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三ツ林委員 次に、最近水
需要の増大と用地の問題からして、ダム建設の困難化に伴って
農業用水の既得水利権に新たな水源を求める動きがあるように伺っております。もとより
農業水利側といたしましても、不必要なものをいたずらにかかえ込むという姿勢をとり続けているものではありませんが、現在の
農業用水は決してただの水を浪費しているというわけではなく、過去数百年にわたる農民の血と汗の結晶により建設、維持、管理してきた水利
施設によって取水が可能となっていることであります。また、
農業生産、特に稲作の特性と現在の技術水準から見て相当な水を使用することはやむを得ないものでありますが、また、一度使用された
農業用水の相当部分は河川に還元されるものでありますので、この点都市用水とは基本的な性格の差異があると考えられます。このような
農業用水の歴史的
経過及び特性を無視して、たまたま
生産調整等の特殊
事情があることに乗じて行政官庁の許認可によって
農業水利権の
内容を変更しようとする動き方、考え方は納得できませんし、
農業用水にとって重大な問題だろう、かように考えます。
現在、
農林省におかれましても
農業用水
合理化事業が予算化されまして、
改正法案においても用水の他に転用を前提とした条文があるようですが、この際、
農業水利権についての
大臣のお考えを明確にお示し願いたいと思います。