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1972-03-09 第68回国会 衆議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十六年十二月二十九日)(水 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 伊能繁次郎君    理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君    理事 塩谷 一夫君 理事 湊  徹郎君    理事 山口 敏夫君 理事 大出  俊君    理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君       阿部 文男君    天野 公義君       加藤 陽三君    笠岡  喬君       鯨岡 兵輔君    篠田 弘作君       園田  直君    辻  寛一君       中山 利生君    葉梨 信行君       古井 喜實君    上原 康助君       川崎 寛治君    木原  実君       土井たか子君    横路 孝弘君       鬼木 勝利君    鈴切 康雄君       受田 新吉君    東中 光雄君 ————————————————————— 昭和四十七年三月九日(木曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 伊能繁次郎君    理事 加藤 陽三君 理事 坂村 吉正君    理事 塩谷 一夫君 理事 湊  徹郎君    理事 山口 敏夫君 理事 大出  俊君    理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君       阿部 文男君    天野 公義君       辻  寛一君    上原 康助君       土井たか子君    横路 孝弘君       鬼木 勝利君    受田 新吉君       東中 光雄君    松本 善明君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 江崎 真澄君  出席政府委員         総理府総務副長         官       砂田 重民君         防衛庁参事官  鶴崎  敏君         防衛庁参事官  岡太  直君         防衛庁長官官房         長       宍戸 基男君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         防衛庁人事教育         局長      江藤 淳雄君         防衛庁装備局長 黒部  穰君         防衛施設庁長官 島田  豊君         防衛施設庁総務         部長      長坂  強君         防衛施設庁施設         部長      薄田  浩君         防衛施設庁労務         部長      安斉 正邦君         沖繩北方対策         庁長官     岡部 秀一君         沖繩北方対策         庁総務部長   岡田 純夫君         沖繩北方対策         庁調整部長   田辺 博通君     ————————————— 委員の異動 二月一日  辞任         補欠選任   鯨岡 兵輔君     原 健三郎君 同月十五日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     松本 善明君 三月七日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     山手 滿男君 同日  辞任         補欠選任   山手 滿男君     笠岡  喬君 同月八日  辞任         補欠選任   松本 善明君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     松本 善明君 同月九日  辞任         補欠選任   松本 善明君     東中 光雄君 同日  辞任         補欠選任   東中 光雄君     松本 善明君 同日  理事湊徹郎君同日理事辞任につき、その補欠選  任として加藤陽三君が理事に当選した。     ————————————— 四十六年十二月二十九日  行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出、第六十五回国会閣法第二八号)  労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、第六十五回国会閣法第九二号)  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出、第六十七回国会閣法第一八号) 同月三十日  沖繩開発庁設置法案内閣提出、第六十七回国  会閣法第五号)  沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用特別  措置等に関する法律案内閣提出、第六十七回  国会閣法第七号) 四十七年二月三日  皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第六号)  郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九号) 同月八日  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一一号)  在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第一三号)  農林省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一七号) 同月九日  運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第二五号) 同月十日  許可、認可等の整理に関する法律案内閣提  出第二八号)  労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第三三号) 同月十八日  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五四号) 同月二十一日  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  六六号) 三月八日  航空事故調査委員会設置法案内閣提出第四四  号) 三月七日  在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第一三号)  は内閣修正された。 二月二十八日  靖国神社国家管理反対に関する請願青柳盛  雄君紹介)(第六一号)  同(浦井洋紹介)(第六二号)  同(小林政子紹介)(第六三号)  同(田代文久紹介)(第六四号)  同(谷口善太郎紹介)(第六五号)  同(津川武一紹介)(第六六号)  同(寺前巖紹介)(第六七号)  同(土橋一吉紹介)(第六八号)  同(林百郎君紹介)(第六九号)  同(東中光雄紹介)(第七〇号)  同(不破哲三紹介)(第七一号)  同(松本善明紹介)(第七二号)  同(山原健二郎紹介)(第七三号)  同(米原昶紹介)(第七四号)  同(青柳盛雄紹介)(第九〇号)  同(浦井洋紹介)(第九一号)  同(小林政子紹介)(第九二号)  同(田代文久紹介)(第九三号)  同(谷口善太郎紹介)(第九四号)  同(津川武一紹介)(第九五号)  同(寺前巖紹介)(第九六号)  同(土橋一吉紹介)(第九七号)  同(林百郎君紹介)(第九八号)  同(東中光雄紹介)(第九九号)  同(不破哲三紹介)(第一〇〇号)  同(松本善明紹介)(第一〇一号)  同(山原健二郎紹介)(第一〇二号)  同(米原昶紹介)(第一〇三号)  同(青柳盛雄紹介)(第一〇四号)  同(浦井洋紹介)(第一〇五号)  同(小林政子紹介)(第一〇六号)  同(田代文久紹介)(第一〇七号)  同(谷口善太郎紹介)(第一〇八号)  同(津川武一紹介)(第一〇九号)  同(寺前巖紹介)(第一一〇号)  同(土橋一吉紹介)(第一一一号)  同(林百郎君紹介)(第一一二号)  同(東中光雄紹介)(第一一三号)  同(不破哲三紹介)(第一一四号)  同(松本善明紹介)(第一一五号)  同(山原健二郎紹介)(第一一六号)  同(米原昶紹介)(第一一七号)  同(青柳盛雄紹介)(第一六八号)  同(浦井洋紹介)(第一六九号)  同(小林政子紹介)(第一七〇号)  同(田代文久紹介)(第一七一号)  同(谷口善太郎紹介)(第一七二号)  同(津川武一紹介)(第一七三号)  同(寺前巖紹介)(第一七四号)  同(土橋一吉紹介)(第一七五号)  同(林百郎君紹介)(第一七六号)  同(東中光雄紹介)(第一七七号)  同(不破哲三紹介)(第一七八号)  同(松本善明紹介)(第一七九号)  同(山原健二郎紹介)(第一八〇号)  同(米原昶紹介)(第一八一号)  同(青柳盛雄紹介)(第二二八号)  同(浦井洋紹介)(第二二九号)  同(小林政子紹介)(第二三〇号)  同(田代文久紹介)(第二三一号)  同(谷口善太郎紹介)(第二三二号)  同(津川武一紹介)(第二三三号)  同(寺前巖紹介)(第二三四号)  同(土橋一吉紹介)(第二三五号)  同(林百郎君紹介)(第二三六号)  同(東中光雄紹介)(第二三七号)  同(不破哲三紹介)(第二三八号)  同(松本善明紹介)(第二三九号)  同(山原健二郎紹介)(第二四〇号)  同(米原昶紹介)(第二四一号)  同(青柳盛雄紹介)(第二七九号)  同(浦井洋紹介)(第二八〇号)  同(小林政子紹介)(第二八一号)  同(田代文久紹介)(第二八二号)  同(津川武一紹介)(第二八三号)  同(土橋一吉紹介)(第二八四号)  同(林百郎君紹介)(第二八五号)  同(東中光雄紹介)(第二八六号)  同(山原健二郎紹介)(第二八七号)  同(米原昶紹介)(第二八八号)  傷病恩給改善に関する請願外一件(齋藤邦吉君  紹介)(第一二七号)  同外三十三件(西村直己紹介)(第四二二号)  同外六件(松永光紹介)(第五四四号)  一世一元制法制化に関する請願始関伊平君  紹介)(第二〇九号)  同(浜田幸一紹介)(第二一〇号)  国旗、国歌の法制化に関する請願始関伊平君  紹介)(第二一一号)  同(浜田幸一紹介)(第二一二号)  戦争犯罪裁判関係者見舞金支給に関する請願  (石井光次郎紹介)(第二六〇号)  海の日制定に関する請願荒木萬壽夫紹介)  (第四二〇号)  同(亀山孝一紹介)(第四二一号)  靖国神社国家護持に関する請願高鳥修君紹  介)(第五四三号) 同月二十九日  靖国神社国家管理反対に関する請願青柳盛雄  君紹介)(第六三八号)  同(浦井洋紹介)(第六三九号)  同(小林政子紹介)(第六四〇号)  同(田代文久紹介)(第六四一号)  同(谷口善太郎紹介)(第六四二号)  同(津川武一紹介)(第六四三号)  同(寺前巖紹介)(第六四四号)  同(土橋一吉紹介)(第六四五号)  同(林百郎君紹介)(第六四六号)  同(東中光雄紹介)(第六四七号)  同(不破哲三紹介)(第六四八号)  同(松本善明紹介)(第六四九号)  同(山原健二郎紹介)(第六五〇号)  同(米原昶紹介)(第六五一号)  同(青柳盛雄紹介)(第七三六号)  同(浦井洋紹介)(第七三七号)  同(小林政子紹介)(第七三八号)  同(田代文久紹介)(第七三九号)  同(谷口善太郎紹介)(第七四〇号)  同(津川武一紹介)(第七四一号)  同(寺前巖紹介)(第七四二号)  同(土橋一吉紹介)(第七四三号)  同(林百郎君紹介)(第七四四号)  同(東中光雄紹介)(第七四五号)  同(不破哲三紹介)(第七四六号)  同(松本善明紹介)(第七四七号)  同(山原健二郎紹介)(第七四八号)  同(米原昶紹介)(第七四九号)  同(青柳盛雄紹介)(第七六四号)  同(浦井洋紹介)(第七六五号)  同(小林政子紹介)(第七六六号)  同(田代文久紹介)(第七六七号)  同(谷口善太郎紹介)(第七六八号)  同(津川武一紹介)(第七六九号)  同(寺前巖紹介)(第七七〇号)  同(土橋一吉紹介)(第七七一号)  同(林百郎君紹介)(第七七二号)  同(東中光雄紹介)(第七七三号)  同(不破哲三紹介)(第七七四号)  同(松本善明紹介)(第七七五号)  同(山原健二郎紹介)(第七七六号)  同(米原昶紹介)(第七七七号)  同(青柳盛雄紹介)(第七九八号)  同(浦井洋紹介)(第七九九号)  同(小林政子紹介)(第八〇〇号)  同(田代文久紹介)(第八〇一号)  同(谷口善太郎紹介)(第八〇二号)  同(津川武一紹介)(第八〇三号)  同(寺前巖紹介)(第八〇四号)  同(土橋一吉紹介)(第八〇五号)  同(林百郎君紹介)(第八〇六号)  同(東中光雄紹介)(第八〇七号)  同(不破哲三紹介)(第八〇八号)  同(松本善明紹介)(第八〇九号)  同(山原健二郎紹介)(第八一〇号)  同(米原昶紹介)(八一一号)  立川基地への自衛隊移駐反対等に関する請願  (横路孝弘紹介)(第七九七号) 三月四日  靖国神社国家管理反対に関する請願青柳盛  雄君紹介)(第八四〇号)  同(浦井洋紹介)(第八四一号)  同(小林政子紹介)(第八四二号)  同(田代文久紹介)(第八四三号)  同(谷口善太郎紹介)(第八四四号)  同(津川武一紹介)(第八四五号)  同(寺前巖紹介)(第八四六号)  同(土橋一吉紹介)(第八四七号)  同(林百郎君紹介)(第八四八号)  同(東中光雄紹介)(第八四九号)  同(不破哲三紹介)(第八五〇号)  同(松本善明紹介)(第八五一号)  同(山原健二郎紹介)(第八五二号)  同(米原昶紹介)(第八五三号)  同(浦井洋紹介)(第九一六号)  同(小林政子紹介)(第九一七号)  同(土橋一吉紹介)(第九一八号)  同(林百郎君紹介)(第九一九号)  同(東中光雄紹介)(第九二〇号)  同(不破哲三紹介)(第九二一号)  同(米原昶紹介)(第九二二号)  海の日制定に関する請願竹本孫一紹介)(第  八五四号)  傷病恩給改善に関する請願外一件(坪川信三君  紹介)(第九二三号)  自主憲法制定等に関する請願外一件(江藤隆  美君紹介)(第一〇三七号)  立川基地への自衛隊移駐反対等に関する請願  (土橋一吉紹介)(第一〇三八号) 同月八日  従軍日赤看護婦に対する恩給法適用に関する請  願(井出一太郎紹介)(第一一五七号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第一一五八号)  同(倉石忠雄紹介)(第一一五九号)  同(小坂善太郎紹介)(第一一六〇号)  同(下平正一紹介)(第一一六一号)  同(中澤茂一紹介)(第一一六二号)  同(原茂紹介)(第一一六三号)  同(松平忠久紹介)(第一一六四号)  同(向山一人紹介)(第一一六五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  沖繩開発庁設置法案内閣提出、第六十七回国  会閣法第五号)  沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用特別  措置等に関する法律案内閣提出、第六十七回  国会閣法第七号)  国の防衛に関する件      ————◇—————
  2. 伊能繁次郎

    伊能委員長 これより会議を開きます。  この際、江崎防衛庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。江崎防衛庁長官
  3. 江崎真澄

    江崎国務大臣 一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。  実は旧臘にわかに西村防衛庁長官のあとを引き受けることになりました。自来、沖繩協定委員会沖特委員会で終始いたしておりまして、内閣委員会皆さま方には、本日初めて出席をいたしましてお目にかかる次第でございます。万事ふなれでございますが、ひとつどうぞよろしくお引き回しを願いたいと思います。(拍手)      ————◇—————
  4. 伊能繁次郎

    伊能委員長 理事辞任の件についておはかりいたします。  理事湊徹郎君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 伊能繁次郎

    伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいまの湊徹郎君の理事辞任に伴いまして、理事が一名欠員となりましたので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 伊能繁次郎

    伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。それでは、理事加藤陽三君を指名いたします。      ————◇—————
  7. 伊能繁次郎

    伊能委員長 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  今会期中、国の行政改善をはかり、公務員制度及び給与の適正を期する等のため、  一、行政機構並びにその運営に関する事項  二、恩給及び法制一般に関する事項  三、国の防衛に関する事項  四、公務員制度及び給与に関する事項  五、栄典に関する事項 以上の各事項について、小委員会設置関係方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により国政調査を行なうこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 伊能繁次郎

    伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  9. 伊能繁次郎

    伊能委員長 沖繩開発庁設置法案及び沖繩復帰に伴う防衛庁関係法律適用特別措置等に関する法律案の両案を議題といたします。      ————◇—————     —————————————
  10. 伊能繁次郎

    伊能委員長 両案につきましては、第六十七回国会におきまして、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 伊能繁次郎

    伊能委員長 御異議なしと認めます。そのように決しました。     —————————————
  12. 伊能繁次郎

    伊能委員長 次に、沖繩復帰に伴う関係国内法等審査に資するため沖繩に派遣されました議員団代表いたしまして、坂村君から発言を求められておりますので、これを許します。坂村君。
  13. 坂村吉正

    坂村委員 先般、衆議院から派遣されました衆議院沖繩派遣議員団沖繩視察について、派遣議員団代表して、私から視察の概要を申し上げます。  衆議院沖繩派遣議員団は、大出俊君、和田耕作君、伊藤惣助丸君、山口敏夫君及び東中光雄君と、団長となりました私、坂村吉正の六名で構成され、現地において上原康助君の参加を得て、二月七日より同月九日まで三日間にわたり、沖繩現地事情視察を行なってまいりました。  当派遣議員団は、本年五月十五日と決定した沖繩祖国復帰目前に控え、沖繩復帰に伴う関係国内法等審査に資するため、現地各界方々懇談し、意見を聴取することを主たる目的としたのであります。  このような目的のもとに、加藤沖繩北方対策庁沖繩事務局長高瀬沖繩復帰準備委員会日本政府代表星立法院議長屋良琉球政府行政主席をはじめ沖繩県労働組合協議会とその傘下の各労働組合民間労働組合琉球商工会議所沖繩経営者協会沖繩市町軍用地地主会連合会市町村会及び市町村議会議長会各界代表とそれぞれ懇談し、事情を聴取したのであります。  各界代表からは、通貨の切りかえ、公務員給与及び民間労働者賃金の一ドル対三百六十円の保障物価対策、第四種軍労働者の第一種への切りかえ、金融逼迫緩和等各般にわたって意見要望等が述べられたのでありますが、特に通貨問題については、いずれの代表からも、この問題は深刻な問題であり、日本政府の責任において解決してほしいと強く訴えられたのであります。  以下、視察した結果について、簡単に所見を申し述べたいと存じます。  一、賃金の一ドル三百六十円による保障につい   て。円の切り上げに伴う大幅な物価上昇もあ   り、もし一ドル三百八円で賃金を換算される   ならば、公務員民間労働者とも実質賃金は   はなはだしく減額されることとなる実情にあ   るので、この問題については、政府の適切な   対策を望みたいのであります。  二、生活必需物資価格安定資金について。本資   金の運用状況は必ずしも適切であるとは思わ   れない。制度の仕組み、申請手続の複雑さ等   に問題があると思われるので、資金の所期の   目的が達成されるよう琉球政府はもとより日   本政府においても、これらの点について再検   討する必要があると考えます。  三、金融逼迫緩和策について。円の切り上げ   によって本土との取引面切り上げ幅に相当   する額の沖繩経済からの資金流出等が生   じ、金融が逼迫している状況にあるので、大   衆金融公庫等に対する資金の追加その他必要   な金融緩和対策を至急検討し実施するよう   政府に望みたいのであります。  四、軍労働者雇用安定対策について。米軍   は、復帰前にも大幅な軍労働者の解雇をしよ   うとしているようでありますが、軍労働者の   雇用安定と円滑なる復帰という立場から、政   府において米軍と折衝するなど適当な措置を   講ずべきであると考えます。また、第四種軍   労働者についても、その職種、雇用状態等を   十分に把握し、雇用機会の少ないという沖繩   の事情等を考慮の上適切な措置を望みたいの   であります。  五、土地問題等について。土地所有権確定問   題については、第二次大戦下における戦場、   引き続く連合軍占領等という沖繩事情か   ら公図公簿等の不備による所有権をめぐる   紛争等によって沖繩振興開発計画に支障が   生ずることも予想されるので、政府は、土地   調査等措置について早急に検討すべきであ   ると考えます。  以上、所見について、その結論のみを申し上げましたが、現地における各界代表との懇談の内容の詳細につきましては、衆議院沖繩派遣議員団報告書として議長に提出いたしましたので、これを当委員会会議録に掲載されるよう委員長においてお取り計らい願い、それによって御承知をいただきたいと存じます。  最後に、今回の視察にあたり、終始派遣議員団に御協力を賜わった各方面方々に深く感謝申し上げます。  なお、去る二月十七日、当委員会理事懇談会において、砂田総理府総務副長官並びに沖繩北方対策庁、大蔵省、経済企画庁等関係各当局の出席を求め、これらの問題について検討を行ないましたことを申し添えます。
  14. 伊能繁次郎

    伊能委員長 この際おはかりいたします。  ただいま坂村君から御提案がありましたとおり、衆議院沖繩派遣議員団報告書会議録に参照掲載するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 伊能繁次郎

    伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書本号末尾に掲載〕     —————————————
  16. 伊能繁次郎

    伊能委員長 山中総理府総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。山中長官
  17. 山中貞則

    山中国務大臣 ただいまの本委員会沖繩現地調査報告にありました政府に対する要望事項について、所見を述べさせていただきます。  本年五月十五日の沖繩祖国復帰目前にして、いよいよ復帰準備も最終的な仕上げの段階に入ってまいりました。この重要な時期に、本委員会より委員派遣が行なわれ、当面する沖繩の諸問題等現地事情についてつぶさに調査が行なわれましたことは、まことに時宜を得た適切な措置と考える次第であります。  ただいまの報告にもありましたように、復帰が確定した今日、沖繩のかかえる重大な問題の一つは通貨の問題であります。この問題の本質は、ドル通貨圏にある沖繩をいかにして本土円経済の体系に円滑に移行せしめるかという基本的な課題に加えて、昨年末における円の為替レート切り上げのもたらした沖繩への衝撃をいかにして緩和するかという課題であります。  私は、沖繩県民が好むと好まざるとにかかわらず、合衆国通貨をもって唯一の法定通貨とされ、他方諸物資の輸入については約八割を本土円経済に依存せざるを得ないという事実に着目したとき、円の為替レート切り上げ沖繩に与える影響の度合いは本土のそれとは根本的に異質なものであり、本土からは想像もつかないほど深刻かつ重大な問題であると考えるものでありますが、このような観点から、われわれ本土の国民は、復帰目前に控えての沖繩通貨問題の重大さに深い理解をもって対処すべきであることを痛感するものであります。  ところで、沖繩合衆国通貨復帰時における取り扱いの基本的な原則は、沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律に定められているように、復帰の日前における外国為替の売買相場の動向を勘案して内閣の承認を得て大蔵大臣が定める交換比率により本邦通貨と交換するということになっております。しかしながら、この原則のみに固執する場合の、沖繩県民の生活の基盤そのものに与える深刻な影響を考慮して、実質的にこれらの影響を除去もしくは緩和するための政策的な措置、たとえば通貨及び通貨性資産切替対策特別給付金の支給、生活必需物資価格安定資金の設定等の措置を講じているのであります。  そこで、まず、通貨問題に関連して復帰後の賃金問題が提起されているのでありますが、この問題については、琉球政府職員等公務員給与は、職員の履歴等によって本土公務員給与に再計算をして格づけされるものであり、すでに人事院においては、琉球政府の協力を得て給与の仮計算を行なっているところであり、琉球政府当局と組合との間の話し合いも円滑に進むものと考えております。他方、民間労働者給与については、本来民間の問題には政府は直接介入しないというのが政府の一貫した姿勢であります。  しかし、今回、琉球政府の要望にこたえて、沖繩金融逼迫を緩和し一景気浮揚に資するため政府がとりました次の措置は、結果的に民間労使間の給与問題の話し合いを円滑にすることにも役立ちました。  その措置は、第一に中小企業特別対策として、すでに琉球政府の一九七二会計年度において、産業開発資金融通特別会計及び大衆金融公庫で融資を行なっている三十三億三千百万円に加えて産業開発資金融通特別会計へ十億円、大衆金融公庫へ七億六千万円合計十七億六千万円の範囲内において資金需要の実態を勘案の上追加融資すること。第二に、電気、バス、タクシー等の許認可料金について賃金を一ドル三百六十円で換算し得るような料金を新たに設定すること。第三に、沖繩金融機関の貸し倒れ引き当て金の繰り入れ率を現行の千分の十から千分の十五に引き上げ、復帰後一年を経過した日以後に終了する事業年度から本土並みの千分の十二の繰り入れ率とすることの三点について決定したのであります。  ところで、昨年八月の為替変動相場制移行に伴う緊急対策として措置した生活必需物資価格安定資金の運用の問題については、琉球政府としてもかつて経験したことのない措置であり、また、その運用のための琉球政府の立法、規則等の制定、その他事務体制の確立等のために相当の準備期間を要し、さらに、輸入業者の補助金申請においても事務的な不なれがあったことなどの理由から、これまで資金の交付がおくれておりますが、すでに琉球政府に対して指導を行なっており、事務能率の向上と相まって資金の交付が円滑に行なわれるものと考えております。  なお、この価格安定資金に対してすでに本年度予備費から二十億円を支出しておりますが、年度内の不足分については追加支出をし得るよう現在財政当局と協議中であり、また、明年度五月十五日までの所要経費については約十三億八千万円を昭和四十七年度予算に計上しております。  次に、軍労働者の雇用問題については、復帰時における本土の駐留軍労働者の場合と同様の雇用形態への円滑な移行をはかるべく、目下関係省庁において所要の準備が進められておりますが、一方、沖繩振興開発特別措置法においても、合衆国軍隊の縮小、撤退等に伴う失業等の避けがたい事態の起こることを想定して、これに対処するため職業の安定をはかるための特別措置を講ずることにしているところであります。  次に、土地問題については、沖繩においては戦災による公簿の焼失、地形の変容等により権利関係が不明な土地を多く生じているのでありますが、従来より本土政府の財政援助のもとに琉球政府土地調査庁において本土の国土調査法にならった土地調査法に基づく地籍調査を実施してきており、その進捗率は沖繩全土の約五七%に達しております。  復帰後も国土調査法その他の法令による地籍調査を進めていくことになりますが、沖繩本島中部等には権利関係が不明確なため、国土調査法等による地籍調査が困難と思われる地域も多いのであります。  これらの土地については、関係地主等の間の話し合いで自主的に境界が定まることが望ましいと考えられますが、土地の権利関係の確定、地籍調査の推進は、今後沖繩の振興開発をはかる上でも特に急がれる問題でありますので、これを推進するために関係省庁、沖繩県及び市町村が協力して解決に当たる必要があると考え、四十七年度予算に調査費を計上しております。  いずれにしても、沖繩復帰に伴い解決されなければならない問題はいまだ数多いのでありますが、政府としては、今後ともこれらの問題の解決に最善を尽くすとともに、沖繩祖国復帰した後においては、県民福祉の向上をはかるため、積極的に沖繩の振興開発を推進していく所存であります。  以上、私の所見を述べさせていただきました。      ————◇—————
  18. 伊能繁次郎

    伊能委員長 国の防衛に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  19. 大出俊

    大出委員 江崎長官に承りたいのですが、あなた防衛庁長官におなりになってからろくなことをされぬですな。四次防の先取りだなんていって、T2だとか、あるいはRF4Eだとか、C1だとか、これは私あなたとたまたまNHKの討論会で一緒になりましたから、あのときに、あなたそんなのんきなことを言っているけれども、そんなことで簡単に通りませんぞということを言っておいたのですが、結果的にはそのとおりになって、二十日間近い空白を生ずるということになっているわけです。そこへもってきてまた立川の移駐問題、いささかこれは腹に据えかねるのです。これはあなた、一体どういう経緯でああいうことをおやりになったのか。新長官でございますから、いまごあいさついただいたばかりでございまして、それで初めからそんなことをやられたら、先が思いやられるのだけれども、あなたのその点に対する責任と、あなたの心境を承りたいのです。
  20. 江崎真澄

    江崎国務大臣 立川への移駐につきましては、昨年の六月二十九日、ちょうど中曽根防衛庁長官の当時であります。もし首都、わけても京浜地区が災害にさらされたときに、一体その災害救急対策をどうするか。まあ、いつ大地震が来るかわからないといった風潮が当時世上ありまして、そういうものを背景にして、やはり平時にあっては民生協力ということが重要なたてまえである自衛隊としては、何らかの措置をとらなければならないということで、その決定がなされたというふうに、私、承知をいたしております。  そこで、自衛隊としては、自来、いつ立川に移駐するかということを検討してまいったわけでありますが、地元側に反対の意見も相当根強い。同時にまた、市長選挙がたまたま七月でしたかの終わりに行なわれるというような経緯等もありまして、その後、長官になられた増原君あるいは西村君という人たちも情勢を見ておった、こういうわけであります。したがいまして、私のときになりましてから、この問題は、やはり依然として市長さんをはじめ市議会側にも相当根強い反対があるということでした。市長には年末お目にかかり、それからまた年が変わりましてから、日にちはちょっと忘れましたが、一月の中旬であったかと思います、お目にかかりましたところ、市長には何度も懇請をしましたが、どうも御了解を得るまでに至りませんでした。ところが、たまたま市長と御一緒に来られました立川市議会の議長さん、この方が私どもの話を聞いていただきまして、首都圏、わけても京浜地区に大災害が起こった、これは火災にしろ地震にしろ水害にしろ、そういう場面でこの立川の飛行場から民生協力のための救急対策としての飛行を行なうのだというのであるならば、これはいままでは従来のような飛行場というふうに考えておった、そこで自衛隊の立川移駐は反対だということでわれわれも反対決議をしておったのだが、そういう大局に立った話を聞いてみれば、まことにこれは無理からぬことでもあるし、また実際、災害は忘れたころに来るというが、非常に重要な問題であるから一ぺん考えさしてもらおう、こういう御返事があったわけです。  その後承りますと、市議会においては、自衛隊配備反対という従来なされておりました決議を、議長及び多数の議員諸君の共同歩調で取り下げられた。それからは、一体いつ来るのだ、いつ来るの、だという問い合わせが間接に私のところへも、あるいは施設庁の関係者等々にも、しばしばあったわけであります。そんなことで、われわれは協力体制をとって決議を撤回したのであるが、一体自衛隊はいつ配備するのだ、来る来るといいながら来ないなんということでは、われわれとしても協調のしようがないじゃないかという御要請がしばしばあったわけであります。  市長さんには、東京施設局長等々を通じまして、その後も繰り返しお願い、御了解を申し上げてきたのでありますが、どうしてもこれは御了解がいただけません。市長の了解を得られないことはいかにも立場上残念に思っておりましたが、しかし、市議会の多数の方たちが、ぜひというわけであります。また関係地区の代議士の諸君からも、やるなら早くやれというような御意見等もありました。もちろん反対の意見もありましたが、かねての計画でありますし、これは一年越しの問題でもありますし、またほんとうににわかに大災害でもあるというようなことになりました場合に、これだけの計画が六月から持たれておりながら手をこまねいておったということではどうもぐあいが悪いということで、昨日を期して——一昨日に事実上はなったわけでありますが、とりあえず管制の実施訓練部隊を配備した、こういうわけでございます。
  21. 大出俊

    大出委員 昨日だが実際には一昨日と、あなたはこうおっしゃる。これは政務次官の野呂さんの話がここに載っていますが、これを見ると、野呂さん自身も、八日の午前三時過ぎと聞いていた、ところがどういうわけで七日になっちゃったんだろうか、というのが野呂さん自身の言い方ですよ。これは政務次官ですからね。またあなたは、予算委員会で何言うかと思うと、坂道だから車が速くなった——冗談じゃない、ふざけなさんな。だからこれは抜き打ちだ、やみ打ちだ、こそどろだということになる。新聞を見ると、こそどろから始まって真珠湾並みの背信行為と書いてある。ましていま沖繩での公用地の強制収用に関する法案が通っておりますから。  私は先月沖繩へ行ってまいりましたが、この点は各自治体とも、自衛隊の移駐に反対ない町村長さんあたりまで非常に心配しておった。強行されたんでは沖繩は二つになってしまうといって非常に心配しておられた。だからここにも、この新聞を見ますと、沖繩現地ではこの流儀でやられたんじゃたいへんだというんで非常に不安感を高めていると書いてある。こういう時期に何で一体あなた方は、正当な話し合いをなさろうということよりも、いまここに出たとおり、きのうというより実際にはおとといだった、そういうこそくなやり方をなさるのですか。
  22. 江崎真澄

    江崎国務大臣 先に政務次官の談話を申し上げますと、政務次官が、深夜の三時にトラック部隊が入り午後の時点でヘリコプター及び連絡機が、小型機が入る、こういうことに了承しておったというのは、それは七時の時点であったろうと私も思います。その後実は八時四十分ごろと私記憶いたしておりまするが、私も出先で会議をいたしておりましたところへ、内海事務次官から連絡がございまして、地元側ではどうも気配を察知して非常な抵抗に出る形勢がある——これはおそらく警察庁等々からの情報であったろうかと思います。そこで、自分の判断としては、自衛隊配備ということで何か衝突をして、機動隊等々の実力行使によって入るというようなことはこの際極力避けたいと思う、かねて、午前三時、及び小型航空機は午後ということにしておったが、数時間繰り上げてこれを実行したいと思うがどうであろうか、こういう了解を求めてきたわけです。そこで私は、もちろん正面衝突や混乱は当然避けるべきでありまするし、内海次官の情勢判断によって数時間繰り上げることはよろしいというわけで、そのことについては了承を与えたわけであります。  そのときに、大体何時ごろになるんだと言いましたところ、まあ十二時前後といいますか、十一時過ぎぐらいのところになろうかと思いますという話し合いをしておりますので、これは私の責任において判断をして実行したわけでございます。したがってそれが、きのう来問題になっております十一時四十六分にもう先頭のトラックがゲートに入った、これはまさにそのとおりのようであります。そしてこれは隊列を組んで動いたわけではありませんので、一番最初のが十一時四十六分に入り、そして分乗したそれぞれのトラックが入り終えたのは十二時三十分ごろ、こんなふうに報告を聞いております。  ただ問題になりますのは、この時間が早まった点において、私どもとしては、数時間早めるということでおおむね時間帯は聞いておりましたし、またこれに了承を与えたわけでありますが、ただ一点、地元の市長さんに、八日十二時を期してゲートに入りたいと思う、こういう電話を係官がしておるもののようであります。もしそうだとすれば、やはり、十一時四十六分はまさに七日でありまして、八日ではありません。本来ならば、どこかで時間が来るまで車をとめるなり、あるいは別の道路を回るなりして、やはり、そういう通告を申し上げてあるというなら、これは私しかるべき措置のしようもあったのではないか、この点はいかにも遺憾に思っております。  ただその場面で、方面隊の関係指揮官としては、途中の障害とかいろいろ考えておったところ、幸い障害もなく、しかも夜間交通渋滞もなくて時間より先に来た。しかしまあそれを、何か時間かせぎをして十二時過ぎまでに合わせることもないと思って、最初のものの入ることを認めた。先頭でありますから、これがどこかわき道を回っておりますと、またみんな事情もわからないままに非常な混乱を起こしても困りましょうし、という判断に立って、いささかどうも十五、六分の手違いをした。これはいかにも自衛隊らしからざる時間の観念に欠けた点もありまして遺憾に思います。遺憾に思いますが、われわれの了承しております範囲においては、その時間帯についてはそういうことで了承を与えておりまするので、その点はひとつお含みを願いたいと思うのです。
  23. 大出俊

    大出委員 何も前日入る了承をあなたは与えたんじゃないんでしょう。私は、七日の日に社会党の国民運動部から電話が入ってまいりまして、市長には八日という連絡が来ているんだがどうも先へ入っちゃったらしい。で、私も方々電話をかけて、あわてて調べてみたら、いまあなたがいみじくもおっしゃったような状態だった。これは普通だっておこりますよ。だから、あなたはついしゃべり過ぎる。私もそういう癖があるけれども、少し話が先に回転し過ぎる、あなたは。遺憾だったなら遺憾だったで切ればいい。だがしかしなんというのは、よけいなことだ。市長というのは公の行政長官ですからね。そこに八日という通知を出しておったなら、八日に入るのはあたりまえじゃないですか。まことに遺憾な話だ。遺憾なんだ、これは。だから沖繩あたりまでたいへん大きな心配を与えるようなことをやっちゃいけませんよ。一ぺんこれはあなたきれいに撤回したらどうですか。一ぺん撤退したら…。そうでないと、私は沖繩のこともあるから、沖繩防衛施設局なんというものは簡単につくれませんよ。こんな法案を論議することは断じてできない。そうならば、防衛庁提出の防衛庁関係法律適用特別措置に関する法案なんというものは、これは審議できません。善処してください、皆さんで。いかがですか。
  24. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはおことばでありますが、地元側が全部あげて反対というわけでは決してないわけでありまして…(「八二%だ」と呼ぶ者あり)八二%という数字も、私、承知はいたしておりますが、それは市議会が自衛隊配備反対という時点においてはそういうこともあったかと思いまするが、その後、市議会の議長をはじめ多数派の諸君が自衛隊配備反対決議というものを取り下げられて、そして同じ来るなら早く来いということになった今日の時点においては、私は市民感情というものもよほど変わってきておるというふうに考えるわけであります。したがいまして、地元側のそういう意見もあり、しかも民生協力という点に重点を置いて配備したわけでありまするので、ぜひこの点はお認めを願いたいものだと思います。  沖繩についての御指摘は、これはまさに御指摘のとおりいろいろ不安があると思います。われわれとしましては、十分沖繩県に対して自衛隊の本質を知ってもらう努力をしてまいりまして、やはりきのうも予算委員会でも申し上げたことでありまするが、これはひとつ話し合いの上で堂々とした形で配備できるように手配をしたいと思っております。どうぞひとつ防衛施設局設置等の問題については御協力を願いたいと思います。
  25. 大出俊

    大出委員 私も国会に九年間お世話になっておりますから、おまけに防衛を九年間やってきておりますから、たくさんの自衛隊配備の問題にぶつかってまいりました。私の足元でも、座間の例もある、相武台の例もある、あるいは厚木の例もある。だが、いずれの場合でも一〇〇%賛成とか一〇〇%反対とかというのはない。いつの場合でも比較多数か比較少数で反対か賛成が出てくる。いまはそういう世の中です。だがしかし、相武台でもそうだが、議会筋が賛成に回っても、地元の方々は反対が相当強いものだから、あれだけ長い時間をかけて、こちら側は入れるとか、こちら側は返すとかいうように、再三再四いろいろな条件を出してきた。あそこは昔、陸軍士官学校があったところで、なれた人もいる。それだって、再三再四努力をされて、最終的には曲がりなりにも話し合いの筋を通して決着をつけているわけですよ。いまうしろのほうで八二%という声があったけれども、それ以後皆さん方が世論調査をしたわけでも何でもない。あなたは相当多数が賛成だと言うが、どれだけ賛成なんですか。調べたことはあるんですか。再三再四言ってきたというが、だれが言ってきたんですか。再三再四はいつだれがどういうかっこうでですか。再三再四というのは中身は何回ぐらいですか。
  26. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは立川市議会の議長さんをはじめ、議長とともに取り下げをされた議員というふうに御理解願いたいと思います。
  27. 大出俊

    大出委員 沖繩の場合だって例があるんだけれども、多数を持っているところが一党でやったからといって、それは必ずしも議会の意思を代表したことにはならぬ。——何か言うことがあったら先に言ってください。相談はいいですから。
  28. 江崎真澄

    江崎国務大臣 いま相談しておりましたのは、その市議会の撤回をして自衛隊配備を求めるという側の数字は十九名である。これらの人が入れかわり立ちかわり東京施設局に照会をしてきたり、また電話等でわれわれにも、同じ来るなら早くきっちりけじめをつけてくれ、いつまでもこういうことでじんぜん日をかすのは困るではないか、もう地元の空気もずいぶん変わってきた。しかも災害緊急救助活動というような性格からいって、これはやはり私、正直なところ、この間の八丈沖のあの地震、これは幸い南方方面でありましたからよかったものの、もしこれがもうちょっと北に位置していたらどんなことになったろうということなども考えながら、決断に及んだわけであります。
  29. 大出俊

    大出委員 これは中曽根長官が基地問題を取り上げる一番最初のころに私は長い質問をしたことがあるのですけれども、一体この基地というのはだれのものだ。アメリカの側が在日米軍を引き揚げる、基地があく、さあ自衛隊という筋合いのものなのか。国民のものですよ。そうだとすれば、そういう視野でものを考えなければいかぬ筋合いだという議論をしたことがある。そのとき中曽根長官は、長官になって間もなくの時代なんだけれども、今日基地があることによって、経済的な面その他の面を含めてたいへん困難をしている地域が多い、特に首都圏に多い、だから首都圏の基地というものは、少なくとも返還をされれば地元に返す、それが原則だと思うという点で、この点については私と意見が一致をした。  ところが、いま防衛庁のやっていることを見ていますと、そういう国民というのはどこかへ忘れてしまっている。だから、合同委員会でどうきめるかいざ知らず、ただメンツにかけても、反対があっても何でもかんでも——反対があったら入れないという先例をつくりたくないとうそぶく人がある。そういうものの考え方が、四次防の先取りにつながり、シビリアンコントロールの根幹に触れることになる。どれだけ時間がかかっても説得をする努力をしなければ戦後の民主主義は成り立たない。いまあなたは、十九名の方々が賛成をした、取り下げた、入れかわり立ちかわりいろいろ言ってくるというが、あなたは賛成の諸君の話ばかり聞いたって意味はない。そこらにあなた方の専断、独断がある。見てごらんなさい。新聞でいろいろなことを言っている。議会筋だって反対している。市長さんなんか湯げを出しておこっている。少なくとも立川の市民が選んだ市長ですよ。その方が最後まで反対をしておられる。そういう時期にあなたのほうが強行するということはあり得べきではない。ましてこの間四次防であんなに大騒ぎになったばかりじゃないですか。だから私は自衛隊調査特別委員会ぐらいつくって、片っ端から自衛隊を監視しなければえらいことになるというところまで考えざるを得なくなる。自衛隊関係法律はそれこそ片っ端からみなつぶしていかなければならない。  さっきも私どもは、ちょっと野党の皆さんとも話をしたけれども、とてもじゃないが、自衛隊がいま江崎さんのおっしゃっているような姿勢なら、この法案は通せない、これは一致した見解です。もとへ戻してください。白紙に返してください。それ以外話は前進しない。
  30. 江崎真澄

    江崎国務大臣 まことにお説よくわかりますが、これは災害救助のための部隊でありまするので、また、だんだん実体がわかるにつれまして、立川市民の御理解も願えるものと思っておるわけでありまして、どうかひとつ他の法案については、これとは切り離して御協力を願いたいと思います。
  31. 大出俊

    大出委員 江崎さんは災害救助のため、災害救助のためというが、沖繩の六千八百だって、あなた方は災害救助のためというが、そういう理屈は成り立たない。自衛隊の任務の中に災害派遣があるのであって、自衛隊法というものは、本来自衛隊固有の任務を初めから持っておる。その中に一つ災害派遣がある。海上における警備行動にしたって、それは任務の一つです。だから、災害派遣だ、地震だ、この間の八丈の地震だなどということを言い出すだけ子供じみている。夜道路がすいていたから先に着いたというのと一緒だ。そういう三百代言みたいなことを言ってはいけません。これは明らかに自衛隊の移駐なんです。  あなたのほうは、少なくとも通告したことと違ったことをおやりになっているんだから、その点についてはあなたは遺憾だとおっしゃる。そうである限りは、これは一ぺん白紙に戻して、あらためて話し合ってくださいよ。そうでなければ、沖繩だって不安は抜けないですよ。これは何と言われても、私どもは担当委員会ですから、さっきもいろいろ話して、きょうはここでの審議はやめようか、こういうのが大体野党の皆さん方の考え方ですけれども、せっかくお見えになっているから、この際この問題については、とくと一ぺん担当委員会長官に各党とも見解を承らう、その上で相談しよう、こういうふうになっているわけですが、私はいま伊藤さんとも相談しておったけれども、何と言われても、そういう答弁では、これは白紙に戻さぬ限りは、防衛関係の法案の審議はできません。いかがですか、もう一ぺん考えてください。
  32. 江崎真澄

    江崎国務大臣 いろいろ御意見はよく承りましたが、これは長い間の懸案でもありまするし、決してこういう行き方、方法が好ましいなどとは思っておりませんが、まあ今後のこの部隊の実績というものを長い目でひとつ注目していただくということで御了承を願いたいと思います。
  33. 大出俊

    大出委員 関連がありますので……。
  34. 横路孝弘

    横路委員 災害対策とおっしゃるわけですけれども、災害というのは一体何のことですか、お考えになっているのは。
  35. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはまあ幅広い災害でありまして、いろんな場面があろうかと思います。むろん、天変地異、そのほか大量な伝染病でも出たというような場面、いろいろあろうかと思います。
  36. 横路孝弘

    横路委員 災害対策というのは、これは災害対策基本法という法律があって、国と地方公共団体と一体になって災害対策をやることになって、各省でそれぞれこの災害対策が進められているわけです。じゃ一体東京都との間に——東京都は地震対策その他の災害対策の計画を持っていますよ。話し合いされましたか。
  37. 江崎真澄

    江崎国務大臣 立川の移駐そのものについては直接の相談はいたしておりませんが、当然大災害があったという場合にどうするかという話し合いは、東京都とはしばしば行なっております。
  38. 横路孝弘

    横路委員 私が聞いているのは立川ですよ。立川の基地に移駐したのは災害対策だとおっしゃるから、それならば事前に東京都の災害対策の計画の中に含まれていなければおかしいじゃないですか。京浜なら京浜とおっしゃるならば、神奈川県なり横浜市なりと、立川の自衛隊の今度移駐した部隊がどういう役割りを果たすかということが、事前にちゃんと内容が打ち合わされていなければおかしいじゃないですか。全然やってないのでしょう。
  39. 大出俊

    大出委員 あなた、お答えください。だから私が言うように、自衛隊法をながめてみれば明確なんで、その中に災害派遣というのがある。しかし本来の自衛隊の任務がある。それだけのことじゃないですか。さっきから申し上げておる。いま横路君が質問しているとおり、あなたはそこまで地元の災害対策の中にどういう位置づけを持っているかという打ち合わせをしているならば、全部答えてください。
  40. 江崎真澄

    江崎国務大臣 当然自衛隊は本来の任務を持っておる。これは首都にもしにわかの侵略でもあればそれにこたえて出動する、これはもう当然の任務を任務として遂行するわけでありまするから、そのことについて私が申し上げなかったというだけであります。しかし、いま日本にしからばにわかに侵略してくる勢力というものがあるのか。これは幸いなことに、日本の場合はそういうものがいま考えられません。そうであるならば、平素の自衛隊、特に陸上自衛隊としては民生協力の面に重点を置いて、この立川の配備というものは民生協力に立ち働く部分が多いということを申し上げておるわけです。
  41. 横路孝弘

    横路委員 そんなでたらめおっしゃったってだめですよ。災害対策のために立川に移駐したと言っているわけですね、きのうからずっと。ところが事前に全然東京都に打ち合わせがない。神奈川県とか横浜市にも何も言ってないわけです。だから、災害対策とか民生協力とか、かっこうのいいことをおっしゃるのはやめたらいいのですよ。
  42. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは私があるいは表現のしかたが悪かったかと思いまするが、自衛隊は自衛隊としての本来の任務遂行があります。その本来の任務遂行ということは、もちろんこれはもとより申し上げるまでもないということで申し上げなかったわけでありまするが、まあ実際の運用においては災害協力という場面が多くなる、またそれを実際問題として防衛庁としても深い考慮に立ってこういうことをした。これは先ほども申し上げましたように、中曽根防衛庁長官当時、首都圏に、特に京浜地区に災害の起こったときどうするか。江東方面は木更津でカバーしよう、しかし木更津は狭いから限界がある。したがって立川ならば、平素は、これも地元の意向等々も考慮しまして、小型機二十八機であります。ただ、あの飛行場の場合ですと、全国のヘリコプター、小型機、そういったものを約百機ぐらいは集中することもできる、そうして特にこの江東地区以外の、北部といいますか、京浜地区の救急対策に当たっていこう、こういう計画をしておることは事実でございます。
  43. 横路孝弘

    横路委員 その東京都が、美濃部知事を含めて反対しているわけでしょう。要らないと言っているわけですよ。だから、そういうでたらめな説明では、これはまた予算委員会のほうできょう総理が出席するようですから……。  私はだから、ほんとうのねらいは何か。ことしの二月十七日に、アメリカのレアード国務長官の国防報告が二月十五日にありまして、その補足説明が二月十七日にありました。その中で、「在日米軍基地の縮小についても、米軍展開能力を弱めないで実現できるように基地構造の流線形化に努めていると国防報告はのべている」わけですが、その補足説明として、日本側が兵たん補給の下部構造を完備させ、立川、三沢基地などを緊急使用のため共同使用し得る体制をとっておくことが望ましい。立川基地が入ってきているわけです。有事来援体制というものを、このことしのレアード国防長官の補足説明の中でアメリカ側が明確に言っているわけですよ。今度これは二4(a)でもっておやりになるということですけれども、その辺のところのアメリカ側との話し合いはどうなっているのですか。ほんとうのねらいはこれでしょう。ともかく実力占拠しておく。災害対策、民生協力といったって、中身は何もないわけです。どうなんですか、それは。
  44. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘のような点をいま直接的に考慮したわけではございません。
  45. 大出俊

    大出委員 これは江崎さん、あなたは逃げてもだめだ。これは中曽根氏がアメリカに行って基地問題を話し合いをしてきたときからの話だ。だから私は長い質問をして、あのときに中曽根さんにその点を追及をした。あのときはまだ中曽根氏は二4(b)そのものがわからない。山上さんが施設庁長官で、二4(b)というものはまことにうまくできている。硫黄島なんかまでそうです。出入権で認めているのですから。アメリカがいつでも使えるようにしておきたい、その要請に従って日本側が管理する、自衛隊が入る。これはけしからぬじゃないか、基地というのは一体だれのものだという議論をして、その結果、首都圏についてアメリカにそういう要請があると認めた、これは。あるけれども、首都圏についてはそういうことをさせたくない、これが当時の中曽根さんの答弁です。あなたは否定したって、直接関係ないと言ったってだめです。これはアメリカの方針なんだ。はっきり答えてください。
  46. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは当然今後そういう事態になれば協議の対象にもなりましょうし、いま私はそういうふうには全然考えておりません。
  47. 横路孝弘

    横路委員 二4(a)の場合は、使用が一つ前提になって、合衆国軍隊による施設、区域の正規の使用の目的にとって有害でないことが合同委員会を通じて合意された場合は二4(a)という、こういう法文になっているわけですね。したがってこれは合同委員会でいろいろ話があったわけでしょう。その際アメリカとの関係はどういうことになっているのですか。
  48. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはまだ現在、御承知のとおり全面返還にはなっておりませんので、したがって、向こうにも当然使用権があるわけです。しかしこれは、全面返還を求めていこう、われわれはこういう前提に立っておりますから、御指摘のような点については、その全面返還の点で向こうがどういう要望をしてくるかということは想像されましょう。しかし私どもは、いま共同使用ということは考えておりません。そのことを申し上げたわけであります。
  49. 横路孝弘

    横路委員 関連ですから簡単にやりますが、実はいま防衛医大の設置の問題で、朝霞、所沢いずれも問題になっているわけです。所沢のあの通信基地だって、いずれあそこに防衛医大を設置ということが防衛庁のほうで考えておられるようだけれども、ほとんど現実には使われていない。どういうことになっているかというと、結局、自衛隊の移駐を待って、そして本来ならば国民に返されるものを、ともかく米軍の基地のあとは自衛隊が占拠してでも使っていくのだという——きのうなんかも、完全な、いわば実力占拠ですな。  先ほどから指摘があったように、いま都市周辺の基地というのは、みんな地方自治体で、都市開発の問題とからめてそれぞれ計画を持って進められているわけですね。そこを米軍との話し合いの中で、たぶん所沢だっていまあるのだろうと思いますけれども、ともかく自衛隊があとをすべて使っていく、こういう方針でいるのは——国有財産は別に防衛庁でもって権限があるわけじゃないのだ。国民のほうに権限があるわけですから、そこのところを防衛庁のほうは考え違いをしないでもらいたいと思うのです。どうですか、その辺のところは。
  50. 江崎真澄

    江崎国務大臣 当然、今後返還してあと地を利用していくというものは、これは私、十分地元の要望にこたえていかなければならぬと思います。しかし私どもは、国の防衛は必要であるという前提に立っておりまするので、やはり必要最小限の基地というものは確保していかなければならぬ。今回の立川の場合も同様な措置に出たわけでありまするが、しかし、この立川の場合といえども、返還可能なものは、これは極力アメリカ側と詳密の折衝を粘り強くいたしまして、そして地元の要望にこたえていきたい、そして完全な形であと地利用ができるようにしていきたいというのが私ども本来のものの考え方であります。
  51. 横路孝弘

    横路委員 だから、そのあと地利用云々というのは、別に防衛庁の権限じゃないのですよ。返還されれば、それは国民のものなんです。だから、防衛庁のほうで、お願いをして使わしてくれというなら話はわかるけれども、防衛庁のほうで、あとこれだけ分けて地元に返してやろうなんという、そういうものの考え方がさか立ちしているのですよ。
  52. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私のことばの言い回しが悪かったかもしれませんけれども、当然、これはいま施設庁等々が折衝に当たっておるわけですから、したがって、そのときに自衛隊として必要なものはやはり最小限確保しなければなりませんが、地元の要請にこたえるものはこたえていく、これは私どもそういう姿勢で今後も努力してまいりたいと思っております。
  53. 横路孝弘

    横路委員 そういう、こたえるという考え方がおかしいと言っているのです。あの基地というものは、返還されれば別に防衛庁に使用権限があるわけじゃないのですよ。国民の側にあるのです。だから皆さんのほうで、お願いをして使わしてくれというなら話はわかるけれども、要望にこたえて少し土地を割愛してやろうなんという、そういうものの考え方が大体間違っているということなんです。わかりませんか。
  54. 江崎真澄

    江崎国務大臣 いや、私はそういうことは言うてないので、やはり折衝の矢面に立っておるのは、ここにおります施設庁長官が事務的に処理する役割りを帯びておりますから、したがって、アメリカ側に必要のないものは日本に戻してくれということで、それを地元の要望にこたえるようにしていく、そういうことを申し上げておるのです。
  55. 横路孝弘

    横路委員 これはいずれ二4(a)から二4(b)にかわるのでしょう。
  56. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 いまのところ二4(a)から二4(b)に切りかえるという考え方は毛頭ございません。持っておりません。
  57. 大出俊

    大出委員 これは三4(a)にしておいて二4(b)に切りかえるというのはいつだってできることで、たくさん例はあるじゃないですか。そんなことは簡単なことです。これは相手力がそう言えば、あなた方のほうはそうなんだから。問題の基本は、アメリカの側がいつでも共同使用ができる体制をとっておきたいというのが基本線だ。一貫した方針だ。三沢にしたって横田にしたってみな同じだ。立川もそうだ。だから、そういうものの考え方が先行していて、あなた方は、反対があるからといって自衛隊が移駐できないなんという前例をつくりたくないということが出てくる。いずれにせよ、あなたのほうで、これは八日と通告をして七日に入れたということで、混乱をさらに倍加した。あなたはその点は遺憾だとお認めになっている。だから、ここに書いてありますように、この新聞がいいことを書いているけれども、「自衛隊不信をあおった立川移駐は、戦術的には成功だったとしても、国民の信頼をうるという大きな戦略を忘れたもの」と言っておる。私はこのとおりだと思う。あなた方の立場に立ってもこのとおりだと私は思う。だからそういうものは、きれいに一ぺん全部入りた部隊はどけて、白紙で話し合いなさいよ。それであなたはそれについてうんとおっしゃられぬならば、総理を呼んでください。
  58. 江崎真澄

    江崎国務大臣 大出さんのお話でありますから、これはいろいろ考慮をしたいわけでありますが、これはひとつお認めを願いたいものだと思うのです。  きのう、実は阿部市長が楢崎委員紹介で私に面会を求められました。そのときに随行をした関係者から、自衛隊としての今後の考え方、またいろいろ自分たちの要望、そういうものも聞いてもらいたいという要求もあったわけでありまして、これはすみやかに相談をして実現をしたいと思っておるわけです。したがいまして、ぜひひとつそういう話し合いの場を通じて、まあ事を運んでから話し合いでもなかろうということかもしれませんが、せっかく先方においてもそういう要望を出しておられまするので、ぜひひとつ出かけてまいりまして、幹部が責任を持った話し合いに臨みたい、こんなふうに考えております。
  59. 大出俊

    大出委員 それは長官、横っつらを一つひっぱたいちゃってから話し合いましょうなんて、そんな虫のいい話はないでしょう。地元はかんかんになっておこっちゃっているところで、話し合いましょう、その考えはやはり軍事優先につながりますよ。国民コントロールじゃないですよ。だからこれは基幹に触れる問題になると言っている。だから、あなたのほうでどうしても、撤回をされて白紙で話し合おうという態度をおとりにならぬなら、これは総理を呼んでいただくよりしようがない。私のほうは沖繩の法案を二本かかえているのだけれども、防衛庁長官にそう開き直られて、ひっぱたいたけれども話し合いましょうと言われたのじゃ、そうなればこっちのほうも目には目で、かかえている法案は断じて話し合わないということになるよりしようがない。もう人質にとっているのですから、沖繩防衛施設局の設置法なんというのは通さない。
  60. 江崎真澄

    江崎国務大臣 いや、ひとつそれはそうおっしゃらぬで、いま私が申したのは、先方からぜひ出かけてぐるようにということで、それはもちろん出かけてもいきますし、お願いもしなければなりません、こういうことを申し上げた経緯を述べたわけでありまして、ひっぱたいておいて話し合いをしようなんということを言っているわけじゃないので、先方も、どなたですか、議会の代表の方でしたが、そういう御要望があったわけです。  それからもう一方は、昨日、またおしかりを受けるかもしれませんが、よくやってくれたというわけで、これで実は災害が起こっても安心だというような電話をかけてきた人もほんとうにあるのです。市民世論が二つに割れておることは残念でありますが、やはりそういう目的をもって来るのならやむを得ぬではないかという考え方の方も相当あるということは、これはどうも事実のようであります。
  61. 大出俊

    大出委員 ずいぶんあなたはまた鉄面皮なことを言うですな、長官。よくやったとは、よく言うたですな、あなたは。私はここに新聞を三つも四つも持っているけれども、どの新聞を見ても、防衛庁はけしからぬという書き方です。ついこの間四次防であれだけ騒ぎになって、シビリアンコントロールが問題になった、それに対するこれっきりの反省もないと、どの新聞もみんなそう書いている。あなた、新聞を読めないわけじゃないのだ。あなたは読んでいるはずだ。それをぬけぬけと、よくやったと言って激励してもらっているなんということを、よく言えたものだと私は思う。そういう長官がいる限り、これは審議はできませんね。何と言われても私は応じない。そういうふざけた言い方があるか、何だ、冗談じゃない。
  62. 江崎真澄

    江崎国務大臣 どうもまことにことばが足りませんで恐縮ですが、しかし、この問題については、われわれも今後自衛隊の運用の面でひとつ十分配慮をいたしまして、地元民の理解を得られるようにしていきたいと思っております。そして、とりあえずの管制実地訓練は五機でありますので、この騒音の問題等々も、なるほどこの程度のものかということも地元側ではわかってくれるのではなかろうかというふうに思います。  さっきの、よくやった云々というのは、それはまあ早く駐留配備をしてくれることがよかろうということを考えておる人のあるいは無責任な発言かもしれませんから、ことばが過ぎれば、これはもういつでも取り消すにやぶさかではございません。
  63. 大出俊

    大出委員 長官、新聞が、天下の公器がこれだけ一生懸命紙面をさいて書いている。一片の反省を求めたいという気持ちで記者の方々は書いている。四次防の先取り問題であれだけの騒ぎになって、そのあとすぐ国会の片がついたと思ったらとたんにやった、これは一体なんだ、これでは心配だという書き方をみなしている。そこで、当面の責任者である長官から、よくやったという話まで出てくるのでは、よくも言えたもんだということになる。そんなことを言って地元は納得するはずがないじゃないですか。冗談じゃないですよ。あなたと口をきいたってしようがない。総理を呼んでください。あなたの言うことは聞かぬ。
  64. 江崎真澄

    江崎国務大臣 無責任な一つの市民の声というようなものをこういう公式の場で御披露したということは、これはまさに不謹慎であったかもしれません。これはほんとうに取り消しましょう。しかし、いろいろな意見に割れておることだけは事実ですから、われわれのほうも、今後地元民に理解を得られるような最善の努力を尽くしてまいりますので、ひとつよろしく御了解をいただいて、審議を進めていただきたいと思います。どうぞひとつ大出さん、よろしく願います。
  65. 大出俊

    大出委員 これはひとつ総理を呼んでください。とてもじゃないが話にならぬ。いまみたいなことをぬけぬけと言われて審議はできぬ。担当委員会ですから、防衛庁長官が出てくるだけでは審議に応じない。
  66. 伊能繁次郎

    伊能委員長 本件については、別途御相談をいたしたいと思います。予算委員会等の関係もありますので、次の発言を……。
  67. 大出俊

    大出委員 私はここから先の発言を留保いたします。総理を呼んでください。
  68. 伊能繁次郎

    伊能委員長 一応質疑を継続していただきたいと思います。  伊藤惣助丸君。
  69. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 いま同僚委員からいろいろ指摘がございました。この立川移駐の問題については、各新聞が一斉に大きく取り上げております。中でもある新聞は、「「立川移駐」国民の不信に拍車約束破って居直る」、またその下に、「そらぞらしい「沖繩は慎重に」」、こういうふうに大きな見出しがございます。それで結論的には、江崎防衛庁長官の大きな責任問題として取り扱っておるようです。「つまり、江崎長官はじめ防衛庁の責任者は、だれ一人として移駐を事前に地元に連絡する気持ちはなかったのだ。というより、これは、野党が指摘するように、移駐反対運動をかわすため計算された“奇襲攻撃”であったとすらいえる。これが、移駐に反対する立川市民だけでなく、国民への挑戦であることは明らかだろう」、私はこの点を重大視するわけであります。  そこで、先ほどからのお話を伺っておりまして、事前に通告なしでは移駐しない、こういうお話があったようでありますが、まずその点について、長官から伺っておきたいと思います。
  70. 江崎真澄

    江崎国務大臣 事前に当然これは連絡をしてやろう、決行しようということで、かねて準備をしておったことはもう事実であります。ところが部隊が動いておるということで、極秘裏に行動しておりましても、これはやはりわかりましょう。わかるのが当然だと思います。そこで、実はきのうも議論になったところでありまするが、何だか夜陰に乗じて行くというような形は、決してわれわれも望ましいなどとは思っておりません。むしろ話し合いをして堂々と入ることが当然であります。当然でありますが、そうかといって、根強い反対の人もありますが、最近では理屈では通らないような過激派の諸君もおりまするので、もしそんなところでまた配備にあたって大衝突が起きたり大混乱が起きたというようなことであれば、結果として一体どんな事態になるであろうか。たまたま私どもの内局には、御承知のとおり警察関係の諸君が多うございまするから、そういう辺も微細に分析をいたしまして、やはりこの際抵抗を少なくして配備につくことがよかろうということで、好ましくはありませんがああいう手段に出たわけであります。のみならず、いま御指摘のように、もっと事前に十分連絡をとるべきであったと思いますが、会議に出ておる私に中途から連絡がありまして、そういう混乱を避ける意味から数時間繰り上げる——このあたりに、地元側の了解を得るのに多少手違いなどが出てきた。これは遺憾に思っております。
  71. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 そこで私が申し上げたい点は、要するに実力集団が移駐をする、または作戦を開始するというときの問題でありますけれども、考えてみますと昭和十六年十二月八日ですか、まだ私は子供でしたから記憶はあまり十分ではありませんけれども、十二月八日未明、「ニイタカヤマノボレ」という奇襲攻撃を行なったわけですね。そういうことと事前通告四十分前、しかも八日未明にやるということがさらに早まって七日夜二十三時四十六分に入った。その限りでは、真珠湾攻撃を行なったのは八日未明であるけれども、比較でいきますと、自衛隊の場合はもっと早くにそういうことが行なわれたわけです。そこで、この事前通告をしますよと言って、しかも四十分前にそれをした。それも八日未明ということが十一時四十六分に入ったというこの事実関係の上で、私は相当に問題が出てくると思う。  そこで、きのう予算委員会で同僚の中谷委員からですか、どういう命令を下したのか、それを出せ、こういう質問があったようでありますが、そういう調査はしてございますか。
  72. 久保卓也

    ○久保政府委員 いま整理させております。きょう夕方までに私の手元につく予定になっております。
  73. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 要するに、防衛庁長官が言ったとおりに行動すれば、まあ政府の手続上の問題はなかったと思うのです。そうですね。たかが十四分だ、こんな考え方では私は大問題だと思うのですよ。しかも、夜道はあいておったし坂道があったので早く入ったなんて、こんなことは話にも何もなりませんよ。ですから、私がここで一番強く主張する点は、手続上の問題に大きなミスが一つある。  第二番目には、しかもあなたが事前通告を破ったということ。それからいままで聞いた話の中では、あなたは何回となく話し合った、しかしもうこれ以上待てない、こうおっしゃいました。ことばの上では何かわかるような気がします。しかし、立川市長と何回話し合いしたか。立川といっても東京都であります。美濃部知事と何回話し合ったか。あるいは地元の代表方々——少なくとも八二%の方々が反対しておった、こういわれております。それをあなたは認めている。そういう方々代表となぜ話をしなかったのか。いままで十分話し合った——決して十分ではない、不十分過ぎる、そういう問題が私は一つあると思う。そこでそれを、どこまでも長官がことばをかわして、そして撤回しないということであるならば、あなたの責任問題にも発展する。これを一つの前例として認めたならば、今後自衛隊が治安出動なり、あるいはまた戦闘作戦行動について、たとえば、大臣の指示する前、あるいは防衛庁長官が言う前に行動が起きだ場合どうなりますか。こういうこともあったじゃないかということになってきます。そこで私は非常に問題にしているわけです。わが党は、御存じのように、必要最小限度自衛力はやむを得ない立場であります。全く認めないという立場ではありません。しかし、こういう現在のような移駐に対しては、国民すべてが納得できぬことだと私は思うのです。  ですから私が申し上げたい点は、まず、間違ったらば、道に迷ったならばどうなるか。すごろくじゃないが振り出しに戻し、白紙に戻せ。立川移駐の問題では、このままどこまでも強く長官が主張すれば、やはりほかの法案にも影響する。責任はとらない、事実を認める、これはたいへんなことになります。そこで私は、やはり法則どおり出発点に戻し、自衛隊移駐の問題については撤回して、白紙に戻して、そこから十二分に話し合いをして、堂々とまた移駐すべきものは移駐すべきだ、私はこう思うのです。長官いかがですか。
  74. 江崎真澄

    江崎国務大臣 お立場の存するところはよくわかりますが、やはり今後市民側に十分了解を得られるように、重ねて粘り強く努力をしてまいりたいと思います。のみならず、これは真珠湾とかいろいろなことがいわれておることはよく知っておりますが、それとこれとは根本的に違いますることは、何といっても、地元の市議会の多数派が、いまの反対決議を撤回して、そういう大目的を持っておることが背景にあるならばわかった、こう言ってくれたという、このことも伊藤さんひとつ御了解を願いたいものだと思います。
  75. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 私は、長官の政治的な発言、それはわからないでもありません。ただやはり、今後の自衛隊の出動について、一つの前例になることは間違いありません。ましてや沖繩の問題についても同じだと思います。絶対沖繩についてはそんなことしないとおっしゃっております。沖繩は重要である。では立川移駐は重要ではないのか。やはり立川の問題についても同じく重要なことであります。ですから私はこの問題は、まず問題点をいま申し上げたわけでありますが、その点について責任が私はあると思うのです。防衛庁長官いかがですか。手続上のミス、事前通告の約束を破ったこと、さらに、あなたがそれをどこまでも固執するならば、防衛庁長官として責任をとらねばならぬということ、これは重大な問題であります。われわれはやはり国民の立場に立つならば、真珠湾攻撃のような奇襲攻撃、あるいはまたそれに似たような移駐、このことについては、今国会で四次防の問題を通して大きく国民が疑問に思っているわけですね。  特に最近、イデオロギーとか主張は別にしても、とにかく自衛隊の制服の皆さんは、二十四時間真剣に国の守りをやっている。これは真剣にやっていらっしゃることを批判する人は一人もいないと思うのです。ただしかし、予算処置の問題、先取りの問題、国産化の問題、いろいろ問題は数多くあります。ですから私は、この問題については、このまま固執するならばますます自衛隊を孤立化させる。自衛隊の制服の皆さんに大きな影響を与えていきますよ。ですから、政治の場で解決する問題は政治の場で率直明快に立場を明らかにして——私は政治的発言長官に求めているのじゃないです。その手続上のミス、事前通告を破ったこと、このまま固執するならばあなたの責任問題になりますよということについてどうするかということを、私は聞いているわけです。
  76. 江崎真澄

    江崎国務大臣 手続上の時間の問題は、私さっきも申し上げたように、数時間繰り上げたい。それはどういうことか。とにかく数時間、混乱回避のために繰り上げるわけですから、十一時過ぎになることもありましょうし、まあ十二時過ぎになるという予定ですが、その時間については、よろしい、それじゃまかせよう、こういうやりとりをしまして次官にまかせたわけでありまするから、この防衛庁内部の手続上の問題については、私は特にミスはなかったというふうに了解をいたしております。  ただ問題は、御指摘の、市長に事前通告をしましょうと言っておきながら——これは十一時六分ごろであった。そのあと四十六分に入っておるというわけですから、しかもその表現が、八日になってからという表現であったというのですから、八日になってからなら、いま御指摘のように、十二時少なくとも過ぎに入ればよかった、その点については私、遺憾に思っております。
  77. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 その点の追及についてはまた私は留保したいと思っております。  そこでさらに、申し上げたい点がたくさんありますから、申し上げますけれども、やはり何といっても私たちは、今国会冒頭からシビリアンコントロールというものを大問題にしております。このシビリアンコントロールは、やはり国民コントロールでなければならぬ。それは内閣と国会が責任を持ってコントロールするということがシビリアンコントロールでありますから、当然こういうような重要問題については、たとえ政令事項として現在扱っておったとしても、沖繩配備の問題を含めてこういう自衛隊配備等については、これは重要事項の最たるものでございます。当然、国防会議なり、あるいは法案といいますか、要するに何らかの形で国会において審議して、そして結論を出す、こういう方向で扱うべきだと私は考えております。そういう点については、いかがでしょう。
  78. 江崎真澄

    江崎国務大臣 国防会議を十分活用するということは、これは私やはり必要なことだと思いまするし、今回の経緯にかんがみまして、国防会議というものを今後とも大いに重要視していきたい。まあ今回の問題は、これは部隊の運用の問題でございまするので、これはやはり防衛庁におまかせをいただくということで御了解を願いたいものだと思っております。
  79. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 私は、その移駐なりあるいは配備の問題で、重大な問題がもう一つある。それは、自衛隊が沖繩に行く場合、これは昨年の十二月十八日ですか参議院の沖繩特別委員会において、野党の質問に答えて、それは国防会議ではかると総理が言っておりますね。そうですね。
  80. 江崎真澄

    江崎国務大臣 そうです。
  81. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 これ、はかったのですか。
  82. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはまだはかっておりません。はかっておりませんが、実際に自衛隊の部隊を配備していく上につきまして、しっかり人員を張りつけるということばを使っておりますが、張りつけたその最終的な案を原案として協議の場に出してまいりたい、防衛庁側としてはそういうふうに考えております。
  83. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 この一日ですか、熊本の師団で沖繩派遣の部隊の編成式があったじゃないですか。これは国防会議にはかって、規模とか、あるいはまたどういう部隊が行くとか、あるいはどんな装備をするとか、いつごろにするとか、その後でいいはずじゃありませんか。それがもうすでに熊本の師団においては編成式が終わっているじゃありませんか。これは、総理のおっしゃることを防衛庁が無視しているのか、あるいはまたそんなことをその場限りで総理が食言したのか、あるいはまた制服側がかってにそんなことをやったのか、その点はどうですか。
  84. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは総理が決して食言したわけでもありませんので、準備態勢に入ったということでありまして、いつでも出かけられるように平素から訓練をする。特に沖繩は、御指摘のように、かつての旧軍に対する一つのアレルギー的なものがあるわけですから、自衛官として、もし配備されるということになれば、平素から沖繩県民に対する応対のしかたとかそういったことも、平素の訓練外の問題でありまするが、心がけ等についても十分準備をする、そういうやはり教養を身につけさせるということに入っていったわけでありまして、この全員をどういうふうに動かすかということについては、なるべく早い機会に国防会議にかけていきたいと考えております。まあ御承知のとおり、いままでは予算の総括でずっと毎日済んでまいりました。そんなことでその機会がなかったわけでありまするが、これはもうすみやかにひとつかけたいと思っております。
  85. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 長官、それは納得できませんよ。そんな沖繩のことを話しするなら、何も沖繩派遣部隊の編成式なんて大々的にやる必要がないじゃありませんか。それとも防衛庁長官、やれとおっしゃったのですか。
  86. 久保卓也

    ○久保政府委員 総理が、国防会議沖繩への部隊配置をかけるということを言われたのは確かであります。したがいまして、私どももその準備をいたしておりますが、その沖繩の部隊配置について国防会議にかけるというその範囲の問題でありまして、私どもは、当初の部隊がどうこうという小さな問題よりも、全体の部隊を、どういうふうに、どういう時期に、どういう手段で配置するかといったような大きな問題としておはかりをしたい、こういうふうに提案を申し上げたいと思っております。  そこで、いまの熊本で約四百名ばかりの部隊がいま準備編成が行なわれております。これは三月一日であったかと思いますけれども、これはこの五月以降の配置に関連しての部隊の準備編成でありますので、準備の段階は防衛庁長官の手元で処理される。しかし、これに号令をかける、つまり五月十五日以降部隊配置をすること自身、あるいはその後どういうような手段でどれだけの部隊を配置するかということは、当然国防会議にはかるべきであろう。その事前の段階であるというふうに認識しております。
  87. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 それは、国防会議にかけるのは全体のことをかけるのであって、たかが四百名のことは問題じゃない、これは防衛庁長官の権限としてやるのだ、こういうことでありますか。
  88. 久保卓也

    ○久保政府委員 それは違いまして、その全体の中に、当初どれだけの部隊をどういう方法で配置するか、特に、今回の立川の問題が起こりますれば、一そうその配置のしかた、時期、そういったことは特に念を入れて御相談申し上げるべきことであると私は思います。
  89. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 私ももう防衛問題に携わって六年間になりますけれども、準備する部隊四百名、あるいは先遣部隊といいますけれども、それは作戦の一つの常識から言いまして、すべて第一次はこのくらい、次はこのくらい、次はこのくらい、そして最後はこうなる、それを全体想定して、いつも先遣隊なり部隊を派遣するじゃありませんか。そんなことばでごまかしちゃだめですよ。総理が参議院の沖特の委員会において、沖繩の過半数の人たちが自衛隊に反対をしている、こういう一つのことがある。自衛隊が四百人行こうと、一人行こうと、あるいは十人行こうと大問題になります。これはたいへんな重要事項じゃありませんか。それを防衛庁の権限でやれと言った。これもあなたの責任問題です。総理が、国防会議にかける。その前に四百人の準備のための部隊を編成した、防衛庁長官の権限でやった、これはあなた、権限の乱用です。総理の言うことについて次々といいかげんなことをやっている、こういうことに国民は思いますよ。
  90. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはどうぞ誤解のないようにしていただきたいのですが、その沖繩に配備される予定のものを、沖繩に配備されたときの場面を想定して、やはり土地柄に合うように、特に長い間他国の施政権下にあって風俗習慣も違っておるわけですから、そういうものを訓練しておくことは自衛隊の任務であるというふうに心得ておるわけであります。しかし、いま防衛局長もさっきから申しますように、実際の配備にあたっては、これは国防会議にかけていく、当然なことだと思っております。しかも、総理が委員会を通じて約束しておりますることを防衛庁側がなおざりにするわけのものではありませんので、もちろん時期を得てすみやかに、結論を得次第、国防会議の議題として出してまいりたいというふうに考えております。
  91. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 これは納得できません。ですからこれはまた留保します。要するにあなたの発言によれば、沖繩の風俗習慣その他のことを訓練するために——そんなことは、何も四百名そろえて、沖繩に行くんだなんていうことを号令かけて、そんな編成式なんかやらなくたって、幾らでもできるじゃありませんか。しかも先ほど言ったように、十人行こうと、千人行こうと、四百人行こうと、部隊が行くからには同じですよ。また、防衛局長がおっしゃいましたけれども、全体の問題として重要なことについては国防会議にはかるけれども、四百名ぐらいの準備については重要じゃない、こんな考え方も私はまた問題だと思う。私は、その点について答弁要りません。また次の機会に追及します。  ところで、横道にそれちゃまずいですから戻りますけれども、この沖繩移駐について米軍との話し合い、少なくとも移駐する場合に合同委員会をやったと思うのです。一説には、自衛隊との約束がある、こういうことですが、米軍とどういう話し合いをしたのですか。
  92. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは久保・カーチス協定によりまして、大体われわれ、施政権が戻ってまいりましてから、自衛隊がどういう配備について、沖繩の平和確保のためにどの程度を配備するかということは、すでにさきの国会で御審議をわずらわしたとおりであります。
  93. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 私は、そのいまの話を聞いたのじゃない、いまあとの質問をしたことは。米軍とどんな話し合いをしたか、沖繩じゃないですよ、立川についてですよ。
  94. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 これはいきなり合同委員会にかけて討議するという問題ではございませんで、その下部機構である施設特別委員会において、両方が文書を出し合いまして、共同使用に伴う、あるいはこのときは一部返還の合意も得られましたけれども、そういう返還の場合の条件等につきまして、十分下部の機構におきまして協議をととのえ、そしてそれを合同委員会の場所において合意をする、こういうことでございまして、立川の問題については、共同使用地区の運用時については日本国の政府の責任において行なう、こういうことになっておるわけでございまして、二4(a)という形でございますけれども、その一部運用は日本政府がやる、こういうことでございます。そのほか若干の部分的な返還がございますが、これにつきましても、米側からの条件をこちらでは一応了承いたしまして、この問題も合意をした、こういう形でございまして、その具体的な問題につきましては、それぞれ基地の司令官との間の協議という形になるわけでございます。
  95. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 防衛庁長官に伺っておきたいのですが、在日米軍基地の司令官及び在日米関係高官の基地に対する考え方はどういう考え方ですか。私はそれをなぜ聞くかといいますと、その国の大多数の協力がなくては基地は維持していけない。これは論文や、あるいはまた現地司令官によく聞きます。もし地域住民が反対し、われわれのいることをじゃまするようであれば、これはもう基地としての機能は果たせなくなる。したがって、そういうところからは今後はどんどん撤去する。御存じのように、立川の問題について、米軍は二4(a)という形で返還に踏み切った。よく調べていきますと、立川は基地闘争で拡張しようと思ってもできなかった。ついにできずに結局は移管、あるいはまた返還、こういう形になっておるわけですね。そのことはもちろん地域住民の基地闘争、または反対運動もあるでしょうけれども、やはり米軍の考え方があるわけです。その点、防衛庁長官、なられたばかりで接触しているかどうかわかりませんけれども、聞いていらっしゃれば伺いたいと思います。
  96. 江崎真澄

    江崎国務大臣 米軍司令官とは二度ほど会っておりますが、何せ私、就任以来ずっと国会ばかりで、そういう大局論について十分意見を交換するというチャンスに実は恵まれていないわけです。しかし、防衛庁の組織ではしばしば話し合いをいたしまして、たとえば横田に首都近辺の米空軍を集約するというような話等についても、ただ先方の言うままに事を行なうということでは、経費もかかりますし、とてもそういうことはできませんので、いろいろ折衝もしておるわけです。その他特に横田に集約するということになれば、あと地をどういうふうに地方自治体と話し合いをしていくか、こういうことについては十分部内にも検討を命じておるわけです。  さっきからいろいろ議論にもなっております立川の飛行場につきましても、米軍側とおそらくそんなに遠くない機会に基地返還の話し合いに積極的に入ることができると思うのです。そうなれば当然自衛隊として、不必要な部門まで押えておるというようなこと、これこそ私は民主主義の方向に反すると思いますので、返すものは返すという形で検討をしていきたいというふうに考えております。
  97. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 質問をはぐらかさないでもらいたいと思うのですが、要するに私が申し上げていますのは、基地というものは地域住民の協力なくして存在はあり得ないわけです。ですから立川の問題については、拡張ということがあったけれども、拡張しないで現在のようになったということ、こういう事実があるわけです。ところが、自衛隊移駐の問題についても、やはり世論調査によりますと八〇%以上も反対している事実をあなたも知っていらっしゃいますね。米軍ですらも、安保条約があったとしても遠慮しているのに、自衛隊は逆じゃないかと私は言いたいのです。反対していて不十分な話し合いの中で行っちゃった。これで国民を守るとか何だかんだ言っても、自衛隊はどこまでも平和と安全を願い、そして必要最小限度の何とかかんとかと言ったって、それは私は通らぬ。だから自衛隊は孤立化するし、また国民からますます遊離していくのではないか。それを私は指摘しているわけです。そこで、そういうことを知っていながらなおかつやらねばならなかったあなたの立場、踏み切らざるを得なかったという背景に、米軍との話し合いで何かがあったのじゃないか。安保条約上あるいは自衛隊のメンツとして何かがあったに違いない。それは何なんだと私は言っているわけです。
  98. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘の点は全然ありません。それからまた、私自身がもちろん話し合ったことがないばかりか、いまの関係スタッフにおいてもそういう事実は全然ございません。御指摘のように、地元の協力を得るということは、これは全く大切なことだと思うのです。その点不十分であったことはまことに遺憾に思いますが、何度も繰り返すようでありますが、市議会の多数がやむを得ぬではないかということで認めてくれたというあたりにもたれながら行動をしたというわけであります。
  99. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 要するに米軍から何もなかったわけですね。
  100. 江崎真澄

    江崎国務大臣 そのとおりでございます。
  101. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 そうであるならば、私は、これほど大問題になっているわけですから、白紙に戻せるはずだと思うのですよ。戻せない理由はないと思うのです。確かに立川市議会で十九人がこうしろああしろと言った。しかし、聞いてみますと、民生協力、あるいはまた災害のときにどうのこうのというふうにおっしゃいましたけれども、私もいろいろ関東周辺に点在する米軍基地、自衛隊基地を見て考えました。何もあそこに自衛隊機が移駐を強行してまで災害に対処する理由はないと私は思います。しかも夜陰に乗じて。埼玉県の入間基地には輸送部隊がたくさんおります。あそこから東京まで十分もかからずに来るじゃありませんか。しかも東京都に大災害があれば、立川も同じで、飛行機は飛べないのですよ。そんなところに災害出動の飛行機やヘリコプターを置いたって何ら役に立ちませんよ。ほんとうに災害出動のためだったら、現在点在する米軍基地と自衛隊基地で十分じゃありませんか。それよりも、一名か二名かの差でこの自衛隊移駐反対を撤回したという立川市議会の様子でありますけれども、しかしながら、同等、あるいはそれ以前にはそれ以上に反対が強かったわけです。ですからもう一回白紙に戻して考えるべきじゃないか、こう私は思います。  それから、いろいろな問題については質問を留保いたしますけれども、鬼木委員からも関連があるそうですからやめますけれども、撤回する考えがあるかないか。この問題をもう一回白紙に戻す。民主主義というのは大体が非常に時間がかかるものですよ。ですから、十分な話し合いの中で、そうして議論の上で堂々と立場を明らかにして、堂々と乗り込むことが防衛庁長官として、また自衛官の士気を鼓舞する上に大事なことだと思うのです。その点いかがですか。
  102. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御趣旨の存するところはよくわかります。しかし、いろいろ不十分な点もあったかと思いますが、ひとつ白紙に戻すというようなことについては御容赦を願いたいと思っております。
  103. 伊能繁次郎

    伊能委員長 鬼木君に申し上げますが、通告の方がまだ二人ございますので、関連は簡潔に願います。
  104. 鬼木勝利

    鬼木委員 実は昨日長官に私いろいろお尋ねしたのですが、どうしてもあなたの答弁でわれわれは納得ができない。ただいまのやりとりを聞いておってもそうです。あなたは、議会において最初反対しておったのを撤回して、来てくれ来てくれと再三言ったと言う。じゃ八二%の反対をしている人たちの考えはあなたは全然考えに入れていないのか、それが第一点です。大衆の声というものがあなたにはわかっていない。およそ世の中で最もおそるべきものは大衆の怒りです。聞くところによりますと、これは真偽のほどはわかりませんけれども、議会でそういうことになったということには、政治的にも問題が多少あったらしい。私は、風のうわさに聞くところによればということにいたしておきます。でございますから、そういう点については、あなたの答弁は全く答弁になっていない。  第二点は、これは昨日も私は申し上げた。きょうもお話があっているのですが、昨日は災害の点で、それは災害のうちに入るかもしれぬけれども、そういうことは出なかった。きょうは伝染病が出てきた。だったら、伝染病というものは立川にのみ限っておりますか。そういう児戯にひとしいことを言って答弁にかえようとする、これはいけません。  それから第三点は、これも昨日私申し上げたんだけれども、楢崎委員も言っておりましたでしょう。かりに地震があった場合に、立川基地に自衛隊がおったら地震は避けられますか。長官、そういうふざけたことを言っては話になりませんよ。こういう点の答弁の解明が全然できていない。それであなた答弁にすりかえようとなさっておる。  それから先ほどお話がありましたように、何回も何回も来て、そして議会と話し合いができた。だったら、議会に、何月何日の何時に参りますから、夜陰に乗じて野盗のごとく手段を選ばず参りますから御了承願いたい、こういう通告があっておりません。話し合いがあっておりません。たくさん問題があるのですよ。委員長が時間のことを言われたから、これはまた他日私は内閣委員会で徹底的に追及というとあなた気持ち悪がるから、御相談申し上げたい。ようございますか。  この問題について、自衛隊はあそこへ移駐させるという点について、ほんとうに全部準備はできたとあなたは解釈しておられる。何ら準備ができていない。そしてしかもあなたは、円満に話し合いがついて、解決ができたならば移るんだということを常におっしゃっている。私は予算委員会においても問題を保留して、総理にお尋ねすることにいたしておりますが、総理も、必ず地元民の協力を得てやるということを言っておる。ところが、そういう協力ができていないから、あなたは夜陰に乗じてやったんじゃないですか。話し合いがついておったら、夜陰に乗じなくても、堂々と市民の皆さま方に歓呼の声によって迎えられて行かれるじゃないですか。そういう懸念があればこそ、あなたは夜陰に乗じた。だったら、これは話し合いはついていない。あなたの日ごろの声明と全然相反している。ここに問題がある。防衛庁の幹部諸君も来ているけれども、幹部諸君だってやり方はそういうことなんだ。基地の問題であろうが、まだほかにも問題はたくさんある。いずれまた他日諸君に相まみえたいと思っておるが、何ら地元との話し合いもついていない。ですから、もう少し答弁を、皆さんが納得するような——ただ遺憾の点がありました、しかしどうぞこの際御了承願いたいというような、そういう泣き落としでは、これはちょっと話は通じません。なるほどとみな納得するような答弁をする。幹部諸君もみな来ておるのだからよく話し合って、いわゆる防衛庁の見解をはっきりここに示すべきですよ。国民はまだ納得しておりません。東京の都知事も先頭に立って反対をする、こういう声明をいたしております。あなた、これはだれも賛成していない。ただ事前のことばかりあなた方はおっしゃっておるけれども、最近非常に不穏なことも起こっておりますので——こういうことを私は申し上げたくない、そういうことはないと信じますが、事後にもし万々が一何かあった場合には、防衛庁長官ははっきり責任をとりますか。どういう形で責任をとられるか、それは私の存ずるところではありませんけれども、そういうことをあなた、お考えに、計算に入れておられますか。なりふりかまわず、とにかくむちゃくちゃにかまわぬから入れてしまえ、そういうことでは全くシビリアンコントロールの実はあがっていない。  関連質問ですから、長談義では、委員長が少し顔色も悪いようだから、ここらで私、やめておきますけれども、あなたのおっしゃったことは議事録を見ればわかりますから、そういう点を一つ一つ掘り下げて、もう少し国民の納得するような答弁をやらなければ、これは他日また内閣委員会をやっても、どなたがおやりになっても、新聞記事、世間の批評、一切取り上げて、何ぼやりとりしても同じこと。何回繰り返してもこれは同じこと。無益な混乱を避けるために夜中に行きました一じゃ、無益の混乱を避けなければならぬという事情があることはわかっているのではないですか。だったら、これは強行ということになる。夜襲ということになる。はなはだもって言語道断だ。これは断じて許すことは相なりません。あなたは、話し合いができて協力を得れば必ずやりますと言うが、ところがまだできていない。話し合いの途中なんだ。だから元に戻せ、そうして話し合いをやれ、これはだれが聞いたって妥当な説です。そうするとあなたは、すぐ議会のことを持ち出す。そういう点を長官はよく再思三考なさって明確なる答弁をなさらないと、何回やっても同じです。この明確なる答弁が出ない限りは、国民が納得するところの処置ができない限りは、防衛関係の法案に対しては遺憾ながらわれわれは協力することはできません。審議はできません。まずこれが問題だ、これが終わらなければということを申し上げておきます。  少し時間が長くなりましたが、これで私は終りますのでお許しを願いたい。以上。
  105. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御趣旨の存するところはよく承りました。ひとつ今後とも地元の理解を得られるように私どもも努力をしてまいりたいと思いますので、いろいろ不備の点がありましたことについては御了解を願いたいものだと思っております。
  106. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 先ほどからいろいろな問題点を明らかにして、その点についてはあらためて質問したいと思いますが、最後に一つだけ伺っておきたいことは、いかなる出動といえども防衛庁長官が命令するわけですね。先ほどのあなたのお話では、数時間繰り上げてもよいかということについてオーケーと言った。ではいまから出発しろ、いまから作戦を起こせということも、本来は防衛庁長官が言うべきことですね。しかしあなたは、それを言ってないじゃないですか。人にまかせておいて、そうだなというようなものでね。だから、かってに動いているわけです。もしそういう一つの慣習があるのであればたいへんなことだと思うのですね。防衛庁長官は、準備しなさい、何時何分出発だ、そして何時ごろに入れ、それを事務次官が言ってきたから、いいだろうと言った。その考え方が問題だと私は思うのですよ。人まかせで問題を簡単に考えている。だから時間も覚えてない。だからいいかげんであって、坂道があったから早く着いた、そんなことでごまかしている。  私は言いたいことはいろいろたくさんありますけれども、そのことをまず伺って、これはほんとうにもう一回白紙に戻して、撤回して話し合いをしなければ今後たいへんなことになる。こういうことについては、現在手続上問題ないとしても、今後はこの問題を重要事項として、防衛庁長官一人の権限でやるのではなくて、国防会議なりそういうところへはかってからやる、こういう考え方でやるべきじゃないかと思うのです。それだけ伺っておきます。
  107. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、私いまちょっと法の条文を思い出しませんが、防衛庁長官は次官を通じて制服の幕僚長に命令をする、行動をさせるという指揮命令の系統が成文化されているわけです。したがいまして、先般私がとりました、次官の分析によって状況判断をして次官にまかせるということは、部内の法制的には間違いはないわけでございまして、その点はひとつ御了解願いたいと思います。  それから、御意見についでは十分取り入れるものは今後取り入れてまいりたいと思っております。
  108. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 いまの発言ですが、それは逆なんですよ。制服が言い、事務次官が連絡を受け、それからいいだろうなんと言うのは逆だ。長官が言ったことを次官が代行し、あるいは伝達される、こういうことなら、そういう法律はあるでしょう。それをまかせておいて、次官から相談を受けて、そうだろうというようなことではまずいというのですよ。今後こういういろいろな問題に  ついて、しかも大問題になっていることについて、どこまでも防衛庁長官みずからが考え、総理に相談し、しかも自分自身の判断で、そういう行動をとれば問題が起きる場合には、これを国防会議なりあるいは国会にかけて、そこで議決なりあるいは承認をした上でやるべきではないのか、そう言っているわけです。
  109. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘の点は、これはもちろん私の責任においてやったわけでありますから、私が全責任に任ずる、これはもう当然でございます。ただ、その場面の機宜の処置は次官の状況判断によった。また次官は、警察庁において刑事局長その他局長を歴任して——いま治安維持に当たりますのは警察でございますので、したがって、自衛隊をそこへ配備することについて警察庁側の協力を得なければならぬ。そういう場面の情勢判断というのは、たまたまうしろにおります防衛局長も警察出身でありますし、これはやはり専門家ですから、その状況判断にゆだねることは、不適当であったとは思っておりません。したがって、その裁断を求められましたので、もちろん私の責任において裁断をした、こういうわけでございます。
  110. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 長くなりますからやめますけれども、そういう大問題になる場合、通常の移動であるとか、地元も賛成しているという中での移駐については、そういうことでもかまわないけれども、地元が八〇%も反対している、そしてこういう大問題になるものについて、一切通常と同じような形で防衛庁長官が軽く考えてやったということは問題だと私は言っているのですよ。こんなことがあってはならぬと言っているのです。わかりますね。これは答弁は要りません。今後こういうことのないように反省して陣頭指揮をとっていただきたい、こういうことです。
  111. 伊能繁次郎

  112. 和田耕作

    和田(耕)委員 長官に最初にお伺いしたいのですけれども、昨日のテレビニュースでこの事件を聞きまして、いよいよこれは反発したなという感じを一貫して受けたのです。防衛庁長官は、予算委員会のあの四次防の二十日間のストップの問題のときに、総理も、自衛隊がこういう問題で士気を落としてはいけないというような配慮をされて、幾つかの手を打ったことは存じておるわけです。私いつもそういう感じを持っておりました。それで、きのうのニュースを聞いたときに、防衛庁あるいは自衛隊はこういう形で反発の感じを出したなという印象を受けたのですけれども、そういう印象なり根拠は全然皆無ですか。
  113. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはもう全然そういう意味合いはございません。そればかりか、実は管制訓練に最低三カ月を要するわけでありまして、あそこへヘリコプターまたは連絡機等の小型機を配備しまするためには、相当な期間を要するわけでございます。したがいまして、昨年の六月の閣議できめたものが今日約九カ月おくれてきておる。その九カ月間は、いろいろ議論の存するところでありますが、われわれとしても、できるだけの手順と懇請を続けてきたわけでありますが、どうしても市長さんの了解を得ることはできなかったわけであります。これはいかにも残念なことでございます。  しかし、繰り返し申し上げますように、議会側としても、よかろうということになったわけでありますので、八二%のことを知らないわけではありませんが、それは議会側が決議を取り下げられるという前の時点のことでありますし、やはりこういう場面ではわれわれも、議会の決議というようなもの、議会の要請といったものは、重要な参考資料にするわけでありますので、それにもたれながら実行した、こういうふうに御理解を賜わりたいのでございます。
  114. 和田耕作

    和田(耕)委員 反発したという印象は、これは私だけではないと思うのですね。新聞の幾つかにもそういう感じの記事があると私記憶するのですけれども、反発したという国民の——私はそういうように一貫して感じたのですけれども、これはいろいろありまして、反発する感じも私はわからぬじゃないのです。そういう形の反発はたいへん残念なことだというふうに思って最初からこの質問をしているわけですけれども、反発をしたという、あるいはしたいという防衛庁並びに自衛隊の空気があるとすれば、こういう形の処置をするということは非常に問題である。つまり、そういう反発に油を注ぐような形の処置ではなかったかという点で、私は非常に遺憾に思うのです。その点について、長官のお考えを伺いたい。
  115. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御心配になりまする御心境はよくわかります。しかし、これはもう全然そういうことはないわけでありまして、このこと自体が昨年六月以来の問題でありますし、もう年度内にはどうしても実行しなければならぬ、そこで準備にかかっておった。まあこれは先ほどから御意見はあるわけですが、確かにあの八丈島沖の地震というものを契機に、あまりじんぜん日をとるわけにはいかぬぞということが防衛庁内でいろいろ検討されまして、そしてああいう形になったというわけでございます。
  116. 和田耕作

    和田(耕)委員 この自衛隊の論議の場合に、かなり自衛隊に対して好意的に考えている人が、いつも感ずることは、自衛隊の制服の人たちがこういう論議に反発をする、そしてこれが積み重なっていけば妙な形の爆発になってくるということを心配をするのが普通ですね。そういうふうなことを考えた場合に、せんだって予算委員会が二十日間ストップをした、これでそういうふうな感じが、自衛隊側あるいはそれに同情している方の中にじりじりした気持ちがうっせきをしてきた、これは一つの当然の予想でもあるわけです。これは否定できないでしょう。
  117. 江崎真澄

    江崎国務大臣 現在、制服の諸君というものは、政治と自分たちの任務というものはさい然と区別しておるというふうに私は認めております。四次防問題について彼らが何を考えたかということの御心配でありますが、そういう御心配は決して要らないとは私は申しません。この心配は非常に根拠のあるお話ですが、現在の自衛隊にはそういう傾向はありませんので、どうぞ御放念くださいという、こういう言い方でお答えをしたいと思うのです。
  118. 和田耕作

    和田(耕)委員 それなれば、なぜ総理はあの予算委員会の審議のときに、これは純然たる政治の問題だから、皆さん方はこの問題についていろいろ気を配らないで一生懸命訓練してくださいという説得をする必要はないでしょう。総理があの場合にそういう説得の発言をするということは、そういうことの危険性があるということを意味している。その背後にそういうことがあるから、総理としてはそういう発言をしておさめておかなければならない。あるいはあの場合のいろんな議論の中でも、こういうことをされたんでは自衛隊のほうはおさまらないという発言も与党のほうからあったというふうに聞いておりますが、それも事実じゃないのですか。
  119. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘のことは確かに総理からありました。それはたまたま先般発表いたしました海上幕僚長の更迭をめぐりまして、自衛隊の定期異動のようなことがあったわけでございます。その内諾を得ました場面で、幹部もいろいろ心配をしておるだろうが、これは政治の問題だから制服は制服の本務に励むように、こういうことを申したわけでございまして、御心配の点はなかったと思います。
  120. 和田耕作

    和田(耕)委員 長官としてはそれ以上のおことばは申せないと思うのですけれども、かりにこういう反発の空気があるとして、今度の長官のとった処置、十分な相談ということもできてない段階で、しかも時間前に抜き打ち的に自衛隊がそういう行動をする、この行動が、かりに反発の空気があるとして、この反発の空気に油を注ぐとお思いになりませんか。
  121. 江崎真澄

    江崎国務大臣 やはりいろいろ遺憾の点もあったということは思っております。
  122. 和田耕作

    和田(耕)委員 つまりこの問題は、私は自衛隊はりっぱに成長してもらいたいと思っている。健全に発達してもらいたいと思っている。思っている側からしても、今度長官のおとりになった態度はきわめて遺憾であると私は思う。この一つの理由がいま言っていることなんです。つまりこのことは、その場合のある反発の気持ちを吐き出すという意味はありますけれども、これに対して当然国民、都民の側から反撃が出てくるということを考えますと、ますますこういうふうな思慮のない行動によってそういう気持ちを激化していくという結果になることを私は非常におそれる。そういう意味で、長官に対してこの問題についての御反省をいただきたいというふうに思うのです。どうでしょう。
  123. 江崎真澄

    江崎国務大臣 いろいろ今度のこの問題について反省する点は確かにございます。それからまた、方法論において好ましくなかったという点も確かにあります。そういう点は、やはり御趣旨のように反省をしまして、今後沖繩配備という重要な問題もあるわけでありまするから、十分考慮を払いながら慎重に行動をしてまいりたいと思います。
  124. 和田耕作

    和田(耕)委員 それで、具体的ないろいろな問題点がたくさんありますけれども、これについて大出委員と伊藤委員その他からいろいろ出された問題だと思います。いま私が申し上げた一つの点だけを考えましても、これがこのままで強行した側と、そうして立川市民、都民の側と野党の勢力と対決をしていくという形になると思うのですけれども、こういう形になりますと、ますます大所高所から見たいま私が申し上げた点だけでも、自衛隊の今後の問題にとって決してプラスにはならない、そういうように私は思うのです。それでこの問題は、いま即答は求めませんけれども、一定の冷却期間を置くという考え方、そういう考え方に立つお気持ちのゆとりと申しますか、準備と申しますか、そういうことはないかどうかということです。
  125. 江崎真澄

    江崎国務大臣 今後努力することによって、何とかひとつ地元の一人でも多く理解を深めたいものだというふうに思っております。今回のことにつきましては、なるべく地元を刺激しないような形で管制訓練に従事をさせていきたいというふうに考えております。
  126. 和田耕作

    和田(耕)委員 先ほど長官は、立川市議会の多数の人たちの陳情があったというお話ですけれども、東京の都議会では全会一致して反対をしている。きのうその代表が来まして、そういう報告を私受けたのですけれども、これは違っておりますか。
  127. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 東京都議会におきまして、正確に記憶をしておりませんけれども、全面返還、平和利用という意見書が決議をされたということは承知をしておりますが、それが全会一致であったかどうか、そこまでは確認しておりません。
  128. 和田耕作

    和田(耕)委員 この問題はもう一つの事実関係長官にただしておきたいと思うのですけれども、長官のきのうの記者会見での、時期的に限界に来ているという声明ですけれども、こういう時期的に限界に来ているという意味をもう一ぺんお答えいただきたい。
  129. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、昨年六月閣議できめまして以来、いろいろ地元側と折衝をしてまいりました。それがどうしても年度内には実行に移すということで、もとの長官の時代に閣議了解などをとっておるわけでございます。したがって、本部隊が移駐いたしまするまでにこの管制の実施訓練というものは最低三カ月かかる、これはさっき申し上げたとおりでありますが、そこで年度内にはどうしてもという方針であった、このことを申し上げておるわけであります。  そして事実、何べんも申し上げるようで恐縮でありまするが、特に陸上自衛隊というもの、まあこれは自衛隊全部に当てはまるわけですが、侵略でもなければ、国の何に貢献するかというならば、私は、平時においてはやはり民生協力ということは抜きがたい重要な任務だと思うわけであります。したがって、首都にそういうひどい災害があったらということをまさに背景にして閣議できめられた。これは、だんだん話をしていけば大義名分の立った話ですし、地元ではいま、まあとにかく基地は頭から反対、どんな形ででも基地なんというものはだめなんだ——これは自衛隊を認めないというたてまえから反対なさる方もあるわけでございまして、全部の賛成を得るということは、これが一番いい理想的な場面ですが、これは事実上不可能でございます。そこでわれわれとしては機を見ておったわけでありまするが、やはり市議会多数が、まあいたし方なかろう。歓迎とはまさかおっしゃったわけではありませんが、そういう任務、目的を持つものであるならやむを得ないではないかということで決議を撤回されたといえば、まあ年度内という場面もありましたし、災害がいつ来るかわからないという、そういう見地に立って判断をしたというわけでありますが、いまお説のように、その方法、手段等において遺憾の点があったことはいなめないと思います。
  130. 和田耕作

    和田(耕)委員 いまの御答弁で時期的に限界があるという意味は、年度内に移駐をする、閣議のそういう了解あるいは決定があったというお話ですけれども、それはそれとしてわかります。こういう問題はいつまで延ばしても片づく問題じゃないという御判断もわかりますけれども、しかし、現在起こっている事態は、東京都議会の人たちのそういう気持ちがある。そして立川市民のそういう問題がある。自衛隊自身が、他の委員も繰り返して何回も申し上げているように、いまの段階で、そういう時期は少しおくれても、あらゆる手を尽くして話し合いをするということが何よりも必要な段階である。特に、予算審議の過程でああいうふうにエキサイトした問題がありましたので、この問題について特に意を用いなければならないということがあると思うのですね。そこらあたりの御判断が、少しそういう反対を軽くごらんになったのじゃないか。まあそれは、賢明な長官ですから判断に間違いないと思いますけれども、そういうところに反発の気持ちが出てきたんじゃないかということを私は心配するわけなんです。しかもその反発は、わからぬじゃないけれども、こういう措置をとることがむしろ反発を激化していく。  今後の経緯、推移を見なければわかりませんけれども、私のところも、私は東京都連の委員長をしておりますので、きょうは午後に関係者を集めて今後の対策を協議したいと思っておりますけれども、おそらくこういう形では、自衛隊と都民との間の感情をますます激化していくという展望が成り立つと思うのですね。そういうことですから、いまの長官の、つまり時期的に限界があるという御理由はわからぬじゃありません。ありませんけれども、もっと大きな問題があるという、現に発生しようとしておる、あるいは現在しておるということをお考えになって、ある種の冷却期間、その間にもう一ぺん相談をするというような意味の冷却期間を——これはいろいろな形がありましょう。そういう冷却期間を置いてみるという、そのようなゆとりはあるかないかということを御質問申し上げているわけです。その内容についてはまだいろいろとありましょう。
  131. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはあくまで管制の実施訓練をする部隊でありまするので、いわゆる飛行場使用反対という市民感情の中には、また騒音に悩まされるのじゃないか、また環境が非常にそこなわれるのじゃないかという従来の被害感から来るその不安があろうと思うのです。将来は二十八機ということを考えておるわけでありますが、とりあえずは今度は五機、約五分の一程度のものでありますが、なるほどヘリコプターの訓練というのはこういうものかと——それからまた、ほんとうの訓練は立川の飛行場を飛び立って他の地点へ行ってやるわけです。立川の市内をまさか毎日舞って、そして訓練をするというわけではありませんので、現在は午前八時から午後五時までを訓練時間というふうに考えておりますので、実態を知っていただくことによってだんだん市民感情というものがもう少し落ちついてこないものかと、理解を得る方向に向かないものかというふうに考えておるわけであります。
  132. 和田耕作

    和田(耕)委員 ある新聞のコラムを見ますと、なぜこういうふうに問題に油を注ぐような御措置をなさったのか。つまり抜き打ちですね。というコラムがあったことを記憶しているのですけれども、それは、自衛隊を認めるという側、私どもそういう立場ですけれども、そういう側から見てもそういう感じがあるわけです。つまりそういうところに、いままでの防衛庁と市民の方々との話し合いというものは、まだまだ話し合いの余地がある。そこで長官のほうは、もう期限が来ているという御判断をなさってこういう抜き打ち的な形の仕打ちをなさったということですね。そういう段階ですから、いま何度も申し上げているとおり、ここで今後の見通しを立てて、あくまでもこれを強行突破していくという御判断をするか。あるいは、ある種の冷却期間を設けて、今後この推移を見ながら、いろんな自衛隊をめぐる重要な課題があるわけですから、そういう課題と関連さしてもう一度、再検討ということばは当たらないと思いますけれども、これを調整するために何らかの一つの期間を置くというお考えに何とか立っていただきたいと思うんですね。そういうふうな形でこの問題を解決していくというようなゆとりを持っていただかないと、先ほどからの社会党の大出君、公明党の伊藤君からの発言のように、またこれはちょっと解決のないような対決という状態に入っていくおそれは十分ある、こういうふうに私は思うのです。重ねてお伺いしますけれども、そういうことは全然考えられないものかどうかということをお伺いしたい。
  133. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御意見の存するところはよくわかります。よくわかりますが、先ほど申し上げたような形でまあ実体をひとつ見てもらうということもまた、なるほどこの程度のものであったかということになるのではなかろうかということも考えながら、いましばらくひとつ様子を見てみたいというふうに思っております。
  134. 和田耕作

    和田(耕)委員 この問題は防衛庁のほうでも十分お考えになったと思うのですけれども、もう一年半ほど前から、立川の問題については、あそこの立川の市民としては、東京の広い一千万以上の人口のあるところで、いろんな中央市場というものが非常に遠いところにある、あそこに立川地域の経済的なセンターとしての流通市場を設けたいという非常に強い意見があるんですね。都知事もきのう言っているように、あそこを都の開発の三多摩の一つの基地として考える場合に、相当広い地域が要るのだということを申しておる。つまり、こういう要求があるから、市民としては、都民としては、この自衛隊の問題について、単なるイデオロギーという問題ではなくて、この立川の基地の始末の問題については善処を願いたいということを言ってきたと思うのです。  私どもは、地方選挙等に応援に行きまして、あの基地のあるところは、立川駅からどれぐらいですか、一キロと離れていない。六、七百メートルのところじゃないですか。つまりそういうところの場所ですから、そこに新しく自衛隊が入るか入らぬかという問題ですから、これは当然この問題は自衛隊としてはもっと考えなければならなかった点だと私は思う。いわば東京の都心みたいなところです。あれは駅からほんとうに五、六百メートルのところですから。そういう経済的な問題もあるのだから、もう一ぺんそういう問題を含めて検討していただきたいと思います。で、この問題について、長官からそういうふうな御答弁をいただけないのですけれども、そのことを私はなお願って、この問題についての質問は保留しておきたいと思います。
  135. 江崎真澄

    江崎国務大臣 実は今回のこれを決定するに先立ちまして、私も現場を見たわけでございます。そのいまの御指摘の点等についてはよくわかっております。そこで、将来米軍から返してもらいまして、そして自衛隊として不必要な点といいますか、極力これを縮小しまして、返せるものは返していく、そういう方向で市民の期待にこたえていきたいというふうに思います。
  136. 和田耕作

    和田(耕)委員 それはそういう方向で現在防衛庁としては交渉なさっておられますか。
  137. 江崎真澄

    江崎国務大臣 そのとおりです。
  138. 和田耕作

    和田(耕)委員 それではさらに申し上げますけれども、この問題の今後の展望を考えた場合に、そして自衛隊の今後の健全な、国民によく理解される自衛隊としての発展をするにはどうしたらいいかということをお考えになっていただいて、ぜひともある種の冷却期間を設けてこの問題の解決に当たるように努力をしていただきたい、このことを申し上げましてきょうの私の質問を終わります。
  139. 伊能繁次郎

  140. 東中光雄

    東中委員 長官は、大災害、大地震なんというのが起こった場合の救助、民生協力のためにどうしても配置せにゃいかぬのだ、こういうことを昨日来言われておるわけですが、立川市民の八二・三%の人が反対をしている。市長が反対をしている。都議会が反対の決議をしている。さらに都知事も反対をしている。民生協力をするといっている協力される側の相手方が全部反対しているのに、防衛庁がそれに協力をするんだと言われるのは、どうしたってこれは筋が通らないことだと思うのですが、その点はどうお考えになっておりましょうか。
  141. 江崎真澄

    江崎国務大臣 どうもこれは何べんも繰り返して恐縮ですが、決してその全部が私ども反対とは思っておりません。市長さんをはじめ相当まだ反対の勢力があることは、これはもうよくわかっておりますが、しかし、一つの重要な判断資料として、市議会の多数が、やむを得ない、まあそういう目的のためならばわかったという理解に立っておられる。これはやはり重要な判断の資料にしたわけであります。
  142. 東中光雄

    東中委員 市議会の多数がやむを得ないというのは、それは防衛庁が強行するんだったらやむを得ないということにしかすぎないのであって、賛成だという意思表示をしているのでないことは、これはきわめて明瞭であります。申し上げたいのは、民生協力をやるといっておられる相手方、対象というのは首都の一千万都民が中心になっているということです。その都議会が、そして都知事が反対だ、抗議までしているわけです。  よく防衛庁は、一部の反対があるけれども、大部分が、あるいは市議会が、あるいは市当局が承知しているからということを基地設置の問題では言われるのですよ。いつも一部である、こう言われるのですが、今度は全く逆なんですね。八二%といえば、これはもう圧倒的多数じゃないですか。しかも都議会も市当局も都当局も言っている。まさに一部の人たちが反対決議を撤回したという、これがあるだけのことなのです。全くいつも言われていることと逆なんですね。そういう点について賛成している者もおるということだけでは、全体の意向という点からいえば、これは民生協力と言われているその協力する相手方がそう言っているのですから、非常にこれは論理的にも実際上もつじつまの合わぬことになるのじゃないか、こう思うのですが、重ねて御見解を聞きたいと思います。
  143. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは立川市の問題でありますから、われわれ立川市に焦点を当てたわけです。それでまあ市長さんは、もともと基地は反対だということで立候補された方だというふうに聞いておりますから、なかなかこれは実際問題として理解を得ることはむずかしかろう、こういう想像に立ったわけで、それでもまあ前後二回私もお目にかかって数時間にわたって懇請をしましたが、これはどうにも御了承を得るという形に至らなかった。これはいかにも残念に思っております。しかし、そのとき市長と同席をされた議長が、防衛庁長官の言う意味はわかったということで、幸い議長はその私の懇請を聞いていただけたわけですね。たまたま同じ場所なのです。別々にやったわけじゃないのです。そこでこの議長が、そういうことであるならば一ぺん市当局に戻って市議会の諸君と相談してみよう、そこで話がちょっと新たな展開になったわけです。そこで相談された結果、自衛隊の本来の任務はもとよりでありまするが、平時においては当然民生協力、その民生協力もヘリコプター——さっきから地震があったら立川だけ受けるかというお話もございますが、ヘリコプターというのは長い滑走路を要するものではありません。それはなるほど滑走路に亀裂も生ずるかもしれませんが、これは上にまっすぐにのぼることができる。私は実は伊勢湾台風を経験しておるものですから、ヘリコプターというものが民生協力面でどれくらい大ぜいに活発に利用されるかということはこの目で確かめております。したがいまして、そういう背景があるということで、市議会がわかったということで、絶対移駐反対、その時点では八二%だったろうと思いますが、それが過半数以上、十九名という多数の市議会議員が賛成をして、まあ来てよろしいということになったんですから、われわれとしては一応そういう事実にもたれて実行に移していった。ただその方法において遺憾な点は確かにありました。これは申し上げておるとおりでございます。
  144. 東中光雄

    東中委員 賛成しているんじゃないということ、これをすりかえられるのは、長官よくないと思うのです。反対の決議を撤回したというだけのことであって、しかも自民党系の政和会の人たちのうちでも三人はまだ撤回をしていないのですから。さらに大きいのは、都知事や都議会については何とも全く無視されているということになるわけですね。その点はいかがなんでしょうか。
  145. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御意見としては十分承っておるわけであります。しかし都議会においても、その全部が反対というわけではないというふうに承知しております。
  146. 東中光雄

    東中委員 都議会という一つの機関の決定を言っているので、そんなことを言い出せば、賛成決議をやった、誘致決議をやったというときに、いつも防衛庁は、全部が賛成してなくても決議があるのだから、こう言っておられるじゃないですか。全くそのほんの一部、少数意見ということばかりを言われているように考えるのです。  それで、大災害のときの災害救助ということを非常に前面に出され、この間の地震のことも言われるんですが、一体この東部方面は、大災害が起こったら非常食なんかはどれくらい出せる余裕があるんですか。どういう体制になっておるんですか。ほとんど役に立たないような状態じゃないですか。
  147. 久保卓也

    ○久保政府委員 お答えいたします。  糧食につきましては約七百万食ぐらい。それから機材関係につきましては、航空機関係約七十機、それから車両関係で一般車両、施設車両含めまして約千九百、それからボートが九十、野外炊具が二百、天幕七百等であります。たしか四、五万くらいの収容力——これは自衛隊の施設に対する収容力でありますが、そういうものがあると記憶いたしております。
  148. 東中光雄

    東中委員 いま言われているのは自衛隊全部ですか。
  149. 久保卓也

    ○久保政府委員 東部方面総監部管内であります。
  150. 東中光雄

    東中委員 いずれにしても一千万の人口を持っているところですね。大災害が起こったときの緊急出動というか民生協力、こう言われている。一千万の人口ですよ。七百万食といま言われていますけれども、これ自体を考えても、夢島だけでも十五万人あそこへ避難するということになっておるわけですね。夢島だけでも一日五十万食ぐらい要ります。そういう計算になるんで、これは実際の役に立たない。むしろ自衛隊の本来の任務というのは、これはもう当然防衛治安出動ですから、そういう任務で配置されているんじゃないですか。そういう任務は関係ないとおっしゃるんですか。
  151. 江崎真澄

    江崎国務大臣 当然関係はあります、それは本務でございますから、しかし、いま東中さん誤解をしてみえると思うのですが、いま申し上げた数字は東部方面総監部だけです。したがいまして、立川に移駐をいたします小型機は二十八機ですから、大災害が起こったときには二十八機ではどうにもならない。もちろん全国から百二十ぐらいはあそこへ集中させることができるわけです。したがいまして、救急物資その他、これはやはり全国から自衛隊が持っていないものでも、他の県からとかいろいろな供出もありましょうし、見舞いもありましょうし、そういうものをどんどん運ぶということは可能なわけで、だからこそ一つの拠点が要るんです。木更津でいいじゃないか、ということですが、木更津も検討してみました。木更津では、江東地区ぐらいなら何とかそれでカバーできるが、木更津ではどうにもならないんだ、やはり立川だ、こういう結論を得たわけでございまするので、そのあたりはひとつ御推察を賜わりたいんです。
  152. 東中光雄

    東中委員 自衛隊の本務が防衛と治安出動ということで、やはりその目的であそこへ行かれておる。反対をしているのは、東京にしても、立川にしても、公害の問題もありますけれども、平和利用をやれと言っておるんです。そういう軍事利用というか、防衛治安出動ということになるのに反対だ、こう言っているわけですから、災害出動云々というのは、これは言えば宣伝用に使われておる。強調されておる。やられないとは言っておらない。非常にそれを強調され過ぎているというふうに私は思うわけです。むしろ、立川の飛行場が飛行業務の停止を発表したのが四十四年の十月三日です。現実に飛行停止をやったのが昭和四十四年の十二月、そこからもう返還の問題が出てきているわけですが、この過程を見ますと、立川だけじゃなくて、ほかでも基地共同使用という点で、米軍基地の返還、あるいは私たちに言わせれば肩がわりですが、そういう体制の中で次々に打ち出されてきている一環としてこれは来ているんじゃないかというふうに考えざるを得ないんです。  たとえば最近では、三沢の基地に昨年十二月に自衛隊が共同使用で配備されました。厚木に対してもことしの一月末に配備されている。こういう形になっています。山田弾薬庫の場合だってずいぶんもめました。御承知のように、四十五年十月に機能停止になって、ことしの一月末に全面返還になりましたけれども、それまでの過程で、むしろ返還返上を自衛隊側から言われて、共同使用の方向でいろいろ動かれた。これは返還になりましたけれども。立川の飛行場だって、同じように首都で、そしてアメリカ軍が配備の重点を変えるという中でここへ自衛隊が入っていこう。いわば日米共同作戦体制というか、あるいは沖繩のあの協定に基づいて自衛隊を配備された。ここでやられておることと同じことをむしろいまの立川の場合もやられておる。私たちはこう考えざるを得ないのですけれども、共同使用の体制というのは、むしろ中曽根長官長官に就任された当初は非常にやかましく言われましたけれども、そういう方向でやってきておられるその一環じゃないかというふうに思うのですが、どうなんでしょう。
  153. 江崎真澄

    江崎国務大臣 そういう御指摘のようなものもありますが、今回の立川の基地については、そういうものではありません。むしろ自衛隊が、ここに何べんも申し上げるような目的で入ったあと、米軍の基地については全面返還を求めていこう、そういう態度でおります。
  154. 東中光雄

    東中委員 山田弾薬庫の場合なんかは、むしろ全面返還の方向に対して受け入れ措置がないという理由で自衛隊がチェックしていますね。そういう経過があるでしょう。
  155. 江崎真澄

    江崎国務大臣 弾薬庫は、御承知かどうか存じませんが、施設そのものが少ないわけです。したがって、自衛隊としてはここを使いたいという考え方に立っておるわけですが、そうかといって、これも地元側から強い返還要請がありまするので、そのあたりは考慮に入れながら目下作業しておるというのが現況でございます。
  156. 東中光雄

    東中委員 だから結局、自衛隊が米軍基地を引き継いで使っていく。沖繩で出された土地強制収用法の場合もそうですけれども、その考えがあって、そしてそういうものとして、いまの立川の場合も、厚木のすぐそばで、首都圏の中で共同でやっていこうということで、ニクソン・ドクトリンが出されてから以後の一環としてやられているとしかわれわれは理解できぬわけですが、山田弾薬庫の場合は少なくともそういう方向が出されている。三沢にしても厚木にしましても、そういうふうになっている。立川だけ違うんだ、こう言われても、私たちどうしても了解できないのです。その点は、立川だけは違うんだ、ほかは共同使用、共同作戦の体制で動いている、こういう長官の御説明ですか。重ねてお聞きしておきます。
  157. 江崎真澄

    江崎国務大臣 どうもちょっと話が違うのです。それは立川については共同使用のつもりはありませんということを申し上げておる。共同使用をしていくことは、これはまあどうも、日米安全保障条約というものを持っております以上、そういうところもあるわけですね。これもあるわけです。しかし立川については、そういうことは将来とも考えておりませんと、こういうことを申し上げたわけであります。
  158. 東中光雄

    東中委員 共同使用の概念にもよりますけれども、二4(a)であろうと、二4(b)であろうと、あるいは三条であろうと、米軍基地になっておるところ——条文の適用は、これはむしろ法技術的なものだと思うので、実際米軍基地を自衛隊が使う、自衛隊が使っておるところは米軍基地であるという関係でしょう。そういう意味での共同使用ということを私は言っているわけですが、そうじゃないのですか。
  159. 江崎真澄

    江崎国務大臣 自衛隊として必要なものは、やはり米軍返還後といえどもできるだけ確保していきたい。アメリカと日本との共同防衛ということもありますが、これは自衛隊があくまで必要とするものは受け継ぐ。必要としないものは、これは地元に全面返還というものも、考えておるものの中にはあまたあるわけでありまして、今後とも自衛隊を中心に考えていきたい、こう思っております。
  160. 東中光雄

    東中委員 自衛隊が必要とするものは米軍の基地から引き継いでやっていく、そういう考えで今後とも進めていきたい、こう言われているわけですね。そうでございますね。
  161. 江崎真澄

    江崎国務大臣 自衛隊が必要なものは、基地として米軍に提供しておったものですから、こちら側が必要欠くべからざるものは受け継ぐ、そのとおりであります。
  162. 東中光雄

    東中委員 山田弾薬庫の例でいえば、地位協定のたてまえからいえば、アメリカ側は必要でなくなれば返還しなければならない。二条の本文三項にはっきりそう書いていますね。それを今度は、自衛隊の必要で弾薬庫をほしいからということになったら、準備が整っていないから、だから返還を待ってもらってやろうという動きをされて、そうしていろいろ反対があって、決着のところは、全面返還になりそうだけれどもまだ話が進行中だ、こういうふうに言われますと、姿勢はもうはっきり自衛隊自体として米軍に肩かわりをしていく、そういう体制をとっておられる。それにアメリカ側は、地位協定のあの条文じゃなくて、返還しなければならないという協定があるのに、それに防衛庁側と同じようなタイアップした進行の方向をとっている。こうして日米協力してやっている、こう考えざるを得ないのですけれども、いかがでしょう。
  163. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 山田弾薬庫の例が出ましたので御説明申し上げますが、当時、当初現地司令官からそれについての返還の予告がございまして、それにつきましては、まだ中央のレベルにおいて十分検討されていないままに現地の司令官が予告をするということで、これは一応差しとめてもらったわけでございます。そういう形でまいりまして、その後、自衛隊が米軍の要請によりまして、一部の隊員により警備に当たってきた。ことしになりまして、米側のほうからこれについての返還という正式の通告があったということで、これは国有財産でございますので、大蔵省の財産となりまして、それに対しまして、自衛隊は九州地区に他に大きな適当な弾薬庫がございませんので、これを使わしてもらいたいという強い希望がございますし、また地元につきましては、やはり地域開発の面でこれを有効利用したいという御要望もございます。その辺が今後の調整問題になってくるわけでございますが、ただ自衛隊の立場といたしましては、先ほど申しましたように、これをやはり有効に利用さしてもらいたい。しかし、それをすべての面積全部につきまして活用するということでなくて、やはりその間には地元との調整というものが必要でありますし、またある程度の調整は可能であろうというふうなことで、現在、市当局とも話し合いを進めておるという状況でございます。  そこで、三沢の例、厚木の例、いずれも二4(b)あるいは二4(a)の形で共同使用という形態をとっているわけでございますが、これはやはり先ほど大臣からのお話がございましたように、一応防衛目的というものをいかにして有効に果たしていくかということになってまいりますと、やはり一定の自衛隊の施設も必要になってまいりますし、これを新たに他に求めるということはなかなか容易ではない。また米側との間におきましても、そういう共同使用についての話し合いが合意が成るというふうな形におきまして、そこを自衛隊も使わしてもらうということで今日までそういう共同使用の形をとってきておるわけでございまして、やはりそういう目的の有効な達成の方途というものの一つの手段としてそういう共同使用という形をとっておるわけでございます。
  164. 東中光雄

    東中委員 新たに自衛隊の基地を取得することになれば、これはなかなかたいへんなことだ、だから、米軍の基地あと、あるいは米軍の基地の利用ということでやっていくのだ、これは防衛の必要上そうなっている、こういうことですけれども、それならまさに立川の場合も同じことですね。防衛の必要上返還になる、あるいは共同使用停止になった、それを自衛隊が使うということで、山田弾薬庫のようなことにならぬように——ぱっぱっと去年の夏やっちゃったということに結局なっているわけで、そういう形での日米共同使用、日米共同作戦体制というのが、むしろニクソン・ドクトリンでアメリカが基地を縮小するという肩がわりをする、共同作戦体制を強化していくという、この一環としてきているように私たちは考えざるを得ないわけです。  そこで、そういう大きな方向があるから、だから今度のだまし討ちだとか夜討ちだとかいわれるような事態が起こったのじゃないか。これは明らかに、少なくとも正々堂々とやられていることではないと思うのですよ。  私、事実関係についてお聞きしておきたいのですが、宇都宮を出発したのはいつなのか、この点をひとつお聞きしたいのです。
  165. 久保卓也

    ○久保政府委員 宇都宮の部隊は、ちょっと日取りがわかっておりませんけれども、前進をして練馬におりました。したがいまして、練馬からこの部隊が出発しておるわけで、練馬を出発しましたのが、三月七日のたしか十時半だと思います。
  166. 東中光雄

    東中委員 宇都宮を出たのはいつなんでしょうか。
  167. 久保卓也

    ○久保政府委員 私、聞いておりませんので、調べてお答えいたします。
  168. 東中光雄

    東中委員 訓練で行くというのだったらそれは別ですけれども、移駐、要するに配備がえ、本拠がかわるわけですから、本拠がかわるということで出たのは——練馬へ寄ったというのは、これは練馬で待機したのでしょうけれども、訓練なら——それでもやはり若干の準備が要るでしょうけれども、移動ということになったら、いわば宿がえですから、宿がえの行動を起こしたのはいつなのか。途中で寄っていたところから出た話だけでは、これは話になりませんので、現場としてはいつ宿がえするという行動を起こしたのかということを聞いているのですよ。そんなことがわからぬというのは、そんなに前なんですか。
  169. 江崎真澄

    江崎国務大臣 いま私の手元の資料によりますと、練馬の部隊に集結いたしましたのは、東部方面総監の命令によりまして、三月六日十七時から二十三時までの間であります。これは、すでに一週間ほど前——厳密にはあとすぐ日取等わかりますから、調査して報告いたしますが、一週間ほど前から、いつでもサインをすれば出ることができるように、こういうことで話をまとめておりましたので、だんだん私どもの指令を受けて陸幕長が東部方面総監に命令をするという形で、練馬に三月六日十七時から二十三時までの間に、いま申し上げたような時間に集結したわけであります。これはトラック隊のことです。
  170. 東中光雄

    東中委員 演習とかというのだったらそれはわかるのですけれども、いわば宿がえに相当する移駐ですね。それをずっと前からやっておって、それで練馬まで来て——だからいわば計画的夜討ちになるわけですね。たまたまの夜討ちじゃなくなるわけです。長官に私が七日の日、予算委員会の途中だったのですが、五時ちょっと前に、今夜半でも立川に移りそうだというような情報を聞いたので、どうなんですかということを聞きにいきました。そのとき長官は、そういうことはさまってないし、これは委員会に入っておるから知らない、こうおっしゃったわけです。あれはもう午後五時段階ですよ。
  171. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私はそういうことは申し上げられませんと申し上げたですね。これはごかんべんをいただきかいと言って、しきりにあなたに御了解を求めたつもりです。
  172. 東中光雄

    東中委員 そういうことを言われたらいけませんわ。知らないということを言われたのと、ずっとここに入っているからということを言われたのと、そして……。
  173. 江崎真澄

    江崎国務大臣 ああ、それはわかります。
  174. 東中光雄

    東中委員 そう言われて、それで、きまっていない、ただ一般的に移駐の時期というのは言えないということ、これも言われました。それも言われたことは事実ですけれども、具体的にいまこういう動きがあると聞いているけれどもどうなんですかとお聞きしたときには——岩間参議院議員も一緒でした。そのときに長官は、それは予算委員会で、ずっと昼の理事会にも来ておられましたから、知らないと言われた。そういうことはさまってない、そういうことにはなっていないというふうにおっしゃった。
  175. 江崎真澄

    江崎国務大臣 わかりました。私、申し上げられませんというふうに申したつもりでありますが、そういうふうに御指摘になれば、それは確かなんです。それはあのときに、今夜にもとかあすにもとか地元ではやかましく言ってきたが、どういうふうだ、長官、こうおっしゃったから、具体的に時間等そういうことについては、私、委員会に入っているから知りません、こう言ったわけです。  それは、いつでも行こうということで一週間くらい前から防衛庁部内では了解をしておったわけですが、ほんとうにきょうやろうということに指令をしたのは、十九時ごろ、委員会が終わった時点で私、話を聞き、そして、これは重要な問題ですから、官房長官にこういうことで決行することにしたから総理に伝えてもらいたいということで、官房長官にも了解を得た。そういうわけですから、あの時点では、何時にどうしてこうしてということは知らなかった、これは言えるわけです。もしそういうことばを使っておるとすれば、そのことを申し上げたわけでございます。
  176. 東中光雄

    東中委員 午後七時に指令をして、そして立川の市長に連絡されたのは午後十一時六分ということですね。しかもこの連絡によりますと、電話連絡で、しかも移動する航空機の立川到着予定は八日の午前十時三十分ごろであります。航空機の移動については云々ということがあって、この管制訓練を支援するための地上部隊は明早朝立川飛行場に移動する予定であります、こうなっております。午前十時三十分ということで、そして管制部隊が早朝にそれより早く行きます、その連絡が午後十一時ですね。これは、普通の通告、事前通知なんという概念から言えば、全く、あすの早朝のことについて言うておるわけですから、これはなるほど早朝といえば、八日の午前零時から早朝でしょうけれども、普通の官庁間の、あるいは普通の日本語として使う場合でも、早朝といえば夜明けというくらいのことを考えるのはあたりまえです。十時三十分に行きますから管制部隊は早朝に行きます——だから、連絡される時間が第一異常な時間だし、そして連絡された内容と違う。しかも日にちまで違う。先ほど来何回も言われておりますから、同じことを繰り返しませんけれども、とにかく一日早く行っておる。これはどう考えても、長官のほうで、移駐を決定して動いておるというよりは、むしろ動いてきておる分を——先ほども、了承を与えた、こう言われたですね。進んでおる分について了承を与えるというかっこうで、しかもそれは長官のほうで言っておることと違う状態で発展していっている、こうなっているでしょう。
  177. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはそうではありません。くどい話になりますから簡単にしますが、大体未明といいますか、そのくらいにやりたい。あるいは夜半から未明にかけてという話はありましたが、陸幕長から次官が協議を受けて状況判断をして、そこで、無益の衝突は回避したい、混乱があってはならぬということで、数時間早めたい、こういうことを八時四十分ごろ私に言ってまいりましたから、それはよろしい、そういう判断に立つならば、なるほど混乱は避けようじゃないか。堂々と行くということも一つのまさに方法でありますが、しかし、そうかといってまたそこで混乱が起これば、これはまたこれで結果のいかんによっては重大な事態に立ち至ります。そこで、その次官の判断に従ってよろしい、これは私も同意しようということで了承を与えたわけです。
  178. 東中光雄

    東中委員 そうすると、早めるという了承を与えてからあと、到着の三十分前くらいに、すでに部隊が出てしまってからあと立川の市長に連絡をされた、こういう結果になるわけですね。しかもそれがその連絡内容と違う結果になった。だから、こういう点でいくと、まさにこれは作戦行動になっているんですね。本隊から、宇都宮から出て練馬で待機展開をしておって、そして総括質問も終わったという段階で急遽敵情を見て、前よりは時間を早めて、そうして日まで変わって早く——大げさに言えば一日早くということになるんですが、それは、早朝ということばが午前零時まで早朝だという考え方でいくんだったら、それは十五分だけれども一日早くということになるわけですが、それで行ってしまった。暴走してしまった。相手はだれなんだといえば、八二%の立川市民の反対の声、市長、都議会、都知事じゃないですか。こういう反対の声があるから、それに対して、いま言われたような形で夜襲をかけたようなかっとうになっておる。これはどうしてもぐあいが悪いですね。そういう点、考え方の基礎が、八二%の市民の意思なり、あるいは都議会なり知事なりと、これは話をやってから——都知事とはまだ一回も話をされてないですね。ほんとうに災害救助、民生協力だったら、協力してもらう側が、何もそれに対して絶対反対、抗議するなんということを言うわけがないのです。どうせやってくると言っておるのだ。都議会も知事ももう立川の市長も、あれはやるんだ、やるのだったら、もう知事、市長として扱うのじゃなくて、とにかくここではもう作戦行動しかないというふうにやられたようにしか考えられぬのですけれども、その点どうでしょう。
  179. 江崎真澄

    江崎国務大臣 国会の総括質問とはこれは全く無関係でございまして、これはきのうでも一般質問が予算委員会では継続していますし、担当の内閣委員会ではこういうふうに御質問いただくわけですから、これは国会とは全く無関係でございます。  それから、その状況判断等につきましては、さっき和田さんに申し上げましたように、まあ一つの限界といいますか、年度内というならばまあこのあたりでひとつ移駐をさせようということだったわけです。  実はほんとうに、なかなかこういう問題というのは秘密が守られるものではありませんが、実際問題として、自衛隊の移駐にあたって機動隊が出てきて、それこそ市長さんはじめ、まさかそういう公職にある人が実力行動に出られるなんということは、私どもだって思ってもおりませんが、このごろは、もう理屈や理論にかかわりのない過激派の連中というものもおるわけです。それにしても、そういう連中を一々排除して自衛隊が実力行使の上配備されたよりは、まあ、これも決して好ましくはないが、いたしかたはなかろうか、そういう判断に立って時間を繰り上げるということに了承を与えたというわけでございます。
  180. 東中光雄

    東中委員 いま過激派云々ということを言われましたけれども、あんなものは何も動いてないじゃないですか。ああいうものを、そういうあなたのほうの強行移駐の口実に使われるというのはいかんですよ。そういうふうに、過激派の連中をいつも口実に使うためにむしろあの連中を泳がせているんだと私たちが言うのは、そこなんです。今度の場合はそんなもの関係ないじゃないですか。市長と話し合いをし、話をつけ、知事と話し合いをし、話がつくんだったら、ほんとうに災害救助だということを考えていらっしゃるのだったら、つくと考えないほうがおかしいのであって、そうでないということで、問題点があるからつかぬだろうといってきめ込まれてやられている。  いま総括質問が終わったときだから、そんなことは関係ないと言われましたけれども、しかし総括質問だったら、総理が出ているところですぐ質問になるわけです。一般質問になっておるから総理に聞けないのですよ。きのうだって聞けない。きょうここだってそうである。だから、やはり総理に来てもらって、これは総理が最高の責任者であるわけですから、そういう点でぜひはっきりさせたい。  私たちは、この移駐、こういう形で、言わば夜討ち朝がけですが、第一隊は夜討ち、第二隊は朝がけ、そうして本隊はまだいるわけですから、そういう状態になっているんで、これは移駐をもとに戻されて、そうして市民、都民の、あるいは国民の納得を得るまでは、まず先に行動をやるというようなことはやめるべきである、このことを強く要請したいと思いますが、どうでありますか。
  181. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御意見としては承りますが、私どもとしましては、これはあくまで訓練実施部隊でありまするので、さっきから繰り返しておりまするように、小型機というものはこの程度のものか、これは思ったよりもたいしたことはない、これが災害救助活動に活躍するというならよかろうではないかという理解も、訓練活動を通じてだんだん市民に持ってもらうこともできるのではないかというふうに考えておりまするので、様子をしばらく見守っていただきたいと思います。
  182. 東中光雄

    東中委員 では私、質問を終わりますが、いまこういう大きな問題になっているわけですから、本来総理がその立場をはっきりされるべき性質のものだと思いますし、そういう点で、他の質問者と同じように、質問を留保さしていただきたいと思います。
  183. 伊能繁次郎

    伊能委員長 次回は、明十日金曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十七分散会      ————◇—————