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大橋(敏)
分科員 実は自分の家を持たない者にとりましては、家ほど恋しいものはないわけですよ。一日も早く自分の家を確保して安心した
生活をしたい、安定した
生活を送りたいというのが持たない者の共通した心境であります。私もまだ自分の家ではないので、その気持ちはだれよりもよくわかると思うわけでございますが、たまたま家を買い求めるときに、
一般の個人の方々から買う場合はよくだまされるとかごまかされるということがあるわけでございますが、公的な立場の建物を買うときは、まず買うほうの立場からすれば非常に安心感があるわけですね。ところが、私がいま
質問しようとしております地方住宅
供給公社といいますか、これは全国でたしか五十四カ所と伺っておりますけれ
ども、これには疑問を抱かざるを得ない問題点があるのではないか。たまたま私の選挙区の北九州市で先般実態
調査をやったわけです。それも、入居者から絶え間なく苦情が出てくるのですね。せっかく買い求めたけれ
ども非常に建物がずさんだとか、分譲住宅入居者からいろいろな苦情が出てきたために、それじゃということで、わが党の市
会議員団を
中心としまして実態
調査を行なったわけでございますが、これをやってみて、ひどいな、何とかしなければならぬなということになったわけです。
簡単にその中身を御披露申し上げますと、同公社の分譲住宅千二百三十九戸のうち、北九州市の中の小倉区に三団地、それから八幡区にやはり三団地、合計六団地ですね、その中の百四十七戸を
調査することになったわけでございますが、その実態はきわめて遺憾なことでございました。と申しますのは、この百四十七戸中百二尺これはちょうど七〇%に当たると思いますが、これが修理が必要である。それから百二戸の中の七丁六%に当たるものが入居後一年以内に修理をしたというのですね。全体から見ますと、約半数が一年以内に、しかも二戸につき平均二カ所修理をしたという
計算が出たわけですね。
また中には、せっかく入ったけれ
ども、どうも地盤沈下等で住まわれなくなった家もある。これは埋め立て造成地に
建設がなされまして、地盤がゆるんで、床とか庭等に亀裂が生じまして、家を建てかえる以外になかろうということになったわけですね。これは八幡区の小嶺団地という中に実は四軒あるわけでございますけれ
ども、これなどは埋め立て地に
建設したわけですが、埋め立て地というのは少なくとも五年間ぐらいは経過しないと地盤は安定しないといわれるのですが、二年目に建てられているのですね。これは当然の結果ではなかろうかと私は思うわけでございますが、いずれにしましてもそういう問題が起こっております。
またさらにアフターサービスといいますか、これがきわめて悪いというのですね。たまたま
調査した中でこういうことがあったのですよ。建具などが悪いのが非常に多い。トイレのノブ、あのノブが悪くて、子供が使用中にかぎが締まって、そうして出られなくなって、あれやこれや二時間もかかって取っ手の金具をはずしてやっと助け出したという、これはたまたまの事柄であろうとは思いますけれ
ども、そのほかにやはりたくさん建具が悪いという苦情が出ているのです。六十四軒が公社のほうにすぐ修理を頼む、このようにお願いしたのですけれ
ども、公社のほうですぐ来てくれたのはわずか二十六軒であった。半数以下じゃないかというのですね。あるいは、修理はしてくれたもののかなり日数がかかったと、つまり仕事がルーズなんですね、それが十八戸。あるいは、修理してもらえなかったというのが十七戸出てきました。また、修理をしてみても全く修理がきかない、直らないというようなものが三戸あったということで、詳しい
調査内容をもし御必要ならば
あとでお届けしてもいいわけですが、これはもうすでに三月の八日、
地元の北九州市議会でわが党の議員がその
調査内容で当局に責任を迫ったわけでございますけれ
ども、これは私は、単なる一例にすぎないと思うわけですね。ほんとうに、入っている人はほとんどの者がサラリーマンです。サラリーマンというのは、御承知のとおりに、低サラリーをやっとの思いで預金をし、そしてマイホームをと思って買い求めるわけですね。それがそうした悪条件といいますか、悪い環境の中に押し込められたということになると、もうだまされたような思いになるわけですね。ところが、その公社というものが、市だとかあるいは県だとかいうのがじきじき出資してその事業を進めていることであるわけですから、私は非常に問題だと思う。
そこで、一言で答えてもらえばこれは終わるんですけれ
ども、やはりこれは
建設省として総点検する必要があろうかと思うんですよ。というのは、このようなずさんな建築をやったり、家を取っかえなければならぬような地盤沈下等の問題が起こるようなことというのは、やはり大きな問題があるような気がします。あるいは、先ほどアフターサービスが悪いなんといったことも、建具が悪いというのは、むしろ、建築
単価といいますか、そういうのが安くて、やむを得ずそういう悪いものを使ったんじゃなかろうか。これは私なりのしろうとの
考えですよ。こういうこともありますので、これは
建設省でぜがひでも、この地方の住宅
供給公社を総点検してもらいたい、こういうわけですが、どうでしょうか。