○国務大臣(木内四郎君)
温排水の問題、いろいろ御心配になっておる、まことにごもっともであります。この点につきましては、すでに御案内だと思うのですが、イギリスからもこの
専門家が参っておりまして、イギリスは大体海のほうへ向けてやっておるものですから、
温排水は自分のほうじゃ問題にならないと、こういうことで、イギリスの
専門家が、原産の
会議でも、あるいは座談会その他でも、述べておることは御案内のとおりだと思います。しかし、
アメリカのほうでは、まあ主として河川のほうに出しておる。そこで、まあ
温排水の問題が、海に直接出すものに比べて少し問題が多いことになっておる。これはまあ当然のことだと。ただいま例外の問題もありましたけれども。
そこで、問題は、さっきも私が申し上げましたように、今日までやっておらぬというのじゃなくて、これは、その事情、
温排水の影響を最もよく知っておるのは、やはり地元の漁業の関係の人たち。この
温排水がどういう方向に流れる、どういう影響を漁民に及ぼすというのをよく知っておるその人たちの
意見を十分徴して企業者は今日まで補償の問題を大体解決しているというのが今日の現状です。
この
アメリカのカルバートクリフスのこの判決において、
環境の問題についても
原子力委員会において考慮して、
意見を、ステートメントをつけて出せと、こういう判決になっておることは御案内のとおりですけれども、この
アメリカにおきましても、まあ、NEPAですか、
環境保護法が出まして、それを適用して、
環境の面を、
原子力委員会においてもそれに対する
意見を、ステートメントをつけて出すべきだと、こういうのでおくれておるというようなことだそうです。そこで、きのう
アメリカ原子力委員のダブ氏が私のところに参りまして、一時間ばかり懇談をしたんです。その際、カルバートクリフスの判決のために
アメリカの
原子力発電の何かが非常におくれておるということはこちらの
新聞その他でよく聞いております一それは全く反対だ、こういうことをはっきり私に、明らかに言いました。そういうことは全然ないのみならず、最近は、これを促進する
法律、もっと
原子力発電の認可を促進すべきであるという
法律がいま出されていて、しかもそれが通る望みだということまでつけ加えて、そのためにおくれておるということは全然ないということを、私、はっきり聞きました。それは、先ほど原子
力局長が、
アメリカに
安全審査の方々が行かれて向こうでいろいろ聞かれて、これは問題ないと言われたそのところと、やや符合をしているんじゃないか、こういうふうに考えております。
しかし、わが国におきましても
環境の問題というのが非常にやかましく、といいますか、重要性を持ってまいりましたので、従来におきましては、さっき私が申し上げましたような方法で解決しておりましたが、今後におきましては、
環境と安全の問題にも大いに力を入れていかなきゃならない。いままでは違った方法でやっておったが、今後は、そういう点についても
原子力委員会としても、いま
法律はないけれども、
アメリカのカルバートクリフスの判決にあったように、
原子力委員会も
環境問題に対するステートメントをつけて出せ、こういうことを言われたその判決の趣旨と符合するような
考え方で、今度、安全管理、
環境の問題というものを研究する特別の部会を設けて今後研究してまいる、こういうことになっておるんですから、それはいま原子
力局長から御説明申し上げたとおりであります。その点もひとつ御理解、御了解願いたいと思います。