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江崎国務大臣 これは的確な御
質問でして、私全く
大出議員が御
指摘になりましたとおりに思っておるわけなんです。実はあの当時、一々こまかい話は申し上げませんが、たとえば予算
委員会で、物資の過剰輸送、空幕の問題が取り上げられました。あのときに予算
委員会において、
責任者を処分する、こういう
話し合いが行なわれて、与野党の間で食い違いがあった。私は当時も、だんだん調べてみると、これは空幕長には
責任がない。あの当時空幕長は百里の
基地に出張をしておりまして不在であった。そういう事態で、次官以下が、
関係者が知らない。私も知らない。それは次官も知らぬのですから、私が知らぬのも当然でありましょう。
ところが、
基地から帰りました空幕長から直接話を聴取し、内部をだんだん調べてまいりますと、いま御
指摘になったような、繰り返しはいたしませんが、そういう事実が出てきたわけです。いやそればかりか、内局においては、すでに四十数名の準備要員というものを
沖繩に空幕から出張させる許可を与えている。その四十数人は、現地において、送られたところの物資であるベッドを組み立てる、炊飯用具をあるべきところに置く、そういう仕事のために出かけていくのだ。そうであれば当然仕事の材料を送ったのである。しかもその物資そのものは、武器とは
関係がないとはいいながら、他国に物を出す
関係になりますので通産省の議を経ておるというようなことで、内局も相談にあずかっておる。なるほど最高幹部は知らなかったが、内局においてはチェックされておったのだ。そうなれば、これは、必ずしもいまの空幕長が罷免に値するような問題とは考えられない。常識的な
判断には欠けたところがあろう。
国会及び世上で自衛隊配備は慎重でなければならぬということがしばしばいわれ、
総理みずからもそう言っておるときに、常識的配慮の欠けた点は私は認めなければならぬが、空幕長なる者がいたずらに政治
判断を加えてくれたらそれこそ困るので、政治的な配慮というものは内局がすべきだ。その内局が注意喚起を怠ったというのであるならば、むしろ
責任は内局のそれぞれの
関係者にあるのではないか。こういうことで、実は衆参両院の予算
委員会でも、このことをしばしば申し上げて今日に至ったわけであります。このことは、私、調査ができました当時からはっきり申し上げておる。
それでは、あの当時の知らなかったというのは一体何なんだ。これはまさに知らないことは知らないと言う。ああいう場合にうそを言ったり当面を糊塗したりいたしますと、とかく矛盾撞着が
あとから出てきてつじつまが合わなくなる。だから、聞いておらなかったということであるならば聞いていないということ。また、承知しないということは率直に言ったらよかろう。しかし、調査の結果はっきりしてくれば、そのことをまたはっきり言うべきであって、これは
大出さんがいま御
指摘になるとおりでありまして、そういうことを、しばしば機会あるごとに、特に参議院に予算が参りましてからの
段階でも繰り返し申し上げてきたわけであります。シビルコントロールということはもとより、これもいまおっしゃるように、罪のない制服を罪におとしいれる、そんなことをしたら、これはいかにもシビルコントロールを誤る原因をなすものだと思います。
ただ世上、こういう問題の事柄から、内局、あるいは
防衛庁長官も、この
責任の所在について、検討の
段階で手のひらをひるがえすごとく、いかにも空幕長に
責任なしというようなことを言いかけたじゃないか、その背後にはどこかからおどしがかかったのだろう、そういう疑いが週刊誌等にもおもしろおかしく取り上げられたことも事実であります。しかし私
自身も、おどしを受けた覚えもありませんし、かりそめにもおどしなどがあったら、私は政治家の
責任において、特に
防衛庁長官の
責任において、これはどういう形にしろ反発もするでありましょうし、そういうことこそシビルコントロールにもとることなんですね。ですから、これは重要に考えなければならなかったと思うのです。けれ
ども、そういうことは寸毫もございません。一切そういうことはないのです。それが、
日本の週刊誌等をどう参照したのか、あの当時の、デマともなく、うわさともなぐ伝わりましたいろいろな話が、先ほど御
指摘のような
新聞に取り上げられ、外国にまでそういう疑わしいようなことになったことは、いかにも残念に思っております。
したがいまして、このことをいま繰り返したわけでありますが、全く制服側には落ち度はなかった。落ち度があるとするならば、これは常識的配慮に欠けた。これは厳重訓戒ということで一応
責任追及をしたつもりでおるわけであります。しからば
あとどうするのか。これについては、いま御
指摘の点などを十分配慮しながら、私は
責任をもって対処したい、こういうふうに考えております。