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田中国務大臣 工業再配置等を、産炭地振興がうまくいくために、それで全部やるというんじゃありませんから。いままでは全然産炭地域の振興がうまくいかなかった。かねや太鼓でもってやっておったけれども、さっぱりうまくいかなかった。それにはそれなりの理由があったのです。産炭地という特殊なところに工場を誘致するというのは、地方公共団体が誘致をするぐらいではとてもメリットがなかったのです、実質的には。今度は、三菱とか住友とかという、
日本を代表
——もしておりませんが、何か代表する、
日本の中の相当大きな力を持っておるような感じのするものが、
石炭鉱山を
閉山してしまうというんだから
——一カ月に一億ずつ損をするというけれども、二年では二十五億じゃありませんか、二十五億かけて、同じ系統の中から、産炭地の一万人や五千人を収容できる工場を持ってこれないはずはないということで、それはやむを得ませんから
——やむを得ないじゃなくて、当然の話なんだ、それは。そういうことに対して
大臣がそういう呼びかけをしてくださればという、今度は前向きになった。しかし、政府も誘導
政策をやってもらって、何か産炭地だけ特別めんどうを見てもらっているような感じで、世間から非難を受けるようでは困る、政府がちゃんと産炭地に制度上のごめんどうを見ていただけるというなら、われわれも犠牲に応じましょうと、みんなそうしなければ、産炭地の画期的な工業化などはできない、そういうためには時をちょうど得ておりますということを申し上げたわけでございます。それで、実際に、ことしは二千七百五十万
トンが、四十八年度二百五十万
トン、四十九年度二百五十万
トン、五十年度二百五十万
トンといえば、五十年一ぱいには二千万
トンになります。こんなことはそんなにうまくいくわけがないのです。一年間に五百万
トンもばさっとなくなると同時に、なかなか三年間たってもつぶれない場合もある。その場合に、何も強制的につぶすというんじゃありませんから。しかし、私は、業界も知っておるし、また労働者の諸君の意見も聞いておるのですが、わしの山はやはり境ですなという感じのもあるんです。二千万
トンの中に入るか入らぬかですなと。これは一年か二年待ってみたところで、私はとにかく四十九だ、これが五十二、三になってからつぶれるなら困るんですという、非常に深刻な
状態があるのです。とにかく、つとめている中高年齢層は非常に深刻なんです。ですから、そういう
事態も、科学的に技術的に、全部山のデータを持っておりますから、やはり二千万
トンというものに対して
かんぬきを入れるには、やはりそれなりの
数字を出して、そして、時期的に三年も五年も待っていて、もうこれじゃやむを得ない、手を尽くしてみたがだめ、だったんだと、そんなことをしないで、いまだったら、私は今度の
答申がもらえれば、それによって各山別に検討をして、そして具体的にここはどうする、また労働者に対しては再教育をどうするとか、いろいろな問題が合理的にできる、また、そうしなければならない。そういう
意味で、いままでは、なるべく、つぶすのは、どうにもならなくなってからつぶれるのを例としておったということでありましたが、やはり二千万
トンというところに
かんぬきを入れるにしても相当な困難性があるんだということであるのですから、これは二千万
トンに合わせて実情調査をする。それでどうしても二千百万
トンだということなら、その百万
トン分は九
電力に持ってもらってもいいし、
石炭専焼火力を電発がつくるとするなら、電発に百万
トンよけいたかせることだってできないことではないと思うのです。それは全国を縦貫する送電線の中で整備をするとすれば、
石炭の三百万
トンや五百万
トンたくものが
日本の
電力料金の中でもってカバーできないはずはありません。いままで、そういう思想がないから問題にされておっただけなんです。私は、もう前からそういうことを、私も神田さんもあの電源
開発促進法の議員立法の提案者なんですから、ちゃんと知っておるんです、二十年たっても。ですから、電源
開発株式会社をやめようという
答申をもらいましたが、これは廃止しちゃいけません。今日あることを予測しておったわけであります。そういうことで、電発に
石炭専焼火力、本州縦貫送電線等を敢然とやらせればいい。金は六千億円もかければできるんだ、こういうことで、もっと広域の運営になりますれば九
電力の中でできるという、長い間の懸案だったものをやっと今日片づけるとすれば、二百万
トンや三百万
トンの
石炭を確保できないというはずはないということであります。そういうことも十分、二十五年分みんな洗いざらい出して一これは
石炭国管法でもって議論して、
日本の
石炭をいかにすべきかということをやってからちょうど二十五年です。だから、ちょうどここらで本格的な結論というものを出すべきだろうと、だから私は、そういう
意味で
事務当局を督励しながら取り組んでおるわけであります。