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説明員(原岡幸吉君) 昨日から行なわれました今回のダイヤ改正の問題でございますが、いまいろいろ具体的な御
指摘がございましたが、それも含めまして、大前提といたしまして、ダイヤの改正は、お客さんの流動に合わせたダイヤをつくるんだ、お客さんの流れの量、質に合わせたダイヤをつくるんだ。そして今回のダイヤ改正につきましては、国鉄の使命にかんがみまして、いろいろな考え方があろうと思いますが、まず第一点は、
地方都市を高速で結ぶ輸送体系を整備する、それから
地方都市中心の快速のダイヤをつくる、あるいは
大都市の通勤を確保する、通学を確保する、そしてもう
一つは、
地方、いわゆるローカル輸送の適正化をはかる、このような眼目があったわけでございまして、御
指摘の、一番問題になりましたのは、
地方といいますか、ローカル輸送の適正化をはかる、これでございます。これにつきましては、基本的に申し上げましたように、お客さんの流れを見て、その量、質、これを見て、それに合わせるという考え方でございます。決して、いわゆる一緒にやればそれだけコストが下がる、したがってそれでいいんだ、このような考え方でやっておるわけじゃございません。
もう少し具体的に申し上げますと、個々の列車につきまして乗りぐあいはどうなっておるのか、ここ数年、ここ一、二年のそういうものを特に見てまず
検討の
対象にしなければならぬ。それからまた、日ごろからその町のいろんな状況、これの報告をとって把握をしておる。また、毎日仕事をしておる
関係者からその事情を聞く、そして管理局においてそういう事情を十分わきまえて個々のダイヤをつくっていこうと、こういうことでございます。しかしそうは申しましても、いろいろ近代的なダイヤをつくると、全国との
関係もございますので、結局一〇〇%その地元に合ったようなものにはなかなかできない。そこで、ダイヤを編成する前にできることなら地元と
合意を得たい、こういう気持ちで
地方の市町村あるいは県というような公共
団体を窓口といたしまして、ダイヤに関する基本的な了解といいますか、基本的な
合意を得ながらやっていく、こういう気持ちでおります。ただ、それが全国的に完全にうまくいっていす。ただ、それが全国的に完全にうまくいっているというわけではございません。その点につきましては、うまくいっているところもありますし、不十分なところもあります。今後の
指導、やり方、そういうことも反省すると同時に、今後そういうことを
徹底させてやっていきたい、このように思っております。
そこで、
先生いま御
指摘のございました
二つ、三つの点でございますが、順序が多少狂うと思いますけれ
ども、七尾線につきまして、まず、夕方の列車で帰りが少し早くなって、そして乗ろうと思うと急行しかない、そして非常に不便になってしまった、こういうことでございますが、この件につきましては、実は線路容量といいますか、線路が十分あればそういう問題はないのでございますけれ
ども、具体的には地元の
——地元と申しましても輪島でございますけれ
ども、地元地区の非常に強い要請でもって大阪から直通する急行列車を設けたわけでございます。直通するといいますよりも、いままで途中までであったものを輪島まで直通しろと、こういうことで地元の非常に強い要請がございまして、その点について管理局といろいろ相談しておったわけでございます。管理局としましては、その要請をいれますと、いま申し上げたようなダイヤしか線路容量の
関係でできない、こういうことをあらかじめ承知の上ずいぶん話し合ったわけでございます。地元としましては、それは何といいますか、かまわないといいますか、どうかは別といたしまして、その点はがまんをするところであるから、大阪からの直通の急行を入れてほしいと、こういう再三再四にわたる話し合いの結果、そういう
合意の上で急行を入れる。そしていま御
指摘ございましたような通勤の帰りに不便を来たす、こういうダイヤに相なった次第なんでございます。しかし、それでいいとは私、決して思っておりません。なお、そういういきさつはいきさつといたしまして、何らか対応策なからんやという点につきましては、今後も、いますぐからでも
検討して対応していかなければならない、また、いきたい、かように思っております。
それから和歌山のほうにまいります。和歌山線、これが非常に停車駅が減ってお客さんの乗りおりが不便になった、こういう点でございますが、これも私が聞いておる範囲に
おきましては、各駅の乗りおりの数を一応把握しております。それから地元と申しましても今度はむしろ奈良県寄りでございますけれ
ども、奈良県寄りのお客さんとしましては、何しろ非常におそ過ぎる、もっと早く走れ、こういうことで、できるだけ早く走らすためには途中駅も少しとまらないでいかなければならない。こういう
二つの要請を考えまして、お客さんの乗りおりの少ないところ、これは少しでもとまらないでいく
方法はなからんやということで、これも地元とよく相談の上そのようなダイヤをつくっておるわけでございます。そして、非常に言い過ぎかもしれませんけれ
ども、今度のダイヤ改正によって逆に遠方のほうの奈良県のほうは非常に喜んで、そして和歌山県の中のほうが非常に不便になったということで、なかなか両立しないで弱っているわけでございますが、これにつきましても一応乗降の
状態や何かを把握した上でやることでございますが、なおもう少ししさいに
検討して対処しなければならない、このように思っております。
それからもう一点、七尾線のほうの朝の乗りかえで急行しか利用できない、こういう問題でございます。この点につきまして、私ダイヤのしさいなところをまだ承知しておりませんが、
先生のお話をいま伺った範囲に
おきましては、具体的な状況に応じては急行も利用できるようなことも
検討したらどうかという、対処のしかたがあるんじゃなかろうかという感じになっておるわけでございます。この点につきましても個々の事情それから全体の模様、こういうものを見まして
検討の
対象として考えていきたい、かように思っております。
以上いろいろ申し上げましたのですけれ
ども、具体的な点や全体的な考え方を概括的にお答え申し上げた次第でございます。