○江口説明員 ただいま久留米の税務署の問題を御指摘を受けたと思いますが、実は一般的な事項から御説明させていただきたいと思います。
名税務署では、業種団体ごとに、時期的には各市まちまちでございますが、久留米の場合には秋から業種別
指導ということをいたしておるわけでございます。普通の場合には、業種別
指導と申しますのは、一般的な経済のデータ、あるいは税務署のほうで持っておりますところの
資料に基づきました一般的なものの見方といったものを、組合の幹部の方に御披露をいたします。そのほかに、もちろん税法の改正あるいは通達上の取り扱いといったようなものにつきましても説明をいたしまして、組合員の方々に申告その他の
段階で御苦労がないようにといったようなことをするのが一般的な業種別
指導というやり方でございます。
そういう形で、久留米の場合には、秋以来、それぞれの業種組合ごとに、いま申し上げましたような一般的なデータに基づきまして、適正な申告方あるいは正しい手続等につきまして御
指導申し上げておったのでございますが、二月の申告の時期に入りまして、再度、申告の時期に入ったということで、具体的な問題について組合の幹部の方々と話し合いをしたということでございます。
そのおり、あるいは
大臣から御
答弁があったかと思いますが、関東煮組合という小料理屋さんの組合でございますが、そちらの幹部の方から、一般的な、抽象的なことではどうもはっきりしないじゃないかという話がございまして、もう少し具体的な
指導の
方法があったほうがよろしい。それから特に組合として心配されますのは、会員が数十名おられるようでありますが、公平な課税という意味での権衡が一番問題である、したがってそれに判断が与えられるようなデータを示してもらえないか、こういう
お話がございまして、ここに
一つのあやまちがあったわけでございますが、一応税務署のほうで事前にいろいろの角度から検討をいたしました目安というものがございます。これはどこの署でも、全員についての目安はできておりませんが、いまのような業種別
指導をしたような場合、あるいは特定の業種等につきましては目安の作業をしておくというのは、これは当然の仕事としてわれわれ考えております。その目安となる——所得そのものではございません。専門的に特前所得といった形でもって計算したものが一応ございますが、その目安を組合の方にお示しをしまして、権衡がとれておるかどうかということについての組合側の検討をお願いした、こういうことでございます。
ところが、組合のほうでは、これを文書でもって各会員の方に通知されたわけであります。この辺に、私のほうがそうした目安をお知らせをしたことによりまして通知という行為が行なわれたというところに、問題の発祥があるわけでございまして、しかもその通知の
内容について正確を欠いておる。これは組合のほうで文案をつくられたものでございますので、かなりの部分につきまして適正を欠いておる表現がございまして、これが組合員の中で問題にされたわけでございます。
ただ、私
どものほうとしましては、二月の十八日にそうした説明会がございまして、組合のほうでは二十日に各会員の方にお知らせをしたのだそうでございますが、私
どものほうで、そうしたことが行なわれたということがわかりましたのは、実は二十四日でございます。庁のほうでは、さらに三月に入ってからようやくそういうことがわかったわけでございまして、すでに、現地のほうでは直ちに、そうした文書等については誤解を招くということで、組合のほうを通じて回収をしていただいたわけでございます。したがって、いまの所得額を組合の幹部に知らしたということにつきましては、これは所得額ではなくて一応の目安ということで、特にこれに縛られるものではないということ。あるいは、もし問題があれば当然自主的に各人が申告していただけばよろしいので、その辺は税務署のほうに説明をしていただけばよろしい、こういうふうな注意を申し上げて御連絡をしたわけでございますが、事の起こりはそういうことでございます。
したがって、目安を示したにしましても、あたかもかつて
昭和三十年ごろに行なわれておりましたような、いわゆるお知らせ方式と同じようなものが復活したのではないか。あるいは場合によりましては、割り当て課税が行なわれておるのではないかといったように受け取られる方がございますので、そもそものきっかけは私のほうに落ち度があったとは思いますけれ
ども、組合のほうにも、今後こういうことのないようにということを御注意申し上げるとともに、各組合員の方にも、三月の申告の時期にはそれぞれ
事情を
お話しいたしまして、幸い現在その組合員の方々からは、おおむね各人の自主的な
内容によりまして申告書を提出していただいておる、こういう
報告を受けております。
なお、局のほうでも、初めはそういうことを知らなかったし、また、そういうことをしてはいけないということで、すでにもう十数年たっておりますので、まさかそういうことがあったとは思っておりませんでしたが、不幸にしてそういうことがたまたま久留米税務署の場合に起きておりますので、私
どもとしましても、局については厳重な注意をし、また局が税務署の担当責任者につきまして厳重な注意をしたわけでございます。