○伊部真君 私申し上げておるのは、もう少し具体的に申し上げますと、これからの
輸送、いわゆるこの二百億トンというところにまでいかなくても、かなりの伸びを示すとすれば、たとえその四・二倍が半分の二倍になったとしても、いまの状態ではたいへんだと思うんですよ。そういう意味で、最近言われているように、いわゆるこのハードからソフトへという形でこの中間の
輸送というものについてのもっと合理化をせなければいかぬということに言われておるわけですね。そういう意味では、
運輸省が考えているような、あるいは計画がいま出されている内容というのは、私は大きな変化を来たすもんだと思うんですが、ほんとうにそこへ資金を入れるなら。金も何にも入れなくて、それ文章だけならあまり効果はありませんけれ
ども、ほんとうにそういうやる気なら、私はかなり効果があるんではないか。いわゆるこの大工業基地と都市間の
輸送、あるいは都市間
輸送、あるいは貿易港と都市間との
輸送、さらに都市の外周部におけるターミナルの設置と、ここで加工、保管が行なわれるということになりますと、
輸送が交差をして、そしてむだな
輸送というものがある程度なくなるのではないかという意味では、私はたいへんに構想としてはいいと思うんであります。そうなりますと、そういうことをほんとうにやっていこうと思ったら、かなりの資金投資をし、そしてそこへ国鉄のほうの荷物も結びついていかなければならぬだろうと思うんです。そういう全般の
輸送というものを計画をするものが、どこか一カ所でなければいかぬのではないか。いまのところは諸
外国のように交通省というのがありませんから、どうもそういう点は、
運輸省の自動車局のほうでこれだけりっぱな図面ができて、これは私このままいったらほんとにたいへんにいい図面だと思うんですよ。四つ、五つのやつが固まってターミナルを一ぺんやったら、四カ所ぐらいの経費が全部なくなるわけだし、それから都市の周辺でも、新方式といわれるあの図面でも、いかにもあれで整理されて、こうすうっと荷物が、
輸送がある程度少なくなるわけでありますから、したがって、たいへんな合理的になるわけでありますけれ
ども、心配なのは、それじゃ何をするのか、設備がどれだけのところへ何を金をかけていくのか、ターミナルの計画があるけれれ
ども、ほとんどそのターミナルは、海運ほどにやってくれとは、あるいは港湾ほどにはやってくれとは言わぬでも、相当な資金が投下されるのかと思ったら、ターミナルというのはみんな民間資金で、これは必ずしもその
政府のほうで力を入れているとは思えないし、国鉄のほうのを考えてみると、そういうものは文章になっているけれ
ども、しかしデポその他は独自に出ていくんで、いわゆるコンテナ基地のデポとそれとの結びつきというのはまた別な話なんです。そういうことを考えますと、やっぱりこれはどっかで一本で物流についての大きな計画というものを立てて、そうしてそこへ相当の資金投下をすべきだ。私は、そういう意味では、一つの提案といいますか、私の私案でありますけれ
ども、その場合に非常に大きな役割りを果たすのは、私は国鉄の用地だと思う。国鉄の設備だと思うんです。たとえて言いますと、汐留の設備がありますが、あの設備をほんとうに物流のために提供して私は提供するということは何も無償で出せというわけではありませんが、あすこにたとえば一階はレールを私はシカゴREAというところを見てきたのですが、なかなかあれは合理的でした。地下には郵便車が入る、一階にはレールが入る、二階に行きますとトラックが入る、三階は今度は、向こうではありませんけれ
ども、たとえば倉庫をつくるとか、何も私は、やっぱり国鉄ですからね、デパートをつくるようなこと考える必要はないと思うんですが、しかし、そういう設備をして、そうしてそこで、まあ汐留だけではありませんが、そこへいま言っている計画というものを実行さしていけば、国鉄さんはそれに対する貸し金としての収入が上がるだろうし、そうして
輸送体系としても、私は、いまこの晴海だとか、ああいうところへ
——大井なんかでもちょっと無理だと思うんですよ、この都心の非常にふくそうしたところを中を通ってああいうところへ行かなくても、いまの設備を活用していくなれば、かなりの設備があるし、あるいは国鉄としても収入の道があるんではなかろうか、そんなことを考えたら、やっぱりこれはぜひひとつ一本での物流の計画を立てていくべきではなかろうか。そうでないと、私はまあ端的に言って、意地悪い言い方でありますけれ
ども、国鉄はこれから伸びます、貨物は伸ばしますと言っても、私はどうも信用ができない、十年間に全然伸びなかったんだから。そうすると、結局、行政がなくて、町にはいわゆるマイカー、マイトラックがはんらんをして、非常に効率の悪いものがはんらんをして、そうして最後には車をとめなきゃならぬという、スモッグでとめなきゃならぬというようなことになってきて、たいへんにこの行政のおくれがくるんではないか。私は、そういう意味では、大胆に次の時代の物流に対する方式というものを考えるべきではないか。そういう意味では、国鉄も虚心にいまの許備をどんどん出して、そうして
運輸省なら
運輸省がこれを一貫して物流の
対策、これからの十年間というものを考えるということができないもんだろうかと思うのでありますが、その点はいかがですか。