、すみませんが。——はなはだ恐縮ですが、ちょっと聞き取れませんでしたので、もう一ぺんお願いいたします。
  166. 藤原道子

    藤原道子君 いま財団法人をつくるのにはやはり財産が必要です。その財産はどういうものかと伺いましたら、いろいろ言われたけれども、私が聞くところによると、厚生会ですか——から売店等を借りて、そうして財産として許可を受けたというふうに聞いておりますが、それはどうですかと。もしそうだとすれば、財団法人つくるときには財産というものをほかから借りてきてもその人の財産と認められるのかどうか。
  167. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 先ほど、公団総裁の御答弁にもありましたが、設立にあたりましては、それ以前の任意団体の道路厚生会から売店を十九引き継ぎまして、これは自分の財産にしたわけでございます。借りたわけではございません。自分の財産に引き継いで設立をいたしました。
  168. 藤原道子

    藤原道子君 それははっきりそうお答えになれるわけですか。
  169. 大津留温

    政府委員(大津留温君) はい。
  170. 藤原道子

    藤原道子君 ところが、こうした財産に対して、権利金として年々協会から厚生会に支払っている金額というのはどういうことなんですか。それは借金として、それを買い取った借金として入れるんですか。それとも、毎年の売り上げのほうからここへ支払っておる、これは一体どういうことなんですか。
  171. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) それは、道路厚生会に対して、道路厚生会の行なう道路に関する公共事業と申しますか、そういうものに対する援助する意味におきまして、道路施設協会が公益事業の一環としてここに寄付をしていると私は承知しております。当初出しました、寄付いたしました基本財産の代価というものではございません。
  172. 藤原道子

    藤原道子君 私の承知しているところによりますと、道路厚生会の財産に対する権利金として、年々協会から厚生会に支払っておる、こういうふうに聞いている。ですから、それならば借りたことになるんじゃないか。で、その財産は借りても財産になるのかどうか。それから、年々ここへ入れているとすれば、それらの税金関係においても当然対象となるべきではないかということが、私の疑問に思うことです。その点ちょっと明確にしてください。
  173. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 繰り返して申し上げますと、施設協会を設置する際に、厚生会から寄付をいたしまして施設協会の財産にした。それを権利金としてあとで払うのではなくて、あと厚生会に出しております金は、これは道路厚生会の行なう事業に対しまして、その公益的な面から、ほかの団体にも若干例がありますが、施設協会から寄付を出しておるというふうに私は承知しておるわけです。
  174. 藤原道子

    藤原道子君 それは、明らかになるような資料をひとついただきたい。  それで、道路公団は、国有財産法の第十八条第四項に規定する政令で定めた法人であることに間違いないですね、道路公団。
  175. 大津留温

    政府委員(大津留温君) ちょっといまお尋ねの趣旨がはっきり実は私理解できなかったんですが、いま問題にされましたこの道路施設協会、これ財団法人でございますが、これの設立、法的な根拠が民法のいわゆる公益法人であるかというお尋ねかと思いますが、それならそのとおりでございます。
  176. 藤原道子

    藤原道子君 そこでね、それなら、国有財産法の第十八条による処分等の制限がありますが、道路施設協会がいずれの根拠によって行政財産の使用権を取得しておるのでしょうか。
  177. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 施設協会が、高速道路の一部でありますサービスエリアあるいはパーキングエリアの一部をまあ借りてといいますか、使っていろいろサービス業務をやっておりますが、そのことの根拠をお尋ねかと思いますが、これは道路法に基づきますそういう道路敷の占用ということでこれを使っております。
  178. 藤原道子

    藤原道子君 そこでね、国有財産法の十四条には、こうした場合には大蔵大臣との協議をうたっておりますね。ところが、施行令第十一条第六号としては、「河川、湖沼その他の水流若しくは水面又は道路の敷地で公共用財産であるものを国以外の者に使用又は収益の許可をしようとする場合」は「大蔵大臣との協議を要しない」ということが、第六号ではそう規定している。その前では大蔵大臣建設大臣が協議しなきゃならぬということになっておるけれども、これだけのものについては「大蔵大臣との協議を要しない」というのは、完全な抜け道のように私は感じるのですけれども、この点はどう考えたらよろしいのでしょうか。
  179. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 道路敷も確かに国有財産でございますが、道路法という特別な法律に基づきまして、これの管理につきましてはこまかく規定がございますので、この道路法の適用を受ける道路につきましては、国有財産のいわば特例といたしまして、国有財産法の諸種の手続は省略されているということでございます。
  180. 藤原道子

    藤原道子君 私はね、都合によっては法律で基本的には規定しておきながら、いろいろな事情があるからそういうことは省略することにしておると言われるけれども、道路にしても、水面にしても、いま一番騒がれているのはそういうところだと思うのです。こういう場合には一方的な処理をして、それでよろしいというふうなことは、どうも私は納得がいかない。で、道路法の十条の三に規定する正式な手続を私は提出していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  181. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 先ほど申し上げましたように、国道とか県道とかいうように道路法の適用を受けます道路につきましては、道路法で、そういったその一部を特別の場合に第三者に貸すといいますか、使用させるというような規定がこまかに規定されてございますので、国有財産法のほうではそれによらないことができることに法律上明らかにされておるわけでございます。
  182. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、民法の三十三条によって法人成立の根拠が定められ、また三十四条によって公益法人で主務官庁の許可を得て成立すると定められておりますが、道路施設協会は許可条件のいずれに該当するか。
  183. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 財団法人といたしまして、建設大臣がこれを民法に基づいて認可したものでございます。
  184. 藤原道子

    藤原道子君 もう一ぺん言ってちょうだい。
  185. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 財団法人といたしまして、建設大臣が民法の規定に基づいて設立を認可いたしました。
  186. 藤原道子

    藤原道子君 私は、きょうあまり時間がございませんので、先に進みたいと思いますが、そういう点も納得のいかない点があるやに私も思いますが、ほかからもそういう意見がございますので、いずれあらためて時間をかけて討議してみたいと思います。  それでは、監督権は建設省にあるんでしょうか、日本道路公団にあるんでしょうか。許可権限が建設大臣にあると考えられますので、やはり監督権もその方面にあることになるんでしょうか。
  187. 大津留温

    政府委員(大津留温君) この監督権は、もちろん建設大臣が負うものでございます。
  188. 藤原道子

    藤原道子君 建設大臣が負うわけですね。  それで、有料道路等における休憩施設等の設置は、昭和四十年の五月二十七日に建設大臣の許可を得てと道路施設協会の年報にありますが、この許可の根拠。続けまして、食堂、売店、給油所、修理所等の建設について、この施設は道路法第三十二条の道路の占用の許可によるものと思われますが、いずれによるものでございましょうか。
  189. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 高速道路につきましては、管理の責任は道路公団が負っております。したがって、その道路公団が管理しております高速道路の一部を、先ほどお示しの道路法の占用の規定に基づきましてこの占用の許可をするというのは、道路公団の総裁がいたしますが、その場合には建設大臣の認可を得て、したがいまして、占用権者である道路公団の総裁というものが、占用したという立場から監督いたします。それから協会そのものは、設置の認可は建設大臣がいたしましたから、これはそれらを含めて最終的には建設大臣が責任を持って監督するわけでございます。
  190. 藤原道子

    藤原道子君 そこでお伺いいたしますが、道路施設協会からこういう雑誌が出ていますね、パンフレットが。これをずっと拝見してみますと、いろいろ出ておりますが、最近私たちのところへいろいろ問い合わせがございますのは、サービスエリアだとかいろんなところの売り上げの中から二〇%から二五%くらいの納付ですか、これは何と言うんですか一があるやに聞くんです。私この間売店でお茶を買ったんです、静岡ですから。ところが、案外高いんです。それで私は、「静岡のお茶の宣伝しなきゃならないのになぜこんな高いんだ」と聞きましたら、「だって先生、二五%納付しなきゃならないんですよ」、こういうことを言われて、びっくりしたんです。ところが、最近そういう声が入りますので、売り上げの中から平均して二三・五%くらいを納付をしなきゃならぬということになっておるそうでございますが、これは一体どういうことなんでしょうか。この算定率は、日本道路公団法施行令の第六条による予定営業料の設定等によるものであるんでしょうか。道路施設協会がこの率を受けているのか、または下請業者からその上の料率をかけているのか、料率の根拠は何か。各国の例によって見ますと——これも道路施設協会が出していますね、毎月、これらを、まだあまり目を通していないんですが、ちょっとここで目を通してみますと、フランスでは大体において売り上げのフランス百万——二百万フランまでは二%、二百一万から四百万フランまでは三%というようなことになっているんです。それから、いろいろほかの書類で調べましたら六%のところもある。一番高いのがイタリアの一四%。ところが日本が二〇何%ということでは納得がいきませんが、この点は一体どうなっているのでございますか。
  191. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 道路施設協会がサービスエリアにおきましてこういう売店、食堂等の施設を管理運営するという目的で、道路公団が占用許可をいたしますが、その際には、みずから行なう場合もございますけれども、みずからは原則として施設をつくりまして、建物をつくって、建物の中における接客あるいは物品の販売等の純粋のサービス業務は、施設協会がまた他の営業者に委託をしてやらしております。それのほうが能率及びサービスの向上の面からよかろう、こう考えましてやっておるわけでございますが、その際に、施設を施設協会がつくり、あるいは特殊な独占的地位を与えますので、これを選定する場合にいろいろ研究いたしました。民間のいわゆるドラブインを経営しておる者、あるいは付近の旅館、あるいは食堂等の会社が、ぜひやりたい、ああいう独占的地位にあると非常にもうかるから相当営業料を払ってもいい、こういうことで非常に希望が殺到してまいりました。しかし、われわれのほうでは、公正に、しかも円滑に仕事をさしていくためには——当初、実は道路公団自体で大津のサービスエリア等をやらすときには、一般の民間の営業者の自由な競争入札をいたしましたところ、相当高い営業料を払ってもいいということが出ました。しかし、こういたしますと、かえって、いま御指摘のように、販売する物品の値段なりあるいは販売する食事の値段にはね返ってくるおそれがありますので、現在は一定の最高基準をきめまして、その中においてまた最高の営業料を払おうといった、そういう競争入札によってきめております。ただいま御指摘のように、これは各地域によってそれぞれ利益の率が違いますのでまちまちでございますが、東名高速道路では二三%前後の数字で大体業者がきまっております。そういう関係で、業者といたしましては二三%、あるいはもっとそれ以上払ってもいいというところもありましたけれども、われわれのほうの最高基準をこしたものは、実は落選をして仕事をさしておりません。これ以上にするということにつきましては、またあまりにも業者がもうけ過ぎるじゃないかということを考えまして、現在のところ東名においてはそういう数字でございます。しかし、これは地域によりまして——先般きまりました九州等におきましては、もっと低い、一九%前後かと存じますが、そういうふうにきまっております。  外国の例を御指摘ございましたけれども、外国の例を見ますと、それぞれ道路公団とは違いまして、外国の実情に応じて、いわゆる営業者が行なら事業がかなり違うようでございます。また、その設備に対する負担等もまちまちの状況でございまして、各国の事情によって料率が変わってきております。たとえば道路施設協会などは、その得た資金によりまして、ドライバーに対する啓蒙、あるいは利便、サービス等につきまして相当な仕事をしておりますが、外国等におきましては、そういうことはきまった営業者にやらしておるというようなことでございまして、実質は私は日本の制度といたしまして決して高い料率ではないと思って現在運営をお願いしておる状況でございます。
  192. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、その料率をきめるのはどこでおきめになるのですか。
  193. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 業者を決定する際に、競争入札の際に、業者が営業料率を自分で算定をいたしまして入札をするわけでございます。その際に、施設協会としては最も高い料率のものを、最高のものをとるという方針でございます。ただし、これは無限に上がりますと弊害がございますので、一定の最高水準と申しますか、天井を設けまして、その天井以下できまるということを前提にいたしましてきめておるのが実態でございます。
  194. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、最高をおきめになるのは公団でおきめになるのですか。
  195. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 施設協会でございます。
  196. 藤原道子

    藤原道子君 外国の、しかもこれは協会が出した雑誌に出ているんですよね。これはやはり国が建築したものを使うので、それに対してフランスでは、売り上げの、二百万以下だったら二%、四百万以下までは三%ということになれば、幾ら事情が違うといっても、日本の二三%から五%というものは高過ぎると思うのですよ、私は。しかもそれが、私が買いものしたときに業者が言ったように、「だってこれ二五%を納めるんですよ」ということになれば、利用者にサービスするためのサービスエリア、ところがそこで買うものは高いのですよ。こういうことは納得がいきませんが、総裁、これが妥当だとお考えですか。九州はぐっと低くなりましたというから、どのくらいになったかなと思ったら、一九%。これらについてお考えを聞きたいのです。
  197. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 民間の企業におきましては、もっと二三%以上出してもぜひやりたいというところがございましたことは、私申し上げたとおりでございます。事業の運営につきまして、この場所は独占的な場所でございまして、他の業者との競争がなくても済む、あるいは駐車場も道路公団がっくりましたサービスエリアにおける駐車場をお使いになる、トイレ等も道路公団がつくりましたトイレをお使いいただく、いろいろ計算いたしますと、この二三%というのは、外国の例との比較はこれはなかなかむずかしゅうございますので、私もさらに研究いたしますけれども、現在の日本の経営の実態から見まして私は決して高くないと考えております。もちろんこれが低くなれば低くなるだけけっこうと存じますけれども、一方でこれで十分やりたい、もっと出してもいいという業者もおる状況等考えまして、妥当な線ではないかと実は考えております。ちなみに、現在私のほうで経営させまして、食堂等を経営しておりますが、たとえばカレーライスなどは百五十円で売らしております。それで十分採算がとれておるようでございます。現在、東京のどこをさがしましても、百五十円で売っているカレーライスはございません。大体二百円前後でございます。このように私のほうでは、一方では値段を、時価を調整しながら国民、ドライバーのサービスには最も意を用いるように指導しているところであります。
  198. 藤原道子

    藤原道子君 あなたがふだんぜいたくしているから、高いところで食べているから、百五十円のカレーライスはないとおっしゃる。私たちのような貧乏人は、百五十円のカレーライスは方々で食べています。もう少し真剣に、利用者の中には金持ちばかりはいない、それをひとつお考えになって、何とあなたが御答弁になりましょうとも、私は売り上げ代金の二〇%以上を取るということは高過ぎると思う。高くないとおっしゃるけれども、買いものをした中にその値段が入れられているんですから。こういう点をひとつ考えておいていただきたい。  あなたはどう思いますか。
  199. 大津留温

    政府委員(大津留温君) 御指摘、ごもっともの点もあると思います。このサービスエリアの施設、建設は、協会が建てまして業者に貸すわけですから、いわばその賃貸料ということになろうかと思いますね。これはまあ普通のやり方ですと、定額できめるというきめ方が普通かと思いますけれども、先ほど総裁の御説明にありましたように、競争入札で希望が多い中から選ぶわけでございますから、ほんとうに野放しで競争させましたら、もっと幾らでも出すからやらしてくれという業者が競争して高くなるわけでございます。しかし、それですと、先生指摘のように、また逆に弊害が出ますから、ほどほどのところで、まあ業者の競争が公正にできて、しかも利用者のサービスに欠けることのないようにという配慮からこういう数字が出たような次第でございますので、もちろんこれが低いほうが利用者に対するサービスはよろしいかと思いますけれども、一面やりたいという業者をそれじゃどうやって選ぶのか。先ほど来鈴木先生の御質問にもありましたように、この業者をどういう形で選ぶのか。やはり公正に競争させて選ぶのが一つの妥当な方法だとすれば、やはりこういったやり方になろうかと思うのでございます。しかし、なお一そう研究もし、くふうもいたしまして、利用者の方々にもっと御利用しやすいようにさらに改善につとめたいと考えます。
  200. 藤原道子

    藤原道子君 とにかく、これは重大問題だと思います。方々から不平がきておりますから、御検討願いたい。  それから、先ほどの御答弁の中に、入札で業者をきめる、その入札はどういう方法でやっているのでしょうか。施設の管理を委託したのはわかるが、入札の権限はどこがお持ちになっているか、入札。
  201. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 施設協会が、当該サービスエリアの売店、食堂等につきまして、希望のあるもののうちから、資格あると申しますか、信用と能力あるものを選びまして、その選んだ中でただいま申し上げました営業料率についての入札をさせておるわけでございます。
  202. 藤原道子

    藤原道子君 営業料率は入札できめるんですか。
  203. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) さようでございます。
  204. 藤原道子

    藤原道子君 そこで、いまやりたいという人がわんさと来るとおっしゃいますが、この入札は公表しているんですか、公開しているですか、入札があるということを。
  205. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 公開と申しますか、希望者は全部審査いたしまして、希望者のうちから資本あるいは信用のあるものを選定いたしまして、数社を選定して、それに基づいてやっておりますから、いわば公開ということになると思います。
  206. 藤原道子

    藤原道子君 希望者にとおっしゃるけれども、そういうことをやるということを一般が知らなければ希望することはできないですね。だからそれを、今度こういうことをやるので業者はやはり入札をというようなことを知らせる方法はどういうことでやっておいでになるのかと。
  207. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 今度ここをやるということを一般に公表をしていると私は承知しておりません。ただ、非常にこの工事の進捗につきましては、もうまのあたりに見えますので、われわれのほうがまだ具体的に考えていないうちから、ここをやらせてもらいたいという希望が全国的に出ておるような状況でございますので、施設協会で特にいつやるということを公表等はしていないというふうに私は考えております。
  208. 藤原道子

    藤原道子君 私は、高速道路ができたためにやはり地元は非常な迷惑をしているのですよね。音がする。騒音だのあるいは公害だのというようなことをお考えになっていらっしゃるかどうかということです。それで、土地の人ですね、あるいは市でもよろしい、県でもよろしい、そういう人たちに私はこういうことをやらしたらいいんじゃないかと、こう思うのです。ところが、このあなた方のほうで出している雑誌を見ましても、これをやっているのはすばらしいところばかりやっているのよね。これを見て私びっくりしちゃったんですよ。だから、私は、公開して入札をしているのか、あるいはどこかで結びつきがあるのじゃないかという疑いをせざるを得ないので、お伺いしている。  私は、地元の人たちにやはりこういう点で生きる道を与えるということが愛情ある政治じゃなかろうかとこう思うので、いまこれをやる人を——一つのところで、東日本道路サービス株式会社は十三カ所持っていますよね。日本ハイウエイサービス株式会社が九カ所。まあこれは、中日本道路サービスだとか、やれ何とか道路サービスとか、いろいろありますが、地元がやっているというのはないんですよね。有名なところ、あるいは、アッと驚いたんでございますけれども、この間行ったところでは、ある、あれは放送会社、放送局じゃなかろうかと思うような売店もありましたよね。そういうことで、まあもうかるから、だれがやろうとも、私はそれにどうこう言うわけじゃございませんけれども、もっと、これだけ大きな仕事をする以上は、土地の住民の立場も考えていただくべきではなかろうかと思いますが、いかがでございましょうか。
  209. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) ごもっともなお話でございまして、われわれもできる限り、高速道路の沿線におけるサービス施設につきましては、地元の方々の御協力を得まして、そういう方々のお力によってサービス施設が運営でき、同時にまた、ドライバーに対するサービスも最もいいサービスができるように、両々相兼ねた事業者を選定してもらうように、いまお話を進めています。  ただいま先生指摘がございました各会社、個所は、実はお尋ねのサービスエリアと違いまして、われわれのほうがやっておりますパーキングエリアにおける売店でございます。これはまたちょっと違った原則でやらせておりまして、パーキングエリア等は、料金徴収とかあるいは道路の維持補修等を委託しておる会社でございます。そういう会社が、その区間において同時に売店等を、ごくこれは簡易なものでございますので、やったほうが能率もよろしいということから、そういう会社にやらしておりますが、そういう会社も、実は高速道路の沿線、あるいはそこに関係の深い方々のお力によりまして会社をつくり、地元の方々の御協力を得て運営しておるところでございます。
  210. 藤原道子

    藤原道子君 それは十分お考えを願いたいと思います。  それで、まだいろいろお伺いしようと思うこの問題に関することを書いてまいりましたが、時間の関係で省略いたしますけれども、道路施設協会だけが委託される理由が納得できない。同一目的の他の財団法人がもし委託を申し入れた場合はどうなるんでしょうか。  それから、サービスエリア及びパーキングエリアの屋外付帯設備取り扱いについてひとつお伺いしたい。これは四十五年の九月の十日に事営第六〇号で副総裁が通達を出していらっしゃる。
  211. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 現在は、サービスエリアにつきましては、いまある道路施設協会に統一的にやらせることが望ましいと考えております。これは、高速道路が全国にわたりますと、場合によっては、その地域だけに限定された地域で経営いたしますと経営が困難な場合も考えられますし、まだ実は高速道路ができましてわずかでございますので、目下のところは、道路施設協会一つに指導監督を兼ねてやらしてよかろうと、こう思ってやっております。法律上別に施設協会なるものはやっちやいかぬという規定はございません。  それから、屋外付帯設備につきましては、これは道路公団の設置管理すべきものと、それから営業者が使うものと施設協会が使うものと両方と申しますか、たとえば電気とか給排水施設、こういうものは、両者がそれぞれの分に応じて使いますので、費用につきましては両者の分担というようにいたしております。
  212. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、同一目的のために他の財団が委託を申し入れた場合でも、そのときには何らかの方法はあるというふうに理解してよろしいんですね。
  213. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 今後の検討すべき事項と考えております。
  214. 藤原道子

    藤原道子君 道路公団は、同法の十九条の四号の規定によって、政令による施設として休憩所、給油所、自動車修理所、及び同法施行令二条で、政令で定める施設として、「事務所、倉庫又は店舗に類する施設」「住宅で事務所、倉庫、店舗又は前号の施設の用途を兼ねるもの」、また三号には「自動車駐車場及びこれに類する施設」とあり、これは公団が建設して管理するとあるが、道路施設協会が、パンフレットにあるがごとく、「施設を設置し、」とある。その関連はどうなっているんでしょうか。
  215. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 高速道路に関連の、付帯的に設置、管理するのは、単にこの施設協会の施設だけではございません。あるいは御承知の高架道路の下に事務所を設けるとか、あるいは倉庫を設けるとか、その他の公共施設を設けるとかいうように、道路の上下はかなり多岐に立体的に使われるようになってまいりました。そういうことを考えました規定でございます。現在、私のほうでも、大部分を施設協会を通じてやっておりますけれども、それ以外にも占用許可している場合もございますので、道路法の規定によりまして、それぞれの必要な希望のある企業主体に道路の路面あるいは道路の路下を占用さしておるということでございます。
  216. 藤原道子

    藤原道子君 そこで、まあいろいろ問題があるようですから、十分検討してくださいよね。  この中にございました、どうも評価が過大ではないかと思うんですが、このパンフレットにあるサービス評価及び食事品味覚評価等は過大ではないかと私は思うんです。こういうものを出しているんです。これには、サービスがいいか悪いか、食事品の味覚はどうだかということが出されておる。それから、その下には食事品量目評価、食事品価格評価、これが出ている。ところが、それには、「良い」というのが、サービスもよし、食事味覚もいいというのがここに出ていますよね。「普通」がこれになっている。「悪い」というのがこれだけ、それから「回答」なしがございますね。ところが、きょうみんな会った人に、あんたがたは公団で食べたことありますかと聞くと、議員諸公はだいぶ食べていらっしゃる。「食べたよ」、「どうですか」と言ったら、「まずいね」という人が多い。それから、「味はどうですか」、「まあ話にならぬよ」というのが多いんです。「普通」というのは儀礼的に答弁したものと私は思う。私もちょいちょい、御殿場、沼津へ参りますから、利用はいたしております。それから、多いか安いか、それから少ないか高いかというので調べたのがここにございます。これを見ましても、「多い」という人はこれだ。それから「少ない」という人は三倍、四倍くらいあるんですね、量がですよ。こういう点の監督はどこがやっているか、協会がやっているのか、サービスとか量目とかいうようなものはどこが管理しているのか。
  217. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 直接的には施設協会が監督をして、営業者によりよきサービス、よりよき食事等を提供をするようにさしておるわけでございます。  ただいま御指摘ございましたこのアンケートも、それのための資料といたしまして、昨年利用者にアンケートをして、もちろんこれは無記名でございますが、それによりましてアンケートをとった結果の表でございます。さらに今後注意をいたしまして改善をはかるようにいたしたいと思います。
  218. 藤原道子

    藤原道子君 そういうことでね、これはいろいろ各方面から批判がございますので、私は、公団が憎くて言うわけでもなければ、施設協会がどうこうじゃない、よくしてもらいたいということから御質問を申し上げているということをひとつお考えになっていただきたい。  それで、パンフレットの「道路サービス五カ年の歩み」の中に、「これからの道路施設協会」という項で、「収益は、(1)道路利用者の便益増進に関する事業」、(2)としては「道路交通の保安対策に関する事業」、(3)といたしましては「社会福祉に貢献する事業などにできるだけ投入して、」云々とありますが、その「社会福祉に貢献する事業」とは一体何をさすのか、どのくらい収益を投入したのか、明細書を提出していただきたいし、おわかりでございましたら御答弁を願いたい。
  219. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 施設協会におきましては、あるいは無料休憩所をつくってドライバーのために提供するとか、あるいは道路の案内所を設けてドライバーのために提供する、あるいは交通安全のためのパンフレット等の啓蒙の費用、パンフレットをつくって配布するとか、あるいはまた駐車場を整備するために費用を出すとか、あるいはまた自動車の点検をするために、しかもこれを無料の点検所をつくるとか、あるいはまた毎日放送しておりますところの道路情報センターに資金を出すとか、あるいはまた交通遺児等を守るための団体等に資金を出すとか、そういうふうな仕事をやって、その得た資金のより公益的、社会福祉的な事業に寄与するような仕事をしておるわけでございます。
  220. 藤原道子

    藤原道子君 私は、この収益の中からどこへどれだけ寄付したか、特に社会福祉事業に云々ということを第三番目としてここに書いてあるんですよ。「道路利用者の便益増進に関する事業」「道路交通の保安対策に関する事業」「社会福祉に貢献する事業」ということがこう一二つあげられておる。これは、最初にお出しになった「道路サービス五カ年の歩み」、この中に書いてございます。ですから、それはどういう、どこへどれだけお出しになったかということをひとつ明確に示していただきたい。
  221. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 手元に資料がございませんので、あとで資料をつくりまして差し上げます。
  222. 藤原道子

    藤原道子君 そこでね、お伺いしたいことは、「五カ年の歩み」で、四十年は三億くらいだね、それからずうっと出ているんですが、四十四年度と四十五年度との差があまりにも少ししきゃないんです。それでね、四十五年度には万博あったんですよね、だから相当私たちは収益はふえていたと思うんです。ところが、四十四年度には総額で二十一億九千四百万円、四十五年度は二十六億九千七百万円、私はこれはどうもおかしいと思いますので、さらにどれだけの事業収入があったかという点についてあとで資料としてちょうだいいたしたい。私には納得いかない。あの混雑するくらいにお客さんがふえていたと思いますので、それを知りたいのですから、ひとつよろしくお願いしたい。  それからさらに、公益事業への支出というのがここに出てますね。公益事業ということの中で、私はこれは当然、公益施設建設という状況は、公団そのものが建設すべきではなかろうかと思うんですけれども、これは間違いでしょうか。税金でいう受益者負担的な性格を一公法人である施設協会が行なうのはおかしいのではないかと思う。当然利用者、われわれとしては通行料金を払っております。それからガソリン消費税も払っているんですね。だから、道路公団法でもこれに類する施設は当然備えるべきだと私たちは考えるんですけれども、それは一体どうなのか。これに出ておりますが、四十四年度の公益施設管理費としてあれしているのは、四十五年度でも九億二千四百万円となっている。公益施設建設というところでは、四十四年度は一九%、四十五年度は三六%と飛躍している。道路案内所、あるいはSA・PAですかの美化、これに一七%、道路交通情報センターに二二%というふうになって、その他が三%なんです、四十五年度では。その他の中に、社会福祉施設に寄付したというのが入っているんじゃないか。道路公団でどれだけ事故を起こしているか。あの東名高速にしても、中央高速道路にしても、あるいは名神にしても、非常に事故が多いので、それならば遺児のために少しはお考えを願いたいし、あるいは交通事故の後遺症で悩んでいる者がどれだけあるかということ。私は、公団としても、あるいは施設協会としても、こういう交通事故に対する理解が足りないんじゃなかろうか。で、私は、きょうはお時間をいただいて御質問したわけでございますが、これらに対しての資料をお願いしたい。日本道路公団よりの出向者の氏名もほしい。先ほど来いろんな御意見が出ておりましたけれども、どうも施設協会へもほとんど道路公団からおりていますよね、あるいは関係官庁から行っていると思うんです。そういう点も伺っておるし、まあ私ここで言いたくないような人も入っている。そういうことを資料だのその他で承知いたしまして、ぜひ日本道路公団よりの出向者の氏名、役職の前歴及び俸給の資料、現在施設での受託者の経歴、それから公共事業への支出の明細書等を資料としてちょうだいいたしたい。  それからいま一つは、このパンフレットにあるんですけれども、イギリスの情報の中で、ここのサービスエリアでは酒類は一切販売しておりませんとなっている。こういうサービスエリアで酒を売らせないでくれという陳情はずいぶん前から私たちはいただいている。そうすると、政府の答弁によりますと、そういうところで酒を売ることを禁止すると、これは営業の自由を束縛することになるから困るというんですよ。ところが、公団直営のサービスエリアですか、あるんですか、そこでは売ってない。だから、公団直営のお店があるのか、あれば何カ所か、そこでははたしてお酒は売ってないかどうか、これをお伺いしたいと同時に、私は、イギリスにおいてすらこういうことをしているんですから、酒を飲んでの飲酒運転の事故が一番多いといわれている。それが、この道路公団のあれで酒を売っているということは、私納得がいかないのでございます。そういう点から、こういうところでは酒は一切禁止してほしい。ところが、政府のほうでは、あそこで飲むのは運転手さんだけじゃない、一般のお客さんも御飯を食べるんですと、だから酒の禁止をすれば営業の侵害になる、こう言うのですけれども、それはけしからぬと思うのです。ですから、私は、道路公団、施設協会等で監督しておいでになる業者のところでは、酒類は一切販売をやめていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  223. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 道路公団直営のサービスエリアも、名神道路上においては数カ所ございます。それから酒類は、高速道路上におきましては、われわれ直営のところも、施設協会の関係するサービスエリアも、一切、売らせておりません。この辺は御安心ください。
  224. 藤原道子

    藤原道子君 道路公団の直営のところは売ってないと。ところが、それなら、あなた、行ってみたことあるの、売店へ。売っていますよ、ビールだって何だって売ってるよね。(「ああ、売ってる」と呼ぶ者あり)みんな売ってるって言ってるわよ。(「運転手には売らない」と呼ぶ者あり)だって運転手だなんてわからぬもの。
  225. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 私も売店にたびたび行っておりますけれども、絶対私のほうは、施設協会の経営する分も、公団の直営する分も、酒類は一切売らしておりませんから、その点御心配ないように。
  226. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、もし売ってるところがあったら、あなたのところへ行けばいいのね。
  227. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 私どもでは、占用を許可する際に、許可条件といたしまして酒類の販売を禁止しておりますし、そうしますと許可条件違反でございますから、契約の解除その他の措置をとることにいたしております。
  228. 藤原道子

    藤原道子君 この程度できょうは終わりといたしたいと思いますが、補足といたしまして、道路施設協会が九州縦貫自動車道——これは植木から熊本、福岡から植木ですか——並びに関門自動車道——下関——九州ですね——における道路サービス施設の建設及び管理についての占用主体として認可されるに至った経過についての御説明をお願いしたい。  それから、道路施設協会の昭和四十四年度の売り上げ予想高がかなり上昇しているのに、昭和四十五年度二三%はうなずけませんので、これに対しての売り上げの明細書というようなものがもしちょうだいできたらいただきたい。それから、さっきお願いした資料ね。いまの点はどうですか。
  229. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 資料につきましては、調製いたしまして提出をいたします。それから、九州道につきましては、施設協会に現在熊本県の熊本——植木間のサービスエリアにおける施設をやらせております。またそれ以外の、関門地区におけるサービスエリア等につきましても、施設協会にやらせていいという方針をきめまして、そのもとに現在研究さしておる状況でございます。
  230. 藤原道子

    藤原道子君 先ほど、国税庁の長官はと聞いたら、見えておりませんとおっしゃるので、私は失礼しましたが、国税庁の長官はお待ちいただいていた——ごめんなさい。
  231. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 吉國さん見えておりますよ。
  232. 藤原道子

    藤原道子君 財団法人が認可されるときに、民法の規定もございますが、ほかの財産を借りてきてもよろしいんですか。それで、売り上げ代金の中から厚生会あたりに支払っておる金額、これは営利行為とみなすべきではないかと思いますが、ということになれば、税金関係においても当然税金の対象となるべきではないだろうかと思いますが、これはいかがでしょうか。
  233. 吉國二郎

    政府委員吉國二郎君) 道路施設協会は公益法人でございますので、収益事業についてだけ課税がされます。ただ、公益事業の特殊性といたしまして、その所得のうちからその三割に相当するまでの金額は、これは損金支出が認められるわけでございます。ですから、所得がかりに十億ございますと、そのうち三億までは損金として公益事業に繰り入れることを認めます。したがって、そこの公益事業の中から寄付をいたしますと、その範囲内では税金がかからない金額がまいるということになっております。それをこえました場合には、当然課税になってまいります。
  234. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、さっきの、質問漏れだか答弁漏れだか知りませんけれども、売り上げのほうから二十何%という金が入ってますね、それはどのくらいの金額が年間に入っておりますか、これは道路公団総裁に。
  235. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 四十四年度の決算で、先ほど先生から二十七億程度あるという話がございましたが、そのうちの二十二億が営業用による収入でございます。
  236. 藤原道子

    藤原道子君 そうすると、それは税の対象にはならない……。  それから、私がもう一つわからないのは、「売上」と、こう出てますね、この中から二十何%出すんですか、二十何%出したあとの売り上げがこの程度なんですか、そこのところちょっと聞かしてください。
  237. 吉國二郎

    政府委員吉國二郎君) この道路施設協会の収入は、タイプが幾つかございまして、先ほど御説明ございました他の業者に委託した場合には、その売り上げの中から一定部分を徴収いたします。みずから物品販売を行なっている場合には、売り上げという形で収入が入ってまいります。この場合には、コストが別にあるわけでございます。そういうことで、それを合わせて全体の収益事業収入として申告される、こういう形になっております。
  238. 藤原道子

    藤原道子君 どうですか総裁、この売り上げだか何だか知らぬけれども、これ出ていますね。これは、この中から二十何%納めるんですか、あるいは二十何%納めたあとがこれだけなんですか。
  239. 前田光嘉

    参考人(前田光嘉君) 簡単な例を申し上げますと、あるサービスエリアでかりに一千万円の売り上げがありますと、そのうちの二三%の金額を施設協会に納める、一年間全部の施設から集まった額が四十五年度で二十二億に当たる、こういうことでございます。
  240. 藤原道子

    藤原道子君 それで、さっき言ったけれども、この表は信用ができない。何となれば、四十四年度と四十五年度がわずか六億ですか、五億ですかの差しかないんですよね。この点はよくお調べになってお聞かせ願いたい。私どうも納得がまいりません。  きょうはこの程度にしておきます。国税庁長官には、またこの次にうんと伺わせていただきます。たいへん失礼いたしました。
  241. 足鹿覺

    委員長足鹿覺君) 他に御発言もないようですから、建設省関係決算につきましては、本日はこの程度にいたします。  これにて散会いたします。    午後三時四十六分散会      —————・—————