○松川説明員 お尋ねの第一点の、
銀行自体が
土地を持つというケースでございますが、これはたとえば担保流れで
土地を持つというようなことがございますが、これは本日の御審議とはちょっと
関係がないと思いますので別におきますと、そのほかの場合で、私
どもが金融機関を指導いたしますのに
土地を取得していいと言っておりますのは、店舗自体の用地、職員の宿舎、職員の厚生施設、こういったものに限っております。そしてそれ以外のものにつきましては、私
どもが資産内容の純化と言っておりますが、検査のときにあればこれを処分するよう指導いたしております。したがいまして、
銀行自体が不当に
土地を持ち、または将来の
値上がりを見込んで
土地を持つということはないものと考え、またその線で指導をいたしております。
具体的に、ただいまお尋ねの、
銀行の
土地は非常に高いという御
指摘がございましたが、これは私
ども金融機関の店舗行政についてという通達を出しておりますが、その通達の中で「新設店舗の規模等」という欄におきまして、「店舗新設に伴う
土地取得については、いやしくも地価上昇を主導することのないよう充分留意させるものとし、取得価額が不当に高額であると認められる場合には、たとえ内示後であってもその店舗の設置を許可しないものとする。」こういう通達を出しておりまして、店舗が新しくできますとき、周辺の地価を不当に上げることがないよう極力配意いたしてきておるところでございます。
次に、
不動産業に対する融資についての御質問でございますが、ただいま
銀行局が指導をしておるやに聞いておる云々とおっしゃいましたのは、私
ども現在金融機関から一連の聞き取り
調査をやっております。この聞き取り
調査の
趣旨は、金融が非常に緩和してきておる、そのときに各金融機関の融資態度がどうあるべきか、またどういうふうに指導していくべきかということを頭に置きまして、たとえば貸し出し金利の引き下げの
状況であるとか、ただいま問題になっております
土地の
関係であるとか、株の
関係であるとか、こういうものを総合的に聞き取り
調査をいたしております。そこで、総合的にいたしましたあとで所感を申し上げるのが筋かと思いますが、ただいまその
中間的な感じで申し上げましても、
土地の取得というのは非常に種々な形態がある、個々のケースによってその評価自体も違ってこようかと思います。そこで
土地についてはあるいはもう一度この総合的な聞き取りをやったあとに、もう少し具体的にまた焦点をしぼった聞き取りをやろうかということを内々考えておる
段階でございます。
そこで、ただいままでに判明いたしましたところで御参考になるかと思われる一、二のことを申し上げますと、たとえばいわゆる都銀と申します上位の
銀行でございますが、その中でさらに上位の例をただいままでに集めましたところでは、本年の二月末の残高と前年の二月末の残高を比べますと、約二三%貸し出しがふえておりますが、
不動産及び建設業に対するものはその間五三%の伸びを示しております。これはまだ
中間の計数でございますので、将来全部まとめましたときには、違った数字が出てくるかもしれませんが、大きな線としてはやはり
不動産業に対する融資が相当貸し進んでおるということは事実であろうかと思います。ただ貸されました金が全部
土地の取得の代金に回るわけではございませんが、これも感じでございますが、大体五分の一程度が直接の
土地の購入費に充てられておるのではなかろうか、このような印象をただいま持っております。
そこで第一次の聞き取りが終わり、またさらに第二次の聞き取りが終わった
段階で、私
どもが一体何ができるだろうかということを現在頭に置きながら聞いておるのでありますが、私
どもとしてこれはやれるということは実のところまだはっきりしためどは持っておりません。ただ聞き取りの途中で非常に悪質なものが出てくれば、悪質というのは御
指摘のように地価の
値上がりを待っておるようなものに対して巨額の融資をするというようなことがあれば、これは何らかの形で是正を求めるつもりでおりますが、ただいままでのところ、はっきりこれはそうだと断定できるケースはございません。もう
一つ言えることは、私
どもがそうやって金融機関の総合的な聞き取りから、さらに
土地についてはもう一度やろうかということを考えておりますので、その聞き取り
調査をやっておること自身が間接的に金融機関の
土地に対する融資態度が非常に公共性を帯びたものになってくれることを私
どもは心から願っておる次第でございます。