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1972-04-18 第68回国会 衆議院 地方行政委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月十八日(火曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 大野 市郎君    理事 上村千一郎君 理事 大石 八治君    理事 塩川正十郎君 理事 中村 弘海君    理事 豊  永光君 理事 山口 鶴男君    理事 山本弥之助君 理事 小濱 新次君    理事 門司  亮君       高鳥  修君    中山 正暉君      橋本登美三郎君    宮澤 喜一君       村田敬次郎君    綿貫 民輔君       桑名 義治君    和田 一郎君       林  百郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   中村 寅太君  出席政府委員         警察庁長官   後藤田正晴君         警察庁刑事局保         安部長     本庄  務君         警察庁交通局長 片岡  誠君         運輸政務次官  佐藤 孝行君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 秋富 公正君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君  委員外出席者         運輸大臣官房参         事官      原田昇左右君         運輸省自動車局         業務部長    小林 正興君         運輸省自動車局         整備部長    隅田  豊君         運輸省自動車局         整備部車両課長 飯塚 良政君         建設省都市局都         市再開発課長  重元 良夫君         建設省道路局高         速国道課長   浅井新一郎君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     前田 光嘉君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ————————————— 四月十八日  理事山口鶴男君同日理事辞任につき、その補欠  として山本弥之助君が理事に当選した。     ————————————— 四月十四日  風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一〇七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  連合審査会開会申し入れに関する件  参考人出頭要求に関する件  風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一〇七号)  道路交通法の一部を改正する法律案内閣提出  第七八号)      ————◇—————
  2. 大野市郎

    大野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる風俗営業等取締法の一部を改正する法律案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。中村国務大臣
  3. 中村寅太

    中村国務大臣 ただいま議題となりました風俗営業取締法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  いわゆるモーテル営業は、享楽的な風潮やモータリゼーションを反映し、ここ数年の間に近郊住宅地域等において急増しておりますが、今後もなおふえるものと予測されます。  このモーテル営業は、個室自動車車庫個々に接続する施設異性同伴客に利用させる特殊な業態であることから、性の享楽場所として利用され、また、社会的にもそのように認識されておりますので、住宅地域健全行楽地域等においては、これによってその清浄風俗環境が著しくそこなわれている実情にあり、また、最近、この種の施設においては犯罪の発生が増加する傾向を見ております。  このような状況にかんがみ、本法案は、モーテル営業が営まれることによって地域清浄風俗環境が害されることのないよう、都道府県条例で定める地域におけるモーテル営業を禁止し、これに違反する者に対しては、都道府県公安委員会当該営業廃止を命ずることができるようにするものであります。  次に、本法案のおもな内容について、その概要を御説明いたします。  その一は、個室自動車車庫個々に接続する施設であって総理府令で定めるものを設け、当該施設異性同伴客の宿泊に利用させる営業モーテル営業とし、モーテル営業が営まれることにより清浄風俗環境が害されることを防止する必要のある地域として都道府県条例で定める地域においては、これを営むことができないこととしております。  その二は、現にモーテル営業施設の存する場所が、モーテル営業禁止地域として都道府県条例で規制されることとなったときは、その規制されることとなった日から一年間は、当該施設を用いて営むモーテル営業については、禁止規定を適用しないこととしております。  その一は、都道府県公安委員会は、モーテル営業禁止地域においてモーテル営業を営んでいる者に対しては、当該営業廃止を命ずることができることとしております。  以上の措置に伴い、所要の罰則を設けることとするほか、関係規定整備をいたしております。  なお、改正規定は、公布の日から施行することとしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  4. 大野市郎

    大野委員長 以上で、提案理由説明は終わりました。      ————◇—————
  5. 大野市郎

    大野委員長 内閣提出にかかる道路交通法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山口鶴男君。
  6. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 最初に国家公安委員長警察庁長官お尋ねいたしたいのでありますが、最近の国会は、国民の知る権利の問題を中心にいたしまして、衆参両院を通じまして、いろいろな角度からの質疑、論戦が行なわれております。私は、この問題をあらためてここで蒸し返そうというつもりはございませんが、ただ、国民の一人として、各種の報道の中から、若干疑問に思っておる点がありますので、その点だけをお尋ねをいたしたいと思います。  それは、西山記者並びに蓮見事務官逮捕関連をいたしまして、新聞等を拝見いたしますと、逮捕されました翌日、五日でありますが、佐藤総理は、逮捕に関して事前に相談を受けたかという記者団の質問に対して、そんなものはない、警察が独自でやったのだというふうにお答えになっておるようであります。ところが、七日になりますと、記名団に対しまして、——西山記者並びに蓮見事務官逮捕は四日の夕方であったようでありますが、四日朝の閣議中村国家公安委員長報告し、了承をされていることを認めて、その報告を黙って聞いたよ、閣議というものはそういうものだということで、このお二人の逮捕については、閣議了解があった上でこの逮捕をされたという趣旨の御発言を佐藤総理がいたしておるのであります。中村国家公安委員長、いずれが真実でありますか。中村国家公安委員長が、四日朝、閣議報告をされて、閑談了解をとった上で逮捕に踏み切った。特に、国家公務委員法百十一条で、国家公務員にあらざる西山記者逮捕されたわけでありますから、そういう意味閣議了解をとった上で逮捕をされたのか。そうではなくて、警察独自の御判断として逮捕に踏み切られたのか。その点いずれでありますか。国民疑惑にひとつお答えをいただきたい。
  7. 中村寅太

    中村国務大臣 この事案は、山口委員も御承知のように、警察といたしましては純粋な刑事事件として取り扱ったものでございますから、閣議了承とか閣議決定とかいうものを必要とする案件ではございませんことは御承知のとおりだと思うのです。たまたま、あの日の朝、蓮見さんが、任意出頭という形ですか、自首の形というのですか、とにかく五時何ぼに警視庁に出頭した。そしていろいろ供述を聞いてみると、西山記者関連が非常に深い。容疑が濃厚である。こういう状態であるので、西山記者に対しては、警視庁の同僚を通じて、任意出頭してもらうようにいま話しておるということであるという、単なる話題といいますか、そういうことが事実あると新聞等にすぐ出ますので、たまたま閣議でございましたから、話題として話しただけで、閣議了承とか、そういう性質のものじゃもちろんございませんことは御承知だと思います。そういう意味でございます。
  8. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そうしますと、四日朝、中村国家公安委員長は、西山記者任意出頭を求めて、そうして蓮見事務官お話等容疑があるので逮捕するつもりだという趣旨お話を一応経過としてされた。それは閣議決定というようなものではなかったが、閣議としはそういうお話をされた。その後に、四日の夕刻西山記者逮捕されたということになるわけでありますか。
  9. 中村寅太

    中村国務大臣 私が話しましたのは、逮捕とかなんとかいうような、そういうところまでいっていないのです。ただ、あの自の朝、蓮見さんが出頭して、いろいろ供述を聞いてみると、西山記者にかなり容疑が深いようであるから任意出頭を求めて聞く、そういうことをやっておるようである。こういうことを話しただけでございます。
  10. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 容疑が濃いという、その容疑は、国家公務員法百十一条であるというようなお話はされたわけですか。
  11. 中村寅太

    中村国務大臣 そういう詳しいことまで話すということでないのです。ただ、蓮見さんが出頭してきまして、それに西山記者がかなり深い関係があるらしいので、本人に任意出頭を求めて聞くということをやっておるようであるという、いま申し上げましたくらいのことばを言うただけでございます。
  12. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そうしますと、一年三百六十五日、任意出頭を受ける方はずいぶんたくさんおるわけでしょうし、また、逮捕になる方もずいぶんあるだろうと思うのですが、そういうものを一々閣議話題にされることはないと思うのです。そういう任意出頭なんということで閣議話題として提供されるというのは、一体一年間の閣議のうちでどのくらいあって、どういう性質のものについてそういう話題閣議で提供なさる慣例でございますのか。その点をひとつお伺いしたいと思うのです。
  13. 中村寅太

    中村国務大臣 そういうかたいことでなしに、たとえて言いますと、浅間山荘事件というのがありますと、いわゆる赤軍派山荘に立てこもったというようなことがわかったような場合は、こういう情勢であるということを言うわけでございまして、その程度のことでございまして、どういうものを閣議報告するかという基準があるのじゃございません。単なるそのときの軽い話題になるようなもの。たとえて言いますと、蓮見さんが出頭したというようなこと。これはやはりかなり午後の夕刊等にも載って、一つの話題になるというようなことでやったことでございますから、基準とかなんとかいうことでやったものではございません。
  14. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 長官お尋ねしましょう。  この問題は、特に西山記者の場合、国家公務員ではないわけですね。しかるに、国家公務員法百十一条のそそのかし等の容疑逮捕に踏み切られたわけでありますが、これは、警察としては、純粋に刑事事件としての判断の上に立ってなされたということに了承してよろしいわけでありますか。特に、国家公安委員長閣議にこの報告をされたということになりますと、報道機関その他が述べておりますように、何か、閣議了解をとった上での政治的な逮捕であるというふうに受け取られやすいと、事実、そう私は思うのです。その点、警察庁長官としては、一体どのような態度でこの逮捕に踏み切られたのか。この点だけ明確にお答えをいただきたいと思います。
  15. 後藤田正晴

    後藤田政府委員 私は、この事件につきましては、局長以下に、この事件は事が機密という問題に触れることでもあるし、同時にまた、報道との関係もあるということでいろいろやかましいことになるだろう、したがって、警察の姿勢を疑われないように、純粋に刑事事件という土俵をつくれ、その土俵の中で捜査の筋を追及せい、土俵外議論には一切耳をかすなということと、いま一点は、捜査内容については、私までに報告をして、あと、いかなる方にも報告はいけない、警察法できめられたとおりの措置をしろ、こういう点を申したわけであります。  そこで、それでは一体大臣任意出頭を求めると報告したのはどういうことか、こういう御議論があるかと思いますが、私どもは、国家公安委員長に対する報告は、これは、国家公安委員会というものが警察庁を管理するという立場にありますので、その管理権を発動せられるに必要な限度報告を毎週する。こういうことにきめております。そこで、平たく言いますと、大体新聞紙上等でいろいろ論議せられる問題については、捜査内容にわたらないという限度において御報告を申し上げる。こういうことに方針をきめております。  今回の事件につきましても、そういう意味合いから、当日の朝、早朝でしたが、私のところに報告がございました。いま大臣お答えを申し上げた程度の、とりあえずの電話報告でございました。そこで、それならば、その程度のことにとどめて大臣電話で御報告をしておこう、こういうことで申し上げたにすぎまません。自来、国会等でいろいろやかましい問題になり、新聞等でも問題になりましたが、私は、捜査内容にわたる事実関係は一切報告は申し上げなかったというのが実情でございます。したがって、今回の事件について、政治逮捕であるとか、あるいは政治的事件であるとかいった、事実に基づかざるいろいろな非難、攻撃があったことについては、私は、はなはだ残念に思っております。   以上でございます。
  16. 大野市郎

    大野委員長 山日委員に申し上げますが、ただいま上程中の道交法と直接の関係のない問題につきましては、ひとつできるだけ御制約をいただいて、本論をお進め願います。
  17. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 これでやめておきます。委員長から交通整理の御指摘がありましたから、十分尊重して、簡単に打ち切っておきたいと思います。  ただ、結局、警察庁長官がそういうおつもりであり、また、国家公安委員長がそういうおつもりであったとしても、佐藤総理の日から、国家公安委員長からその報告があって、黙って聞いていたよ、指示したわけではない、しかし、閣議というものはそういうものだ、閣議というのは、報告があって、特に異議がなければ、それは閣議了解したものだ、そういうふうに認めるのが閣議趣旨だ、という趣旨の話をしておられる。そういたしますと、後藤田長官がどういう御意図であったか、また、中村国家公安委員長がどういう御意図であったか知りませんけれども、とにかく、閣議話題になり、閣議了解した上で四日の午後逮捕に踏み切ったというふうに疑われることは、私は、やむを得ないと思うのですね。そうなれば、これは政治的な逮捕ではないかということになるわけであります。李下に冠を正さずというようなことばもございますが、そういう意味では疑惑を受ける逮捕のしかたになったということが私どもとしては非常に残念であり、遺憾であるということを申し上げておきたいと思います。  それでは、次にお尋ねいたしたいのは、道路交通法で、特に、有料道路事故の問題が最近たいへん多いわけでありますが、この問題につきましては、また、他の委員の皆さんからもお尋ねがあると思いますので、私は、特に、高速自動車道建設に対する建設省態度をひとつ聞いておきたいと思うのです。  最近、東名高速道路ですか、がけくずれ等がございまして、交通途絶をするというような状態が起きております。少なくとも、高速道路というのは、わが国道路技術水準の粋を集めてつくるべきものだ。でありますだけに、通過する人たちからもわざわざ料金を徴収しているわけでありまして、最近のように、どういう事情か私も知りませんけれども高速道路交通途絶をするという事態が起きますることは、私は、非常に遺憾だと思います。最近の高速自動車道通行途絶というのは、一体どういう手落ちがあって、どういう構造上の欠陥工事施行上の欠陥というものがあってああいう事態が起きておるのでありますか。建設省高速国道課長さんがお見えのようでありますから、まずお答えをいただきたいと思います。
  18. 浅井新一郎

    浅井説明員 先生指摘高速道路交通どめの問題は、最近、がけくずれにからみまして二、三起きております。特に、二月の十七日以降、中央道岩殿山で大規模地すべりが起きまして、三月の二十一日以降交通をとめておるような状況でございます。ごく最近では、人名の吉田インターチェンジのすぐそばで、これは地すべりではございませんが、がけくずれで、約五百立米ばかりの上を処理いたしております。このほうは一晩のうちに片づきまして、交通どめになったのは五時間ばかりでございましたが、これはもう大体交通を確保しております。岩殿山事故は、今後まだ四カ月くらいかかろうというようなことでございます。  こういった事故がどうして起きるかというお話でございますが、この地すべりの問題につきましては、実は、われわれも非常に頭を悩ましておりまして、こういうものは、道路建設の際に、まず、ルートを選ぶ際に、そういう地すべり危険個所はなるべく避けるという方針で一応ルートを選んでおります。しかし、ああいう高速道路線形は、一般道路みたいに、そうヘビみたいに曲がるわけにも必ずしもいきませんので、かなりゆったりした線形で入れなければならぬという事情から、局部的には、どうしてもああいう地質の悪い個所に入っていかざるを得ないということになります。そうしますと、あとは、そういう個所について、施工の際に十分調査をいたしまして、ボーリングあるいは物探といった調査をいたしまして、地質状況を把握して、それに見合うようなのり面保護法というものを選びまして施工いたしておるわけでございます。そういたしましても、必ずしも当時わからなかったいろいろなこまかい亀裂の問題、そういう問題が、その後の風化等、あるいは地震、そういったような原因が蓄積されまして、いずれの日にか何かの形で崩壊するという事故があるわけでございまして、そういう場合には、なるべくそういう崩壊事故事前にキャッチするように十分なパトロールをして、災害あるいは人命事故に至らないような配慮をしたいということで、監視を強化するというような方法をとっておるわけでございます。
  19. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 いろいろな手当ては講ずるのかもしれませんが、大体、地すべり地帯というのは地質上わかるわけですね。そうでしょう。また、地すべり地帯に対しては、地すべり防止工事をどうやったらいいのかということは、これまた技術的にもう明確になっておる問題だろうと私は思うのですね。それが、高速自動車道をそういった地すべり地帯を通したり、またどうしても地形上やむを得ないという場合に、その地すべり対策が欠けておるというようなことは、私は、非常に遺憾なことじゃないかと思うのです。それが、市町村がつくる市町村道であるとか、あるいは府県がつくる府県道だという場合であればそういうこともあり得ると思いますけれども、少なくとも、国が道路公団を通じて監督もし、責任を持っている。そういったわが国の基幹的な道路であるべき高速自動車道でそういう事故が頻発をするということについては、十分今後注意してもらわなければいかぬことだろうと思います。時間もありませんから、その責任がどうだこうだというような議論はおきましょう。  そこでお尋ねしたいのは、そういう重要な高椋自動車道をつくります際に、東名あるいは名神等高速自動車道の場合の用地買収は、日本道路公団が直接やったと記憶しているのですが、いかがですか。
  20. 浅井新一郎

    浅井説明員 先生指摘のように、東名名神中央道富士古田線につきましては、大体公団直営で買収いたしております。
  21. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 その後、東北自動車道あるいは関越自動車道等建設が逐次進行いたしているわけでありますが、これの用地買収はどういう形をとっていますか。
  22. 浅井新一郎

    浅井説明員 これは、大体昭和四十二年から、いわゆる東名名神中央道に次ぐ新規の高速道路ということで、全国的な規模で展開したわけでございますが、その時点で、用地買収事務について各府県にお願いするという方針を立てまして、現在、直営と各府県委託というような形とコンバインしまして、並行的にやっております。
  23. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 この場合の委託は、単なる民法上の委託契約ということだろうと思いますが、いかがですか。
  24. 浅井新一郎

    浅井説明員 これは、お話のように、民法上の委託契約ということでやっております。
  25. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そうしますと、県がこういう条件でなけれれば委託に応じませんよと言えば、強制はできないし、ましてや、強制するようなことは一切ない。こう了解してよろしいわけですね。
  26. 浅井新一郎

    浅井説明員 おっしゃるとおりでございます。
  27. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 聞きますと、ある県は、この公団が示した委託契約で、すんなりのんだ。ところが、ある県は、いろいろな条件を付してたいへん困る。ほかの県はすんなりのんだのに、何であなたの県だけはいろいろな条件を付するのかというようなことを現に公団が言っている事実がありますが、そういう事実は私は誤りだと思うのですね。そういうような、私が指摘したようなことについては、一切御報告は聞いておりませんか。
  28. 浅井新一郎

    浅井説明員 委託契約に関するいろいろな問題につきましては聞いておりますが、具体的にどういう県でどういう契約に対してトラブルがあったということは聞いておりません。
  29. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 私、一点だけ確認しておけばいいのです。国会でも議論があって、これは単なる民法上の委託契約である、したがって、特定の県にこういう条件でなければいかぬというようなことを押しつけることは一切しない、あくまでも相互の話し合いでやるものであって、ある県はすんなりのんだけれども、あなたの県はつまらぬ条件を付することはいかがかというようなことは一切言ってはならぬ、ということを道路公団に対して指導することを約束していただけますか。
  30. 浅井新一郎

    浅井説明員 よく実情を調べまして、そういう方向で指導したいと思います。
  31. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 本来、国がいろいろな仕事を自治体にまかせる場合、これは地方自治法別表等で、機関委任事務あるいは団体委任という場合をとるのが一番正しい姿だと私は思うのであります。そういう場合は、当然監督権限を持っております官庁がいろいろな指導自治体にすることはやむを得ないと思いますけれども民法上の委託契約でありますこのような問題に対して、特に、住民自治を尊重しなければならぬ自治体に対して、いろいろな形で高圧的な態度をとるというようなことがあっては、地方自治という観点から間違いだというふうに考えますので、そういう角度からお尋ねをいたしたわけです。御答弁をいただきましたが、私の意のあるところをよくくんでいただきまして、道路公団がいやしくも地方自治をそこなうことのないように、そういう趣旨指導していただくように強くお願いしておきます。  それから警察お尋ねいたしたいのですが、駐車場法という法律がございますが、この駐車場法を見ますと、駐車場整備地区を定めるときには「都道府県知事にあっては都道府県公安委員会の、建設大臣にあっては国家公安委員会の意見をきかなければならない。」となっております。そして、駐車場整備地区に関する都市計画が定められた場合において、さらに路上駐車場設置計画というものを都道府県知事、それから政令指定都市等が定めるようになっているわけでありますが、この点、各都道府県警察本部が、当該都道府県知事あるいは政令指定の市、長に対して、法律にこういう規定がある、したがって路上駐車場設置計面というものをおたくの市でつくっていないのはいかんではないか、これはつくるべきであるというような申し入れをやった事例があると聞いておるのですが、そういうような御指導国家公安委員会としてはやっておられるのか。あるいは、警察庁としては、そういう申し入れ当該自治体の長にやれというような御指算をやっておられるのか。この点いかがですか。
  32. 片岡誠

    ○片岡政府委員 一般的に、そういう申し入れをするようにという指導はしておりません。ただ、当該都市の道路交通状況によって、当該の県の公安委員会なり、本部長が判断いたしまして、駐車場をつくったらどうであろうかというような意見なり要望を出しておる事例があると思います。
  33. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そうすると、それは、あくまでも、当該都道府県警察本部が自主的な立場で当該地域道路交通事情を考えた上で、そういう申し入れをした場合がある。こういうことですね。実は、神奈川県の警察本部が横浜市に対してそういう申し入れをいたしたという経過を聞いておりますが、その経過、その後の状況はおわかりでございますか。
  34. 片岡誠

    ○片岡政府委員 神奈川県本部から横浜市に対して、昨年の暮れに、駐車場について、市役所前の横浜公園と、それから地下鉄工事をやっておりまして、その地下鉄工事関連して、その河川敷の上に盛り土をして駐車場をつくってくれということで、二カ所について要望をいたしております。これは、路上にあふれておる違法駐車をきびしく取り締まりはやりたいのであるけれども、業務用の駐車需要がその辺には相当ある。したがって、路外の駐車場をぜひつくってくれ、そしてそこへ駐車をするようにして、道路はできるだけ駐車を禁止して円滑をはかりたい。こういう趣旨申し入れをしたわけでございますが、それに対しまして、若干いろいろいきさつがあったようでございますけれども、最終的には、ことしになりまして、一月の末に、神奈川県の本部長と横浜の市長さんがここで会談をやりまして、お互いに協力してやろうということに相なりました。その後、関係の部局長が集まりまして、具体的な実施計画を現在検討しておるようでございます。それで、横浜公園につきましては、場所は必ずしも適当でないから別途考えよう、それから河川敷につきましては、一部立体駐車場を考えてみてはどうだろうということで、そういう方向で、現在、両者で協議を進めておるというのが実情のようでございます。
  35. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 駐車場法という法律があり、駐車場整備地区というものを設定し、路上駐車場の設置計画を立てるということが法律で義務づけられておりますから、当然そういうお話し合いがあり得ることだろうと思います。しかし、この点、事情を聞きますと、市長に対して県警本部のほうがばっとそういう申し入れをやったということが大きく報道されて、それに対して、いや、そんなことを言うても、駐車場をつくればかえって路面交通をさらに繁雑にするではないかというような市側からの反論があり、いろいろいたしまして、いま経過のお話がありましたようなことになっておるのだろうと思いますが、私は、そういうものは、警察が当該の自治体に対していきなりばっと申し入れをするというようなことではなしに、事務的なレベルでよく協議をされて、その地域の違法駐車をいかにしてなくしていくか、当該地区の路面交通をいかにスムーズにやっていくかということでものごとを解決をしていくというにとが好ましいことではないだろうかというふうに思います。  ところで、建設省の都市再開発課長さんですか、お見えのようでありますが、こういった駐車場法昭和三十二年五月十六日法律第百六号、この駐車場整備地区あるいは路上駐車場設置計画というのは、一体全国的にどのくらい進んでおるのですか。
  36. 重元良夫

    ○重元説明員 駐車場整備地区でございますが、全国で二十六の都市で三十一ございます。この数字は四十六年三月末の統計の数字でございますが、先ほど申し上げましたように、駐車場整備地区は二十六の都市の三十一でございます。  それから、都市計画決定いたしております駐車場は、百カ所で、二万六千四百二十台分でございます。このうち、供用を開始しておりますのが六十六カ所で、一万八千四百四十三台分ということでございます。  このほか、都市計画によらない駐車場も数多くあるわけでございまして、これは、通常届け出駐車場と言っておりまして、面積が五百平方メートル以上のものについて法律上の設置基準等の適用があるわけでございますが、この都市計画によらざる駐車場、それから、大規模建築物を建築します場合に、一定の地区において駐車施設を義務づけるという制度になっておりますが、こういうものを入れまして、昭和四十六年三月末現在で約二十七万台分の駐屯施設というものが整備されております。
  37. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういうことで、逐次路上駐車場設置が進められておるようでありますが、ただ、私、ここで考えたいのは、駐車場整備地区、「商業地域内において自動車交通が著しくふくそうする地区又は当該地区の周辺の地域内において自動車交通が著しくふくそうする地区で、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保する必要があると認められる区域については、都市計画駐車場整備地区を定める」となっておりますね。しかし、現実には、こういった駐車場をつくることがかえって道路交通のふくそうを著しく側近することにはなりませんか。どうですか。
  38. 重元良夫

    ○重元説明員 駐車需要の中にもいろいろあると思いますが、たとえば通勤とか通学というふうな交通もございますし、それから、業務上、どうしても必要な交通というものがあるわけでございます。われわれ駐車場を整備する場合に、どういう需要を駐車場整備の対象とするかという場合に、社会的あるいは経済的な状況のもとでどうしても最小限度必要な業務交通というのは、都市活動というものを考えます場合に必要である。したがいまして、商業地区あるいは業務地区等で最小限必要なそういう需要に対しては、路外駐車場を整備すこるとが、路上駐車等を見のがす場合よりは、交通の安全及び円滑に資する点がかえって非常に大きいのではないかというふうに考えておりまして、駐車場を整備すればかえって交通の混雑を増すのではないかという意見があることは承知いたしておりますが、必ずしもそうではないというふうに考えております。
  39. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 必ずしもそうではないと言い切れるかどうか問題じゃないかと思いますが、ただ、そういうふくそうする地区に駐車場をつくる、そういう当該地区は、建設省がおやりになっておる地価公示法に基づく地価の公示によっても、当然、坪当たり百万単位というような地価であることは間違いありませんね。そういうところに警察のほうからつくれと言われても、自治体のほうとしては、第一、そういう土地を確保するのもなかなかたいへんですし、また、その確保するための経費というものもばく大にかかる。そういう中で、ふくそうするかどうかという議論もありましょうし、同時に、そういう経費その他の面から言っても非常に問題があるのではないかと思います。一体、そういうようなものについては、どの程度建設省としては経費の援助をやっておるのですか。
  40. 重元良夫

    ○重元説明員 直接駐車場の整備に対して補助というふうな措置はとっておりませんが、都市計画整備します駐車場は、公共団体が実施いたします場合には起債、それから局間で駐車場等をつくります場合には、都市計画の特許によりまして、道路の下あるいは公園の下等で整備する場合等ございますが、そういう場合には、開発銀行から長期低利の資金を融資するようあっせんする。  それから、先ほどおっしゃいましたように、非常に地価が高いということで、立体式の駐車場が非常に最近多くなりつつあるわけでございます。そういうものについても、一定の資格要件を備える場合には、やはり開発銀行の資金があっせんされるという場合もございます。  なお、税制上も、償却等について、一定の場合には特別の恩典を与えるということでございます。
  41. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういうことは承知して私ども問題にしておるのですが、自治体がやる場合はどうか。起債だけしかないわけでしょう。そういう中で、法律にあるからといって、冒頭申し上げましたように、警察のほうで、ぜひつくってくれと、事務的にお話し合いをし協議することはけっこうでありますが、いろいろ障害があります問題であるだけに、法律にあるんだからこういったものをつくれというような高圧的な態度自治体に臨むということは、私は、やはり考えていただきたいということを申し上げたかったわけであります。  同じような意味で、専用レーン、優先レーンの問題でありますが、これも、つくっているということはなかなかむずかしいということは私もよくわかります。わかりますが、「総合交遊体系について」という答申が出ましたね。これにつきましては、国家公安委員会あるいは運輸省、自治省、大蔵省、関係省庁集まりまして、経済企画庁が中心になりましてこれをまとめたわけです。国家公安委員会もこれに参加をしておられるだけに、いろいろ困難な事情があることはわかりますが、ぜひとも都市交通の一つの大きな問題の柱として、この専用レーン、優先レーンの問題については積極的に取り組んでいただきたいと思うのです。  警察庁のほうとして、あの「総合交通体系について」という一応の答申も出ました段階で、これについては全国的にどのような形でお進めになる御計画が現在ございますか。お伺いしておきたいと思います。
  42. 片岡誠

    ○片岡政府委員 私どもといたしましても、大量輸送機関であり、公共輸送機関であるバスの優先レーンなり、あるいは専用レーンというものを、できるだけふやしていくという方向で各県を指導いたしております。現に、次第にその数もふえてまいっております。ただ、問題は、原則として片側三車線あれば非常にやりやすうございます。しかし、片側二車線あるいは片側一車線のところにつくるのにはいろいろ条件があろうと思います。そういうことも、現地のおのおのの実情に合った、一番問題のところからまず手がけていく、そして、実績を踏んまえてさらに伸ばしていくという着実なやり方で拡大する方向に指導いたしております。
  43. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 これは、ひとつ積極的にお進めをいただくようにお願いをいたしたいと思います。  最後に、法律関係お尋ねを幾つかいたしておきたいと思います。  実は、これは、わが党の山本委員からもすでにお尋ねになった問題ばかりでありますが、ごく簡単にお伺いいたしますので、明確にお答えをいただきたいと思います。  今度の指定自動車教習所の技能検定員に関する規定整備のうち、特に、路上試験に従事いたします職員に対して、みなす公務員という制度をおとりになるわけでありますが、これは、本人が路上試験の際に収賄をするというような、本人が、いわば罪を犯した場合にのみこのみなす公務員というのは適用するものであって、たまたま当該自動車教習所に争議等が発生をいたしまして、組合員の皆さんがピケを張っておる、たまたま自動車教習に来られた方がある、その講習をするためにピケを破って検定員の方が外へ出ようとする、それをピケが阻止したという場合に、これがみなす公務員だから公務執行妨害になるのだというような拡大解釈は絶対あり得ぬ、あくまでも、当該検定員の方の収賄等、本人が罪を犯した場合にのみこのみなす公務員というのは適用すべきものなんだ、かように理解してよろしいわけですか。
  44. 片岡誠

    ○片岡政府委員 主として、その贈収賄、それから公文書偽造、そういう罰条に触れる場合は、公務員とみなすということで、したがいまして、いま申された公務員の身分に着目するような公務執行妨害罪については、消極に解しております。したがいまして、大体先生の仰せになったような方向で今後法律を逆用してまいりたい。かように考えております。
  45. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 それから、路上試験の場合でありますが、これも山木委員から御指摘があったと思うのですけれども、とにかく、まだ免許証を持っておらね練習中の方にハンドルを握らせて、そのそばにおって路上の試験をするわけですね。その場合、向こうから車等が来まして、非常に危険な状態だ、しかし、その場合、検定員の人が、これはあかんといってブレーキを踏めば、路上試験はもうだめ、不合格ということになる。ですから、少しあぶないような状態であっても、ブレーキを踏むというようなことは、当然検定口の方とすればちゅうちょをする。そうしますと、当然、事故等が発生をする確率も相当高いと見なければならぬと思います。そうした場合に、検定員の方の災害補償は一体どういうことになるのか。もちろん、労災が適用になることは当然だと思いますが、そのほかに、やはり自動車による事故でありますから、当然、自賠法、強制加入のものもありましょう。しかし、同時に、その路上試験の車にさらに任意保険をかけまして、そうしてその検定員の方々の危害に対して十分な補償をするという措置が当然なければならぬと私は思うのです。したがいまして、自動車教習所、特に路上試験をいたしますものについては、これは当然幾ら程度の任意保険はかけるべきだという形で警察庁として御指導すべきではないか。そういうことで、路上試験の制度をおとりになるわけでありますから、これに従事をいたします検定員の方々のいわば補償というものを十分に確立をしていくという配慮が必要ではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
  46. 片岡誠

    ○片岡政府委員 まず、試験あるいは検定をいたしますときに同乗している試験官なり検定員は、受験者が、違反があったり、あるいは危険な行動を回避できないというような場合には、直ちに、違反であれば違反事実を指摘してやめさす。それから、あぶなければ補助ブレーキを踏む。そういうことでやるという方向で指導いたしたいと思っております。やはり、安全を保つということは一番重要なことでございますので、それで減点されても、それはやむを得ないということだと思います。  それから、警視庁管内では、御承知のように、路上検定をやっております。昨年一年間で事故が四件発生いたしております。物損事故二件、軽傷事件が二件であります。指定自動車教習所の検定員の方は、相当すぐれた素質の方でございますので、事故はほとんど起こっていない。二十四万人ばかりも検定をしておって、わずか四件しか起こっていないというのが実情でございます。しかしながら、いまの道路事情でございますので、やはり、確率は少なくても、事故の起こる危険性はあろうと思います。そういう面につきましては、労災あるいは強制保険だけではなくして、同乗者の物損の補償まで含めた任意保険の上積み保険を、私どもとしては、試験官の場合にも、検定員の場合にもあるいは、指導員の場合にもかけて、補償がいくように車の保有者を指導してまいりたい。かように考えております。
  47. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 ですから、事故が起きぬように御指導されるということはけっこうだと思うのですが、やはり、試験を受けるほうの方もこれは真剣なわけでありまして、いや、自分がハンドルの操作をすれば十分事故は防ぎ得たんだ、あなたのほうがかってに補助ブレーキを踏んだからこういうことになったんだというようなトラブルも起きやすい問題ではなかろうかと私は思うのです。ですから、その辺については、十分な御指導をされることはもちろんけっこうでありますが、あわせてそういうことがありますだけに、検定員の方々の補償に対しては万全を期する御指導がやはり必要だということを特に強調しておきたいと思いますし、その点の御指導を十分お願いいたしたいと思います。  次に、これも山本委員が問題にされた免許証の有効期間の問題なんですけれども、確かに、いまの若い方は、誕生日というのはよく覚えているだろうと思います。それから、佐藤総理のような方になれば、盛大な誕生日のパーティなんかもおやりになるようですから、これも十分御存じだろう、と私は思うのですが、私ども一般の中年の庶民になりますと、誕生日というのを十分覚えておるか、誕生日のお祝いをする習慣がどこの家庭にもあるかといえば、必ずしもそうではないと思うのですね。ただ、誕生日が来た、ああ誕生日かという程度の御意識の人も多いだろうと思うのですね。そういたしますと、今度免許証の有効期間の末日を誕生日にされたということは、私は非常にけっこうだと思います。けっこうだと思うわけでありますが、同じに、こういう法律改正をやったということは、一つは、やはり、うっかり失効するということをできるだけ防止するというのが趣旨だと私は思います。それからまた、更新事務が一定の期間に集中しないように、分散をはかるという意味での効果をねらっておるのだろうと私は思うのですが、せっかくそういう親切な措置をおとりになろうとするのであれば、有効期間を誕生日後一カ月というふうにされたらどうか。誕生日にしておいて、その間三カ月間は、更新はできるのだというようなお話もあるのでありますが、しかし、それはもう有効期間をはずれておるわけですから、無免許運転ということになるわけですね。ですから、誕生日なら誕生日というもので統一をして、うっかり失効をなくするということになれば、誕生日後一カ月これは有効なんだということにしておいて、そうして、更新の期間がまた誕生日に戻って統一をされたらいいだろうと私は思うのです。だから、この有効期間が誕生日後一カ月だ、誕生日後十日たってから届け出た場合に、それから今度発効するというのではなくて、次の有効期間はまた次の誕生日後一カ月というふうにしていくということになれば、コンピューターの関係もあるというようなお話を聞きましたが、そちらの問題も解決をして、しかもうっかり失効をなくすという親切な法改正の趣旨がより……(「徹底する」と呼ぶ者あり)徹底をするということになるだろうと思うのでありますが、この点は野党の皆さんも、いまの不規則発言のように、全部に大いに協力をいただいておる問題でありますので、ひとつ明確な御答弁をいただきたいと思うのです。
  48. 片岡誠

    ○片岡政府委員 有効期間の末日を誕生日にいたしましたのは、先生いまお話かございましたように二つの理由がございまして、一つは、うっかり失効をする人を救済したいということ、もう一つは、免許事務を年間を通じてばらつくようにして、その合理化をはかりたいという、この二つが理由でございました。  それで、いまの一カ月の問題でございますが、有効期間の末日を誕生日としまして、その一カ月前からその更新の手続を始めるというのが私どもの仕組みでございます。問題は、現在、免許証には、生年月日と、それから交付年月日を記録してございます。コンピューターにもそれでインデックスとして入れておりますが、今度有効期間の末日を誕生日にすれば、交付年月日のほうはもう入れる必要はない。そして、誕生日だけのインデックスを使って事務処理が合理化できるという面もございます。  それからもう一つ、私自身決して若うございませんけれども、私自身、自分の免許証の交付年月日はきちっと覚えておりません。しかし、誕生日は知っております。そういうことで、多くの人はやはり自分の誕生日ぐらいは知っているのじゃなかろうか。その一月前、一週間前でも気がつけばそれでやっていただく。それからもう一つは、万一誕生日を経過しても、三カ月以内は、更新のときと同じ手続の適性検査だけでいいという仕組みもつくってございますので、その辺、大体、運用上そう支障がないのではなかろうか。こういうふうに考えております。
  49. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 誕生日ぐらい覚えているのが普通だろうと言われる。それはそのとおりだろうと思うのですが、ただ、問題は、誕生日前に気づくよりは、誕生日後のほうがうっかり失効というのが現実には少なくなるのじゃないだろうか。だから、誕生日が来て誕生日というものを確認をする度合いのほうが、あと幾日たてば誕生日になるという認識の度合いよりはやっぱり強いのじゃないだろうかというふうに思うから、いま申し上げたような議論をしているわけであります。問題は、コンピューターとの関係もあるでしょう。ですから、この点、技術的にどういう配慮をしなければならぬのかということをここで長々議論しても私はしかたがないと思いますので、せっかくうっかり失効をなくしていこうという親切心からの法改正ですからその親切さがより徹底するような形でさらにこの法律に検討を加えて、与野党が修正する。このほうが親切ではないのか。それからまた、コンピューター等の操作の関係から言ってもこういう配慮をすればいいではないかということであるならば、私は、やはり、手直しすることを警察当局がお考えになってもよろしいのではないかと思うのです。この点は理事会等で相談をさしていただくといたしまして、要は、このうっかり失効をなくそうという趣旨法律改正である。それが、技術的な面から言っても支障がない、しかもうっかり失効をなくそうという趣旨が徹底をするということであれば、長官としても別に異議はない、異存はないということ、だろうと思いますが、いかがでしょうか。
  50. 後藤田正晴

    後藤田政府委員 いかなる法案でも、与野党一致で修正ということになれば、これは、私ども異論の立てようのない問題だと思います。ただ、御質問の内容をよく伺っておりまして、また、答弁も聞いておるわけですが、結局、誕生日の一カ月前から切りかえをやるか、それとも誕生日後一カ月になるのか、こういう問題のようで、私は、率直に言って、そうたいしたことはないな、五十歩百歩だなというような気もしますが、実は、私どもにとっては、五十歩百歩でないようです。私は、けさも這般の事情を聞きましたが、事務上の観点で非常にめんどうがあるのだという話でございました。しかし、御質問の趣旨もございますので、なおよく検討はいたしたいと思います。
  51. 大野市郎

    大野委員長 林百郎君。
  52. 林百郎

    ○林(百)委員 運輸省の人を呼んであるのですが、その前に警察にお聞きしますが、警察では、欠陥自動車調査の資料がありますか。ありましたら、昭和四十五年度、四十六年度の欠陥車の届け出件数、対象台数をひとつ知らせていただきたいと思います。
  53. 片岡誠

    ○片岡政府委員 私どもとしましては、事件事故があった場合に捜査をいたします。その過程で、運転手の過失だけか、あるいはその中でも、車の整備不良だけなのか、あるいはそうでなくて、本来その車に欠陥があるのかということも含めて捜査をいたしております。したがいまして、捜査の過程で、欠陥がある、あるいはあるのではなかろうかという疑いを持って捜査をした事例はございます。届け出というのはございません。
  54. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、欠陥車に基づく事故件数がわかりましたら、四十五年度、四十六年度、知らせていただきたい。
  55. 片岡誠

    ○片岡政府委員 欠陥車といった場合に、二つに分けて考えてみる必要があるのじゃないかと思っております。一つは、その事態においてその車に欠陥があった。つまり、本来、新車のときには欠陥がなかったのだけれども、使っているうちに、整備が不良のために車に欠陥があったという問題が一つ。それから、そうでなくて、新車のときからその車自身に欠陥があったのではないか。欠陥車と通常言っているのは、おそらくその後者の場合を申しておるのだと思いますが、それで、そういうものにつきましての捜査をいたしまして、送致いたしました事件は、四十五年の八月に、島根県で、スズキフロンテの軽四輪バンにつきまして捜査をいたしております。それから、昭和四十三年の六月にニッサンエコーのマイクロバス。これは京都と滋賀と前後してございますが、この二件につきまして捜査をいたしております。それからホンダN360につきましても、昭和四十四年の一月に、事故に関して捜査をいたしまして、送致をしておるということ。さらにもう一つ、昭和四十五年の九月に、ニッサンエコーのマイクロバス、これは秋田でございますが、捜査をして送致をしておる。以上、そういうのがございます。
  56. 林百郎

    ○林(百)委員 はなはだ数が少ないので篤いているわけなんですが、それでは、念のために運輸省に聞きますから、警察庁のほうもよく聞いておいていただきたいと思うのです。  運輸省にお尋ねしますが、欠陥車がどのくらいあるか、これは資料としていただいておりますが、記録にとどめるために念のためにお開きしますが、四十五年度、四十六年度の自動車メーカー別の欠陥車の届け出件数、対象台数をひとつ知らせていただきたいと思います。国産車だけでいいです。
  57. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 昭和四十五年度におきましては、国産車につきましては二十四件の届け出がございまして、対象台数は百四十九万五千九十六台でございます。それから、四十六年度におきましては、十件の届け出がございまして、対象台数は七十九万四千八百九十三台でございます。
  58. 林百郎

    ○林(百)委員 メーカー別にひとつ言ってみてください。
  59. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 昭和四十五年度におきましては、自動車メーカーの名前を順次申し上げますと、トヨタ、日産、いすゞ、三菱、東洋工業、日産ディーゼル、日野自動車、本田技研、富士重工業、それから鈴木自動車工業でございます。  それから昭和四十六年度は、日産自動車、三菱自動車工業、東洋工業、本田技研工業、ダイハツ工業でございます。   〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕
  60. 林百郎

    ○林(百)委員 警察庁、いま運輸省からの答弁のように、四十五年度で百四十九万の欠陥車の届け出があるわけですね。あと五千九十六という数字がつくのですが。それから、四十六年度で七十九万四千八百九十三。こういう欠陥自動車が届け出の前に運行されていることが考えられるわけですが、しかし、それが警察庁事件としてあげた数はわずか十に足りないということは、欠陥車に基づく交通事故責任をユーザーに転嫁していることになるのじゃないか。百五十万近くの欠陥車の届け出があるというのに、この欠陥車に基ずく事故はわずか二件か三件しか警察庁であげてないということはおかしいじゃないですか。
  61. 片岡誠

    ○片岡政府委員 欠陥車の数はなるほど多うございます。しかし、私どもは、交通事故があって、それを事件として捜査しているわけでございますから、その事故捜査の過料で、その車にはたして欠陥があったのかどうかということの捜査をやっているわけでございます。欠陥車一般については、欠陥車となれば、御承知のように会社がリコールを始終やっておるわけでございますが、そういうことで、欠陥車の数は多うございますけれども事故事件捜査の過程で、車そのものの欠陥ではないかという疑いを持って捜査したのは以上の件数でございます。
  62. 林百郎

    ○林(百)委員 四十五、四十六、二年度合わせて約二百万台以上のリコール車、要するに、欠陥車として各メーカーがリコールしている車があるのに、それは一応走らせてみて、そうして欠陥があるからといってリコールしているわけなんですから、その間に事故が起きたって、それはメーカーの責任ではあっても、ユーザーの責任ではないと思うのですよ。そういう点を警察庁としては、これは車の欠陥によるものか、ユーザーの過失によるものかということをもっと的確に把握する。そういう調査施設なり、あるいはそういう観点を持たないと、全く弱い者いじめになると思うのですね。まあ、時間の関係で、その点はその程度にしておきます。  そうすると運輸省にお聞きしますが、いま言ったメーカーのうちのどういう車種かという、車種がわかりましたら言っていただきたい。
  63. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 現在手元にあるものでは、車種が明確にわかっておりません。
  64. 林百郎

    ○林(百)委員 これは、昨日私もあなたに問い合わせて、車種はわからないという答弁だったのですが、私は、その点おかしいと思うのですね。欠陥車はどういう車種のものが欠陥車であったかということがわかれば、警察庁のほうも、そうか、それではこの車種の事故欠陥車に基づく事故かというようなこともわかるし、また、ユーザーのほうも、そういう車種は欠陥車だということで、事故が起きた場合も、そのことを抗弁として言うことができると思うのですがね。その車種が言えないということは、それこそ、国民の知る権利を運輸省で知らせないことになるのじゃないですか。それが一つ。  それから、警察庁のほうは、こういう欠陥車のことについて、運輸省と常に連絡はしているのですか。そうでなければ適正な捜査はできないのじゃないですか。
  65. 片岡誠

    ○片岡政府委員 中央段階においてもいたしておりますし、それから、事故があって疑いの持たれたときには、陸運事務所の技術担当者の鑑定も求めますし、さらに、運輸省だけではなくて、大学等その他にも、事件そのものにつきましての鑑定依頼もしておるということでございます。
  66. 林百郎

    ○林(百)委員 それでは、警察庁でつかんでいる欠陥車の車種を、言ってください。
  67. 片岡誠

    ○片岡政府委員 先ほど申しましたように、スズキフロンテ、軽四輪バンにつきまして、これは昭和四十五年八月二日、島根県で発生した事件でございます。これは鈴木自動車工業株式会社の担当部長を業務上過失傷害罪で送致いたしております。処分はまだ未定のようでございます。したがいまして、まだ裁判の結果は出ていないということでございます。  それからニッサンエコーのマイクロバス、これは京都と滋賀の事件でございますが、これにつきましては、京都大学の工学部の教授の鑑定をもとにしまして、おのおの対応地検に送致して、東京地検でそれをとりまとめて捜査をした結果、不起訴処分になっております。  それからホンダ360につきましては、これも運輸省自動車局にも検討依頼をしましたし、東京地検等に送致いたしまして、その東京地検で捜査をしましたけれども、構造上の欠陥による事故とは断定できずに、不起訴処分になっているようでございます。  それからホンダ360の事故は、兵庫県、神戸の事件でございますけれども、これは送致いたしましたところ、会社からリコールの指示が出ておるにかかわらず、リコールしていなかった。現場でその回収をしていないという責任で、これは神戸簡裁で有罪になっておるようでございます。  それから秋山のニッサンエコーのマイクロバスにつきましては、やはり送致をいたしまして、これにつきましては、現在まだ処分がきまっていないということのようでございます。
  68. 林百郎

    ○林(百)委員 それでは警察庁お尋ねいたしますが、それはどういう罪名で送致しているのですか。ユーザーを起訴して、ユーザーの抗弁があって、それから調べているのですか。それとも、リコール車をリコールしなかったという会社の責任で起訴しているという意味ですか。どっちですか。
  69. 片岡誠

    ○片岡政府委員 会社のほうで回収責任のある場合は、会社がリコールしているのに、リコールしていなかったということで事故が起こっているという場合には、そういう角度捜査をいたしております。
  70. 林百郎

    ○林(百)委員 それはどういう罪名ですか。
  71. 片岡誠

    ○片岡政府委員 これは業務上過失傷害罪でございます。
  72. 林百郎

    ○林(百)委員 それで、会社を起訴しているわけですか。
  73. 片岡誠

    ○片岡政府委員 いいえ。会社は、御承知のように法人は刑事責任はございませんので、結局は回収をしなかった責任者を送致しているということでございます。
  74. 林百郎

    ○林(百)委員 では、会社が回収をしなかったからといって、法人を起訴するわけにはいかないから、自然人である当該責任者を起訴したというのは何件あるのですか。
  75. 片岡誠

    ○片岡政府委員 私の手元の資料では、検察庁が起訴し、有罪が決定しているのは、神戸の事件一件のようでございます。あとは、現在まだ検察庁において処分保留と申しますか、捜査を続けているものだと思います。
  76. 林百郎

    ○林(百)委員 私の関知している限りは、それはむしろ、ユーザーのほうを起訴したところが、ユーザーのほうから欠陥車という抗弁が出て、そこで、欠陥車かどうかという鑑定が行なわれている。実際に、四十五年度、四十六年度の二年間に二百万台もの欠陥車がリコールされているのに、会社の責任が追求されて有罪になったのはわずか一件しかないということは、これはまことに不合理きわまる話だと思うのですよ。だから、警察庁当局も、やはり欠陥車について科学的に調査をする施設なり何なりをつくって、そういう点で、いやしくも、メーカーの責任に帰すべきものをユーザーのほうに責任を転嫁するようなことのないように、弱い者いじめにならないようにしなければ、幾らこんな道交法を改正してやっていったって、事件数はほとんど横ばいじゃないですか。これは、あなた方政府のほうから出た資料を見ましても、もう四十六年度だけで傷害者が九十四万、死者が一万幾ら、合わせて約百万人の死傷者が出ていますね。そして、件数は七十万、自動車の数は二千万台、こういう状態で、しかも、その中に四十五、六年度で二百万台もの欠陥車があるということになれば、これをただ道交法を改正し——道交法を改正するというと、ユーザーの責任を取り締まることばかりに観点が置かれて、こういう欠陥車をつくっている会社の責任については何ら問われていないということははなはだ不当だと思いますので、そういう点を考慮してもらうこと。これは、特に警察庁などは、そういう姿勢が、そういう考え方が、こういう時代になると非常に必要ではないかというように思うわけです。  それで、運輸省、先ほどお聞きしました車種、わかりましたら、各メーカー別に言ってください。
  77. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 現在集計しておりませんものですから、各メーカー別にというのがちょっと出てないのですが……。
  78. 林百郎

    ○林(百)委員 それでは、私のほうから言いますから、それが欠陥車になっているか、どうか、あなた、ちょっとチェックしてみてください。時間の関係で、どうも十分時間がありませんから。  まず、日産ローレル。これは四十五年から四十六年前期の生産華です。ステアリングギアボックス内のベアリングが破損して、ハンドルが切れなくなる。後部右のタイヤハウスの中に燃料タンクの取りつけボルトが突出しているため、タイヤチェーンがひっかかる。これはどうですか。会社側では、すでに対策を講じております。
  79. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 日産ローレルはリコール車に該当しておりません。
  80. 林百郎

    ○林(百)委員 そうでしょう。まだ未公表なんですから。未公表だけれども欠陥車として対策はしているんです。そこが問題なんですよ。要するに、隠密回収をしたり、あるいは隠密に会社内で対策を講じていて、そして公表しないんですよ。届け出しないんですよ。そういうようなものを、私、いまあげているわけなんです。  それじゃ、日産のダットサントラックの四十五年生産車。これはどうですか。タイヤのホイールディスク、ロードホイールの亀裂により、タイヤがバーストする。これはどうですか。ありますか。
  81. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 該当しておりません。
  82. 林百郎

    ○林(百)委員 これも、実は、欠陥があるということで、対策を講じているわけですね。それで届け出をしていないわけです。私は、そういうものだけあげていきますから、ひとつ、そっちと照らし合わせてみていただきたい。  それほど、メーカーというのは、欠陥があることを知り切っていながら——型式指定規則でも、そういう場合は届け出なければならない。届け出た場合は、運輸省の承認も得なければならない。運輸省は、そういう届け出があった場合、場合によっては、自動車の提出を命ずることもできる。あるいは、道路車両法によれば、調査権もあるわけなんですがね。だから、運輸省の自動車局当局がいかにメーカーに甘いか。あなた方、メーカーとなれ合っているんじゃないですか。  それでは、私、あげていきます。日産プリンスです。日産プリンス系統の乗用車及び小型トラックの四十五年生産車。ブレーキ、ホイール、シリンダーの作動が不良のため、ブレーキのききが悪くなっている。これはどうですか。
  83. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 リストにございません。
  84. 林百郎

    ○林(百)委員 ございませんというものばかりこれからあげていきますが、やむを得ません。  今度はトヨタに移ります。トヨタマークIIバン、これは貨客車ですね。四十五年、四十六年生産車。これはブレーキが片ぎきで、何回も修理さしているが、直らない。事故を起こしたり、起こしそうなことが多発しているトヨタマークIIバンです。これは入っていますか。
  85. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 リストにはございません。
  86. 林百郎

    ○林(百)委員 トヨタはトヨタで、すぐわかるんでしょう。
  87. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 わかります。
  88. 林百郎

    ○林(百)委員 その次がトヨタマークIIで、乗用車です。四十五年生産車。これは、ステアリングシャフトの山岡取りつけ部の溶接はがれのため、ハンドルが切れなくなる。これは、設計上ではなくて、生産上のミスだ。これも会社内部ではもう対策を講じている。しかし、届け出はしてないというわれわれの調査ですが、それはどうですか。入っていますか。
  89. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 リストにはございません。
  90. 林百郎

    ○林(百)委員 そうしますと、トヨタマークIIの乗用車は、四十五年生産分はいまないと言いましたが、四十五年、四十六年、いずれもありませんか。トヨタマークIIについては、さっき私が申しましたステアリングシャフトの中間取りつけ部の溶接がはがれたため、ハンドルが切れなくなる。これは設計上ではなくて、生産上のミスだ。そしてさらに、トヨタマークIIで、四十五年から四十六年生産車では、後車軸のオイルシートからの油漏れのため、ブレーキが片ぎきだ。さらに、トヨタマークIIの乗用車、四十五年生産車では、フロント車輪のベアリング破損のため、走行中車輪がぐらぐらになる。このトヨタマークIIバンも乗用車も、全部ありませんか。
  91. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 マークIIにつきましては、燃料パイプ、それからブレーキブースターのバキューム・チェック・バルブ、こういうものについては、リコールの届け出がされております。
  92. 林百郎

    ○林(百)委員 それは、トヨタマークIIの乗用車のほうですね。バンじゃないですね。
  93. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 そうです。
  94. 林百郎

    ○林(百)委員 それで、運輸省でどういう処置をしましたか。
  95. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 これは、欠陥の届け出がございましたから、リコール手続をいたしまして、一般の新聞等には公表いたし、それからあと、陸運局陸運事務所のような、私どもの出先のほうには書面を流し、また、その他業界等も通じまして、あらゆるPR手段を講じております。
  96. 林百郎

    ○林(百)委員 これは、四十五年から四十六年にわたって生産されているわけなんですけれども、それはいつ、何年度に届け出があって、何台回収しましたか。何台リコールしましたか。
  97. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 トヨタのRT系、これは、コロナのマークIIでございますけれども昭和四十五年の六月十二日に届け出がなされまして、リコール車の対象車両数は六万二百六十台でございます。  それからあと、もう一つのほうにつきましても、これは四十五年の八月の六日に届け出がなされまして、対象車両数は十一万七千三百七十二台でございます。
  98. 林百郎

    ○林(百)委員 四十六年度には、トヨタマークIIで届け出がありませんか。四十六年度も続けて生産をしておりますが、その四十六年度生産分は、四十五年度のいまの欠陥整備されなくて、後車軸のオイルシートからの油漏れでブレーキが片ぎきだというのが依然として四十六年にも続いておりますが、四十六年度には届け出はありませんか。
  99. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 該当しておりません。
  100. 林百郎

    ○林(百)委員 実は、会社側の対策としては、四十六年度生産車、これも後車軸のオイルシートからの油漏れでブレーキが片ぎきをしている。こういうことで対策を講じているようです。  それでは、次をお聞きしますが、トヨタカローラはどうですか。届け出がありますか。
  101. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 トヨタカローラにつきましては、昭和四十五年の一月の二十日に届け出というのがございまして、これは小型四輪の乗用でございますけれども、ブレーキペダルの件についてリコールの届け出がなされております。それから、対象車両数まで申し上げますと、これは国外に輸出している面でございまして、左ハンドルでございます。  それから、その次には、昭和四十五年の二月の二十四日に、やはり小型四輪の乗用車について届け出がされておりまして、これはタンデム・マスターシリンダーのキャップについてが内容でございますが、これも左ハンドルの国外車、対輸出率でございます。  同じく、昭和四十五年の二月二十四日に、やはりカローラについて届け出がされておりますが、これもブレーキチューブ、これも左ハンドルの分で、対輸出車でございます。  それから、その次には、昭和四十六年の五月の十七日に、やはりカローラの乗用車について、これは荷物だなというのがついておりますが、その仕切り板について、これはリコールの届け出がなされております。これも対輸出車用でございました。  大体、このカローラ系は、対輸出車が左ハンドルのために非常にリコールの件数がございますが、昭和四十七年、本年に入りましてから、一月の十二日に、やはり燃料タンクのキャップについてリコールが届け出されております。これも対輸出車用でございます。  現在のところのデータはそういうデータでございます。
  102. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、こういう届け出はありませんか。トヨタマークIIの乗用車で、フロント車輪の、ベアリングが破損のため、走行中車輪がぐらぐらになる。これは乗用車ですね。それから、トヨタカローラで、高速で走行中トランスミッションがこわれて突然走行不能になる。雨の日はスピンして転覆のおそれがある。それから、同じくトヨタカローラ乗用車。四十五年生産車ですが、前輪のブレーキの片ぎき、引きずりのため、ドラムの交換をする必要がある。こういう欠陥の届け出はしていないですか。
  103. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 そういう欠陥の届け出はなされておりません。
  104. 林百郎

    ○林(百)委員 私のほうの調査によると、こういう欠陥で会社が対策を講じている。この欠陥については届け出をしていない。こういうことなんですね。そうすると、運輸省としては、そういう、いま言っている届け出がありますね。ことにカローラについては、輸出車についてもそういう欠陥があるという場合、その自動車の提出を命じて、それを走行させてみて欠陥調査をしたことがあるのですか。
  105. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 カローラについてはございません。
  106. 林百郎

    ○林(百)委員 ですから、そういう届け出がありましたら、これは型式指定規則にも、第十一条の四項に「運輸大臣は、変更の承認に関し必要があると認めるときは、第一項の申請をした者に対し、当該申請に係る自動車の提示を求めることができる。」とあるのですね。これは欠陥というよりは変更ですけれども、こういう自動車を提出させて——それから、昨年私がうるさく野村自動車局長にも言ったのですが、型式の認定が停止状態で、いつも届け出だけでなされていることは不合理だ。これはやはり、自動車というのは走るのですから、走行の状態でテストをすべきだ。こういうことを昨年強く、いまお見えになりました野村局長に言いました。それで、昨日の問い合わせでは、そういう施設もできたというのですけれども、これはその後カローラについてはしていないのですか。せっかくそういう施設ができたら、それでやるべきじゃないですか。少なくとも、届け出のあったものについてはやるべきじゃないでしょうか。どうしてやらないのですか。
  107. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 自動車の新型審査につきましては、制動力だとか、あるいは最高速度、あるいは走行騒音、そういうふうなものの発生状況については、テストコース等の走行試験で審査をしております。また、現在、台上走行試験機というふうなものを備えつけておりますので、現在、そのテスト方法につきまして検討しておりますので、その検討が済みましたならば、これによっても行なうように現在検討しております。ただ、自動車の走行中の操縦性、安定性というふうな問題につきましては、現在、その試験方法とか、あるいは判定基準というものが非常にむずかしくて、これは、外国でもそういうはっきりした試験方法とか判定基準というものがあまりないという状況でございますが、現在、私どものほうの交通、安全公害研究所でその研究を鋭意進めておりますので、その成案を得た時点では、そういうふうなことで、テストの内容に盛り込むように考えてまいりたいと思っております。
  108. 林百郎

    ○林(百)委員 もう一つ、三菱の十一トンダンプ。これは、から荷でブレーキを踏むと、右側へ約一台分持っていかれる。そのため事故が多発しているという事態があるわけですけれども、たとえば事故例は、四十六年七月、千葉で一人死亡、二名重傷。四十六年九月、マイクロバスと衝突して事故が起きている。この三菱の十一トンダンプについては、欠陥車としての届け出をしてありますか。
  109. 飯塚良政

    ○飯塚説明員 欠陥の届け出はされておりません。
  110. 林百郎

    ○林(百)委員 自動車局長の野村さんがお見えになりましたから、お尋ねしますが、いま、私が、欠陥車としてひそかに社内で隠密回収をしたり、あるいは対策を講じて、そして、運輸省へは届け出ない例をずっとあげてみたところ、ほとんど全部届け出がしてない。届け出がしてあっても、社内でこういう点に欠陥があるという、その欠陥については届け出がしていないということがわかったわけです。  そこで、皆さんのほうでは、各自動車メーカーに対して、その自動車について、届け出のあったものはもちろんのこと、届け出のない自動車についても、情報を提供させる、株数の提出を命ずる、その車についての性能、あるいはその後何か欠陥が見出されたか、あるいはクレームがついたとか、そういう報告を一体求めているのですか。求めていないのですか。自動車局長どうですか。
  111. 野村一彦

    ○野村政府委員 運輸委員会に出しておりまして、先生お話の途中でございますが、いまの御質問にお答えいたしますと、私どもは、あらゆる情報を提供してもらいたい。メーカーからはもちろん、ユーザーその他から情報提供を待っておるわけでございます。ただ、欠陥車という断定につきましては、なかなか技術的にもむずかしい問題がございますが、欠陥車になるおそれのある車というものについては、各方面の情報提供を求めておるわけでございます。したがって、情報を得られましたならば、それに基づいて十分技術的に検討して、それが欠陥車であるかいなかということに基づいて措置をすることを一般的な方針として、現に、いままで回収をいたしました車の中には、ユーザーからの情報提供に基づくもの等、いろいろの理由によって回収しているものもございます。そういう状態でございます。
  112. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、あなたのほうは、こういうことは知っていますか。メーカーが新車を出した場合に、それについてクレームが出てくる。そのクレームについての対策に関する技術会議を毎月に一回くらいずつ会議を開いて、そして対策を講じている。こういうような事実を知りませんか。
  113. 隅田豊

    ○隅田説明員 メーカーが車を出しますと、ユーザーからいろいろな反響が出てまいります。それに対しまして、メーカーの中で対策会議を開いているという事実はあるということを承知しております。ただ、そのユーザーからの、反響といいますものには各種各様のものが含まれているだろうと想像しております。
  114. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、メーカーがクレームについて対策会議を開いて、ちゃんと技術もとって、部品をつくり直すというような措置をしているというようなことについて、そういうクレームについての会社の対策会議の記録というものを聴取するというようなことはしないのですか。
  115. 隅田豊

    ○隅田説明員 内部でどういう会議を開いて、その記録をよこせということはやっていません。
  116. 林百郎

    ○林(百)委員 私のほうでそれじゃ一例を申しますと、某社でつくっている自動車についてクレーム連絡会議をしているわけなんですけれども、これは四十五年の例を見ますと、四十五年の六月十五日、四十五年の七月十五日、八月十四日、九月十四日、毎月ですね。十月十五日、十一月十三日。その内容を見ますと、初めのところに、「新議題」と「継続議題」というのがあって「新議題」は「今回初めて議題となったもの」、それから新議題の2は、「故障状況説明及び質疑応答を行う」、「継続議題」には、「継続して議題となっており未だ解決しないもの」、それから2は、「前回会議以後の対策進行状況説明をする。」、「ご注意」として「1会議前日新議題を追加することもあります。」とあって、これを見ますと、たとえば「五二一系ロードホイール(リムフランジ・ディスク)亀裂」とあって、「板厚アップ品のライン採用状況」、要するに、ロードホイールが亀裂するので板厚アップ品のラインを採用している。その状況ということで、まず四十五年の六月十五日を見ますと、「製造ロットを中心に製造上の原因について調査する」。さらに七月十五日を見ますと、「製造ロットについて不具合現品の材料分析の結果特に異常ない。しかし現実には亀裂。板厚アップを考えている。試作品八月末に完成。テスト結果良好なれば秋口に手配する。又製造上のディスクとリムのすき間嵌合度についても精度をあげたい。」となっている。それから八月には、「8−70」と書いて、「ロットよりディスクとリムのすき間嵌合度精度向上実施済」、それから「板厚増加試作品」、リム三・二tから三・五tにその厚さを上げている。ディスクも三・五tから、三・八tに上げる。この板厚の増加試作品を「完成次第テストを実施する」。九月十四日には、「試作品完成し、テスト中」「結果のでぬ前に手配予定」。十月十五日の会議では「K四三テスト結果ではStg操作耐久は問題なし。高速耐久でディスクに亀裂が入った。(現行品と同程度)製作ミスによるものか原因を究明した上で手配いたしたい」。四十五年十一月十三日、「板厚アップ品生産手配済」。  こういうようになって、毎月毎月一回ずつクレーム連絡会議を開いて、そして、どこに欠陥があるかということを社内で検討して、それについての部品を製作して、それをテストして、そして、そのかわる部品がテストに合格すれば、それを今度ディーラーにみんな手配する。そして、ユーザーから何かクレームがついてくれば、ディーラーが、その上からきておる欠陥の部分を補う品物でそれを修理する。そして、そこで修理費をまた取る。要するに、欠陥のある車を売っておいて、そして、欠陥があるといってくれば、待ってましたとばかり修理をして、そして修理費を取る。その修理には、もうちゃんとディーラーに、  こういうクレームが来るから、こういうクレームについてはこういう手配をしろ、こういう品物で手配をしろと言っているのですよ。ですから、こういう書類を——これはマル秘になっていますが、運輸省はこういう書類の提出をさせることができるのです。御承知のとおり、道路運送車両法の四十六条並びに第百条によって、立ち入り検査までできるのですよ。そういうことをしなければ、会社のほうで極秘に対策会議を開いて、欠陥のあることを認識して、その結果に対する部品を製作して、それをディーラーに渡して、そして、そのユーザーのクレームにこたえて、その部品を度は欠陥の部分と取りかえることによって修理費まで取ってしまうということを防げないのじゃないですか。こういう会議の資料をやはり厳格に要求する必要があるんじゃないですか。そういうことをしているのですか。お尋ねします。
  117. 隅田豊

    ○隅田説明員 ただいまの御指摘のようなクレーム会議の議事録といいますか、その内容を要求した例はございません。ただ、問題として私たちが重夫に考えておりますことは、そういうものは保安上の問題として非常に重要でございまして、もし、それをメーカーがわれわれに何も知らせずに、ひそかに処理をするというようなことがございますれば、これは重大なことでございます。そういう意味で、われわれといたしましても、メーカーに今後かなり強力な指導はしてまいりたいと考えております。  ただ、クレームの処理の部品の中には、保安上の問題として重要なものもございますし、商品上の問題として重要なものもいろいろあると思いますので、そこら辺のスペースはある程度考えてやらなければならないだろうと思います。
  118. 林百郎

    ○林(百)委員 これは運輸次官にお尋ねしますが、御承知のとおり、道路運送車両法の四十六条には、保安上の十分の措置をしなければならないとしておきながら、一方では、「且つ、これにより製作者又は使用者に対し、自動車の製作又は使用について不当な制限を課することとなるものであってはならない。」という条項があるわけですね。われわれは、これは公害に対する経済条項と同じだ、この条項は廃止すべきじゃないか、保安上必要な場合には、自動車のメーカーに対してある一定の制限を加えることも当然ではないか、こう思うのです。この道路運送車両法の四十六条では、保安上、「道路運送車両の構造及び装置が運行に十分堪え、操縦その他の使用のための作業に安全である」ことを確保するものでなくてはならないと書いてありながら、一方では、企業のために、製作者に対して不当な制限となってはならないとなっている。ということになると、これは両立しないものがこの条文の中に含まれていると思うのです。だから、これは必然廃止すべきだというように考えていますが、この点はどうでしょうか。
  119. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 御指摘の問題は、自動車の保安上の技術基準であって、自動車の構造、装置の安全性の確保を原則とするが、同町にまた、技術の基準が、自動車製作者における設計上あるいは製作工程上の創意くふうをはばみ、新しい技術の開発を妨げないよう配慮したものであって、この規定が直ちに自動車の安全性の向上に支障があるとは必ずしも考えられませんが、今後自動車の、安全の問題の重要性にかんがみて、現在いろいろ前向きで検討しているところでございます。
  120. 林百郎

    ○林(百)委員 じゃ、隅田さんにお尋ねしますが、欠陥単として届け出たものについては、その後の対策会議の資料を徴取していますか。
  121. 隅田豊

    ○隅田説明員 欠陥車として届け出たものについては、対策会議の資料という形で、ということは、どういう意味かちょっとわからないのでありますが、われわれとしては、どういうことをやって、それでユーザーに対してどういうことをやるということの報告をとり、それが厳密に行なわれるように、陸運事務所等すべてを通じまして確認をしてやっていくということでございます。
  122. 林百郎

    ○林(百)委員 あなたは各メーカーがクレーム会議を開いているということは知っているでしょう。そんなことを知らない整備部長というものはないですよ。クレーム会議をやっているのですから、その議事録を徴取して、運輸省独自の判断なり、あるいは適当な指示なりをすることもできるんじゃないのですか。どうしてそのクレーム会議の議事録の徴収を運輸省はやらないのですか。あなたはさっきやらないと言っていたが、しかも、あることは知っていると言うのでしょう。
  123. 隅田豊

    ○隅田説明員 クレーム会議の議事録という具体的なものを取るのどうのという問題ではございませんで、そういう問題がありますれば、報告をとるということは、われわれは今後ともやっていきたいと思っております。
  124. 林百郎

    ○林(百)委員 マル秘としてメーカーが出しているのですよ。対策会談をやって、部品までつくって、それをディラーに手配しているかどうかというようなことまでやっているわけなんですよ。そんなことを知らなかったら、運輸省の整備部長責任を果たしたことになりませんよ。だから、国会で林委員の質問によるとそういうことをやっているそうだが、日産なら日産の、毎月毎月の新車なら新車の、あるいはメーカーがつくっている車のクレーム会談の議事録を参考までに見せろということを言ってもいいじゃないですか。あなたはメーカーのところへ立ち入り検査したことが、部長になってからありますか。
  125. 隅田豊

    ○隅田説明員 運輸省といたしましては、メーカーへの立ち入り検査というのは、指定自動車の監査という形で定期的にやっております。
  126. 林百郎

    ○林(百)委員 あなたがやったことがありますか。あなたがたとえば日産なら日産へ行って、こういう車についてどういうクレームが出ているか、それに対してどういう対策をしているかという書類を調べたことがあるのですか。
  127. 隅田豊

    ○隅田説明員 私が立ち入り検査に行ったことはございません。
  128. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、部長が陣頭指揮をしないからまずいのですよ。それは、部長である以上責任がありますからね。たまには自分で行ってみて、どうなっているかということくらいは調べる必要があるのではないのですか。  そこで、次に御質問しますが、ホンダN360について東大の亘理教授が行なった鑑定書がありますね。これは運輸省は持っておりますか。
  129. 隅田豊

    ○隅田説明員 鑑定書につきましては、これは検察庁に出されたものでございますので、私たち運輸省といたしましては、その写しは持っておりません。
  130. 林百郎

    ○林(百)委員 写しは持っていないのですか。じゃ、見たことはあるのですか。これは欠陥車かどうかということで重大な問題になっているわけでしょう。そして、運輸省の交通安全公害研究所と東大の亘理教授から二つの鑑定井が出ておりますね。そのうちの東大の亘理教授の鑑定書、これは、ことに重要だと思うのですよ。これをあなたが見ていないということはないでしょう。運輸省が当事者ですものね。
  131. 隅田豊

    ○隅田説明員 問題の要旨については、担当のほうにお話があったと思いますので、任じておると思いますが、鑑定書の写しというものは、私は見ておりません。
  132. 林百郎

    ○林(百)委員 これはいま公判が進行中ですから、弁護士なら写すことはできると思うのですよ。あなたの所管の重大なホンダN360が欠陥車かどうかということについての東大の教授の鑑定書が出ているのに、それをまだあなたは見たこともない。そんな無責任な話がありますか。これはもう公判が進行中で、記録は公になるのですから、当事者の弁護士は幾らでも写すことはできるのですから、そのくらい運輸省として参考に見ることはできるのじゃないですか。どうしてそれをあなたは見ていないのですか。
  133. 隅田豊

    ○隅田説明員 現在までのところは、まだ検察庁から入手はしておりません。
  134. 林百郎

    ○林(百)委員 時間もありませんので、そろそろ結論に入りますけれども、私は、隅田整備部長態度の消極性については、もうこの前もけんけんがくがくあなたに申し上げたのですけれども、依然として直っておらない。自分でメーカーのところに立ち入り検査したこともないし、自分でメーカーのところの備えつけの書類を見たこともないし、国会で聞くところによると、メーカーは秘密で対策会議を開いて、そして、結果について部品までつくって、その部品をディーラーに手配をして——たとえば、さっき言った五二一系のロードホイールの亀裂についても、板厚アップして生産手配済みと書いてあるのですよ。ディーラーにみんな配ってしまったかどうか……。こういうようなことがわからなくて、整備部長は行政指導できないと思うのですよ。それで、運輸省の自動車関係の方々の態度が、何かメーカーとなれ合っているというような感じがしてしかたがないのですが、あなた方は、招待されて、メーカーと会って、ごちそうになったりいろいろしているんじゃないですか。そのようなことで、もう情が移っちゃって、思い切った処置が課長や局長級はできないんじゃないですか。絶対ないと言うなら、ここで絶対ないと言ってごらんなさい。私たちは、それに反証をあげろといえば反証をあげますが、少しメーカーとなれ合い過ぎやしませんか。それで結局弱いユーザーのところに責任が行って、それで、道交法の一部改正、道交法の一部改正、道交法の一部改正で、いつでも運転手を罪におとしいれるようなことになっていってしまうわけです。ところが、聞けば四十四年から四十五年に届け出た欠陥車だけでも二百万台あるということですから、それが事故を起こさないはずはないですよ。そういう点についてどう反省なさいますか。私は、もう、どうしても、皆さんにもつとメーカーに対してき然とした態度をとってもらわなければならない。そうでなければ、結局弱いユーザーのところに皆さんのそういうメーカーとのなれ合いのしわ寄せが行ってしまう。こういうように考えるのですよ。統計によっても、自動車が二千万台だというのですからね。国民の五分の一は自動車を持っているのですから、この人たちに不当な人権の侵害を来たしてはなりません。本来メーカーが負うべき責任をユーザーに負わせるようなことはあってはなりませんから、そういう国策の点から言っても、元締めである運輸省の自動車関係の皆さんがもっとメーカーに対してき然として、国会でこういうように論議になったようなこと、あるいは秘密で対策を講じているというようなことについても厳重な調査をする必要があると思いますけれども、運輸次官、これはどう思いますか。
  135. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 先ほど来の質疑応答を聞いていて感ずることですが、今日までのわが運輸省としての製造メーカーに対する規制なり管理監督は、必ずしも十分であったとは思いません。昭和四十四年に型式指定規則を改正したのも、何とかそういう問題を排除したい、かような考え方で改正いたしましたが、これとて必ずしも完ぺきなものとは言いがたいと思います。先ほど来質疑応答の中にございましたように、かような考え方から、昭和四十五年七月、現在ある交通安全公害研究所を整備拡充するとともに、充実をはかって、何とかいま御指摘のあったような問題に対処していきたい。かように考えております。
  136. 林百郎

    ○林(百)委員 野村さんについては、新聞でも、九州へ行って業者と選挙運動をしたというようなこと兼で書かれているのですからね。私はそれを現実に見たわけじゃないのですけれども、世間で、ただでさえそういう目で見るわけです。自動車局長整備部長とメーカーとのいろいろな関係ということは、世間では、ただでさえそういう疑いの目をもって見られているわけなんですから、皆さんのほうも、李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れないということで、ひとつ厳重にメーカーに対して監視の目を届かしていただいて、そして、何千万というユーザーに道交法等の取り締まり規定によって不当なしわ寄せが行かないように、メーカーが負うべき責任をユーザーにしわ寄せにすることにならないように、これから十分な関心を持っていただきたい。こういうことをお願いして、運輸省の自動車関係の質問は、私は終わります。  それで、最後に警察庁に要請しておきます。きょうはどうも後藤田さんとあまり渡り合わなかったのですけれども、いずれまたそういうこともあると思いますが、すでに明らかになったように、人身事故を含む交通事故の中には、いまの情勢から申しまして、車の欠陥によるものが相当あるように思われるわけですね。だから、それを整備不良とか運転未熟ということで、ユーザーの責任にして罰則を適用するようなことがあるとするならば——また、そういうことも考えられるわけですが、全く手落ちになるわけであって、交通事故には欠陥車によるものが相当あると思うわけです。しかし、これを泣き寝入りをしたりしている者が相当あるわけです。したがって、欠陥車によるのではないかというような疑いを持たれたものについては報告をさせ、そして鑑定をするなり、運輸省やメーカーに勧告をするなど、適切な処置をする必要があると思います。交通事故はすべてユーザーの責任という先入観から出発しないように、ユーザーの訴えをろくに聞こうとしないで事故処理をしないようにしていただきたいと思うのです。末端の警察官になりますと、自動車の運転手に対して、これははなはだ失礼な言い方ですが、骨のかごかきか何かに対するような態度で、すぐ、免許証を見せろとか、免許証を取り上げるとか、そういうようなことが行なわれて目に余るものがありますので、将来、こういう自動車欠陥をテストするような施設警察庁としても持って、いやしくもその被疑者あるいはユーザーからそういう抗弁が出た場合には、十分それにこたえて納得させるような施設が必要だと私は思いますけれども、そういう点で、警察庁も、事故があればすぐ運転手だというようなことで行き過ぎのないように十分注意をしていただきたい。これを要請して、後藤田長官から答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  137. 後藤田正晴

    後藤田政府委員 御承知のように、車の欠陥の問題は、事故事件の防止上非常に重要な問題だと思います。私どもも、事故事件発生の際には、これがはたして運転手の責めに帰すべきことなのか、あるいは車の欠陥そのものに起因するものなのかといったようなことは、捜査上十分注意をして、車の欠陥によるものであるにかかわらずその責任がユーザーに行ってしまうといったようなことのないように十分——私どもとしても、捜査技術の開発、警察官の取り締まりの際の考え方等、今日充実しつつありますけれども、まだまだ不十分な点があるので、こういった点についての警察自体の関係能力の向上という点に十分配慮をしてまいりたい。かように思います。
  138. 中村弘海

    中村(弘)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ————◇—————    午後二時二十二分開議
  139. 大野市郎

    大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、理事辞任についておはかりいたします。  山口鶴男君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、理事補欠選任についておはかりいたします。  ただいま、理事山口鶴男君の理事辞任に伴い、理事が一名欠員になりましたので、その補欠選任を行なうのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認めます。それでは、委員長は、山木弥之助君を理事に指名いたします。      ————◇—————
  142. 大野市郎

    大野委員長 次に、連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。  ただいま商工委員会において審査中の石油パイプライン事業法案について、連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、開会日時等につきましては、両委員長協議の上決定し、公報をもってお知らせいたします。      ————◇—————
  144. 大野市郎

    大野委員長 内閣提出にかかる道路交通法の一部を改正する法律案議題といたします。  この際、おはかりいたします。  本案について、本日、参考人として、日本道路公団総裁前田光嘉君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 大野市郎

    大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、参考人からの御意見は質疑応答の形でお聞きをいたしたいと存じますので、御了承を願います。
  146. 大野市郎

    大野委員長 質疑を許します。小濱新次君。
  147. 小濱新次

    ○小濱委員 現在、交通安全の推進をはかるためにいろいろと言われておりますが、交通安全教育、交通環境整備交通監視体制の確立の必要性が叫ばれているわけでございます。まず、教育の中でも、免許取得試験について少しお尋ねをしていきたいと思います。  これは交通局長お尋ねしたいと思いますが、ドライバーが路上で車を安全に走らせ、かつ事故を防止するためには、直進がうまくいくか、あるいは進路変更がうまくいくか、いろいろ項目がございますけれども、さらに重要なものは急ブレーキのかけ方、ここにあるんだというが、いろいろとこれにはまた体験がたくさんございます。私は、交通のベテランにちょっと質問したことがあるのですが、交通安全とは何かと聞きましたら、その人は、車の正常な流れをつくる手法であると答えたのですね。もう一つ私は尋ねてみました。安全逆転とはしからば何ですかと聞いたところが、運転技術とは、とまることだ、とまる以外に安全確保はないと、一言でこういう結論をその人は述べておられました。現在、教習所でも、試験においても、こうした最も重要である基本的なことが行なわれていない。これは急ブレーキのかけ方ということです。この問題については、私も非常に疑問を持っているわけですが、はたしてそうなんであろうかどうか。この問題について、非常に事故が多いので、少なくともブレーキテスト等は早急に実施しなくちゃならないのではないかと考えておるわけですが、こういう話を聞きましたので、お尋ねをしてみたいと思います。
  148. 片岡誠

    ○片岡政府委員 いまおっしゃいましたように、急ブレーキの問題、これは、現在、私どもは教習もいたしておりませんし、試験もいたしておりません。しかし、自動車交通の進んだ国、欧州とかアメリカでは、やはり急ブレーキの練習をやっております。試験にも出しているようでございます。二十キロぐらいでまず急ブレーキをかける。それから今度は四十キロにする。六十キロにする。八十キロぐらいまではやっておるようであります。百キロというのは危険でございますから、あまりやっていない。しかし、八十キロぐらいまでは急ブレーキをかける練習をしているということを聞いております。  私ども、今後、初心者教育の中なり試験の中で、やはりそういうスキッド訓練というのはやっていくべきではなかろうかということで、そういう方向で、教習なり試験の中身をさらに安全なほうに持っていくように今後やってまいりたい。研究課題としていま考えております。そういう方向で今後検討を続けてまいりたいと思っております。
  149. 小濱新次

    ○小濱委員 そうですか。私も、非常に疑問に思ったけれども、どうかと思いましたのでお尋ねしたわけでございますが、急ブレーキをかける必要のない運転が望ましいわけですよ。ところが、私どもは、やはり便乗しておりまして、いろいろとその必要な場面が出てくるわけですね。過去には念ブレーキはけしからぬというようなことばもあったように聞いておるわけですけれども、その方針方針として、路上における歩行者事故は、車の直前に飛び出して起こす事故が多いわけですね。前方不注意といってしまえばそれまでですけれども、その事故対策については、やはりとまることしかないわけです。そのときの勘の働きは、熟練という、その技術が非常に大事になってくるわけですね。急ブレーキこそは、事故防止の、事故回避の最重点であろうというふうに私は思ったわけでして、いま御決意は伺いましたけれども、先ほど申し上げましたように、これは早急に対策を講じ、実施すべきであると思いますので、この点をよろしくお願いしたいと思います。  さらに、これは後藤田長官お尋ねをしたいと思いますが、交通安全確保には、ドライバーの質の向上と同時に、道路環境整備が重要な課題であることは当然でございます。交通管理施設整備事故防止に効果的であるという証明として、東京で大幅に事故が減少していることが明らかになって、これは報道されました。そこで大切なことは、この管理施設は一地域だけの問題であってはならないと思うのですね。それで、その一地域整備されましても、そのしわ寄せが、必ず、その付近の整備のおくれている地域に起こってくる現象が、その例がたくさんございます。それはまた、多くの人の意見として、定説になっておりますね。  私のほうは、その被害発生が非常に多い地域をかかえておる。この意味が、局長、おわかりになりましょうか。神奈川県におきましても、相模原であるとか、大和、藤沢、平塚、小田原あたりが、県下四十一管区の中で全部トップです。なぜああいう広範な地域に行って事故が起こるのだろうかと思うわけですけれども、その差があるわけです。東京の非常に整備が進んでいる地域から郊外へ出ていって、その常に走っておった感覚で走っておるところに事故原因がある。整備のおくれも当然目立っている。こういうことになっているわけでして、この管理施設整備のおくれということと、それから、その付近という問題が事故多発の原因になっていることは、もうよく御存じのとおりでございます。  しからば、この原因の一端は何かということになると、いまも申し上げましたように、予算的に、現行の補助金制度に問題があるのではないか。現行の補助金制度では、財政の少ない、逼迫している地方自治体では、正直なところ、そういう管理施設に回すだけの予算がないために整備がおくれている。これは当然でございましょう。しかも、自動車の普及率というのは、地方のほうが高いのですね。管理施設整備が悪いために、事故発生はますます多くなっている。こういう傾向になっている。こうしたことを考えたときに、最も事故の多い地域に、国の責任において——長官、ここを聞きたいのですけれども、国の責任において集中的に投資する必要があると思うわけでございます。特に、こういう対策を講じてやらなければならない地域に何かの方法で対策を講ずるべきである。われわれはこう思うわけですけれども、その点についての御所見、御見解をひとつ長官から伺いたいと思います。
  150. 後藤田正晴

    後藤田政府委員 仰せのように、交通事故を防ぐという意味合いから、交通の管理体制、管理施設整備する必要性があることは申すまでもございません。そういう意味合いから、過去、三カ年計画を立て、また、今日。五カ年計画を立てて、第二年度に入っております。全体として千六百億、地方単独がふえておりますので、ことしの決定では千七百億をこえておると思います。そういったことで、何とか早く管理施設体制を整備したい。同時に、私のほうだけでなしに、建設省所管の関係での道路環境整備ということとも相並行しながら、政府としてはできるだけ努力をいたしております。  御案内のように、そのやり方が、今日、補助金制度と地方単独経費との二通りになっております。計画全体から見ましても、私は、この千六百億ないし千七百億という金で十分だとは考えておりません。これはやはり財政の状況ともにらみ合わせて、これが許すならば、もう少し拡大を適当なチャンスにはやってみたい。かように考えておるわけでございます。ことに、御質問のように、地方の弱小の市町村等においてなかなかそういった整備がうまくいかぬ、だから、これを国の責任で集中的にやったらどうだということは、これも一つの解決の方法であろうとは思いますが、今日の財政のたてまえから見まして、その国の責任とは何ぞやということを考えた場合に、私は、ものによっては全部国でやるものがあってもいいのじゃないかと思いますけれども、やはり、たてまえは補助金の制度と地方単独にならざるを得ないのではないだろうか。その場合に、弱小市町村に対する財政上の措置としては、交付税で特別な配慮を加えていく。そして、こういった必要なものがどんどん整備がなるように考えていくのがしかるべき方法ではなかろうか。財政のたてまえ全体を変えるということになると、言うべくして実現はなかなかむずかしいだろう。むしろ、今日では、交付税の制度の活用ということが一番ベターではなかろうか。かように考えております。
  151. 小濱新次

    ○小濱委員 いま、予算のお話がございましたけれども、現在、こうした管理施設の必要性から考えて、その予算規模というのが問題になるわけでございますが、さきに長官から、道路予算の三%くれれば事故は半減できるというようなことを伺ったことがあるわけですけれども、いま要求額は五千億でしたか、その内容によってまた違ってまいりますけれども、いまのお話ですと、千六百億ないし千七百億円というようになっておりますが、この交通管理施設費を要求していたことについて、三千五百億という大きな開きが出てしまったわけですね。この減少した予算規模を、当初の五千億円に持っていけば何とか事故が半減できるわけですが、長官は、でき得れば拡大を考えてみたいと言うが、ちょっと私としては満足できないお答えでございます。五千億円で、どうしてもすべきである。そうして事故は半減すべきである。私どもはこう考えるわけですが、もう一度この件についてのお答えをいただきたいと思います。
  152. 後藤田正晴

    後藤田政府委員 御案内のように、五カ年計画の際に私どもが要求した金額は三千七百億でございます。それが削り削られて千六百億、ことし千七百億余りになっていますが、いずれにいたしましても、二分の一弱ということで、これで決して満足をいたしておりません。ただ、私どもが幾らさように主張いたしましても、財政という大きな壁が破れなかったということで、力不足を痛感いたしております。そこで、やはり全体の国、地方の財政事情というものを私どもとしては十分考えつつ、必要な金は何とか確保したい。そういう意味合いから、先ほど申しましたように、適当なチャンスに、私どもとしては、私どもが考えている、だけの安全施設整備するに要する経費の獲得に努力をいたしたい。かような趣旨でございます。
  153. 小濱新次

    ○小濱委員 ぜひひとつ最大の努力をお願いしたいと思います。  次は、監視体制及び事故対策について少しお尋ねをしていきたいと思います。  特に急を要する問題は、私は、高速道路の問題であると思うわけでございます。高速道路における走行車線を守らない。あるいはまた、高速道路であるにもかかわらず、流れを無視して、交通の流れの妨害をしている。こういうものがいろいろとあるわけでございます。モラルの問題について、これを指導ないしは監視をすることが最も必要であるとわれわれは考えるわけですね。これらの問題について、これは基本的な問題になるかもしれませんけれども、どういうふうにお考えになっておられましょうか。これは局長お答えいただきたいと思います。
  154. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのように、高速道路自体、供用区間が延びてまいりました。それで、国の動脈としての道路でございますから、一般道路に比べますれば、規格も世界的水準で、よろしゅうございますので、一般的には事故は少のうございます。しかしながら、スピードがつい出るものでございますから、相半スピードの高い車が走っておる。私どもとしましては、運転者の教育もさることながら、現場におきます監視と申しますかパトカーあるいは白バイによるパトロールの頻度を多くして、そして、現場で、先ほどお話しがございましたように、車線を守らない車、あるいは流れを乱しておる車に、マイクでいま厳に注意しておりますが、そういう現場における注意、指導を通じていいマナーができ上がっていくというふうに、今後とも交通の管理体制の強化をはかってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  155. 小濱新次

    ○小濱委員 次は、前田日本道路公団総裁に御所見をお尋ねしたいわけですけれども、四十六年度一カ年間高速道路における事故故障調書を調べてみましたところが、北海道、九州をまじえて八カ所あるようですが、この高速道路の中で、まず身近な問題として、東名名神と中央、三カ所選んでみました。この三カ所の四十五年と四十六年度の一カ年間の事故、故障の内容を調べてみたところが、こういうふうになるわけです。少し比較をしていただきたいわけですけれども、四十五年度の事故件数は八千五百十四件、死傷者の数は七千二百四十二人、故障件数、これが大きく十三万五千百九件。四十五年度はこういう数字になっております。四十六年度の事故件数は八千二百五十件で、死傷者数が四千五百二人、故障件数が十一万六千七百四件、こういう数字になっておるわけでございます。そこで、公団では、事故内容をどのようにごらんになり、また、その対策、将来の計画をどのようにお持ちになっておられますか。非常に問題が多いので、今後予測される交通事故内容をわれわれは懸念いたしまして、基本的な問題ですけれども、総裁の御所見を承っておきかい。こう思います。
  156. 前田光嘉

    ○前田参考人 ただいま小濱先生の御指摘のとおり、最近、高速道路におきます交通が相当ふえてきまして、これに伴いまして、事故の件数も、先生指摘のとおり相当ふえてきております。われわれといたしまして一番懸念いたしておりますのは、高速道路におきましてはスピードが早いために、一たん事故がありますと、すぐ致命傷に至る場合が多うございます。このためには、道路そのもの本体に、交通事故にならないように分離帯を設けるとか、あるいはまた、路線の行く方向を明確にするとか、あるいは、ドライバーが運転しやすいように防眩網を張るとか、あるいは連行のしやすい程度の照明をつけるとか、道路施設の面にはこういう十分の配慮をしていくことが第一。  しかし、中には、ドライバーのミスによる場合、あるいは、不心得によりまして事故を起こす場合がございますので、ただいま片岡局長からお話しがございましたように、われわれのほうといたしましても、ドライバーに対するマナーの向上についての絶えざる訓練と申しますか、御注意を喚起しております。また、自動車の不良なものが入り込みますと、そのために事故を誘発しますので、できる限り、高速道路に入る事前自動車の点検を十分お願いするようにいたしております。  同時に、また、道路上におきまして事故が起こる前に不良な逆転を早く発見することが大事でございますので、ただいま御指摘がございましたように、定期的あるいは随時にパトロールを出しまして、路上を巡回いたし、これらと相まちまして、できる限り交通事故を減少させたいと思っておる次第でございます。
  157. 小濱新次

    ○小濱委員 道路建設については、何か、やはり研究しなければならない問題点があるのではないかと私どもも考えるわけです。走ってみまして、非常に不親切な、ちょっとわかりにくい標識などがあるわけです。気がついたときにはもう通り越してしまったというようなものもございますし、高低、カーブのつくり方等においても、非常にからだをゆすぶられるような、運転を誤るような振動を感ずる場合が私たちもあるわけですけれども、何かその辺に原因があるであろうと思うのです。これは非常に事故件数も多うございますし、死傷者も多い。特に、故障件数が、四十五年度は、一年間に二カ所だけで十三万五千百九件。これは高速道路だけですから、ほかの有料道路は入っておりません。しかも、三カ所の地域での故障件数が、四十五年ではそういう数字になっておる。四十六年度では十一万六千七百四件。こういう数字ですから、これが一たび、玉つき事故といいますか、あるいは追突事故を起こした場合にはどういう結果になるかということを考えますと、生命の尊厳という立場から、いまからこれは慎重に対策を講じていかなければならない。こういうように考えるわけでして、これは建設のほうも十分指導監督の任に当たってもらわなくちゃなりませんが、総裁のほうも厳重にひとつ御努力をお願いしたいと思うわけです。  建設省の浅井高速国道課長さんに、いまの問題についてお答えをいただきたいと思います。
  158. 浅井新一郎

    浅井説明員 御指摘の問題は、高速道路をつくる場合の安全上の配慮ということだと思いますが、先ほど、道路公団総裁からもお話しがあったことでございますが、高速道路事故件数といたしましては、一般道路に比べますと、これは大体二分の一から三分の一の事故率で、比較的少ないわけでございますが、何せ、非常に高速で走る道路でございますので、より一倍の安全対策が必要だということで、建設に際しても十分な配慮を払っているつもりでございます。大体、わが国高速道路は、水準から言いましても、欧米の、特に一級品と言われておりますアウトバーンとほぼ同程度の規格のものでございまして、建設に際して特に注意を払っている点は、縦断線形と平面線形との組み合わせによる視覚的な不安感というものを除くためのゆったりした線形をまずつくるということ。それから、高速に対して、御承知のように、対面交通を完全に分離するということで、三メートル程度の中央分離帯を設ける。それから、路肩も二メートル五十ないし三メートル二十五の広い路肩を設ける。この三つを主軸にいたしまして、設計、速度——高速道路は大体六十キロから百二十キロまでのケースでありますが、こういうものを目標にして、支障のない構造設備にしておるわけでございますが、施設的にも、そのほか、先ほどあげましたが、いわゆるデリニエーターと申しておりますが、路側表示の柱、あるいはグレアフェンスといって、防眩のためのさく、それから一般に必要な照明あるいは道路標識、そういったものを十分立てておるつもりでございますが、御指摘のように、標識などについて、その設置位置とか大きさ等につきまして一部御批判のある向きもございます。こういうものは、建設省道路公団の技術者を常時糾合しまして、常に反省しながら、改めるべきものは改めていくということでやっております。  それから、先ほど、故障が非常に多いという御指摘がございましたが、これは確かにそういうことでございまして、この故障の中で非常に大きなものを占めているのは、たとえば、いわゆるエンストとか、ガソリン切れとか、パンクとか、そういうようなものでございまして、これは車の欠陥に基づくものでございまして、高速道路の入り口には、こういう欠陥車が高速道路を走行しないようにチェックするような整備場所を設けたりして、なるべくそういうものをチェックするようにしております。それにしても、高速道路の走行に適しないような車両が入ってくるということが非常に大きな原因になっていようかと思います。今後だんだん高速道路交通というものになれてまいりまして、全国的にも高速道路が普及してまいりますと、こういう問題は、その間のPR、指導等によって徐々に改善されていくものというふうに考えておりますが、確かに、現状では交通事故が非常にふえておるということでございます。
  159. 小濱新次

    ○小濱委員 高速道路一般道路から見て事故が少ない、そういう率になっているということですけれども、私どもはそうは見ないのですね。たとえば、私のほうの相模原市の市の道路を帯状につないだ場合には、千二百キロメートルまで延びるのですよ。道路をつなぐと、一市の道路だけで九州まで延びるのですよ。そういう割合率から見るとどうかという、そういう道路の延長距離の面からもこれは問題になってくるでしょう。そういう点で私が申し上げたいことは、ぜひひとつ——高速道路の場合には、事故が起こったときには大きな事故になるのです。たとえば、霧のロンドンでは、百五、六十台ぐらいまで追突事故があったということを聞いております。それから、西ドイツかどこかでは、二百七十七台ぐらいまで一カ所で事故を起こした例もあるようであり逃す。わが国では、せんだっての裾野の三十二台が最高になりましょうか。こういうことです。したがって、いまお話しがありましたように、高速道路での駐車は違反でございましょう。そうすると、いまのような故障が起こって、もうあちこちにそういう故障車がいるということになると、非常に危険視されるわけであります。運転を誤り、あるいは事故を起こしたならばどういうことになるのか。インターも少ない、救急設備も少ない、逃げ道がないというようなことで、これはいまから対策を講じていかなければ、将来取り返しがつかなくなるということで、建設省にもこれは真剣に取り組んでもらわなければならない問題でありますので、もっとかたい決意でこの問題は重視をしていただきたいと思うわけです。  もう一度ひとつ浅井課長から御答弁をいただきたいと思います。
  160. 浅井新一郎

    浅井説明員 おっしゃいますように、高速道路上で故障のために路肩に駐車するということは、非常に大きな事故につながるケースが間々あるわけでございます。故障車をなるべく少なくするというのは絶対必要なことだと思います。これは、私どもとしては、そういう故障車をなるべく早く適正な形において見つける、そうして注意をするということで、むしろ防御の立場でしかないわけでございますが、そのほか、高速道路を走行する車に対するPRということから、そういう車が入らないように十分対処してまいらなければならないと思います。われわれのできる範囲で、できるだけのことをやはりやっていかなければならないので、そういう方向で道路公団と十分協議をしてやってまいっておる次第でございます。
  161. 小濱新次

    ○小濱委員 それでは、引き続いて前田総裁、浅井課長にお尋ねをしていきたいと思いますが、中央高速道路の中で、調布−八王子−河口湖、この区間の、四十五年度と四十六年度、各一カ年の年別故障事故の問題を私調べてみました。これによりますと、四車線と二車線とに分けますけれども、最初に、四車線での事故件数は、四十五年度は百五十五件、四十六年度は百三十六件、死傷者数は、四十五年度は七十六人、四十六年度は三十四人となりました。二車線を申し上げますと、四十五年度の事故件数は三百八十三件、約二倍半になります。それから四十六年度の数は三百八十四件、これが約三倍になります。死傷者数は、四十五年度は三百六十三人で、約五倍になります。四十六年度は二百八十人で、約八倍強。この四車線と二車線を比べますと、こういう大きな違いが出てくる。  それで、二車線の高速道路の計画変更ということですが、ここに着目をしなければならないであろうと私どもは考え、その必要性を強調したいわけですけれども、これはもう絶対にやってもらわなければならない。いろいろと内容を調べてまいりますというと、こういう事例がたくさん出てぐるわけです。事故防止には追い越し線の一本ぐらいは当然なくてはならないと思うわけですが、二車線ではそれができない。このごろ羽田線は非常に事故が多うございまして、飛行機に乗りおくれたという人がたいへんたくさんおります。それから、羽田線は高速じゃないという人もおります。あそこに行くのならば予定よりか一時間ぐらいは先に出発しなければ、あぶなくて乗れない。モノレールを利用しているお客さん方がこのごろは非常に多い。こういう問題もございまして、一たび事故を起こすというと、もうそれで高速道路の役目をなさなくなってしまうわけですね。こういう点で、総裁も非常にお感じになっているであろうと思いますけれども、この問題についての絶対性から、その将来計画、これについての御意見、御所見を承りたい。
  162. 前田光嘉

    ○前田参考人 ただいま小濱先生指摘のとおり、現在の中央道、そのうち、調布から八王子までは四車線、それから西のほうへは二車線でございまして、この関係もありまして、特に、二車線の区間におきまして事故が多いことは事実でございまして、われわれも非常に残念に思っております。当初、この道路をつくりますときに、四車線にしたいという意向もございましたが、当時の財政状況と、それからやはり道路でございますから、二点間を早く結びたいという、こういう要求の両方にはさまれまして、残念ながら二車線の道路をつくりましたが、しかし、その後直ちに反省いたしまして、事故の減少をはかり、同時にまた、交通量に対処するために、現在、取り急ぎまして、八王子から以西につきまして二車線拡幅の工事を進めております。工事の都合で、完成するのは四十八年になりますけれども、元来、高速道路と申しますと、左右を完全に分離して、追い抜き車線のできる、最小限四車線の道路高速道路の本旨でございます。今後、われわれは、ぜひともそういう高速道路をつくりたいと考えておる次第でございます。
  163. 小濱新次

    ○小濱委員 浅井課長から、この問題についてのお答えをいただいておきたいと思います。
  164. 浅井新一郎

    浅井説明員 お話の二車線の段階建設の問題でございますが、これは、高速道路としては、元来四車線の分離された構造というのが原則になっておりまして、基本計画にも整備計画にもそのことが明示されております。ただ、全国的に展開していきます場合に、資金的な問題から、やむを得ず、非常に交通量の少ない区間については二車線でとりあえずあけるということを一応やっておりますが、これは、ただいま御指摘のような交通、安全上の問題もいろいろございますし、資金が許せば逐次これを解消の方向に持っていきたいというのがわれわれの考え方でございまして、逐次そういう努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  中央道につきましては、いまお話しのありましたように、これは鋭意四車線に広げる仕事をやっております。四十八年までには完全に広がって、四車線の本来の姿でやっていくということになると思います。
  165. 小濱新次

    ○小濱委員 いま、課長は、資金的な面と言われた。いろいろな内部事情はわかりますけれども、とりあえず二車線ということですが、こういう事故発生の記録を見て、もう二車線しかできないというならば、しからば、それに対する事故対策をきちっと定めまして、そして、その結果が出てくるような建設のしかたが大事じゃなかろうかと私は思うのです。これは高速道路ですよ。まだそのほかにたくさん有料道路があるのですよ。そういう点では、これは課長さんへの強い要望は避けますけれども、この年々増加する事故件数と事故死傷者という問題からは、特に総裁にもこれは努力を払ってもらわなくてはなりませんけれども、私どもは、その衝に当たる建設省責任だろうと思うのです。たとえば、安全施設においてもそのとおり。その設備においても、これはいろいろやったのとやらないのとではたいへんな開きが出てくるわけです。そういう点で、ひとつ、もう少し積極的にこの問題とは取り組んでいただきたいことを心から要望申し上げておきたいと思います。  そこで、前田総裁に重ねてお尋ねしたいのですが、この事故のデータに載ってこない事故がたくさんあるわけです。これはいろいろと個条書きにして私は御報告したいと思いますが、まず浜松の手前の三ケ日、東京からあそこまでの区間をいろいろと調べてみました。ところが、この東名高速ができて非常にうるさくなった。騒音の問題。それから夜中の事故発生時のサイレンが特にうるさい。こういうことで住民を困らせているという問題がございます。緊急時のサイレンは法律に義務づけられておりますけれども、どちらにしても、このことは、住民は、非常に協力をした公団に対していま恨みを抱いているというような形になっているわけです。  それから次に申し上げますと、東名高速道路ができましてから、これは大井、松田付近ですが、大雨のおりには呉常出水、鉄砲水が民家に被害を与えているという問題。それが小さな河川に流れ落ちまして、川がはんらんする。住民はどこに苦情を持っていきようもありませんので、県に訴えて、砂防地域の指定を何とかというような働きをやっている。こういう事例が現在ございます。  それから土羽の芝、御存じかと思いますけれども、現地では、メキシコ芝だとかあるいは輸入芝だとか申しておりますが、正式の名前は何かわかりませんけれども、これを秋口に刈り取らないために、この芝が枯れまして、ひどい醜態をさらしているという姿があるわけです。ここに運転手がたばこを表に捨てます。それが風速にあおられて芝が燃え出す。こういうことで、たいへんに住民としては脅威を感じているわけでして、そこで消防団が飛び出す。そしてようやく消しとめ、その時点で連絡があって、消防署がかけつけてくる。こういう例がございます。私は現地に行って見ましたが、実際そういう個所がございました。そして、この芝刈りは、やる地域とやらない地域があるようです。道路一ぱい平行線まで芝が植えつけてありますので、たばこの火がまともに芝に被害を与えている。こういう形になっているわけですね。あの下のほうに、運転手の視力を狂わさないような色どりのものを植えるとか、あるいは燃えにくい芝を植えるとか、何かそういう対策を講じなければならないと、私は現地を見まして感じたわけです。  さらに申し上げたいことは、中央分離帯の芝が同じく燃えておりまして、これがずうっと長く燃えているのですね。私は、なぜこんなに燃えたのだろうかと思ったところが、自動車が走る風速によって、うちわであおいでいるような形になるんですね。そして、ぼんぼんそれが燃えていくという形、これはやはりいまの松田−厚木間にございました。これに対してやはり消防団が活躍をいたしております。自動車事故にも火災はつきものでございますが、その問題についての対策も、早急に全地域調査し、検討していかなければならないのではないか。こういうふうに私は感じたわけでございます。  それからもう一つ。苦情ばかり申してたいへん申しわけないのですが、これは検討の資料に提供するわけですけれども、先ほども申し上げましたように、あの浜松の手前のほうと大井、松田、あの付近はミカンの山々のまん中を東名が通っているわけです。並行してミカン畑がある。あるいはちょっと小高いところにミカン畑があって、おいしそうになっておる。これを自動車をとめて折り取っていく、盗んでいくという例がたくさんあるわけです。(「静岡県か」と呼ぶ者あり)静岡だっておこらなくちゃいけませんよ。いま大石先生が発言しておられますけれども、ちょうど大石先生のところじゃないかと思いますけれども、そういう被害が起こっておる。現地へ行きますと、われわれが協力してりっぱな道路ができたのに、こういう被害が発生しているのだけれども、今後どうしてくれるのだという質問を私はされるわけです。私も幹線自動車道の審議会委員をしていますものですから責任がないわけじゃございませんので、一生懸命おわびをしながらその対策をお約束をしているわけですけれども、こういう事例がある。  それから、さらには、排気ガスによってミカンの木が最近被害をこうむっておるという事例が出ているのですね。十年、十五年たって、ほんとうにりっぱに育って、これからというときにいまやられているという姿があるわけです。私は知りませんけれども、お茶なんかどういう被害を受けているのかということもお尋ねしようと思っていたのですが、残念ながら、私は、向こうまでは調査に行かなかったものですから、それはまた大石先生からでも発言していただきたいと思います。  こういう事故件数の記録に載ってこない地元の苦情申し立てがたくさんあるわけですが、これがどこへ行っているかといいますと、料金所の所長あたりに口頭で、困るじゃありませんか、何とかしてくださいという程度でとまっているようです。書類でお願いをしたというような項目はないようです。こういう問題も起きないように対策を講じて建設をすべきであると思いますし、現在起こっているそういう問題点に対する対策——たとえばあそこに金網がありますね。道路の両サイドに一メートル二十くらいある金網があります。そこに、昔の戦時中の鉄条網のような、有刺鉄線というのですか、ああいうものが三本、多いので五本くらい張ってありますが、あれは乗り越えていくにはちょうど手ごろの高さなんですね。ですから、車をとめては、ぽんと乗り越えていって、そして折り取っていく。こういうことですから、あそこの対策を講ずればいいのではないか。こう思われるわけです。  そういう対策とか、いろいろと事件が発生しておりますので、このことについての総裁の御所見を承っておきたいと思います。
  166. 前田光嘉

    ○前田参考人 ただいま、高速道路の走行に関しまして、各方面に及ぼしておる被害と申しますか、苦情につきまして、詳細に伺いまして、まことにありがとうございます。われわれも、日ごろ、ただいまお話しのような事情承知をしており、また、個々に、具体的に対策をとっているものもございますが、簡単に御説明申し上げますと、騒音につきましても、去年までは、学校とか病院とか、特に公共の施設で静穏を必要とするところにつきましては、防音壁を建ててまいりました。ただ、それだけでは足りない。さらに高速道路の周辺の民家についても、高速道路の騒音が激しい場所については防音壁をつくれという要望がございますので、そういう点につきまして、目下検討中でございます。ただ、サイレンの点につきましては、私もさらに研究いたしますけれども、非常時の場合でございますので、道路公団としてどこまで対処できるか。ちょっとこれは検討してみなければならぬと思います。  それから、水が出るということでございますが、御承知のように、大井、松田の付近は、非常に傾斜の大きいところに大きな高速道路をつくりましたので、沢あるいは川の流路がかなり変わりまして、その点につきましては、われわれのほうも、建設の際にできる限り配慮いたしましたが、しかし、その後なお御迷惑をかけておる点につきましては、十分地元の方々と協議いたしまして、被害の起こらぬようにしたいと存じております。  それから、のり面及び分離帯の芝生につきましても御注意いただきました。われわれも実は非常に困りまして、のり面を、防護さく、あるいはドライバーの見た感じと申しますか、緑でおおうということから芝を張りましたが、粘れた芝生につきましては、たばこの吸いがらでよく火が燃え移ります。そこで、御指摘のように、ドライバーの席からたばこの吸いがらを投げ捨てましても、その部分には芝のないように、芝の植え方をある程度高いところにするとか、あるいは、よく落ちるところにつきましては、芝じゃなくて他のものを張るとか、また、芝につきましても、冬枯れないで、一年じゅう、冬季でも緑でしめっておって火がつかないという芝を開発しようと思って、今後できます道路につきましては十分配慮をし、また、現在の芝生につきましても、危険な個所につきましてはそういう改良策を考えております。しかし、何ぶん、相当距離が長うございまして、しかも、幾らドライバーにお願いをし、注意をいたしましても、やはり吸いがらを投げる人が多うございますので、非常に弱っておる現状でございます。  それから、ミカンに対する問題もありまして、これは先ほどお話がございましたように、具体的に非常に御迷惑をかけて、用地交渉の際にも問題になりまして、排気ガスのためにミカンの生育に非常な被害がありましたところにつきましては、県の公正な御判断、御査定をいただきまして、一定の補償をすることにいたしております。  ただ、最後にお話しの沿線のミカンが盗まれるという点につきましては、これはなかなかむずかしい問題でございまして、われわれのほうといたしましては、大体、高速道路というのは、路肩に車をとめるべきじゃなくて、とめることは実は交通法で違反でございまして、決してとまっているはずはないと思っております。しかし、中には、お話のように、いたずら半分にそういうことがあると思いますけれども、われわれとしては、高速道路は、交通の支障もありますので、そういうふうな他の目的のための駐車は絶対してはいかぬということでパトロールを強化する。しかし、人の物を盗むということにつきましては、もちろんこれは一般のドライバーなり通行者の公徳心に待つ以外にございませんで、われわれとしても、できる限りそういうことのないように十分注意を喚起したいと存じます。  いずれにいたしましても、高速道路が相当交通量がふえますと、われわれが当初想定し得なかったいろいろな問題が出てきますが、しかし、これも、道路交通を円滑にし、同時に、付近の住民の方々にも決して御迷惑をかけないようなことを考えまして、いろいろ今後慎重に研究し、善処したいと考えております。
  167. 小濱新次

    ○小濱委員 総裁にもう少し詳しくお話しいたしますと、低いほうののり面の一番下のところにみぞができている。そのみぞに、いまの輸入芝が一ぱい詰まっているわけです。みぞの役をしていない。それがあふれ出るわけですね。ですから、そういう点をだれが調査をしているのか、だれがその指導をしているのかという問題ですね。それから、刈り取った芝は、袋に入れるなりして持っていくならいいのですが、そこへ落とされるものですから、下が一ぱい詰まっている。こういう状態なんです。  それから、いまの道路の巡回、パトロール、これの強化という問題についていろいろとお尋ねしてみたところが、公団のほうでは、約二時間ごとに一回ずつすっと通るだけなんです。これではたして交通指導ができているかどうか。巡回の強化がなされているかどうか。こういう問題が起こってくるわけですね。その公団側のパトロール体制の強化という問題と、それから事故発生時の電話施設の距離が、どのくらいありますか、五百メートルか千メートルぐらいですか、このくらいの間隔にあるようですが、一つあるだけでしょう。ですから、いろいろと重なってまいりますと、そういう一本の電話だけではどうにもならないということにもなるわけですね。いろいろとひとつ御研究を願いたいと思いますが、このパトロールの強化ということについて、いま言ったような私の調査内容になっているけれども、どういうふうにお考えになっておられるか。ひとつまた、これも御所見を承っておきたいところであります。
  168. 前田光嘉

    ○前田参考人 道路上における事故防止のために、私のほうもパトロールをいたしておりますが、現在のところ、特にこの道路施設が良好に保たれておるかどうかということを見るための巡回が、一日に二回程度回っております。しかし、そのほかに、交通状況等を見るためのパトロールもやっておりますので、公団といたしましては、全体としては、一日に、東名につきましては、昼間において約八回、夜間において六回、合計十四回回っております。しかし、あるいはその日の不注意等によりまして、ただいま御指摘のようなことがあり、さっそく取り除くべきものを不注意によって取り除かなかったということがありましたことは、非常に残念に存じます。くれぐれも注意いたしまして、さらに、せっかくパトロールをする以上は、よく見て事故のないようにしたいと思いますし、それからさらに研究いたしまして、現在のパトロールの回数では少ないということがありますならば、もちろん予算措置が要りますけれども、パトロールの強化あるいは方法等につきまして改善をしたいと考えております。
  169. 小濱新次

    ○小濱委員 さらにお尋ねをしていきたいと思いますが、高速道路にサービスエリアというのがございますね。休息所。あの付近にはインターチェンジはないわけです。あそこに軽い病人等はよく連れ込まれておるわけですけれども、医務室あるいは診療所というようなものはあそこにはないようです。一人か二人くらい休めるような小さな部屋がある。そういう内容でございますけれども、あのところに業者が出入りをする。そういう荷物を運ぶ道路ができておるわけです。これは厳重にかぎがかかっておる。これはだれが保管しているのかわかりませんけれども、こういう体制になっておる。何か問題があったときにインターチェンジを利用しなければなりませんけれども、あれは緊急に利用させてもらわなければなりません。その問題について、救急車なんかも外からどんどん入ってこなければ急場には間に合いませんので、あそこの施設に対する計画を今後また新しくする必要があるのではないか。こういうように考えるわけですけれども、この問題についても御所見を承りたいと思います。
  170. 前田光嘉

    ○前田参考人 御指摘のとおり、高速道路上における事故を最も早い機会に処置するためには、出入り口が最も近いところにあることが望ましいわけであります。現在のインターチェンジ以外のところにも、非常の場合には出入りができる設備があるところがございます。すべてのサービスエリアについてそういうふうな施設があるわけではございませんけれども場所によって、われわれのほうの過去の経験等によりまして、いわゆるインターチェンジのほかにも非常出入り口を設けております。現在のところ、現在の非常出入り口の程度で一応間に合っているだろうと思いますが、ただいまお話しのように、災害の場合に、一刻も早く被害者を救出するために、出入り口あるいは医療施設等につきましては、さらに研究したいと思います。
  171. 小濱新次

    ○小濱委員 いろいろとお尋ねいたしましたけれども事故対策については、総力をあげて取り組んでいかなければならない問題でございますので、非常に関係の深い日本道路公団の総裁でございますので、以上のような問題点を一そう慎重に御検討いただいて、これが対策の実現を期していただきたいことを心からお願い申し上げまして、総裁への質問はこれで終わらしていただきます。  さらに、だいぶ時間がなくなってまいりましたが、これも交通局長お尋ねしたいと思いますが、けさのテレビでいろいろとニュースを見ますと、都内では、半分以上のけが人が、全部裏道の事故が多い。そういう交通事故報道がございました。  そこで、幼児とか学生の指導は文部省かと思いますし、老人は警察ではないのかと思うわけですけれども、特にそういう種類の人たち事故が多いわけです。私は、この所管をどうのこうの言うのじゃありませんけれども、幼児、学生、老人の教育、保護対策が非常におくれているのですね。これがやはり急がれなければならないと私は考えるわけです。そこで、この件についてどのように対策をお考えになっておられましょうか。これもとつお尋ねいたしたいと思います。
  172. 片岡誠

    ○片岡政府委員 いまお話しがございましたように、幼児あるいはお年寄りの交通事故が多いわけでございます。私どもといたしましては、関係の行政機関、これは教育委員会であり、あるいは学校当局であり、あるいは幼稚園、保育所当局もございましょうし、それから、老人の場合には、福祉行政関係の当局、あるいは福祉施設といったような面の協力も得まして、そういう本来の行政の面でも、安全教育のこういうことをやっていただきたいということを、データなりを差し上げて指導もやっていただいております。  それと同時に、警察といたしましても、担当者、たとえば婦人の交通巡視員であるとか、あるいは派出所の場合にも、その管内の老人なり、幼児のおられる家庭には、個別的に、巡回連絡の場合に、交通安全教育についていろいろパンフレットを差し上げたり、あるいはそういうことをお話ししたりして、安全に関する知識と方法を指導してまいるというやり方を現在もとっておりますし、今後さらにそういう面でも力を尽くしていきたいというふうに考えております。
  173. 小濱新次

    ○小濱委員 さらにお尋ねしたいのですが、高速道路のパトロールの強化という問題については、先ほど総裁のほうから御意見を伺いました。そこで、この分駐の体制ですが、わずかな人たちでそこで昼夜にわたって作業をしておられるわけですが、先ほど申し上げましたような問題は、やはり交通指導——私どもはこういう声を聞いているわけです。百の対策よりも警官一人立て、こういう標語を言ってくれた人がいる。百の対策よりも警官一人立て。それは、昼夜立っているということは無理かもしれませんけれども、おまわりさんが一人いるとたいへん問題が少なくなるようですね。たとえば浅間山荘事件のときに、各料金所に警官が配置についたようです。いつも、夜の十一時、十二時ころになりますと、飲酒運転や、それから酒を飲んだお客が、必ず料金所でだだをこねていやがらせを言っていくのだそうです。そういうことでたいへん苦慮しておったところが、警察官があそこへ全部配置についたら、そういういやがらせが全然なかった、料金を払うともうさっと行ってしまったというのですね。料金所ではたいへん喜んでおりました。こういう体制をぜひやってもらいたいと思う、御無理かもしれませんけれども、というたっての要望がございました。そういう点で、高速道路には白バイはないのですね。危険だからないのかと私どもは理解しておりましたけれども、この間、先月の末あたりでしたか、日曜日に、私はちょうど視察をして厚木のインターにおりました。ところが、あの近所は非常な混雑でして、四十キロ、五十キロぐらいで、のろのろ運転でずっと押されてくるわけです。ちょうどそのときに、佐藤総理大臣も厚木のインターから上がってまいりました。これは四、五台並んですっと行ってしまいました。私はこれを見てぼう然としたわけですけれども、こういうことがございました。そういうことで、白バイの必要性が起こってきているように思えるわけです。特に、事故発生時には、白バイの機敏な運転操作のできるそういう体制、これはまた熟練者の必要性ということが叫ばれてくるでしょうけれども、白バイの配置体制という問題について、これは、パトロールの強化という問題とあわせてひとつお考えをお聞きしたいと思います。
  174. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのように、別荘、通常の場合はインターチェンジに配置できるだけの警察官がおりません。それがやはり一つ大きな問題だと思っております。  それから、いまの白バイの問題でございますが、従来は、高速道路は、四輪のパトカーでパトロールするというたてまえでしておりました。しかし、交通量が非常にふえてまいりまして渋滞したような場合には、四輪車では行動が自由でございません。したがいまして、そういう場合に、白バイもあわせ活用していくということを今後は考えていったらいかがなものであろうかということで、検討をいたしております。  それから、幸い四千人の外勤交通警察官の増員のめどもつきましたので、これが実際に現場につきますのは一年おくれでしか出てまいりませんけれども、その際に、各県に、高速道路における交通警察隊というものを独立させて、そして強化していく。できれば、インターチェンジに必ず一人配置できるようにいたしたいという線で、いま各県を指導いたしております。したがいまして、あと一年くらいたちますと、各インターチェンジに一人は警察官がおって、酒酔いとか、無免許とか、あるいは積載オーバーとかの車が来れば、それをインターチェンジの入り口でチェックできるような仕組みにしていきたい。このように考えております。
  175. 小濱新次

    ○小濱委員 検問所を設けて注意を促すというようなことも必要でございますが、先ほど前田総裁に数多くの問題点を申し上げましたけれども、あれだって、パトロールの強化ということが実施できれば相当数減るのではないかとわれわれは見ているわけです。この問題についても、ぜひひとつ、また御検討、御努力をいただきたいと思います。  特に、私が感じますことは、高速道路事故発生の場合の事故車の排除の問題です。見ておりますと、レッカー車が取り除いておるようですが、これがなかなか来ないのですね。この件は、警察庁としてはどういうふうな考え方をお持ちになっておりましょうか。
  176. 片岡誠

    ○片岡政府委員 レッカー車の配備は道路公団のほうにお願いしておるわけでございますが、道路公団のほうも、日本自動車連盟あるいはその他の業者と契約しておりまして、事故があって、事故の実況検分が済めばすぐ排除にかかるという仕組みでやっておりますけれども、まだ、必ずしも十分に迅速にできていない向きもあるように見受けられますので、公団側とその点はよく相談をして、早くあと片づけができて、しかも、その事故が原因となって違う事故が起こるということのないような体制を進めてまいりたい。そのように考えております。
  177. 小濱新次

    ○小濱委員 レッカー車の配備の急務ということは当然であると思いますので、よろしく努力をしてもらいたいと思います。  もう一つ申し上げたいことは、事故発生には火災がつきものなんですね。ばっといく。そのときに、たとえば大型の消火器あるいは消火弾がどこにあるのかということなんですね。車の中には小さな消火器が搭載してありますけれどもだ、あれけでは、一面の火になった場合に消火はできません。といって、水をかけるわけにもいかない。ただあれよあれよと見ているだけだ。そして、中に人がおった場合には、今度はどうするか。その場合の切断機の問題。アセチレンガス切断機というようなものも外国では使っているというふうにも聞いておりますけれども、こういうものの装備も何か考えておかなければいけない。たとえば、パトカーにおいても、白バイにおいても、それが緊急に現場に急送できるような対策も講じておかなければならないと思うのですけれども、この問題については、どういうふうな御見解をお持ちですか。
  178. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのとおり、わが国でも、これから次第に交通事故に伴う火災事故が多くなってくると思います。事故処理車だとか、あるいはパトカー、それから誘導標識車というのをつくっておりますけれども、そういう事故現場に参ります警察の車に仰せのような器材を積んでいく。現在も消火器は持っておりますけれども、さらに強力な消火用器材なり救助用の器材というものも積んで待機しておるという体制に持ってまいるようにいたしたい。このように考えております。
  179. 小濱新次

    ○小濱委員 同じく局長お尋ねいたしますけれども、今回、路上での試験が実施されるわけですね。いずれも運転をしているのは受験者で、いわゆるしろうとです。それで、いろいろな地域の前提という問題もございましょうけれども、この地域において事故を起こした場合の責任は、これはだれがどのようにとることになるのか、承っておきたいと思います。
  180. 片岡誠

    ○片岡政府委員 路上試験あるいは路上練習のときの責任のことだと思いますので、お答えいたしたいと思います。  基本的には、ハンドルを握って運転している人の責任であると思います。しかしながら、同乗して指導している人、あるいは試験をしている人も独自に危険を防止する責任は負っておると思います。したがいまして、そういう場合に、危険を防止することについて注意の懈怠があった場合には、それなりの責任が生じてくるのではないかと思います。しかし、従来から路上で練習をしております。それから、東京の場合では路上で検定もいたしておりますけれども、そういう場合に若干事故がございました例を見ましても、試験官、指導員が刑事上の責任を問われておる例はごくわずかでございます。大部分がやはり運転しておる人の責任ということになるかと思います。
  181. 小濱新次

    ○小濱委員 さらにもう一点お尋ねしたいと思います。  最近の傾向といたしまして、ペーパードライバーというのですか、免許を取得いたしましても日常運転をしない人が最近ふえているといわれております。初心逆転者の遵守規定が一年を経過すれば適用されなくなり、本来の効果が漸くなると  いわれている。おわかりになりますでしょうか。その取り扱いをどういうふうにしていくのか。初心者に対して遵守規定というものがある。一年を経過すれば適用されなくなるという内容がうたってある。で、本来の目的である効果が薄くなるじゃありませんか。ですから、こういうペーパードライバーに対しては今後どういう取り扱いを考えていくのか。こういうことです。
  182. 片岡誠

    ○片岡政府委員 ペーパードライバーというものは確かにございます。しかし、大部分の人は、免許証をとりますと、全然逆転しないという方はごく少数であって、たとえばサンデードライバーと申しますか、通常の日は使っていないけれども日曜日には使うというような方が多いのではなかろうかと思います。しかし、仰せのように、免許証はとったけれども、車も持たないし、全然運転もしないという方もあろうと思いますが、数はごく少ないのではなかろうかというふうに考えております。御指摘の点は免許証をとってあと一年間、初心者である旨の標示をして、初心者の保護と同時に、初心者自身が初心者であるということを自覚して謙虚に運転するという制度をとったわけでございますが、これも、ペーパードライバーであったかどうかという証明のしかたもなかなかむずかしゅうございますが、数も少ないので、大部分の方には影響のない問題ではなかろうかというふうに考えております。
  183. 小濱新次

    ○小濱委員 最後に、国家公安委員長がおいでになりましたので、一つだけお尋ねしてみたいと思います。  日本はいよいよ高速道路時代に入ってまいりました。事故防止あるいは事故発生時の損害を最小限に食いとめる施策を真剣に考えていかなければならないときがまいったのですね。その施策が十二分に発揮されなければならないとも言われている。中でも、高速道は他の一般道路と異なりまして、一つの独立したものになっておるわけですね。私の言うのは高速道路であります。有料道路ではありません。いわば、閉鎖的というのでしょうか、そこで、その対策も高速道路の特殊性にかんがみて行なわれていかなければならない。こう考えているわけですが、そこでお尋ねしたいのですが、監視体制にあたっては、高速道路の分駐の警察官の熟練ということが非常に必要になってくる。それから、命を的に活躍をしなければならないという場面が非常に多うございます。これは、聞きますと、十年、十五年、二十年のベテランが配置をされておる。そういうわけで、高速道路に限って、そういう熟練者の高速道路警察隊というような、専門的に活動のできるような体制がこの辺で必要でないかと私は思うわけですけれども、この点についての大臣の御構想、御所見を承っておきたいと思います。あと、でき得れば長官からもお答えいただきたい。
  184. 中村寅太

    中村国務大臣 昨年の五月から、御指摘のような高速道路警察隊という組織をつくって事故防止に当たるということになっておるようでございます。
  185. 後藤田正晴

    後藤田政府委員 ただいま大臣からお答えいたしたとおりでございますが、多少補足して御説明申し上げますと、仰せのように、高速道路交通警察というのは一般道路警察とは質が若干変わってくる面がございます。そういうような意味合いで、この指導、取り締まりに当る警察官については、やはり相当高い技能を持たせなければならぬということで、今日、鈴鹿等の施設を利用して要員訓練等もいたして、十分それだけの能力を備えた警察官を配当するという方針をとっておりますが、こういったやり方は将来とも充実すると同町に、御質問のような高速道の交通警察隊というものは、高速道の整備並びに高速道における交通の実態等をにらみ合わせながら、一歩ずつ先を見てこれを整備充実する必要があるという考え方で今日臨んでおります。  この高速道の警察について、巷間一部、直轄の国家警察でどうだという議論がございますが、私は、この方針はとらない。やはり、今日の都道府県警察を実体にしながら、警察法の第六十条でしたか、六十一条でしたか、この条文を十分活用すれば、何も基本の性格を変えることなしに十分対処できる。しかも、高速道交通につきましては、一般の道路との接点に非常に問題がございます。そういったこともございますので、今日の警察体制の中で、実体に合うように高速道警察隊の創設と運用をはかってまいりたい。かように考えて、逐次整備しつつあるのが現状でございます。
  186. 小濱新次

    ○小濱委員 長時間御清聴ありがとうございました。以上で質問を終わります。
  187. 大野市郎

    大野委員長 門司亮君。
  188. 門司亮

    ○門司委員 最初に、私は、交通関係で、いま交通関係をやっておる両方に聞いておきたいと思いますが、沖繩の情勢については、政府はどう考えておりますか。五年間そのまま置くというようなことに考えられると思うが、沖繩は、御承知のように、左ハンドルでございますね。それから、交通規制は全然違うのですね。これをどうされようとするのですか。さしあたりは現行のままでいいというようなことになっておるようですが、将来これをどう考えられておりますか。
  189. 片岡誠

    ○片岡政府委員 先般の沖繩の特別措置に関する法律で、復帰後三年間はいままでどおりとして、三年経過した後、政令で定める日から本土並みに通行方法を切りかえるということに現在なっております。
  190. 門司亮

    ○門司委員 それはわかっております。それから、国際法としても、一つの国が一つの規定でなければならないということはわかっております。だが、しかし、国際法にそう書いてあるからといって、沖繩は、御承知のように、陸続きじゃないですね。欧州の場合は、往々にして陸続きである。各国とも陸続きである。それから、本土の場合には、外国との陸続きはないが、大体陸続きである。それから、北海道もそんなに遠いところじゃありませんし、四国はあっても、別にどうというところじゃない。沖繩はかなり離れているわけですね。だから、直ちに本土の規定でなければならない、あるいは国際法がこうなっているからこれでなければならないということはないと私は思うのだけれども、どうしても国際法上一つにしなければまずいという解釈にお立ちになっているのかどうか。
  191. 片岡誠

    ○片岡政府委員 国際法上も、やはり、一つの国では同一の通行方法にしろという条約でございますので、それにも抵触しないように沖繩等も整備したいという立場に立っております。
  192. 門司亮

    ○門司委員 私は、大体そういうことが基準だと思いますけれども、実際は三年間猶予ができるという規定があるとすれば、沖繩だけには従来の規定どおりにやったほうが、かえって交通が安全じゃないかという気が私はするのですね。これでは、三年後に切りかえるといっても、その間に交通訓練ができればいいのですけれども、現行法でない限りにおいては、交通訓練しようといったって、それは無理な話で、全然できないことになっておる。ただ規則だけ変えたら、いままでの左側通行を右側通行にするということで簡単にできるかどうかということには多少の疑問があります。これは本土でも、御承知のように、対面交通にする場合には、従来左側通行であったが対面交通がいいということで、一応対面交通に改めたという経緯があります。だから、そんなにむずかしい仕事じゃないじゃないかと言えば、それだけだと私は考える。しかし、この場合は、自動車の構造が違っているのですね。ことに、バスなどはそう簡単に切りかえが一体できるかどうかということですね。ドアがいまちょうど反対側にくっついていますからね。普通の車ならばドアは両方にあるし、運転席が左か右かというだけの違いですけれども、バスなどはそうはなかなかいかないのじゃないかということになると、この間の負担を一体だれが背負うのかということになると、私は、やはり一つの経済問題がそこにどうしても出てきやしないかと考える。だから、その辺の補償というか、その辺のことは通産省とどういうふうに話し合いができておりますか。
  193. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのように、一番の問題はバスの構造だと私は思います。切りかえに要する教育のほうは、一年くらい前から十分力を尽くしてやればできるのではないかと思いますけれども、問題は、主としてバスの構造、それから道路管理施設にも若干改良、変更を要すると思います。  バスの問題につきましては、運輸省のほうにあらかじめ切りかえのことにつきましても御相談もし、運輸省のほうで対策を立てていただくということで、いま進めております。しかし、これはバスだけの問題ではございませんので、いずれ政府として、総理府の交通安全対策室長を中心に、関係省庁が寄りまして、具体的な対策を立てるという方向で、いま仕事を進めております。
  194. 門司亮

    ○門司委員 それから、さらに突っ込んで具体的な話を聞いておきたいと思います。  そうした場合に、本土から沖繩へ車を持っていくということになろうかと思います。外車が輸入される場合——これは本土も同じことですが、その場合、今後沖繩に輸出されるものはすべて右ハンドルだという規定を設けられますか。設けられませんか。いまのところは、それはどっちでもいいのですが。
  195. 片岡誠

    ○片岡政府委員 担当は運輸省でございますから、あとお話があろうと思いますけれども、現在でも、法律的には、本土の場合に、右ハンドルでも左ハンドルでも、どちらでもいい。ただ、御承知のように、型式指定のときに、国産車については右ハンドルをとるという指導をしておられるようでございます。そういうことで、私どもは、普通の乗用車の場合にはどちらでもいいのではなかろうか、問題はバスの問題だというふうに考えております。
  196. 門司亮

    ○門司委員 それから、もう一つは、沖繩の運転者に対する罰則の規定が、いま沖繩で実行しているものと本土とは多少違うような感じを私ども持っておるのでありますが、この辺はどういう形で合わせられますか。三年は、いままでの沖繩の法規がそのまま生きているという、こういうことですか。
  197. 片岡誠

    ○片岡政府委員 罰則も、沖繩の道路交通法は、本土の道路交通法をお手本として、条文も大体同じようになっております。罰則につきましては、本土復帰後直ちに本土法が適用されることになるわけでございます。
  198. 門司亮

    ○門司委員 その辺も、この沖繩に対しては、本土に返ってすぐだということになると、一月ないのであります。その趣旨の徹底ができるかどうかということで、罰則の面、それからことに運転者の面について、多少の混乱がありはしないかというように考えるのですが、いまの次元でどういう訓練をされておりますか。
  199. 片岡誠

    ○片岡政府委員 先般の国家公安委員会で、御承知のように、道路交通法に基づきます教則というものをつくりました。そして、道路交通法をわかりやすく国民に徹底するためにつくったものでございますので、その教則の普及版をつくりまして、先生方にもお配りいたしたと思いますけれども、その普及版を沖繩のほうにも送って、沖繩のほうでも使い始めております。そういうことで普及徹底ができるんじゃないかと思いますが、ただ、右と左の読みかえだけが問題でございますけれどもあとは大体同じでございます。ただ、本土と若干違いますのは、路線バスなどの優先通行帯、この制度が沖繩にはございません。それから、交差点の進入禁止違反というようなこと、それから歩行者の側方安全間隔違反の問題、それから交差点の安全進行義務違反、それから急ブレーキ禁止違反、といったような、ごく最近の道路交通法の改正が沖繩のほうにはまだできておりませんので、その点、若干のものにつきましては相違がございます。あと大部分の規則は、ルールは同じでございますので、あまり混乱なく、復帰前後にスムーズに適用されていくのではなかろうか。かように考えております。
  200. 門司亮

    ○門司委員 よけいなことを言うようですが、いま、右、左の違いだけだと言うけれども、右と左の違いは百八十度違うのですな。これは、ただ右と左の違いといったってそれだけではいかないのです。私どもの心配はそこにある。右側通行が左側通行になったから、右と左の違いということだけではいかない。それから及ぼす影響というのは、これは車だけではないのであります。もっと関係が深いのは住民なんです。住民がそれを会得しておかなければ、逆の結果が必ず出てくる。これは車がそういうことになっているから、車の逆転者が心得ていればいいという筋合いのものではなくて、人と車がぶつかる危険性があるのであって人がそれを会得しなければならぬということが一番大事なことである。そういう面はどういうことになっておりますか。何か特別な処置がされておりますか。
  201. 片岡誠

    ○片岡政府委員 御承知のとおり、五月十五日の復帰のときに、通行方法は従来どおりでございますので、そこで急変が起こらないように、三年間たって、政令で定めるところによって通行方法の切りかえをやろうということにいたしたわけでございます。したがいまして、五月十五日復帰の日前後の変化は、ルールとしましてはごくわずかなルールの相違だけでございますので、復帰前後の変化はそういう混乱がなくスムーズにいくのではなかろうかと思います。ただ、たとえば、いままで三十マイルという速度標識があったのを五十キロというふうに改正をするといったような若干の手当て、相違はございますけれども、復帰前後には、たいした混乱なく、従来のルールがそのままほとんど生きるわけでございますから、問題は少ないのではないか。先生が御心配され、御指摘になっている問題は、三年たって右と左との切りかえをするときの大きな問題であろうというふうに私ども考えております。
  202. 門司亮

    ○門司委員 私は、あまりこんな問題で長くお話しをすることも要らぬと思いますが、もう一つ、非常に大事な問題は、アメリカの軍にどういう教育をしているかということです。これは、本土でも、彼らが駐留してきた当時は、米軍による交通事故はかなり多かったのであります。沖繩の交通の行政が変わってきますと、あれらの連中はそれにずっとなれておりますから、この切りかえの教育は一体どこを通じてどういうふうにやられるかということは非常にむずかしい。アメリカ軍に徹底してもらわぬと問題が起こるということ。要するに、なぜ私がそういうことを言うかといいますと、アメリカの兵隊というのは、常時あそこにいるわけではないんですね。方々から集まってきて、あそこに休養のような形で来る連中がやるんですから、まごまごしていると、法規が変わっているなと知っていないやつが——やっと言うとおこるかもしれませんが、あそこにはそういう連中がたくさん来やしないかと思うのです。そして、どっちかといいますと、軍のそういう行動が一切の沖繩の住民に優先するという今日までの慣習というものはなかなかぬぐい去ることはできない。そうなってきますと、本土よりも密度の濃い駐留軍の車であり、ことに、そういう法規が変わったなんということを全然知らぬ連中がやってくる。アメリカ本土から沖繩に駐留する場合は、ある程度の教育もできましょうし、いろいろな問題が考えられるかもしれないが、しかし、戦地からすぐ偏ってくる連中には始末の悪い者がいると思うのです。したがって、沖繩の交通の問題だけについては、本土と異なったアメリカさんとの関係の注意、それから、それにどういう連絡がどこからされておるかということ、それがもしおわかりだったら、はっきり言っておいていただきたい。
  203. 片岡誠

    ○片岡政府委員 現在も、琉球政府の警察は、高等弁務官あるいは軍の司令官、憲兵とよく連絡をとっております。復帰後は、駐とんの軍の司令官あるいは憲兵の責任者と十分連絡をとりまして、米軍の中で道路交通法の違反をしないように十分教育をしていただくというふうな措置を考えております。私ども自身、先生指摘の米軍の問題が一番心配の一つでございます。この問題で事故が起こるようでは問題があるということで、その点につきましては、現地の警察のほうも十分認識を持っておりますので、よく連絡をとって、軍の内部でございますからよく徹底していただくというふうにいたしたいと思います。
  204. 門司亮

    ○門司委員 念を押すようですけれども、よほど注意をしてもらいませんと、たとえばいまの高等弁務官といったって、あれは大体五月の十四日までの弁務官であって、それから先は職がなくなるから、首もなくなるということです。全然変わった形で沖繩では施行されると思うのです。たとえば、いままでの民政府であるとかいうようなものが今度は相手にならないという形。本土と同じような形で、軍は軍としての独立したものが出てくるのですからね。同時に、人間の比率から申し上げましても、アメリカ人が非常に多いということである。アメリカの、シビリアンにいたしましても、軍人にしても同じことですが、本土の場合とは比較にならぬほどの車が走るであろうということ。こういうことを考えますと、沖繩復帰後のある一定の時期というものは、交通行政にかなり混乱がありはしないか。その飛ばっちりを受けるのは住民である。こう考えるわけですから、この点は、特に施設庁その他とも関係を持っていただいて、新しくできるアメリカの軍司令部——むろんこれはどこに所属するかはわかりませんが、形の上では、あるいはハワイの軍政部になるかもしれない。沖繩は沖繩で、特別にそういう施設を彼らは設けるかもわかりませんが、こういう問題を、特に沖繩の交通行政に対しては気をつけてもらいたい。そのことは、いま申し上げましたように、本土からだけのものではなく、アメリカ人が始終参りますし、アメリカの自動車は、こっちからは右ハンドルのものを送ったって、向こうさんは左ハンドルのものを持ってくるのですから、それが非常に多いということで、復帰後の一時期には、沖繩では、本土でわれわれが想像しなかった交通上の混乱と犠牲者が出はしないかということがいまから心配されるのです。この点は特に留意をしていただきたいと思います。  それから、運輸省、見えておりますか。
  205. 大野市郎

    大野委員長 来ております。
  206. 門司亮

    ○門司委員 運輸省に、一応大まかなことを、一つだけ最初に聞いておきたいと思いますことは、交通行政に対する運輸省の役目というのは一体どこまでであるか。どうお考えになっておるかということです。私がそういう質問をいたしますのは、御承知のように、自動車の検査、運輸の計画、連行に対するあらゆる業種の許可、認可というようなものは、すべて運輸省が持っているわけであります。警察は、そういう運輸行政の中から出てきたもののあと始末、と言うと語弊があるのでありますが、トラックの形がどんなに大きくなろうと、どんなものをどういうふうに許可しようと、あるいはバスの関係にしても、タクシーの関係にしても、すべての許可認可というのは大体運輸省が持っている。いわゆる道路の上を走っているのは、すべて運輸省の管轄の中に入れられております。それから起こった事故をどうしてなくすかということの規制は警察庁でやっておりますけれども、本体は、何といっても運輸省にあると私は思う。そういう事故に対しまする責任感というのは、一体どの辺まで運輸省は持っておるのか。
  207. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 ただいま御指摘のように、陸上輸送所管というのは、運輸省、建設省警察庁にまたがっているのでございますが、最近の経済社会の進展に伴い、輸送に対する行政需要が新しく発生してまいっております。たとえば、海上コンテナ輸送あるいはフレートライナー輸送などに見られるような、共同一貫輸送方式あるいは複合ターミナル構想はその一例であろうかと存じます。また、大都市における交通問題の総合的解決、過疎地域におけるミニマムとしての交通問題の解決も同様であろうと存じます。これらの新しい行政の需要に対応して、国民の福祉の向上に資することが、輸送を担当する運輸省の行政の責任であろうと考えております。  行政的には、御指摘のとおりに、関係省が関連を持ってくるわけですが、従来から、たとえば総合交通政策の樹立にあたっては、臨時総合交通問題閣僚協議会を設置して、政府としての政策を検討するなど、関係名聞での行政の綿密な連絡調整をはかり、おのおの所管行政の立場から英知を持ち寄って問題の解決に当たってきたところでございます。私どもとしては、今後とも関係省庁の連絡協調体制を密にして、御指摘のような行政上の欠陥が生じないように、今後とも努力してまいる所存であります。
  208. 門司亮

    ○門司委員 私が非常にふしぎに思っておるのは、これだけ交通事故の問題が非常に多いときに——たとえば、自動車工業会が自動車の問題についてはいろいろ検討を進めております。きょう私、実物を持ってきてお示しをすればよかったと思うけれども、あなたのほうが十分お持ちだと思いますから持ってきておりませんが、自動車工業会は、いろいろな角度から自動車の構造その他についての検討を進めております。本が私の手元にあるのは、大体向こうで検討したものをそのつど送ってもらいますので、かなり大部なものがございますが、その中をずっとひっくり返してみると、みんな通産省が関係しているんですね。運輸省はちっとも関係していないのですね。実際ページをずっとくってみて、自動車工業会との話し合いの中で……。私は、これを見てふしぎに思ったのですが、こしらえるのは、これは通産省なんですね。しかし、通産省の段階では、自動車はまだ路上におりないのだな。結局まだ上にあるのです。路上におりてくれば運輸省の関係なんですね。運行の規定から、一切がっさい。こしらえる段階では、自動車工業会と通産省、その他のいろいろな役所との話し合いというものが必要だと私は思うのですが、これには運輸省がやはり一枚加わったほうがよろしいのではないかという気がするのですけれども、こういう点はどうですか。次官のほうではおわかりにくいと思いますが、当局のほうでは、いままで、自動車工業会との間に話し合いがなされておりますか。
  209. 原田昇左右

    ○原田説明員 ただいまの御指摘でございますが、生産行政を担当いたしておりますのは通産省でございまして、運輸省は、道路運送車両法に基づきます保安規定を定めまして、そして、その車両の安全行政を担当いたしておるわけでございます。したがいまして、保安規定で、いろいろな安全上の、保安上の基準を定めます際に、十分自動車工業会の意見も徴しますし、また、ユーザーの意見も徴しますし、さらに、関係各省の御意見も伺いまして、十分検討の上保安規定を定めることにいたしておる次第でございます。
  210. 門司亮

    ○門司委員 いま答弁がございましたが、それはどこの役所でどういう形になっておりますか。私の調べ方も少し足りないのかと思いますけれども、どこの役所が中心でそういう会議をされて、そうして万全を期せられておるかということでありますが、いまのお話しのように、こしらえるのか通産省でありますから、自動車工業会と一番近いのは通産省であることは間違いない。しかし、最近、欠陥車だとか何だとかいろいろな問題が出てくる。だから、直接の衝に当たっておる運輸省がこれらの問題にタッチして、いろいろな意見を述べて、そうして自動車というものに対する総合的な考え方をやっていく必要がやはりありはしないかということですね。そうしませんと、欠陥車ができたからといって、さあたいへんだということでこれを運輸省に持っていってもどうにもならない。通産省でどうかする。役人のほうはそれでいいかと思いますよ。少しぐらいてんやわんやになったからといってたいしたことはない。だけれども、そのことのために事故が起こって、その事故にあった国民は災難ですね。欠陥車だからしかたがないということは言っていられないのであって、その辺を考えると、日本の運輸行政というものはもう少し一元化する必要がありはしないかと私は考えるのですが、その辺は、運輸省としてはどうお考えになりますか。
  211. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 確かに、御指摘のような点が当然あろうかと存じます。わがほうといたしましては、昭和四十五年の七月に交通安全公害研究所をより機能を充実いたしまして、ここでそういう欠陥車あるいは自動車の公害問題という問題をおのおの専門に研究させております。したがって、先生指摘のように、多少おそきに失した感がありますが、私どもとしては、運輸行政を担当する責任上、ぜひ国民の負託にこたえたい。かような考え方から、この研究所を整備拡張して、問題の処理に当たっていく所存でございます。
  212. 門司亮

    ○門司委員 交通事故の問題は、単に運輸省の関係あるいは通産省の関係というだけではありませんで、これは建設省に非常に大きな関係があるわけですね。道路構造に非常に大きな関係がある。道路構造によって事故がどう起こるかということは、事故多発地点なんということがよく書いてあるわけでありますが、これなどは、明らかに道路構造によるものだと考えないわけにはまいりません。  そこで、自動車事故に対してほんとうに国民の安全を保持していこうとするには、きょうは時間もおそいからくどくは申しませんが、いまのように行政がばらばらであってはならないという感じがいたします。たとえば、世界の情勢を一応見てみましても、アメリカの行政は州の力が非常に強いものですから、一応外から見るとばらばらのような行政に見えるのでありますが、実際は、あそこには、中央に一つの大きな交通安全委員会とでもいいますか、そういうものが一つあって、ここでいろいろなものを集約して仕事をしている。これは一つの行き方でありまするし、それからフランスの場合においても、外から見た目には、ここもかなりばらばらな、アメリカとそう違わないぐらいにばらばらになっていはしないかという気がする。しかし、それとても、一つの安全基準その他についての行き方というものについては、やはりきちんとしておる。西ドイツは、御承知のように、交通省という省を持っておりまして、最初西ドイツが一九四九年ですかに、西、東と分かれたときから、あそこには独立した交通を持っておる。大体、交通行政に関しては、形の上ではいろいろと、自動車をこしらえるところ、あるいは道路をこしらえるところというような形で、おのおのの専門的なものがあって、そして、アメリカのように州の力の非常に強いところ等は、国がそういうものを一切がっさい引き受けてやるということは困難かと考えられるが、しかし、ここでも、いま申し上げましたように、一つの委員会がかなり強い力を持ってやっておることは、皆さんのほうがよく御承知だと思います。  そういうふうに考えてまいりますと、日本のような国土の狭いところ——外国の場合は国土が非常に広いのであって、交通事故も非常に少ないようであります。アメリカの交通事故と日本の交通事故と大体比べてみると、自動車の台数当たりの件数ということになりますと、アメリカの四倍か五倍ぐらいの日本の交通事故の量があると私は思います。こういう事故がどこから出てきているかということ。これはやはり考えなければならぬ。国土の狭いところにたくさんの車が走っているということは一つ言えます。都市などがよく問題になるのでありますけれども、東京の道路というのはロンドンの九分の一しか持っていない。九対一だというような道路の幅。あるいは空地の面積というようなことから考えれば、あるいは一キロ当たりに走っておる車の台数から言いますと、日本は、外国の例から比べるとかなり密度がひどいものである。したがって、外国がこうだからああだから——いまちょっと外国のことを申し上げましたけれども、広い国土を打ち、広い道路を持っておる外国ですら、この問題については、権能を一元化することにかなり努力しているということは言えると私は思います。日本の場合は、いま申し上げましたように、事故の多発地域なんということを札を立てているけれども、一体この原因はどこにあるかということをどう定義されているかということ。私は、道路の構造だということが言えると思うのです。そうでなければ、同じ場所で何回も事故があるというようなことはないはずである。見通しが悪いのか、あるいはその辺に何とか見通しをさえぎるものがあるのか、あるいは道路の曲がりの傾斜の度合いが少し狂っているのか、と言うとおこられるかもしれませんが、狂っているのか、あるいは急に道が狭くなっているのかというような、いろいろな道路構造の上から来る問題がかなりあろうかと思います。  それらの問題も踏まえて、先ほどから非常に問題になっております欠陥車等についても運輸省で一生懸命やっているが、しかし、通産省はそれをどう感じているかということ等も、これはやはり考える必要がありはしないか。できたものに対して、それを検討するということも一つの方法ですけれども、いまの交通事情というものは、もうそういう時代ではなくなっていはしないか。もう少しお互いがはっきりした態度で臨む必要がある時期が来ているのではないかということが考えられます。  そこで、最後の、最後というよりも、むしろ最終的のことを先に言えば、いまさっき申し上げました一元的の交通行政のでき得る交通省というようなものが考えられないかということ。一年に百万の人間を傷つけ、殺しておる国というのはそうないのですよ。だから、ここにはこの行政だけを受け持つものが一名があってもちっとも差しつかえないものと私は思う。総理をはじめ、人間尊重なんてうけれども、このくらい人間を粗末にしている国は実際には少ないのじゃないですか。国というものが一番大事だとするならば、いま、交通戦争と言われるこの時期に、こしらえるのは通産省でこしらえなさい、こっちのほうでも研究して、悪ければ、というようなことを言っていたんではだめです。また、警察のほうじゃ、とにかく取り締まりさえ厳重にすれば何とか減るだろうというような考え方でやっている。建設省建設省で、自分の考えた頭の中で道路をこしらえている。こう言うと、皆さんは、いや、そういうことはないのだ、ある程度研究をしている、話し合っているという答弁を必ずされると私は思いますけれども、そういう問題を一元化していくことのための省のようなものが、いまこそ日本では必要ではないか。よその国では西ドイツにある。フランスにははっきりしたそういう省はございませんし、それからイタリアにもいまのところ見当たらないようでありますが、しかし、いずれにいたしましても、日本は、特殊の交通事故というものにかんがみて、特殊の行政組織が必要だ。こういう時期だと私は考えております。だから、そういう点について、きょう運輸の次官にお願いをし、また国家公安委員長にお願いをしてもどうかと思いますが、あなた方の御意見だけでもよろしゅうございますから、ひとつ率直に聞かしておいていただきたいと思います。
  213. 中村寅太

    中村国務大臣 私も、自動車事故によって、門司委員が御指摘なさるように、年間一万七、八千人の死者、あるいは百万近い負傷者が出るというこの姿は、どう考えてみても文明の姿ではない。御指摘のとおりだと思います。いま、国内で、いろいろの政治上やらなければならぬ課題がたくさんありますが、やはり、一番重大な問題は、この交通事故をなくするということであると思う。今日、国民ことごとくの人が、子供を持っておる人は、子供が外に出て家に帰ってくるまで、不安というよりも、恐怖感のような気持ちでこの交通事故というものに対処しておるということは、私なくすということについて、私も政府の立場におる者といたしまして、あるいは多少不穏当な言い方かもしれませんけれども、やはり政治の取り組み方が満点であるとは言えないと思う。  そこで、いろいろ総合的に総理府を中心にやっておりますけれども、やはり、いまやっておるという程度では、そう大きな効果がてきめんにあがっていくということはなかなかむずかしい。車がふえていくにつれて、交通事故がそういう情勢でふえていくということは、これは、いまのままでいけばどうにもならぬ姿だと思いますから、御指摘のように、問題は、基本はやはり道路であって、車道と人道と仕分けることが基本である。これは金がかなりかかりますが、金がかかってもこれは解決しなければならぬ課題である。あるいは、いま御指摘の車の問題等も、通産省が車をやっておる。でき上がった車は、今度は運輸省のほうの所管に移っていくというようなことでは、御指摘のように、一貫性が欠けておるということはやはり言えると私は思います。そういう点を考えまして、この間やはりこの委員会でも問題になりましたが、十一トン車に三十トンも積んで走っておるダンプがあるということを聞きまして、私、びっくりしたのですが、とにかく、交通行政というものは道路行政と一本に考えて、今日の段階では、御指摘のように、交通事故による国民の被害は非常に重大な課題であると思いますので、万全の対策を思い切って立てなければいかぬ。御指摘のとおりだと思います。
  214. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 先生指摘の点は、陸上輸送面だけでも、運輸省、建設省警察庁とまたがっているではないか、したがって、総合的な交通体系ができていないために支障を来たしている、さらに、製造は通産省と、なお一元化されていない、もっと抜本的な対策を立てたらどうか、こういう御指摘だろうと存じます。政務次官という立場を離れて、政治家として考えたとき、私もてるのではなく、やはり、国家国民にとって、現在の陸上並びに海上輸送を含めての輸送体系というのは、もう時代の要請でございます。したがって、国民にビジョンを示して、希望を与えて、それを現実のものとして具体化するのが政治本来の姿だろうと私は思います。  そういう点から判断すると、おそまきながら、いまやっと総合交通体系を考えて、一刻も早くその要請にこたえるよう具体化をはかるという現実に立って考えた場合、かような考え方をもっと早く実現して、現在のような交通体系をより現実のものとして具体化することに全力を注ぐのが運輸行政を担当する私ども責任じゃなかろうかと考えています。そういう方向で一生懸命努力する考えでございます。
  215. 門司亮

    ○門司委員 これは公安委員長ことばを返すようで悪いのですけれども、いまの交通事故状態を見てみますと、歩道と車道と分けたからといったところで、これはなくなるものではないのであります。事故の推移というのは、もう人対車を離れて、いまは車対車という時期に来ております。私は、これは、統計から見てもそうなっていると思います。だから、問題は、なるほど車道と人道と分かれていればいいようになっていますが、これの時代がもう過ぎまして、いまの時代では、車と車との接触という事故のほうが率が多いのであります。この事態は、かつてアメリカで自動車が凶器か棺おけかという議論をしたことがあるというように私どもは聞いておりますが、いまや凶器ではなくなった、棺おけだという見方のほうがよろしいのじゃないかというところまで外国でもなってきておる。人間と車との接触は、従来の日本の交通慣習その他から言いますと、いろいろな原因はあったかと思いますけれども、いまの段階では、人対車というよりも、むしろ車対車という形の事故のほうが多くて、これが 事故があれば必ず大きいということ。たくさんの人が一ぺんに死ぬというのは大体車と車の衝突である。たとえば飛騨の高山で、子供の行列に車が飛び込んで、十一人歩いていたうちの九人を殺傷したという事件が二、三年前にありました。それから、横浜でもこういう事故が一つございましたけれども、しかし、こういう事故はだんだん減ってきている。そして、逆にふえているのは車と車の衝突であって、先ほど小濱君の質問の中にもあったかと思いますが、いわゆる追突事件というようなものが非常にふえてきておる。だから、交通事故に対するものの考え方、見方というものは、やはり従来の観念と変わった形の中で見ていかなければならない。そういたしますと、結局、さっき申し上げましたように、総合的の問題がどうしても必要になってくる。  これは運輸省に悪いことを聞くようですけれども、この機会に聞いておきたいと思いますことは、全国の私鉄、国鉄で無人の踏切はなくするという方向で国会でもきめられておりますし、議論をされておるのでありますが、いまだに無人の踏切が幾らあるかということがわかりますか。そして、警察庁では、無人踏切でどのくらいの事故があったかということが大体統計がありますか。なければ、別にいまでなくたって、あとでいいです。
  216. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 いまあいにく手元に持っておりませんが、さっそく資料を、当委員会なり、あるいは先生のほうにお届けいたします。
  217. 片岡誠

    ○片岡政府委員 昨年の交通事故の中で、踏切事故が千百二十四件ございます。ただ、この事故が、必ずしも無人踏切でなくて、警報機が鳴っている場合、それから、遮断機がおりようとしているのに入るという場合も含めてでございますが、踏切における事故が千百二十四件ございます。
  218. 門司亮

    ○門司委員 千百二十四件ですか。そうすると、これの内容はもう少し詳しくわかりませんか。人がどのくらい傷ついて、どのくらいになっているかというようなことが、おわかりにならなければ、無理に聞かなくてもいいんですけれども、最近の事故の一つの問題として、運輸省関係道路行政との間で無人踏切がかなりあるということ。そして、ここで起こった事故は、さっき申し上げましたように、いずれもかなり大きいということ。小さな事故ではないということです。こういう事故がだんだん大型化してきているという傾向が非常に強いのでありまして——わからなければいいですよ。これを聞いたからといって、別にそれで事故が減るわけじゃないだろうと思いますから……。
  219. 大野市郎

    大野委員長 それでは、後刻またそれらの資料を提出してください。
  220. 門司亮

    ○門司委員 これもこまかいことですが、例の車両運送等の許可の基準というようなものが何かございますか。総合的にこういうものも考えられておりますか。私は、この考え方はばく然としておわかりにくいと思いますが、実際は車が無制限にふえていくという行き方について、何かどこかでブレーキをかけるというような勘案がされているかどうかということです。たとえば一つの地区を考えますと、これはタクシーの許可認可等についてはかなり配慮されているようでありますが、一つの地区でどれだけの需要があるかということ、それにはどれだけの車があればいいかというようなことが当然考えられておると思います。ところが、問題になるのは、それと同じように、貨物の運送の計画ですね。ことに、例のダンプカーその他の許可認可というようなもの、これもある程度事業量とあわせてやらないと、結局無理ができるということは当然でありますが、こういう総合的の問題をどこかでチェックするところがございますか。すべての車両について、この地区では大体この車はこのくらいあればよろしいんだ、この地域にはこういうものが必要だということが、乗用車のタクシーだとか個人の免許を出すときには、大体そういうことが考えられて一つのポイントになっておるようですが、その他の車両についてはどうですか。
  221. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 御指摘のように、タクシー、乗用、トラック、バスその他の面で需要と供給のバランスを考え、かつまた、安全性を確認した上で許可いたしております。詳しい基準は事務当局より答弁させます。
  222. 小林正興

    ○小林説明員 ただいま政務次官から答弁がございましたが、それぞれの事業につきまして、事業免許制度を現在とっております。その免許にあたりまして、たとえば車庫基準、あるいは車庫の前面道路の幅員、そのほか事業管理上の基準というようなものを、タクシーあるいはトラック、それぞれ別々に設けまして、その基準に合致したもののみを免許しておるわけでございます。  ただ、先生指摘のように、全般的に、自動車は、自家用の自動車、特に貨物関係では自家用の自動車が多うございますので、そういったものについては、ただいま申し上げました基準とは別の問題でございまして、これは、運輸省としましては、車両の保安基準に合致したものについてはその車が使用できるということになっております。
  223. 門司亮

    ○門司委員 これはいまどうなっているか。私、最近の調査をしておりませんが、一時期、ダンプカーがむやみやたらにあばれた時期がございます。その時期に、ちょっと見てみましたときに、現実の問題として出てきたのは、たとえば、私の住んでいる神奈川県に北海道ナンバーの車が来ておる。これらの諸君は地理はあまり知っておらない。それは、こっちに足らないから北海道から持ってくるのかもしれませんが、いろいろな問題で調べてみて、いや、それは北海道ナンバーの車であって、ただこっちに雇われたから来ているのだということになると、免許の基準のときと多少違いはしないかということが考えられる。ところが、また一方、ひるがえって考えると、そんなことを言ったって、北海道では雪が降って、冬の間は仕事ができないから、出かせぎくらい少しはよくはないかという議論がないではない。こういうことも現実の問題としては考えられる。その辺の調整といいますか、そういうところをこの際やはりもう少し考える必要があるのではないか。無制限に車がふえるという行き方等については、やはり多少の考え方があるのじゃないかと考えられる。  それはそれとして、はしょってお伺いをいたしますが、もう一つの問題は、先ほどちょっと話したことがありましたが、海の輸送と、陸の輸送と、空の輸送との、いわゆる三つの輸送の関係。私がさっき言いました交通省を設けてもらいたいということは、そういう三つのものが総合して考えられる時期だ、決して陸運だけを考えておるわけにはいかない、もうその時期に来ておるのだということです。私はそう思うのですね。たとえば海上だけを見てみますと、いますでにフェリーが非常に発展をしているというか、発達をしていくといいますか、おそらく、ことし一ぱいぐらいすると、北海道から四国から、沖繩までは行かぬかもしれませんが、大体全国に通ずるかなりのものができようかと思います。というのは、名古屋の港を見に行ったのでありますけれども、名古屋の港を見て、あそこから出るフェリーの計画等を見ると、非常に大きなものがある。  それから、その次に出てくるのがコンテナの問題。コンテナはいままで大体二十トン、四十トンというようなことになっておりますが、これも運輸省の関係では別に大きな問題にならぬかと思いますけれども道路構造との関係から見ると、四十トンという貨物を引っぱって走っているが、一体道路が耐え得るかという心配が出てくるのです。また、日本の橋梁というのは一体どれくらいあるのか。もっとも、こういう問題についても、運行の地域をきめて、そういう危険のないところを走らせるんだと言うなら、これなら一時は間に合うかと思う。しかし、いまは高さが大体三メートル八十くらいだと思いますので、結局、四メートルあれば、いまのオーバーブリッジの下はそうたいして差しつかえなく走れる。しかし、現在でも、国道について、いまのコンテナの通れないガードというものが一体どのくらいあるかということです。私はかなりあると思う。こういう問題が出てきますと、やはり、運輸行政というものが、いまのようなばらばらであってはどうしてもいけないような気がする。鉄道のほうも、ガードの低いところは上げる必要があるでしょうし、それから道路にしても、ガードの低いようなところは上に上げる。何といっても、世界の運輸関係というのはそういう方向に進んでおりますから、日本だけがコンテナで困るというわけにはいきはしませんし、結局そういうものが出てくる。したがって、四十トンの大きなトレーラーを走らせる道路というものは、一体どういう道路でなければならないかということ。高さ等についても、通れないガードはかなり私はあると思うのです。これは、私もずっと前に一応調べたことがございますけれども、その数字をいま忘れてしまっていますけれども、大体おわかりになりますか。運輸省のほうで、こういう大きなトレーラーがガードが低くて下をくぐれないという、三メートル八十以下のガードは、主たる国道だけでどのくらいあるかおわかりですか。
  224. 原田昇左右

    ○原田説明員 ただいま御指摘にございましたコンテナでございますが、コンテナは、御承知のように、八フィート×八フィート×二〇フィート、八フィート×八フィート×四〇フィートコンテナというのが国際規格のおもなものでございます。  そこで、その高さでございますが、八フィート×八フィートでございますと、高さは八フィートでございます。車両の面から申しますと、車両を含めまして三・八メートルあれば大体よろしいということになるわけでございます。現在の法令によりますと、道路関係からは、道路構造の保全を主目的とした道路法によります車両制限令がございます。それから道路運送車両法の面から保安基準があるわけでございますが、いずれも本年四月一日から、高さの制限については、従来三・五メートルでありましたのを三・八メートルに規制緩和をいたしております。  それからなお、長さ、重量等については、八フィート×八フィート×四〇フィートのコンテナにつきましては特認が要るということになります。特認につきましては、これも四月から手続を緩和いたしまして、二以上の道路にかかわります車両通行の許可手続は、一つの道路管理者に対して行なうだけでよろしい、その場合、道路管理者に五百円をこえない手数料を支払ったらいい、というように緩和いたしております。それから、路線をあらかじめきめまして運行いたします自動車運送事業用の車両につきましては、一年の期間を包括して一件の許可で足りるというように手続を改正しておる次第でございます。
  225. 門司亮

    ○門司委員 私はそういう手続を聞いているのではないのであって、いま聞きましたのは、コンテナが通れないいわゆる主要国道といっている国道に、ガードが幾つあるかということであって、これは将来非常に大きな問題なんです。コンテナがだんだん発達してきまして車で走るようになりますと、どこでも走れないんですから、高さがいま三メートル八十と言いますけれども、これは三メートル八十になっていることは私も知っているし、さっきも申し上げたのであります。ところが、この三メートル八十ではガードが低くて通れないのがあるんです。そういうものは、道路構造として、もし運輸計画を立てる場合には改良しなければ、日本の本土に揚げてきて運びにくい、述べないということになると、コンテナの性能があまりいい結果にならぬということですね。最近のコンテナの形というのは、従来のコンテナと違いまして、現場に行ってみますと、いろいろな雑貨が一つのものに積み合わせになっておりますね。いままでは大体一つのものに一つのものが入っておったわけでありますけれども、決してそうじゃない。そういうふうになってきますと、コンテナというものの将来の使用量は、私はかなりふえてくると思う。そういう点から考えますと、いまのような許可手続を私は聞いているわけじゃございませんで、これは建設省にも関係がございますけれども、四十トンの重量を持ったものが走り得る、たえ得る橋梁あるいは道路の強靱性というようなものは一体どの程度のものかということは、非常に大きな問題なんですね。最近の道路行政におきまして、いわゆる規定はいたしておりますけれども、この関係はよほどよく緻密に調べてもらいませんと、耐えられないということになると、道路をこわすということが非常に大きな問題になるんですね。将来、このコンテナはふえると思う。ふえてくればふえてくるほどそういう問題が出てくる。たとえば、古い話をするようでありますが、戦時中でも道路は大体十二トンくらいで、橋梁は八トンくらいのものかあるいは六トンだったと思いますが、そのくらいしか運べないような規格に大体国道はなっておったと思うのです。ところが、最近は四十トンも通ることになっておりますので、そういう規格との関係が非常に出てくる。これは総合輸送の中ではやはり一つの大きな問題だと思う。  それと同町に、この場合に私が申し上げたいのは、ばかばかしく長い。四十トンというのはかなり長いですね。どのくらいあるかわかりません。ばかばかしく長いものが、トレーラーではなくて、あれが道路を走って、交通をどれだけじゃまするかということです。同じ道路を走っているんですからね。だから、これを見てきまして、これはえらいことだぞ、こんなものがそこらをうろうろ歩かれたら、一般の車がどれだけ障害を受けるかわからぬぞ、それからくる間接的の原因であっても、事故があったら一体だれが責任を負うのだろう、というような気がするんですね。かりに道路構造が悪くて事故が起こった場合には国家賠償をしなければなりませんが、こういう場合にはだれが一体補償するのであろうかということを考えると、こういう問題は、いまのような、ただ事務的な答弁だけでものが足りるわけではありませんで、運輸省が輸送の大部分を受け持っておるということであって、許可、認可権がすべてあなたのほうにあるということは、道路行政との間にやはり何らかの話し合いがないわけにはいかないと私は思う。  もう大体予定の時間が来ておりますので、これ以上申し上げませんが、最後に、小さいことですけれども、もう一つ聞いておきたいことは、路上の駐車が非常に多いということが非常に問題になっておる。この場合に、これは警察関係でしょうが、——あるいは、これも運輸省の関係かな。車庫関係だから。その場合に、免許を取るときの車庫はかなりやかましいことを言うのですね。しかし、その車が行った先の車庫は考えていないでしょう。路上駐車というのは、願いを出した人のおたくにある駐車場じゃないのです。免許をもらうときには、そこはやかましいことを言う。道の幅が狭いとか、広いとか、上の高さが高いとか、低いということは非常にやかましいことを言うのだけれども、その車が行った先に、はたしてその車を置く駐車場があるかないかということはあまり検討されていない。結局、車の免許を取るときには自分のところに書庫があればよろしいということになって、あとは路上駐車のほうはおかまいなしになっている。だから、路上の駐車は幾らでもふえるんです。これを何とか考える余地がありはしないかと私は思うのです。それはいろいろ議論されていますよ。たとえばビルを建てる場合には、そのビルに必要な出入りする車が大体わかるから、それだけの車庫のスペースを持たなければならないとか、いろいろの問題はある。しかし、実際の問題としてはそういうことが考えられるのですが、こういう点は運輸省はどう考えますか。
  226. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 具体的に各省にまたがる総合交通の一貫性がない点の御指摘の問題ばかりだと思います。したがいまして、先ほど来のコンテナ輸送の需要は今後伸びていくのだ、それに対して道路構造がそういう大型化に、しかも、コンテナ輸送の需要がより多いのにこたえる道路構造にはたしてなっているかどうか、こういう点も当然御指摘の問題の一つだろうと思います。こういう点を踏まえて、先ほど来お答えしているように、総合交通関係各省と連絡を密にして、英知を結集して、単なる出たとこ勝負じゃなく、政策の光取りという面でおそまきながら努力して、こういうものの緩和、並びに時代の要請にこたえていきたい。かような考えで臨んでいるわけでございます。
  227. 門司亮

    ○門司委員 いまのせっかくの次官のお答えですけれども自動車局の係の人が見えているのでしょう。あなたのほうの関係なんだが、車の免許のときに、さっき言いましたように、自分の自宅にある車庫証明というものは必要だ。だけれども、その車が行った先のことはちっとも関連していないのだな。だから、路上駐車がたくさんあると私は思う。あの路上の駐車をなくしようとすれば、とにかく自分はどこまで行くのだが、その行く先には必ず車庫があるかどうか、あるいは、道路のじゃまにならぬところに置けるような場所が十分あるかないか——そういうようなことは検討していませんか。
  228. 片岡誠

    ○片岡政府委員 駐車場の問題は、建設省の都市局の所管行政でございます。ただ、私ども十分連絡をとってやっておりますが、駐車場整備地区都市計画区域決定の中でつくっていくというのは、そういう都市計画行政の一環としてとらえておるようでございます。ただ、だいぶできておりますけれども、まだ足りないというのが実態だと思います。それで、私どもとしましても、先生のおっしゃるところの、行く先の業務交通上の駐車需要のあるところで、路外の駐車場がまだ十分整備されていないというところにつきましては、どうしても路外駐車場の整備をやっていただくように、市の当局のほうにも要請もしておりますし、そういう場合もございます。  それから、そうは言っても、これはなかなか簡単にまいりませんので、道路上に支障のないところは、業務用駐車のための駐車時間の制限という、四十分はよろしい、三十分はよろしいという駐車規制をいたしまして、パーキングメーターを使って駐車需要に応ずる、そして、ローテーションを多くして、多くの人が公平に使う、しかし、その場所以外は駐車禁止をきびしくしていくというようなやり方を、現在、東京、大阪、その他大都市を中心に進めてまいっております。
  229. 門司亮

    ○門司委員 私が聞いているのはそんなことではなくて、それはよくわかっているのですよ。駐車してはならないところに駐車してはいけないことはわかっているし、それから、パーキングメーターがどうのこうのと言いますけれども、こんなものは一体どこにどのくらいあるか。そこらへ出てごらんなさい。パーキングメーターのないところにとまっている車がうんと多いのであって、そういうことを議論しているのではない。だから、私が聞いているのは、たとえば、私なら私がAという会社へ行く場合、そのAという会社に私の車を置く駐車場があるかないかということ、交通のじゃまにならないところがあるかないかということ、そういうことがどの程度確かめられておるかということです。そういうことを確かめないで、ただ自分の家だけに車庫があればそれでよろしい、行った先でどこへとめようとおれのほうは世話をやかないのだ、あとは取り締まりで、変なところにとめていれば罰金を取ればいいじゃないかというようなことでは、いまの自動車行政は成り立たぬということですね。だから、かりに片側だけ通行するような標識を立ててごらんなさい。両方にずっと車が並んで、いい駐車場になってしまう。一方交通になっているから、まん中だけ車が通ればいいということで、両方ずっと駐車場になっているでしょう。これは一面自動車行政だけでは済まぬですよ。考えておいていただきたいのは、非常時、災害のときにあの車をどうするかということです。それを考えると、私は身の毛のよだつ思いがする。地震でもあったらどうなるだろうか。車を動かさなければどうにもなりはしません。車を持っている人がどこに行ったのかわかりはしません。これは単に交通行政の上だけから論議する問題じゃないと思うのです。こんなことをしていて、火事でもあった日には、消防車も寄りつけないし、人間がどこへどう避難するといったってたいへんなことになりはしないかという気がするのです。  だから、単に自動車だけの問題を考えて、取り締まりだけの問題を考えておるという筋合いだけではないのであって、さっきから申し上げておりますように、今日の自動車に対する行政というものは、ほんとうにそういう総合的な計画を立てていって、できれば市町村が大きな駐車場を方々に設けて、そうしてそこに駐車をさせるという駐車場の設置が必要でしょうけれども、これもなかなか急にいくわけではございません。それで、いま申し上げましたような、行く先に駐車場があるかないかということを許可の場合には確かめて許可をするというようなことにすれば、本人のほうもそういう気持ちはあるのですから、たとえうそを言って許可証をもらっても——いや、言った先に駐車場がございますということで、おそらく許可を得ていると思うのですが、そういう何かの歯どめがないと、いまのように、ただ認可を申請したときにだけ、何度も言うように、その家だけの庭先に車庫があればそれでよろしいのだ、行った先はどうでもかまわないのだ、自動車だから、走っているからかまわないということではいまの自動車行政は済まないんじゃないか。これは新聞にときどき書いてあるけれども自動車をとめるところがないから、朝六時にうちを出てくるとか、五時にうちを出ていって、つとめ先の手前で一応間ぐらい車の中で寝ているなんという笑い話が現実にあるんですよ。そういう問題が交通行政の一環としてはなくなるようなことをしておきませんと、いま言いましたように、自動車というのは、単に自動車だけの衝突、自動車による被害ということだけではもう済まされない時期が来ている。  地震対策を非常にやかましいことを言っておりますけれども、私は大正十二年の地震の経験があるのですが、いまこれがあったらどうなるだろうか。これの持ち主をみんなさがして車を動かすわけにはいかぬのだから、一体これはどうするだろうか。こういう感じがしてならないのです。だから、いま言いましたようなことを話しておるのですけれども、それに対して運輸省はどう考えているかわかりませんが、許可するのは運輸省の関係ですからね。
  230. 小林正興

    ○小林説明員 運輸省の車両の許可と申しますのは、運送事業を営もうとする者に対して免許許可等を行なうわけであります。その際に、車庫を確認することは、先生指摘のとおりでございます。ただ、ただいま御指摘の、一般に車両を保有する場合に、これは特別の許可は必要ないわけでございまして、行った先においての駐車場があるかどうかというようなことについては、御指摘のとおり、個々に確認しているわけではございません。  ただ、運輸省として現在やり得る点といたしましては、路線バスあるいは路線トラックのように、運行の経路がはっきりしている場合には、これを確認して、路上駐車あるいは交通の障害にならないような停留所を設けるというようなこととか、あるいは折り返し地点を確保するとかいうようなことについては、できる限りの配慮はいたしております。基本的に車両を保有することについての制限といいますか、そういったことについての問題は、これは、非常にむずかしい問題でございますが、そういった点については、関係方面でいろいろ検討はされておるように聞いております。
  231. 門司亮

    ○門司委員 もうちょうど五時ですからこれ以上聞きませんが、答弁を聞いていますと、私どもが聞いておることからはずれて、事務的な答弁だけしかどうも聞けないのです。事務的な答弁は大体承知いたしております。どういうことになっておるかということぐらいはわかっています。私どもが聞いておりますのは、そういうことではやはり今日の交通事故はなくならないということです。それから同時に、単に交通事故と言っておりますけれども、いま申しますように、非常時、災害のときに、それだけ車が両側に並んでとまっておったのではどうにもならないのです。だから、そういう問題は、やはり一つの課題として取り上げてもらわないと、私のほうの受け持ちはこれだけだから、これだけしか知らないということになったら、一体だれが責任を持っておるのかということです。総理大臣にでも来てもらわなければ話がつかないということですが、総理大臣に聞いたって、わしは何もわからぬと言うだろうと思いますね。私は、日本の車の事故はアメリカの約五倍の事故だと考えておりますが、これだけの事故比率を持っている日本で、一年に一万人以上の人間が死んで、百万人のけが人ができるというのは、実際は普通の戦争どころの騒ぎじゃないでしょう。交通戦争と言いますけれども、この戦争をしている時期に、役所の行き方がばらばらで一体よろしいかどうかということについては、私は非常に大きな憤りを実は持っているのです。さっきも言いましたように、人間の命を大事にするとかなんとか、理屈だけは言っておりますけれども、字に書くことは簡単だし、ことばに出すことはたやすいことです。しかし、ほんとうに人間の命が大事だというなら、いまこそ日本は交通行政に全力投球してもちっとも差しつかえないと私は思う。ここにどれだけの予算を使ったからといって、悪いと言う人は一人もいないと私は思っております。こういう時期に、いまのようなばらばらのことではどうにもならぬと私は思うのです。  それと同時に、運輸行政の一元化ということをさっき聞きましたけれども、空は空で、あるいは陸は陸で、海は海で、この中で調整がつけば、ある程度の輸送の系統はできると私は思うのです。こういう問題はこういう形で、これで運ぼうじゃないか、こういう問題はこういうふうにして、こうやろうじゃないかということができれば、いまのように、北海道から、あるいは青森から鹿児島まで、ばかばかしい大きな車を運転していっているみたいなことはなくなるだろうと思うのです。同時に、そういう車というのは、いずれも土地勘はほとんどないと言っていいくらいなんですね。名古屋から来て、どこか、箱根の山の向こうあたりで運転手を取りかえるというような制度が多少ないわけじゃありません。そういうことをやっている会社もあります。九州から来れば、山口で熊本の運転手は一ぺん帰って、それから道を知った人がこちらに来るという、運行される技術の上では多少そういうことがされていることは私ども承知をいたしておりますけれども、それにしても、海、陸、空の運輸計画というものが全く立っておらないと言っていいくらいであって、いま外国の例をちょっとあげましたけれども、一応そういう形になっておる。  そこで、これは運輸省に聞くことがいいのか、あるいは中村さんに聞くことがいいのかわかりませんけれども、現在の段階でも、少なくとも、国家公安委員会がこういう問題を把握するというのでなくして、総合的に世話役をするというために、総理府の中に、こういう運輸行政をつかさどる特別の権力を持った委員会というようなものが何か必要じゃないかと私は思います。省をいまこしらえるということになると、各省のなわ張りがあって、これはまたなかなかたいへんだと思いますが、しかし、総合的の役割りをする役所というのはどこか必要じゃないかと思うのです。私は、最初は一名こしらえなさいと言ったけれども、省をこしらえるといったって、なかなかこれは各省で手放さぬでしょう。なわ張りというのはなかなかうるさくて、われわれが考えているようなわけにはいかないようですから、そこで、これを総合的に調整するところのいまの国家公安委員会のような、あるいは交通安全委員会という名前でもつけますか、そういうような一つの行政組織というものが総理府に必要だと私は思うんだけれども、そういうことをお考えになるかどうかということを一応聞いておきたいと思います。
  232. 中村寅太

    中村国務大臣 交通安全対策等のための交通、安全対策協議会というのがありますけれども、これは、いま門司議員が御指摘なさるように、根本的な解決をやれるだけのかまえではないと思いますが、大体の方向としては、御指摘になったような問題は、それぞれ今日の段階での大きな課題をついていらっしゃると思いますので、今後の検討事項として、そういう方向でひとつ検討してまいりたい。かように考えております。
  233. 門司亮

    ○門司委員 終わります。
  234. 大野市郎

    大野委員長 次回は、来たる二十日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時四分散会