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政府委員(
成田壽治君)
ウラン鉱につきましては、現在むしろ在庫があり過ぎるというのが
各国の実情のようでございます。これはもちろん軍事利用の
需要量が最近減っているということもあると思います。それから一時相当
探鉱開発、鉱山会社等の
開発が急に進んだということもありまして、現在は
各国とも在庫がかなりあるという実情だろうと思います。それから
日本に売って軍事利用等の懸念があるというお話も、これも確かにそういう心配もあるのでありますが、こういう
原子力協定によって、このねらいはむしろ平和目的に限って売ると、しかもそれを自後の国際
機関による査察によって、
保障措置によって厳重に監視するというところに今度の
協定等のねらいがあるのでありまして、そういう
意味からこの
協定等によると、そういう平和目的以外に利用されるというおそれもなくなって、非常に円滑に
供給が
確保されることはたしかだろうと思います。それから最近は、これも
石油と同じように
ウラン鉱の生産国が
石油のOPECのような、最近パリで生産国の会議がありまして、そこにおいて
ウラン鉱が最近は値段がかなり買いたたかれているが、お互いに話し合いをして
価格の維持をはかろうではないかというパリ会談が二回ほど行なわれておりまして、この動きが
石油のOPECと同じように、あるいは将来の
価格の引き下げを防ぎ、また多少つり上げるほうに働くおそれは考えられるのでありますが、需給問題としては現在はかなり
供給過剰傾向にあるというのは、これは一時的な状況でございますが、現在はそういう状態になっております。