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1972-04-25 第68回国会 衆議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月二十五日(火曜日)     —————————————  議事日程 第二十号   昭和四十七年四月二十五日     午後一時開議  第一 特殊鳥類譲渡等規制に関する法律案   (内閣提出)  第二 沖繩開発庁設置法案(第六十七回国会、   内閣提出)  第三 沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用   の特別措置等に関する法律案(第六十七回国   会、内閣提出)  第四 世界保健機関憲章第二十四条及び第二十   五条の改正受諾について承認を求めるの件  第五 北西大西洋漁業に関する国際条約の改   正に関する議定書締結について承認を求め   るの件  第六 臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する   法律案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 特殊鳥類譲渡等規制に関する法   律案内閣提出)  日程第二 沖繩開発庁設置法案(第六十七回国   会、内閣提出)  日程第三 沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律の   適用特別措置等に関する法律案(第六十七   回国会内閣提出)  日程第四 世界保健機関憲章第二十四条及び第  二十五条の改正受諾について承認を求める  の件  日程第五 北西大西洋漁業に関する国際条約  の改正に関する議定書締結について承認を  求めるの件  日程第六 臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正  する法律案内閣提出)  労働安全衛生法案内閣提出)  漁港法の一部を改正する法律案内閣提出)  中小漁業振興特別措置法一部を改正する法律   案(内閣提出)  漁業協同組合整備促進法を廃止する等の改正案   (内閣提出)  国会議員互助年金法等の一部を改正する法律案   (議院運営委員長提出)  国民年金法等の一部を改正する法律案内閣提   出)及び公的年金年金額等臨時特例に関   する法律案大原亨君外六名提出)の趣旨説   明及び質疑     午後一時五分開議
  2. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 特殊鳥類譲渡等規制に関する   法律案内閣提出
  3. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 日程第一、特殊鳥類譲渡等規制に関する法律案議題といたします。
  4. 長谷川四郎

  5. 田中武夫

    田中武夫君 ただいま議題となりました特殊鳥類譲渡等規制に関する法律案について、公害対策並びに環境保全特別委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、近年野鳥の生息環境の悪化に伴い、絶滅のおそれがある鳥類の種について、保護繁殖をはかることが重要かつ緊急を要するものとなり、日米鳥類保護条約の調印を機会に、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に定めるもののほか、絶滅のおそれのある鳥類譲渡等規制する措置を講じようとするものであります。  そのおもな内容について申し上げますと、  本邦または本邦以外の地域において絶滅のおそれがある鳥類総理府令で定めるものを特殊鳥類とし、その特殊鳥類またはその卵は、環境庁長官学術研究養殖その他の事由により特に必要であり、かつ、適切であると認めて許可した場合を除き、譲り渡し、譲り受け等をしてはならないことといたしております。  また、特殊鳥類またはその卵は、国際協力として学術研究養殖を行なう場合、その他輸出することが特にやむを得ないと認められる場合であって、政令で定める要件に該当する場合を除き輸出してはならないことといたしております。  また、その輸入については、輸出国輸出許可書または適法捕獲証明書を添付したものでなければ、原則として輸入してはならないことといたしております。  次に、本案審査経過について申し上げます。  本案は、去る三月十四日本委員会に付託され、同月十七日大石環境庁長官より提案理由説明を聴取し、以後、慎重に審議を重ねてまいりましたが、かくて、去る二十一日質疑を終了し、次いで採決の結果、本案原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の五党共同提案にかかる附帯決議を付するに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  6. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 沖繩開発庁設置法案(第六十七回国会内閣提出)  日程第三 沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用特別措置等に関する法律案(第六十七回国会内閣提出
  8. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 日程第二、沖繩開発庁設置法案日程第三、沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用特別措置等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  9. 長谷川四郎

  10. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、二法案要旨を申し上げますと、  沖繩開発庁設置法案は、沖繩における経済の振興及び社会開発をはかるため、沖繩開発庁設置しようとするものでありまして、そのおもな内容は、  第一に、総理府の外局として沖繩開発庁設置し、その任務及び権限を定めること。  第二に、沖繩開発庁内部部局として、総務局振興局の二局を置き、それぞれの所掌事務を定めること。  第三に、沖繩開発庁の長は、沖繩開発庁長官とし、国務大臣をもって充てることとし、その権限を定めること。  第四に、沖繩開発庁付属機関として、沖繩振興開発審議会を置くこと。  第五に、沖繩開発庁地方支分部局として、沖繩総合事務局を置き、沖繩開発庁所掌事務の一部を分掌させるほか、財務局、地方農政局等地方支分部局において所掌することとされている事務等を分掌させること。  第六、沖繩開発庁設置に伴い、沖繩北方対策庁を廃止し、新たに総理府機関として、総理府総務長官たる国務大臣を長とする北方対策本部設置し、北方領土問題等に関する事務を行なわせること。等であります。  次に、沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用特別措置等に関する法律案は、  第一に、琉球政府職員で、防衛庁職員となる者等給与等について特別措置を定めること。  第二に、講和前の人身損害に対する補償の支払いを受けなかった者またはその遺族に対し、見舞金を支給することができることとし、その事務を防衛施設庁の所掌事務に加えること。  第三に、沖繩における防衛施設周辺民生安定施設の助成の対象として、市町村のほかに沖繩県を加えること。  第四に、沖繩軍関係離職者に対する特別給付金の支給について特例を設けること。  第五に、那覇市に那覇防衛施設局を設けること。等であります。  右二法案は、いずれも、昨年の第六十七回国会提出され、今国会に継続されているものでありまして、今国会におきましては、沖繩復帰に伴う関係国内法等審査に資するため、去る二月、本院より沖繩に派遣されました議員団より視察の概要を三月九日に聴取した後、三月十日より質疑に入り、以後、八日間にわたり慎重に審査を進めてまいったのでありまするが、詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、四月二十一日質疑を終了いたしましたところ、塩谷委員より、沖繩開発庁設置法案に対
  11. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  12. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第四 世界保健機関憲章第二十四条及び第二十五条の改正受諾について承認を求めるの件  日程第五 北西大西洋漁業に関する国際条約改正に関する議定書締結について承認を求めるの件
  13. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 日程第四、世界保健機関憲章第二十四条及び第二十五条の改正受諾について承認を求めるの件、日程第五、北西大西洋漁業に関する国際条約改正に関する議定書締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
  14. 長谷川四郎

  15. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 ただいま議題となりました両案件につきまして、外務委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず、世界保健機関憲章改正について申し上げます。  本件は、一九六七年五月の第二十回世界保健総会におきまして採択された憲章改正受諾について国会承認を求めるものであります。  その内容は、世界保健機関に置かれております執行理事会の構成が、新規加盟国の増加に伴いまして、世界の各地域を公平かつ適切に代表しがたくなってまいりましたので、これに対処するため、現存二十四人で構成されております執行理事会の員数を三十人に改めるとともに、年々八カ国ずつ選出される理事国を年十カ国ずつ選出するため、新たに選出される国の任期について所要の調整を行なうのであります。  次に、北西大西洋漁業に関する国際条約改正に関する議定書について申し上げます。  わが国も加盟しております北西大西洋漁業に関する国際条約は、一九四九年に作成されたものでありますが、同条約には、条約改正手続を定める規定がないため、その規定を新たに同条約に置くことを内容とする議定書が、一九七〇年における北西大西洋漁業委員会の第二十回年次通常会議において採択されたのであります。  そのおもな内容は、条約改正締約国の四分の三によって承認されれば、いずれか他の締約国から改正に対し異議の通告がない限り、すべての締約国について効力を生ずることとしております。  両件は、いずれも三月七日本委員会に付託されましたので、政府から提案理由説明を聴取し、審査を行ないましたが、その詳細は会議録により御了承願います。  かくて、去る二十一日質疑を終了いたしましたので、直ちに採決いたしましたところ、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  16. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 両件を一括して採決いたします。  両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  日程第六 臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案内閣提出
  18. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 日程第六、臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案議題といたします。
  19. 長谷川四郎

  20. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 ただいま議題となりました臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案につきまして、石炭対策特別委員会における解任の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、現在なお千数百億円に及ぶ石炭鉱害量が残存している実情に対処し、今後さらに鉱害復旧促進鉱害賠償円滑化をはかるとともに、産炭地域における工場立地促進をはかろうとするものでありまして、そのおもな内容は、  第一に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正して、法律有効期限を千年間延長するとともに、復旧対象公共施設追加鉱害復旧長期計画策定復旧不適農地等に対する措置拡充等鉱害復旧促進するために必要な措置を講ずることであります。  第三に、石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正して、法律有効期限を十年間延長するとともに、鉱害賠償積み立て金の取り戻しの制限、石炭鉱害復旧事業団業務拡大等鉱害賠償円滑化をはかるための措置を講ずることであります。  第三に、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正して、産炭地域関係道府県が、法第六条に基づく政令で定める地区内で事業を行なう者の設備の新増設に対し地方税の減免を行なった場合普通交付税をもって補てんする措置対象事業税を加え、産炭地域への企業誘致を一そう促進せしめようとすること等であります。  本案は、去る二月九日本委員会に付託され、三月十日田中通商産業大臣から提案理由説明を聴取し、以来、慎重に審査を重ねてまいりましたが、昨二十四日質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  21. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  労働安全衛生法案内閣提出
  23. 藤波孝生

    藤波孝生君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出労働安全衛生法案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  24. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加せられました。  労働安全衛生法案議題といたします。
  26. 長谷川四郎

  27. 森山欽司

    森山欽司君 ただいま議題となりました労働安全衛生法ついて、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における労働災害動向等に即応し、労働災害防止に関する総合的、計画的な対策を推進することにより、労働基準法と相まって、労働者の安全と健康を確保し、さらに快適な作業環境を形成するため、労働災害防止計画策定安全衛生管理体制整備危害防止基準明確化、望ましい作業環境の標準の公表、機械等及び有害物に関する規制の強化、安全衛生教育拡充健康管理充実安全衛生改善計画の作成による自主的な労働災害防止活動の推進、危険有害事業についての事前届け出制整備、その他監督機関権限、国の援助等について必要な規定を設けようとするものであります。   本案は、去る三月三日本委員会に付託となり、本日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、事業者等の債務を明確にすること、労働災害発生の急迫した、危険がある場合の労働者の退避に関する措置を加えること等を内容とする修正案提出され、採決の結果、本案修正議決すべきものと議決した次第であります。   なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。   以上、御報告申し上げます。(拍手
  28. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異業なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  漁港法の一部を改正する法律案内閣提出)  中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案内閣提出
  30. 藤波孝生

    藤波孝生君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出漁港法の一部を改正する法律案中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案、右三案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  31. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加せられました。  漁港法の一部を改正する法律案中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案、右三案を一括して議題といたします。
  33. 長谷川四郎

  34. 藤田義光

    藤田義光君 ただいま議題となりました三法案につきまして、委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、各案の要旨について申し上げます。  漁港法の一部を改正する法律案は、特定第三種漁港整備促進するため、漁港施設のうち外郭施設及び水域施設の修築に要する費用についての国の負担割合を、百分の六十から百分の七十に引き上げるとともに、その他所要規定整備をはかろうとするものであります。  次に、中小漁業振興特別指貫法の一部を改正する法律案は、最近における漁業事情等の推移に即応して、振興措置対象となる中小漁業者の範囲を拡大するとともに、新たに指定業種のうちから特定業種を指定して、当該業種について構造改善計画認定制度を設ける等所要改正を行ない、引き続き農林漁業金融公庫からの特例融資及び税制しの特例措置等を構ずることによって、中小漁業振興をはかろうとするものであります。  また、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案は、漁業協同組合整備基金主要業務である利子補給金交付業務昭和四十六年度で終了すること等から、その根拠法を廃止するとともに、基金の解放、解散後における清算事務を適正に行なうため、所要規定を設けようとするものであります。  委員会におきましては、以上三条について一括して審査を進めることとし、去る三月十六日赤城農林大臣からそれぞれ提案理由説明を聴取し、その後審査を重ね、四月二十日質疑を終局いたしました。  かくて、本二十五日逐次各案の採決に入りましたところ、自民、社会、公明及び民社の四党共同提案により、漁港法の一部を改正する法律案に対しては、施行期日を「公布の日」に改めること等を内容とする修正案が、そして、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案に対しては、施行期日を「公布の日」に改める修正案提出され、それぞれ採決の結果、漁港法の一部を改正する法律案全会一致をもって、また、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案は多数をもって、修正議決すべきものと決しました。また、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、以上三案に対し、全会一致をもって附帯決議が付せられました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  35. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) これより採決に入ります。  まず、漁港法の一部を改正する法律案、及び漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案の両案を一括して採決いたします。  両案中、漁港法の一部を改正する法律案委員長報告修正、他の一案の委員長報告は可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。  次に、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  37. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  国会議員互助年金法等の一部を改正する法律   案(議院運営委員長提出
  38. 藤波孝生

    藤波孝生君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、議院運営委員長提出国会議員互助年金法等の一部を改正する法律案は、委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  39. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 御異議なしと認めます、よって、日程追加せられました。  国会議員互助年金法の一部を改正する法律案議題といたします。
  41. 長谷川四郎

  42. 中川一郎

    中川一郎君 ただいま議題となりました国会議員互助年金法等の一部を改正する法律案につきまして、提案趣旨を御説明申し上げます。  この法律案は、四つの法律改正を行なおうとするものであります。  その第一は、国会議員互助年金法改正でありまして、互助年金のうち基礎歳費月額が十八万円であるものを、本年五月分以降、二十四万円に引き上げ、この費用をまかなうため納付金の率を百分の六から百分の六・八に改めるとともに、公務関係遺族扶助年金算定倍率を恩給の場合と同様にしようとするものであります。  第二は、国会議員歳費、旅費及び手当等に関する法律改正でありまして、国会役員等に支給される議会雑費の日額千五百円以内を、本年四月から、二千五百円以内に改めようとするものであります。  第三は、国会における各会派に対する立法事務費交付に関する法律改正でありまして、立法事務費月額八万円を、本年四月から、十万円に改めようとするものであります。  第四は、議院法制局法改正でありまして、法制局に副部長を置くことができるようにしようとするものであります。  本案は、議院運営委員会において起草、提出したものであります。  何とぞ御賛同くださるよう御願いいたします。(拍手)     —————————————
  43. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 採決いたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  44. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。      ————◇—————  国民年金法等の一部を改正する法律案内閣提出)及び公的年金年金額等臨時特例に関する法律案大原亨君外六名提出)の趣旨説明
  45. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 内閣提出国民年金法等の一部を改正する法律案、及び大原亨君外六名提出公的年金年金額等臨時特例に関する法律案について、趣旨説明を順次求めます。厚生大臣斎藤昇君。   〔国務大臣斎藤昇登壇
  46. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 国民年金法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  国民年金制度並びに児童扶養手当及び特別児童扶養手出制度については、従来からその改善につとめてきたところでありますが、今日、国民福祉優先の考え方のもとに、老齢者をはじめ、心身障害者母子家庭に対する福祉充実が一段と強く求められております。  特に、人口の老齢化扶養意識変化等を背景に、年金制度に対する国民の関心はとみに高まっており、老後生活に占める年金の役割りは、ますます重要性を増しております。  今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、受給者が多く改善の緊要制の高い福祉年金を中心に、かつてない大幅な年金額の引き上げを行なう等これらの制度の充実をはかろうとするものであります。  以下、改正法案のおもな内容についてご説明申しあげます。  第一に、老齢福祉年金の額を、昭和四十七年十月から、千円増額し、月額三千三百円に引き上げるとともに、あわせて、障害福祉年金、母子福祉年金並びに児童扶養手当及び及び特別児童扶養手当の額を大幅に改善することといたしております。  第二に、拠出制の障害年金、母子年金等の額を昨年の、厚生年金の改正に準じ、昭和四十七年七月から、一〇%増額することといたしております。  第三に、特別児童扶養手当の支給対象に、新たに内科的疾患に基づく障害、精神障害を有する児童等を加えることといたしております。  以上が国民年金法等の一部を改正する法律案趣旨でございます。(拍手)     —————————————
  47. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 提出大原亨君。   〔大原亨登壇
  48. 大原亨

    大原亨君 私は、日本社会党、公明党、民社党の三党を代表いたしまして、公的年金年金額等臨時特例に関する法律案提案いたします。  ヨーロッパでは、すでに年金生活は人生の有給休暇であるということばが定着していますが、日本では、最近のニュースでも老人の家出や蒸発あるいは自殺者が激増いたしており、特に老婦人の自殺は世界一であるとWHOの統計は示しております。老人問題は、いまや、環境破壊の公害問題とともに、最大の社会問題となろうといたしておるのであります。  日本では、六十五歳以上の老齢人口に対する年近受給者の比率は七%にすぎません。あめ玉年金、たばこ年金といわれる福祉年金を入れましても四十七%、スウェーデンの一〇〇%、イギリスの八四%に比較いたしまして、きわめて低位にあることは明白であります。  いますぐ食える年金の出現は、単に老人の問題であるだけでなく、すべての国民に生きる不安をなくし、世界一の貯蓄を消費の支出に振り向け、生活水準の向上と景気対策を一致させる政治的決断に通じていることを知らなければなりません。日本に老人ホームをさげすむ政治家が横行しているのも、年金がないからでございます。  われわれは、この年金改正にあたって、あくまでも実現可能なものであること、総評、同盟、中立々問わず、民間あるいは公務員の団体等、国民的な合意を得られるように努力をいたしてまいりました。  以下提案をいたします年金額特例法案は、本年十月より実施する一カ年間の年全額の引き上げ特例と、来年十月より実施する全面的、抜本的、統一的改正案の二段階に分けまして、第二段階の改革は、本特例法の附則に改革の骨組みを規定して、五カ年計画でこれを実現することといたしたのであります。  以下、提案趣旨と要綱を申し上げます。  本臨時特例法の第一は、来年よりの全面改正の足固めといたしまして、老齢福祉年金を七十歳以上月一万円、夫婦で二万円、六十五歳以上が月五千円、夫婦で一万円にいたし、それに準じて障害者福祉年金は月一が五千円、母子福祉年金は月一万三千円に引き上げるものでございます。国民年金の本体である拠出制国民年金は、昨年から十年年金として月五千円が給付されておりますが、これを月一万円底上げをいたしまして一万五千円、夫婦で三万円とし、障害者、母子、準母子、遺児及び寡婦の年令をこれに準じてそれぞれ引き上げることといたしたのであります。  第二は、昭和十七年戦争中に発足いたしました厚生年金は、昨年十一月からの改正で二万円年金といわれておりますが、実際は月一万六千円程度にすぎません。生活保護にもはるかに及びませんから、月一万円の底上げをいたしまして、月二万六千円のベースにいたすものであります。船員保険も同様であります。  第三は、国家公務員、地方公務員、公共企業体、私学及び農林漁業の各共済年金は、既裁定分を育めましてそれぞれ最低保障額に年十二万円、月二万円を加算することによって、年二十七万円を限度といたしまして、それ以下の年金をなくしていこうというものでございます。もちろん各年金制度の通算老齢年金もこれに準じて引き上げるものでございます。  以上申し上げました年金額の改正臨時特例は、昭和四十八年、つまり来年十月より実施する各種公的年金の統一的改革の基礎をなすものでありまして、本法の附則におきまして、抜本改正の四つの大きな柱を規定いたすことといたしました。言うまでもなく、この四つの改革の骨組みはすべて有機的に関連を持っておるのでございます。  すなわち、第一の改革の柱は、現在八つのグループに分かれている被用者年金の水準の引き上げと格差の是正をはかりつつ、一体的に改正する方向を規定をいたしたのでありまして、国民年金と被用者年金の二本立て制度の実現をはかる趣旨でございます。  第二の改革の柱は、国民年金の最低保障額を月二万円、夫婦四万円とし、厚生年金等各種被用者年金の最低保障額として月三万円を確保することといたしたのであります。この結果、被用者年金額の平均は月五万円以上となりまして、平均賃金の六割相当額が給付されることに相なるわけでございます。  第三の改革の柱は、賃金及び物価の変動に対応する年令額の自動スライド制をとることを規定をいたしたことであります。現行の制度は、五年ごとに再計算するその場当たりの政策スライド制でございまして、消費者物価が一年間に六%も七%も上昇する慢性インフレのもとで、国民の立場からはとうていがまんすることのできるものではございません。  第四の年金改革の柱は、年金財政の仕組みを、現存の積み立て方式より賦課方式に改めることであります。  賦課方式とは、一年または数年の一定期間における給付の財源をその期間内に賦課徴収した収入をもって充てる財政方式でありまして、現存元気で働くわれわれ国民が、老齢者、身体障害者及び母子家庭などの生活を保障するという仕組みでございます。  わが国の年金財政は、修正積み立て方式といって、二十年以上保険料を積み立てたものに、国の負担を加えて年金給付を行なうもので、いわば後進国型の年金に属するものであります。  昭和十七年に始まった厚生年金の積み立て金は、戦争中は軍事費の調達のため、戦後は産業復興、続いて高度成長のメカニズムに組み込まれてきたことは御承知のとおりであります。積み立ては、手段であるのに、目的のような結果となり、国民不在の一大収奪政策となっていることは明白でございまして、これ以上、このままに放置することは断じてできないと考えるものでございます。(拍手)   昭和四十六年度末で、厚生年金の積み立て金は五兆三千億円、国民年金は約一兆円であり、これが財政投融資を通じまして大蔵省と政府の独断で運営されてきたことは御承知のとおりでございます。  もちろん、われわれの言う賦課方式は純然たる税金方式ではありません。修正賦課方式でありまして、保険料の積み立て金は、年金自体の改善と、住宅、老人ホーム、保育所など、直接国民福祉のために運営しようというものであって、財政投融資を国会議決の対象とせようということも、福祉優先への軌道修正を実現する手段にほかならないのでございます。  これに対して説をなすものは、日本は六十五歳以上の老齢人口が現在七百三十三万人でありますが、昭和七十年には千五百万人に倍増いたします。ですから、この人口革命に備えてここ二、三十年間はいまのままの積み立て方式を続けるべーというもっともらしい意見がございます。  この際、私は強調したいことは、インフレを持続することで設備投資の借金を無限に先細りにする、買った土地や固定資産の値上がりでぼろもうけをするという超高度成長政策のメカニズムの中で、貯金の利子以上に消費者物価が上昇する今日、二十年、三十年先の給付のために、戦後二十七年の今日なお二束三文のけちけち年金でがまんせよということは、政治モラルの上からも断じて許されないと思います。(拍手)  西ヨーロッパでは、老齢人口が増加する戦後インフレの時代に、いち早く積み立て方式を賦課方法に切りかえまして、年金のスライド制を確立いたしまして、ソビエトはじめ東ヨーロッパの社会主義国と競争をいたしているのであります。  日本もいまのうちに賦課方式に切りかえて、いますぐ食える年金を実現してこそ、二十年、三十年後の人口の老齢化に対処する心がまえをいまからつくることができるのであって、インフレの続くこれから以降、そのときになって何とかしようというのは全く無責任といわなければならぬと思います。(拍手)  日本の国民所得に対する社会保障の給付費の割合は五・八%であります。西独の二〇%、フランスの一九・三%、イギリスの一三・八%に対して、いかに水準が低いかということを物語っています。  この社会保障のおくれは、まぎれもなく、日本には年金に値する年金が確立されていないということにあることは明白でございます。GNP世界第三位を誇示して海外膨張を続けてきた日本が、ヨーロッパに追いつき追い越す社会保障改革五カ年計画を樹立をし、生活優先の姿、平和日本の姿を全世界に示すことこそ、国民の切実な要求に合致をする福祉日本の政治の真の姿ではないでしょうか。  佐藤内閣は本年度予算で、「いい調子の世直し予算」と称して、福祉優先に政治の軌道を修正したかのごとく見せかけましたが、はしなくも四次防先取り問題で、このごろ合わせはもろくもくずれました。軍事優先と物価値上げの地獄行きの予算であるという正体を暴露する羽目となったのであります。  日本の低福祉、低い労働分配率、公害のたれ流し、構造的インフレという、国民不在の日本的超高度成長の軌道修正を実践することなくして、円の再切り上げによる混乱を回避する王道はございません。くずれんとする議会政治の危機を救う道はないものと私はかたく信ずるのであります。  もしそれ、この実現可能な年金改革案をも無視する政府があれば、われわれは、国民とともにこの反動的政府を踏み越えて前進する決意をここに表明いたしまして、私の提案を終わる次第でございます。(拍手)      ————◇—————  国民年金法等の一部を改正する法律案内閣提出)及び公的年金年金額等臨時特例に関する法律案大原亨君外六名提出)の趣旨説明に対する質疑
  49. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次、これを許します。後藤俊男君。   〔後藤俊男君登壇
  50. 後藤俊男

    ○後藤俊男君 私は、日本社会党を代表いたしまして、先ほど厚生大臣から趣旨説明がありました国民年金法等の一部を改正する法律案に対しまして、質問をいたしたいと思います。  具体的な質問に入る前に、まず私が指摘したいのは、今日、国民福祉最優先への発想の転換が必要であるということでございます。  佐藤内閣のもとで進められてきた高度経済成長政策は、昨年の円切り上げ問題に象徴されるごとく、また、昨今の深刻化する公害事象に示されるごとく、完全に行き詰まり、破綻を来たしておるのでございます。他方、この高度経済成長政策の谷間に、多くのお年寄り、心身障害者母子家庭など恵まれない人々を取り残してきたのでありまして、このような高度経済成長政策の破綻と矛盾が、現在、国民福祉最優先を求める声としてほうはいとして起こってきているゆえんなのであります。  政府は、かねてから、口では国民福祉最優先を第一義としていると言っていながら、予算の編成、財政投融資のあり方を見れば、政府のいう国民福祉最優先というのは単なるかけ声にすぎないことは、一目瞭然であるといえましょう。  政府が、ほんとうに発想を転換しまして、国民福祉を最優先に考えるならば、何よりもまず、高山経済成長政策推進の過程で、今日までなおざりにされていたお年寄り、心身障害者母子家庭などの福祉を向上させることを、内政上最重要課題として積極的に推進することが必要であります。  このような発想の転換を具体的に年金制度について申しますならば、わが国の公的年金制度は、いわゆる積み立て方式の財政運用を行なっており、厚生年金、国民年金の両制度を合わせますと、六兆四千億をこえる巨額な積み立て金を有しておるのでありますが、この積み立て金は、従来から財政投融資に用いられ、いわば高度経済成長をささえてきたのであり、国民福祉のためこれを活用するということが行なわれていなかったのであります。  まず、このような財政投融資の流れを変えて、従来取り残されがちであった老人、心身障害者、母子世帯に手厚い年金を支給することこそ発想の転換であり、福祉優先にほかならないのであります。  社会、公明、民社三党が共同で提案した公的年金年金額等臨時特例に関する法律案は、ただいま私が述べました考え方を具体化したものであることは、先ほど社会党の大原議員が同法案趣旨説明の中でも述べたとおりであります。  私が指摘をしたい第二の点は、わが国の老人対策が今日まで無計画に進められてきており、総合性に欠けていたということであります。たとえばわが国で一般に行なわれている定年制と公的年金の支給開始年齢とのギャップは、今日まで何らの対策も講じられておらず、未解決のままであります。今後わが国の老齢人口が急増するに伴い、老人対策は内政上きわめて重要な課題となるのでありますが、老人対策を推進するにあたっては、総合的かつ計画的な配慮を十分に行なう必要があるということを特にこの際申し上げておきたいのであります。  以上のような認識に立った上、以下具体的な質問に入りたいと思います。  まず、総理大臣にお伺いいたします。  その第一点は、ただいま申し述べたように、わが国の老人対策は今日まで総合性、計画性に欠けていたと思うのでありますが、このような老人対策の現状から見て、今後どのように総合的かつ計画的に老人対策を推進される決意であるのか、総理の所信をお伺いいたします。  第二点は、先ほど述べたとおり、政府は口では福祉優先と言いながらも、四十七年度予算を見ても、福祉優先からは遠く離れたものであると断ぜざるを得ません。福祉最優先には、社会保障、特に年金制度改善充実が不可欠であると思いますが、これに対する総理のお考えを伺いたいと思います。  第三に、年金の充実改善をはかることは現下の急務であると思います。年金の財政方式を積み立て方式から賦課方式に切りかえることによって、年金額の大幅な改善と年金額の自動スライド制の実施がいま直ちに可能であると思いますが、これに対する総理の見解をお聞きいたしたいのでございます。  次に、経済企画庁長官にお伺いいたします。  先ほども大原議員のほうからお話がございました、わが国の社会保障給付費の国民所得に対する比率は昭和四十四年度で五・八%ございます。西ドイツの二〇%、フランスの一九・二%、これらと比較をいたしますと、三分の一あるいはそれ以下という状況であります。そのおもなる理由は、年金制度の立ちおくれがきわめて著しいことにあるのでありますが、今後西欧諸国に追いつき、これを追い越すためには、どのような目標のもとに、年金をはじめとする社会保障の充実を経済計画の中にどう織り込んでいかれるのか、お伺いをいたしたいと思います。  次に、厚生大臣にお伺いいたします。  第一は、年金額の大幅な引き上げ等年金制度の改革についてであります。老齢年金は老後の所得保障の役割りを果たすものであり、老人対策の中心となるべきものであります。したがって、老齢年金は、生活のできる年金であるべきでありますが、現実の支給額は、国民年金で月額五千円、厚生年金で月額一万六千円程度にしかすぎません。安心して老後を託するに足る年金をすみやかに実現すべきであると考えますが、この際、年金制度の改革と取り組む決意のほどをお伺いいたしたいと存じます。  第二に、老齢福祉年金でございます。  老齢福祉年金につきましては、政府は、月千円の引き上げを大きく宣伝をいたしておりますが、改正によりましても、月三千三百円にすぎず、先ほどの話じゃございませんが、あめ玉年金がたばこ年金に変わったにとどまり、老後を保障するものとはとうてい言えないのであります。  そこで、当面私は、老齢福祉年金の支給開始を六十五歳とすること、年金額は当面五千円以上とすること、収入制限を大幅にゆるめること、これを今国会で決定すべきであると考える次第でございます。このことに対する厚生大臣の考え方と、今後老齢福祉年金をどのように改善されようとしておるのか、あわせて見解を承りたいと存じます。(拍手)  第三は、自動スライド制の採用であります。  最近の急激な経済の変動により、老人が支給を受ける年金の実質的な価値は年々低下する一方であります。昨今の物価の高騰を、まともに被害をこうむっているのは、老人家庭にほかなりません。従来のように、五年に一度の財政再計算期に調整を行なうのでは、きわめて不十分であります。年金制度を老人の所得保障として実効あらしめるため、自動スライド制を直ちに採用すべきであると思いますが、厚生大臣の所見を伺いたいと存じます。  第四は、年金の財政方式の改革についてであります。  さきに述べたとおり、厚生年金、国民年金の積み立て金は、高度経済成長の推進力として用いられ、老人の福祉のために活用されていないのみならず、現在の急激な物価上昇のもとでは、積み立て金の価値が実際には年々低下している実情にあります。今日、年金の財政方式を積み立て方式から賦課方式に改革することによって、真の年金の改善が可能だと考えておりますが、この問題につきまして厚生大臣はどのようにお考えになっておるのか、お伺いをいたしたいと存じます。  最後に、大蔵大臣にお伺いいたします。  さきに述べましたとおり、年金積み立て金は昭和四十六年度末現在でほぼ六兆四千億円にのぼる巨額なものでありますが、現在のような保険料拠出者の意向を十分に反映し得ないような財政投融資の原資として使用されている状態では、国民の不信と疑惑を増すばかりであります。したがって、さしあたり現在の年金積み立て金の運用にあたりましては、他の政府資金と明確に区分をして、拠出者の意向を十分に反映し縛るような機構のもとで運営をはかるとともに、年金制度の加入者や受給者の住宅や病院、あるいは老人ホームや保育所といった国民生活に密着した施設の整備充実等の社会福祉のために運用すべきであると思われますが、大蔵大臣は、この問題に対してどうお考えになっておるのか、お伺いをいたしたいと存じます。  わが国の老人対策は、もともと社会保障の中でも立ちおくれております。老後の貧困や病気、孤独から自殺する老人はあとを断ちません。高齢者に対する所得保障、医療保障、福祉等のあたたかい配慮が少なく、働けるうちはこき使っておいて、役に立たなくなったら、あとは早く死ねと言わんばかりであります。  昨年の九月十五日の敬老の日に行なわれました健康で安心できる老後をつくる大集会の東京の中央集会には、全国から一万人以上も集まられたわけでございます。このままでは高齢者の生活はお先まっ暗である、高齢君自身が力を合わせて立ち上がろう、政府の政策を変えさせるために、いますぐ職場で、地域で行動を起こそうと、高齢者の生活を根本から改善し、向上させていく運動がスタートを切り、その後、退職者組織等もできつつあることは、私が申し上げるまでもございません。  今後高齢者問題や年金改革の問題がますます大きく問題化することは当然であります。政府は、このようなことに耳を十分傾けまして、早急に福祉対策充実をはかるよう強く要望をいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  51. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 後藤君にお答えをいたします。  後藤君からは、広範な問題にわたって御意見をいろいろ述べられました。具体的に私に対しては三点を御指摘の上、お尋ねでございましたので、三点についてお答えをすることにいたします。  まず第一は、申すまでもなく老人対策が現在及び将来にわたって重要な課題であることは言うまでもありません。政府は、従来からその充実につとめてまいりましたが、本年度におきましては、当面緊急に対応を要する老人医療費、老齢福祉年金等について処置を講じたところであります。  なお、今後の対策につきましては、老人問題が所得、健康、住宅、就労、生きがいなど、広範多岐にわたることを十分考慮し、また、老人問題の解決にあたっては、家庭、企業、地域社会、地方公共団体等、広く各方面のあたたかい理解と協力が必要でありますので、これらの点についても配慮しながら老人の福祉向上につとめてまいりたいと考えております。  第二に、福祉優先が予算でははっきりしないとの御指摘がありましたが、四十七年度予算編成にあたりましては、老人医療の無料化、老齢福祉年金の大幅引き上げなどの老人対策をはじめ、社会保障の充実のために特段の配慮を払ったところであります。私は、これによって、わが国経済社会国民福祉の向上を目ざして発展するための基礎づくりが一段と進むものと考えております。  なお、年金制度は、わが国の場合制度の発足がおくれたこともありまして、まだ十分に成熟していない面があることも事実であります。政府といたしましては、今後とも老後保障の実効をあげ得るよう、その改善充実につとめてまいる考えであります。  最後に、年金の充実改善の問題であります。  年金制度改善充実が急務であることは、御指摘のとおりであります。政府といたしましては、国民福祉優先の考え方に立って、年金額の引き上げをはじめ、年金制度改善には格段の努力を払っているところであります。  なお、御指摘の年金スライド制につきましては、費用の負担、経済全体に及ぼす影響など、多くの問題がありますが、引き続き検討する考えであります。  ただ、年金の財政方式につきましては、わが国の人口の老齢化などを考慮すると、当面は現在の方式を実情に即した配慮を加えながら維持していくことが適当である、かように考えておる次第であります。  以上、お答えをいたしました。不足の部分については、関係大臣から補足させます。(拍手)   〔国務大臣水田三男君登壇
  52. 水田三喜男

    国務大臣(水田三喜男君) お答えいたします。  年金資金は、現在、資金運用部に預託されまして、財政投融資の原資の重要な部分を構成しておりますが、その運用は、国民生活の向上に密着した住宅とか、あるいは上水道、下水道のような生活環境整備、または病院、福祉施設のような厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業等、これを最重点に置いていま投融資が行なわれていることは、御承知のとおりでございます。  特に、そのうちで、厚生年金、国民年金の預託の増加額の二五%は、還元融資として、直接被保険者の福祉向上に役立つ分野に運用されております。この点では、ほとんど社会福祉に密着した部分が、もう八〇%以上の率になっておりますし、投融資全体としても、ほとんど現在では構成比が変わって、生活に直結する方面への融資となっておりますが、特にまた、使途別分類表におきまして、この年金がどこに使われておるかをはっきりさせるために、分類表で特に年金資金等という別ワクを設けまして、この使途を明瞭にしておりますが、これによって、たとえば厚生福祉施設への融資というものは、財投全体のうちではほかの資金は使わない、全部年金資金をこれに充当しておるとか、その反面、基本産業とか基幹産業とか、あるいは貿易、経済協力費というようなところには年金資金は一円も使われていない、一切使われていないというような、使途を明瞭にする方法をとっておりますので、したがって、特に年金資金を一般資金と区別するために、別の機関でこれを運営しなければならぬという必要は、いまのところないものと考えております。(拍手)   〔国務大臣斎藤昇登壇
  53. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) お答え申し上げます。  老後の生活保障に役立つような年金額の大幅の引き上げを伴う制度の改正と取り組む決意があるかないかというお尋ねでございますが、私は、今日の年金制度は、発足して以来きわめてまだ未成熟の状態でありますが、総理もおっしゃいましたように、日本の人口の老齢化の現象にかんがみまして、これが額の引き上げ、大幅改善は喫緊の要務だ、かように考えております。  年金の大きな改正は、いわゆる財政再計算期の年にやることになっておりますが、これが昭和五十年ということになっておりますけれども、でき得れば、これを引き上げまして、来年度、四十八年度に大幅な改善をいたしたい、これと真剣に取り組みたいと考えておる次第でございます。  福祉年金を少なくとも年額五千円以上に、しかも、所得制限を撤廃するということをこの国会で実現する考えはないかというお尋ねでございますが、これは、ただいま御提案申し上げております法案を、まず御通過をいただきまして、それ以上の改善は次の機会に譲らせていただいて、先ほど申し上げました年金全体の改善の中で適当な改善をはかりたい、かように考えております。  自動スライド制の採用の問題は、総理からお答えがございましたが、これは恩給その他とも関連をいたす問題であり、この方向につきましては、政府もかねがねこの方向に進むようにというので、関係審議会等においても御審議を願っているところであります。及ぼすところの影響が相当大きいのみならず、技術的にも相当むずかしい問題でございますので、関係審議会の御答申を踏まえまして、前向きに検討いたしてまいりたい、かように考えます。  なお、年金の財政方式の変更、これも総理からお答えになりましたが、今日の修正積み立て方式を、これを完全な賦課方式にという点は、いま人口の老齢化の現象に進んでおります際に、諸外国ではいす賦課方式に切りかえているところが非常に多いことは御承知のとおりでありますが、しかし、これは年金制度が成熟をしたときには私は可能であると存じます。今日、年金の受給者と年金の加入者との割合は二%でありますが、これが二〇%になって、そうして初めて成熟したといえると思うのであります。しかし、それまで待つということは、年金額の大幅引き上げということと関連をいたします。したがいまして、いわゆる修正賦課方式にするか、今回の修正積み立て方式の中にいまおっしゃるような御意見を考慮に入れながら、財政方式をどうやっていくかということとあわせまして、この次の年金の大改正の問題と取り組んでまいりたい、かように考えます。(拍手)   〔国務大臣木村俊夫君登壇
  54. 木村俊夫

    国務大臣(木村俊夫君) 現行の新経済社会発展計画におきましては、社会保障の水準につきまして、目標年次の昭和五十年度における振替所得が、初年度であります昭和四十四年度の約三倍に増加し、国民所得に対する比率も約二%程度増大することとしております。  政府といたしましては、本年中に策定いたします新しい長期計画におきまして、現計画におけるこの方向をさらに大きく進めまして、社会保障、特に立ちおくれております年金制度等の所得保障部門の一そうの充実をはかってまいりたいと考えます。  この場合、計画目標とすべき社会保障の水準につきましては、現在その数値を具体的にお示しできる段階ではございませんが、多方面にわたる資源配分の中で、特に最重点的に配慮してまいる所存でございます。(拍手)     —————————————
  55. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 渡部通子君。   〔渡部通子君登壇
  56. 渡部通子

    ○渡部通子君 私は、公明党を代表いたしまして、ただにいま趣旨説明のありました国民年金法等の一部を改正する法律案について、総理大臣並びに関係者大臣の所信をお尋ねしたいと思います。  人口の老齢化現象がきわめて顕著になりつつある現在、老後の生活保障に価する年金制度を完備することは、重大にしてかつ緊要な政治課題であることはもはや論をまちません。今日、国民の零細な所得から集めた膏血ともいうべき年金積み立て金は、約七兆円にも達しようとしております。ところが、このばく大な積み立て金を大企業の設備投資や産業基盤の公共投資に利用して、国民への福祉還元をなおざりにしてきた歴代自民党内閣のいわゆる産業優先主義は、すでにさまざまな弊害を国民生活の至るところに露呈し、もはや、その政治姿勢はすみやかな転換を余儀なくされております。  御承知のように、わが国における老後の生活というものは、長い長い間、いわゆる家族制度の美風のもとで、当然のように、子供たちによる親族間の私的扶養に維持されてきたのでした。それが、戦後、民法の改定に伴い、家の崩壊と個人主義の台頭、核家族化の進行によって老人の孤立は増長し、しばしば悲劇的な事例を見聞きする昨今でございます。つまり、現代の老人は、家族制度の消滅で子供からも見放され、ならば、その責任を負うべき国の厚生政策にも冷たくあしらわれて、路頭に迷っているというのが現状でございます。老人の家出がふえている、自殺も多い、そして病苦と孤独感が二大動機であるといわれるこの老人を取り巻く生活環境を、総理はどうごらんになりましょうか。もはや、私的扶養や個人の責任のみでは老後の生活は守れないのです。  加えて、昭和三十年以降の経済の高度成長は、工業化、都市化を促進し、一方、出生率の低下と平均寿命の伸長が同時に発生して、人口の老齢化を決定づけております。したがって、老後の生活保障はもはや私的扶養の域を越えて、社会的にこれを扶養する年金制度にたよらざるを得ないことは、明々白々ではございませんか。すなわち、総人口に占める六十五歳以上の人口の比率が八%から一八%になるのに、欧米諸国では五十数年から二世紀近くの年月を経ているのに対し、わが国ではわずかに四十年で老齢化社会を迎える深刻な実情にあることは、御承知のとおりでございます。一方、六十五歳以上の老齢人口は、昭和四十七年度末の推定によると七百八十万人、昭和九十年には一千四百が人と、急増の一途をたどっております。稼働人口十人で三人の老人を扶養する割合になるのです。まさに老後の生活保障に値する年金制度拡充強化は焦眉の急なのであります。  しかるに、年金制度に対する政府の姿勢はといえば、一応その形だけは整えたものの、小手先のみの改正に終始し、実質的内容はきわめて貧弱であるといわねばなりません。たとえば、政府が金科玉条のごとくPRした夫婦二万円年金も、任意加入の所得比例を含めて、いまから士五年先に受け取る金額のことなのです。また、老齢福祉年金についても、本改正案において、ことしの十月から千円アップの三千三百円にはなりますが、いかに経過的、補完的措置といえども、一日わずか百十円にしかすぎない涙金でございます。今日の物価高の時代に一日百十円では、たばこ銭にすぎないといわれてもいたし方がございませんでしょう。これで、はたして老後の生活保障ははかれると総理はお考えなのでしょうか。  そこで、総理並びに厚生大臣にお伺いをいたします。  急激な老齢化社会を迎えるにあたって、老人対策に対する基本的認識をどうお持ちなのか、また、今後どのように総合的、計画的に老人対策を推進される決意がおありなのか、その所信をまず伺いたい。  さらに、老人対策のかなめをなす年金制度拡充強化についての長期ビジョンを明らかにしていただきたいのでございます。  第二に、新経済社会発展計画における年金制度の長期ビジョンの策定の問題でございます。  今日、年金積み立て金は約七兆円にものぼりますが、その使途について種々な批判と検討が加えられているときに、なぜ新経済社会発展計画の中に盛り込まなかったのか、御説明願いたいと思うのです。長期安定化した年金財政の確立こそ、年金のかなめであり、必要不可欠の条件だと思います。したがって、新経済社会発展計画の中に、長期安定のための年金財政計画及び財政方式について、明確なビジョンを打ち出すべきだと考えるのですが、総理の見解をお伺いしたいと思います。  第三に、財政方式の再検討についてですが、わが国年金制度の最大の欠陥は、制度の未成熟にあるといわれております。その要因は、一つには、国民皆年金体制の発足がおくれたために、国民年金ではわずかに十一年を経過したにすぎず、昨年の四月にようやく十年年金が開始されたという実情で、諸外国に比べて、その歴史がきわめて浅いという致命的欠陥を持っていることです。  二番目に、年金受給者と年金額がきわめて低いということです。すなわち、年金の中心的存在である拠出制公的年金の受給権者数は九十三万九千人であり、老齢人口のわずか七%にしかすぎないのであります。ちなみに、四十五年度における西欧各国の年金受給者の比率を見るならば、スウェーデン一〇〇%、イギリス八四・二%、アメリカ八二・六%、西独五二・五%、これと比較して、あまりにもわが国年金制度が貧弱であり、未成熟であるかは一目瞭然のことでございます。  三番目に、一定の被保険者期間を経ないと年金が支給されない現行年金制度の積み立て方式にこそ最大の要因があり、その積み立て方式のままで年金制度の成熟化を持つことはもはや許されず、現在生活に逼迫している老人に、直ちに標準生活を維持し得る年金を支給してこそ、実効ある年金制度と言えるのではないでしょうか。  現存の老人たちは、いわば、今日日本の繁栄を築き上げた陰の貢献者だと思います。すなわち、いまのお年寄りは、その楽しかるべき青春時代を戦火の混乱のまっただ中で生き、戦後はきびしい食糧衷情と荒廃した社会情勢のもとで、わが身を顧みず、両親と子供をかかえて過酷な環境にうちかってきた人々ばかりです。しかるに、余生を楽しむべき老後になると、都市化、核家族化、さらに物価高といった社会的変動の波にさらされ、経済的、精神的不安は、なおもきびしくおおいかぶさっている実情でございます。  一方、年金財政の積み立て方式によって、機構的に戦後の国家再建のために大きく寄与し、年金保険料の集約による積み立て金で、大企業の設備投資や産業基盤の公共投資に利用するなど、今日の驚異的な高度経済成長国家を築き上げたのも、現存の老人たちの汗と涙の結晶が下ささえであることを忘れてはなりません。  ところが、その老人たちへの見返りは、何と物価の高騰及び公害では、あまりにも悲劇でございます。  総理は、あの沖繩の学童疎開で避難した対馬丸事件を御存じでございましょう。あのおり、生き残った数少ない児童、いまは成長して、先日テレビで沖繩の現状を訴えておりました。六十代七十代の老人は、子供を失い、戦いと貧苦に耐えて生きてきた、これらの老人をこそ復帰にあたってはあたたかく迎えてほしいという訴えであります。この涙ながらの声を、総理はぜひともしかと受けとめていただきたいと存じます。たびたび総理が口にされる「福祉なくして成長なし」、これを真にうたうのならば、発展途上に見られる積み立て方式から、現在困っている人々にいますぐ年金を支給する賦課方式への転換をはからずして、私は、福祉なくして成長なしとは断じ言えないと訴えるのでございます。総理並びに大蔵大臣の御見解を伺います。(拍手)  第四に、重要なことは、国の責任のもとに、老後生活の保障を、個人や家族ではなく、世代間相互扶助の精神に基づく賦課方式の採用ということでございます。したがって、私は、国民の共同連帯による世代間相互扶助の精神に基づき、老後の生活の安定のために、最低生活保障年金二十四万円、月額二万円を支給することを主張いたします。  この実現の方途は次のとおりです。  すなわち、四十七年度におい厚生年金、国民年金の保険料収入が一兆二千三百五十一億円、積み立て金からの利子収入四千四百二十八億円、国庫負担金一千三十六億円、合計一兆七千八百十五億円の単年度収入が見込まれ、かりに四十八年度において六十五歳以上の老人に一人月額二万円を支給しても、最大で一兆六千四百十六億円で、即時実現を見、しかも、一千三百九億円が年金原資に繰り込まれていくのでございます。したがって、財政硬直化を招くことなく、政府がやる気にさえなるならば、即刻実現できるのでございますが、大蔵大臣、厚生大臣の具体的見解を伺いたいのであります。(拍手)  さらに、稼働時の生活水準維持のために所得比例年金を加味し、より豊かな年金制度にしたいと思います。現行の年金制度が老後の所得保障の名のもとに、ともすればあいまいになりがちな年金の性格を生活保障部分と所得保障部分とに明確に位置づけた画期的な改革案であると主張いたします。  また、現行の年金制度に魅力のない点は、スライド制のあり方にあると思います。年金はその実質的価値を維持してこそ老後の生活保障にふさわしい年金となるのでございますが、現行の厚生年金及び園長年金は、五年ごとに財政再計算をする政策スライドになっております。これでは今日の物価高に対応できないのは当然です。二年ごとに定額部分は物価に、比例部分は賃金に自動スライドさせるべきだと主張するものでございますが、大蔵大臣、厚生大臣の見解をお伺いしたいと思います。  第五に、老齢福祉年金の引き上げと年齢の繰り上げについてお尋ねします。  昨年七月二十四日、国民年金審議福祉年金小委員会の「結社年金制度改善について、」の中間報告の中で、老齢福祉年金の具体的水準を現在の時点で現行額の倍額に引き上げ、昭和五十年ころには厚生年金、拠出制国民年金が現行の倍近くに増額される見込みなので、老齢福祉年金もそれに対応して引き上げること等を指摘していることは御承知のとおりです。  そこで、厚生大臣にお尋ねいたしますが、昭和五十年にピークを迎えて、その後減少していく老齢福祉年金に対して、今後どのような改善計画がおありなのか、その目標を具体的にお示しいただきたいと存じます。  最後に、制度発足の当時任意加入の対象にもならず、皆年金体制から漏れてしまった現存の六十六歳から七十歳未満の年金の谷間に埋没する約二百万人の老後の生活保障について、具体的な対策を示していただきたいと存じます。  以上、数点にわたりお尋ねいたしました。  いま、外は春らんまん過ぎてあたたかな初夏の陽光が輝いております。今日の日本のお年寄りの暮らしに一体いつ春がやってくるのか、総理以下関係大臣の具体的であたたかな答弁を心からお願いして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  57. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 渡部君にお答えをいたします。  まず渡部君から、新経済社会発展計画が年金制度の細部にわたっての長期構想を示していないとの御指摘がありました。  この計画が将来に向かっての資源配分のあり方を明らかにするとともに、社会保障制度発展の方向として年金制度を含む所得保障部門を重点的に充実すべきものとしていることを十分御理解いただきたいと思います。この計画では社会開発の推進を最重点課題の一つとして掲げておりますが、その中で住宅、生活環境の整備、公害、災害対策と並んで社会保障の充実をはかるものとし、特に老齢者心身障害者については格段の配慮をすべきであるとしているのであります。  なお、政府といたしましても、本年中に新しい長期計画を策定する予定でありますが、その中には、現計画をさらに進め、社会保障、特に年金制度等所得保障部門の一そうの充実をはかってまいりたいと考えております。  次に、急速に老齢化社会を迎えつつあるわが国におきまして、老人対策は現在最も重要な内政上の課題の一つであります。今後の年金制度充実につきましてのお尋ねがありましたが、御指摘をまつまでもなく、老人対策の大きな柱でありますので、政府といたしましては、今後ともその改善に格段の努力を払う方針であります。  なお、現存わが国には、厚生年金及び国民年金をはじめとする八つの公的年金があり、国民皆年金体制が実現しております。これらはおのおの独自の目的と沿革を有しておりますので、御指摘のように、これを一本化することにはいろいろと困難な問題がありますが、従来から可能なものにつきましては、各制度間でできるだけ統一的な処理をすることとしており、今後ともこの方向で努力してまいりたいと考えております。  最後に、年金の財政方式を賦課方式に切りかえることにより、年金水準を引き上げよとの御意見がありましたが、政府といたしましては、今後における人口の急速な老齢化の傾向を考えると、当面は現行の財政方式によっていくことが適当ではないか、かように考えておるのであります。ただ、人口の老齢化扶養意識の変化などを背景に、年金の改善に対する国民の期待が急速に高まっていることは、私もよく承知しておりますので、今後、厚生年金、国民年金の両制度にわたり、費用負担との関連も考慮しながら、所得保障の実効があがるよう、その水準の改善を急ぐ考えであります。  なお、老齢福祉年金につきましては、四十七年度に年金額の大幅な引き上げを中心とする改善を行なうこととしており、今後もできる限りその充実につとめたいと考えております。  以上、私から基本的なお答えをいたしました。(拍手)  なお、関係大臣から補足する点もあろうかと思います。御了承願います。   〔国務大臣水田三喜男君登壇
  58. 水田三喜男

    国務大臣(水田三喜男君) 財政方式の問題は、先ほど厚生大臣からお答えになりましたが、年金受給者がただいまのように少ないときには、賦課方式をとっても負担は非常に軽くて済むと思います。特にいま積んである積み立て金をなしくずしするということでございましたら、渡部さんが御指摘になったような内容の年金を実現することは当分可能であろうと思いますが、しかし、人口の老齢化年金制度の成熟化が進んでまいりますと、受給者が急増して、保険負担は急激に高額過重なものになってまいりまして、世代間の均衡がきわめて不均衡になるという事情にわが国はございますので、したがって、わが国の実情から見ますと、先ほどもお答えがありましたように、現行の修正積み立て方式を賦課方式に切りかえようとしましたら、ある程度人口の老齢化が進んで、年金の受給者の数がもう少しふえたというときが切りかえに可能なときではないかと考えまして、これは今後の課題にいたしたいと存じます。  それから、厚生年金のほうは、御承知のように、昭和十七年に出発して、もう二十年をこしますので、ようやく四十四年の法改正のときから、制度的にはいわゆる二万円年金というものが実現するようになっておりますが、拠出制の国民年金のほうは、まだ三十七年に発足したばかりでございますので、ようやく十年年金として、夫婦二万円というところが夫婦一万円の給付ということが実施できるところまできた程度でございます。したがいまして、これを今後どういうふうに充実するかという問題につきましては、さっきお話がございましたように、必ずしも五年といわなくても、経済情勢のいかんによっては、この見直しをもっと短い期間にするというようなことをして、極力この充実には努力いたしたいと存じます。(拍手)   〔国務大臣斎藤昇登壇
  59. 斎藤昇

    国務大臣斎藤昇君) 大体総理大臣、大蔵大臣からほとんどお答えをいただきました。私からお答えする点はあまりないと思うのでございますが、老人対策の基本的な考え方というものは、結局、年老いて精神的にも物質的にも安らぎを感じ、生きがいを感じ、そして長寿を全うしてもらうという、この心がまえが基本的な心がまえであろうと、かように考えます。つきましては、お説のように、やはりまず年金を充実するということが、これは今日の情勢から最も大事なことだと、かように考えます。  そこで、年金の長期ビジョンを立てて、それを長期経済計画の中に盛り込んでいく必要があるではないか、いかに考えるかという、これもそのとおりだと思います。  年金の長期ビジョンを立てますためには、先ほどからおっしゃいましたいろいろな、まず財政方式、またどの程度の年金額が適当であるか、自動スライド制、そういったものも織り込んで、そうしてやってまいらなければなりません。この検討は、これは総理、大蔵大臣からもお答えになりましたとおり、また、ただいま議員提案として提案されましたいろいろな御意見、これらも十分踏まえまして、この案を立案するのは厚生省でございますから、そういうものを踏まえまして、そうして、ひとつこれから医療保険の抜本的な一つの道をここでつけていただいたら、この次にはいわゆる年金問題と取り組んでまいりたい、真剣に取り組んで、そして来年度は、先ほども申しますように、まだ財政再計算期の年ではありませんけれども、これを繰り上げて、四十八年度から実施をいたしたい、その間に、ただいまおっしゃいましたような各種の御意見を十分勘案をいたして、そうして立案をいたしたい、かように考えております。  スライド制、それから積み立て方式の点は、先ほど後藤議員にお答えをいたしたとおりでございます。  五年ごとの財政再計算期、これを繰り上げること、いま申したとおりでありますが、所得比例方式を加味しないかというお尋ねでございます。すでに、所得比例方式も加味をいたしておりますが、これもさらに改善を加えてまいりたい、かように考えます。  なお、今日、年金からはずれている人たち、いわゆる国民年金の拠出年金ももらえない、また福祉年金も七十歳以上でなければもらえない、そこで六十五歳から七十歳までの年齢の方々が、これこそ穴があいているわけでございます。これをどの程度の、福祉年金といいますか、ものにするか、これは現在の福祉年金の改善方法と考え合わせまして、これも一緒に考えて、そうして年金不受給者が一人もないというような状態に持っていく必要がある、かように考えまして、これも年金全体の問題といたしまして前向きに取り組んでまいりたい、かように考えます。(拍手
  60. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  61. 長谷川四郎

    ○副議長長谷川四郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後二時四十六分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         外 務 大 臣 福田 赳夫君         大 蔵 大 臣 水田三喜男君         厚 生 大 臣 斎藤  昇君         農 林 大 臣 赤城 宗徳君         通商産業大臣  田中 角榮君         労 働 大 臣 塚原 俊郎君         国 務 大 臣 江崎 真澄君         国 務 大 臣 大石 武一君         国 務 大 臣 木村 俊夫君         国 務 大 臣 山中 貞則君      ————◇—————