○
門司委員 どうも、だいぶ
自治省は楽観しているというか、認識が少しおかしいのじゃないのか。
景気がよくなろうと、悪くなろうと、それじゃまかない切れないと私は
考えております。
地方財政というのは、ことしこういうふうに大幅にワクを広げてしまうと、さっきから言っておるように、縮められないのであります。そうして、
景気がよくなったからといって、たとえば
一つの例を申し上げましても、
地方債が去年一〇八・九%ですか、
伸びているでしょう。倍とちょっと
伸びているでしょう。これがかりに半分に縮まったところで、依然として、去年の四十六年度の
財政計画の上から見た率と同じような形になってくる。ところが、
地方財政がこれの半分には、
景気がよくなったからといって、それだけ
税収がふえようとはとても
考えられない。四千億も五千億もふえようとは
考えられない。そうすると、ことし伸ばした事業量というものは、いわゆる
財政需要というものは、来年度はますますふえてくるという形をどうして
もとらざるを得ない。本年度は初年度でありまするから、結局、
地方の自治体もある
程度仕事はするでしょうけれども、仕事をすることのために必要な
お金というのは、来年度から見ればわりあい要らないのじゃないかということが
考えられる。来年度以降になりますと、あらゆる事業の完成のためには、かなり大幅な
財政需要というものを見ないわけにはいかないのじゃないかと
考えられる。そのものの
考え方ですけれども、
自治省のいまの
局長の御
答弁だと、えらい楽観しておるようだけれども、
景気がよくなればよくなるのだというようなことで、一体
地方財政はまかなえるかということを私どもは心配しておるのであって、非常に立ちおくれておるこの社会資本を充実していこうとするのには、少なくとも、いまのような、
景気がよくなれば多少よくなるのだというようなものの
考え方では片づかない。私は、この点は、もう少し
現実の姿をひとつ知っておいてもらいたいと思う。ことに、大都市の
状態というものは想像に余るものがある。いままでわれわれの常識では
考えられなかった行政をやって、住民も納得しているし、行政をやっている市長さんなども、よくそれでいられるものだと思う。そんなことを言うと市長さんからおこられるかもしれませんけれども、その
考え方についてちょっと奇異な感じがするのですね。そこまで
地方の
財政は来ているのですね。たとえば、東京都のごみの問題
一つをとらえてみても、これはどうにもならぬでしょう。幾ら財源があっても、このごみの問題というのは、そう端的に片づく問題ではない。しかし、
お金がないから今日まで何とかごまかしてきている。ごまかすというと適当かどうかわかりませんが、処理をしてきているというのは事実である。こういう
状態を
自治省はほんとうに
現実的に把握をしておりますか。いまのような
答弁を聞いているともそこからまた聞き直さなければならぬようなことになってくるのですが、かりに東京都
一つを例にとってみても、東京都の
財政がいまの
財政規模で、東京部のごみの処理がいつできるか、あるいは、屎尿の処理が一体どういう形で、完全な文化都市としての形態を整えることができるかということ。こういうことの
調査はできておりますか。実際上の問題として、たとえば東京都のいまの下水
一つをとってみても、完全な処理をされておる下水というのはどれだけありますか。人口比率でいけば、わずかに三〇%内外ではないかと私は
考える。五〇%にはとうていいっておらないということが
考えられる。大部分は海上投棄をしなければならないという、きわめて非衛生的なことを今日やっておる。これが完全な都市の
状態、たとえばイギリスの例を言いますと、外国のことをここで話してもせんないことでありますけれども、イギリスの都市は、何といっても九五%までは完全な水洗出所になっていることは事実である。フランスにおいても、大体それとたいして違いはない。約九五%
程度になっているかもしれない。どこへ行っても日本のようなところはないのであって、日本は、御
承知のように、まだ一二・八%でしょう。これを一体何年の間に解決するかということは、年次
計画その他は別といたしまして、こういう実態の中から、
地方の
財政需要額というものを算定しなければならない。そうしてそれは迫られている仕事である。こういう問題に対して、
自治省は
自治省らしく、
地方団体の実態をもっと十分に知っておく必要がありはしないかということです。
いう、東京都の下水の問題だけを私は取り上げたわけでありますが、その次に困っておるのは、大都市としては、大阪も同じような形をとっておりますし、名古屋も、京都も、みな同じような形をとっておりますが、特に、人口の急増を言われて、おる横浜のごときは、教育の問題などは一体どうするかということです。これはどうにもならない。これを完全にやっていこうとするには、少なくとも千六百億ないし二千億くらいの金がなければ、教育の道場という学校は建たないはずである。だから、
地方の自治体はそういう問題を解決しなければならぬ責任を持っている。しかし、解決しようとしても、結局それが
財政需要額の中で見られないということになって、
現実とは違った姿が出てきておる。さっきから申し上げておりますように、
税法上は、
地方の自治体は、積み上げられたものに対するアンバランスを埋めていく。こういう形になっているが、それが固定された配付額になっているために、上からのあてがいふちと言うと少しことばが行き過ぎかもしれませんが、御都合主義になっている。この観点から
考えてまいりますと、いまの
局長の
答弁では、これはほんとうにたよりないのですね。
景気、不
景気と
地方の
財政需要というものを関連して
考えたって、どんなことをしたって、それでは解決はつかないと私は思うのですよ。だから、ここに大臣はおいでになりませんから、無理を言うわけではございませんけれども、ひとつ政務次官のほうからでもお
考えを聞かせていただきたいと思いますことは、そうした、
景気、不
景気とは
関係なく、
地方の
財政需要の
伸びのほうが、というよりも、
要求のほうが大きいのだということの私の
考え方に、もし間違いがあるとするならば、私も
考え方を変えなければなりませんが、私はそういう
考え方で大体間違いはないと
考えておりますが、この点についての御見解をこの際ひとつ聞かせておいていただきたいと思います。