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小林(進)
分科員 私は、
大臣、あなたのその貧乏人は貧乏人だけの組合でいけ、お金持ちはお金持ちだけで組合をつくっていけ、それは不公平だから——そのことばだけは、私が言いたい
ところなんです。
厚生省は、それをいままでおやりになってきた。それが政管ですよ。あなたもきのう本
会議で言われた、中小企業の親方とそこに働いている不安定な労働者、一千三百万いましょう。その人たちだけで組合をつくっておいて、それが赤字になったからといって保険料を上げていく、これほど残酷なやり方はないですよ。私はもう時間がないから言いますけれども、あなたが言われたから言うんだ。その政管の中で、この十年間で一体——その政管を中心にして、貧乏人だけで経営している、——貧乏人というとことばは悪いわけですがごかんべんいただくとして、ことばが悪かったらあとで訂正させてもらいますけれども、そういう人たちだけに、十年間で
医療費を何回値上げしました。九回も値上げをしていて、その間において、この零細企業に働いている労働者とそしてそこに働いている雇用主というものは、その間に保険料を幾ら一体値上げされました。六割か七割くらい値上げされているはずだ。今度一三・七%も上げたら、もう八割くらい、十年間で自分たちの保険の負担金を八割くらい値上げをされたはずだ。その間一体
政府は何をやりました。単なる事務費を出しただけじゃないですか。それでも三年か四年前、二百八十五億円ですか…(
斎藤国務大臣「二百二十五億ですよ」と呼ぶ)まあもっと少ないじゃないか。それじゃ、たった二百二十五億円くらいのスズメの涙の補助金だけ出しておいて、あとは全部気の毒な人たちを保険料の値上げという残虐非道な方法で痛めつけてきたのでしょう。それでいま、今度、この政管保険の問題をやりましょう。保険料を値上げして調整をやります。今度五%、五%、その五%が幾らに該当しますか。あなたはきのうも言われたけれども、三百七十億円ですか…(
斎藤国務大臣「三百七十三億円」と呼ぶ)まあ三百七十三億円、三億円は上げても下げてもたいしたことはないですが、たった二百二十五億円しか出さないで、この人たちの保険料をこれくらい痛めつけてきて、そして今度は保険料は赤字になりましたからといって、
社会福祉に
重点を置きます、
社会保障に
重点を置きますといって、この一千三百万、雇用主を加えれば一千五百万になるかもしれないこういう人たちに、たった二百二十億円から三百七十三億円という、なにです、百五十億円足らずの金を出したというだけで、鬼の首でも取ったように、赤字
対策のためにこういう保険法の改正をやった、それを私どもに納得せいと言ったって、納得できません。できるわけがない。それでも、あなたの言うように、この人たちは低所得者で気の毒だから、六年でも七年でも八年でもぽんと保険料を上げないできて、いま
政府がやむを得ずひとつ何とかしようというならいいけれども、あなたが言われた気の毒だという人たちに、全部いままであと始末させてきたんじゃないですか。
政府の出したのは、スズメの涙じゃないですか。今度
政府が出す分をたった三百七十三億円にしておいて、そして豊かな組合健保のほうから調整金と称してふんだくってきて、そこででこぼこ直しをしようという、そういうことで私どもが一体納得できると厚生
大臣お考えになりますか。それが抜本改正の目玉だとか中心だとかいわれて、さようでございますと私ども言われますか。あなたが、厚生
大臣、八項目を通じて了解
事項をおやりになったときには、ひとつ職業のいかんを問わず、地域のいかんを問わず、生命と健康は平等に扱わなくちゃいけない。負担はそれぞれの所得に基づいてやればよい。負担の公平は、所得の多寡によって決すればよい。給付は公平だ、その
意味においては保険は一本なり。この一本ということばに私は魅力を感じた。やありっぱだ、これこそほんとうに正しい見解だということで、私どもは心から御支持申し上げてきた。ただ猫のシャッポで後退してしまって、そんな政管と組合健保の単なる調整だけでこれが抜本改正だなんていわれた
ところで、私どもはどうしようもできるわけがないじゃありませんか。厚生
大臣、あなたは良心的にものを判断してください。私の言うことが無理か、あなたが怪弁をもって私をちょろまかそうとすることが正義か、正しい良心に基づいて返答してください。