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大出委員 これはいま御
説明があったとおりでございますが、
宮廷費が一つございますが、との
宮廷費は、
宮内庁関係に使う
公金、まず簡単に言えばこういうことになりますね。
天皇の御外遊であるとか、あるいは国内での
公的行事をまかなうとか、あるいは
宮内庁職員の
給与や
経費もこれに含まれる、
宮廷費はこういうことだと思います。これはたしか十九億六千六百十七万六千円でございますか。
あと皇族費がございますね。たとえば高松宮さまとか
三笠宮さまとか各宮家、これは一千万円ぐらいだろうと思うのでありますが……。
内廷費が今回は一億一千二百万円ですか。前回九千五百万円でございましたね。
こういう内訳になっているわけでありますけれ
ども、なぜこういう
質問を私するかと申しますと、いま
長官から御
説明のあった経緯を経て、戦後、
歳入歳出予算に組むということになっているわけですね。したがってその
意味では、
国民の
税金でまかなうことになっています。
予算でまかなう。そこで、いつも
改定で出てくるものはどういうものかというと、
物価の
上昇これありということで出てくる。こういう経過です。
ところで、
物価が上がったから、しからば九千五百万円を一億一千二百万円にアップするのだ、それなりにその言っていることはわからぬわけではないのですけれ
ども、しからば
内廷費というものは、現実に即してみて、足りる
経費なのか、足らない
経費なのかという点でございますが、それは何をもって
基準として考えるかという点の尺度はない。なぜならば、今日、
皇室の、つまり
一般的には台所ですね。これはどうなっているのだといった場合に、ただ九千五百万円を一億一千二百万円に上げた、それじゃいいのかと言ったときに、いいのか悪いのかさっぱりわからない。ただ
物価が上がったということだから上げるのだということになるのですね。そうすると、
国民一般からものを考える場合に、非常に苦しい
生活をなさっておられるのか、あるいはそうではないのか、
そこらの判断もつきかねる、こういうことになっておるわけですね。
そういうことになると、それでは一体
皇室財産というのはどうなっているのだという問題が一つ出てくるわけですね。お
手元金ですからね、
内廷費というのは。
繰り越しもできますね。もちろん
税金もかからないし、報告の義務もないわけですね。ところが、いまの
お話を聞いてみましても、御
降嫁になるような場合に
いろいろ金が要るから積み立てるとおっしゃる。確かにそのとおりだと思うのですね。人の親である限りは、できる限りのことはしたいのが人情でありましょう。そうすると、はたして、そういうような金が出てくる、あるいはそういう金を出すについて、ほんとうに楽にそのくらいのことができるような
経費なのか。
内廷費というものは、そのくらいの差し繰りができるものなのか、あるいはそうではないのかという点もさっぱりわからない。
私はかつて、
宮内庁を所管をする
記者の方に、いろいろ聞いてみたことがある。なかなかめんどうな
しきたりで、へたに
そこらの
取材をやっているようなことを言うと、おこられてしまう、そういう話をかつて聞きまして、私も非常に困ったことがあるのです。それで私もこの
委員会に長いですから、何べんかこの
改正にぶつかるのですけれ
ども、そのつど大蔵省に聞いてみても何かさっぱりわけがわからないし、おたくに聞いてみても、あるときには、
御前でございますと言ってお触れにならなかったり、何とかちょっとと思って聞くと、また
御前でございますとなってみたりして、さっぱり要領を得ぬわけです。だからもう少しその辺、
皇室の
ふところぐあい、
一般に言えばそういうことになりますが、
そこらのところは、どう私
どもは理解すればいいのかという点くらいは、あなた方の側から、何かわれわれが納得し得る言い方というものはできないものか。
時代が変わっておりまして、戦後の
憲法下における今日の事情というものは、
国民に知らせるべきものは相当知らしてもいいのではないかと私は思っておる。それがどうも昔の
しきたりが非常に固定化して、
取材をするのにも苦しいということになっておると、そのことはどこにはね返るかというと
皇室にはね返る。そして
宮内庁の責任というものは非常にむずかしいところに来ているという感じがする。そう思いますので、
審議するにあたって、全くかいもく
見当のつかぬ
審議というものはするわけにいかぬ。だから、単に
物価が上がったからというのではなしに、今回の
改正提案をなさっている九千五百万円から一億一千二百万円に上げるというのは、その奥にあられる御
生活自体を考えてみて、これでいいということになるのかどうか。ならぬなら、ならぬということを率直に言っていただきたい。
皇室は
憲法上明確になっているわけでありますが、
ふところの御状態というものを知りませんので、
そこらのところはもう少しわかりやすく、せっかくの
国会の
審議ですから、
お話し願えればと思うのですが、いかがですか。