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1972-03-25 第68回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年三月二十五日(土曜日)     午前十時開議 出席分科員    主査 松浦周太郎君       足立 篤郎君    細田 吉藏君      三ツ林弥太郎君    井上 普方君       上原 康助君    大出  俊君       阪上安太郎君    島本 虎三君       堀  昌雄君    中野  明君    兼務 田中 昭二君 兼務 土橋 一吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君  出席政府委員         防衛庁人事教育         局長      江藤 淳雄君         大蔵省銀行局長 近藤 道生君         農林省農政局長 内村 良英君         運輸省航空局技         術部長     金井  洋君         郵政大臣官房長 森田 行正君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政大臣官房電         気通信監理官  牧野 康夫君         郵政省郵務局長 溝呂木 繁君         郵政省貯金局長 石井多加三君         郵政省簡易保険         局長      野田誠二郎君         郵政省電波監理         局長      藤木  栄君         郵政省人事局長 北 雄一郎君         郵政省経理局長 浅見 喜作君  分科員外出席者         防衛庁装備局通         信課長     安間 俊二君         大蔵省理財局次         長       大蔵 公雄君         郵政大臣官房首         席監察官    舘野  繁君         郵政大臣官房資         材部長     斎藤 義郎君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   庄司 茂樹君         日本電信電話公         社総務理事   山本 正司君         日本電信電話公         社営業局長   遠藤 正介君         日本電信電話公         社運用局長   中林 正夫君     ————————————— 分科員の異動 三月二十五日  辞任         補欠選任   安宅 常彦君     堀  昌雄君   阪上安太郎君     大出  俊君 同日  辞任         補欠選任   大出  俊君     井上 普方君   堀  昌雄君     上原 康助君 同日  辞任         補欠選任   上原 康助君     安宅 常彦君   井上 普方君     島本 虎三君 同日  辞任         補欠選任   島本 虎三君     阪上安太郎君 同日  第一分科員田中昭二君及び第三分科員土橋一吉  君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十七年度一般会計予算郵政省所管  昭和四十七年度特別会計予算郵政省所管  昭和四十七年度政府関係機関予算郵政省所管      ————◇—————
  2. 松浦周太郎

    松浦主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  昭和四十七年度一般会計予算及び昭和四十七年度特別会計予算郵政省所管並びに昭和四十七年度政府関係機関予算日本電信電話公社関係を議題といたします。  まず、説明を聴取いたします。廣瀬郵政大臣
  3. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 郵政省所管会計昭和四十七年度予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。  まず、一般会計でありますが、歳出予定額は八十一億三千万円で、前年度予算額七十三億九千二百万円に比較いたしまして、七億三千八百万円、一〇%の増加となっております。  この予算には、人工衛星を利用する電波研究推進に必要な経費二億八千二百万円、海洋開発のための通信方式研究に必要な経費六千四百万円、電波監視新体制の確立に必要な経費八千三百万円、有線テレビジョン放送関係施策推進に必要な経費三千百万円のほか、総合的電気通信施策強化、放送大学に関する調査に必要な経費が含まれております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入予定額歳出予定額ともに一兆一千二百四十九億七百万円で、前年度歳入予算額八千八百七億二千五百万円に比較いたしますと、二千四百四十一億八千二百万円、二八%の増加歳出予算額八千八百五十一億八千六百万円に比較しまして、二千三百九十七億二千百万円、二七%の増加となっております。  この予算には収入印紙収入等一般会計等へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入支出が三千六百七十三億四千六百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な経費の財源となる歳入歳出は、七千五百七十五億六千百万円でありまして、これは前年度予算額に比較しまして、歳入は一千二百九十一億四千三百万円、二一%、歳出は一千二百四十六億八千二百万円、二〇%といずれも増加となっております。  この予算におきましては、重要施策としております大都市及びその周辺における郵便送達速度の安定と向上のための諸施策、すなわち、郵便局舎改善輸送力拡充郵便外務対策など、及び郵便貯金簡易保険増強に伴う経費が含まれております。  なお、四十七年度建設勘定予算は四百三十億円でありまして、前年度予算額に比較しますと、百二十五億百万円、四一%の増加であります。  次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は七千七百四十四億七千四百万円で、前年度予算額六千三百九十二億一千百万円に比較しますと、一千三百五十二億六千三百万円、二一%の増加となっております。  歳出予定額は、六千五百十九億九千八百万円で、前年度予算額五千二百八億七千万円に比較しまして、一千三百十一億二千八百万円、二五%の増加となっております。  次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は一兆一千四百九十八億四千九百万円で、前年度予算額八千五百六十五億八千九百万円に比較しまして二千九百三十二億六千万円、三四%の増加となっております。  歳出予定額は四千八百八十一億九千百万円で、前年度予算額四千百九十六億六千二百万円に比較しまして六百八十五億二千九百万円、一六%の増加となっております。  また、年金勘定におきましては、歳入予定額歳出予定額ともに三十億二千万円で、前年度予算額三十億八千九百万円に比較いたしまして六千九百万円、二%の減少となっております。  なお、以上の予算の中には、沖繩関係といたしまして、一般会計歳出予定額のうち一億八千百万円、郵政事業特別会計歳出予定額のうち四十五億九千万円が含まれておりますが、これは、沖繩復帰に伴い当省が承継する業務に必要な経費及び速達配達実施為替貯金の未実施業務実施簡易生命保険業務の開始など、新規業務に要する経費をあわせて計上いたしております。  最後に、日本電信電話公社予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入予定額は一兆四千四百五十八億円で、前年度当初予算額と比較いたしまして二千八十七億円、一七%の増加となっております。  他方支出予定額収入予定額と同額の一兆四千四百五十八億円でありまして、これを前年度当初予算額と比較しますと、給与その他諸費、営業費等で一千三百七十七億円、資本勘定への繰り入れ額で七百十億円、合わせて二千八十七億円、一七%の増加となっております。  資本勘定におきましては、収入予定額内部資金で五千四百十九億円、外部資金で六千四百八十八億円、総額一兆一千九百七億円を計上いたしております。  このうち政府保証のある公募債によるものは二百億円、特別債によるものは一千二百八十億円となっており、この特別債の中で新たに政府保証のない公募債を発行することとしておりますが、その発行額等につきましては、今後の金融情勢等を勘案しながら、大蔵省とも十分協議してきめることとなっております。  他方支出予定額建設勘定への繰り入れ額で一兆五十億円、債務償還等で一千八百五十七億円となっております。  建設計画につきましては、年々増大する電話需要に積極的に対応するため、前年度当初予算に比べ四十一万五千加入増の二百八十一万五千加入一般電話増設をはじめとして、事業所集団電話六万五百加入地域集団電話十五万加入公衆電話約四万五百個、市外回線約十二万四千回線等の増設を行なうほか、情報化社会の進展をはかるため、データ通信の拡充強化を進める等の建設工事実施し、電信電話設備拡充とサービスの向上を強力に推進することといたしております。  なお、以上の予算には、沖繩関係につきましては、建設投資七十億円をもって、一般加入電話一万五千加入事業所集団電話五百加入公衆電話約五百四十個、市外回線約一千百回線等の増設を行なうほか、離島との通信連絡改善、本土−沖繩本島間カラーテレビ回線増強等、大幅な設備拡充を計画いたしております。  以上をもちまして、私の説明を終わりますが、なお詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答えいたします。
  4. 松浦周太郎

    松浦主査 以上をもちまして説明は終わりました。     —————————————
  5. 松浦周太郎

    松浦主査 質疑に先立ち、念のため申し上げます。  質疑者が多数おられますので、質疑の持ち時間は一応本務員は一時間程度兼務員もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力をお願いいたします。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に、要領よく、簡潔に行なわれますようお願いをいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
  6. 堀昌雄

    堀分科員 本日は、郵政省所管の問題を少し論議をさしていただきたいと思います。  最初に、いま大臣お触れになりましたけれども昭和四十五年十二月七日、郵政審議会郵政大臣に対して答申をしておられるわけであります。その中で、いま大臣お触れになりましたが、「一定の時刻までに引き受けられた郵便物は、所定の日時には確実に配達されるようにすべきであって、標準送達速度を確立することが望ましい。」こういう答申が実はされておるわけでございます。このことは都市における郵便遅配の問題に関連して答申がされたと思うのですが、この答申は四十五年の十二月七日に行なわれておりますから、当然四十六年度中に一応何らかの成果があってしかるべきではないかと思いますが、どういう成果があったのか。今日、先ほどの大臣の御報告の中にもありましたけれども、さらに施設その他を増強してこの問題を進めるのだ、こういうような御趣旨の御報告をいま承ったわけでありますから、ちょっとそれについて簡単に現状と今後の見通しについて承っておきたいと思います。
  7. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 御承知のように、昭和三十年ごろからだんだん戦後の国民生活の安定に伴って郵便物がふえてまいりまして、他方労務事情がよくないということで、遅配の現象が起こってまいりまして、それがほとんど慢性的にずっと長く続いてまいりました。そこで、これにはいろいろな事情もございますけれども、とにかく従業員が最善の努力をいたしまして、郵政省の一番重要な仕事であります郵便物配達の問題でございますから、遅配の解消をすみやかにしなければならないということでやってまいったのでございます。  それで、郵便事業がきわめて赤字が多いということで、昭和四十五年度は百二十三億、四十六年度で四十五億というような赤字が出ておりますので、これを解消いたしますために郵便料金の値上げをお願いいたしまして、幸いに国会の御了承をいただいたのでございますが、それに関連いたしまして、郵政審議会から郵便物配達については迅速を期さなければならないという御答申をいただいたわけでございます。それにつきまして、いろいろやっておりますけれども、たとえば昨年の十月二十五日に全国に公表いたしました郵便日数の表、俗に郵便物のダイヤと申しておりますけれども郵便物送達日数表、こういうものを公表いたしまして、いつここで郵便物をお出しになれば、先方、たとえば福岡なら福岡仙台なら仙台にはいつ郵便物が着くということを、国民にお約束申し上げまして、国民にそういうことを知っていただきますとともに、また従業員の一そうの勉励の目標というようなことにもいたしたわけでございますが、答申で申しておりますのは具体的にはそのことをいっているのじゃないかと思っております。
  8. 堀昌雄

    堀分科員 昨年の十月二十五日に出されました郵便日数の表というものは確実に行なわれておりますか。トレースはちゃんとしておるのですか。
  9. 溝呂木繁

    溝呂木政府委員 ただいま大臣から御答弁がありましたように、郵便日数表は各郵便局の窓口、自局からそれぞれの主要あて地別日数表でございまして、それも今回は第一種定形郵便物と第二種、いわゆる手紙、はがきの、国民生活に非常に密着したものに限ってお約束したわけでございまして、そのお約束した日数も、私どももいろいろ試験通信によりまして、ただ急ぐということでなしに、ある程度安定し得るアローアンスを少しつけましてお約束しましたために、私ども試験通信によると九〇数%、その実行率といいますか達成率ということでございまして、おおむね所期の目的を達しているという感じがいたします。特にその効果が去年の暮れからことしにかけてのいわゆる年賀郵便、それが近年まれに見る好成績ということで、やはり郵便日数表を公示したことによって、私ども従業員のある程度心がまえにもなりますし、お約束した以上、ということでもっていろいろあちらこちら手を打ちました効果、こういうふうに考えております。したがいまして、現在は非常にその効果があがっているというふうに考えております。
  10. 堀昌雄

    堀分科員 私は、いま皆さんのほうでこういう日数表を出されて効果があがっておること、たいへんけっこうだと思います。いま、年賀郵便がことしたいへんうまくいった——年賀郵便がうまくいったという面は、いまの日数表を出したからうまくいったのじゃないでしょうね。これは昨年の暮れの労使の紛争がなかったということがうまくいったのじゃないでしょうか。大臣いかがでしょうか。
  11. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私、全く同感でございまして、昨年の秋から暮れにかけまして郵便物は大体順調に、遅配がなくなったという状況にかてて加えまして、年末に行なわれます従業員組合員との折衝と申しますか、これが闘争というような段階に至らないで、昨年の十二月五日に非常に早期に妥結を見たのでございます。これは従業員のほうも管理者のほうも非常に誠意を込めて、信頼感をもって話し合いをしたということにその原因があったと思います。これが私は、御指摘のように年賀郵便がきわめて円滑に、戦後初めてだといわれますくらいに一〇〇%の成績をあげた一番大きな理由ではないか、かように考えております。
  12. 堀昌雄

    堀分科員 実はこの答申を拝見いたしましても、ここでは非常にその点は強調されておるわけでして、「また、労使関係がとかく円滑を欠き、正常運営の確保のうえで大きな障害となっていることも看過できない。健全な労使関係の樹立に格段の努力を要望する。」こういうふうにこの答申も書かれておりますし、さらに「また、職員勤労意欲および能率向上をはかるため、作業管理処遇等各般にわたり、その措置を十分検討しなければならない。」ここも触れられておるわけです。  私はいまこの答申を読みながら感じますことは、少なくともある一つ企業が効率的に運営されるためには、一番いま何が大事かといえば、特に人間労働力に依存することの程度の多い企業ほど、実はこういう従業員との間がうまくいくかいかないかが効率に非常に影響するのだ、これはもうこういう企業運営上の最大の原則だと思いますね。特にいまの郵政事業の中の郵便業務というものは、最も労働集約的な業務でありますから、その最も労働集約的な業務で、皆さん方が、その労働者集団である組合との間に摩擦を起こすような労務管理をされておることは、私は全くその点で理解に苦しむ点が多いわけであります。  私はきょうはまず前段で、この前私ども大阪中央郵便局なり兵庫の東灘郵便局を視察に参りまして、全く私が常識で考えられないようなことが行なわれておる点がありますので、その点をまず最初にちょっと触れておきたいと思うのであります。  私、この間逓信委員会で、NHK予算に関連をいたしまして大臣にも申し上げたのでありますけれども一つは、この答申で「職員勤労意欲および能率向上をはかるため、作業管理処遇等各般にわたり、」こう書いてあるわけですが、年休の問題を一つあそこで取り上げさしていただいたわけでございます。そこできょうは、皆さんのほうの専門の方がいらっしゃるわけですから、いま郵政職員年休は全体としてどの程度に消化されておるのか、私はたまたま東灘郵便局という特定なところで、個別案件で見たわけでありますが、全体としてどうなっておるのか、把握をしておられるのかどうか、ちょっとお答えいただきたい。
  13. 北雄一郎

    北政府委員 全職員調査を毎年いたしておりますが、一人平均年間約二十日をとっております。
  14. 堀昌雄

    堀分科員 いやそれは、大体年間年休は二十日なんでしょう。それで二十日とっていれば残りはないはずだが、私がこの間、東灘郵便局で調べたところでは、四十日くらい残っている状態ですね、三月末で。それは、その次に何かきまった形に幾らかをして必ず消化をするということになるけれども、押せ押せになって実は残っているというのが実情だったわけですが、全体としては、そうすると年休は完全に消化されておるということですか、年度の末で。この三月三十一日現在でどうなるかちょっとお答えいただきたい。
  15. 北雄一郎

    北政府委員 先生仰せのように、各個の局をとらえますと若干残っておる局もございます。  私、約二十日とっておると申しましたのは、正確に申しますと、全体では年間十九・八日消化しております。御指摘のように、発給日数年間二十日でございますから、ほぼ完全に消化しておる、こういうことになりますが、ただ、組合協約ございまして、前年度、前々年度というものも、三年間はこれが生きておるという中から、御指摘のように、局によりましては若干日数を余しておる、こういうところもございます。こういったところにつきましては、なるべく消化するように指導はいたしております。
  16. 堀昌雄

    堀分科員 実は、この郵便局に私ども参りまして、これだけ休めないということは人手が足りないんじゃないですかと、こう聞いてみたんです。あなたのいまのお話なら、全体としてはとれているということなら、特定のところにとれない、余りが出るということは、人員が十分ないからじゃないかと思って聞いてみましたところ、その局長さんは、人員はこれで十分です、こう言っているのです。人員が十分なら、当然そんなに、一人当たり四十日も余すのはおかしいわけですからね。非常に私はその点では疑問を残したのですが、何かその局長さんは、もう一年間でこれを半分にはしますと、こういうことを言っていられたのですが、半分でもおかしいと思って、私この間大臣問題提起をさせていただいたわけです。  そこで、これは同じように非常に私が驚いたことが一点ございますのは、病欠の取り扱いの問題であります。実は、そこでは、ある時期に一日休んでも医師診断書を出しなさい、こういうことを局長が全職員に申し渡した時期があるわけですね。これはあまりにひどいではないかということで、その近畿の組合郵政省話し合いをされた結果、一日でも休んだら診断書を出すということはやめにしようということになったようであります。ところが、ここで、この局の執行委員をしております森久泰という人が、四十七年の二月十一日の日に、一日、かぜを引いて熱がでたからといって実は休みました。これは本来届けなければいかぬことは当然なんでありますが、まあ妹さんに、寝ているものだから電話をかけてこいと言ったのを忘れておったようであります。その日の午後に、休んでおるからといって局から二人、この家に見に行っておるわけですね。見に行って、妹さんがおって、寝ておりますからということで、寝ておることは一応確認をして帰られた。ところが、この人が二月二十五日ですかにその旨の届けを正式に出した。ところが、私ども調査に参りましたときまでも、実は病欠の扱いにされていなかったわけですね。私はその局長さんに聞いたわけです、一日休んで診断書あなた出しなさいと言ったというのは、どういうことなんでしょうかと。大体、一日や二日休んでみんな医師にかかっているかというと、私はまあ医者ですからよくわかっておりますが、一般的には、かぜで一日休んでお医者さんに行くというのは例外ですね。まあ一応「くしゃみ三回ルル三錠」とか、そういうことで何かそういうかぜ薬を飲むというのは、いま国民一般的通例ですね。医者にかかっていない者が、あとから医者のところへ、何日病気で休みましたから診断書くださいなんて行けると思いますか。大臣、こんなことは常識で考えられないことですね。皆さんのほうの労働協約の中にも、六日でしたか、六日間以上は診断書を出しなさいでしたかね、何か労働協約にあると思うのですが、これは私は一般的な常識だと思うのです。  そこで、この人は一日休んだわけですが、私が、どうしてそんなに診断書をとるんですかと聞きましたら、その局長さんは、大体ずる休みをする人間がいる、だからそうやって診断書をとることにしたのです、こういうのが一点でした。わかりました、それじゃ、あなたの局の中でそういうずる休みをする常習者がいますか。十四、五人います、こう答えました。そのずる休みをしてしょっちゅう休む人の中にこの人が入っていますかと、こう聞きました。入っています、こう答えた。そこで私、局の方に、資料を出しなさい、この人は四十六年の四月一日からこの四十七年の二月十一日まで何回休んだのか、ずる休み常習者なら当然わかるから、資料を出しなさい。そこで資料をもらいましたら、この年に、この日に初めて一日休んだだけだ。よろしゅうございますか。要するに、執行委員であるという予見をもって、ずる休みをする常習者の中へ初めから入れているわけだ。十四、五人の中へ入れておいて、そうして、一日休んだらその家にまで二人行かせて、病気で寝ていることを確認しておきながら、依然として今日まで診断書を出さないということで病欠にしていないというのが事情だったのです。  そこで私は、まあ医者の立場もありますから、病欠というのは、客観的な事実が証明することができるような条件であるならば、病欠にすべきではないか、こう申しましたら、この局長は、私が病欠にするかどうかは判断をいたします、と来たわけですよ。よろしゅうございますか。最近、にせ医者事件というのがたいへん問題になっておりますけれども、一体、病気であるかどうか、その病気が出勤にたえられるかどうかについて判断をするというのは医療行為ですよ、今度は。そんな医療行為に関する判断の部分を郵便局長が一々できる、こんなばかな話は、私はちょっと考えられないと思うのですね。大臣、いかがでしょうか。客観的に、家へ行って寝ていたという事実があれば、病気であったのは間違いがない。病気で寝ている者が、それもしょっちゅう休んでいるんじゃない。この年、二月十一日に、四十六年の四月一日からの間初めて一日休んだ人間をなお、われわれが調査に行った段階ですら、どうするかはまた検討をするなどということが、いまのこの日本の社会で許されるべき問題ではないと思うのですが、大臣いかがでございましょうか。
  17. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 どうした事情でそんなことを言ったか存じませんけれども、いまの先生のお話で見ますと、きわめて常識を欠いた行為だと思います。
  18. 堀昌雄

    堀分科員 人事局長病欠の取い扱いについての原則をここでちょっとはっきりしておいてもらいたい。客観的事実、それはまあ診断書一つの客観的事実でありましょう。しかし、家人が、寝ておりましたと言う場合、また、その際二人も行って確認をしているんなら、寝ていたに相違ない以上、それならば病欠にするのが当然ではないですか。そこに郵便局長判断が介入するというのは、私はどう考えてもおかしいと思う。病欠というのは客観的事実に基づいて決定すべきものである。主観的判断で決定すべきものではないと思うのですね。まずあなた、人事局長の立場で答弁してください。
  19. 北雄一郎

    北政府委員 当該局長直接先生にそういうお話をしたようでございますので、そういうことで申し上げますと、その場合の判断と申しますのは、おそらく、当該局長がその人間を見るなり何なりいたしまして、これは何病であって出勤にたえる、たえない、そこまで判断するという意味じゃなくて、むしろその前段にその局長が先生に申し上げましたように、必ずしも診断書と限らないわけでございますけれども、何かそういった病休を請求する場合に、病休を付与するかどうかということの判断をするにあたりましては、やはりそれに、それ相当の判断の材料と申しますか、そういったものが必要である。そういう判断資料、これはまあ診断書も場合によっては含まるかと思いますが、診断書等、判断資料というものによりまして局長判断をする、こういうことを申したのであろう。こういうふうに存じます。
  20. 堀昌雄

    堀分科員 実は私が参りましたときは、同僚の阿部議員なり参議院議員二人、四名も行っているわけですね。要するに出勤にたえるかどうかを判断する、こう言っているのですよ。出勤にたえるかどうかの判断というのは医師判断であるべきであって、それは郵便局長判断するべきではない。もしそんなことを判断すれば医師法違反である。これが第一点。  第二は、自分のところの局員が二人行って家にいることを確認しているのに、何かほかに挙証しなければならぬというほどこの病欠ということは重大な問題でしょうか。これは客観的事実でしょう。第一、見せにやることは何らかの予見があると思うのです。初めからずる休みする人間だといって、局長は自分の局員でありながら過去も一日も休んでなくてもずる休み常習者にしておるという差別的な取り扱いに、私は大いなる憤りを感じるわけですね。局長といったって局員全体で二百名くらいしかいない。その中で執行委員というのは目立つ存在だから当然わかっていることなんですね。それを調べもしないで逆にずる休みの常習の中に入れるということは、すでに常識を欠いていると思うのです。だから、この病欠の取り扱いについてはいまも私の申し上げたとおり、客観的事実があれば、これは本人の届け出によって病欠にするのが当然だと私は思うのですが、大臣、その点ひとつ明確な御答弁をいただきたいと思います。
  21. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 この場合は無届けであったということもいま局長申しておりますけれども、いずれにいたしましても、局長医者の領域を侵すようなかってな判断をするようなことは、私は人権に関する問題であるとすら考えますわけでございまして、そういう点はもっと注意いたしまして、慎重にやらなくちゃならないことだ。この点は全く先生と同感でございます。
  22. 堀昌雄

    堀分科員 いまの無届けの問題も言ったところが、きょう届けば出ていません、私がうっかりしておりましたと、出た妹さんが言っているわけですね。人間ですから、ともかく朝休んで午後に出たときに、妹さんがにいさんから言われておったことを、自分の家に電話があればいいですけれども、自分の家になければ、それは忘れることだってあるのですよ。ただそれだけで、問題がいろいろされることがあることに私は問題があると思う。人間というのはあやまちがある。しょっちゅう無届けで休んでいるわけじゃないのですよ、初めてのケースですから。この点は十分ひとつ、病欠の取り扱いはそういう何らかの客観的事実によって証明される場合には、一つ局長のそういう主観的判断の介入の余地がないということにきめていただきたいと思うのです。
  23. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 十分注意してまいります。
  24. 堀昌雄

    堀分科員 その次に、もう一つ大阪中央郵便局で私たいへん驚いたことが一つございます。それは、不当労働行為の問題で議論することになりましたときに、局長さん、あなたはもし部下の職員で不当労働行為をしたという事実がわかったときは処分をしますねと私は聞きましたら、黙って答えないわけです。重ねて伺っておるうちに、処分しませんと、こういうことになったわけですよ、はっきりと。これは一緒に伺った方は後藤代議士その他何人かあるわけですけれども、それで逓信委員会の方もどなたかいらっしゃって、大臣が不当労働行為を行なった者は処分をするとはっきり国会でおっしゃっておるにもかかわらず、郵便局長、あなたがそれをやらぬということはどういうことですか。たしか大阪中央郵便局の場合には主事ですか、主任ですか、何かのところは人事権があるのですね。そこから上は郵政局らしい。人事権を持っておられる部分があるわけですから、あなたの人事権のある対象者の中でそういうことが起きた場合も処分しないのですねと言ったら、処分しない、こういう答弁なんですね。要するにこんなこと常識論ですから、私も医者ですから、労働問題の専門家でも何でもありませんけれども、少なくとも不当労働行為が明らかにあった場合は、それを処分するのは当然だと思うのですが、処分をしないという郵便局長があるというのは、大臣どうお考えになりますか。まず大臣からお答えをいただきたい。
  25. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 管理者であれば不当労働行為というのは起こり得るわけでありますけれども、この場合には管理者じゃなかったので、厳格な意味における不当労働行為じゃないというように考えたのじゃないかと思いますけれども、なお局長から御説明いたさせます。
  26. 堀昌雄

    堀分科員 私ども具体案件について言っているのじゃない。要するに一連のいろいろな問題があるわけだから、もし不当労働行為をやったという事実が明らかになったら局長さんどうしますと私は聞いたのです。だから、これは仮定の案件です。この案件でどうするという具体案件で聞いているのではないのです。これは要するに行政のたてまえを聞いたわけです。そうしたら、行政のたてまえ論として処分をしません、こういうことになってきたわけです、はっきり。これは全部聞いていますから、こんなばかなこと私ども聞きのがしておくわけにいかぬ。幾ら郵便局長さんといえども郵政大臣が国会で不当労働行為があった場合は、それはその事実が明らかになったら処分しなければならぬとおっしゃっているのをそこの現場で聞いていましたから。だから、ちょっとおかしいじゃないですか。大臣がきめられていることを、郵便局長が反対のことをわれわれ国会議員の前にお答えになっていいのですかと言ったのですが、私は処分しません、こう言っておられるわけですね。だから、これは処分するしないではなくて、私は郵政職員の服務規律の問題じゃないかと思うのです。要するに郵政職員というものは、そういう不当なことがあっても、その長である大臣の方針にそむいたことを現場でやるということは、これは重大な問題だと思うのです。単にそれは不当労働行為の問題でなくて、重大な問題だと思うのですが、いかがですか。簡単に。時間がありませんから。
  27. 北雄一郎

    北政府委員 姿勢としては、先生のおっしゃいますとおりであります。先生とお話し申し上げました当該局長は、自分の人事権ということから考えて、そういうことを言ったのじゃなかろうか。でありまするから、姿勢としては先生がおっしゃいましたとおり、またかつて大臣が常々私どもに言っておられるとおりでありまして、過去数年間ひっくるめますと、管理者で不当労働行為の疑いのあるようなまぎらわしい行為をした者について現実に処分をした例もございます。そういうことでございます。
  28. 堀昌雄

    堀分科員 私聞いたのですよ。あなたの権限どこまでありますかと。そうしたら主事ですか主任ですか、何か私はよく覚えていませんが、そこまでありますということですから、その中の人で、それに該当したときはどうですかと聞いてもいまのような御答弁だったのですね。私ども五月か六月にもう一ぺん大阪中央郵便局に行くことにしておるのですが、どうか今度行ったときには前回のあれは間違っていました、大臣のおっしゃるとおり不当労働行為がありましたら処分します、という答えが返ってくるように指導をしておいていただきたいと思います。
  29. 北雄一郎

    北政府委員 当該局長には最低の役職である主任及び一般職員についての処分権があります。繰り返して恐縮でありますけれども、主任以下の職員というのはいわゆる一般職員でありまして、管理者じゃございません。したがいまして、この連中が、他の人間に対して特定組合への加入、脱退をすすめたというような場合は、これはお互いの間の組織争奪戦である。したがって、不当労働行為という概念がそのランクの人間についてはあり得ない、こういうことからそういうお答えをしたのだろう、こういうふうに存じます。
  30. 堀昌雄

    堀分科員 もうちょっとだめを押してあるのです。その他の者についても問題があったら、郵政局にあなた方のほうでこういう問題があるということを届け出るのでしょうねとすでに話してあるわけです。彼の人事権はそこまでだから。だから、その場合には処分の対象になるかどうかについての彼の判断が当然入るはずですから、それを含めて議論があって、なおかつそういうことですから、そういう点は十分に注意しておいていただきたいと思います。  最後に、時間がございませんから一点だけ申し上げておきたいのですが、実は郵便局における金券その他の扱いをしておる者の中における不正の問題がしばしばございまして、私はかつて小林郵政大臣のときにも一回取り上げたことがあるわけです。小林郵政大臣はここで、郵政監察官の制度ですか、あれは国鉄と違って外部との交流がない、要するに内輪のものだから、まあまあで処理するので、適切でないということを当時小林郵政大臣はおっしゃったことがあるんですね。国鉄については警察当局と人事の交流があるからこれは非常にフェアだというけれども、郵政はそうなっていないという御指摘があったのですが、実は私は具体的な確証をいま持っておるわけですがね。これは告発をいたします。これは詐欺、横領でございますから告発をいたしますが、そういう事実が出たときに大臣は——私はたくさん過去に例を知っておりましたけれども、私自身が確証を持つことができなかった。今回私が調査をして確証を持っておりますから、これは刑事問題ですから告発案件で処理をしたいと思っておりますが、そういう事案が起きたときに、郵政大臣はこの所属の各長ですね、これらについてはどういうふうな措置をとられるのか。これは二件あるのですけれども、一件だけとりあえず告発をしようと思っておりますが、たいへん嘆かわしいことだと思うのです。そういう金券その他を発行できるような身分にある者がそういう不正を行なうということは非常にけしからぬ問題だと思うのです。これは告発をしてから内容をお知らせいたしますけれども、そういう事実が、告発して事件として処理されるような形になったときには、大臣はどういう対処をされるか、ちょっと承っておきたい。
  31. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 そういう場合につきましては、刑事訴訟法に基づきまして司法警察官という権限をもって処理するというようなことになっているそうでございまして、従来もそういうことをやっておりましたが、今後もそういう方針でやるつもりでございます。
  32. 堀昌雄

    堀分科員 それは郵政監察の中でそれをやるということですか。
  33. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 そういうことです。
  34. 堀昌雄

    堀分科員 私どもは検事局に告発をしますけれども、検事局に告発しても警察や検事局の手にまかせないということですか。
  35. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 それは検事局は検事局の判断でまた処理するわけでございまして、私どもは私どものほうで持っております郵政監察の機能でそういうことをやるということになるわけでございまして、どちらでやっても、そう差しつかえないことだと解釈しております。
  36. 堀昌雄

    堀分科員 ちょっとよくわからないのですが、さっきの、前の小林郵政大臣のおっしゃった点でそこにちょっと疑問が出てくるのですけれども、私は、われわれが警察に対して告発したものを、郵政の手でまた内緒でこそこそ調べるということよりも、どうぞ警察でお調べくださいといって出すのがフェアじゃないのですかね、この問題は。あとで調査されるならいいですよ。しかし警察に出したものを内部でもってまた適当にあれこれして、口裏を合わせて犯罪事実を防護するということになるというのでは、これはたいへんなことだと思うのですね。やはりそういう場合には、公正に警察の手によって、要するに公務員といえども、これはやっていることは横領なんですよ、はっきり。刑事訴訟法に基づくところの犯罪行為があるものを、どこまでも郵政監察のワクの中で処理しようという発想は、私はどうも納得できないのですが、この点、いかがでしょう。
  37. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 その問題につきましてはもう少し明確に、政府委員であります首席監察官から御説明させたいと思います。
  38. 舘野繁

    ○舘野説明員 お答えいたします。  検事局に告発がありましたときには、当該検察官の判断で、捜査にどの司法警察官を使うかということがきまるのでございまして、事案によりましては、郵政監察官の捜査ということもございまするけれども、一般警察職員の捜査ということのほうがむしろ多いのではないかと思います。ただ一般警察と郵政監察の間に、この事案の処理につきまして、一般的な協定がございまして、郵政事業に対する犯罪の捜査は、第一次的には郵政監察官が行ないましょうということはありまするけれども、これは検察官からの指揮命令がなく事案を発見いたしましたときのことでございまして、お話のように検察官に告発がありましたときには、その検察官の判断で、どの司法警察官を使うかということがきまるわけでございます。
  39. 堀昌雄

    堀分科員 けっこうです。終わります、時間がありませんから。
  40. 松浦周太郎

    松浦主査 これにて堀昌雄君の質疑は終わりました。次は上原康助君。
  41. 上原康助

    上原分科員 私は、沖繩の施政権返還に伴っての沖繩の郵政庁並びに琉球電信電話公社に勤務をする職員の問題、そのほか二、三の郵政省関係に関する質問を、大臣並びに関係担当者にお伺いをしたいと思います。  まず最初に、職員の身分引き継ぎあるいは賃金その他の労働条件の件についてお伺いをしたいわけですが、琉球政府郵政庁並びに琉球電信電話公社につとめる職員の身分引き継ぎの内容なり、さらには賃金を含む沖繩の地理的条件に基づいて設定された諸手当制度等々の点についてどういうふうに進めておられるのか、そこらの点についてお聞かせをいただきたいと考えます。
  42. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 まず私から原則的なことを御説明申し上げまして、足りないところは政府委員から答弁させていただきます。  郵政職員の身分引き継ぎにつきましては、御承知の特別措置法の第三十二条の規定によりまして、その身分を郵政省が引き継ぐこととなっておりまして、郵政事業に従事しております常勤の職員につきましては、郵政職員にはっきりなるということになるわけでございます。琉球電信電話公社の職員につきましては、これまた特別措置法の三十七条によりまして、国際電気通信に従事しておりまして国際電信電話株式会社の職員になりたいという希望の者は、復帰の際に琉球電信電話公社を退職いたしまして、そうして特に国際電信電話株式会社がこれを継承して受け入れる。その他の職員日本電信電話公社のほうの職員として受け入れるというふうになるわけでございます。沖繩放送協会の職員につきましては、これまた特別措置法の第三十八条によりまして、OHKの権利義務をすべてNHKのほうで継承することになっておりますので、当然従業員もNHKの職員としてこれを継承することになるわけでございます。
  43. 上原康助

    上原分科員 もちろん特別措置法の、いま大臣の御説明なさる条文でそういう措置がとられるということはうたわれているわけですが、現に受けている基本給あるいは諸手当、不利益を伴わない形での完全なる身分保障、身分の引き継ぎ保障というものがなされる、そういうふうに解してよろしいですか。
  44. 北雄一郎

    北政府委員 郵政省、すなわち現在の琉球郵政庁の職員、これは先ほど大臣が申し上げましたとおり、郵政職員として引き継がれるわけでございますけれども、この人たちのことについて申し上げますと、ただいま事実上、関係の組合と、ただいま御指摘の給与等の諸条件につきましては詰めておる最中でございます。考え方といたしましては、本俸にいたしましてもその他諸手当につきましても、復帰時におきまして本土並みにいたしたいということでございます。本土並みにする過程におきまして現状との問題が出てまいります。そういった場合にどうするかというような問題も含めまして、現在関係の組合と折衝をしておる最中でございます。
  45. 山本正司

    ○山本説明員 琉球電電公社から日本電信電話公社に引き継がれます職員の給与、労働条件等に関しましても、ただいま郵政からお話がございましたとおり、大体同様でございまして、基本的には本土の労働諸協約によるのでございますが、沖繩としての地域的ないろんな特殊条件にあるものにつきましては、ただいま私のほうの労働組合といろいろ協議中でございまして、そういった協議の結果きめられたものを適用するようにいたしたいというふうに思っております。
  46. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 国際電電の職員につきましては、先ほど大臣から御説明がございましたように、現在国際電電の電気通信関係の業務に従事しておりまして引き継がれる業務にありまして、本人が希望すれば原則としてそれは全員引き受けるということで、現在そのようなことで現地でも意向を調査しております。  また、その受け入れの条件につきましては、一たん退職した以後、国際電信電話株式会社の職員組合員となるわけでございますので、職員組合との関係で条件をきめる問題も出てくるわけでございます。原則としましては、電信電話公社職員が引き継がれると同じような考え方できておりますが、ただ一たん退職しますものですから、退職後の受け入れ後の年金等につきましては、公務員あるいは公社職員とは別途の扱いを受けるわけでございます。これにつきましては組合との協議によってきめる。その原則は、国際電信電話株式会社が昭和二十八年にできました際に職員となった者と同じ条件できめるということで、目下その細部を打ち合わせをしておるわけでございます。
  47. 藤木栄

    ○藤木政府委員 NHKの関係につきましても、現在OHKとNHKが話を進めておりまして、不利にならないようにということで話を進めている、こういうふうに聞いております。
  48. 上原康助

    上原分科員 身分の引き継ぎあるいは基本給、労働条件の件等については、もちろん関係の労使間でいろいろ交渉を持たれて結論を出すことだと思うのですが、全逓や電通、国際電電労組のことですから手抜かりはないかと思うのですが、ただ最初に申し上げましたように、給与体系にしましても手当制度にしても本土と異なった面、沖繩のほうが有利な点もあると思います。そういう面についても、ただ本土並みと、どうも各省庁とも本土並みということばで非常に濁しておられる面がある。そういった面は十分配慮をして、いささかも個々の職員労働者が不利益にならない措置を当局としても講ずるように要求をしておきたいと思います。  次にお伺いしたい点は、まず郵政のほうからまいりますが、復帰後の沖繩における郵便局の設置、あるいは局舎の改善、建築等について、どういう方向で進めておられるのか。これとの関連で、本土と同様に特定郵便局というものを設置をするという方針を持っておられると聞いているのですが、現地側はこれに対して非常に不満と反対の意を表明しております。これについてどういうふうに進めておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
  49. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 郵政関係の諸施設につきましては、御指摘のように沖繩は本土と比べますとだいぶん劣っておりますようでございますので、通信業務の窓口の増設等につきましては最善の努力をいたしまして、一日もすみやかに本土並みの状態にもってまいりたい、こういう努力をいたしたいと考えております。  第二点のお尋ねであります郵便局制度の問題でございますが、これは私は沖繩国会でも御答弁申し上げましたように、すべてのものを本土並みにするということでございますから、郵便局の制度につきましても、ただいまお話しのような御要望が組合のほうからあっておりますことをよく知っておりますわけでございますけれども、やはり本土と同様に、普通局と特定局の混合という形態にいたしたいと思っておりますわけでございます。ただ、御承知のように、ただいま沖繩には郵便局が百二ありますわけでございまして、そのうちどれだけを普通局に持っていくか、特定局にどれだけ持っていくかという問題になってくるわけでございますが、こういうことにつきましては、まだはっきりした基準は確立しておりませんけれども、ただ私どもといたしましては、すべて本土並みということになっておりますので、本土は御承知のように三十五名以上の従業員のところは普通局にする。しかしそうでなくとも、分課のあります局でありますとか、あるいは大都市の通信力の非常に大きいところでありますれば、集配局でありましても普通局にするというような原則がありますわけでございまして、この三十五名をそのまま墨守すべきかどうかということについては、ただいま検討中でございますけれども、大体本土並みのそうした基準を適用することがいいんじゃないかというように現在のところは考えておりますわけでございます。  そして、私どもの考え方といたしましては、特定局ということになりましても、現在その地位にあられます局長は、特定局になります局であれば特定局長にすわっていただくということで御了解いただきたいと思っておるのでございます。しかし何と申しましても、二十数年にわたりましていわば外国の施政下にあったわけでございますから、そういう施政下にあって、長い沿革の現在の郵便局制度になっておりますわけでございますから、その特定局長を任命するにいたしましても、やはりすべて住民でありますとか、あるいは当該局長の本人の御了解をいただくことに十分努力をいたしまして、御納得をいただいた上で、ただいま申しましたような本土並みの普通局と特定局と混合して、本土並みの郵便局制度に持っていく。それについては事前に説得に十分努力しなければならない、一挙に変わった制度を押しつけるというような態度であってはならない、こういうことを考えつつありますわけでございます。
  50. 上原康助

    上原分科員 この特定局の件はいろいろ経緯がございまして、問題があると聞いております。また沖繩の場合は、御承知のように九人以下の郵便局というのが三分の一以上を占めているのじゃないかと思うのです。そういうふうな関係もあって、労使関係という面からも十分話し合った上で本土の制度というものを適用しないと問題が出ると思います。いま大臣のかなり理解をした上で進めていきたいという御答弁もございましたが、その点特に御配慮をするように要請をしておきたいと思います。    〔主査退席、足立主査代理着席〕  時間がありませんので、次に復帰後の電話架設の件なんですが、これも特別措置法の百三十条でいろいろうたわれております。昨年の六月十七日にその点について、三段階に分けて電話の架設設備をやっていく、しかし沖繩側の立場からいうと、やはり復帰まで琉球電信電話公社に申し込んだものについては従前どおりやってもらいたい、またやるべきだという立場をとっているわけなんです。その点特別措置法できめられたからということでそのままいくのか。もっと政令を定める場合についても配慮をすべきだとは思うのですが、その点についてはどうお考えですか。
  51. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 本土のこうした設備費の増額ということにつきましては、従来の沿革から申しますと、そっくりそのまま直ちに上がった料金を適用することになっておるわけでございますけれども、沖繩につきましては、沖繩国会でも御答弁申し上げましたように、特殊な事情もございますから、ただいま御指摘のように三段階で考えておるわけでございまして、最初昭和四十五年十一月二十日、つまり第一次の沖繩復帰の要綱がきまりますまでのものは特に従来どおりの九千円、その後のものは協定の締結されました昨年の六月十七日までの分を三万円、そうしてその後のものを本土並みの五万円にもっていこうというようなことにいたしておるわけでございますが、在来の沖繩でいただいておりました九千円に比べると、三万円、五万円、かなりの増額ではあるわけでございます。一方また市外電話の料金でありますとか、あるいは通話料でありますとかいうようなものが、沖繩は本土に復帰いたしますとずいぶん安くなるわけでございまして、そういうようなこともいろいろお考え合わせ願って、設備費はかなりの増額でございますけれども、もともと原則は設備料が上がりましたときに一挙に適用するというのがたてまえでありますけれども、沖繩には格別な愛情を持って、理解を持ってこのように三段階にいたしたわけでございまして、このことは当時沖繩国会で御説明いたしたとおりでございます。   〔足立主査代理退席、主査着席〕  琉球政府からこのことにつきましても要請書が出ておりまして、ぜひ九千円一律で復帰までのものも一括して進めてやってもらいたいという強い熱願がありますこともわかっておるわけでございます。この問題については、どうか法律できめましたように、このままでいけるようにお願いしたいと考えておるわけでございまして、さよう御理解いただきたいと思います。
  52. 上原康助

    上原分科員 大臣、そういう御答弁をなさるわけですが、電話加入の状況、布設している状況を見ますと、本土で百人当たり全国の平均普及率は一五・七%、沖繩の場合まだ七・六%なんですね。そういった事情というものも勘案をしていただいて、せめて復帰の段階まで申し込んだものについては従前どおりにやる。これは県民の要望でもあるわけですからね。事情の変化によって九千円が三万円なりまた五万円にもなる。三倍も五倍も負担をしなければいかないということ、これは庶民にとっては大きな負担過重ですから、電話料金が安くなるというのはまた別の問題でしょう。その点いまもう少し再検討したいという御答弁もございましたので、ただ法律が通ったからということですべて押しつけていくということではなくして、特段の御検討をぜひこれも要望しておきたいと思うのです。  次に、テレビジョンの関係で……
  53. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 ちょっと途中ですがよろしゅうございますか。——いまの設備の料金の問題につきましては、再検討したいということは私申し上げていないので、こういうことでございますからひとつ御承諾いただきたい、御承認いただきたい、御理解いただきたいというふうにお答えしたわけでございますから、さようよろしくお願いいたします。
  54. 上原康助

    上原分科員 私は再検討するというふうに受け取りましたので、再検討してください。  次に、テレビジョンの件でお伺いしたいのですが、その前に電話の本土−沖繩間が普通通話になるのはいつごろまでに、復帰後完成するのか。今年八月とも十二月ともいわれているのですが、その点どうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。  次に、宮古、八重山、先島に対しての同時放映がまだなされていない。この件は両先島の住民はもとより、沖繩の長い間の強い要望事項になっているわけですね。いまの政府の方針によりますと、何か五十一年か五十二年ごろしか同時放映できない。現在の技術面からいうと、そこまで時間をかける必要はないのではないかと思うのですね。むしろカラーテレビを沖繩本島に下り線を流すというよりも、両先島に同時放映のできる設備というものを要望しておる。なぜこんなに時間がかかるのか。もっと積極的に、特に離島住民の立場に立って考えてしかるべきだと思うのですが、その点のいきさつと、また政府の考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
  55. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 市外回線の問題についてはあとで事務当局から御答弁させたいと存じます。  先島のテレビの放映の問題でございますが、これは私どももたいへん熱意を込めております関心事でございまして、御指摘のようにたいへん島の多い沖繩でございますから、離島問題については最大の愛情を持って努力をしなければならないことは当然だと思うのでございます。先島のテレビの放映の問題でございますが、御承知のように先島にはただいま見通し外のマイクロがございまして、これによって電話を通信いたしておるわけでございますが、テレビにつきましては、ただいまお話しのように非常におくれるということは、ビデオを空輸いたしておりますのでああいうことになっておりますが、これも直接マイクロで放送しなければならないという考え方でございます。  そこで、ただいま電話に使っております見通し外のマイクロを多少手入をいたしまして、加工いたしまして、そうして少なくとも一つのテレビでも放送できるような方法は講じられまいかということで、実は郵政省といたしましてはそのための予算大蔵省に要求いたしておったのでございますけれども、私ども努力が足らずして予算はとうとうつかなかったのでございますけれども、幸いにしてそのことを電電公社で非常に御理解くださって、御自分のほうの経費で何とかいまの見通し外のマイクロで白黒のテレビも放送できるような道を講じたいということで、これも調査研究してくれることになっておりますが、それがどうしてもだめだということになれば、本格的に深海用の海底ケーブルを布設いたしまして、これであればカラーテレビも放送できるわけでありますから、それでもやるべきだということで、これまた電電公社が鋭意検討を続けてくださっておりますわけでございまして、これの見通しにつきましては、いまお話しのように、大体昭和五十一年度にはそういうことができることになりはせぬかという目途で、いま鋭意研さんを進めておるという段階でございます。
  56. 上原康助

    上原分科員 どうもまだ先の長いお話、御計画のようですが、こういうものこそ復帰の段階で——復帰記念ということばを使うとすると、それに値する。やはり沖繩県民に対してのやるべきことじゃなかろうかと思うのです。確かに、技術面では困難な面もあるでしょうが、晩になっておはようございますと聞いてみたり、朝のラジオ体操を翌日聞くなんということがいまの情報時代にあってはいかぬと思うのです。この問題を、五十一年といわず、早急に解決できるように、ひとつもう少し積極的に御努力を賜わりたいと思います。  VOAの問題についてちょっとお伺いしたいのですが、これは沖繩国会でもたいへん問題になりました。私たちは、存続は認めないということでこれまで主張してまいったのですが、残念ながら、協定あるいは関連法案が通った形になっているわけですが、大臣として、特に、日中国交回復の問題等々に関連して、やはり早急にVOAの撤去をやるべきじゃないかと思うのです。情勢の変化もありますし、復帰後すみやかにこの問題を解決していかれるお考えがあるかどうかということ。まあ時間がありませんので、深入りはできませんが、その基本的な考えについて、聞いておきたいと思うのです。  それと、復帰後VOAが放送するものについて、いわゆるモニターチェックをするということを外務大臣なり郵政大臣も先国会で御答弁になっていると思うのです。しかし、今回の予算を見てみますと、モニターチェックをするための予算が組まれていないというふうに聞いております。また、技術的な面からも非常に困難だということです。そうなりますと、アメリカがどういう放送をやるのか、日本政府としては全然関知しないままに、従前どおりやられていく。やはりアメリカの施政権下にあったような状態の放送がなされる危険性が出てくる。これについてどう応じ、また対策を講じていこうとしておられるのかということ。  いま一つは、これも簡単に触れておきたいのですが、防衛庁が日琉専用の軍事電話を電電公社に申請をし、すでに架設をされておった、また使用までしておったということが明らかになっております。これについては、郵政省あるいは大臣は知っておられたのかどうか。大臣の許可でそういうものを架設させたのか。  この三点についてお伺いしておきたいと思います。
  57. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 第一のVOAの問題でございますが、これはもとより私ども郵政省といたしましては、先生方と同様に、非常に好まない問題であったわけでございまして、大いに反対いたしましたけれども、沖繩協定という大目的のためにはおりざるを得なかったということで、五カ年間だけ特に認めるということになったわけでございます。そのいきさつについては、臨時国会で私からも御答弁申し上げたわけでございます。そこで、こういう外国の施設が、しかも、放送という非常にPRの大きな武器、機械が日本の国内にあるということは、日本の自主性から申しましてもどうかと思いますし、これは一日も早くやめてもらいたい。また、御指摘のように、中国関係もこういう状態になってまいっておりますので、これはおそらく外務大臣もそういうお気持ちだろうと思いますし、外務大臣を通じましてそういうことは臨時国会でもお約束を申し上げておりますわけでございますから、そういう方向でなるべく早くやめてもらいたいということで、私どもも一緒に努力を続けてまいりたい、このように考えております。  それから、VOAの傍受の問題でございますが、これはただいまお話しのように暫定予算ということになりましたものですから、一カ月空白ができるわけでございます。私どもとしましては、どうせ五月十五日にならなければまだ日本の本土でございませんから、あそこに建物を建てようといたしましても建てられないわけでございます。予算がありますと、もう準備ができるということになりますわけでございますけれども、これは国会対策上、新規の予算は計上しないという話が与野党の間できまったそうでございまして、その方針に従わなければならないわけでございます。しかし、その傍受に万遺憾が、手落ちがあっては絶対いかぬと思っておりますわけでございますから、五月十五日即日から、私ども責任をもってことごとく傍受いたします。最初の案は、大宜味の局の敷地の中とか申しておりましたが、そこに新しい建物を建てまして、その中で受信するという施設を設けたいと思っておりましたけれども、その建物は五月十五日には間に合いません。それで、便法といたしまして、波は中波が一波と短波が八波ありますから、全波が把握できますような受信の設備を臨時に大宜味郵便局の中に設けまして、すべての電波をキャッチいたします。本格的な考えでは、キャッチいたしました電波を那覇まで有線で送信いたしまして、あそこで記録するということになっておったのでございますけれども、これもまだできませんので、受信も記録もともに大宜味の局内で臨時にいたしまして、完全にすべての波を把握して、これを直ちに日本語に翻訳しまして、そうして、不適当だ、あるいは不都合だというような内容がありますれば、外務省を通じましてアメリカ政府に日本政府の見解を述べることができるようにいたしておるわけであります。これはお約束どおり、必ず五月十五日から、復帰の日から実行してまいりたい。いささかも方針は変わっておりません。ただ、本格的か臨時かということで、二字違うだけでございまして、仕事の内容についてはいささかも変わっておりませんので、さよう御承知を願いたいと思っております。  それから、沖繩と日本のいわゆるホットラインの問題でございますが、これは郵政大臣の認可事項でも許可事項でもございませんので、そういう意味においては私はタッチいたしておりません。詳しいことについては、電電公社の総裁もお見えでございますから、電電公社のほうから御説明いたします。
  58. 上原康助

    上原分科員 それはいいです。時間がありませんので、この点はいずれたっぷりお聞きしますから。ただ一言だけ……。VOAの関係で、奥間地域に非常に電波障害があります。テレビも聞けないあるいは電話も架設できない、そういうものについては、早急に解決するように、ひとつ御努力をいただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  59. 松浦周太郎

    松浦主査 これにて上原君の質疑は終わりました。  次は、大出俊君。
  60. 大出俊

    大出分科員 幾つも問題がありますが。とりあえずいま郵政省の提起をいたしております郵便貯金の預金者貸し付けの問題につきまして、時間がございませんが、その要点を承りたいわけであります。  最初に、きょうは大蔵省の銀行局長の近藤さん、お見えになっておられます。理財局の次長さん、また資金課長の福島さん、みんなお見えになっておりますから、そこで両方でけんかの討論になっては困るのです、そういう趣旨ではないのです。また農林省の農政局長さんにおいでをいただいておりますので、これは三つどもえにならぬようにお答えをいただく前提でひとつ承りたいのであります。  実は長らく私自身も考えている懸案なんですけれども、これは大臣に承りたいのです。大蔵省の資金運用部に預託をされている貯金の預託額、ここにおおむね二兆円と書いてありますけれども、その額が正しいかどうかは別として、貯金の運用権を——私が全逓の企画部長、書記長、副委員長等の時代には、今日保険の業務を見ても窓口でございますが、何とかひとつ郵政省に移管すべきではないかという年来の主張が私にあるのであります。これを組織の運動として何べんか起こしてきたことがある。保険だけは返ってきた。これはもともと郵政省にあったのですから、返ってくるのは必然でございまして、ドッジさんの時代に大蔵省に凍結をしたのですから、これなどながめましても、貯金も当然そうすべきであるという考え方が私は正論だと思っているのでありますが、最近どうもそれがさっぱり表に出てこない。そこで、郵政省にあらためてその件についてのお考えは、将来展望を含めましてどう考えておられるかという点についてまず承りたいと思います。
  61. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 保険、貯金の問題でございまして、保険のほうは幸いに皆さん方の非常な御奮闘によりまして積み立て金の運用が郵政大臣に返ってまいりましたことは感謝いたしておりますが、郵便貯金につきましても、私も郵政の出身でございまして以前のことをよく知っておりますので、先生と同じような考えを持たないわけじゃございませんけれども、いまはとりあえず郵便貯金の預金者の個人貸し付けということに一生懸命になっておりまして、これで大蔵省と意見の対立があるようでございますから、積み立て金の運用の問題につきましては、いま私がこういうことを考えているということを申しますと、またさらにけんかをおっ始めるようなことになるかと思いますので、このことだけはひとつお答えを保留させていただきたいと思います。
  62. 大出俊

    大出分科員 当面郵政省大蔵省で意見が一致しない面があるということで大臣は遠慮をされてものを言っておられますが、過去の長い経験でどうも預託利子が低過ぎる、こういう点組合運動の面でも響いてまいりますから、そこらのことも含めていろいろ大蔵省にものを言った時代もあります。それで貯金の運用権の奪還ということで大騒ぎが起こりますと、預託利子を少し上げようじゃないかという話が大蔵省から出てきたことが、四、五回ございます。ぽつぽつ上がってきているわけでありますが、そこのところは大蔵省は国家なりという思想があるものですから、なかなかむずかしいわけです。そこで、郵政省は将来そこまでの展望を持つべきだ、こういうふうに思っているのです。筋が通ると思っています。これは時間がありませんからここでそれ以上申しませんが。  ところで、今回の頭金者貸し付けなんですが、ここである編集部がまとめたものを読んでみましたら、いささか腹に据えかねる書き方がある。ちょっとここで大蔵省の銀行局長の近藤さんにお答えをいただきたいのですが、「たとえば直接金融機関を管轄する銀行局では」——銀行局といいますと、局長がその責任者になりますが、「銀行局では幹部クラスが口をそろえて郵政省を罵倒する。その論理は次のようになる。」これは記者が聞いているのですね。一つ郵政省の庶民金融に反対する最大の理由は」、こう聞いた。そうしたら答えが「貸出しの原資が財政投融資資金の一部であり、この金額がふくらめば、国家の財政体系をこわすことになるから反対だ。」「だが、郵政省は限度額を財投の一%」、これは実際は私は異論があるのですけれども、「二百億にとどめるといっているじゃないか」。そんなことをいったってできてしまえばふえるのだ、体系がくずれる。ここではちょっと言いにくいようなことまで大蔵省は言っておられる。  次に、しかし世論は大いに歓迎しているじゃないか。この実現を望む庶民の声は非常に多いじゃないか。それは貸し出し金利を六%などというばかげた非常識な低水準に郵政省が置いたからだ。民間金融機関の預金コストは人件費のアップなどで四十六年上期実績で見て都市銀行、これは東京銀行を除いておりますが、平均で六・二二%、地方銀行が六・二五%、相互銀行が七・〇四%、信用金庫が七・一四%に達している。そういう中で六%に踏み切られては民間は競争にならない。  それからもう一つの問題です。「では、金利を民間と競争できるところまで引き上げたらいいか。」こう聞いた。「いやだめだ。そもそも貯金を担保に、貸し出しをするという姿勢が間違っている。」私はこれはたいへんなことをおっしゃるものだと思っておりますが、「貯金額の九〇%を限度に最高十万円まで貸し出すという考え方は、預金者が一万円を郵便局の窓口に持ってくれば、十万円の貯金通帳を渡すということにつながる。なぜなら、帳簿操作で九万円は貸し出したことにできるからだ。」またどうもとんでもないことをいっているものだと思いますが、特に「特定郵便局長が自分の胸三寸で帳簿上だけ貯金を増加させることになる。貸し出しの審査経験の少ない人たちが、こんな操作を続けたら、帳簿上の貯金だけふえて、財政体系に悪影響が出るばかりか、金融政策に」大きな混乱が生ずる。こう言ったというのですね。これはここに書いてある。「エコノミスト」です。「エコノミスト」の編集部の責任編集ですから間違ったことはいってないと思うのです。ということになると、私も実は長らく自分で郵便配達から始めて積み立て貯金、集金貯金の時代から、定額の時代から、何回も何回も表彰を受けたことがある。定額の募集が郵政局長表彰だなんて何回もかってにくれるのだから、やった時代があるが、ただ知り過ぎている。私はおまけに郵政省の学校の出身だから。大蔵省はそんなでたらめなことをしていいとお思いなんですか。時間がないからまとめてお答えいただきますが、これでいきますとまず財投の関係でいえば、もしそういうお考えだとするならば、零細な勤労国民を対象にしている郵便貯金というものは、国の財政投融資のために一生懸命資金集めをしていることになる。そんなばかげた話はあるわけがない。だから貯金業務というものが明治八年にできましてから百年、百年来の執念に近い郵政事業に携わる人間の一番腹の底にある問題なんです。何としても零細な勤労国民から集めてくるのだから、しかも国家事業なんだから、そうだとするとそこに返すべきだという思想を持っている。ところが国家予算に組むべきものを組みそこなって、落として、資金運用部資金の運用計画の中にぽんと入れてある。ふざけたこともいいかげんにしろという気が実は私にはある。私は一昨年輸出映画振興協会——皆さん御存じなんです、大蔵省の方に来ていただいて御答弁いただいたので。長銀の長銀債を使ってうまいぐあいに資金運用部から金が出て、三十七億も焦げついておるということで大騒ぎになって新聞に大きく載りました。各経済紙が書きました。そういう使い方をさせておくのはもってのほかだという気が私はする。だから、資金運用部の運用計画の中身を見て調べてみると、こういう運用のしかたがあるかという、私は義憤すら感ずる。だからもし、郵政省のやっている貯金事業というものは勤労一般国民の零細預金を集めてくる、それが国家の財政投融資資金のために集めているのだとなれば、えらいことになる。これは根本的な問題だ。だから、そういう意味で、まずはたしてここで言っているようなことが事実かどうか。書いてあることですから、そうおっしゃらぬという点があるとすれば別だ。そんなにいいかげんな貸し付け監査その他をやっている、これはたいへんなことですよ。保険だって実際に貸し付けておるのですよ。貸し付け業務というのはたくさんある。私もずいぶん監査をしているが、そんなにいいかげんにごらんになっているとすれば、同じ国家機関ですから、重大な問題だ。ほんとうにこう言ったのだとすれば、これは食言問題で私は大臣を呼んで追及したい。この点についてお答え願いたい。書いたのは「エコノミスト」の編集部の編、三月十四日号、天下の「エコノミスト」ですから、まさかでたらめを書いていないでしょう。
  63. 近藤道生

    ○近藤政府委員 ただいま先生が「エコノミスト」の論文をお読みいただきましたが、実は私どもが拝聴いたしておりましても的はずれの御議論がきわめて多いと思います。  最初に、郵政省を罵倒したと書いてございますが、罵倒したという事実は一回もございません。  それから、中に書いてございます幾つかのポイントも、私どもから考えましてまことに的はずれのものが多いというふうに思います。
  64. 大出俊

    大出分科員 近藤さん珍しくことば少なにお答えになりましたが、罵倒はしないけれども、けしからぬといったくらいのことなんだろうと思うのですが、そこらはことばのあやですから、それも言わない次第でございます。なるべくここでけんかをしたくないという姿勢で質問をしているのですから。  そこで私は、最後に申し上げた財政投融資資金のために郵便局は一般の国民から貯金を集めているのではない。明らかにこの資金運用部資金というのは、これを運用することによって大衆の零細な資金に、つまり貯蓄、財産の形成その他に大きく資しようということなんですね、筋道は。だから、そういう意味でいうならば、つまり財政投融資資金に響いても、本来ならばある一定の限度額はつくって預金者に、いわゆる零細な生活金融というものはやるべきなんです。だから、百年の悲願であり執念だと私は申し上げる。たとえばアメリカの商業銀行統計を見ますと、二三・四%というのは生活資金貸し付けなんですよ。その意味では日本のつまり商業銀行を含めまして、生活資金金融という面ではやるべきことを全くやっていない。だからこそ、金融については大衆化路線というものが叫ばれて久しい。この問題が起こってから何をやったか。横浜の、私の足元の浜銀の伊原さんは、あなたのほうの出身だからおわかりでしょう。あそこのところから庶民ローン、庶民金融を始めようといっている。いろいろ調べてみると、大蔵省からやれとハッパをかけている。郵政省の庶民金融方式の対抗措置、ちょっとこれはどろなわですよ。これは本質論じゃないです。本質論に戻していただいて、必要なんです、どうしてもこれは。そこのところを大蔵省はどうお考えになるか、一番ポイントを承りたい。
  65. 近藤道生

    ○近藤政府委員 まず、民間金融機関の庶民金融に対するいままでの状態がきわめて不満足なものであるということを御指摘になりましたが、その点は全く同感であります。そうして、その一番大きな原因は、戦後におきまして産業金融中心ということでずっと参りましたので、現在におきましても、たとえば全国銀行平均で消費者金融がわずか四%しかシェアがないということはたいへんな問題でございます。お説のように、アメリカあたりでは二十数%、それから消費者信用全部合わせますと四十数%ということになるのであります。これがまさに昨年の外為散超を契機といたしまして、これからその方向に日本の民間金融機関も大いに伸びるべき時期に差しかかっている。そうしてまたそれを当然伸ばさなければいけない。その意味で、廣瀬大臣がいろいろおっしゃっていただきましたことは、民間金融機関に対しましてたいへんいい、頂門の一針であったというふうに私ども感謝申し上げているわけでございます。ただ、今度は郵便局が貸し出しをおやりになるということについては、これはまた別個の問題が非常にたくさんあるということを考えているわけでございまして、ただいま先生のおっしゃいました限りにおきましては私どもも全く同感でございます。
  66. 大出俊

    大出分科員 私は、廣瀬さんを前に大いに恐縮なんですけれども、長いおつき合いですから言わしていただきますが、はたして初めからほんとうに庶民金融という形で一これは四十四年に一ぺん事務当局が苦心された時代がある。三十五年だと思いましたが、私が総評本部の太田一岩井ラインのまん中で筆頭副議長の時代でございましたから、あのときに国会で決議をしておったわけですから、四十四年にも相当一生懸命になった時代がある。これは日の目を見ずにつぶれてしまった。だが、今回のは、大蔵省が金利引き下げを出したでしょう。郵政省も協力しろと言って、廣瀬さんがまっこうから反対された。どうも動きを見ていると、廣瀬さんが少し折れざるを得なくなってきたなという心配をしているところへ、新聞にぽんと庶民金融と、こう出た。これは庶民金融というアドバルーンを上げて、大蔵省が何を言うだろうか。金利引き下げに協力しろというならしてもいいが、そのかわりこっちを認めろ、政治的にこういう言い方かなと私は思った、私も政治に足を突っ込んでいますから。そうして大蔵省がものを言う前に各新聞が一斉に書いた。これは何を意味するかというと、いみじくもいま局長が言ったように、庶民金融、生活金融という面で日本の商業銀行が旧来やるべきことをやらなかった。諸外国の例から見て、あまりといえばひど過ぎる。だから町の高利貸しは繁盛する。十万円貸してくださいと言ったら、いきなり二万円取って八万円しか出さないのですね。これは利息なんです。至るところそうです。株券を持ってこい、電話債券を持ってこい、そういう状態、たいへん生活資金に苦労している。だから、廣瀬さんがあれを出したら、大蔵省ともまだかみ合わない前にわっと世の中が期待をするという、こういう状態になったというのは、いみじくもそこに大衆の求める心理がある。そういう意味では私は、郵政省もここまできたらあとに引くべきではないと思っている。だから、私も実は最終的にしようがなければ議員立法で出してやろうと思っていますから、否決するなら否決してみろということで出したいと思って、うちの中にまとめてあるのです。おおむね社会党案は実はできかかっている、ここまで来ている。否決するならやってごらんなさい、うしろにこれだけ大衆がいるのに、私は腹の中でそう思っている。いま逓信の武部前理事とも打ち合わせをしておりますが、案をつくっている。ここまで来ている。そこで、ついてはこの際、必要なことはみんなここでお答えいただきたいと思いまして、わずかな時間でございますが、聞かしていただきたい。  それから郵政省にいまの点でひとつ承りたいのですが、そこに滝本貯金局次長さんおいでになりますけれども、これまたあとで、違っていれば、「エコノミスト」の本社に知った人がたくさんいるので私は信用しているのだが、どうもとんでもないことを今回は書いてくれたものだと言わなければいかぬと思っておりますが、滝本さんが言ったことがここに書いてある。これはちょっと舌足らずというよりは、いささか大蔵省に遠慮し過ぎている感じがする。「郵政省貯金局の滝本哲郎次長によれば、「ここ数年間は、郵貯残高が年々二兆円近くも増加しているから、これを資金運用部にまわしていれば、さして大きな穴はあかない」という。」大蔵省側に穴があくのじゃないか、財投との関係でいろいろいわれた。それを今度は返す刀でこう書いたのですな。こういう言い方は私は気持ちはわかりますよ。わかりますけれども、もしこう言ったのだとすれば、ふざけたことをおっしゃるなと私は言いたい。冒頭に申し上げたように、財政投融資のために郵便貯金制度があるのじゃない。これは国民のためにあるのです。零細な国民の生活というものを考えて存在している、国家が経営する限りは。財投に穴があこうとあくまいと、預金者に必要なことはしなければいけない、筋道は。まして穴があかないのだというならば——たとえば私も自分で募集しているし、よく知っているけれども、定額貯金は半年据え置きでしょう。据え置き期間が過ぎると、ばらばら取りくずしてしまうでしょう。せいぜい持っても二年くらいですよ。ところが、預金金利というものはそこから先上がっていく。ところが、上がっていくまで置かない。だとすれば、貸し付け制度をこしらえれば、当然取りくずして消えていく金が消えないで貸し付けに肩がわりして預金に残っていく。簡易保険に零細な、貸してくださいと申し込みに子供さんをしょって、子供さんの手を二人も引いて奥さんがやってくる。生活の実態を訴えて、自分で払っている簡易保険の金を貸してくれと言ってくる。ずいぶんワクがあって貸しにくいけれども、監査のめんどうなやつを私はいろいろ苦労して貸したことがある。今度は利子を取りにとんでもないいなかまで取りに行きましたけれども、三回も足を運ぶけれども、貴重なんです、この方は。なぜかというと、簡保で金を借りた人は簡保によけい入るものなんです。絶対やめないんです。だから、貸し付けというものが基本になっておりますが、持っておれば必ず保険の募集はできるようになっている。保険屋さん、すまないが貸してください、利子、利息を払って、今度余裕ができたら必ず入りますから。そういうもんのなんです、庶民一般というものは。だからこの制度というものは、決して金融でもなければ融資でもない。そういう性格のものじゃない。だから、必ず預金者貸し付けであれば定額というものは取りくずさないでいく、余裕があればまた貯金をする。貯金思想は高まり、個人の財産形成はできる、そこに中心があるんだから。ここらを大臣はどうおとりになっておるか、滝本さんから答えていただければけっこうですし、そこのところははっきりしていただきたい。
  67. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私どもが考えております郵便貯金の預金者貸し付けの眼目ともいうべきことを、ただいま大出委員からいみじくもおっしゃっていただいたのでございまして、私どもは金融とか、あるいは融資とかいうように大げさに考えますよりも、ただいまお話がありましたように、郵便貯金の大宗であります定額貯金、これを生活の中の不時の出費に開きたいというときに、金利の面から申しましてもそうですし、長く預けておけば有利でございますから、一時立てかえましょうというようなことで考えたわけでございまして、財投の立場から申しましても引き出すべき金が引き出されなくて済む、またそういう便法を考えておけば郵便貯金もどんどんふえてくるわけでございますから、財投の面から申しましても私は有利ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、次長が申しましたのは、いろいろ二兆円の郵便貯金の預託金のことについては、郵政省としましても根本的な意見はございますけれども、現在の制度を前提といたしまして、財投の三割八分を郵便貯金でしょっておるという現実の姿でございますから、それを前提としてものを申しておるのだ、かように考えておるわけでございまして、決して根本的にそういうことがいいということで申しておるのでないと思いますので、さよう御解釈いただきます。
  68. 大出俊

    大出分科員 これは私も将来の理想ばかり追い過ぎても問題はまとまらぬと思っているんですよ。だから、この財政投融資計画をお立てになっておる大蔵省の銀行局長さんの立場からすれば、おたくの言うこともわからぬことはない。だから、なるべくそちら側に影響を与えない、つまり投融資計画なる大筋がゆがまない、混乱しない、その必要は当面私はあると思っている。私も社会主義を考えている人間ですから、考え方は違うが、当面はそう思う。だから、どの程度影響があるのか調べてみた。みたけれども、いま私の申し上げた、二年先に取りくずしてしまう。そうすると、一体どのくらい需要があるのかというサンプル調査もされておるようです、郵政省は。そうしますと、つまり払い出してしまう金の中で一二%というような数字をあげておりますが、これは一二%という数字はつくった数字じゃないかと思う。どだい、最初に二百億という金を貸す、四回転三カ月であるということで。これは便法もいいところで、いいころかげんなことです。これは自民党の逓信部会でもってやっても、こんなことじゃ全国二万軒からある郵便局じゃないか、年間一局四十件しかないじゃないか。そんなことで、四十件で一体何ができるんだということになって、あわてて一千億だと言い出しておる。一千億に数字を合わせて一二%だなんて書いているわけですから、これはいいかげんなことになっているに違いないけれども、それはてにをはなんです。そこに本質があるんじゃない。しかし、本質をいえば財投計画に狂いがくるなどと大騒ぎするなんてものじゃない。これによって、将来、預金を引き下げる率が減っていって、一時肩がわりするという形で——いま私が保険の例を申し上げたように、正直なものですよ、大衆というのは、金のない人は。私は地下たび、巻ききゃはんでやってきたんですから。その時代からよく知っておる。全逓本部の企画部長だ、書記長だ、副委員長だと十七年もやってきたのですから、知り過ぎておる。だから、必ず私の実感は間違いない、預金率は高まっていきます。そうすると、その金の中から限度をきめていけばいい。そうあなた方のほうで大騒ぎするほどのことはない。そこのところをもう少し突っ込んで、大蔵省の側は大きな、いわゆる金融資本のてっぺんのことをお考えになっておる銀行局ですから、地下たびのほうは御存じないと思うのだけれども、地下たびのところに帰っていただいてお考えをいただければ、たいへんなことじゃない、大蔵省は国家なりという天下の大蔵省が騒ぐほどのものじゃない。そこのところはどうですか。
  69. 近藤道生

    ○近藤政府委員 資金運用部関係につきましては、理財局の次長が参っておりますので、理財局から答弁いたします。
  70. 大蔵公雄

    ○大蔵説明員 ただいま先生がお話しになりましたように、資金運用部と申しますのは、自動的な受け入れ機関でございまして、郵便局を通して財政投融資の資金を吸収するというような仕事をしておるわけでございまして、ただいまおっしゃいましたように、理財局の立場からいたしますと、庶民金融というものが行なわれることによって財投の原資がふえるか減るかという問題に関して、私ども決してこれはふえるとも減るとも、やってみなくちゃわからない問題でございますし、また現在郵政省が考えておられますように、二百億あるいは一千億というような限度を設けます限りにおきまして、御承知のように明年度の財投計画におきましても五兆六千億のうち一兆七千億郵便貯金にお願いしておるわけでございまして、これとの関連におきましても、私どもといたしまして当面財政投融資の計画を策定いたすのに支障を来たすとか、あるいは将来郵便貯金からの資金運用部に対する預託が減りましても、減れば資金運用部の性格として減っただけの原資をもって財政投融資計画を組む以外にない問題でございまして、その点、先生のおっしゃいましたように、私ども大蔵省といたしましても、郵便局が安い財投原資を集めるための機関であるというような考え方を持っておることは毛頭ないわけでございます。  ただ私、全体の問題といたしまして、むしろ資金運用部の立場といたしまして、今度の制度に関しまして問題となると思いますのは、いわゆる六分で融資をされるという計画を郵政省の計画ではなさっておられるかと思います。現在七年もの以上の資金運用部に対する預託も、先ほどちょっと先生が触れられましたけれども、現在六分五厘でお預かりしておるわけでございます。資金運用部から政府貸し付けとして貸し出しておりますのも六分五厘という金利で政府関係金融機関に対して貸し出しをいたしておるわけでございます。したがいまして、資金運用部といたしましては、預託金利が六分五厘であり、貸し出し金利が六分五厘であるということで、その間出たり入ったりしておりますお金を国債その他に一部運用いたしまして若干の利益をあげておる。資金運用部といたしましては、実は昨年の場合全体で約十四兆円の総資産を運用いたしまして二十四億円の利益を出し、また今年度の分はまだ確定はいたしませんけれども、採算点ぎりぎりの運用をやっておるわけでございます。一方全体の低金利政策の流れということがございまして、資金運用部の政府貸し出しをもっと引き下げるべきではないかという一般的な要請と申しますか、そういったような流れもございまして、その際に御承知のように現在十七兆円の総資産を運用しておりますと、かりに一厘資金運用部の貸し出し金利を下げますと、百七十億年間では採算が狂ってまいりまして、現在約十五億から二十億くらいの非常に採算点ぎりぎりの運用をいたしております。資金運用部といたしましては、かりに資金運用部からの貸し出しを一厘引き下げて六分四厘で貸し出しをするということになりますと、当然預託金利も引き下げざるを得ないという、これは庶民金融の問題とは全く無関係でございますが、そういうような問題もございまして、むしろ六分で貸し出すという制度そのものに私どもとしては実は若干心配があるということだけつけ加えさせていただきたいと思います。
  71. 大出俊

    大出分科員 いま長い御答弁をいただきましたが、たいへん御親切でいいのですけれども、三十分の時間ですから……。何か言わぬで終わるわけにもまいりませんので、ちょっとお許しをいただきたいと思います。  いま、その六分だけ、こう言うのですが、だとすると、ほかのほうは大体話は前に進んでくる。さっき私が並べたら、あなたお答えにならなかった。一つだけしかお答えにならぬので、あとはいいんだろうと思う。  そこで、六分の点について、私が答えるのは簡単ですけれども、吸収経費というものは要らないのですから、そこがたいへん違う。そこは郵政省は、計算のしかたがコスト計算しかないんだと私は思う。これは私がみんなしゃべっちゃうわけにいかぬですから、ひとつ大臣なり局長なりから、いまのコストあるいは六分のところを念のためにお答えいただきたい。
  72. 石井多加三

    ○石井政府委員 お答えいたします。  この貸し出し利子を幾らにするかということにつきましては、当然郵政審議会に諮問をいたしまして、その答申を得て、預金の金利をきめると同様に郵政大臣がきめるということでございまして、その際は、政令でもありますし、関係各省にも話はいくわけでございます。  私たちの計算によりますと、郵政省の現在の郵便貯金全体のコスト率は六・二七%ということになっておるわけでありますが、この中で、今度貸し付けの対象に考えておりませんいわゆる出し入れ自由の通常貯金は、大体六・八二くらいのコスト率になっております。これを除外いたしますと、大体六・〇六という数字になるわけでございます。ただいまちょっとおっしゃいましたけれども、今度かりに一千億といたしますと、一千億の金を、従来の制度でやりますと、一たん預金をおろしておったわけでございますが、それを今度はおろさなくなるわけであります。おろしておりますとすれば、また新規に一千億集める、いわゆる吸収経費といいますか、そういった金がかかるわけでございますが、そういったものが今度はかからないわけでございますので、コストとしましては、その吸収経費を引いたもので考えればいいと思うわけでございます。そういったことから六%というような数字を一応考えたわけでございます。
  73. 大出俊

    大出分科員 せっかくお見えいただきましたから、農政局長さん。私新聞を見てびっくりしたのですけれども、赤城さんは農協の関係とは競合しない、層が違うんだと言っていたのですね。ところが、これは「農相が一転、反対表明」なんてことが載っているのです。天下の赤城さんが、そういう「一転、反対表明」なんてころりと変わられたんじゃ迷惑なので、ころり変わった理由はどこにあるのですか。
  74. 内村良英

    ○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  私がこの郵便貯金の預金者貸し付け制度について大臣のお話を伺い、あるいは農林委員会における大臣の御答弁を伺っておりますと、大臣は、庶民金融そのものは必要だが、農民も、たとえば結婚の祝いだとか、そういう生活資金が必要なこともたくさんあるよということをよく言われるわけでございます。しかし、どこの機関がやるかということは、これは別の問題だなということで、国会でも慎重に検討しなければならぬという御答弁をなさっておるわけでございます。
  75. 大出俊

    大出分科員 これは必ずしも「一転、反対表明」ではないですな。  これは郵政省に一言だけ答えていただきたいのですが、私のところも農村がありますので、昔から貯金だ、保険だとやりますと、農協とぶつかることがある。あるけれども、農協というのは組合員が対象なんですよ。だから貸し付け残高を調べてみたって、ついこの間も何かの数字を見たら、生活金融というのは二千四百万くらいでございました。だから、そこらから見ると、郵政省とかち合う部分というのは限られているという気がする。そこらのところは、最初に赤城さんが言っていたように、層が違う、対象が違うということだと私は思う。だから、そこらのところを郵政省のほうでちょっと触れておいていただきたい。
  76. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私も数日前の連休に郷里に帰りまして、私の選挙区はすべて農村地帯でございますから、農民の人にたくさん会ってみたのでありますけれども、自分らとしては農協からも郵便局からも金が借りられるということになれば、こんなしあわせなことはないというふうにおっしゃってくださっているようでございます。  それから赤城さんの話が昨日の毎日新聞でございましたか載りましたが、それまではやれ、やれといって私どもを非常に激励してくださっておった赤城農林大臣の御態度がにわかに変わったことを心配して私お尋ねしましたら、新聞に書いてありますような、反対だというようなお気持ちでは必ずしもない。どういうおことばを使ったかということははっきり申し上げにくいのですけれども、非常に深い御理解を持っていらっしゃるということだけはわかりまして、決して私はチェックされなかったです。その気持ちには感謝しておるわけであります。
  77. 大出俊

    大出分科員 もう終わりますが、一つ注文だけ申し上げておきます。  赤城さんという方は私も長いおつき合いですけれども、一ぺんこうだと言ったことをそう簡単に「一転、反対表明」というふうに変わる人じゃない、前に農林大臣をやっているときに私も質問しましたが。だからおそらく大臣がおっしゃるとおりだと思う。神さま仏さま農協さまといわれるくらいに農協もりっぱなものになりましたから、農協のてっぺんのほうの人たちは、勘定をすると減りゃせぬかとかなんとか気になる面もあるかもしらぬけれども、一般農民からすれば、いま大臣がおっしゃったように、郵便局でも生活資金の立てかえをしてくれるということになれば、そのほうが生活にはプラス。ただ私の心配は、将来郵政省がそういうことで預金者貸し付けをやり始めても、大蔵省側がいろいろ言っておりますように、伊原浜銀頭取の例をあげましたが、銀行でもおそらくそういうことをおやりになるだろうと思う。競合する面が必ず出てくるだろう。あるいは外資が入ってくる場合だってあり得ると思う。そうなると、外国の例を見れば、さっきから表に出ておりますように、ずいぶん庶民金融を重視してやってきているという前例もある。だからそういう意味では、将来郵政省がそういう激しい中でなおかつコスト維持をしていけるような体制をむしろ真剣に考えていかなければ、逆にその時期にいって、コマーシャルベースというものを考えたときに、郵政省はやりきれなくなる場合だってあり得る。国際的な例から見てそこを心配する。だからほんとうに郵便局は金融機関の補助機関だという思想がよしんば大蔵省にあるとすれば、むしろ民間ベースのほうにやらせるべきことはやらせるということを早くからとるべきであったし、その穴をいま郵政省が埋めようということに反対すべき筋合いではない、その理由にはならない、こう思うわけですよ。だから先ほど来三省の皆さんおいでになるところでお話し申し上げたんですけれども、この辺でひとつ議員立法などをさせぬように、国民がこれだけ要望しているのに反対するならしてみろと開き直らせぬように、まとめていただきたいと思う。そうして大衆の要望に——これだけ大きな新聞にも投書が一ぱい出ております。わっとこういう声が上がった。この国民の声というものは、ある意味では消費者の復権運動ですよ。最後に一言だけ、「エコノミスト」の悪口ばかり言っていると思われると困るから、非常にいいことをつけ加えておきますが、一番最後にこういうことが書いてある。北原道貫という全銀協の事務局長さんが、「「われわれはいま、官庁からコンシューマリズム」 (消費者の復権運動)をつきつけられているみたいだ」とつぶやいた」と書いてある。世論というものを前にして、やっぱり事務局長さんもそういう気になるのかなという気も私はしたんですけれども、そういう国民のわっと上がった期待を裏切らぬようにまとめていくのが政治をやっておる私どもの筋だと思っておりますから、どうか官庁ベースでそこのところはまとめていただきたい。お願いいたしまして終わります。
  78. 松浦周太郎

    松浦主査 これにて大出俊君の質疑は終わりました。  次は、土橋一吉君。
  79. 土橋一吉

    土橋分科員 私は、時間があまりありませんので、三月の六日、三月の七日の日に行なわれた全逓労働者——これは福岡県筑紫郡春日町の陸上自衛隊第四師団駐とん部隊の中で行なわれた問題でございます。この自衛隊員が拳銃などを突きつけて郵便職員に対する配達の妨害あるいは郵便物の集配を妨害した問題についてお尋ねをしたいと思うのです。もう一つの問題は、東京の京橋郵便局における腐敗、堕落した状況、マル生運動について郵政省にいろいろ質問したい。この二つでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  防衛庁の責任者に私はお尋ねしたいのですが、あなたのほうの自衛隊の、先ほど申し上げた福岡県筑紫郡春日町の陸上自衛隊第四師団駐とん地において、三月六日のちょうど午前十時ごろに、今村稔という、これは福岡郵便局の南局の職員でございますがこれが郵便物配達に来た。   〔主査退席、三ッ林主査代理着席〕 ところが腕章をつけておった。三月一日から全逓労働組合では、反安保、七二年春闘勝利という腕章をつけて——これは労働組合として当然の基本的な権利でありますが、これをつけておることに対し、歩哨に立っておる自衛官が、その腕章は非常に気に入らぬという理由で、今村さんに、正当な公務執行の妨害をやったという問題が一つあるわけです。  続いて七日の日に、やはり同じ局の吉見幸雄さんというのが、これもやはり午前中ですが、北門のほうから入って、そして駐とん部隊の郵便物を集めて帰ろうということで伺ったのですが、これまた同じように入ることができなかった。前の今村さんのときには、これは別にとん所の北口の詰め所に郵便物を預けて帰った。ところが吉見さんの場合には、そういうことで郵便物を集めることができなかった。そして帰っていったわけです。そうしますと、その前にすでに全逓の、これは西南支部ということになっておるのですが、ここの書記長が電話しましたところ、全逓という腕章ならよろしいということを自衛隊の人が答えているわけです。大体私のほうで調べたところによりますと、これは司令業務班の班長の政所三佐というのがそういう答えをしたというふうに一応私のほうでは聞き取っておるのです。そこでこの吉見さんが、全逓の腕章はよろしいと言ったじゃないかと言ったにもかかわらず、あくまでもこれを入門させないというので、この人は郵便物を集めないで帰ったわけです。そうしますと、自衛隊のほうから郵便局長のほうに電話をよこしまして、腕章をはずして入ってもらいたいというような申し入れをしたわけです。これは七日の日のおそらく十二時前後だったと思います。そこで郵便局のほうでは腕章をしない人をこっそりと入れて郵便物を集めた、こういう問題であります。問題はそれだけじゃございません。吉見君に対して、おまえは郵便物を集めなかったじゃないか、郵便業務命令の違反じゃないか、処分をするぞ、こういうことを通達してきたということでございます。  続いて、やはりその日の午後池元純雄さんという人が集めにいったのですけれども、これも集めることができなかった、こういう問題であります。  そこで私は防衛庁にお尋ねをしたいのですが、一体防衛庁は、全逓という腕章をつけて、そしてそれが反安保とかあるいは七二年春闘勝利というようなことを掲げた者に対して、どういう教育をしてそういうことになってきたのか、その点を端的にお聞きしたいと思います。
  80. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 自衛隊におきましては、何しろ一つ集団の部隊でございますので、その組織の規律の厳守ということを特に強調してきております。しかもあくまで政治的に中立でなければならないということで、先般の朝霞事件以来、特に警衛については厳重な措置をとっておるわけでございます。今回の場合におきまして、たまたま全逓という腕章をつけて入ってきた人に、それははずしてもらいたいと言ったことはちょっと行き過ぎであったと思いますので、それは直ちに訂正いたしました。これはもちろん全逓であるとかあるいはほかの労働組合の標識にすぎませんので、それは何も部隊の中に入ったからといって差しつかえないわけでございます。ただ問題は、反安保であるとか憲法改正であるとか、そういうような政治的アピールを伴うようなものをつけた状況で入られることは、やはり隊内の政治的中立の面から、隊員の規律の保持とかあるいは一般教育の面から見て必ずしも好ましくない。これが直ちに政治的目的を有する政治的行為に触れるかどうかは別としまして、われわれといたしましては、やはり大きな集団的な組織体でございますので、極力政治的な中立をはかりたいという意味におきましてそのようなものははずしていただきたいということをお願いいたしておるのでございます。
  81. 土橋一吉

    土橋分科員 郵便局の人がちゃんと制服を着て、郵便物配達をするとか、あるいは駐とん地内にあるポストの郵便物を持っていく、これが主要な業務であるわけですね。そこへもってきてその同じ三名の人は、全逓労働組合として当然の腕章を掲げる、これは労働に関する基本的な権利として、当然そういうことをやることは認められておるわけです。あなたの主張が中立であるとかなんとか、それはあなたの御随意でございますけれども、そういう国家公務員の職員が、郵便物をとりにきた、それであったら腕章の問題について全逓の労働組合のほうへ相談したらいいことであって、何で局のほうに、関係のないところへそういうことを相談するのですか。またあなたが中立と言うならば、その中立という内容は、自衛隊法の基本的な存在に関する第三条の規定とか、あるいは七十六条以下の規定から見て、あなたのほうにそういうことをとめる権限がないじゃないか。それが中立の問題とどこに関係があるのですか。腕章をつけて七二年春闘勝利、安保反対というようなことは、自衛隊とどういう関係があるのですか。それがどういう中立性の問題をおかすということになるのですか。具体的に説明してください。適当なことじゃいけませんよ。
  82. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 私のほうは、警衛のほうで一般的に部隊に出入りする人間に対しましてはすべてチェックいたしております、自衛官を除きましては。出入りする際に面会に行く人の名前とか……(土橋委員「そんなことを私は聞いておるのじゃないよ」と呼ぶ)いや、それがそうやっておりますが、郵便集配人が制服を着て入る場合には何らチェックをしないで通しております。これは当然の行為でございますし、制服を着ておりますので問題はないわけでございますが、問題は安全保障条約に反対するとかあるいは賛成するとかいうような意味の政治的なアピールを伴うようなマークをつけて入ることは、うちの部隊としては好ましくないということで、それははずしていただきたい、別に集配業務そのものを拒否しているわけではございません。こういう意味におきまして、われわれの指導としましてはこういうような右であれ左であれ関係ありません。とにかく政治的なスローガン的なものははずしていただきたいということをお願いしておるわけでございます。
  83. 土橋一吉

    土橋分科員 それが憲法十四条で保障しておる表現の自由とか思想の自由とかあるいは本人の服装の自由とか、そういうことまでも自衛隊が、あなたのほうがかってに制限する権限を持っておるのかね。そういうものはないでしょう。あなたのほうにそういうことを規制する権限はないでしょう。国民の正当な労働組合あるいは職員組合として認められている権利で彼らがやっておる行動について、一防衛庁の自衛官が何でそんなことを制限する権限があるのですか、どういう根拠に基づいてそういうことをあなたは言うのだ。説明してもらいましょう。規定があればそれをみな読んで、どこにそういうことを制限する権限を自衛隊は持っているのだ。どういう根拠に基づいてそういうことを言う権限を持っているのだ。説明してください。好ましくないとか簡単なことじゃいかぬよ。どういう理由でそういうことを拒むのか。
  84. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 自衛隊の施設管理という面から見まして、自衛隊の施設内に出入りする人に対しまして、自衛隊の中における規律の保持という面から見て好ましくないという場合は、施設管理の面から見てこれをチェクすることは当然であろうと思います。
  85. 土橋一吉

    土橋分科員 郵便物を集めに行ったり配達をする人ですよ。それが好ましくないというのですか。これは国家の公務員の一人ですよ。それが全逓労働組合員と重なっていて、全逓労働組合としての基本的なスローガンを掲げて働くことが何で悪いのですか。そんなことまでも防衛庁は、自衛官はかってに自分の考えによって規制をしたり、あるいは通さないとか、銃剣を突きつける権利があるのかね。銃剣を突きつけて、本人がオートバイで入ってくるハンドルをとめて、どの法律の根拠で説明するのですか。好ましくないからとか、団体生活をしているからよくないとか、そんなことは説明にならぬでしょう。国会でそういう説明でこの問題が済むと考えているのかね。どういう規定に基づいてそれがいかぬというのかね。どういう根拠に基づいてそれがけしからぬというのかね。説明してもらいましょう。労働組合がスローガンを掲げたり、そういうことを表示することについて、自衛官がかってに、それは気に食わぬからいかぬという権限はどこにあるのか。憲法の規定の違反じゃないか。説明してもらいましょう。どういう根拠に基づいてそれはいかぬのだ。はっきり説明してもらいましょう。そんないいかげんなことではいかぬよ。君、規定があるからこれを持っていって見て、どの規定に基づいていかぬというのか。憲法は保障しているのだよ、君。
  86. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 その反安保というようなものをつけて部隊の中に入ることが直ちに自衛隊法六十一条——これは国家公務員法の規定と全く同じ条項をうたっておりますが、この規定に直ちに違反するかどうかはまだ若干疑義がございます。これは人事院とも話し合わなければなりませんが、自衛隊法六十一条でいう政治的目的のもとに行なう政治行為であるかどうかについては断定いたしませんけれども、私のほうとしましては、これは多分に疑義がある……
  87. 土橋一吉

    土橋分科員 どういう根拠に基づいて疑義があるのかね。
  88. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 私のほうは、部隊といたしましては政治的に中立な立場をとらなければならないという角度から、そういうような政治的アピールであると考えられるようなものにつきましては、これははずしてもらいたい。別に集配業務そのものを拒否いたしておるわけではない、そういう意味で別に公務執行妨害にならない……
  89. 土橋一吉

    土橋分科員 この説明では問題にならない。こんな説明をして国会においてのがれようなんて、もってのほかだ。あなた方は、七〇年の十一月二十五日に三島由紀夫をはじめとする一味がはち巻きをして、そして七生報国、あるいは軍刀をぶっ下げて数名の者が市ケ谷のとん所に入り込んだのを黙って認めたじゃないか。黙ってその通行を許していたじゃないか。あげくの果てには、そこの隊長が縛られて、御承知のように大演説をぶっている。そんなことを認めていながら、全逓の労働者が腕章を掲げて、そして反安保だとか、七二年春闘勝利なんということを掲げて、どこにそういう不合理性があるか。三島由紀夫などに対して君らは認めているじゃないか。何ら妨害することなく通行さして、しかも隊長の部屋に入って、隊長を縛り上げているじゃないか。そんなことを許していて、全逓の労働者が基本的な権利として憲法第十四条に保障され、憲法の各条項に認められている権利を掲げておって、それが反安保であろうと七二年春闘勝利であろうと、自衛隊と何の関係があるのだ、一体。そんな説明であなたは済むと思っているのかね。かってに自衛官が表現の自由や労働組合の基本的権利を侵してよろしいというのかね、どうですか。そういうことは許されるのか、自衛官はかってに。
  90. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 三島事件とか朝霞事件という場合に、多分に自衛隊におきましても警備の不手ぎわがあったことは申しわけないと思っております。それに基づきまして、その後自衛隊といたしましては警備につきましてはさらに検討を加えまして、いろいろと新たな施策実施いたしております。ただ、自衛隊といたしましては、全逓労働組合が一般に反安保のスローガンを掲げて行動されることについて特に自衛隊がじゃましたわけではございませんが、自衛隊の営舎内においてそのような腕章をつけて入られたのでは、私どものほうは政治的中立の面から見て困るということでお断わりしておるのでございます。
  91. 土橋一吉

    土橋分科員 あなたに聞きますけれども、自衛隊法の九十五条の規定によると、自衛隊員が武器を使用して一般大衆に対して威嚇行為をする場合は、ここにも書いてあるように、武器を保管をし保全するということが一つの目的。さもなければ、事態がどうしても緊急やむを得ない、そういう兵器、武器を突きつけてやらざるを得ない相当の合法的な理由がある場合。もう一つは、刑法の三十六条の正当防衛行為、三十七条の緊急避難行為以外には、武器をかまえて人民大衆にとやかく言う権限はないのよ。したがって、武器をかまえてそういうことをやったことについて君はどういう責任を負うのだ。ここでは全逓さんちょっと待ってください、その腕章はちょっと困ります、これは上のほうとも相談してくださいと、なぜ一体言わないのか。武器をかまえて、集配に来た者をおどして、あるいはオートバイのハンドルをつかまえて入れさせない。そういう不都合なことをやっておって、それで規定がどうだ、安保条約をどうだこうだ。何の関係があるのか、自衛隊は。自衛隊と安保条約とどういう関係があるか。関係なんかないじゃないですか。
  92. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 私も「赤旗」の記事を読ましていただきました。しかしながら、私のほうに参っておる報告は相当違っております。少なくとも武器を向けてこれを阻止したというような事実はないと承知いたしております。とにかく部隊の中に入る場合には、全逓のマークはこれは問題はありませんけれども、反安保というのは困るということで……(土橋分科員「どうして困る。説明してください」と呼ぶ)これは先ほどから再三申し上げますように、自衛隊というものは一つの大きな実力集団でございます。その施設を管理する場合において、その中における隊内の隊員の政治的中立を保持するという立場から見て、反安保であるとかあるいは憲法改正とかいうようなスローガンを掲げたものをつけて入られることは自衛隊としては困りますので、これははずしていただきたいということでございます。
  93. 土橋一吉

    土橋分科員 君らは、勝共連合とか赤軍派とか暴力的な学生集団、三島由紀夫一派のような暴力的な右翼的な団体は歓迎するのかね。それで、七二年春闘勝利だとか安保反対ということに対しては敵対的な行動をとるというのか。先ほどの説明で遺憾だと説明しているけれども、三島由紀夫なんか、しょっちゅうこういうかっこうをして自衛隊のとん所に出入りしていた。しかも剣を帯びて。あるいは勝共連合とか暴力的な学生集団が入ってくる。それは歓迎だ。おれたちとは意見が合うのだ。おれたちと意見が違うのは入れない。こういうことになるのじゃないか。それでは憲法第十四条の規定や労働組合の基本的な権限を認めないということを証言するのか。これは問題ですよ。そんなことを国会で答弁して、それで済むと思ったら大間違いだ。ましてや、銃剣を突きつけて、正当な業務行為をしている者を押えつけて帰れなんて、こんなことを言ったのでは、君らの行動はまさに国民に対する敵対行動をやっている。しかも公務執行をやる国家の職員に対して、平然としてそれが中立性であるというような理由で説明できると考えているのか。法律上の根拠はどこなんです。自衛隊法のどういう規定に基づいてそういうことをやるのか。即時でたらめなことをやめてください。また、そういうことをやる権限はあなたにはないのです。あなた方は国民の税金によつて養われておって、自衛隊法の第三条の規定にちゃんと、わが国の独立と平和のために全力をあげなければいかぬということを書いている。安保条約反対という問題は、むしろ独立を主張している問題である。対米従属下における日本の軍国主義化に反対をするということを説明している。そのものに敵対するという行動はもってのほかじゃないかね。私は、この問題についてあなたの説明じゃ問題にならぬから、これは江崎防衛庁長官なり責任者に追及をして、きょうはあなたに対する質問は打ち切りますけれども、あなたは根拠は何もない。何の説明にもなっていない。そんなことでは自衛隊の存立そのものも私は非常に疑問を抱かざるを得ない。特に憲法第九条は戦争放棄、兵力不保持の原則を規定しているのだ。したがって、自衛隊の設置に関する法律自体が憲法第九条とどういう関係になっておるのか、これはわが国の世論においても法律界においても非常に問題になっているところなんだ。その一自衛官がこんなことをしでかしておいて、それでその正当性を主張するなんて、もってのほかだ。私はあなたの答弁はこれ以上必要はないから、帰ってください。  そこで郵政大臣、こういうでたらめなことを防衛庁はやっておって、あなたのほうは黙って、腕章をはずしてくれと言われたら、そうですかと言って腕章をはずしてのこのこ入っていって郵便物を集めるなんて、あなた権限外じゃないですか。この問題は全逓のほうに相談してください、郵政省は何も関係ないと郵便局長は言われなかったのか。あなたどう思いますか、こういう郵便局長に対しては。
  94. 北雄一郎

    北政府委員 先ほど防衛庁からもお答えがありましたように、防衛庁側とされましては集配業務自体を抑止された ——現実には配達はできておるわけでございます。ポストからの取り集めができなかったという事態がございました。しかし、そのことはこの取り集め自体を妨げたということではないと思うのでございます。やはり当該職員がことさらこの場合は反安保という政治的な目標を掲げた腕章に固執して、その結果そのことで入れなかった、こういうことでありますので、そのその点では私どものほうにも落ち度があるというふうにも考えておる次第であります。
  95. 土橋一吉

    土橋分科員 あなた、北さんの説明説明にならないよ。郵便局長として、そんな通知を受けたときに、いや私のほうの関係ございませんと、これは全逓さんの問題だから全逓さんに言ってくださいと——なぜ腕章をはずしてのこのこそんなものを集めに行くのか。それほど防衛庁がこわいのかということを私は聞いておるのですよ。だから、郵便局長としては、筋違いでございますよ、全逓さんがおやりになっている問題については全逓さんのほうに相談してください、私のほうの職員は全逓さんと重なっているのであって、私のほうの職員の集配を妨害してもらっては困りますと、公務執行妨害じゃありませんかと、なぜきちっとした態度をとれなかったのかということを私は聞いておるのですよ。時間がないからもういいです。私はこういうことについて、郵政大臣、よくそういう点を見ていただいて、防衛庁であろうと外務省であろうと、先ほどの大出君の質問にもありますように、あなたの自信を持った問題をどんどんやってくださいよ。あなた、郵政省は百年の歴史を持っているんだから、防衛庁ごときはこれはついせんだってできたばかりの、どっちかというと私生児のような軍隊ですから、そんなものに頭を下げて何ごとですか。あなた、郵政大臣、がんばってくださいよ。  私は郵政大臣に、こういうことをちょっとあなたのお耳に入れておきたい。これはもう解決した問題ですからいいですけれども簡易保険を募集するについて——簡易保険局長、聞いておいてくれよ。これは太宰府の天満宮のお札を配っている。子供の生まれたところにそいつを配っておって、毎月八千七百円の積み立てをさして、その子供が高等学校、大学に入ったときに金を返すという仕組みになっておるのですよ。これは直方の局の近くの特定局でやったことなんですけれども、こういう連中の中には、入らないと後悔しますよなんということを言って、天満宮のお札を配って、それで簡易保険の募集をしている、こういう不都合な局長もいるのです。だから私は郵政大臣に、こういうときには厳然たる態度をとって、そんな太宰府の天満宮のお札を配って、庶民を、知らない人をおどかして簡易保険に入れるようなめめしいことじゃなしに、正々堂々とやるような態勢をとっていただきたいということを私はお願いしたいのですよ。いかがですか、あなたの御所見は。
  96. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 全く同感でございます。
  97. 土橋一吉

    土橋分科員 時間がもう五、六分しかございませんので、この前、三月八日に東京国際郵便局についていろいろ私はお話し申しました。一つは、ブラザー制度の非常に不当労働行為をやっている問題。これはもう具体的な事実ははっきりしておるわけです。もう一つの問題は、大量の全逓の組合員を多番制の、前よりも非常にひどいところへ配置転換をやっているという問題をお話ししたと思います。  三番目には、久永という局長が御承知のように一万五千円ずつ、八つの係ございますけれども、そのうち三つの係に金を出して、そこの鈴木という一人の主事は、日劇のミュージックホールのヌードのところへ行こうじゃないかということでその一万五千円を使ったとかどうだとかいう問題がございます。それから、その久永という局長が、還付不能の郵便物だというので、婦人の肌着とかパンティーのようなものを局長室で渡して、一種の何というか、そういうでたらめなことをやっておるということについてお話を申し上げた。このことについてどういう処置処分をしたか、これが一つの問題です。  これから私がお尋ねしたい点は、京橋郵便局調査をいたしましたところ、京橋郵便局ではひどいんですね。これに負けず劣らずのことをやっておるんですよ。郵政大臣ひとつ聞いておいていただきたいのですが、現在この人たちを調べてみますと、これはほとんど課長、副課長、主事になっておる諸君です。この諸君が京橋郵便局の第一集配課の計画室で、ちょと時間的に申し上げますと、昨年の十一月九日、これは六時ごろから七時ごろの間、大沢、河田、早川、関口、及び十一月二十六日にも長崎、河田、大沢、これも大体七時から八時三十分の間くらいですね。十一月の二十九日、このときは長崎、小滝、大沢、それから十二月になりまして一日にやはり七時から八時ごろの間、大沢、河田、長崎、奥田。こういうのをずっとやっておりまして、毎晩これはお酒を飲んでいるんです。そうしてときには現場で働いている人を呼びつけて、一ぱい君もやらぬかというようなことをやっている。一番最後が四十七年の二月二十九日、ついせんだってですよ、六時三十六分から七時四十七分まで、大沢、関口、早川、小滝、奥田——奥田というのは課長です。小滝君というのは副課長です。大沢君というのも副課長ですよ。第一集配課ではこういう連中がこういうことをやっているんですよ。第二集配課も同じように、十一月の九日から、大体六時ごろから、加藤、石川、持田という男です。十一日三十日もそうなんです。十二月二十三日もそうです。ことしになりましてから、一月に加藤、持田、菊地、石川という諸君が、三月の九日のときには小島と染田がやっておるのですが、このうち菊地君は副課長です。持田君というのは課長代理です。小島君というのは主事です。染田君というのも主事です。こういう諸君が毎晩のように——いま申し上げたのはずっと書いてあります。これは従業員の労働組合のほうからちゃんと調べたものが出ておって、一ぱい飲んでおるのです。毎晩こういうことをやっていながらこの人たちが第二組合をつくるためにいろいろ画策をしておるんですよ。こういうことがあるのです。これは四十六年の十一月十三日二時十五分から二時三十分の間に、名前を略しますが、ある局員に対して、おまえもそろそろどうだ、第二組合に入れ、こういうことを主任の横山という人が言っております。これは第一集配課の作業室でこういうことを言っております。それから四十六年十一月十一日、同じく第一集配課の作業室で、先ほど話しました小滝という男と橋本——橋本君もたしか主事になっている。小滝は副課長です。これがある局員に対して、あんたも入局して一年だろう、ぼちぼち全郵政に入れよと小滝にやられているときに、橋本が来て話に加わり、君も全郵政に入れよ、こういうことを言ったということを言っております。こういう事実を大臣、ひとつあなたもよく見ていただきたい。これは一般の従業員からちゃんと現場調査で出ております。こういうでたらめなことを繰り返している京橋郵便局。しかも、京橋郵便局のこれは保険課ですけれども、保険課の主事の諸君が、実働は実際は四十時間しか超過勤務をしていないのに、五十三時間も超過勤務をしたと称して金を取っている。斎田忠というのが現在の局長です。その前は佐藤重雄君というのが局長だった。これは貯金課の諸君がちゃんと書いているんですよ。こういうでたらめなことが、先ほど申し上げた東京国際郵便局以上に京橋の郵便局でやられている。しかも第二組合をつくるためにブラザー制度を利用してやっている。この問題について郵政大臣は一体どう考えられるのか、簡単に所見を聞きたいと思う。
  98. 北雄一郎

    北政府委員 最初の東京国際郵便局についての御指摘でございますが、ブラザー制度の中で組合活動をするという問題でございます。ブラザー制度は、エルダーもヤンガーもいずれも組合員でありますので、その限りにおいて組合活動の自由はあるわけでございますが、しかしブラザー制度の中でやることはまかりならぬということにつきまして、本年の二月二十九日にしっかり私ども現場へ徹底をさせました。  それから、局内で再三にわたって配転が行なわれた、ことに特殊の者がひんぱんに配転されたという御指摘でございましたけれども、五、六名の者だと思いますが、それぞれ事由がありましての配転でございます。いろいろ業務移管に伴う配転でありますとか、そういうことでございまして、配転と申しますより局内の異動でございまして、特に他意があったものではないわけであります。  それから、前の局長が報償費を、特定の係あるいは局の中の特定の単位の集団に対してお金を出した。これは実は郵政局の施策といたしまして、士気高揚ということで、特に業績のあがったような部分に対して特定の金を流したわけであります。それを使用したという問題でございまして、御指摘のようなものを見るというようなプランも、冗談としてそのグループの中の相談の場所では出たようでありますけれども、結果的にはちゃんとした、東京劇場でありましたか何かで映画を鑑賞するということになって、実行済みであります。
  99. 土橋一吉

    土橋分科員 北さん、いろいろ説明されておりますけれども、これは特に浅見元東京郵政局長はよく知っていなければならないものだと思います。京橋郵便局で四十五年の三月二十三日、局長佐藤重雄の名前で、ブラザー制度の指令を出しております。それから続いて京橋郵便局で、世話役活動の内規というものを同じく四十五年三月二十三日に出しているんですね。ここに具体的に世話役活動の内容を書いたものをこの郵便局で出しております。これを見ると、浅見元東京郵政局長や北人事局長が言うようなものとおよそ反対なんであります。この内容は、要約して申しますとこういうことを書いてあるんです。一つは、新入職員をよく知れということが一つの内容なんです。そこでア、イ、ウ、工、オと項目を掲げておるけれども、本人のおい立ちから身の環境を全部知れといこうとを一では書いてある。二番目には、新入職員との対話を促進するというので、いろいろ十項目ほど掲げてある。その次、三番目に、じょうずなしかり方をせいということが書いてある。そのしかり方がまたふるっているんだけれども、ここに五つほど例をあげて説明しているんだ。そして四つ目が、最後に、知識としつけと実践ということで結んでおるんですよ。これは浅見元東京郵政局長が全責任を負わなければいかぬ問題だ。この内容を読んでみると、これはブラザーなんてものじゃないんです。全くこれはスパイ行為をやって、それで本人の弱点をつかんでおいて、そしてじょうずにしかれと、こういうことなんですね。  そうしてくると、これは私がこの前委員会で申し上げた、新しい身分制度を設定して、近代、十八世紀以後許されておる自由民権の思想に郵政省はいどむものである。こういう不都合な制度を認めて、そしてブラザー、ヤンガーブラザー、そのヤンガーブラザーには何の関係もない局長が委嘱をするという形式でブラザーをやる。本人の私生活や本人の思想の自由や本人の活動の自由を全部規制する体制をとっているわけだ。そして、これが郵政、つまり第二組合をつくるためにいろいろ狂奔をしているこの事実とかたく結びついているわけなんだ。でありますから、あなたのほうで発行されたこの通知なんか見ましても、これは全く、平清盛じゃないけれども、よろいを着ておっていざというときにはやるぞというかっこうをとって、ただけさ衣を着ておるだけなんだ。ついせんだってのニクソンと中国代表との共同声明にも見られるように、平和五原則を認めたなんていっているけれども、現在ベトナム侵略戦争をどんどんやっている。日本の軍国主義をどんどんあおっておる。こういう内容と同じことであって、そのけさ衣を幾ら読んでみたってそういうことは出てこないようになっている。ベトナム戦争を強化する、日本の立川に自衛隊が移駐してくる、戦争体制を一そう強化する体制にあなた方がどんどん進めておるんだよ。浅見君や北君が進めておるんだ。こういうでたらめな郵政職員に対する態度について、郵政大臣はもっと見ていただきたいと思うんです。こういう官僚諸君がそういうでたらめなものをつくっておいて、陰では第二組合をつくる。それでおどかす、本人の一切の行状を全部知って。この内容を見れば、これはブラザーなんというものじゃない。これはあとで返していただきますけれども、見てくださいよ。こんなものをつくって局長が委託しているような体制では、ブラザー制度、世話役制度というものがいかにでたらめなものであるか、きわめて明瞭なんだ。この責任は元東京郵政局長の浅見君が負わなければいかぬ。知っておってやらせているわけだ。それで全逓を分裂させる。京橋もそうです。現在半数半数になっている。私の住んでおる立川でも、もうわずかな局員でも第二組合をつくって同様なことをやらかしておるんですね。これは全国至るところでそういうことをやらせておる。表向きはブラザー制度でございますとか、こういう通知を発しておる。私はあなた方からもらったよ。こういうものを見たら……。
  100. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 質問者に申し上げます。時間が超過いたしておりますので……。
  101. 土橋一吉

    土橋分科員 時間が来ましたので終わりますけれども郵政大臣、ぜひひとつそういうでたらめがないように、私はあなたに信頼を持ってお話をいたしますから、どうぞこういうことがないようにしていただきたいと思います。  これで終わります。
  102. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 以上で土橋一吉君の質疑は終わりました。  井上普方君。
  103. 井上普方

    井上分科員 ただいまの土橋さんなりあるいは大出さんというような全逓の大幹部であられた方方の御質問のあとで、全く組合には関係のない私が質問するのは、まことに常識的なことばかりしか承りませんから、ひとつ大臣もそのつもりで、官僚答弁はおやめになっていただきたい。  廣瀬大臣、ちょっとうしろを向いていただきたい。この方々。実は洋服にはボタンホールという穴がある。これは何のためにあると思いますか。
  104. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 寡聞にしてよく存じません。
  105. 井上普方

    井上分科員 実は私もきょう衆議院に、われわれバッジをつけなければならぬのはどういうわけだと言って聞きました。そうしますと、これは衆議院先例集の四百三十八項にバッジをつけなければならぬとあるのですね。それから国会図書館に、一体ボタンホールは何のためにあるのかと言って聞きますと、昔は、宴会のときに花が立っておる、これを折ってここへつけるたのだそうです。それが変じて、現在の解釈では、バッジをつけるのが礼儀になっておるのである。こういう歴史があるらしい。私も国会図書館でいま調べてきた。  そこで、いま土橋さんがいろいろ腕章のことを言われましたけれども、私は腕章よりまだ小さいバッジのことで申し上げる。全逓のバッジをつけたら郵便局に入らせないなんという法律はあるのですか。何か規則があると思いますか。どうです。これは大臣常識的なことだから……。
  106. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 バッジのことについてそういう規則があるということは聞いておりませんです。
  107. 井上普方

    井上分科員 事実、私も全逓の労働組合に対する当局側の圧力が非常にきびしいということを聞きました。私は、私の県内で起こったことを実はお伺いするのです。これは、おたくに主事とかなんとかいう職制があるそうですね。それに管外出張とかあるいは見学出張という制度がありますね。その方が郵便局へ行くときには、行ったならば、全逓のバッジをはずせということを強要するのですね。しなければ郵便局へ入れないという事例があるのですが、どうです、大臣常識的に考えてこれはおかしいと思いませんか。どうでございますか。
  108. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 常識的に考えますとそんな制限はあり得ないと思いますけれども、ただ何か役所の、郵政省のいろいろ指導規律というような点から、あるいはそういう規制をしているのかもしれませんが、詳しいことは人事局長から説明してもいいのですが、私個人としましては、常識的にお答えいたしました。
  109. 井上普方

    井上分科員 先ほど土橋さんも言われたように、政治的表現であってもあれだけの論議が起こっておる。ましていわんや、団結権は憲法で保障する、表現の自由も保障しておる。ところが、組合のバッジをつけたために、管外出張、見学出張の際には、行った相手先の郵便局へ入れないという事例が数多くあります。こういうことは許されぬ、常識上。私はその郵便局長、あほかいなと思ったのです。こんなことが実際——私ら常識的に、われわれ国会議員は常識でいっておるわけですが、あほかその局長は、と言うておる。私は聞いたわけです。どうも郵政省はそういう指導をしておるらしいというのですが、どうでございますか、大臣
  110. 北雄一郎

    北政府委員 実は、これはこまかい問題だというふうにおっしゃいますかもしれませんが、バッジから腕章からいろいろあるわけでございます。結局、針小棒大かもしれませんが、理屈としては、やはり公務員には、勤務時間中は職務に専念しなければならぬ義務がある。そこから参りますと、勤務時間中は原則として組合活動はやっちゃならぬ。むろん団体交渉とかそういったものは勤務時間中でもけっこうでありますけれども、そういうものを除きまして、勤務時間中にはそういった意味合いにおいて組合活動はいたしてはならない。むろん組合活動と申しましても、腕章を巻いたりバッジをつけたりするということは、これは特に特段の作為を伴うわけではございませんので、作為を伴う組合活動とはおのずから軽重の差はございます。また腕章のような大きなものからバッジのような小さなものまで、おのずからやはり軽重の差はございますけれども、どちらかといえばやはり好ましくない。ことに私のほうも結果的に現実の問題として組合が二つあるというような局所もあちらこちらにあるわけであります。そういった現実を見まする場合に、なるべくそういうことはしてほしくないという気持ちはございます。しかし、それをつけておるからといって、それを強制力でもってはずすとか、あるいはバッジのゆえに処分するとか、あるいはそういうものをつけておるから、お示しのその出張をさせないとか、あるいは局へ入れないというようなことは全然いたしておりません。そういうことがあってはならないと思っております。
  111. 井上普方

    井上分科員 大臣、私はいまの局長答弁を聞いて、これまたあほかいなと言いたいのです。大臣、どうです、あなたの感想は。——答弁できぬでしょう。
  112. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 あまり大きな声をお出しになるものですから、答弁は遠慮しておりましたが、ちょっとやはり問題だと思いますね、いまのことは。
  113. 井上普方

    井上分科員 問題とはどんな問題ですか。
  114. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 郵政省の考え方が……。ですからそれはひとつ十分検討してみましょう。役所には役所の考え方もございますから、あれを考え、これを考え、常識的に判断すればあなたのおっしゃることが正しいと思います。私ども十分検討してみたいと思います。
  115. 井上普方

    井上分科員 実は大臣、あなたと組合のなにを見ました。協約なんかも全然守られておらないですね。大臣というのはばかにされているのじゃないかという感じを深くするのです。またこんなひどい例があるのですよ。ことしの三月の九日、場所は池田郵便局で、三人の香川県から見学に来た人にそういう強制をやった。三月の七日にも同じく池田郵便局でやっておる。全逓のバッジをつけておると……。あほかいな。これが現在の郵政局のやり方なんですよ。もっとひどいのを言いますと、昨年の秋に郵政省が何をやったか。野球大会をやった。ところが全逓と書いておるユニホームを着てきたらいかぬというのですからね。考えられぬでしょうが。そうしてそのチームが違うユニホームでなければ郵政省傘下の野球大会に参加させぬ。そういう事例があるのですが、大臣どうです。局長みたいなあほにあれしてもいいのだけれども大臣、これはほんとうに常識の問題だから。どうです。
  116. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 それは松山郵政局で去年実際あった問題のようであります。直ちに解決の措置を講じておりますが、その解決内容については事務当局から説明いたさせます。
  117. 井上普方

    井上分科員 私は、そういう郵政局の姿勢、いままでのやり方、それが問題だというのです。こういうことを去年やられておる。またバッジにしても、ことしの三月の九日、三月の七日の話なんですよ。何ですか、佐藤内閣というのはいかにも人気の悪い内閣で、早うやめてくれというのが世論一般だ、その中で二人のいいのがおる、月光仮面といわれる環境庁の大石さんと、あなた、庶民金融の廣瀬さんだという。私は廣瀬さんと昔からのおつき合いでございますので、けっこうなことだと思って、かげながら敬服しておったのですけれども、ところがあなたの部下に、事実こんなあほなことをやって、常識外のことを平気でともかくやる部下がおる。それに対して何ら処置しない。私らがこうやって質問をしても、処置、どうですか、そういう当局のやつをきちっとあなたは罰則でもやって、文句を言ったらどうですか。やったことがございますか。どうでございます。
  118. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 事実、私そういうことは知らなかったものですから、ほんとうに不明でございましたけれども、よく勉強いたしまして、ひとつ改善するところは改善いたしたいと思っております。
  119. 井上普方

    井上分科員 大臣、しかしあそこの人事局長じゃ——そんな考え方がすでに間違っておるのだから、ここらあたりから一ぺん大掃除をしたらどうですか。ひとつこういう優秀な方はどこかほかのところへ御栄転を願って、もっと違う方に入れかえをして、とにかくもう少し常識的な労務管理をやる郵政省に直してみたらどうでございます。これは私ら、ほんとうに組合関係でも何でもない、出身が違いますが、はたから見ていて、聞いてみて、なるほどひどいことをしやがるな、郵政省はあほかいなという感を深くするのであります。あなたも同感だろうと思うのです。でございますので、これは根本的に直さなければいかぬ。  そこで、私も実はこの間もくにへ帰りまして、そして調べに行きました。行ったところが、ひどいもんですよ、役人は。国会議員さん、あなた何しに来たのでございますか。私は国政調査のために来たんだ、私らは調べることは調べなければいかぬ義務があるし、するのだと言ったら、開き直りまして、それじゃ衆議院の議決をもってお見えになりましたかと、こう言うのであります。こういうのがあなたの部下におるのです。   〔三ッ林主査代理退席、主査着席〕 それが当局側と称する管理者におるのです。どう思います。
  120. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 先般来社会党の国会議員の方々が、郵政事業をよくしたい、郵便局の職場を明るい場所にしたいということで非常に好意を持たれまして、何人かの方が集団となられましてあちらこちらの郵便局を御視察いただいたのでございますけれども、先日来、いろいろそのとき、御調査の内容についてとやかくという問題よりも、入口の場所で、視察をする前に、調査をする前に非常に不都合な態度が局長はじめ管理職員にあったことを聞きまして、私は非常に申しわけないと思っております。十分御調査ができなかったこと——調査の内容につきましてはとやかく意見があるといたしましても、異なった見解もあるといたしましても、御調査そのものができなかったことについては非常に申しわけないと思っております。これは結局私の指令が行き届かなかった、私の力が足りなかったところに起因するわけでございまして、深く反省いたしておるわけでございます。しかし今後そういったことの絶対ないように、ひとつ強い指令を出したい。指令の内容につきましても、いろいろ皆さま方の御意見を拝聴いたしまして、そういうような失態は繰り返したくない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  121. 井上普方

    井上分科員 私は社会党がグループをつくって行ったことを言っておるのじゃございません。しかし、私一人入っていって、ひとつきょうは調べてみたいんだ、会わしてくれと言っても会わせませんよ。昼の時間でも会わせませんよ。こういう事実を、あなたは善意にお考えになっても、あなたの部下連中はそういう指導をいままでやってきておるので、あなたのもとにおいてもやっておるじゃございませんか。それに対して大臣はどういう態度で今後臨まれ、この横行ばっこする官僚どもをどうやって退治するお考えですか。
  122. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 人事に対する御要望かと思いますけれども、これにつきましてはよほど慎重に考えてお答えしなければならないと思うわけでございます。即答できませんけれども、御趣旨はよくわかりますから、よく勉強さしていただきたいと思います。
  123. 井上普方

    井上分科員 私はかつてこういう経験があります。私が国会議員として出てまいりまして、一年たったときに、私のくにで——これは実は言いたくなかったのでありますけれども、言わざるを得ないから申しますが、徳島は貯金支局というのがあります。その落成式があった。来てくれという招待状が来たので、私は帰りました。出ましたところが、私の上座に見知らぬ男がすわっておる。やがてのこと、だれそれ先生代理と称してそれが立ち上がりまして祝辞を述べました。秘書です。代議士の秘書があいさつするのです。私には何のお呼びもなかったのであります。私はそれでそのまま帰ってまいりました。ところが、礼儀を失するにもほどがある、これが参会者一同の話でございました。それから私のところに再三にわたってあやまりに参りました。私はこのことをとやかく言うのじゃない、私も個人的には了解したのでございますけれども、有力なる権力者に対しましてはぺこぺことおじぎをする体質が郵政省の中にはみなぎっておるのじゃございませんでしょうか。力のある者、権力のある者に対してはすべてこれを是なりとして、それらに阿諛追従する風潮が郵政局の中にあるのじゃございませんでしょうか、高級官僚の中に。それで何んでもかんでも、ともかく組合に対しては刃向かえばいいという風潮があるのじゃないでしょうか。そこから、野球のユニホームの問題にいたしましても、バッジの問題にいたしましても、こういうようなことが現在やられておる。私は憲法問題をここで持ち出すつもりもございません。常識的な話で私は言うのです。こういうような現在の郵政省の幹部の指導が、はたして現在の世の中に合っておるのかと考えますときに、私はどうも納得しがたいものがあるのです。大臣、どうでございます。いままでの郵政当局がとってまいった——当局と申しますか、官僚陣がとってまいった態度というものは、労務政策におきましても、事実、組合弾圧の方向あるいは組合分裂の方向に策動しております。自分の点数かせぎかもしれません。これらの問題に対する大臣の基本的な姿勢をひとつお伺いしたいのです。常識人として、あるいはあなたの政治家としての姿勢をひとつお伺いしたいのです。
  124. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 先刻もお話が出ておったのでございますけれども郵政省は申すまでもなく人によって大部分運営をされております仕事でございます。したがって、人の問題というのが一番大きな問題でございます。ということになりますれば、労務対策、これには一番重点を置かなくちゃならないということになってくるわけでございますが、私の大臣といたしましての最上の念願は、明朗な、なごやかな職場をつくりたい。かつての郵政事業はそうであったというように私は信念いたしておるわけでございまして、そういう信念に基づいて省内をリードいたしておるつもりでございますけれども、先日来いろいろ御指摘をいただいておりますように、まだまだ私の力が足りませんで、私の意向が末端まで徹底せずしていろいろな問題を惹起いたしておりますこと、まことに申しわけないと思っております。私どもは、労務対策としましては、一昨年の暮れ、あの深刻な労変闘争に基づいて労使がじっくり話し合って、十二月十四日、あのような確認事項をつくっております。私は基本姿勢、お互いに信頼し合って、そうして誠意をもって話し合う、そういうことで、地方の郵政局にも本省にも六人委員会をつくりまして、この委員会がありましたために、昨年の暮れの年末闘争の折衝にあたりましては比較的成績よく問題が解決してまいりました。わずかに幾つかの問題が訴訟が提起されておりますこと、遺憾に思っておりますけれども、しかし、一昨年の十二月十四日のあの確認事項もまだ足りないところがございましたので、昨年の十二月五日に、さらに補足し、また徹底させるという意味の通達を現業局に出しまして指導いたしておるつもりでございます。そのねらいは冒頭申しましたように、明るい、楽しい職場をつくる、ということは、郵政事業というのは人によって運営されているから、人がそういうような気持ちで愉快に仕事ができなければ、事業の円満な推進ができないということはわかり切っておるわけでございます。私はどの組合がいい、どの組合が悪いというようなことについては全然考えてないわけでございまして、ただ極端な暴力に訴えるというか、赤軍派的な存在、これはどうしても許されないと思います。それ以外の方々は、少くとも組合を結成されている方々は、おのおの自主性をもって、自覚をもってやっていらっしゃるわけでございますから、組合について差等をつけるということは毛頭考えてないわけでございまして、ともかくお互いが理解し合って事業の運営にあたってもらいたいというのが私の最高の念願でございます。
  125. 井上普方

    井上分科員 私はあなたの、朗らかで楽しい職場をつくるようにするというような基本的な態勢にも全く同感なんであります。事実それが、あなたの意思が末端に通じていない。まさに陰湿なる職場と化しつつあるのが現在ではございませんでしょうか。管理者を使って組合の分裂をはかる、こういうことが半ば公然と行なわれておる。これらの事例はあなたも、私が申すまでもなく、先ほども土橋さんが出されておるし、たくさんの事例があります。こういうような事実があなたの意思と反して、現在の郵政省の職場はますます暗い職場となりつつあるんじゃございませんでしょうか。不愉快な職場になるんじゃありませんでしょうか。私は、国鉄のマル生運動のときにも調査に入りました。そのときの当局側の態度と、それと私個人で入りました郵便局の当局側の態度というものを比較いたしますと、実に何といいますか、郵政省のほうがめめしいと申しますか、ひきょうなやり方をやっております。国鉄でございますと、私のほうはそれはこういう指示があってやりましたということを、朗らかに不当労働行為を認めます。ところが先ほども申しましたように、国会議員は、それは院の議決をもって来たんですかとまず第一番に言います。あるいはまた当局側が、私らはいたしませんと言って、もみ手をしながらいんぎん無礼な態度で臨む者もおります。そういう当局側の管理者の態度でございますから、自然職場がいまのところ陰うつになっておる、沈滞しておると申しても私は過言ではないと思う。でございまするならば、いままでのこの郵政局、本省の指導体制それ自体が問題だと思うのですよ。ですから、一度ひとつ蛮勇をふるって、郵政省が朗らかで楽しい職場になるために過去を一掃する必要があると思うのです。  このことをひとつ強く要求いたしまして、まあ私は具体的な事柄を申すことはきょうは避けますけれども、あらためてその場でやります。ともかく、大臣のその御意思が末端にまで届くような郵政局、本省の体制をひとつ築かれるように強く要求いたしまして、私の質問を終わります。
  126. 松浦周太郎

    松浦主査 これにて井上普方君の質疑は終わりました。  次には、島本虎三君。
  127. 島本虎三

    島本分科員 きょうは私は、郵政大臣もおられまして、いままで他の人の質問も聞いておりまして、きょうはこのことは言わないほうが、どうかなと思いましたが、やはり念のために一言だけ触れておいたほうがいいと思います。  それは、不当労働行為、いわゆる組織介入、われわれ何回も大臣と折衝し、その成り行き等について注目をいたしております。また同時に、そういうようなことはもうなくなったはずなんですが、この点の周知徹底は完全ですか。大臣はどう思っていますか。いまいろいろこれに対する疑問が出ましたが、大臣の考えていることが具体的に下部末端まで伝わらないんではないですか。こういう機構に対して、いままで取り上げたのは二カ月前です。二カ月前に取り上げて、まだ下部末端に通じていないというのは、これは大臣は無視されていることになるのじゃないか。官僚大臣ならばやるけれども、これがまた党人大臣であるならば、官僚はそっぽを向いて大臣の言うことも聞かないという造反を起こしているわけですね。これはとんでもないことになるんじゃないか、こういうように思うのです。この点で、二カ月前、三カ月前にやったことがまだ下部へ徹底しないなんということは私わからない。一体どういうふうになっているのか。大臣の所信を伺ってから入りたいと思います。
  128. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 島本委員が郵政省郵便局のことを非常にお考えくださいまして、常に何かと御指導賜わっておりますことをほんとうに感謝申し上げる次第でございます。  いまの不当労働行為の問題でございますが、具体的に端的に申しますと、ブラザー制度のことでたいへん御心配を持っていらっしゃるようでございましたので、ブラザー制度というのは、実はエルダーブラザーもヤンガーブラザーも管理者という立場の人でなくて——問題はエルダーブラザーのほうですけれども管理者じゃなくて、その人たちよりもわずかに二、三歳年上だという、若い者の気持ちを理解してもらえるような年齢の人を選定いたしておりますから、正式な不当労働行為というのはないわけでございます。しかし、まあ管理者でなくてもそれに類することをすることは非常に警戒しなくちゃならぬわけでございますから、これにつきましては二月二十九日に、いろいろ先生方の御指摘になりましたことに基づきまして、強い指令を出しておりまして、いままでは世話役というのは一年、マン・ツー・マンで一人の青少年を担当しておってもらったのでございますけれども、それではどうもいろいろ誤解を招く節があるということを考えまして、半年にいたしました。そして、内容は御承知だと思いますから省略いたしますが、まあ誠意をもってやったつもりでございますけれども、内容についてもいろいろ疑問点がございますれば御指摘いただきたいと思います。
  129. 島本虎三

    島本分科員 いま大臣の言ったような点並びに組織介入や不当労働行為について、いままで何回か、これは局報なんかで見たことがありますが、それは下部の管理者にまで徹底さしておりますか、人事局長
  130. 北雄一郎

    北政府委員 いま大臣がお答え申しましたように、ブラザー制度につきましては二月二十九日に通達をいたしました。むろん、通達を出しつばなしということじゃなくて、出しましてからそれを徹底させるように、ちょうど年度末と申しますか、この三月には各地で普通局長会議等もございます、そういった場合に、これまでいろいろ批判のあったことを、新しい制度ではそれなりに私ども取り入れまして直しておるつもりでございますので、そういった点につきまして十分指導をしておるところであります。
  131. 島本虎三

    島本分科員 これであまり時間とりません。いままでの事情全部わかっているからです。あなたが指導しているというのが、下部末端ではこれが浸透していない。この例を申し上げますが、委員長もこの問題に対してはだいぶ問題にする個所が——石炭のいわば現在つぶれかかっておる山、こういうような山であるならば郵便局が閉鎖される、また縮小される、こういうようなことになる場合には、もうみんな心配しているのです。北海道にはそれが若干あるのです。あなたがいまそういうように言っているけれども、歌志内の神威郵便局の立川清という局長が、事もあろうに——大臣からいま、二月二十九日に強い姿勢で出ていると言ったあなたもそれを徹底さしていると言ったが、これはもう三月の十二日に全逓の全部の組合員たちを全部訪問して、そして、全逓は過激な非合法的な組合だ——どこが非合法ですか——連合赤軍と同じなんだ、君の昇格を上申中だが、全逓にいれば不利になる、勇断をもって脱退しろ。何ですか、これは一体。それから、配置転換がかなえられるかどうかは良識者にならないとだめだということを覚えておけ、ほとんどほかの者は脱退の意思を固めているぞ。これが局長の言です。これは三月の十二日です。そのときに全郵政の、第二組合の執行部の人がその場所にいるんです。何ですか。介入しないと言いながら、はっきり介入しているじゃないか、これは。  けさ飛行機の中でこれを見てがく然とした。この新聞ごらんなさい。けさの新聞です。——二面にでかく出ているでしょう。こういうようにして、あなたたちの言っていることが下部末端のほうには全部通じていないじゃありませんか。ここで言ってもさっぱりやっていない。造反を起こしているのは各局長。また局長が言っても聞かない管理者がある、末端に。だめだ、こんなことは。あなたたちそう言っても、大臣の言うことを実行してないんだ。百万言弄しても一つでわかるじゃありませんか。あなたたちは大臣をないがしろにするのですか。大臣、これについてひとつ決意を伺って次に移りたい、ひまがないから。
  132. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 あくまでも御指摘の問題は徹底的に調査いたしまして措置を講じたいと思います。
  133. 島本虎三

    島本分科員 その場合ははっきりした報告を私は求めたいと思います。委員長からも強力にそれを申し上げていただきたいと思います。なぜこれを言うかというと、前の社会労働委員会でもこれは大臣といろいろやったが、その調査をしたことがいまだに私の手元に来ないのです。そして、何の質問をしますかと質問をとりに来たからそれを言ってやった。そうしたらそれを持ってきて、あなたはどうしてもそれをなさるのですかと聞きに来る。こういう態度、大臣、ありますか。憤慨したのですよ。だめですね。これはまさに不可解千万。あとでこの件については私のほうへはっきり文書なりその措置を知らしてもらうようにしてもらいたい。委員長から強力に言っておいてください。そうでないとまた無視されるから。よろしゅうございますか。
  134. 松浦周太郎

    松浦主査 いま大臣答弁しましたから……。
  135. 島本虎三

    島本分科員 じゃあ次に移ります。  電報料金のことについてちょっと伺いますが、この電報料金は、大臣郵政省認可で、電報料金の点は何か二月二十四日にきまって、三月一日から実施したわけです。二月は二十九日しかございませんから、わずか五日間の猶予で、しかも慶弔電報の略号なしに急になってしまった。それでいいのかと思ったら、式紙代も今度はかかるようになってしまった。利用者に周知しないままやったものだから大混乱を起こしている。これも大臣の認可料金としてこれをやったためにこういうようなことが起きているのですけれども、これは大臣、大迷惑だったのですが、周知の方法を完全にしましたか。したとしたならばその手段。一体何のために短い時間に、国民に周知しないままにやるようにしたのですか。
  136. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 電報利用料金の基本的な問題、事柄については、御承知のように法律に定めてありますわけでございますが、その他料金のほうについては大臣の認可を受けて電電公社なり国際電電なりできめるということになっておるわけでございまして、今回、いまお話しの電報料金、認可事項の料金でございますが、これについては御指摘のように、考えてみますと少し周知宣伝の時日が少なかったように考えるわけでございます。認可を決定いたします場合にも、郵政省事務当局と電電公社とがずっと話し合いを進めてまいっておったことは事実でございますけれども、最終決定が実施直前になったということで、公衆に今回はたいへん御迷惑をおかけいたしましたことを恐縮に存じております。  周知言伝をやった方法については電電公社のほうから御説明を願うことといたしたいと思いますが、ただ、認可料金でございますけれども郵政大臣なりあるいは郵政省の恣意によって料金がきまるということは——これは私みずからが、具体的に申しますと慶弔電報の特殊料金と申しますか、そういうことをきめるにいたしましても、何らかの指針がないような気がいたしまして、これは相談すると申しますか、世論の声を聞くような機関でもつくっておくことが必要でないか。三種、四種の郵便料金のほうについては郵政審議会にかけて諮問し、御意見を聞いて、そうして政令ですか、きめることになっておりますが、電報電話の認可料金につきましても、やはり世論を聞くために郵政審議会を利用するか、別個の諮問機関をつくるか、何とかいたしまして相談することのほうがいいのじゃないかということを私考えておりますわけでございます。実は今度もそういうことは事務当局には申しましたけれども、実行までに至らなかったのでございまして、そこでせんだって予算委員会の一般質問のときでございますか、そういう同じ種類の御質問がございましたから、そのときもただいま申し上げましたようなことを申し上げておいたのでございます。郵政審議会を利用するか何かの審議機関をつくって、大臣が自分で認可するということであっても、世論の声を聞くというような機関をつくりたい、このように考えておるわけであります。
  137. 島本虎三

    島本分科員 それで、やはり大臣からさすがに進歩的な意見を聞かしてもらいましたが、それに徹することが必要だと思うのです。私も実際はあとから知ってびっくりしたのです。それは急ですから、直せといえば直すかもしれない。郵政の不当労働行為みたいに何年もかかっても大臣の言うことを聞かないで直さないのとは違って、これはあなたの権限でできることだから直るかもしれないと思います。しかしこれを見てあ然としたのは、二重、三重、四重の値上げであったということになる。法定料金から切りかえる際にも、二十五字百五十円ということになって累進的に上げるやつがきまっている。託送料も十円から二十円になって二倍になる。送達紙料として、送達紙を使う場合には今度は三十円を別個に取る。略号を廃止してその分だけ料金になる。たいがい二倍くらいが普通と思ったら、これは値上げの四重奏ですよ。こういうことになってしまえば一種の脱法行為じゃないですか。大臣の名前による脱法行為をやったのじゃないか、こういうように言われてもしようがないじゃありませんか。まして、こういう問題については私は今後の運営について御忠告を申し上げておかないとだめだと思って、勇を鼓舞してきょうはやってきたわけです。いま大臣がいろいろ申されましたけれども、法定料金ならば国会で審議する。そうなった場合にはわれわれも発言の機会もございますので、今度国民の意思を反映させるために努力しますから形式的にも整いましょうけれども、認可料金の場合には郵政大臣の意向できまってしまうのですから、そうなった場合には——今度国鉄の場合には、いかに国鉄はトンネルが多くてもそこを覚えておって、トンネル機関でもちゃんと審議会をつくって料金なんかも出されるようになっています。郵政省のほうにもちゃんと郵政審議会があって、ここで料金を審議するのかと思ったら、料金の審議はここでしない機関になっているのですから、まさにこれは何も審議しないトンネルになっているわけですね。これだったら、外から見ればかっこういいけれども、中ではほとんど無視されるような機関だということで、機関そのものの機能の問題も当然あるのじゃないかと思うのです。したがって、こういうような重大な二重、三重、四重奏の値上げ交響曲がかなでられる際には、もっともっと監視して、指揮者が完全でなければだめですよ、大臣。したがって、これに対しては一応審議会を通じて審議される、こういうような一つのはっきりした形式をつくらないとだめだ、こう思いますが、この際ですから大臣のはっきりした決意を開かせておいてもらいたいと思います。
  138. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 この前のときも実はそういうことにいたしたいと思ったのですけれども、できなかったわけですが、今後は必ずそういう審議機関を新しくつくるか、あるいは郵政審議会を利用いたしまして、いろいろの御意見を承って、最後に私の決断をするというようなことにいたしたいと思っております。必ずお約束いたします。
  139. 島本虎三

    島本分科員 特に、これは直接大臣も経験がおありになっていると思うのですけれども、慶弔電報の場合は全電報の数の三分の二ですか、そうして法定料金でなくて認可料金にすると、国民各層がずいぶん使用している電報ですから、それが大臣の権限で急に認可料金で変えられてしまって、そのために、いままで定着しておってそれを利用するような人たちが不便この上ないことになる。こういうようなことについては、大臣にあえて言う必要もないほど大臣のほうが御存じだと思うのですが、四十三年度には普通電報は五千万通になって、慶弔電報は二千二百万通ですから、この両方の比を見ると二分の一ぐらいになるわけだ。四十四年度が四千七百万通に対して慶弔電報二千四百万通ですから、この程度でもやはり二分の一くらいになる、電報の比を見ると。四十五年度は、現在で三千九百万通ですけれども、慶弔電報は二千六百万通になっているわけです。だんだんよけいになってきているんです、これが。初めはやはり少なかったのです。ところが最近はこれが一つの生活の中に取り入れられて、よけいになってきているわけです。したがって、こういうふうになった場合は、これは両方足してやってみますと三分の一を上回っていることになります。普通電報と慶弔電報の率から見るともうすでに二分の一を上回っているわけです。こういうような状態ですから、四十五年度では二千六百万人の人がやはりこの問題で、この率から見ると非常に苦労される、こういうようなことになるわけです。私はやはりこういうような場合には、大臣として十分検討してみた上でこれに対する対処をきめなければだめなんじゃないか、こう思うのです。ことに、郵政大臣と郵政関係者の間で認可料金と法定料金をもう一回洗い直してみる必要がないか、こう思いますが、大臣いかがお考えでしょうか。
  140. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 法定料金と認可料金は、公衆電気通信法ができました当初からあのような区別が設けられておるわけでございます。これを洗い直すことになりますとたいへん大きな根本的な問題になるかと思いますけれども、しかし貴重な御意見でございますからよく考えてみたいと思います。  なお、ちょっとつけ加えてお答えいたしますが、先ほど島本先生、慶弔電報の例の御引用がございましたけれども、電電公社でやっております電話と電報、これはまあ島本先生は大先輩でございますから御承知と思いますけれども電話は将来広域時分制にするということで、以前の市内は多少高くなるかもしれませんけれども、全体といたしましてこの電話の料金の改定はとんとんなんでございまして、ちっとも上がっていない。むしろ多少マイナス、減収だというくらいでございます。電報のほうは、これはもうもとより御承知のように、非常な赤字でございまして、昭和二十八年以来十九年間全然料金の改定をいたしてない。そういうようなことを考えると、電報は何とかしなくちゃならない、赤字の救済もしなくちゃならないということは、私どもしょっちゅう考えている問題でございまして、今度多少改定いたしまして増額したわけでございますけれども、たとえばしかし慶弔電報にいたしましても、私は算出の根拠はわかりませんけれども、原価計算をいたしますと、あの慶弔電報というのは一通三百五十円でございましたか、するようでございまして、これは電電公社のほうとしましてはもう廃止いたしたいという御意見が強うございました。しかしいま先生おっしゃるように、国民生活にかなり定着いたしておりますので、これはまあ残そうじゃないかということに最後にはなりまして、そうしてあの色彩のついた送達紙のほうも特につくることにいたしましたわけですが、その料金が結局私の認可ということになってくるわけでございます。これには五十円説もございましたし、二十円説もございましたし、百円説もあったわけでございますけれども、三十円ということにいたしましたわけで、これは全部ひっくるめましても、電話託送料も含めて、これをひっくるめましても、大体平均は二百円程度じゃないかと思っておりますけれども、原価計算しますと三百五十円くらい慶弔電報はかかるらしいのでございまして、それから申しますとかなり押えた料金だと私は思っております。しかし利用する側から申しますと、かなり値段が、料金が上がったということはいま御指摘のとおりだと思いますので、そういう料金の認可についてはよほど今後大臣として——これは電電公社に責任があるわけではございません。大臣としまして私の責任におきまして、料金値上げに際し、国民の声を反映させる必要があるということを痛感いたしておりますので、さっきお約束いたしましたとおり、将来必ず実行したいと考えております。
  141. 島本虎三

    島本分科員 たとえば二月二十四日からきまって三月一日から実施したという、この周知の方法は、どのような周知の方法をとりましたか。
  142. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  今回電報料金が、法定料金が主体になっておりますが、そのほか認可料金も含めまして三月一日に施行されたわけでございます。しかし、この法定料金のほうは昨年の公衆法の改正ですでにきまっていたのでありますが、認可料金については、先ほどの御質問にも出ておりました慶弔電報等もあって、いろいろな経緯をたどってこういうことに相なりました。確かにもっと早く公社も認可申請をすればよかったのでありますけれども、その点、確かに一部周知の点で遺憾な点があったというふうに思っております。まあしかし私のほうといたしましても、郵政省といろいろ事務的な相談もありまして、およそこの程度になるということがわかっておりましたので、公社の中の会議とかあるいはまた現場管理者等にはそのような指示なり大体の様子を話しておりました。これからもっと早くこういうものがきまるようなふうに事務的にも進めていきたいというふうに考えております。
  143. 島本虎三

    島本分科員 まあいろいろございましょうが、そうまで不便になるとは私も思わなかった。しかしやってみると相当不便を感じておりますが、今後略号の復活というか、こういうようなものに対してもう一度想を改めて考え直してみたい。やはりないと不便だというのがわれわれの耳に殺到しておりますので、あの例文だけでいいというわけではございませんが、もう一回発想を新たにして考え直す必要があるのじゃないか、こう思いますが、この点いかがでございますか。
  144. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  先ほど慶弔電報のお話も出ましたが、今回の法定料金で二十五字百五十円、慶弔電報につきましては制度というものが一応なくなりましたけれども、実質的にそれに対しまして特別取り扱いということで料金をプラスするような形になりまして、この電報自身は一通の原価を計算いたしますと約七百円かかるというかっこうになっておりまして、この間私のほうの事務当局に、今度の料金改定によって今後六年間にどのくらい料金の増収があるかということを計算させましたところ、六年間に三百億円、それからこの配置転換については労働組合といろいろ現在話し合いを進めているわけでございますが、その予想といたしまして、支出の減、これが約七百億円。ですから、この六年間に電報の赤字が累積いたしますと約六千億円になるものを、今回の改定によりましてそれを五千億円に食いとめた。ですから千億円結局改善したというかっこうになっておるわけでございます。ただいま御意見がありましたが、電報という問題につきましてはまたさらに非常に基本的な問題が将来もあると思いますので、その中で考えたい。ただこれだけの赤字でございますからなかなかいい案が出てくるかどうかわかりませんが、今回はこの案でぜひ進めていきたいと思っておりますけれども、まあ将来の問題としては全部の問題を含めて考えていきたいというふうに考えております。
  145. 島本虎三

    島本分科員 先ほど言ったとおり、この方法、期間並びにやり方等においてはまだまだ考えなければならない点が多いようであります。したがって、その料金のきめ方、こういうふうな点から見てもちょっと納得できませんので、いままでの答弁は私は聞いておきますけれども、これで納得したのでは決してございません。これは一応今後の点に残しておきたい、こういうふうに思いますが、残しておかれないものが一つあるのです。  これは通産省ではすっかり禁止してしまったが、いま郵政省のほうでは、郵政省関係でもいろいろPCBのああいうような問題がたくさんある。これは処理するということになっておりますけれども、これは電電公社のほうでは大型コンデンサーなんかで使っておるのをどうするのか。それから事務用品として使っていたものをどのような廃棄処置を郵政省では講じたか。電電公社、郵政省双方から、このPCBについての現在のものに対する処置をどういうふうにしているか。通産省ではもうちゃんとこれを製造禁止にしました。そうして今後においては皆さんに当然それが行き渡るだろうと思いますが、これは国民の健康にかかわる重大な問題でありますので、この際両方から承っておきたい、こういうように思うわけです。
  146. 斎藤義郎

    ○斎藤説明員 PCBの問題につきましてはさきの予算委員会で一応御説明申し上げましたけれども郵政省が使っております式紙類、これが十三種類ございます。その予算委員会の当時までに十二種類を全部使用を中止しております。それで新しいものに全部取りかえが完了しております。ただあの際問題になっておりました監査テープでございますが、御指摘もございましたのでさっそく取りかえることに措置いたしました。ただしこれは若干の日時を要しますので、全部を取りかえるには三カ月くらいかかるだろう。したがって六月には全部なくなる、こういうことになろうかと思います。  それからストックしておりますPCBの関係でございますが、これは通産省あたりとも十分相談しておりますけれども、まだ有効な廃棄の方法が見つからぬということでございますので、そちらのほうと十分連絡をとって、安全な廃棄の方法が見つかりましたらその方法に従って措置する。それまでは厳重に保管しておく。(島本分科員「使わせないのでしょう」と呼ぶ)全部使わないということにしたいと思います。
  147. 庄司茂樹

    ○庄司説明員 電電公社では電力用のコンデンサー、あるいは機器に入っております紙コンデンサーにPCBが使われておるのでございますが、これはすべて密閉型になっておりますので、直接的に出ることはないのでございます。先ほどのお話のように、通産省でこういうことにはっきりいたしましたので、よく通産省と連絡をとりまして、今後には処置していきたいと思います。  それからまた廃棄の問題でございますが、機器用のものはすべて場所がはっきりしておりますので、廃棄につきましても万全を期するようにしたいと思います。  それから先ほどの事務用の感圧紙でございますが、これは公社におきましては去年の三月からPCBを含まないものに変えております。
  148. 島本虎三

    島本分科員 最後にお伺いして、もう時間がないのでまことに残念ですがやめなければなりませんが、大臣、これは電電公社のほうにも、私自身直接体験して、今後の検討事項としてひとつ提案しておきたい事項がございます。それは、私の親戚の者が入院したんです。聞いてすぐ電話でやったところが、病院ですから本人を呼び出して、呼び出された人が出てくるのが長い。電話にかからぬうちに三分になって切れてしまいました。またかけてやる。またかけてやると、今度は少し早かったが、もしもし、がちゃん、で終わりました。またかけたら、今度はそばにいてくれたので三回目に通じた、こういうような例があったのであります。かつては、三分という公衆電話の時間を全然入れなかったころには、電電公社では、外のほうで待っている人が、あまり中の話が長いのでけんかが起きて人殺しまであった、こういうようなことで三分ということになりましたけれども、今度は三分のために病院その他へ電話かける場合にはなかなか不便だということになります。したがって、これはもう間接に酷使することにもなりますから、そういうことのないように、特定の場所、たとえば病院のようなものに対しては新しい今後の方法を考えるべきじゃないか、こう思うんです。公社側、ひとつこの点の見解をはっきりさしておいていただきたいと思います。
  149. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘のように、三分打ち切りにした時分には数も少なかったのでありますが、最近公衆電話の普及充実に力を入れております。市内通話に広域時分制を入れる時点におきましては、ただいまの問題につきましては十分実現の方向で検討いたしたいと思います。
  150. 松浦周太郎

    松浦主査 これにて島本虎三君の質疑は終わりました。  次は、中野明君。
  151. 中野明

    ○中野(明)分科員 最初に、大臣がことしの二月に閣議のあとで発表されました例の小口貸し出し制度の庶民金融のことについて、けさほど来議論が出ておりましたので、私多く申しませんが、大臣の発表以来相当反響を呼んでおりまして、国会でも過去に衆参合わせて四回の決議もやっておることですし、ぜひこれは庶民金融の道を開くという上において実現をされたい、そういう強い希望を私どもも持っておるわけであります。しかしながら大蔵省関係、あるいは農林大臣も一部難色を示しているというような報道もなされておりますが、そういうような中で、この問題についての郵政大臣の今後の所信をあらためてこの機会にお尋ねしておきたいと思います。
  152. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私どもが提唱いたしておりますいわゆる庶民金融、正確に申しますと郵便貯金の預金者の小口貸し付けでございますが、この構想あるいは内容等については中野先生もすでに十分御承知だと思います。時間の関係もございますので詳細な説明は省略したいと存じますが、これは私はぜひ庶民の福祉を増進するためにやりたい。申すまでもなく、産業よりも人間、経済よりも福祉ということを最近叫ばれておりますので、そういう時代の考え方ともマッチするかと思って、大いに力を入れて努力いたしておりますわけでございますけれども、できますことならば政府提案で出したいということで考えてまいったわけでございます。政府提案の法律提出の時期は一応三月十七日までということになっておったのでございますけれども、とうとうそれまでには関係の省、具体的に申しますと主として大蔵省でございますけれども大蔵省は——いまの小口の預金者の貸し出しをやるということだけでございますれば郵便貯金法の一部改正でまいれます。そうだということになれば郵政大臣郵政省だけでいいわけでございますけれども、先刻来いろいろお話が出ておりましたように、国の資金運用部資金、産投資金というのも深い関係がありますわけでございますから、どうしても大蔵省の了承を取りつけなくてはならない、向こうのほうの関係の法律も改正しなくてはならぬということになりますものですから、そういうことで大蔵省に事務段階大臣段階努力はいたしておりますわけでございますけれども、なかなか壁が厚くて、納得を取りつけていないという現状でございまして、三月十七日という政府提案の法律の提出時期については、時期は延ばしてもらっておりますわけでございます。  しからば、いつ大蔵省との間で妥結ができるかということになれば、なかなか先行きははっきりいたさないのでございまして、ただ衆議院の予算審議が済んだ段階で、私と大蔵大臣が会って十分意見の交換をするということになっておりますので、このときに期待を持っておりますけれども、はたして平行線のままでもの別れになるかどうか、あるいは妥結ができるかどうか、その辺が全く見通しがつきません。政府提案といたしましてはまことに暗い思いをいたしておりますわけでございます。しかし、いろいろ各党のほうでお考えをいただいておりますようで、非常に御鞭撻も賜わっておりますわけでございますから、ひとつ今後ともまっしぐらに進んでまいりたいと考えておりますけれども、現状はただいまお話し申し上げたとおりでございます。
  153. 中野明

    ○中野(明)分科員 せっかくの大臣の決意でございましたが、ただいまの答弁では少し弱気になっておられるような感じを受けるわけであります。いまのお話では、予算の終わった時期にもう一度大蔵大臣と折衝をするというようなお話ですが、ぜひ所期の目的を達成せられるように私たちも期待をしております。この国会でせっかく大臣が言い出されて、そしてここまで国民の期待も寄っているわけですから、ぜひ実現さしたいという意味で、私どもも最悪の場合は各党相談をして議員提案ということも考えておりますけれども、それではせっかくの大臣の構想というもの——結果的には同じかもしれませんけれども、歴代の郵政大臣もいろいろこういう面については考えてこられたと思いますけれども、ぜひ廣瀬大臣の手でこの制度を実現していただきたい。そういう希望を申し述べて、次に移りたいと思います。  次の問題ですが、きょうは皆さんお昼も延ばしてやっておられますので、またの機会に問題を譲りまして、お尋ねしたい一点だけはしょって申し上げてみたいと思います。  その問題は、電電公社の大都会における電話帳の問題であります。これにつきましては、御承知のとおり地方におきましては非常に電話帳というのは貴重な存在でありまして、十分活用されているということを私もよく承知をしておりますが、東京とか大阪、こういう大都会におきます電話帳の量といいますか、非常に膨大な量になりまして、東京では一般の電話帳が三冊と職業別が二冊ですか、相当厚みのある、量のあるものになっております。その上に加えて住宅事情が非常に悪くなっておりまして、それぞれ家もたいへん狭いところで住宅難に苦しんでおるという実情、そういうことから考えまして、電話帳のあり方ということについて私も非常に疑問に思っておる一人でありまして、最初にお尋ねしたいことは、はたして東京とか大阪というような大都会で電話帳がどの程度活用されているんだろうかということについて、公社のほうではお調べになったことがあるのかどうか、最初にその点から。
  154. 中林正夫

    ○中林説明員 大都会の電話帳の利用実態につきましては、昭和四十五年、一昨年の九月に民間の調査機関を通じて調べております。
  155. 中野明

    ○中野(明)分科員 利用率はどの程度になっておりますか。
  156. 中林正夫

    ○中林説明員 確かに先生おっしゃいますように、地方に比べますと利用率というのはかなり低い、五十音別のようなものは四分の一ないし五分の一といったような利用率でございますが、電話帳を全然利用しないという方はたしか二〇%程度でございまして、残りの八〇%の方が——頻度の差はございます、たとえば毎日利用される方が三%とかいうような、非常に頻度の差はございますけれども、利用はされております。
  157. 中野明

    ○中野(明)分科員 この電話帳をこしらえるのに大体どのくらいお金がかかっているのか、その点もひとつ。
  158. 中林正夫

    ○中林説明員 全国では年間に約百八十億、それから東京の二十三区の場合には大体五十億程度でございます。
  159. 中野明

    ○中野(明)分科員 これだけ相当の経費もかかりますし、その上いま、総裁も御承知かと思いますが、東京とか大阪というような大都会ではごみ戦争といわれるぐらいに廃品の回収、そうしてその処理、これが大都会の非常に大きな悩みになっております。先日もニューヨークの市長が参りまして美濃部さんと何を話したかというと、初めから終わりまでごみの話だというぐらいに、大都会におけるごみの処理ということについてたいへんな悩みになっておるわけであります。以前は何か公社のほうでは電話帳を新しくつくったときには古いのと交換をして回収をしておられたのですが、途中からもう交換をしないで新しいのを次々渡すという制度にされて、そのために各家庭にある古い電話帳をごみ処理に出す。そういうところから東京都のほうとしてはごみ処理に非常に困りまして、何とかしてくれという要望が公社に出されたというように私も承知しておるわけでありますが、この点について、公社のほうとしてもこれをまた回収するのにたいへんな量だろうと思います。いま東京都内で電話は何台になっておりますか。
  160. 中林正夫

    ○中林説明員 二百五、六十万程度でございます。
  161. 中野明

    ○中野(明)分科員 東京の電話帳を全部回収しますと、量にしてどれくらいになりますか。
  162. 中林正夫

    ○中林説明員 現在東京で発行しております電話帳全体の量を重さに直しまして約二・一万トンぐらいでございます。これを全部回収すると、多少目減りもいたしますから、おそらく一・五万トンぐらいになろうかと存じます。
  163. 中野明

    ○中野(明)分科員 これを公社のほうとしては回収して処理はどういうふうにされるつもりなんですか。
  164. 中林正夫

    ○中林説明員 実は四十五年から回収を廃止しておったのでございますが、先ほど先生のお話しのような東京都のごみ事情にございますので、四十七年度から全部回収することにいたしましたが、回収した電話帳を業者に売却いたしまして、業者のほうではこれをダンボールとかその他そういった下級紙に再生するようでございます。
  165. 中野明

    ○中野(明)分科員 おそらく回収される現場に当たっておられる人もお感じになっておるのではないかと思うのですが、大臣にしても総裁にしても、おそらく電話帳を繰って電話をかけられるということはまずまず少ないのではないか。私もあれを利用することはほとんどないといっていいくらいでありまして、回収のときは新品同様の全然手をつけていないものをそのまま回収されているという場面が非常に多いのではなかろうか。この問題については、電話帳はぜひ必要なものということは私どももわかりますが、あのように膨大な電話帳になってきた大都会の電話帳のあり方——地方は最初に申し上げたように非常に貴重なものとしてどんどん活用されて、その所期の目的を果たしておるのですが、大都会においてはもう大半、それだけ膨大な経費のかかっているものであるにかかわらず、活用されてないということ、そういう点で考えまして、今後大都会の電話帳をどうするかというのは大きな問題だろうと私も思っているわけでありますが、その点公社としては、現在もうすでに五十音別でも上下三冊になっているわけですから、このままでいきますとおそらく来年は四冊にしなければならぬのではないか。ますます評判の悪い電話帳になるのではなかろうかという気がするわけですが、何か対策をお考えになっているのかどうか。
  166. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  確かにいま御指摘のように電詰の数が非常にふえてまいりまして、電話帳をどうするかというのは、公社の経営の中の一つの重要な問題になっております。しかし、大都会と地方とは別でございまして、地方では相当利用されているので、大体、現状のままでいいのではないか。東京とか大阪、特に、東京の二十三区とか大阪の中央、これがいま問題になっておるところです。これに対しましては、電話帳を十分に利用するようにするということ、あるはまた、電話番号の案内を充実する、あるいは、これは技術開発の問題に関係いたしますが、完全に自動化するわけにいかない、特に、日本の場合には漢字がありますから、半自動化するようなことがある程度できるかどうか、こういう問題を、まだ開発の手前のシステムエンジニアリングを、いろいろ研究所でいまやっているという段階でございます。したがって、いまの段階でいいますと、電話帳に対して根本的な方法はないので、委員会をつくって、公社の中でいろいろ検討させたいと思っております。とりあえずは東京二十三区につきまして、ただいま御質問の中にございましたように、あの紙を捨ててしまっては確かにもったいない、また、じゃまになるという考え方もございますので、あの紙を競争入札で製造会社に払い下げをいたしまして、それをまた別な下級紙に再生する、いわゆるクローズドシステムにしていくほうが資源の浪費にもならない、あるいは公害の発生を防止することにもなる、そういうことで、とりあえずああいう措置をとった次第でありまして、根本的には委員会を設けまして、十分考えていきたい、こういうふうに思っております。
  167. 中野明

    ○中野(明)分科員 電話帳の問題を取り上げるのは、ちょっと時期がおそいのじゃないかという感じがするぐらいに膨大な量になりまして、そしてあれだけ大きなもので、繰ってみるという気にもなかなかならないような、非常にりっぱなもののわりに活用がしにくい形にもなってしまったわけです。すでにもっと早くからこういうことを検討されて、そして対策を考えられるべきじゃないかというふうに、私も思うわけであります。いまの総裁のお話によると、そういう委員会でもつくって、何とか対策を考えようということでありますし、いまの意見にも出ておりましたように、都会におけるごみ公害、そしてまた住宅事情、その利用率、あらゆる面を考えましたときに、いまのままでいいとは私は決して思いません。その点、ぜひともしかるべき改良を加えられて、一例をあげれば二十三区の区別にするなり、いろいろ一利一害はあろうかと思いますけれども、そういう面で大いに努力をしていただきたい、そのように思うわけであります。  それから、電話帳はその辺にしておきまして、次は日ごろから考えている電話の住宅用と事務用の区別、これについて私なりの意見を持っているわけでありますが、あらためてこの機会にお尋ねしたいのです。この住宅用と事務用の区別をどこでつけておられるのか、もう一度確認しておきたいと思います。
  168. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 これは御存じの公衆法の中に別表がございますが、その中の電話使用料という欄に、住宅用と事務用の区別がございます。それに基づきまして、住宅用と事務用に分けております。
  169. 中野明

    ○中野(明)委員 違いはどこにありますか。
  170. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 もっぱら居住の用に供する場所に設置されるものを住宅用と申しております。それ以外のものを事務用と申しております。
  171. 中野明

    ○中野(明)分科員 これは、実際に電話加入している人として、電話がついてから後の住宅用と事務用の区別は、私どもが知る範囲では基本料に差があるというだけでありまして、ほかに何も恩典というか、差がないように思うのですが、そのとおりでよろしいでしょうか。
  172. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 料金の面ではそのとおりでございます。ただ、実際問題といたしましては、最近はほとんど一緒になりましたが、昔、あんまり電話のつかないときには、順序として事務用のほうを先に架設するということはございました。
  173. 中野明

    ○中野(明)分科員 そうしますと、事務用と住宅用の区別というのは、加入者の側から見たときには、電話の料金、使用料その他は一切同様であって、基本料に差があるだけということです。それで、事務用と住宅用の区別をしいていうならば、電話をつけるときに優先順位があって、住宅用がおくれて事務用が少し早くなる、そういうふうに理解をしてよろしいでしょうか。
  174. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 けっこうでございます。
  175. 中野明

    ○中野(明)分科員 そういたしますと、一つだけ、これは非常に問題になるのですが、五月十五日に沖繩が本土に復帰するわけでありますが、現在沖繩についている電話、この電話を公社のほうでは住宅用と事務用に分けて——現在ついているのは、沖繩一律に、そんな区別はないことになっております。それを住宅用と事務用に分ける作業をなさって、基本料を事務用と住宅用に分けて取ろう、こういう方向で作業を進めておられるように聞くのですが、いまの考えからいきますと、現在すでについている沖繩の人たちの電話——これからつく分は、事務用、住宅用というふうに本土並みに分けてもやむを得ないかもしれないですが、現在ついている分は何の恩典もありません。それをここで、公社のほうが一方的に判断をして、事務用と住宅用に分けて基本料を設定していくということについては、私、この事務用、住宅用の区別というものは、現在ではもうほとんど必要ないんじゃないかというふうに思っておりますので、疑問に思っておるのですが、この点、いままでついている沖繩の電話は、事務用、住宅用に分けないで一本にしておくことはできないものかどうか、その辺を御答弁願いたいと思います。
  176. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 御承知のように、沖繩が復帰いたしますと、特別な経過措置のあるもの以外は、この関係では公衆電気通信法の適用を受けることになります。そういたしますと、先ほど御説明いたしましたように、料金といたしましては、全体として、通話料その他もございますが、基本料という制度に関する限りは、これを取らないということは現在の公衆法ではできません。基本料を取ります場合に、住宅用、事務用という区別がありませんと取りようがないわけでございます。つまり、現在の法律上は、特別の経過措置がつくられておりませんので、現行の公衆法をそのまま適用せざるを得ない。そういたしますれば、住宅用、事務用に分けて基本料を取らなければならない、こういうことになっております。
  177. 中野明

    ○中野(明)分科員 大臣、お聞きだと思いますが、沖繩の場合、本土に復帰して、いろいろの面で本土並みということで私どもも考えておるわけでありますが、不利になることはやはりなるたけ本土並みを避けてあげたほうがいいじゃないかという意見を日ごろから私も持っておったわけであります。いまのように、事務用と住宅用は全然もう区別がないという状態、しいていえば、電話をつけるときに優先順位で早いかおそいかといこうとが、料金の面において事務用と住宅用の区別をつける唯一の考え方といっていいと思います。あるいは加入者としての優先順位、その限りにおいてはそういうことでありますので、沖繩のほうでいままでついているのは、その面については何の恩典もない。あとから追い打ちをかけるようにして電話に差を設けて、そしてあなたのところは住宅用、あなたのところは事務用ですから、基本料は区別が分かれてきますよというやり方、それは何とかならぬものだろうかと日ごろから思っておるのですが、いまの局長答弁では住宅用か事務用かどっちかにして取らなければ、その中間の基本料の取り方はない、そういうふうな考え方なんですが、その点大臣何かいい方法はないかということ、私大臣の考えを聞きたいのです。
  178. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 中野分科員のお気持ちも私はよく理解ができるわけでございますが、電電公社の立場はただいま遠藤理事から御答弁のとおりでございまして、ただ実際の金額から申しますと、たとえば那覇局に例をとりますと、基本料はいままで千五百六十六円であったものが本土に復帰いたしますと千円になるわけでございます。住宅用では千五百六十六円であったものが——これは額は同じわけでございますが——七百円に下がるわけでございまして、金額としましてはずいぶん安くなるわけでございますから、こういうところでひとつごしんぼう願いたい、かように考えざるを得ないわけでございます。
  179. 中野明

    ○中野(明)分科員 確かに市外料金その他沖繩が本土に復帰することによって電話料金は安くなり、設備料もいまよりは安くなるとは私も承知しておるわけでありますけれども、いま申しましたように、理屈の上で非常におもしろくないという感じを持っております。それはすでに国内法でやるべきところをできていなかったものですから、いまさら言ってもしようがないと思いますが、この問題に関連をしまして、今後住宅用と事務用の区別をいつまでも現状のままで続けられるお考えがあるのかどうか。将来は住宅用と事務用を廃止して、一般の加入電話として一本にするほうがいいのじゃないかというふうに私は思いますが、その点郵政大臣の考え方を……。
  180. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 この住宅用、事務用電話の一本化の問題は、確かに中野分科員が御指摘のような問題がございまして、先般基本料の合理化ということで公衆電気通信法を改正するにあたりましてその問題もいろいろ検討いたしまして、一たんはそういう案も一つの案としてまとめたわけでございますが、諸種の事情でこれが実現いたさなかったわけでございます。今後もこの問題は将来の検討事項として残しておきたいと思っております。
  181. 中野明

    ○中野(明)分科員 検討事項として残しておきたいというお話のようですが、将来一本化の方向に検討すると、そのように理解してよろしいですか。
  182. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 そのような方向で考えてまいりとうございます。
  183. 中野明

    ○中野(明)分科員 では沖繩の問題のことに関連をしまして、これは陸上自衛隊と航空自衛隊の問題でありますが、沖繩復帰にあたりまして、航空自衛隊が電電公社に専用回線の契約を申し出たというふうに聞いております。この点について伝えられるところによりますと、一たん契約を申し入れて、そうして途中で変更をなさっているようでありますが、その間の事情について少し、最初に公社のほうからどういうふうな経路で申し込みが来ているのか御説明を願いたいと思います。
  184. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 防衛庁の航空関係で私どものほうに専用線の申し込みを提出をいただいておりますのは、防衛庁の航空幕僚監部監理部長から、昨年の十二月二十三日に専用線の申し込みの文書をいただきました。その当初の開通希望日は、本年四月一日でございました。それで私どものほうで諸種の打ち合わせを開いて工事の準備を行なっておったのでございますが、その後三月三日に文書で、ただいま申し上げました開通希望月日を四月一日から三月十七日に繰り上げるように申し込みがございました。それからさらに三月十六日に、これも同じく文書で四月一日以降別途連絡する日に開通を希望する旨の文書をいただいております。したがいまして、当初申し込み以来三通の文書をいただいているわけでございます。今日の状態では、四月一日以降の日がまだ御通知をいただいておりませんので、サービスを開始いたしておりません。以上が私どものほうで受けております資料でございます。
  185. 中野明

    ○中野(明)分科員 自衛隊の関係の方にお尋ねをするのですが、いまの説明では、昨年の十二月二十三日に申し込みがあって、そして四月一日から専用回線を利用したい。ところが、ことしの三月の初めに、三月十七日から開通してくれ、それからまた三月十六日に四月以降に変更してくれというふうに、前後三回にわたって申し込みの変更があるのですが、この事情は何か特別の事情があったのでしょうか。
  186. 安間俊二

    ○安間説明員 お答えいたします。  まず、初めに変更いたしましたのは要員の派遣計画を変更したためでございまして、最初四月一日から準備要員を出すつもりでおりましたのが若干早くなったので、そのように変更をしたものでございます。それからあとの変更につきましては、これは準備要員を派遣することをやめましたので、実は電話が要らなくなってしまったということで、とりあえず四月一日以降に延ばしていただいた、こういうことでございます。
  187. 中野明

    ○中野(明)分科員 私も少し問題を感じるのですが、準備要員は何人ぐらい派遣するつもりだったのでしょうか。
  188. 安間俊二

    ○安間説明員 開通を申し入れました時点におきます計画は、その前二月ぐらいから約二名でございます。それから三月十六日に十五名を派遣する予定でおりました。
  189. 中野明

    ○中野(明)分科員 それで関連してお尋ねするのですが、現在陸上自衛隊との間には専用回線の契約はできているようでありますが、この陸上自衛隊はいま何人派遣されているのですか。
  190. 安間俊二

    ○安間説明員 はっきりした数字は、私担当でございませんので存じておりませんが、約十二、三名程度と記憶しております。
  191. 中野明

    ○中野(明)分科員 公社にお尋ねをするのですが、この専用回線一回線、一カ月の使用料はどれぐらいかかるのですか。
  192. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 ただいまの御質問は、一つの例として陸上自衛隊の分でございますが、熊本−那覇間の専用線について申し上げますと、大体百五十万円程度でございます。
  193. 中野明

    ○中野(明)分科員 わずか十二、三名の要員である場合は、専用回線を利用して一カ月百五十万円も電話賃を支払わなくても、一般の公衆通信回線で連絡をとられたって十分じゃないだろうかという気がするわけです。航空自衛隊の場合も同様でありまして、何かたびたび計画の変更というのは、これは国防会議の関係もあるんじゃないかと思いますが、それにしましても、わずかの要員の場合、そんなに専用回線を引っぱって通信しなくても、それのほうが経済的にもなるんじゃないかというふうにも思うのですが、その点はどうでしょう。
  194. 安間俊二

    ○安間説明員 最近一カ月の利用状況を概略申し上げますと、通話数は一カ月で千三百通ばかりございます。これは一日当たりにいたしますと、約四十四、五くらいになるかと思いますが、一通話の平均が約六分程度かかっております。そういたしますと、延べ時間にいたしまして四時間余りということになります。それで、実はこの四時間余りを加入電話でいたしますと、専用回線を借りましたものよりはだいぶ高くなるということで、経済性からこのようなことをしたわけでございます。
  195. 中野明

    ○中野(明)分科員 経済的にはそれのほうが経済性があるというふうに見ておられるようですが、私どもはそうは思わないのです。  もう一点だけ。たびたびの航空自衛隊の変更ですけれども、四月一日以降ということになっておりますが、いつごろの見通しを持っておられるのです。
  196. 安間俊二

    ○安間説明員 現在のところでは、人間が派遣される状態になる見通しがつきました時点で電電公社のほうと調整をいたしたいと思っておりますが、日時につきましては確たるものがございませんので、まだそこまで行っておりません。
  197. 中野明

    ○中野(明)分科員 専用回線の申請をされるときに、三月十六日以降に派遣をしたいという考えであったのが変更になった理由というのは、やはり国防会議の関係なんですか。
  198. 安間俊二

    ○安間説明員 間接的にはそうと思われます。
  199. 中野明

    ○中野(明)分科員 係が違うんじゃないかと思いますが、そういうことになりますと、隊上自衛隊のほうは別に差しつかえないわけですか。
  200. 安間俊二

    ○安間説明員 陸上自衛隊のほうは、現在すでに派遣いたしております。この要員はまだ置いておく予定でございますので、それから開通いたしましたのが二月十日でございますので、そのままずっと使っております。
  201. 中野明

    ○中野(明)分科員 陸上自衛隊が行ってもかまわぬのでしたら、航空自衛隊も行っていいのじゃないかと私は判断するわけですが、その点、変更になられた理由がちょっと釈然としないのです。もう一度、陸上自衛隊が行って現在作業をしておって差しつかえないんでしたら、航空自衛隊も遠慮なく行かれたらいいんじゃないか。それをなぜ途中で変更なさったりするんだろうか、そういうふうに思うのですが、その点どうでしょうか。
  202. 安間俊二

    ○安間説明員 申しわけございませんが、そこら辺まで私はお答えいたしかねますので、御容赦願いたいと思います。
  203. 中野明

    ○中野(明)分科員 答えのできる人が来てくれないので非常に残念でございます。私もこれを深く突っ込むつもりはございませんので、またの機会にはっきり答えのできる人にお伺いをしたい、このように思います。いまここで答えをする人を呼んでこいと言っても、時間が限られておりますし、皆さんに御迷惑をかけることになるような気がしますので、これ以上申し上げませんが、本来ならば国会に答弁においでになる以上は、責任のある答えをする人が来ていただきたいと思うのです。そうしないと、せっかくこちらがお尋ねをしても、私はわかりませんというのでは答弁にならないと思います。その辺防衛庁を代表しておいでになる以上は、やはりある程度責任のある答えをしていただきたい、このように私も思うのです。だから今後そういう点については報告をされて、きょうは分科会でもありますし、時間的にみな紳士的に時間を守ってやっておりますので、これ以上は私も申し上げたくありませんけれども、そのようなことのないようにしていただきたい。これは主査にも申し上げておきたいと思いますが、せっかく尋ねようと思っても、責任ある答えが出てこぬようなことでは質問しても意味がない、このように思うので、主査のほうからも厳重に注意をお願いしたい、このように思います。
  204. 松浦周太郎

    松浦主査 十分注意をいたします。
  205. 中野明

    ○中野(明)分科員 それでは、以上で田中さんとかわりたいと思います。
  206. 松浦周太郎

    松浦主査 これにて中野明君の質疑は終了いたしました。  中野君の持ち時間の中で、関連して田中昭二君から質疑の申し出がありますので、これを許します。持ち時間は十四時三十五分まででございますから、その意味において十分守っていただきたいと思います。田中昭二君。
  207. 田中昭二

    田中(昭)分科員 貴重な時間を拝借いたしましてお尋ねするわけですから、ひとつ答弁のほうも要領を得て簡単にお願いしたいと思います。   〔主査退席、三ッ林主査代理着席〕  さしあたって大事な問題だと思いますことに、沖繩の返還、それに伴う那覇空港の返還、これの全面返還が危ぶまれております。大臣も御承知かと思いますが、この空港の返還ということと関連しまして、空港の機能といいますか航空管制、この航空管制の中では電気通信の問題、いわゆる電波の無線等の問題がたいへん大事なことでございます。そういう意味におきまして、聞くところによりますと、那覇空港の返還がたいへんなことになるようなことも聞いております。またきのうの閣議でも——結果的に申し上げますと、P3の関係で米軍と民間航空と自衛隊の三者が共有する。その中では当然電波に関係ある管制業務も米軍と日本側と両方がやらなければならない。こういうふうに私理解しておるわけでございます。こういう意味におきまして空港の運営、その中で一番中枢の働きをします航空管制、この航空管制の中でのいわゆる電気通信の立場を所管しております大臣としまして、この那覇空港の問題につきましてお考えをお聞きしておきたいと思います。
  208. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 那覇空港の問題で、ただいま御指摘のようなたいへん心配なことが起こっておるわけでございます。これは申すまでもなく暫定予算の関係でありますわけで、その所管は実は御承知のように運輸大臣でございます。閣議で議題になったことは御指摘のとおりでございます。でございますから航空の前段の問題については私から答弁できませんけれども、管制の問題については専門的に私どもで担当いたしておりますから、事務当局から御答弁させたいと思います。
  209. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。  空港内の電波の問題につきましては、私どもといたしましても最も大事な問題でございますので、これの返還に伴う電波の問題は支障がないように全面的に航空局と連絡をとりながら、現在やっておるわけでございます。
  210. 田中昭二

    田中(昭)分科員 私のようなしろうとがそういうことを申し上げてもどうかと思いますが、いままでいろいろ航空局、事務当局とも話し合いを進めてまいりましたが、そもそも簡単に航空局と話し合ってやりますというわけにはいかないのじゃないですか。日本の国内でも米軍と共用の管制もありますが、運用する側も、または利用するお客の側もいろいろな問題が山積みしております。  それで、きょうは運輸大臣、防衛庁長官に来ていただいてお聞きするのがほんとうかと思います。しかし、郵政大臣も佐藤内閣の閣僚の一員として、こういう問題は状況の変化を来たしたわけでございますから、そういう意味におきましては十分な話し合いによりまして、支障のないようにしていただきたいということをお願いしておきます。よろしゅうございましょうか。   〔三ツ林主査代理退席、主査着席〕
  211. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 承知いたしました。
  212. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そこで、次の問題に移らしてもらいますが、日本の空がたいへんあぶない状態にあるということがいわれてきまして、昨年ああいう空中衝突事故、墜落事故等がございまして問題になりまして、その後わざわざ運輸大臣はアメリカに航空の問題について視察にまで行かれました。その後大臣も心配して、日本の空を何とか早く安全な方向で管制したいというような意味でいろいろな視察をされたようでございます。そこで一番問題になっておるのは、やはり航空の管制の問題。アメリカから連邦航空局のフレナー管制部長という方も来られまして、そして日本の空の安全を守るためには、まず航空管制ということを主題にして、いろいろ日本の実情を見た上での政府並びに関係機関に対する忠告、勧告、助言等を与えております。その中で電波関係のこともございますが、こういうことはアメリカのそういう専門家から指摘されるまでもなく、日本の空はやはり日本の政府が守ろうという立場でなければいけない。そういう立場に立ちますと、当然政府としてもそういう航空管制の中の一番大事な電波の問題についてはもう少し自発的にやるべきではなかろうか、そういう点を思いますと同時に、このフレナー勧告によってもそれが指摘されております。ちょっと簡単に読んでみますと、現在、ITUですか、国際電気通信連合によって割り当てられておる電波の周波数が、日本政府の機関が運用する周波数の許認可に関しては、電波監理局ではなくて、航空局にこれを行なわせる必要がある。そういう報告、勧告をしておるわけです。いろいろな背景はございますけれども、時間がございませんから、同じ政府機関で、ほんとうに空の安全を守ろうとするならば、こういう問題は当然話し合われて、前向きに善処されなければならないと思うのですが、そういうことをなさったのか。それともこの問題についての今後の見通しはできるものか、どういうふうにやっていこうとされているのか、そういうことをお聞きしたいと思います。
  213. 金井洋

    ○金井政府委員 御指摘のとおり、FAAのフレナーからいろいろ勧告をいただきまして、その中で実現できるものから逐次やっております。御承知のようにアメリカの場合には、周波数の割り当て等、電波行政の一部をFAAに権限を委譲しておりますので、その経験に基づいてフレナーがやったものと思います。  ただ周波数の割り当て、電波行政に関しましてはいろいろやり方がございまして、わが国の場合には従来から航空の安全に関する管制その他の周波数の割り当てにつきましては、郵政のほうから優先的に周波数の割り当てをいただいておりまして、特にいままで支障があったということもございませんので、今後とも相談しながら従来のやり方でやっていけるのじゃないかというふうに考えております。
  214. 藤木栄

    ○藤木政府委員 郵政省としても、いわゆる空の安全、特に航空管制という問題は重要視しておるわけでございますので、いまお答えありましたように、それに支障がないように第一順位で波の割り当てについては考えております。
  215. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そういうことであれば、こういう勧告は生まれてこないのですよ。私がしろうとだからといって適当にその場だけの答弁なんかなさっては困りますよ。これはまたあとで問題にしていきたいと思います。そんな簡単なものではないはずです。こういう問題は大きな航空機事故につながって、また働く現場の人たちもたいへんなことになっているようですよ。そういう政府の機関の中で話し合いがなされていない。あぶない、困っている、こう外部から指摘されているのですから、その具体的なものを聞かなければ、私は納得がいかない。大臣、いかがでしょうか。これは事務当局ではいまやっているというお話でございますから、大臣のほうでいままでそういうことをお気づきになっていなかったかと思いますけれども、一ぺんやっていただきたいのですが……。
  216. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 この問題につきまして郵政省の態度は、ただいま藤木電波監理局長から御答弁したとおりでありまして、私もこの問題については丹羽運輸大臣と何度か話し合ったことがございますけれども、ただいま運輸省側からも御答弁いただきましたように、空の安全、ことに航空管制、電波の周波数の割り当てについては最優先的にやっておるわけでありまして、私は何ら不都合、支障というものを承っていないわけでございます。御承知のように、いま電波というものは郵政省のほうで一元化してやっておるわけでありますから、しかもいま御指摘のような重大な問題に支障を来たすということになれば、いろいろ考えなければならぬわけでございますが、いまのはどういうことを具体的におさしになっているかわかりませんけれども、運輸省側からは、こういうことの支障があるから非常に困るじゃないかというような苦情を言われたことはございませんし、また電波の周波数の割り当てばかりでなく、無線の技術者の養成なんかにつきましてもいろいろ郵政省のほうから御援助申し上げまして御協力をいたしておりますことは、これは運輸省のほうでも喜んでいただいておるかと思うわけでございます。私はそのような支障があるということは初めて先生から承ったわけでございますが、いままではそういうことはあまり聞いたことがないわけでございます。
  217. 田中昭二

    田中(昭)分科員 それは空の当事者航空局のほうが、ほんとうによく考えたらあぶない、いまおっしゃるように、人員も足らぬ、いろいろなことがありまして、ほんとうは言いたくて言いたくてしようがないというのです。そうじゃなかったら、外部から指摘されることはないのですよ。ですから当然指摘されたのですし、航空局のほうも郵政省にいろいろお世話になっているという面もある。しかしこれはほんとうにそうさしてもらいたいという意向がございますから、どうかそういう点、くんでいただきまして話し合いを進めていただきたいということだけお願いしておきます。
  218. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 御指摘のことでございますから、十分ひとつ突っ込んで研究いたしまして、航空安全に絶対に支障のないように対処してまいりたい。十分研究いたしたいと思います。何もこういうことについては運輸省は遠慮する必要ないわけでございますけれども、先ほどお話がございましたように、さらに突っ込んで率直な御意見を承りまして十分に対処してまいりたい、このように考えております。
  219. 田中昭二

    田中(昭)分科員 最後に別の問題でございますが、今月の十四日でございましたか、航空管制部の通信回線が宅地造成のための工事をやっているときに切れて、それで事故が起こったということがございます。これは詳しくいろいろお聞きしたいのですけれども、時間がございませんから新聞報道で大体の概略、まあ大臣もおうなずきになっているようですから御存じになっていると思いますが、この中で、ちょっと読んでみますとこういう表現になっております。「日本の空の交通をさばいている東京・東久留米市の運輸省航空局東京管制センターの航空通信が三時間以上にわたって次々に不通となり、ほぼ全国的に空と地上の交信が途絶状態になるというトラブルが起きた。道路工事のミスから、電電公社の地下ケーブル回線が切断されたためだが、長時間にわたる通信不能は初めてで、同センターや運輸省はテンヤワンヤ。ダイヤも大混乱して乗客と航空会社はカンカンだった。」大体こういう表題になっておりますが、私もめったに飛行機には乗りませんけれども、たまたま今月の二十日、十八日ですか、乗ってみて、この航空機の状態を見ておりましても、通信がとだえたなんということは、これはたいへんな心配でもありますし、また混乱ぶりがたいへんなことです。また利用者からの不満もほんとうに忍びがたいような、どうしようもないような状態を私は見てきました。  そこで、こういう通信回線が故障したという場合に、それはいろいろな天災的なものもございましょう、人災的な事故でそういうように通信がとだえるという場合もありましょうが、何かこういう場合に、もちろん安全ということがもう最高に大事でございますが、そういう通信回線がとだえたことによっていろいろな損害をこうむる、こういうことについての何らかの規定になり方法があるとすればそのあるものと、それからそういうものが現在実情に合うかどうかという点を心配するわけですが、これに関する御答弁をお願いしたいのであります。
  220. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  先般東久留米市内におきまして、宅地造成のために電電公社の同軸ケーブルが損傷を受けまして、航空通信に通信途絶の事態を起こしましたことはたいへん遺憾に思っております。詳しく申し上げますといろいろございますが、大体三ルートを用意してあったのでございます。この三ルート自身の障害の発生が、一つだけは最後まで維持されました、あとの二つのものが結局損傷を受けて、そうして通信の大部分の途絶を生じたということでございます。これからはなお航空局とよく打ち合わせいたしまして、いままでのルートをもっと補強するとか、あるいは非常無線を大事なところに常時置いておくとか、もっとしっかりしたルートに直すとか、それから万一また障害を起こしたような場合にはそれを早急に切りかえ得る体制をとる、この二つを私のほうで至急保全局に指示いたしております。今後はこういうことが起こらないようにしたいと思っております。
  221. 田中昭二

    田中(昭)分科員 時間がございませんから詳しくいろいろお聞きできませんけれども、最後に申し上げておきたいことは、いま公社のほうからはできるだけの手を打ってやろう、こういう話でございますが、いずれそういう事故があった場合に困るのはやはり利用者でございます。いままでの航空局の航空行政の中でそういうものに対する一つの前向きな姿勢がない、当然公社のほうでそれだけの手当てをしてもらうというようなこともあるとすれば、航空局のほうはもう少しエアラインなり、利用者等のそういう不満等もよく航空行政の中に生かして、そうして円満なる航空輸送の業務に邁進してもらいたいということをお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。
  222. 松浦周太郎

    松浦主査 これをもちまして田中昭二君の関連質問を終わりました。  以上をもちまして、本分科会所属の運輸省所管、郵政省所管及び建設省所管に対する質疑は全部終了いたしました。     —————————————
  223. 松浦周太郎

    松浦主査 この際、おはかりいたします。  昭和四十七年度一般会計予算及び昭和四十七年度特別会計予算中運輸省、郵政省及び建設省所管、並びに昭和四十七年度政府関係機関予算中日本国有鉄道及び日本電信電話公社関係に対する討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  224. 松浦周太郎

    松浦主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位の格段の御協力によりまして、本分科会の議事が無事に終了することができましたことを、ここに厚くお礼を申し上げます。  これにて第五分科会を散会いたします。    午後二時三十七分散会