○武部
委員 この文書でいきますと、疑いじゃないですよ、はっきりと「異種脂肪が検出された旨報告を受けた。」こうなっているのですよ。これは疑いでも何でもない。ですから、そういう
意味で私は、さっきから何べんも言うように、本来ならば、こういうことはあまり明らかにせぬほうがいいと思いました。しかし、現実にいまの牛乳
消費量も減り、また私が入手した文書によると、酪農協議会とそれから乳業協会との間に、異種脂肪の問題をめぐっていろいろ文書のやりとりがあるようです。おまえたちがしっかりしないから異種脂肪が出るとか、何言っているかということを、お互いやり合って、不信が相互にあるんですよ。そういうことを根絶するためにも、少なくとも
公正取引委員会ははっきりした態度をとるべきだ、私はそれを
指摘したいのですよ。いままで現実にあったことなんだから、あったことはあったこととして厳重に注意をし監視をし、本人たちから誓約をさして、今後そのようなことがないようにいたします、こういうやりとりならば、私はそれでけっこうだと思う。しかし、少なくとも私がここで言うまで、あなた方はこのことについて何にも触れなかった。そして、いま言われたことは
——九月三十日に
公正取引委員会の景
品表示課長は、この業者を呼んで異種脂肪が摘出されたといって口頭で注意をしておるじゃありませんか。そうしておきながら、片一方のほうには、疑いがあるというものはどんどん名前が出て、そして
——少なくとも明治さんといえば、数百万の
消費者を持つ大メーカーですよ。日本一ですよ。そうした人かちのやられたことに対して、大きな魚は逃がしてしまって、小さなざこだけをごじょごじょ取り上げるような、そういう
やり方ではないかと国民の間に植えつけるようなことをおやりになっていることは、私は、
公正取引委員会としてはいささか片手落ちじゃないか、これを申し上げたいのです。
ですから、いままでたくさんのことを申し上げましたが、少なくともこういうような
段階を経て、私
ども、疑問は一応解消されました。そういう事実があったということを本人が認めているのですから。そうだとすると、さっき私が申し上げましたような日にちを追って、あなた方が検査をされ、発表され、そして第二回目の検査をされて、また発表される。そういう厚生省やあなたのほうに呼び出したりする日にちは非常に疑問に思うのです。一年たっても検査の結果を発表しないような
公正取引委員会の検査というものを、一体国民が信用するでしょうか。なぜ一年たっても発表しないのです。発表しないどころか、新聞にぽんと出たわけです。そして一カ月たって、あなた方はこの要望書をお出しになったわけです。こういう
やり方に私はたいへん疑問を持つのです。ですから、これ以上申し上げません、申し上げませんが、少なくともそうした、酪農家がメーカーに対して不信を持つ、メーカーはこれまたお互い同士が不信を持ち合っておるような、これは
公正取引委員会の
皆さん方の本意ではないと思うのです。ですから、あなた方は検査機関を持っていないわけですから、厚生省は検査機関をお持ちになっているんですから、だとするならば、厚生省に対して正式な依頼をおやりになる。同時に、
農林省は
価格だけに血道を上げないで、こういう問題について
公正取引委員会、厚生省、
農林省が一体になって、異種脂肪というものはどういう過程を経て入るのか、それは一体何の
目的のためなのか、それによって
消費者はどういう不利益をこうむっておるか、牛乳の
消費が停滞するのはどういうところにあるのか、少なくとも三者が協議をして、これから先の検査
体制なり監視
体制なり、そういうものをやっていただきたい。
まだ、もう
一つありますよ。私はきょうは言いませんが、そういうようなものがあるわけですから、ですから、
公正取引委員会がおやりになったことは、少なくとも結果をやらないで、過程だけをいろいろやったけれ
ども、それを結果については何にも言わなかった、過程だけがばっと出てしまって、そうして混乱が起きた。そして、ある無実の業者は、新聞に出てから、自分たちは無実だと訴えておる。はたして無実かどうかわかりませんが、
公正取引委員会が私に、どうもこの名前が違うということをおっしゃっておる。案外そうだったかもしらぬなという気持ちがしました。ですから、四社の中に、おれが無実だということをここで言えと言ったって、なかなかあなた方は言えない。それ以上のことは追及いたしません。
しかし、そういうようなことでお互いが疑心暗鬼をもってこの牛乳の本来の成分でないヤシ油やココヤシ油や、そういうようなものを牛乳の中に混入するということは、断じて許すことができないのです。ですから、あなた方はこれを
一つの機会に、この監視
体制なり、あるいは検査
体制、そういうものに積極的に取り組んで、少なくとも
消費者から疑惑の目をもって牛乳が見られることのないような
措置をとっていただきたい。
私は、
最後に厚生省に、今後の監視
体制についてお伺いをしたいのでありますが、一点は、相も変わらずこういうような異種脂肪が隠れて、人目をかすめてこのようなものが全国を横行しておるという通達を、私は拝見いたしました。これはゆゆしいことです。こういうような通達が出る背景には、いまだに異種脂肪なるものが法の目をかすめて、そうしてあるところで箱を詰めかえて、そうして製造月日も住所も書かないで、ある倉庫で詰めかえをされてどんどん牛乳業者に売られていくということが、厚生省でつかまったのですよ。私は、こういう事実があるから、本来まじめにやっている酪農家の皆さん、あるいはまじめに牛乳を
生産しているところのメーカー、そういうものが大きな疑惑の目をもって見られないような、そういう
措置をとっていただきたい。悪いものは徹底的に追及をして責任を明らかにさせる、そういうことが必要ではないだろうか、こう思います。
最後に厚生省の
見解をひとつ伺いたい。