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説明員(
山田太三郎君) 日本の国産化の問題につきましては、前々から特定総合研究という名前のもとに勉強いたしております。その技術は二通りございまして、
一つは、
アメリカあるいは現在世界じゅうで濃縮ウランがつくられておると思われますガス拡散法でございます。しかし、もう
一つの技術は、遠心分離法と申しまして、簡単に言いますと、ぐるぐる振り回すと、重いものは遠くへ飛んでいってしまって、軽いものが残るということで、ウラン二三八を外へ飛ばして二三五を残すということなのでありますが、その方法が非常に有望らしいということが世界的に言われておりますが、その遠心分離法というもの、この
二つの方法についてわれわれは研究
開発を進めておるわけであります。しかし、いま申し上げました、一九八〇年までには相当突貫作業をやりませんと間に合わなそうでありますけれ
ども、しかし、それから若干
あと、たとえば一九八五年というようなことになりますと、日本でもその研究が成果を得てくるのじゃないかというふうに
考えております。
現在の段階におきましてのわれわれの
考え方は、この遠心分離法と申しますのは、その技術的な特徴が、技術的にはまだ確立しておりませんけれ
ども、もしうまくいくならば、
電力が非常に少なくて済む、たとえばガス拡散法に比べまして五分の一から十分の一になるということであります。ガス拡散法の欠点といいますか、それしかできる方法はないのですけれ
ども、それは、大体原価の中の半分または半分以上が電気代でありまして、したがいまして、電気の安いところでないとなかなか成り立たないというようなことと、もう
一つは、その方法の性質上、非常に
大型化したものでないと経済性がとれないという
二つの、ガス拡散法については、遠心分離法と比較いたしますと、欠点がございます。
したがいまして、もしわれわれのいまやっております遠心分離法というものが成功いたしますと、その
二つの問題がなくなってまいることになるわけであります。しかし、これは、それが必ずできるならば、それにいまから力を集中すればいいわけですけれ
ども、技術
開発でございますから、必ずできるというわけにはまいりません。したがいまして、一九八〇年代の後半になりまして、どうしても日本で濃縮ウランをつくらなきゃならぬという事態が起こるという場合を
考えますと
——そういう場合がどういう場合であるかはなかなかわからないのですけれ
ども、そういう
可能性があると
考えますと、やはり遠心分離法につきましても、これを詰めて推進していく必要があるというふうに
考えております。しかし、もう若干時間をかけますと、その両方の方法がどのくらい
可能性があるかということについて確信が得られると思います。その段階になりましたならば、現在
二つやっておりますけれ
ども、あるいは
一つにしぼって力を入れてやっていくということも
考えておりますけれ
ども、現在の日本の行き方はいま申し上げましたようなことが重点でございます。