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1972-03-28 第68回国会 衆議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年三月二十八日(火曜日)     午後一時三十一分開議  出席委員    委員長 鴨田 宗一君   理事 浦野 幸男君 理事 小宮山重四郎君    理事 進藤 一馬君 理事 橋口  隆君    理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君    理事 近江巳記夫君 理事 吉田 泰造君       稲村 利幸君    内田 常雄君       小川 平二君    神田  博君       左藤  恵君    坂本三十次君       始関 伊平君    塩崎  潤君       田中 榮一君    羽田野忠文君       前田 正男君    増岡 博之君       松永  光君    山田 久就君       石川 次夫君    岡田 利春君       加藤 清二君    松平 忠久君       岡本 富夫君    松尾 信人君       伊藤卯四郎君    川端 文夫君       米原  昶君  出席国務大臣         通商産業大臣  田中 角榮君  出席政府委員         科学技術庁研究         調整局長    千葉  博君         環境庁自然保護         局長      首尾木 一君         食糧庁次長   中村健次郎君         通商産業政務次         官      稻村左近四郎君         通商産業省企業         局長      本田 早苗君         通商産業省企業         局参事官    田中 芳秋君  委員外出席者         警察庁長官官房         審議官     勝田 俊男君         外務省経済局外         務参事官    手島れい志君         大蔵省理財局国         有財産総括課長 窪田  譲君         厚生省環境衛生         局環境整備課長 山中  和君         厚生省医務局総         務課長     木暮 保成君         通商産業省鉱山         石炭局海洋開発         室長      花岡 宗助君         運輸大臣官房参         事官      高橋 寿夫君         運輸大臣官房観         光部計画課長  角田 達郎君         運輸省港湾局技         術参事官    竹内 良夫君         建設省計画局地         域計画課長   三浦 孝雄君         建設省道路局企         画課長     井上  孝君         建設省道路局地         方道課長    高木 澄清君         自治省財政局財         政課長     近藤 隆之君         消防庁調査官  矢筈野義郎君         参  考  人         (海洋科学技術         センター理事         長)      石倉 秀次君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 委員の異動 三月二十二日  辞任         補欠選任   中谷 鉄也君     辻原 弘市君   岡本 富夫君     林  孝矩君 同日  辞任         補欠選任   辻原 弘市君     中谷 鉄也君   林  孝矩君     岡本 富夫君 同月二十四日  辞任         補欠選任   中谷 鉄也君     楯 兼次郎君 同日  辞任         補欠選任   楯 兼次郎君     中谷 鉄也君 同月二十五日  辞任         補欠選任   岡田 利春君     楢崎弥之助君   中谷 鉄也君     原   茂君 同日  辞任         補欠選任   楢崎弥之助君     岡田 利春君   原   茂君     中谷 鉄也君     ————————————— 三月二十一日  割賦販売法の一部を改正する法律案内閣提出  第九五号) 同月二十三日  中小企業危機打開に関する請願(青柳盛雄君  紹介)(第一九〇九号)  同(田代文久紹介)(第一九一〇号)  同(谷口善太郎紹介)(第一九一一号)  同(寺前巖紹介)(第一九一二号)  同(東中光雄紹介)(第一九一三号)  同(不破哲三紹介)(第一九一四号)  同(松本善明紹介)(等一九一五号)  同(米原昶紹介)(第一九一六号)  同(浦井洋紹介)(第一九四七号)  同(小林政子紹介)(第一九四八号)  同(津川武一紹介)(第一九四九号)  同(土橋一吉紹介)(第一九五〇号)  同(青柳盛雄紹介)(第一九七二号)  同(寺前巖紹介)(第一九七三号)  同(林百郎君紹介)(第一九七四号)  同(不破哲三紹介)(第一九七五号)  同(山原健二郎紹介)(第一九七六号)  同(米原昶紹介)(第一九七七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  沖繩国際海洋博覧会準備及び運営のために必  要な特別措置に関する法律案内閣提出第二四  号)      ————◇—————
  2. 鴨田宗一

    鴨田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出沖繩国際海洋博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本案審議のため、海洋科学技術センター理事長石倉秀次君を本日参考人として御出席を求め、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鴨田宗一

    鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 鴨田宗一

    鴨田委員長 質疑の申し出がありますので、次これを許します。松尾信人君。
  5. 松尾信人

    松尾(信)委員 私が第一番目にお尋ねしたいと思いまするのは、この海洋博というものを通じて沖繩に何を残すかという問題であります。テーマ等もただいまいろいろ検討されておるようでありますけれども、単に、やれ陸上の、または海域のテーマだとかというような、そのような従来のいろいろの催しものでなくて、いよいよ復帰を間近に控えておりまするし、また沖繩経済産業中小企業の問題等ひっくるめていま沖繩のあるべき方向、姿、そういうものをきちっと固めていかなくちゃいけないときであろうと思うのです。でありますから、単にこのテーマということで従来の考えに左右されるようなテーマでなくて、この海洋博というものを通じて今後どのように沖繩を引っぱっていくのか、沖繩のあるべき姿はどういうものかということを産業経済面全般にわたってやはりはっきりしておく必要があるんじゃないか、このように思います。  その点から申し上げるならば、まず復帰後の沖繩開発には三本の柱があるわけであります。一つは第一次産業強化、それから二番目が第二次産業の誘致、そして観光産業振興、これが三本の柱として、復帰後の沖繩に対しましてこのような方向というものを固めていこう、このような基本姿勢と思うのでありますけれども、このような復帰後の沖繩開発という三本の柱に対して、この沖繩海洋博というものがどのように対応していくのか、またそれをどのように海洋博を通じてリードしていくのか、こういう点でありますけれども、まず最初にそういう点からお答え願いたいと思います。
  6. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  五月十五日に沖繩日本復帰してまいるわけでございますが、沖繩経済基地経済に依存しておるために、今後の経済体制としては、自立し得る体制整備する必要があるのは御指摘のとおりだと存じます。したがいまして、海洋博の開催が御指摘のように一時的な行事ということで終わってはならない。沖繩自然条件を生かしながら今後の沖繩の発展に大きく貢献できるような計画のもとに、関連投資その他を行なうべきであるという点は、御指摘のとおりだと存じます。そういう意味で、具体的には、海洋博に伴う関連投資沖繩振興開発計画の線の中で考えられる交通通信施設整備あるいはエネルギー資源開発観光開発等に資するものであるように考えねばならないと存じますが、その点につきましては、海洋博事業計画の立案、決定を通じまして、地元意見あるいは関係者意見あるいは学識経験者意見を十分織り込んで、御指摘のような観点に立って計画を行ない、実行いたすようにいたしたいと存ずる次第でございます。
  7. 松尾信人

    松尾(信)委員 それで、交通通信施設等整備はもちろん必要でございますね。この沖繩開発計画というものとワンセットでやっていく、これはわかるのでありますけれども、しかし何といってもこの海洋博がまずそれをリードすべき立場になっていかなくてはできぬのではないか。でありますから、やはり沖繩の将来ということを考えた、沖繩はこのようにしていくんだという一つの大きな開発目標、それを立てて、そうして沖繩開発計画というものをリードしていくようなものをこの際テーマとして考えて、そしてがっちり、すべてのものを海洋博でリードしていくというような構想があるのかどうかということであります。
  8. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  沖繩の今後の振興開発につきましては、さきの国会で認めていただきました法律に基づきまして、沖繩振興開発計画を新しい県知事が策定して、これを内閣総理大臣が認めて、その線で今後の沖繩開発を進めていくということに相なるわけでありますが、これは時間的には復帰後の新しい知事のもとにおいて行なわれる計画ではございますが、沖繩の現在の自然条件からまいりますと、港湾なり道路なり通信等施設整備ということになりますと、当然ある方向というものが出てまいるわけでございますし、今回の地元本部会場をきめたいという観点から、これからの沖繩開発方向に沿う会場選定という考慮も入っておったわけでございますので、この海洋博施設に伴う関連施設整備ということに相なりますと、おおむね基本的な方向としては、おそらくつくられるであろう振興開発計画に沿うてまいると存じますが、計画の実施になりますと、この計画との調整ということも出てまいりましょうけれども、大筋ではその線に沿うた計画で行なわれるというふうに考えるわけでございます。
  9. 松尾信人

    松尾(信)委員 私の言っておりまするのは、道路とか港湾とか通信とかという問題は当然のことでありまして、それはそれなりに当然やるべきでありますけれども、せっかくの画期的な海洋博でございますから、この海洋博を通じて、沖繩というものはこのようにあるべきだというような方向づけを持っていく必要があるのであろう、こういうことを言っているわけです。で、テーマとしても羅列してありますけれども、もう少し具体性を持たして、沖繩の将来というものはこのような方向でやるのだ、先ほど沖繩開発の三本の柱を申し上げましたけれども、まず第一次産業をどうするのだ、また第二次産業につきましてもどのような方向で誘致していくんだ、観光産業振興がありますけれども、この三本の柱のどこに重点を置いたほうが沖繩にはいいのか。このままでは単なる開発計画が網羅的に出てくるおそれがあります。その方向づけをこの際海洋博を通じてはっきりさしたほうがいいのじゃないか、このことを言っているわけであります。いま具体的なものはなかろうと私は思います。いまあなたたちに言うのは、これは時期的にいっても無理だろうと思いますけれども、そのような方向で少なくとも沖繩の今後のあるべき姿というものを明確にする一つテーマをがっちりととらまえてやっていくというような考え方はどうかと言っているわけです。
  10. 本田早苗

    本田政府委員 御指摘のように、海洋博が御指摘のような線に沿う計画であらねばならないと存じます。いま試みに出ておるなにからまいりますと、周辺海に囲まれた第一次産業としての水産業につきまして、農林省としては今回の海洋博とからませて海洋牧場のような構想というものを考えてしかるべきではないかというような案も出ておりますが、一つ方向でもありますし、その点については農林省としてきわめて熱心に検討いたしております。それから第二次産業強化といたしますと、これはいずれにいたしましても産業関連施設整備というものをしておかなければなりませんので、これについては水、電気あるいはその他のエネルギーについての整備等を行ないつつ、今後の工業生産がきわめて合理的にできるような関連施設整備が必要だろうと思います。また観光につきましては、今回本部を選んでおるのは、非常にきれいな亜熱帯の海洋というもの、きわめて特色のある地点と風景でございまするので、これについての観光産業としての今後の成果を伸ばし得る素地を今回つくれるという基本的な考えになっておりますので、御指摘のように、基本的には非常に広範な第一次、第二次、第三次産業について今後の沖繩自然条件を生かせる方向考えるべきだというふうに考えるわけでございます。
  11. 松尾信人

    松尾(信)委員 いまのお答え方向だけは大体わかるわけであります。そういうことを私も言っておるわけでありますけれども、第一次産業とすれば沖繩にはパイナップルしかないわけであります。それから野菜栽培もいま模索の段階であるというようなことで、このパイナップル産業をまずどうしていくのかという、そういう考え方も私ははっきりしておくべきであろうと思うのです。ところが、それに関連いたしまして、タイにパイナップルの農園を三菱商事が現地と相提携してつくっていこう、かん詰めもつくるんだ、第三国へ輸出するというような、いろいろ大きな、何億という金の要るものでありますけれども計画がございます。ところが残念ながら、沖繩のほうの第一次産業の代表的ともいうべきこのパイナップル産業をどうするかというような、そういうものはないのですね。むしろこの際、たった一つしかないそのパイナップルというものをどのようにしていくのかというのも私は沖繩開発の大きなテーマだろうと思う。第二次産業にいたしましても石油精製等装置産業だけが大きくクローズアップされております。その他若干あるけれども、内地で困るものを沖繩に求めていくというような発想では、ほんとう沖繩の第二次産業というものをどのようにして持っていくかという基本がないと、全部そういう困ったものを他に移すだけじゃないかというのだ。ですから、農業に対してはどういうふうにあるべきだ、工業についてはどういうふうにあるべきだ、観光というものについてはどのような方向づけをするのか、総体的には沖繩というものは観光中心に、なお第一次産業等を伸ばしていくのかというような煮詰め方というものをやはりある程度、開発計画というものの基本になるものでありますけれども、少し範囲が広過ぎますけれども、お考えになって、少なくともそういう方向を示すとか、そういうふうなかっこうのものが必要であろう、これは強く私は要請しておきます。  次は、この海洋博のことにつきましては、これは通産省の調べだといって載っているのですけれども通産省では、半年間の会期中に延べ三百万人が入場すると見ておる、それから直接投資が三百五十億円、関連公共投資が千六百億円、経済的な波及効果が二千六百億円に達するものと考えている、このような報道があるわけですけれども、この内容はどうですか。
  12. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 海洋博へ参加いたします人員につきましては、私どもの一応の見通しといたしまして約三百六十万人という数字を出しておるわけでございますが、ただいま御指摘になりましたような直接投資規模あるいは関連投資規模等につきましては、現在政府及び博覧会協会のほうで鋭意検討中でございます。したがいまして、まだ具体的にこういう数字というのを申し上げられる段階には至っていないのが実情でございます。
  13. 松尾信人

    松尾(信)委員 大体でいいです、見当で。
  14. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 関連投資につきましては現在建設省運輸省その他が現地を調査いたしまして、まだ結論を出しておりませんので、具体的な数字は全くつかんでいないのが現状でございます。直接的な博覧会規模といたしましては、しばしば大臣国会で御答弁申し上げておりますように、大体四百億ないし五百億円程度の規模にいたしたい、こういう考え方でございます。
  15. 松尾信人

    松尾(信)委員 関連投資は、では一応おきまして、直接投資というのはどのような予算になるわけですか。海洋博としての予算になってくるのか、それとも三百何十億というようなものがどのようにして要求されるわけですか、この海洋博に関連して。
  16. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 四百ないし五百と申し上げましたその数字でございますけれども、これは会場を建設いたします費用会場運営いたします費用と二つを合算して一応の数字のワクと申しますか、それを申し上げたわけでございます。これの資金の調達でございますけれども、私ども現在四十七年度といたしまして、四十七年度以降のこまかい内容はまだ政府及び協会の間で詰めまして、事業計画あるいは資金計画をこれから早急に詰めていくという段階であるわけでございますが、大ざっぱに申し上げますと、建設費用につきましては大体私どもといたしまして協会がつくります建設費の三分の二は国庫補助でまいりたい、それから、政府が建設いたします政府展示館、これは御承知のとおり一〇〇%政府資金で行なう、こういう形になるわけでございます。そのほかにつきましては、特定事業収入、ただいま法案で御審議をいただいております郵政省あるいは三公社等によります資金援助、そのほか競輪、競艇等からの寄付、それからさらには民間財界によります援助、こういうものを一応予定をしておるわけでございます。
  17. 松尾信人

    松尾(信)委員 いまのお答えは、建設費用関係では三分の二国庫補助、これはやはり今後予算的な措置として出てくるわけですね。それから政府展示は、これはもちろん全額政府資金でありましょう。この政府展示規模なんかはどのように考えているのですか。今後の予算関係ですけれども……。
  18. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 私どもといたしまして、今回の沖繩海洋博意義そのものから考えましても、やはり政府展示が中核となるべきではないか、このように考えております。そこで、できる限りこれに重点を置いた予算の確保をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。現在、政府展示いたしますその中身につきまして、各省連絡会等を通じて詰めております段階でございまして、まだはっきりした具体的な数字はつかんでいないわけでございます。しかし、いま申し上げました四百ないし五百億の、運営費を含めました形の中で、私どもといたしましては、政府の出展、これは建設費運営費を合わせまして百五十億から二百億ぐらいの、ほぼ半分ぐらいのものは政府がこれを確保してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  19. 松尾信人

    松尾(信)委員 そのようにいたしますと、結局直接投資関係が四、五百億、それから関連公共投資も、一応あなたたちの見積もりは一千六百億円見当、そして半年間の展示期間中、経済的な波及効果というものが約二千六百億円に及ぶのだ、このような推計でありますけれども沖繩県民の総生産高というものが一年間約二千六百五十億円、このようにいわれております。沖繩の一年の県民生産に匹敵する、そのような経済的な海洋博波及効果があるわけですから、これはほんとう沖繩に対しては重大な影響があるであろうと思うのです。ですから、この四、五百億に達する政府中心投資関係等は、今後やはりどのようなことで沖繩が生活できるようにしていくかという、一次産業、二次産業または開発関係というものをしっかり踏んまえた上で、このような予算もきちっと使っていただきたい。海洋博で、最初に戻りますけれども沖繩というものの将来をリードしていくような金の使い方をやっていただきたい、このように強く重ねて要望しておくものであります。  それから、非常に土地がだんだんと高くなってきておる。会場周辺のところもそうでございましょうし、土地の問題というものは、私はほっておいたらいかぬと思うのです。いまからきちっとしておきませんと、いよいよあなたたちのほうで何やかにやと投資関係通信道路網住宅等整備のときには、その予算の大部分をまた土地に食われていくのじゃないかというような、心配があります。また、今後沖繩観光開発で相当伸びていくのじゃないか、そういうところに一つ重点があるのじゃないかと思われます。としますと、要所要所土地というものが全部、いまのうちから観光開発会社に買い占められていく。そして何にも知らない現地の人々は、いまのところでは思いがけない値段で売ってしまいますけれどもほんとうは安くたたき売りしておる。そして一たん海洋博だとか、いよいよ沖繩観光事業をがっちりやっていこうというときに、これが大きなじゃまになってくるのじゃないかと思うのですけれども海洋博を通じてこの土地対策というものをどのようにお考えになっておるか、これは明確に答えていただきたいと思います。
  20. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  会場用地取得ということと関連して、地価の値上がりというのが問題になるわけでございますが、今回の本部の位置につきましては、本部町が土地取得について全面的に協力するという体制を整えた上で会場決定もするということでございまして、琉球政府のほうもすでに担当官現地に出して土地取得準備を進めておるという状況でございます。御指摘のように、土地取得についていろいろ思惑が入って地価の高騰を来たすことは避けねばならないと思いますが、会場については一応そういう体制で進めるというのが琉球政府のいまの態勢でございます。そのほかの地域の問題につきましては、これは観光行政とからむ問題でもございますけれども地価問題としては御指摘のとおりだろうと思います。その点については、また関係連絡会議等でもよく検討するようにさせていただきたいと存じます。
  21. 松尾信人

    松尾(信)委員 結局、いま何にも地価抑制のための方策はないということですよ。会場用地等については話し合いがある程度進んでおりましょうけれども、これも油断をしておりますと、どんどんと上がります。やはりいまからきちっとしておくべきですよ。まあ本部のほうと話し合いをとかなんとかおっしゃいますけれども、やはり現実に確保するということ、それについて、このように手を打っておるからだいじょうぶだ——同じようなことが沖繩全県に対しても、これは観光開発用地とするならば、もうどんどん入って現実に買いあさっておるわけですから、これを黙っておるということ自体は、土地問題というものがやがて沖繩に全部波及していく。いまの日本本土土地問題がそのまま海洋博一つのきっかけとしまして現在行なわれておるわけですから、いまから連絡会議とかなんとかでということでなくて、これはもうきちっとしておくべきである。もうすでに後手になっておるのだ。これをひとつ認識して強い姿勢でやるように、もう一回はっきり答えてもらいたいですよ。
  22. 本田早苗

    本田政府委員 会場用地取得につきましては、その段取りについてさらに明確にするように、琉球政府ともよく連絡をとって進めるようにいたしたいと存じます。それから他の観光地点用地取得につきましては、また関係省との間でよく検討させていただきたいと存じます。
  23. 松尾信人

    松尾(信)委員 これで最後になりますけれども、この前の大阪での万博のときに、全国からたくさんの工事の関係者が入ってまいりました。そういうことから物価が上がったわけでありますけれども、このように直接投資が四、五百億あるいは関連投資がまた相当の金額に達する、一千億とか一千六百億とか、このようなことがいわれるとするならば、これは相当の工事関係の人々がここに入っていくんじゃないか。現地だけでは調達困難でありますから、やはり本土のほうからもたくさんの関係者が行くのじゃないか。そうしますと、さなきだにこの物価の高い現地でいろいろの関連の物価が暴騰するのじゃないか、こう思うのです。そういうことに対してもちゃんと手を打っておきませんと、会期中の半年間に三百五十万人も予定しておったそういう人々が、非常に物の値段の高いところで暮らして、何だというような不満を持って帰るおそれもあるわけですよ。この万博を一つの自分の勉強にして、そのような意味合いにおける諸物価の高騰というものをどのようにして押えていこうとしておるのか、物の送り方、それからいろいろの問題をどのように考えていらっしゃるかということを最後に聞いておきたいと思います。
  24. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、大阪の万国博覧会の際に、特に生鮮食料品について値上がりが大きく出まして、近畿農政局を中心にいたしましてこれが対策を講じたのは御承知のとおりでございますので、農林省におきましては、今回の沖繩博覧会の開催に伴いまして、物価騰貴、特に生鮮食料品についての物価対策は事前によく準備する必要があるということで検討いたしておりますが、第一点は、現在の沖繩の市場施設が必ずしも十分でございませんので、流通施設整備という意味で市場の整備を行なう必要がある。それから第二点としまして、冷蔵施設整備がやはり不足いたしておりますので、これの整備を事前にはかる必要がある。また近接した九州等からの輸入のために、九州における青果物、食肉、魚介類の生産増加をはかる必要がある。これが輸送用として冷蔵コンテナ船の配置を考慮する必要がある。それから肉類等につきましては、輸入の割り当ての増加等によりまして輸入量の増加をはかるということのほかに、できれば、沖繩におきまして野菜等の集団産地の団地栽培あるいは魚介類の確保のための漁港施設整備等考える必要があるということで、現在その点の整備について検討いたしておりまして、大阪博覧会の先例によりまして、できるだけ事前に対策を十分打ちたい、こういうことで検討いたしておる次第でございます。
  25. 松尾信人

    松尾(信)委員 いまの生鮮食料品関係については、いろいろ御計画があるようであります。やや安心するわけでありますけれども、やはり現地で調達できないという一つの大きなネックがあります。でありますから、これは九州なら九州のどことどういうふうに結んでいくのか、そういうことをしませんと、今度は買われた九州の産地のほうで、また生鮮食料品の不足で物価が上がってくるというような妙なしわ寄せが来たら困る問題です。でありますから、これは前広にきちっと計画をつくって、あっちこっちに差しつかえないような、支障を起こさぬような方策を練る。  それから沖繩に、その団地栽培等を言われましたけれども、またたくさんの人が来て、それを使ってくれている間はいいですけれども、そういう博覧会が終わって、観光客だけになったというようなことになりますと、またあとあとの問題もあります。そういうこともひっくるめて、第一次産業に対しては、海洋博を通じてどのようにやっていくのだというような、やはり明確なものをお持ちになるべきである。第二次産業も、いたずらに誘致すればいいのだということではなくて、沖繩というものは、このような工業政策でいくべきだということですね。そうして観光産業というものをどのようにしていくのか。沖繩の中心は一体どこにあるのか。観光でいくのか。そういうものもテーマの中にしっかり取り上げて、りっぱな海洋博をつくっていただきたい。これを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  26. 鴨田宗一

    鴨田委員長 次は、石川次夫君。
  27. 石川次夫

    ○石川委員 私この前、沖繩海洋博覧会の件ではすでに一回質問をしております。ただ、残念なのは、そのときも通産大臣が見えておりません。きょうもやむを得ない事情ではございますけれども、通産大臣並びに私が要求しております科学技術庁長官、お二人とも見えておらないわけでございます。そこで質問をいたしましても、ちょっと最終的な結論が得られないのではないかという不安があるわけですが、きょうおいでになった方は、よく私の質問の趣旨を理解していただいた上で、大臣にそれぞれひとつ、私の意のあるところを伝えてもらいたい。同時に機会を改めて、そのことの確認をする必要がある点がございますから、その点はあらかじめ御了承を願いたいと思います。  この前の質問で、私が伺いました結果としては、いま松尾委員のほうからも話がありましたように建設費は三百四十から五十億、大体本部という土地に二十万坪の土地を選んで、四百億から五百億円ぐらいの建設費を要する、関連の費用は大体一千億円ぐらいである、たいへんな事業であります。本部地方にこれだけの仕事をやるということは、大阪であれだけ成功をいたしましたけれども、これは万博以上にたいへんな困難性があるのではないか。期間もあまりございません。したがって、相当の決意でこれに取り組まないというと、たいへんな失敗をすることになりはせぬかということを私は非常に心配をいたしております。その点は、やる以上は、成功裏にこれを開催をし、終了できるということの決意をひとつ固めてもらいたい。沖繩の将来の開発あるいは振興というものと結びついての計画としては、たとえば渡久地、運天港湾などの拡張というような問題もあるし、道路などの拡幅、あるいは新たに開拓するという問題もあります。それからあと地利用としては、将来観光用にこれを供するとか、海洋開発の研究所というものにして残すとか、あるいは海洋青少年訓練センターとする、あるいは海底牧場をつくって残しておくというようなことで、いろいろ御計画があると私は伺っておりますけれども、これはいまのところまだ机上のプランであります。これを真に実現するということのためにはかなりの努力が要るであろう、こう考えますので、ぜひひとつこれらの点、沖繩の住民がやってよかったと思われるような計画に生かしてもらいたい、こう私も強く切望するわけであります。  そこであと一つ問題は、この前も質問をしたのでありますけれども、実は海洋開発の科学技術センターというものができて、この前もいろいろ伺いましたけれども海洋開発は非常にむずかしい問題で、これはある意味では、宇宙開発よりもむずかしい点が多々あるのですね。十メートル深くなると気圧が一気圧ずつかかってまいりますし、それから風速数十メートルに相当するような潮流が流れておる。それからそれ以外の点で問題があるのは、ヘリウムガスを使うということになると声が高くひずんだり、体温が非常に冷えてしまったり、電気機器が単純には動かないという非常に困難があって、これをどういうふうに開拓していくか、あるいは潜水医学をどうするかという点では、この前も申し上げましたけれども、まあ、日本では梨本教授一人しかいないというくらいにやはりりょうりょうたるものなんであります。したがって、科学技術センターといたしましては、ほんとうに基礎中の基礎のオセアノートの養成とか、そういったものから出発するということで、私が初めこれをつくるときに要望いたしましたように、財界あるいは民間産業で、まあ支離滅裂といいますか百鬼夜行のような形で研究が進められておるものを、何とか統合していくという力を発揮するというところまでにはいかないんじゃないか、こういうようなことを私は非常に心配をいたしておりますが、これは海洋博の問題とは離れますので、これはまた別の機会にそういう点で質問申し上げたいと思っております。  それで、海洋博をやる以上は、将来の沖繩の発展に影響のあるように、まあよい影響のあるような形でぜひやってもらいたいということはもちろんでありますが、同時に、海洋博覧会をやったことによって海洋開発の研究が一つ促進されたというような成果を、どうしても私はおさめてもらわなければならぬということをこの前強く御要望申し上げたわけであります。私は、海水の淡水化というのは、沖繩にとっては、三十万トンか四十万トンの北部の水を開拓するという計画はございますけれども、大きな装置産業一つやると、一社でもって十万トンは使っちゃうのです。そういうようなことで、とても三十万トンとか四十万トンではこと足りない。ほんとうに第二次産業というものを沖繩の将来のために振興させていこうとするならば、さらにこの海水の淡水化ということにまで目を向けていかなければならぬのではないかということで、これをひとつ目玉にしたらどうだということを申し上げたんですが、これは、私の強い要望ではありますけれども、非常に私は困難性があるんだろうと思っております。思っておりますが、これができれば、沖繩の人にこれほど喜ばれる事業、研究の成果というものはないであろう。また、別に私はこの淡水化にそれほど固執するわけじゃございませんけれども、何か研究の成果をここでもってはっきりさせる。まあ日本は非常におくれておりますから、たとえばクストー教授のやっておるようないろんな計画、あるいはまたシーラブ計画、プレコンチナン計画というふうなものに比べると、十年くらいおくれているんじゃないか。アメリカのほうはもうすでに宇宙開発をこの海洋開発のほうに転換するということで、思い切った金を投入しております。まあ、国防費用が大体六割くらい占めておるわけでありますが、日本とは予算規模が全然違います。そういうことでありますから、それよりも一歩先んじたような成果をおさめるというふうなことは、なかなか現実の問題としては困難でありますけれども、ただ単なるお祭り騒ぎでもって博覧会をやったというような形で終わらしたのでは、たいへんこの開催の意義が薄れてしまうということを心から私は懸念をいたしております。そういうことで、思い切った目玉商品なるものは一体何だということで、思い切ってこの費用をつぎ込んで研究開発をやって、それを中心に進めるというくらいの決意をもって、ひとつこの博覧会というものを有意義なものに終わらしてもらいたいということを心からお願いをするわけであります。これはこの前申し上げたことですから、もうここでは触れません。  そこで、私のきょうの質問は非常に簡単なのであります。これはしかし、なかなか答弁を得ることはむずかしいと思うのでありますけれども、実際は、国連の海底平和利用特別委員会というのが一九六八年七月十日に開かれております。そこで、海底の平和利用というものについて相当いろんな意見が出ておるわけであります。私は科学技術振興対策特別委員会にも所属いたしておりますが、原子力といい宇宙開発といい、あるいは海洋開発といい、これはいずれも、もろ刃の剣であります。原子力は原爆になる、宇宙開発はICBMになる、それからさらに海洋開発は海底の軍事利用という危険性が相当強いわけであります。なぜ軍事利用になりやすいかということは、これは皆さんに私からいまさら申し上げるまでもございません。それは、大陸だなへの兵器の配備というものはもうすでに可能な状態に——まあ日本ではちょっとまだむずかしいでしょうけれども、世界の先進国のレベルではなってきておる。また、近い将来は深海底のほうへ配備することも、いま研究段階ではありますけれども、可能になるであろう、こういう見通しになっておるわけであります。それで、気密カプセルにおさめて海底配備すればICBMなんかよりは安全であるし、また、潜水艦ミサイルよりもコストが安い。そういう利点がある。でありますから、どうしても軍事利用への誘惑というものは非常に強いものがあるわけです。それから、海面の下での秘匿技術、これは、海が非常に不透明であります。深くなりますと、なかなか捕捉しにくくて、これの探知技術なんかよりもどうしても優位に立つ。でありますから、そこで、あらゆる国は堅固な海底軍事基地への誘惑というものが相当強くなってきておる。海溝なんかがあればなおさらのことであります。そういうことで、軍事利用への誘惑というものはきわめて強いものがある。それから、海底の核機雷ということも考えられる対象になっておるわけであります。これは遠くのほうからコントロールして、使用の際には適当な深度にまでこれを浮き上がらさせるということもこれは簡単にできるわけであります。こういうことも現在もう研究段階の域を脱しておる現実であります。それから、海底のABMだってできる、こういうことになっております。仮想敵国に近接して配置をすれば、発射直後に迎撃ができるんだということになりますから、これはまた軍事利用にはきわめて好都合の兵器配置ということになるわけであります。ただ、いろんな点でこの深海の場合に問題がありますのは、指揮、統御というものが非常に困難だということでありますけれども、しかし、オセアノートというものがだんだんに訓練され、養成をされれば、そのほうの問題も解消するであろう。こういうことで、国連で特に平和利用ということが強調されるゆえんのものは、軍事利用の誘惑がきわめて強いということであります。  したがって、この海洋開発の目的といたしましては、水産資源とかエネルギーあるいは海底鉱物資源ということになりますが、生活圏の拡大として、海底居住、海底トンネル、海中公園というふうなことがありますけれども、私はまあ、海中公園というふうな観光資源ということならよろしいのでありますが、海底生活というようなことは、きわめて軍事利用というものの誘惑を強くさせることにつながってくるのではなかろうかという懸念を非常に強く持たざるを得ない。私一方的にお話ばかり申し上げて、たいへん恐縮なんでありますけれども、科学技術委員会のほうでは再三このことについては討論をいたしております。  そこで問題は、公明党さんが非常に熱心なんでありますけれども、もう海底資源開発なんかでも、大陸だなの問題でいろいろ各国との紛争も出てくる危険性もあるわけであります。そういう場合に、日本がこの海洋開発を行なっても、軍事利用はしないのだ、あくまでも平和に徹するんだということがなければ、円満な海底資源の開発も不可能であるということは明瞭であります。そこで公明党さんのほうでは、海洋開発基本法というものをすでに提案をされておるわけであります。宇宙開発につきましては、宇宙開発事業団というものができましたときに、これは平和利用に限るんだということはわれわれの要求でもって入れてもらいました。まだこの宇宙開発については完ぺきだとはいえませんが、一応国会の決議といたしましては、大気圏の大部分を越えた外に出るところの物体、あるいはその物体を発射する装置というものは平和利用に限るんだということで、国会の決議も出ておるわけであります。しかし、海洋開発はいまだかつてそういうことが全然ないわけなんです。で、私個人の希望でありますけれども、どうしても、この海洋博覧会をやる前に、海洋開発の平和利用というものを中心とした基本法というものができなければならず、また、そうすることによってこの博覧会の意義というものが大きく生きてくるのではないか、こういうことを私は常々考えております。  きょうは大臣いらっしゃらないので、ここで回答いただくということはちょっとむずかしいのじゃないかと思いますけれども、これは野党としての強い一致した要望であります。したがって、きょうは千葉さんがおいでになっておりますが、この点についてどうお考えになっているか。まあ善処しますというふうなことではなくて、一歩進んで、どうしても海洋博をやるんだったら、その場合には、基本法で平和利用に限るんだという、こういう日本姿勢をき然として打ち出すということでなくては、海洋博覧会をやるということは非常な混迷と疑惑を持たせるということになりはしないかということを考えますので、その点どうお考えになっているか。局長段階でなかなか御答弁ができないことがあると思うのでありますけれども、その場合には科学技術庁長官あるいは関係大臣関係省庁、そういうところと十分話し合っていただいて、ぜひこの海洋開発基本法というものをつくってもらうということに対しては、どうお考えになっておりますか、御答弁を願いたいと思うのです。
  28. 千葉博

    ○千葉政府委員 この海洋開発につきましては、もう御案内のとおりわが国としてはまだほんとうに端緒についたばかりでございまして、海洋開発の伸展というものはまだほとんど見られていないという現状でございます。したがいまして、科学技術庁といたしましても、従来海洋科学技術審議会という審議会を海洋開発審議会というのに昨年衣がえいたしまして、それでその場で、ただいま基本的な海洋開発の今後のあり方というものについて審議をしておる最中でございます。  それでいまの御指摘は、いわゆるわが国の海洋開発をする場合には海洋、特に海中でございますが、これを平和利用に限るというようにしたらいかがか、またそういったような基本的な線を打ち出した上で海洋開発を進めるべきだというような御意向かと思います。私ども海洋開発は当然平和の利用を目ざしまして、その海洋開発基本的なあり方をいま審議している最中でございまして、実は非常にこの海洋開発というのは口ではやさしゅうございますけれども、いかにこの海洋を新しく利用していくか、つまりこれが開発でございますが、これの具体的な内容につきましては、実はきわめてむずかしく、この海洋開発の具体的な方向がなかなかいまはっきりと打ち出しにくいというような状態に、この審議会の審議がいまなっておりまして、こういった審議を通じましてこの平和利用の方向へ具体的な開発の行き方を持っていくというようなことで、私どもはこの審議をお願いしております。こういったような点がはっきりいたしますと、私どもとしてはいま御懸念のような点はなくなっていくのではないかというように考えております。何せ、御承知のとおり、海洋の利用につきましては、すでに過去何年もの長い歴史がありまして、いろいろな方面にいろいろと使われておりますので、わが国だけでこれが平和の利用だというような点を打ち出しましても、その領域も非常に広うございます。こういった点からして、国際的ないろいろな場での利用のしかたについてのこれの審議などが進むかと存じますので、そういった点もいろいろと十分に、密接にこれに対しましてアプローチをいたしまして、そういった点で、このわが国の開発基本方向——国際的な流れとかそういった点を今後明確にさせて、そういった時点でこの利用の問題の基本的な方策が出るだろう、かようにいま考えているわけでございます。
  29. 石川次夫

    ○石川委員 詳しい御答弁をいただいたのですが、簡潔な答弁がほしかったわけなんです。  この基本法で盛るべきことはいろいろございましょう。それをここで議論しようとは思っておりません。これはいずれ機会をあらためて別な委員会でやらなければならぬ性質のものであろうかと思っておりますから、きょうは多くは申し上げませんけれども、しかし非常に立ちおくれた研究段階であるということは、これはだれしもが認めておりますだけに、相当急テンポにこの研究開発を急いでいかなければならない必要性が一面ございますが、しかし、いろいろ海底の資源開発ということであってもわれわれの海底利用の姿勢というものが疑われるということになりますと、尖閣列島の石油を例にとるまでもなく、いろいろ問題が出てくるのではなかろうか。そういう点で私としては、研究開発方向づけ基本法の中に盛っていくということと、あくまでも平和利用に徹するのだ、こういう姿勢というものを明確にしていくということが、今後の海洋開発を進める上で絶対的に必要な条件ではないか、こう痛感をいたしております。  きょうは決定的な答弁をいただけないと思うのでありますけれども、われわれの強い要望であるという点を科学技術庁長官にもよく伝えていただきたいし、またこのことについて直接の関係ではございませんでしょうけれども海洋博覧会をやるということを契機に、それ以前にそれらのことを基本法として明確にするということの上に立って沖繩海洋博覧会をやるということが、どうしても必要ではないかと私は考えておりますので、その点企画局長の御意見を一応伺っておきたいと思うのです。
  30. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  海洋開発については所管でもございませんので、私がこういう方向であるべきだというふうにこの席でお答えはしにくいと思いますが、その点は御理解いただきたいと思いますが、海洋開発について日本の憲法のもとで行なう開発方向といたしましては、当然平和利用、この線に沿うた海洋開発を行なうというのが方向であろうというふうに思うわけでございます。
  31. 石川次夫

    ○石川委員 こまかいことを伺おうとするとたくさんありますけれども、私の言いたい重点は、あくまでも海洋開発基本法というものを沖繩海洋博覧会の前にはっきり打ち出してもらいたい。のことは企業局長としての立場から、答弁はきわめてむずかしいだろうということはよくわかりますが、それを開催する責任者の立場において、こういう意見が強く出されたということを通産大臣のほうへもよくお伝えおきを願いたいと思うのです。このことについてはいずれほかの、たぶん科学技術の委員会になろうかと思いますけれども、またそれをやる場所で十分討議をしたいと思います。きょうは私の要望する点だけを申し上げて、ほんとうは答弁らしい答弁をいただけなかったことは非常に残念でありますけれども、私の質問はきょうはこれで終了したいと思います。
  32. 鴨田宗一

    鴨田委員長 吉田泰造君。
  33. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 沖繩海洋博について、二、三お尋ねをいたします。  まず冒頭に、地元のことについてちょっとお伺いしたいのですが、われわれこの前にこの商工委員会理事会のメンバーで沖繩海洋博覧会について視察をしたことがございます。現在の時点で本部半島に決定されましたけれども決定にあたりまして各地でいろいろな誘致合戦がずいぶんにぎやかに行なわれたものでございますが、地元の意向は十分——この本部半島の決定ということについて、誘致しようとした各地区の利害関係とかそういうことの調整は非常にうまくできておるのでしょうか。
  34. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように会場地点につきましては、北部、中部、南部、それぞれ会場誘致について御意見があったようでございまして、その点につきましては、われわれといたしましても、できるだけ地元調整をとっていただくのが、あとあとのためにもいいということで、琉球政府のほうに要請いたしておったわけでございます。この要請に沿いまして、琉球政府では昨年末に会場用地選定委員会というのを設けまして、これは中立的な委員構成になっておりましたが、いろいろ検討の結果、その委員会において本部半島が適当だということで琉球政府のほうに答申が出されまして、琉球政府としても地元意見調整の上で、やはり本部半島でやることにいたしたい、本土政府のほうではこの現地の意向を尊重して開催地点決定してほしいという要請がございまして、その線に沿うて決定したというような経緯になっておりまして、地元の三地点の競合については地元調整をとったということに相なっておるわけでございます。
  35. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 もう一つ地元の問題で、具体的なことでお伺いいたしますが、地元会場用地について、大体——あとでもこれは質問いたしますが、ほとんどが地元民あるいは町有の財産でしょうか。
  36. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 本部半島の会場候補地でございますが、いま具体的にどの場所にするか、琉球政府が詰めておりますけれども、あの近辺一帯につきましてはほとんどが私有地、民有地という形になっております。
  37. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 大体候補地に予定されておるところに、いま全般的にたいへん沖繩のいわゆる土地取得が、本土からいろいろな大企業、大手企業が土地を買いあさっておりますね。そういう問題について、現地、現在の法律下、法制下では本土で買えませんので、沖繩の島民の名前で買っておる。島民のものであるというような認定をするしかしようがないのですが、現実に候補地あるいはその周辺、そういうものについて買収がスムーズにいくような形で行なわれておるのでしょうか。少なくとも、本土からずいぶんな企業が出て買収をやっていないかどうかということですね。
  38. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 御指摘の点でございますけれども琉球政府のほうにも、私ども非常に心配をいたしまして種々連絡をとりながら事情を聴取しているところでございます。まあ、いわれるところのダミー等利用しておるやの実情でございまして、したがいまして、琉球政府のほうといたしましても現実の状況をはっきり把握いたしていないような形でございます。したがいまして、これはある程度の情報ということになろうかとも思いますが、幸い会場予定地周辺にはまだそうした動きがなく、ややそれより遠い地点にどうもそういった動きが活発化しつつある、このようなふうに私どもは聞いておる次第でございます。
  39. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 この問題は、沖繩の総合開発の問題も含めてもう少しあとで質問を再度さしていただきたいと思います。  その次は、沖繩海洋博準備の、あるいは運営の主体となる沖繩国際海洋博覧会協会が設立されましたね。同協会は現在どのような準備をし、今後どのように運営していこうとしているのか、その点について。  もう一つ、続いて質問がいろいろ具体的な問題になりますので、もう一点。さらに沖繩海洋博を開催するにあたりまして、これは日本の独自の立場で開催するものではございませんので、日本政府は、条約上、この条約加盟国に対して国際的にどのような責任が残りますか。
  40. 本田早苗

    本田政府委員 御指摘沖繩国際海洋博覧会協会は二月一日に登記を完了して設立されたわけでございますが、この協会のスケジュールでございますが、四十六年度は、成立後二カ月程度しかございませんが、この間にテーマ策定のための委員会を発足させる。それと同時に、基本構想の策定のための準備を行なうということに相なっております。四十七年度は、関係各界の学識経験者等からなる委員会におきまして、基本構想会場基本計画運営基本計画、全体資金計画等を作成することと並行いたしまして、各種の調査、広報活動あるいは内外企業に対する出展のためのPR等を行ない、一部必要な工事に着手するということに相なりまして、四十八、四十九年度に会場の建設工事、それから出展勧奨についての広報活動をやりまして、五十年に博覧会を開催運営するという、きわめて大まかなスケジュールでございますが、そういうスケジュールで現在仕事を進めつつあるわけでございます。  それから条約上、日本政府の対外的な責任といたしましては、第一点は、条約上の義務として諸外国に対する招請は外交上の経路を経てやるということに相なっておりますので、外国招請は政府が招請手続をとるということに相なります。それから政府を代表し、外国参加者に対するいろいろの約束履行を保障する任務を有する一人の政府代表を指名する。これは政府代表ということに相なっておりますが、政府代表の指名は政府が行なうということに相なっております。それから博覧会の用に供する外国物品につきましては、再輸出を条件に一時的な免税輸入を許可するという義務を負っております。また博覧会の用に供するための物品につきましては、輸送上の便宜を供与する義務を条約上政府が負っておるということに相なっております。
  41. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 それから、きょう大蔵省からお見えになっておられますね。大阪で開かれました日本万国博覧会のあとにできました万国博覧会記念協会ですね。この記念基金の規模、現状についてちょっと御説明をしていただきたいのですが……。
  42. 窪田譲

    ○窪田説明員 お答え申し上げます。  万国博覧会は、御存じのように非常に多額な剰余金が出たわけでございまして、それのうちの百五十五億円を記念基金といたしまして万国博記念協会がこれを引き継いでおります。それの管理を行なうことになっておりますが、これは記念協会法の御審議のときにも、この基金を取りくずすということはしないでほしい、基金はあくまでも永遠にその基金として持っているべきである、ただ、それの果実をいろいろな万国博を記念するにふさわしいような事業に対する補助というようなものに使ったらいいのではないかというようなことで、まあ万国博覧会というのは国際交流あるいは国際親善というようなものが主体になっておりますので、そういう国際親善や国際交流というようなものを促進するような事業に対して補助等を行なっていくというぐあいに考えている次第でございます。そうしてその事業につきましては、それぞれ毎年の事業計画というようなことで、こういう事業に対して補助をするということを承認するというような形で管理運営していきたい、こういうぐあいに考えている次第でございます。
  43. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 大体この万博記念協会、これはたいへん全国的に爆発的な人気でしかも国の金を思い切ってかけて収益を得た財源ですね。百五十五億いま基金がある。私は記念協会ができたことは、これはもうできてしまったんですが、今度の海洋博覧会、こういうものこそ思い切って記念協会あたりが応援をすべきではないのか。思い切った補助をすべきではないのか。大体もうけ過ぎだと思うんですよ、もともと。これは国民のみんなの金を集めたんですよ。それをまた協会をつくる。何となしに国民の中にはすっきりしないものが残っておるのですね。こういう補助はどういう形で補助をしようとしておるのか。これはいまの海洋博覧会についてではないですよ。補助事業なんかはどういうものに対して補助しようとしておられるのか。これは大蔵省の考え方ですね。たとえばこれも含めて海洋博覧会に対してどういうふうに補助しようとしておるのか、それ以外にもどういうように補助しようとしておるのか、これをちょっと説明していただけますか。
  44. 窪田譲

    ○窪田説明員 少し詳しく申し上げますと、今度の記念基金事業がどういうものに補助をするかということでございますが、先ほど申しました国際文化交流、国際親善に寄与する事業に対する補助、あるいは学術教育の国際協力に関する事業に対する補助、あるいは青少年を対象とする社会教育に関する国際的な事業に対する補助等々、そういういろんな事業に対する補助ということでやっておるわけですが、具体的には協会のほうで一般にその補助を求めるところを公募をいたします。その公募に応じてきたところを、協会に評議員会というものがございまして、そこでここに補助をしようということを決定をするということになっております。それで沖繩海洋博につきましても、四十六年度におきまして補助金が千二百万円、それからそのほか基本財産に対する出捐、これは五十万円というものを行なうことにいたしております。  ちなみに全体でどのくらいになるかといいますと、先ほど申しました百五十五億、これを一応運用しておりますので、それに対する大体七分くらいの利息がついてまいります。そういたしますと、年にして大体十億。四十六年度は、九月に記念協会ができましたものですから半年分でございます。したがいましてその五億が果実でございます。その五億のうち半分を記念協会の行なっております例の万博あと地の公園整備に回しまして、あとの半分をいま言いました国際的な事業に対する補助等に使いたい、こういうぐあいになっておるわけでございます。したがいまして、四十六年につきましては大体二億七千万程度の金を補助事業に使っておるわけで、そのうちの千二百五十万円というものが沖繩海洋博に充てられた、こういうことでございます。
  45. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 もう少し詳細にちょっと聞きたいんですが、この協会運営する運営経費はいわゆる運用利益の幾らを占めるか。協会の陣容、構成がどうなっているのか。運営費が利益の何%くらいになっておるのか。たとえば協会そのものの給料を払ったり、協会運営の経費がどういうふうにかかっているのか。補助額が少な過ぎると思うんですよ。百五十五億の基金を持ちながら補助金が少な過ぎるという気がするんですが、内容詳しくわかりますか。
  46. 窪田譲

    ○窪田説明員 万博記念協会の仕事と申しますのは大きく分けますと二つになるわけで、一つは例の万博あと地を公園にするという事業でございます。これは公園の勘定で別になっておりますが、いわゆるいま言いました基金勘定、要するに万博記念基金をどういうぐあいに運営していくかという問題でございます。これは例の百五十五億を運用しているわけでございます。その果実、先ほど申しましたように一年分で大体十億程度でございます。四十六年度は半年分であるので約五億でございます。それの四十七年度分のいまの予算で見ますと、大体十億の果実のうち半分は、いま言いました万博のあと地の公園整備に回すということになっております。これはあくまでもあと地というものも万博の遺産でございます。その基金ももちろん遺産でございます。それを両々相まって、例のあと地をりっぱな文化公園にするという一つの仕事もございますので、その百五十五億の果実である十億の半分は公園の整備に充てる。そうすると残り五億でございます。その五億を、大体そのうちから一割見当が事務費になっておりまして、その残りが大体補助に充てられるということでございます。  四十六年度の場合には、先ほど申しましたように大体二億七千万でございますが、公募をいたしましたら非常に多くの補助の希望がございました。そのうち件数にして二十二件を採択しておるわけでございます。そのうちの一件に沖繩海洋博があるわけでございます。したがいまして金額にして千二百万、いま少ないと言われましたけれども、二十二件、いろいろほかにもございますので、千二百万程度を一応四十六年度分としては沖繩海洋博に割り当てた、こういうことでございます。
  47. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 大体わかりましたがね。いわゆる百五十五億の基金でできた基金運営の果実、果実の一割を事務費に使う。これは、事務費一割はほんとうは高過ぎると思うんです。と同時に二十二件出て、いろんな点があるから千二百万補助金をつけたといいますが、ほんとう海洋博覧会みたいなところに、こういう趣旨のところにこそ、私は思い切って補助をしていいと思うのです。これは、大蔵省のいまの答弁について通産省はどういうふうに考えておられますか。もう少し思い切って補助を出させなければいかぬと思うのですよ。
  48. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 御趣旨の線ということで、四十六年度に沖繩海洋博覧会協会が成立いたしました際に、博覧会記念協会も出捐者の一人という形で参加をしていただいたわけでございます。四十六年度の沖繩海洋博覧会協会に対します補助は、ただいま大蔵省のほうから御説明がございましたように千二百万円という補助をいただくことになったわけでございますが、これは四十六年度の沖繩海洋博覧会協会の事業がいまだ緒についたばかりでございます。したがいまして、金額も非常に小さいわけでございますが、四十七年度以降、明年度以降、沖繩海洋博協会の事業量の拡大とともに、記念協会としても応分の御援助をいただくという形になっておるわけでございます。
  49. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 応分の援助といいますけれども、太体そういう話はできておるのですか、記念協会のほうとは。
  50. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 四十七年度の資金ワク、これからの運用につきましての具体的な内容につきましては、博覧会記念協会のほうでこれから詰めていくことになろうかと存じます。私どもといたしまして、いまの海洋博協会に対します援助基本的方針につきましては、記念協会の石坂会長も非常に積極的なお気持ちで取り組んでおられる、こういうふうに伺っておるわけでございます。
  51. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 これはもう一度大蔵省の方に記念協会のことについてちょっと聞いておきたいのですが、現在記念協会の事務職員というのは何人いるのですか。
  52. 窪田譲

    ○窪田説明員 九十二名でございます。
  53. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 そんなに人員を必要とするのですか。
  54. 窪田譲

    ○窪田説明員 先ほど申しましたように、協会の仕事の一つに公園の整備がございます。したがいまして、広大な万博あと地を整備し、しかも管理、運営するには最低限の陣容ではないか、こういうふうに考えております。
  55. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 そこの人事は、大体どういうところから採用しておられますか。
  56. 窪田譲

    ○窪田説明員 職員につきましては、もとの万博協会時代の職員、それから大阪府、大阪市あるいはほかの関係官庁等からも若干は行っておりますけれども、大宗を占めるのは万博協会の職員でございます。
  57. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 これは当委員会でもう少し詳しい参考資料をあとからちょうだいをいたしたいのですが、よろしゅうございますね。いろいろなことがよくわかりませんので、いただきたいと思います。  前の万博記念基金が非常にたくさん利益があがったということの処置について、もう少し国民が納得をするような使い方はないかなと基本的に私は思うのです。ということは、たとえば記念協会ができると——個々の人事のことについては言いません。いま人員を聞きましたが、それでも少ないとあなたはおっしゃるのだから——何となしにもうかる。人がずっと金のために集まっていく。そういう機構が日本の政治の外郭団体なんかにはずいぶんあるのです。行政の簡素化とかいろいろなことで騒がれながら、もうかった金のところに人が集まってきている。これはなわ張りを争っている。私は地元の大阪なのでよく知っておるのです。きれいごとの話でなくてよく知っておるのです。そういうことが何となしに日本の政治の裏で行なわれているような気がするのです。したがって、私がなぜ海洋博覧会あたりに思い切って金をかけなさいと言ったかというと、これはあとで説明しますが、同じ行なうなら思い切った資金をかけてやったらいいじゃないかというような考え方がありますので、少し従前の官僚的な発想を変えて思い切った金を使ってりっぱなものをつくってもらいたい、そうすれば一番出しやすいのではないか、もともと予想外に得た利益金だからそれを思い切って使ったらいいじゃないか、みんながアリみたいに協会というみつにくっついているのじゃなくて、万博でたいへん利益をあげたのだから、またりっぱな施設に思い切って金を使ったらどうかというようなことでいろいろな意味で質問を申し上げたのです。そういうことで、通産省も何となしにお茶を濁したような態度でなくて、海洋博覧会だけに資金が幾らあっても多過ぎることなく、りっぱな博覧会にできるのですから、筋として出しやすいところからは思い切って出すような構想が望ましい。国民もきっとそれを望んでいると思います。あのもうけた金はどこに行ったかなということを素朴な国民感情として持っております。お役所の仕事でありますから、何となしに人がおって、あなたのおっしゃるように、公園を整備する、人は少ないという、絶えずそういう発想が生まれていくと思うのです。そういうことについて、これを機会に、せっかくの海洋博覧会を開くのだからひとつ思い切った補助も出させるようにすべきだと私は思います。  それから次の質問に移りますが、沖繩海洋博が昭和五十年に終了しますね。にもかかわらず、この法律が時限立法になっていない理由、これを時限立法にしたらいいのですが、どうですか。
  58. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  海洋博は御指摘のように五十年の下期に終了することを予定いたしておりますので、したがいまして、一条の趣旨から見ますと、事実上博覧会の終了とともに規定の意義はなくなるということに相なるわけでございまして、そういう意味で御指摘の点が出たのであろうというふうに存ずるわけでございますが、ただ、協会の職員の中の国家公務員等に復帰する者に対しまして退職金等の通算措置規定というものを入れておるわけでございますが、協会から国の公務員に復帰する時期が必ずしも会期の終了と同時にできるということにもならない事情がございますので、一律に執行しがたいという事情がございましたので、このような規定を入れないで、限時立法とせずに、自然にそういうことになるというような規定の形をとったわけでございますので、御了承をいただきたいと存ずる次第でございます。
  59. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 海洋開発の点につきまして同僚委員からいろいろ質問が行なわれまして、私も聞いておったのですが、非常にむずかしいテーマといいますかたいへんなテーマであると思うのですが、海洋開発を促進するという意味で海洋テーマにした博覧会がわが国で開かれるということは非常に意味の大きなことである。現在の日本海洋開発の現状と欧米との比較——おくれといいますか、日本は非常におくれていると思うのですが、現状並びに欧米諸国との比較をちょっと御説明賜わりたいと思います。
  60. 花岡宗助

    ○花岡説明員 海洋開発室長の花岡でございますが、わが国の海洋開発の現状と申しますと、アメリカをはじめといたしまして欧米諸国でわが国より海洋開発が非常に進んでおります点は、何と申しましても軍事費を海洋開発に非常につぎ込んでおるという点がわが国との差でございまして、したがいまして、軍事費を含めて膨大な国家資金を投入いたしておる。それが海洋の基礎研究なり先行的な技術開発を非常に進めておるという点が差であろうかと思われます。  もう一つ海洋開発の世界の柱になっておりますものが石油の開発でございまして、日本の場合は主として大陸だな等の石油の開発を中心にして比較的近年に海洋開発に取り組んだ、こういうのが実情でございまして、通産省におきましては、産業構造審議会におきまして海洋開発部会を設けてこの研究をいたしておりますし、また科学技術庁におきましては昨年から海洋開発審議会ができまして、ここで全体的な施策を取り上げるということで取り上げておりますけれども、特にアメリカが世界で最も進んでおりますけれども予算的に見ますと、アメリカに比較して予算の総量ではけたが一つ違うという状態でございますので、近年伸び率は非常に大きくなっておりますけれども、世界的水準で見れば、何と申しましてもわが国の海洋開発はおくれておるというのが実情であろうと思われます。
  61. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 沖繩海洋博覧会ですが、この計画をされる場合に、博覧会が終わった場合というとだいぶ先のことでおかしいのですが、日本で開く海洋博覧会の特色として残そうとするものは何ですか。非常に抽象的な質問になりますけれども、終わったときのことを想定してください。日本海洋博覧会が閉幕をした——万博にも、ちょっと形は違いますが、ありましたね。そういう海洋博覧会が終わったときに、一番どういう特色をもってレイアウトしようとしておるのか、何か重点的にありますか。総花的ではなくて、日本海洋博覧会はこれだというテーマはありますか。
  62. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 ただいま御指摘の点が、今回私ども展開しようとします博覧会の最も重要なポイントになるというふうに考えておるわけでございます。これにつきましては、私ども政府関係いたします各省庁、それと博覧会協会、それがただいま衆知を集めましてその問題に取り組んでおるわけでございます。しかし、内容といたしまして、そういう状況から、いま具体的に申し上げられる段階になっておりませんですけれども、先ほど来いろいろ御指摘がございました点、あるいは沖繩現地から望まれております種々の海洋の水産資源あるいは基礎資源、こういったものの開発、研究、そしてそれが国際的な交流の場というようなものをつくりたい、こういった現地の要望にこたえる趣旨で検討を進めておる、こういう段階でございます。
  63. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 非常に抽象的な質問になりましたが、いまの御答弁を聞いておりまして、やはりテーマとしては、選択といいますかキャッチフレーズといいますか、非常にむずかしかろうと思います。むずかしい中に、当面の中でただ一つ大きくわれわれが同意できるのは、沖繩県民の意思といいますか沖繩振興といいますか、そういうことが大きくあるということだけは事実ですね。海洋博覧会だけではなく、海洋博覧会の意味があると同時に、沖繩県民の意向をくんで沖繩振興沖繩開発に大きく寄与したいということが大きな別の目的としてあると私は思うんです。テーマとかキャッチフレーズのことは別にしまして、それならば沖繩振興沖繩県の開発、それが一つの大きな別な目的である、あるいは大多数の大きな目的であるとするならば、私先ほど申し上げました土地問題をもう少し真剣に考えておいていただきたいという気がするんですね。各新聞で、土地のいわゆる買い占めとかいろんな問題が出ておりますね。法的にはなるほど規制の方法はむずかしかろうと思うんですけれども、せめて開発許可のときにぴしゃっと開発させないとかそういう方法は私はあると思うんです。土地取得はダミーで買ってもわかりませんけれども開発しようとするときに押えるようなチェックはできるんじゃないか。目的が一つ大きく沖繩振興であるとするならば、野放しにしないで真剣にこれは考えていかないと、政府としてはせっかくの開発が私は島民をほんとうに困惑させてしまうという形になると思うんですね。二十五年間いわゆる本土の経済と断たれた状況の中で、本土資本からいけば幾らでも買い占めが可能だと思うんです。公共投資が国の税金によって行なわれる。それに便乗して利益を受けるのは本土から来た心ない、いわゆる金もうけ主義の業者であって、島民の潤いは非常に少なかったという結果になると、海洋博覧会のほんとう一つの大きな目的が失われると思うんです。そういう意味で、いま野放しの状況ですね。そういうことについては、沖繩付近の——新聞記事なんかによりますと、沖繩のりっぱな景勝地といいますか景色のいいところは、ほとんど本土に買い占められてしまったというような実情らしゅうございますが、そういう状態を政府は認めておるのかどうか、状況を知っておるのかどうか。これは新聞に再三出るからわかっているでしょうね。それについてどういう手を打とうとしておるのか。それは開発一つの問題じゃないんですよ。海洋博覧会をつくること、これが目的が沖繩開発であるとするならば、振興であるとするならば、もっときめこまかくこういう問題に手を打っておかないと、本土業者にメリットを与えただけになってしまうのではないか。二十五年間ほんとうにわれわれの犠牲になった沖繩県民百万の人が敗戦の責め苦にじっと耐えてきたその意味がないじゃないかという気がするんですが、これは現状を認識されておりますか。
  64. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、海洋博一つのねらいが沖繩の今後の振興の大きな基盤をつくっていくということでございます。今後沖繩振興をはかる上で、御指摘のような土地問題について問題が生じつつあるということが報ぜられておりまして、この点の問題について解決が必要だという御指摘を受けたわけでございますが、問題は確かにその点はあろうと存じますが、先ほど来参事官が申し上げましたように、沖繩の現在の土地取得沖繩県人でなければ取得できないというためにダミーを使っておる。そのために先ほど申し上げました一例のように、非常に大きな有望な地点で、ある企業が手を出しておるといううわさを聞くというようなことはございますが、全体として土地取得の現状がどうだという点はわれわれとしてはまだ十分わかりにくい状況でございますが、御指摘の問題が今後の沖繩振興一つの問題点でもございますし、各省の連絡会議等で御指摘のあった問題について検討する、問題提起をいたしたいというふうに存じます。
  65. 吉田泰造

    ○吉田(泰)委員 ダミーで沖繩県民の方々が買いますのでわかりにくいといっても、大きな不動産は動いたらわかりますからね、登記所を調べれば。税務署だってあるのだから。現行法規では、法律的に買うことを押えるということはできないと思いますが、開発するときにチェックすることは、そういう意味ではやろうと思ったらできると思うのです。そういうことをなおざりにやっておると、大きな目的である沖繩振興というものが影か薄くなって、それに便乗したいわゆる本土業者が利益を得る、利益をむさぼるという形になろうかと思います。時を同じゆうして、いま予算委員会でわが党の塚本君が大企業の土地買い占め問題についてはどうしてもきょう質問しようということになっております。日本の本土においてもありますが、沖繩においては特にこの海洋博覧会について、土地への本土業者の進出ということを何とか防がないといけないと思うのです。防ぐ手はある。政府がやる気になったらある。あるようなうわさを聞いておりますではなくて、海洋博覧会をやるのですから、ほんとうにもうすでに行なわれておるのです。現実土地売買の登記者の名義が変わっておるのです。大きく動いたら調べたらすぐわかることですから。そういう意味できめのこまかい政治をやっていかないと、二十五年間の沖繩県民百万の苦しみにこたえる道ではないというような気がいたします。このことは特に再度要求をしておきます。  もう時間がありませんので、もう一点だけ希望と御要望を申し上げておきます。一つの目的が沖繩開発である。もう一つの目的は、もちろん海洋開発そのもののいまテーマにしておる問題であろうと思うのです。そこで、うたげのあとのさびしさではなくて、ほんとうに残るりっぱなものをつくってもらえないかなということなんですね。思い切って、私は、沖繩日本の国民のりっぱなみやげとして残るようなものをつくってもらいたい。終わったときのことを考えて、永久的に、なるほど海洋博のいいものが残ったというようなものを、あまり遠慮をしないで大胆に思い切って残すべきであろう。そうしなければ——この海洋博覧会の一つの目的である海洋開発テーマというそのことをとらえても、非常にりっぱなものが残ったというふうにしていただきたいと思います。これは私の要望ですが、通産省の決意を聞いて私の質問を終わります。
  66. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  沖繩海洋博覧会につきましては、撤去をしないという原則で考えておりまして、今回の博覧会のあとの利用の際に御指摘のような方向に沿うものを残してまいりたいということで考えておりまして、事業計画委員会あるいは政府出展につきましての政府出展部会におきまして、その線に沿うた計画を作成するようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  67. 鴨田宗一

  68. 岡本富夫

    岡本委員 三時から大臣がこちらに来るというお話だったので、そういう考えで問題を提起しようと思ったのですが、それでまずお聞きしたいことは、豊かで平和な沖繩県づくり、この沖繩国際海洋博計画するについて、こういう将来の沖繩考えてこの国際海洋博計画したと思うのでありますけれども、そうすると、もらった資料を見ますと、沖繩を世界の海洋についての開発と学術研究の中心にする、こういうようなテーマが出ておりますけれども、これをまず具体的にお聞きしたいと思うのです。
  69. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 御指摘のとおり、沖繩海洋博の目的は、一つ沖繩経済振興に役立てるということ、もう一つ海洋開発といいますものがひとり沖繩にとどまらず、全世界の人類にとっての大きな課題である、こういう二つを踏まえて博覧会を展開しようということでございます。したがいまして、いま御指摘の、沖繩におきまして海洋の技術研究の中心と申しますか、その場とするということでございますが、私ども種々の施設を通じまして、沖繩海洋博のあと利用といたしまして、ここに海洋学術研究センターというようなもの、これは地元が非常に強く望んでおられるようでございますが、こういうものを設置する、あるいは施設のあとを、若干の改造を要するかと思いますが、場合によりましては、海洋に関します国際的なシンポジウムの場、国際会議場、そういったものに利用するというようなことで、世界のこういった方面に造詣の深い人々がこの機会あるいはこの施設を利用するという形で、将来とも沖繩を中心に、海洋を中心といたします学術が振興してまいるようなこういう配慮を払いたいというふうに考えておるわけでございます。
  70. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、そういう目的のもとにこの海洋博計画するのであれば、いまあなたがおっしゃったような計画が、先ほどから聞いておりますと、あと地についての今後の計画というものがまだできてないのだ、要するに行きつくところができていない。一九七五年、あと三年足らずですよ。そういったタイムリミットを持っておる期間において、まだこの計画というものがきちっとできてない。おそらくそれに合わせてこの海洋博計画というものをつくるのではないかと思うのですがね。それで期間が間に合うのかどうか、あるいはまた計画というものがどうも危ぶまれてならないと思うのです。まず一つは海中公園あるいはまた海洋科学館、あるいはまた海洋開発産業館、海浜レジャーセンター、あるいは国際会議場あるいは海浜教育センター、こういうものをおそらく将来ここに入れようとされると思うのですが、それらについてのきちんとした青写真がまだできてなくて、はたしてこの時点において開催が可能なのかどうか、これは担当の局長として本田さんのほうでは自信があるのですか。どうですか。
  71. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のようにあと残り三年でございますが、また、大阪の博覧会と比べてかなり時間が短くなっておるという点は御指摘のとおりであろうと存じますが、しかしながら、先ほど申し上げましたように、来年度基本計画を策定しまして、これに基づく実際の事業計画設計等を行ないまして、一部工事を着工いたしますれば、四十八、四十九年と本格的な工事期間がございますので、五十年には開催にこぎつけるというふうに考えられるわけでございます。しかし、そこに至るまでの計画が十分検討し得るかどうかという点で心配があるのではないかという御指摘であろうと存じますが、その点につきましては、それぞれの基本的な委員会はもう発足しておりまして、テーマ等は四月中にはまとめられるようにいたしたいというふうに考えておりますが、それぞれすでにもう検討を始めております。できるだけこの年度のスケジュールに合わせて、計画考える際にあとの利用につきましてもあわせ考えて、博覧会計画をあと利用の計画も含む形でつくってまいりたいというふうに考えておるわけでありまして、三年の期間で開催にこぎつけ得るというふうに考えておる次第でございます。
  72. 岡本富夫

    岡本委員 おそらくこれは外国からも出品、展示がございましょうし、また相当本土からもそういった出品、展示あるいは機資材、あるいはまた従業員、労働者——国内のあの大阪でさえ突貫工事でたいへんだったのです。それにわずか二年間の工事期間で、はたしてそれが十分可能なのかどうか。まして沖繩は御承知のように離れ小島——離れ小島といえば悪いのですけれども、離れておる。そうすると、そこに行くところの利用する船舶あるいはまた輸送する方法、こういうのをどういうように考えておるか。その機材を全部輸送できるかどうか、この計画の中に全部入っておるのですか、どうですか。
  73. 本田早苗

    本田政府委員 先般本部会場決定する際に、御指摘のような問題点について検討をいたしたわけでございまして、運輸省におきましては、資材を那覇港に荷揚げして、そして北に八十キロ持っていくということでは非常にむずかしい、したがいまして、会場の東にあります運天港の整備を必要とする。運天港は底がサンゴ礁でございますので、これの水深を深める必要がございますが、これについて運輸省で検討いたしまして、おおむねできるという判断に基づいてあの会場をきめたわけでございますが、さしあたっては、運天港の整備と、運天港から本部へ行く資材輸送道路整備というのが必要になる。そういう計画を入れて本部会場をきめようというふうに判断したわけでございます。
  74. 岡本富夫

    岡本委員 どうもこれは、どれくらいの従業員あるいは労働者、あるいはどれくらいの資材というものをきちっと綿密に計画をして、そうして輸送の計画というものをきちんと立てて——港湾だけできたらそれでもういいということではないと思うのです。したがって、ひとつこれははっきりした計画を立てないと、沖繩は御承知のように非常に台風の多いところですね。そうすると結局、思わぬ災害があったりして計画どおりいかない。こういうことをひとつよく考えた上において計画を立てなければならぬと思うのですが、そういった建設に関するところの全部の問題、輸送あるいはまた同じように港湾に荷物が揚がってもそれを運ぶ順番、そういったいろいろなものをコントロールするセンターが私はどうしても必要だと思うのです。それでなかったならば、大阪の万博でもああいうようなことがあった、それでも各社競ってやったわけですが、そういったコントロールセンターをどこに置くのか。これは沖繩の対策庁に置くのか、あるいはまた——海洋博協会では私はちょっと無理だと思うのですよ。そういったものできちっと私はきめなければならぬと思うのですが、そこまでまだ考えが及んでないのか、そのセンターをどこに置くのかということをまずお聞きしたいと思うのです。
  75. 本田早苗

    本田政府委員 実は、先ほど申し上げましたように、本部会場決定する際の大勢の判断として、可能であるという判断をいたしたわけでございますが、各省から担当者を先般派遣いたしまして帰ったばかりでございます。この現地調査の結果を総合調整しまして、今後の具体的な計画実施の方向をきめてまいる、こういうことに相なっておるわけでございますが、御指摘のようなセンターの必要性等もあわせて検討させていただきたいと存じます。
  76. 岡本富夫

    岡本委員 次に、この趣旨からしますと、沖繩はいままで基地経済にたよっておった。今度は本土へ復帰しますと、それが基地経済から観光経済あるいはまた第二次産業、第一次産業というような経済にたよらなければならなくなってくるわけでありますが、そのうちで観光経済について、いままではレジャーというものは大体見て歩く、万博会場でも見て歩く。こういうことから今度は動的、要するに何か動くという「見る」から「する」に変わってくると思うのですね。そのためには海水浴場あるいはまたヨット、釣り、そういった場所を海洋博施設の近郊に開発をしていかなければならぬのではないか。そういった面の予算措置あるいはまたそこまで考え計画なのか、これをひとつお聞きしたいと思います。
  77. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 まさに御指摘のとおり、この海洋博を展開いたしますにつきましては、やはり従来の見る博覧会というようなことから、これからは参加する博覧会という形に変えていかなければいけない、このように考えておるわけでございます。すなわち、観客が博覧会に参加していく、こういう方向で事業を展開してまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、先ほどお話がございましたようないろいろ海洋を利用いたしましたレクリエーション活動、そういったものが博覧会の中に十分盛り入れられるように、基本計画等につきましてこれから詰めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。基本計画一つの柱であると私ども考えておる次第でございます。
  78. 岡本富夫

    岡本委員 このテーマを見ますと、沖繩と本土との一体感の回復というような抽象的なことが出ておりますけれども、どういう方法でこの一体感の回復をするのか、これをひとつ具体的にお聞きしたいと思うのです。
  79. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  しばしば新聞で報ぜられておりますように、沖繩への旅行そのものが外国旅行手続に準ずるものを要するというような状態で、沖繩に対して現地を見る機会も少ない状況でございます。したがいまして、沖繩との関係におきまして、心理的には必ずしも身近に感じがたい状態があったわけでございますので、この際、復帰を記念して海洋博覧会を開催して、こちらの人が多数現地に行って現地の実情を見、博覧会を通じて沖繩の人とともに博覧会を楽しむ、沖繩を身近に感ずるということによりまして、復帰現実のものとして感じられるというふうに考える次第でございます。
  80. 岡本富夫

    岡本委員 考えてみたら、海洋博を開いて、そしてそこへ本土からたくさん来てもらう、ただそれだけのことなんですね。  そこで、これ一つ一つやっていると時間があまりありませんから、ちょっと急いであれしますが、いよいよ一九七五年の三月にこの海洋博が開催されたということを想定して、会場までの輸送ですね。たとえば本土から那覇へ行って、那覇から本部町、こういう輸送道路あるいは港湾あるいは空港施設、あるいは汚物の最後の終末処理、食糧、電力、水道、宿泊、こういうのに約四百万に近い人たちを受け入れるわけでありますけれども、これが完全に十分であるのかどうか、このほうの計画について一つ一つ答えてもらいたい。
  81. 田中芳秋

    田中(芳)政府委員 会場それ自体の運営にかかわります諸施設、なかんずく電力あるいは水等の問題につきましては、海洋博協会を中心に運営の遺憾なきを期するように検討を進めておるところでございます。もちろん、これは協会自体の力でできるわけではございません。電力事業の送電線等を含めます各種施設の増強につきましては、沖繩電力株式会社の協力をまたねばならないところでございますし、   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 上水等につきましては、先ほど海上淡水化等のお話もございました。これらも含めまして供給を確保するということにつきまして、私ども政府内部では、厚生省がこれを主といたしまして検討を進めておるところでございます。  道路につきましては、建設省が調査団を派遣をいたして、先ごろ帰着したばかりでございます。いま報告をまとめておるやに聞いておりますが、沖繩本島縦貫道路につきましては、所要の期間から見ましてこれは困難であるというような状況やに伺っております。したがいまして、国道一号線の拡幅等によりまして十分これに対処するように、諸般の準備を進めたいというふうに考えておるようでございます。しかし、この点につきましてはなお建設省としても検討を進めてまいりたいという考え方と聞いております。  なお港湾につきましては、運輸省港湾局が参っておりますので、お話を港湾局のほうに譲りたいと思いますが、いずれにいたしましても、こうした関連施設の斉合的な整備博覧会の成功の重要なかぎの一つである、このように考えておりますので、私ども政府といたしましても、内部におきます連絡体制及びその推進体制の一そうの強化につきまして、今後検討、努力してまいりたい、このように考えております。
  82. 岡本富夫

    岡本委員 あなた一人で答えるんじゃないんだよ。あと、運輸省それから建設省来ているでしょう。そっちから答えてもらいたい。
  83. 竹内良夫

    ○竹内説明員 運輸省港湾局といたしまして考えておりますことは、この博覧会が始まりますと、旅客の問題と、それからこの海洋博を開くための施設の輸送と、二つあると思います。  で、施設につきましては、まあ、貨物の輸送につきましてはすぐやっていかなくちゃならぬ、それから旅客につきましてはこの会期中に間に合わせなくちゃいかぬ、こういうことになると思いますが、現在、旅客の輸送といたしましては、那覇の現在の港ではたぶん間に合わなくなりますので、那覇の新港に大型の岸壁をつくっていかなくてはいけないというように考えております。それから、本部半島に、今度は本土からでなく、沖繩の各地あるいは那覇の方面から来るという海上輸送に対しましては、この付近に渡久地港という港がございますので、この渡久地港を再検討して対処していきたい、これは時間的にも間に合わせたいというふうに思っております。  それから貨物輸送につきましては、現在運天港というのがこの本部半島の東にございますが、マイナス六メートルの岸壁があるだけでございますので、これに少し、たとえば約五千トンくらいの船が着くような形に整備をしていきたい。これも早急に着工しなければいけないというように考えております。  なお、それらの港からこの博覧会の行程は道路で結ばれると思いますので、これは建設省のほうとよくタイアップしまして、建設省のほうにお願いしなくちゃいかぬというような段階で、港のほうとしては間に合わせたいと思っております。
  84. 岡本富夫

    岡本委員 建設省まだ来てないですね。——建設省来たら答えてもらいますが、運天港のしゅんせつ、これはいつからやるのか。それから、那覇の新港の改修、これはいつからやるのか。これをひとつ明らかにしておいてもらいたいのです。
  85. 竹内良夫

    ○竹内説明員 那覇の新港につきましては、すでに現在沖繩政府のほうで工事にかかっておりまして、それに対して本土のほうも援助をしております。これは継続的にやってまいります。(岡本委員「完成はいつになるか」と呼ぶ)いま明確にはちょっとお答えできませんけれども、四十九年度には間に合うと思います。  それから、運天のしゅんせつにつきましては、現在、先ほども申し上げましたようにマイナス六メートルまでは入れるわけでございますが、その航路につきましてやはり調査をいたしまして、それをしゅんせつしていく。これは四十七年度から、この国会で御審議の上かかっていきたいというように考えております。(岡本委員「工期」と呼ぶ)現在調査をいたしまして、やはり測量、それから土質でございますね、そういうものをわかった上でないと正確な工期はわかりませんが、とにかく会期には間に合うようにいたします。   〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕
  86. 岡本富夫

    岡本委員 本田局長、いまお聞きのとおり、那覇の新港が四十九年、それから運天港、これもぼくちょっと見てきましたけれども、これも相当かかりますよ。だから、実際に資材を運ぶ、こういうことになってくると、まずそういった面に一番大きな支障がくると思う。ですから私は、このあと建設省に聞いたらもう一つ明らかになってきますけれども、ぼくはずっと視察してきまして、相当これは——あと三年しかないのです。しかも、三年三年と言うけれども、結局ほんとうにこの会期までにやるというのは二年なんですよね、プラン立てなければいけませんから。ところが、二年で全部工事を完成しようとすると、その間、台風、いろんなものを見ますと、もう突貫工事、突貫工事。同時に今度は、そうした従業員の皆さんや労務者の皆さんの宿泊する施設、こういうものを一つ一つほんとうにこまかく検討した上でないと、私は、思わぬ、一九七五年の三月にはできなかったという大失敗があるのではないかということをつくづく、これをずっと見まして心配をしておるわけです。ですから、このセンターは検討すると言わずに、ほんとうに全部の中心になって、しかも、さいぜん参事官が、この海洋博協会にまかせるというようなことでしたが、協会ではそんな力ございませんよ。したがって、この計画については、各省にきちっと命令できるような強力なセンターが必要であろう。時間がありませんから、それをもう一ぺんお答えを願いたい。通産大臣にこれは念を押さなければならぬ。
  87. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  関連公共事業でございますから、協会でこの計画調整を行なうということにはまいらぬということ、これは御指摘のとおりだと思います。計画調整につきましては、去る三月二十四日に、日本のこの沖繩海洋博覧会の開催につきましては、各国から異論がございませんということでございましたので、開催についての資格は確定いたしました。したがいまして、この段階になりますと関係閣僚協議会を設置することを考慮いたしまして、関係閣僚協議会で御指摘のような問題の総合的な調整調整に基づく指示、こうしたものができるような体制は早急に設置することを考えてまいりたいというふうに考える次第でございます。
  88. 岡本富夫

    岡本委員 もう時間があれですね。そこでもう一つ提案し、お答え願いたいのですが、先ほどわが党の松尾委員から質問がありましたように、物価対策、この間大阪の万博をやったときに、万博協会というのは、企業から権利金を取って、そしてさらにいろいろな商品を売るところから、売り上げ税のような一つの何かを取るというようなことには力を入れる。しかし物価対策ということに対しては、全然それはもう無力であったように思うのです。そこで、沖繩のこの海洋博が、海洋博を開いたために物価値上げ博——大阪でも、あれからすべてのものが上がって、そのまま下がらないのですよ。こういう沖繩全島に物価値上げを推進するような海洋博になっては私はならないと思うのです。したがって私は、この物価対策についてもきちっとした物価対策委員会というようなものを——これはこの協会の中に置いたって全然だめです。ですから、沖繩対策本部にそういったものをきちっとつくらなければならぬ、こういうふうに思うのですが、どうですか、その点については。
  89. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、大阪万博のときには生鮮食料品の一時的な値上がりが問題になりましたために、その対策としていろいろ措置をとったという経緯がございます。今回は、この先例に照らしまして、事前にそうした準備をいたしまして、大阪万博の轍を踏まないようにいたしたいと存じますが、あの大阪の場合は近畿農政局が中心になりまして、野菜指定産地あるいは生産出荷協議会、中央卸市場の駐在員会議あるいは畜産物の需給関係者協議会等々を開催いたしまして、産地に出荷要請し、あるいは、あのときはタマネギがかなり値が上がったわけでございますが、台湾からの輸入のワクをふやした、あるいは肉類については割り当てをふやしたというようなことをやったわけでございます。また水産物につきましては、水産庁が中心になりまして、水産物の需給関係協議会を開催しまして、冷凍魚の放出あるいは出荷の計画的な調整等をやったわけでございますが、今回はこの轍を踏まないように、農林省のほうでも、市場の整備あるいは冷凍冷蔵施設整備あるいは冷凍コンテナ船の配置等、事前に計画をして、御指摘のようなことのないようにいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、御指摘もございましたので、さらに十分検討をいたして十分な準備をできるようにいたしたいというふうに存じます。
  90. 岡本富夫

    岡本委員 そんななまぬるいことではだめだと私は思うのです。ですからやはり沖繩対策本部に物価対策本部というようなものをつくらなければならぬ。なぜかと申しますと、大阪のような、すぐ周辺から物資が集まるようなところでさえそうです。まして沖繩においては、沖繩の物産、それからたとえば米のほうを見ますと、米は大体五万トン年間送っているわけですよ、日本から——日本というとおかしいけれども、本土から。その食糧につきましても、いままで百万のところに三百万から四百万、これは半年間ですけれども、そうするとそれを倍にしたらもっと大きな需要になると思うんですよ。あるいは小麦粉 そういった物資、それからみやげ品の計画、これもおそらく外国から輸入したものを買って帰るということもあると思うんですね。しかもまた、今度は沖繩の物産をみやげにして外国人が持って帰ると思うんですよ。どんどん行ってみたけれども、売り切れて、なかった。これは大阪の万博のときも、腹を減らして食堂に行ったら、もう売れて何もない。大阪の場合、ちょっと出てそこで食べればいい。しかしあの本部村の付近を見ましても、寄るところがないのです。委員長も一緒に行きまして、ちょうど夕方、大ぜい集まって、ここに会場を設けてくれ、こういうことであったけれども、ずっと見ましたらほとんどもういなかですから、そういうようなことを考えますと、これは相当な食料品のコントロールあるいはみやげ品、いろいろなものに気を配ったところの、そういったきちっとした対策本部がなければ、私は、これはたいへんなことになると思うのです。それでまた、もしも台風があった、そのためにお客は帰れないというときには、もう二日も三日も泊まらなければならぬ。あふれる。結局、外国人あるいはまた本土から行った者が、何だ、沖繩に行ってえらい目にあった、腹減った、どうしようもなかった、食いものの恨みというものはたいへんですよ。そういうことを考えますと、そういったいろいろな、すべてのところをきちっとコントロールするところがなければいかぬと私は思うのです。それをやはりこの沖繩対策本部の中に置くとか、物価対策あるいはまた物資の対策ですね。不足だと言ったときに早く輸入をしてちゃんとするとか、これを大阪では民間が全部やったわけです。そうなりますと、もうがちゃがちゃしてきちっといかないと思うんですよ。民間の人たちだって、おそらく売れるか売れないかわからないものを、輸送費をつけて持っていくわけにいかないですよ。そうした推定をつけてきちっとやっていくところの、そういった対策本部というものが私は沖繩においてはどうしても必要だと思うのです。そういう強力なところの対策を立てる本部をつくるのかどうか。これは協会では無理です。その点、もう一回ぼくは大臣にも念を押しておこうと思ったのですが、あなたのいまの考え方構想を聞かしていただきたい。
  91. 本田早苗

    本田政府委員 御指摘のような事情の会場地点でございますから、緊急の食糧その他いろいろ考えねばならないと思いますので、御指摘のような点については十分検討さしていただきたいと存じます。
  92. 岡本富夫

    岡本委員 政務次官、ちょっと向こうを向いているから……。いまお聞きになったと思うのですが、この海洋博の担当の責任省になるわけでありますから、先ほど申しましたように、物価の値上がり対策あるいはまたいろんな外国品の輸入、お客が行ったけれども全然なかったというようなことになったんじゃこれは話になりませんし、台風の問題も考えなければならぬ。そういったすべてのものをきちっと対策を立てる対策本部というものをはっきりつくるのかどうか、これをひとつ通産大臣にかわって明示してもらいたい。
  93. 稻村佐近四郎

    ○稻村(佐)政府委員 先ほど局長が答えましたように、大阪万博がいい参考になっておりますので、その轍を踏まないように、食料品の場合についてはやはりいまから対策を考えなければならぬと思います。ただ大阪の場合には、閣僚会議、その中で推進本部というのが各省次官クラスで設置をしておった、こういう関係がございますので、これをひとつ参考にして、いま岡本さんが御指摘の問題もこれは今後検討に値するものではないか、こういうように考えております。
  94. 岡本富夫

    岡本委員 これは大臣が来たときにはっきりまたお聞きすることにしまして、建設省が来ましたからちょっともう少しお時間をいただいて、建設省、ちょうど本部の向かいに瀬底島、こういうすばらしい島があるわけですが、そこに橋をかける計画があるのかどうか。  それからもう一つは、ちょうどこの前委員会で、いまここにいらっしゃる委員長を中心にして回ったときに、本部のすぐそば、海浜のところに採石場がありまして、その採石場からきたない水がどんどんどんどん流れて、ちょうど今度の会場の付近になるところの約二キロにわたって汚濁しておる。あそこに会場を設けたときに、外国から来れば、このきれいな沖繩を特にきたなくしておる、要するに公害のたれ流しの採石場を横に置いて、本土はこんなにきたなくなるんです、こういうようなサンプルにしなくてもよいと私は思う。だから、この採石場の汚濁防止と、それから先ほど質問しました瀬底島の橋の問題、この二つの問題をきょうはお聞きして、次の機会に送りたいと思います。
  95. 三浦孝雄

    ○三浦説明員 ただいまの採石場の関係のお話についてお答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、あの二カ所におきまして相当現地が荒れておりまして、海岸地域にも相当の濁流を出しておるということを聞いておるわけでございますが、これにつきまして、現在は建設省といたしましては海岸法を所管しております立場といたしまして、せんだって琉球政府の建設局長に対して善処すべきことを実は要請しておるところでございます。今後会場地域の一環として、当然この地域の保全を十分はからなければならないと考えております。これにつきましては関連公共事業の整備という側面からも含めまして、建設省所管事業を十分にやっていきたいというように考えておりまして、現在会場周辺地域を含めまして、関係施策の取りまとめを急いでおるところでございます。  なお瀬底島との連絡につきましては、地方道課長から御答弁申し上げます。
  96. 高木澄清

    ○高木説明員 瀬底島の架橋問題につきましてお答えいたしたいと思います。  この架橋は市町村道でございまして、延長も三百メートルになる非常な長大橋でございます。したがいまして、調査を進めておりますが、できますことなら四十七年度から着工する予定で現在検討中でございます。できるだけ着工するように持っていきたいと思っております。
  97. 岡本富夫

    岡本委員 それで三浦計画課長ですか、そんななまぬるいことではだめだと思うのです。ましてや向こうの採石工場にしましても、資金の面で非常に薄弱であろうと思うのです。したがってやはり相当な資金融資をして、そしてあの問題は解決しておかないと日本の恥になる。同時にまた、海洋博会場のそばでああよごしておったのでは、ほんとう海洋博をつくった意味がなくなってしまう、こういうようにも思うわけです。それで強力にひとつ進めてもらいたい。  次に、食糧庁次長いまごろ見えたので一つ……。  沖繩は本土から約五万トンぐらい毎年米を輸入しておるらしいのですが、この海洋博をやると相当なお米が必要になると思うのですが、どのくらいのお米を日本本土から送るのか、またその保管倉庫、こういうものもきちっと計画をしておるのかどうか、この一点を聞いて終わりたいと思います。
  98. 中村健次郎

    中村(健)政府委員 お答え申し上げます。  相当の人口の増加があり、消費がふえるということでございますが、どの程度になるか、その点につきまして担当の省とよく打ち合わせをいたしまして万全の措置をとって、米の不足、そういったことがないようにいたしたい、このように思っております。  倉庫も現在かなりの倉庫がございまして、これから復帰いたしましてからの食糧といたしましては、一、二カ月の操作用のお米を置いて操作をする予定にいたしておりますが、なおそういった特別の需要のある場合には、それに応じて対策を考えていきたい、このように思っております。
  99. 岡本富夫

    岡本委員 時間がありませんのでもうこれで終わりますけれども、あんな答えでは話にならないと私は思うのです。要するに何の計画もまだできていないということなんですね。ひとつはっきりした計画を立ててもらいたい。またもう一ぺんやることにします。
  100. 鴨田宗一

  101. 米原昶

    ○米原委員 社会体制のいかんを問わず、あらゆる国と平和共存の関係を強めていく、そういう意味であらゆる国との経済、文化、科学技術の国際交流を促進する、そういう趣旨で今回の沖繩国際海洋博覧会が成功することを私たちは望んでいるものであります。そういう趣旨で考えますと、大体五つほどの基準を私たち考えているのです。  第一に、資本主義国、社会主義国、新興独立国を問わず、すべての国に対して博覧会への招聘状を出してもらいたいということでございます。一部の国を排除するようなことをしないでもらいたい。  それから第二に、主催国や参加する国、ことに大国が大国の権威を印象づけようとしたり、植民地主義の鼓吹などを持ち込まないようにしてもらいたい。  第三に、各国が対等の原則で参加して、その運営も民主化していただきたい。  第四に、すべての参加国がその経済産業、文化、科学技術のすぐれた伝統と新しい成果を展示して、これによって諸国民の海洋科学技術の向上と友好関係の増進に役立つものにしなければならないということ。  第五に、海洋博が一握りの大資本家の利益を中心とした事業となったり、国民、特に開催地域、沖繩の住民や自治体に重い超過負担を押しつけるようなものであってはならない。こういうことを私たち考えております。  そこで、まず初めにお聞きしたいのですが、外務省の方かあるいは次官から答えてもらいたいと思うのですが、今度の海洋博はその目的からしてできる限りたくさんの国を招聘する必要があると思いますが、何カ国ぐらいを招聘される予定かということであります。つまり前回の万博のときには、御存じのように幾つかの、具体的に言いますと、お隣の中国とかベトナム民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国とかドイツ民主共和国とか、いわゆる社会主義国が招待されなかったということなんですが、その点で法律的にどうなるのかと私ちょっと調べてみたのです。国際博覧会に関する条約を見ますと、招聘は外交経路を通じて行なうということになっておるので、外務省で、日本がやるわけでしょう。その条項を使ったらしいのですが、つまり私は初めは博覧会の条約に参加している国だけに招待をするのかと思っていたところが、条約に参加している国はわずか三十五しかない。実際は百二十三の国に招待をされたわけですね。つまり国交を結んだ国は全部されたわけだと思うのです。それで国交を結んでないということで社会主義国にはされなかった。ただ、そのときに通産省で出しておられる公式記録にちゃんと出ているのですが、三木さんが最初に担当大臣のときの発言です。これは記録にもちゃんと載っておりますが、一応そういうふうにしたけれども、国交を結んでない国についてもできるだけ招聘するようにしたいのだ、いますぐにはできないけれども、二段階でも考えてできるようにしたいのだという意思表示も当時しておられます。あのときと情勢は非常に変わってきておるわけです。中国との国交回復もすでに問題になっておりますし、それから北ベトナムにも先日は外務省の人が行かれたのですし、何らかの方法でこれらの招待はできるのではないか、そういう時期が来ているのではないか、また今度の海洋博はそういうことをやる機会にすべきじゃないか、そういうふうに考えるわけです。この点について見解を聞きたいのです。
  102. 手島れい志

    ○手島説明員 沖繩海洋博開催の基礎となっております国際博覧会に関する条約の第五条によりますと、先生も御指摘のとおりに外交上の経路を通じて招請するのだということが書いてあるわけでございます。そこで、私どもといたしましても沖繩海洋博にはできるだけ多くの国に参加してもらうことが望ましいという観点から検討をしておるわけでございますが、ただ外交上の経路を通じて行なうということがありますので、外交関係のない国、つまり日本が承認していない国については技術的に問題があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  ただ、先ほども申しましたように、わが国としてはできるだけ多くの国が参加することが望ましいということが方針でありますので、今後も国際情勢の発展なりを考慮に入れながら、さらに検討を続けていきたいと思っております。
  103. 米原昶

    ○米原委員 確かに条約にはそのことが書いてあるのですが、同時に、通産省で出した報告の中にはっきりその解釈も出ているのです。そして博覧会の国際事務局の見解としては、どこを招待するかは主催国が決定すべき問題である。だから日本が招待したければどこを招待してもいいのだということが国際条約の解釈なんです。これは日本の解釈というより国際的にそういう解釈になっていることをここにも書いております。そういう意味では、まだ外交関係を結ばれていなくても、これは明らかにそのときの情勢によって日本の判断でやればいいことだということをまず原則として考えなくちゃならぬ。そういう立場から、そして現在の国際情勢の急激な変化の中であらゆる国との平和共存の関係を樹立していくという方向に大体向かっておるのですから、そういう意味でもこれは慎重に考慮すべき問題ではないかという点についてひとつ次官答えてください。ほんとう大臣に答えてもらうべきことなんですが……。
  104. 稻村佐近四郎

    ○稻村(佐)政府委員 今度の海洋博は世界最初海洋テーマとする特別博でありますから、中国の問題に限ってお答えしたいと思いますが、中国が参加をするということは、私はたいへん意義が大きいと思います。これは三年後ですから、そのときにはまた中国との関係も相当好転しているのではないか、こういうふうに考えます。そういう意味合いから、できるだけ参加を呼びかけるのがいいのではないか、こういうふうに考えております。
  105. 米原昶

    ○米原委員 それではそれを強く要望しておきまして、その次に通産省のほうにお聞きしたいと思うのです。  海洋博は開催地である沖繩県民意見が十分に反映されたものでなければならない。そしてあとの利用についても県民が有効に活用できるように周到な検討と準備が必要だと考えます。運営の主体である協会の役員は六十四名中沖繩関係者が十二人、一応沖繩住民の意見を反映できる立場にある人がわずか四名にすぎない。この点だけを見ますとこれでは全く不十分であるように思われるのです。そういう意味で、沖繩県民の意思が十分反映されるような保証がほかにあればその点を説明していただきたい。
  106. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  いま御指摘いただきましたのは理事の構成であろうかと存じますが、理事会で事業計画等をそのままきめるのではございませんで、事業計画委員会、あるいはテーマ委員会というふうにそれぞれのサブの委員会でいろいろきめるわけでございますので、その際にはいま御指摘のような比率で考えておるのではございませんで、やはり地元意見を十分聞けるようにいたしたいと思いますし、それから御指摘のような非常に大きな会議としてやるのでございませんで、それよりむしろはるかに小さい規模委員会の中で地元の方に入っていただいて意見を出していただく、こういうつもりでおりまして、地元意見は十分反映できるようにいたしたいというふうに考えております。
  107. 米原昶

    ○米原委員 それではこまかい点はまたあとで小委員会のときにでもお尋ねいたします。  先ほど他の同僚議員からもいろいろ出ておりますが、非常に物価が上がるのではないかということがあそこの現地に行ってすごく感ずることです。大阪の万博のときもそうだったといういろいろな事例があげられましたけれども、大阪の万博とは比較にならないほどあそこの条件ではインフレを起こすのではないかという感じがするのです。沖繩はふだんでも肉、野菜、米、日用必需品の大部分を本土から輸入しておるわけでありますが、発表されている資料を見ましても、大体三百六十万人ですかの人が来るだろうというのですから、一気に平生の人口の三倍、四倍近くなるわけですね。その中で一体どういうふうになるだろうかということが一番心配なんです。食料品や日用品を中心に大幅な物価高になるのじゃないか。そして、これに加えて会場建設のための労賃の値上がりや資材の調達で全般的にインフレ傾向が出てくるのじゃないか。  そこで伺いたいのですが、実はこの問題で沖繩現地でもずいぶん問題になっていると見えまして、二月二十六日付の沖繩タイムスで、海洋博について座談会をやっておる。そこに会長の大浜さんが出ておられるのですが、大浜さんがえらいことを言っちゃってるのです。これは沖繩でもだいぶ問題になっているのです。物価が上がるのじゃないかというので、これはよほど手を打ってもらわないと困るという意見が参加者の中から出ているのです。大浜さんはこう言っておられるのですよ。「沖繩を一地域と見ればそうなるかもしれないが、沖繩日本の一部であり、大きなプラスをもたらす反面のマイナスは避けられないのではないか。」もう初めからマイナスが出てくるのは避けられないのだからというぐらいな程度のことを言っておられるのですね。これかだいぶ沖繩でも問題になっているようです。これじゃちょっと、会長がこんなことを言ってくれたのでは困るので、よほどこれは手を打たなくちゃならないのだと思うのですがね。そういう点でどうお考えになるか。こんな発言はほんとうは会長さん、取り消してもらったほうがいいのですが、こういう点について通産省ではどう考えておられるか。また経済企画庁のほうは、この問題でどういうふうに具体策を持っておられるか。この点をひとつ聞いておきたいと思います。
  108. 本田早苗

    本田政府委員 三百六十万の入場者を予定しておるわけでございますが、これは延べ人員でもございますし、それから滞在日数も必ずしもぶっ通しでないということでございますので、需要の増加は数字のままではないわけでございまして、その点御理解いただきたいと思いますが、それでも大阪の博覧会のときに、あれだけの大きな人口のところであれだけの観客が行ったためにかなり物価に影響したという実情がございますから、これに対しては万全の準備体制をとる必要があるというふうに考えます。特に地元に悪影響が残らないための措置は十分とってやるべきであるし、そのための対策を検討を進めておる次第でございますので、先ほどお答え申し上げましたように、できるだけそういう現象は避けねばならないことでございますから、十分な対策を用意いたしたいというふうに考えます。
  109. 米原昶

    ○米原委員 それと同時に、もちろん延べ人員が三百六十万人予定されているわけですから、実際の消費がそれだけ上がるということじゃないとは思うのですが、しかしもう一つその問題と関連して運輸のほうです。とにかく平均しても一日二万人が入場することになるわけですね。そうすると、あそこに行ってみてあそこの事情を見ますと、これは二万人の人をどんなふうに運ぶのだろうかということを感ずるくらいおくれたところです。あれがたとえば嘉手納の飛行場を開放されれば非常に簡単ですよ。それはおそらくできないでしょう。そうすると本土から大体那覇に上陸しますが、一部は直接海洋博会場に入れるようにするのかもしれませんが、大体那覇に汽船や飛行機で行く。あそこから運ぶとなりますと、これはバスだけでもたいへんな量じゃないか、毎日動くのは。ですから入場者の輸送体制ですね。自動車、船、航空機、港湾、空港、そういうものはどんなふうなやり方でやられるのか。現地のほうは、とにかく博覧会をやられれば、いままでひどい道路が直してもらえるだけでもいいのだといっております。そういう体制の問題ですね、これをお聞かせ願いたい。
  110. 高橋寿夫

    ○高橋説明員 お答え申し上げます。  いま先生御指摘のように、あの狭い島であり、またそこにたいへんな人間が押し寄せる。かつ現在の道路整備状況その他を見ましても決してよろしくないという状況でございます。なおまた開催までの期間はかなり短いという状況でございますので、私ども一体何人くらい毎日運ばなければならないのかというふうな数字をまず固めることから始めまして、おそらくそれらの輸送は道路によるものがおもだと思います。したがってバスをどのくらい走らしたらいいのかという問題もありますし、道路以外にたよるべき交通機関は海運だと思いますけれども、これもそう道路ほど多くは期待できないのじゃないかという気がいたしますが、この海運関係の輸送力を整備するためには、会場付近の港湾整備あるいはこれに必要な船舶の整備等の問題がございます。空路につきましては、現在のところは那覇空港から現地近くの空港まで運ぶことはまだ考えておらないわけでございます。しかしこれも検討問題でございますので、あるいは運ぶようになるかもしれませんけれども、やはり何と申しましても一番大きな輸送の経路は自動車によるものである。特にバスによりまして運ぶという点が主になると思いますけれども、この点につきましては道路整備関係の進捗状況その他とも関連いたしまして、運輸省といたしましては関連のバス車両の整備等に万全を期したいと考えております。
  111. 米原昶

    ○米原委員 それから、そういう運輸の体制を整えるためにもさしあたって一番重要なのが道路整備と宿泊施設整備だ、こう思うわけです。こういうこともあの状態ではまだほとんど手がついてないようですから、こういう点についてお聞きしたいのと、それから自治省のほうには、会期中の消防の体制ですね。これもたいへんな問題になるのじゃないか。あるいは厚生省のほうには、医療救急体制ですね。こんなものはどんなふうに考えていられるのか。とにかくお話にならぬほどいなかですよ。あそこに三百六十万という人が来るとするとたいへんなことになる。そういうこともごく簡単でいいですから、考え方をお聞きしたい。
  112. 山中和

    ○山中説明員 ごみ処理、廃棄物処理の問題について申し上げます。  現在一日の増加人口として大体二万人の計算をいたしております。一日のごみの量として大体二十五トンが日常生活より上積みされる、こういうふうに考えておりまして、そしてこれからの沖繩における整備計画とかね合いまして、現在名護市、それから本部町に計画がございます。それにつきまして、これが処理できるような規模の増大というようなことを期待いたしまして、なお来月の上旬に沖繩担当官が参りましてこの点についての計画現地と作成したい、こう考えております。
  113. 矢筈野義郎

    ○矢筈野説明員 お答えします。  海洋博の開催地が特に消防力の貧弱なところでございまして、私ども非常に憂慮しておりますが、消防施設整備計画を立てまして、消防署あるいは出張所等をどのように配置するか、その他消防車、救急車の配備等を含めまして一体的な対応に応ずるよう県及び町村を指導してまいる所存でございます。なお消防体制の検討につきましては、特に観覧者が多数にわたりますので救急問題を重点的に整備をいたしまして、名護市を中心として一部事務組合等の結成等をも考慮しながら広域的に体制整備していく所存でございます。そのために県に特に対策本部を設置させまして、積極的に国のほうから取り組んでまいる所存でございます。
  114. 木暮保成

    ○小暮説明員 ただいま消防庁のほうからお話がございましたけれども、内地の消防法の施行に伴いまして、救急医療体制も内地に準じて整備をはかってまいりたいと存じておりますが、沖繩の場合には、本土に比べまして医師の充足率が人口に比例しまして本土の約五〇%、ベッドも六〇%というような状況でございますので、全体の医療供給体制の充実の一環としまして博覧会の救急医療体制考えてまいりたいと思っております。
  115. 米原昶

    ○米原委員 結局いろいろなことが必要なわけですが、そういう意味でのたいへんな公共投資が必要になるわけですね。そうしますと、それに伴って私が心配しているのは、沖繩の地方自治体の負担がやはりかなり大きなものになるんじゃないかということです。御存じのように現在ただでさえ財政状態はきびしい状態にあるわけです。この海洋博をやること自体にはもちろん賛成なんですけれども、非常におくれたところでたいへんな公共投資をやらなくちゃならぬ。そのときに自治体にあまりにも負担させると、もう耐えがたいものになってくるんじゃないかということなんです。この点どういう措置を自治省として考えておられるか、このことを最後的に聞きまして私の質問を終わりたいのです。
  116. 近藤隆之

    ○近藤説明員 今度の海洋博に関連いたしまして関連公共投資が膨大なものになることが予想されるのでございますが、現段階においてその全貌がまだ判明いたしておりません。これから各省寄り寄り協議いたしましてその全体がきまっていくことだろうと思いますが、その場合、沖繩はこれまで行なわれました万博の場合とはまるで地方団体の財政事情等が違いますので、そういった沖繩の特殊事情、財政力、そういったものを考慮いたしまして、どこが事業をやるのか、どういった負担区分でやるのかということを慎重に検討する必要があろうかと思います。沖繩の地方団体の財政に禍根が残らないというような見地で自治省としてはその調整に当たっていきたいと思っています。
  117. 鴨田宗一

  118. 岡本富夫

    岡本委員 大臣が入場されましたのでひとつお聞きします。  先ほどから議論をやっておりました物価対策でありますが、御承知のように大阪の万博のときも非常に物価が上がりまして、私も大阪に近いわけですが、上がると今度は下がらないというのが現代の物価の姿であります。まして沖繩は本土から離れておりまして、輸送あるいはいろんなものに相当手間がかかるところでありますし、しかも沖繩におけるところの物産というものは大体限定されておるということで、相当需給のバランスが——百万県民の中に今度は三百六十万からあるいは四百万行くのではないかということになりますと、この物価対策については特別な配慮が必要ではないかと私は思うのです。海洋博協会にこれを依存するということは無理であろうと思うのです。大阪の場合も実は閣僚会議あるいは次官会議、こういうことをやって相当いろいろ手を打ったらしいのですけれども、結局それは現実にはならなかったという点を踏まえまして、特に沖繩にこの物価対策の委員会というものを、本部ですか、そういうものをつくっていかなければならぬのではないかということが一つであります。  同時に今度は、ああいった島でありますから、沖繩に参りまして海洋博のあとでみやげものを買って帰る、あるいはまた、そういった本土の物資と沖繩の物産、外国からの輸入、こういうものに適切な配慮をするコントロールセンターが必要じゃないか、こういうように思われますので、そういうものを沖繩対策本部の中に置くか、あるいはまた別の対策委員会を持つのか、こういった面を一つだけお聞きしておきたいと思うのです。
  119. 田中榮一

    田中国務大臣 大阪万博におきましては関係閣僚協議会の設置、それから博覧会担当大臣の設置、次官クラスによる推進本部等を設けたわけでございますが、確かに大阪万博中は生鮮食料品の値上がり等がございまして、多少後手後手の問題もございました。今度は、大阪万博というような大きなものを経験しておりますから、経験しておって沖繩海洋博覧会に失敗を来たすというようなことでは、おしかりを受けることは当然でございますので、経験に徴して万全の処置をとってまいりたい、こういう考えでございます。調整センターというか、調査センターというか、そういうものが必要であればつくることにはやぶさかではありません。これから、きょう閣議に報告をいたしまして、きのう付で駐仏大使から、四カ月の間に異議の申し立てがなかったので、日本に確定をいたしました。あとは五月二十五日に登録申請を行なうということが残っているだけになりましたので、出展要請をするとか、その他万博遂行に必要ないろいろな問題に対して、大阪万博に徴して遺憾なきを期してまいりたい、こう思います。特に生鮮食料品とかいろいろなものがございますが、そういうものには万全の対策をとってまいりますことを申し上げておきたい、こう思います。
  120. 岡本富夫

    岡本委員 万全の対策をとるために、大阪ですと近県からすぐに車でもトラックでも運べたのです。ところが沖繩というところは、様子がちょっと地理的に違います。しかも、沖繩のみやげを持って帰ろうとかそういういろいろなことがございましょう。したがいまして、そういうものを総合してすべてコントロールするところ。それから、御承知のように、われわれ当委員会審議したときに、たとえばうどんあるいはどんぶりもの、こういう万博会場で売られるものは値段が非常に高かったのですよ。やかましく言うて少し下げましたけれども、これは通産省でやってもらったわけです。大阪でさえさっさとうまくいかなかったわけですから、特に私は提案をしておるのは、そういった物価対策調整委員会とかそういうものを特につくってもらってやらなければ、万全の対策にはならない、私はこういう提案を申し上げておるわけでありますから、そういうのをつくるにはやぶさかでないということであれば、やぶさかでなければつくったらいいと私は思うのですが、いかがですか。
  121. 田中榮一

    田中国務大臣 物価が上がらないように万全の対策をとります、こう申し上げておるわけであって、しかも対策センターというようなものを必要であればつくることにやぶさかでない、こう言っておるのですが、もっと明確に答弁せよというなら、つくってもけっこうでございます。実効があがるように十分考えてまいります。特に沖繩は特殊な要件にありますから、九州でも生鮮魚介類のその期間における需給のバランスをとるように事前に調整をしなければなりませんし、沖繩に運ぶ専用船等の特別な船の建造等も考えなければいけませんし、沖繩のみやげは多少値上がりをするくらいなことは、二十六、七年間も沖繩は苦労してきたのですから、需要が多少多くなって少し値上がりをするくらいなことはいいと思います。しかし、こちらから行ってタマネギまで上がるような状態では困るので、バナナを台湾から入れるとかいろいろなことをやりまして、もうおほめをいただくようにやりたいと思います。そのために必要であればセンターの設置は考慮いたします。
  122. 鴨田宗一

    鴨田委員長 中村重光君。
  123. 中村重光

    中村(重)委員 きょうは大臣予算委員会の総括でこの委員会へ出られないと思ったので、いろいろと資料でもってお尋ねしようと思ったのだけれども何も持ってきていません。そこで調査室から出していただいております資料を見ましてお尋ねするのですが、沖繩海洋博の参加国が見通しとしてどうなるだろうかということは私どもも関心事であるわけです。国際博覧会条約でもって日本が三十二番目の締約国になっておるわけですね。現在何カ国が加盟しているのかわかりませんが、万国博覧会では、国際博覧会条約の加盟国はたしか三十四カ国であった。それに対して全体の参加国は七十六九国であって、国際機関が四つであったわけですが、そうなってまいりますと、見通しとしてどの程度になるであろうかということが一点であります。  いま一つども大臣にぜひ伺っておきたいことは、締約国でない国々を結局外交ルートでもって招請をすることになるわけですから、大臣としては、端的に申し上げますが、中国をはじめ共産圏諸国その他締約国でない国々に対して招請をする御意思を持っておられるのであるかどうか、この点をひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
  124. 田中榮一

    田中国務大臣 まず第一の問題でございますが、参加国は幾らになるか、大阪の万博七十六カ国でございますが、沖繩博のような特別博というようなものはいままで二十カ国ぐらいが大体のところだったそうであります。しかし世界で初めての海洋博覧会、こういうことでありますし、近ごろとみに海洋工学、海洋科学という問題が表に出てまいっておるわけでございますし、この間カナダの大臣が参りましたときに、やはり海洋工学というものをわれわれも一番考えておる、いままでの考え方よりもはるかにウエートが高い、こういうことでございます。きょうからいよいよ出展の準備等をいたしまして、五月二十五日に届け出を行ないますと、政府としては直ちに参加を加盟国に要請するわけでございますので、二十カ国などと言わないで、先ほど二、三十カ国と言っておしかりを受けたようでありますが、これはほんとうに大阪万博のように七十六カ国でも参加していただくように精力的に勧誘を行なってまいりたいという基本的な考え方だけを申し上げておきます。  それから第二に、中国が出展できるかどうかという問題でございますが、これはいまの万国博の協定によりますと、加盟国でなければならぬということになっておるようでございます。しかし外交というものは、日中間でいま国交の正常化に鋭意努力をいたしておる状態でございますので、中国の参加ができるように外交的な進展があることが望ましいということだけ、現時点においては申し上げておくわけでございます。中国そのものがそういう規約の中で加盟国でないということで出展できないということかもしれませんが、こういう問題に対してはひとつ積極的な立場で検討してまいります、検討してまいりたいということで御了承いただきたい。
  125. 中村重光

    中村(重)委員 いまのお答えがございました中で、加盟国でなければならないということではない……。
  126. 田中榮一

    田中国務大臣 どうも、訂正いたします。加盟国でなく、外交関係のある国でなければ招請できないということになっているようですが、しかし先ほど申し上げましたとおり、中国との間には正式な国交を開くべく鋭意努力をしておる最中でございますので、これらの問題に対してはひとつ積極的な姿勢で検討してまいりたいということに訂正をさしていただきたい。
  127. 中村重光

    中村(重)委員 お答えとしては、何回お尋ねをしても積極的な検討という形でしか返ってこないのだろうと思うのだけれども、スポーツ関係も大体がそういうことなんだけれども、招請をして参加をしているわけですよね、外交関係はないけれども。そこで、「諸外国が外交上の経路を通じて招請されるものであり、」こうあるわけです。条約にも何もないわけです。ですから、外交上の経路は、日本との外交的な関係がある国々を通じて招請をするという手もあるわけだから、それも経路なんだ。だから、ただいま私が申し上げましたようなこと、大臣がいまお答えになりました積極的に招請をするよう検討するということは、中国にぜひ加盟をしてもらわなければならない。その他の共産圏の国々等々についてもしかりであります。そういうかまえでこれから招請をしていこうというお考え方をお持ちになっておられるのかどうか、その点についてはお答えができるのじゃないでしょうか。
  128. 田中榮一

    田中国務大臣 御質問の趣旨はよくわかりますし、私もよく理解をしているつもりでございますが、どうも少し勉強不足でございまして、この次にはよく答えられるようにいたしてまいりますが、いままでの万博というもので外交関係のなかったところを招請したことがあるのかないのかという例も必要であります。しかし、いままでなくとも、今度特殊な中国の問題である、全世界的な注目を浴びている問題でありますから、中国への招請に対してどうだということを聞くこともできると思いますし、いままでなくとも先べんをつけることはできると思います。いまあなたが述べられたとおり、同じ国際的な機構であってもオリンピックなどは国交がなくたってやっているじゃないかということ、いま御指摘がございましたが、私も、政治的なものじゃありませんから、海洋博覧会というようなものですから、そういう意味では言われることがよく理解できるということを申し上げておるわけであります。大阪万博になかったかなといま聞いたのですが、大阪万博には国交のない国はなかったと思います。しかし、そういうあなたの言われることもわかるし、私もそれを理解ができるわけでありますから、これはもう一つ検討さしてもらうということできょうは御了承いただきたい。
  129. 中村重光

    中村(重)委員 大臣が率直に勉強不足でとこう言われると、質問する私も資料を持ってきてないで、勉強不足で質問をしているような形ということ、事実そういうことなんですが、このテーマに「海洋」というのがある。その例示として4に「海洋の保全——海洋汚染防止」こうあるわけです。海洋博を開催するにあたっては、特にこの海洋の保全、海洋汚染防止ということについては、日本は残念ながら公害についてはきわめて不名誉な世界一の公害国であるわけですから、重大関心を持って対処していかなければならない、こう思うのですが、海洋博を開催するにあたって、特にこの海洋汚染防止の問題について、田中通産大臣としては、環境庁とも話し合いをし、いろいろと対策を講ぜられておる事実があるのかどうか、その点いかがでしょう。
  130. 田中榮一

    田中国務大臣 沖繩沖繩返還の記念事業として万博が行なわれる、しかも海洋博覧会が行なわれるということは非常に意義があるものだと考えております。その結果——沖繩の一次産業比率は非常に高いわけでございますし、言うならば開発途上国の、これから開発をして中進国へ、それから先進工業国へと移行する過程によく似ているわけであります。三八%から四〇%近くも一次産業比率がある沖繩を、本土並みもしくはそれ以上にしなければいかぬ。しかし環境保全を行ないながらということでありますから、十年、十五年後の沖繩の理想図というものを想定すれば、それ自体のプロジェクトが海洋博一つの目玉商品たり得る、私はこう考えております。また日本が、御指摘のように、いまでさえも海洋汚染とかまた大気汚染とか水の清浄化をはからなければならないといっておるときに、これから何倍も国民総生産が拡大をするという方向にあることを考えれば、やはり環境の浄化、海洋の汚染防止というような設備やいろいろな考え方、論文一つを出しても、これはそれなりに意義があるということで、沖繩海洋博には先進国でもまた開発途上国でも相当な関心を持っております。そういう意味で、御説のような問題に対しても成果を得るように十分配慮してまいりたい、こう考えます。
  131. 中村重光

    中村(重)委員 それからこの海洋博のねらいとして、第一に「沖繩と本土との一体感の回復」、二点目に「沖繩を本土と世界にPRし、沖繩を訪れる人口を増大する。」三点目に「道路港湾、空港等を整備して、近代的経済社会基盤を造成する。」それから四に「わが国海洋開発振興とこれを契機として沖繩海洋開発の拠点にする。」こうなっているわけです。  沖繩と本土との一体感の回復ということなんですが、一体感の回復ということになってくると、これはまず、沖繩日本に帰ってくる、そういったことから一体感という感じを強く出さなければならないという精神的な面を第一点としてあげているのか。あるいはそうではなくて、一体化を具体的にどう実現するか、また実現をしていかなければならないという考え方の上に立って、第一点にあげているのであるか。であるとするならば、経済的、文化的県民生活の水準の目標というものをまず立てなければならない、こう私は考えているわけですが、この沖繩と本土との一体感の回復という具体的な考え方について伺ってみたい、こう思います。
  132. 田中榮一

    田中国務大臣 この海洋博覧会が、二十余年の長きにわたって本土と隔離をせられておった、異民族統治のもとにあったというところに——異民族統治のもとに生まれた人たちがもう大学を出て、成人をいたして家庭を持っておるわけであります。そういう意味で、この阻害された、断絶ともいうべき四分の一世紀以上のものを、とにかく本土と沖繩を一体化したい。その意味で、復帰記念事業の最たるものとしてこの博覧会計画されたということでありますから、やはり気持ちの上では、精神的には本土と沖繩との一体化をはかる。これはまあお互いに百聞は一見にしかずでもって、行ったり来たりすれば人情も通うし、お互いに理解も深まる。日中間も同じでございますが、まず人的交流からということでございますので、おのずから本土との一体化は精神的にも具体的にもはかれるということでございます。しかも沖繩は山紫水明なところでございまして、本土で公害、公害と言っている人が行けば、非常に息を吹き返すような天然の恩恵に浴せるわけでありますから、そうすれば、沖繩に対する本土からの企業進出という面に対しても、そこでいろいろな注文も出てくると思います。具体的に沖繩の方々だけではなく、沖繩の若年労働力が本土にだけ一方交通で入ってくるということではなく、これから企業も新しい沖繩とのつながりを持って出ていくようなことになると思います。国際的にも、沖繩というもの、これはきょうも予算委員会で質問がございましたし、また商工委員会でもあったわけでありますが、例の東シナ海の問題とか、いま国際的に問題になっておる海底平和利用委員会でございますか、中国がいま提訴をするような発言をしておる、そういう機関も活発化しつつあるのでありますから、沖繩及び沖繩の周辺の開発というものは、これから国際的にもものを解決する端緒になるというふうに考えております。同時に、国際的に非常にむずかしい領海の問題とか、そういう学問的な問題を解決するのにも沖繩の周辺、大陸だな、エカフェでやったあの調査結果の実現というものに対してはいろいろなテーマを生み出すということで、非常に沖繩万博の目に見えない一つのメリットがあろう、こう思います。
  133. 中村重光

    中村(重)委員 私が大臣にこのことをお尋ねをしますのは、実は商工委員会鴨田委員長を団長にいたしまして私ども現地の調査をしたこともあるわけです。また沖繩の人たちとも絶えず接触をしておるわけです。なかんずく、この海洋博の問題に対して、沖繩の人たちの熱意というか誘致運動というものはきわめて活発であったということなんですが、そこで沖繩の人たちはこの海洋博をきっかけにして一挙に繁栄がもたらされるという期待を持っているということなんです。海洋博が開かれる、これの開催によって沖繩も変わってしまうんだ、そうした期待感、私は無理もないと思うのです。  ところで、一体化の問題なんですけれども、それでは具体的な政府の施策はどうかということになってまいりますと、たとえば中小企業関係一つをとってみましても、沖繩に対しまして出資であるとか、あるいは財政投融資等を金融面においても行なっていくわけですが、その際に、類似県であるたとえば島根県であるとか鹿児島県であるというところを標準にいたしまして、それに若干プラスアルファするという程度に資金をつけていくというやり方があるわけです。それから税金。関税関係にいたしましても沖繩のほうが低い。そこで五年間で同じにするんだと、こういうのですね。ところが五年たって沖繩の所得水準というものが、沖繩経済というものが飛躍的に発展をしていればいいわけなんです。まあよくはなったけれどもまだまだ低いということ。ところが低い状態で本土と同じにするということになってくると、私はやはり問題があると思うのです。沖繩開発が非常に進んだ、所得水準も高まった、それまではやはりそうした沖繩にとってプラスになるようないろんな諸制度というものは存置していく必要があるのではなかろうかという感じがいたします。それがまた沖繩県民の願望でもあるわけです。しかし一体感である、一体化をはからなければならない。二十六年間異民族の支配によって非常に苦しみ続けてきた沖繩、それに対しては非常な熱意を持ってやらなければならないということを口にし、今回の沖繩海洋博の開催にいたしましても、政府自体も期待を持っておるようでありますが、沖繩の人たちに対してもより大きな期待をそういうことで持たしておるということも事実であるわけでありますから、やはり一体化をはかっていくということになってまいりますと、具体的にその推進をどうするんだというようなことも、この海洋博の開催にあたってやはり一つの何といいますか、具体的な何かを明らかにしていかなければならないという感じが私はするわけですから、あえて大臣にこの点をお尋ねをいたしておるわけですから、いま少しく何か具体的な考え方に基づくお答えはできないものでしょうか。
  134. 田中榮一

    田中国務大臣 いま沖繩に対する類似県というと、佐賀県それから宮崎県、島根県というような県が大体類似県でございます。その中でもって一番工業化が進んでおるものはどこかというと、宮崎県でございます。だから宮崎県のようになることが望ましいということを私も考えておるわけであります。一番簡単に言うと、沖繩というのは第一次産業比率が先ほど申し上げましたとおり本土の約三倍近くある。二倍半あるわけでありますから、これは本土並みにするにしても、相当な比率でございます。これが一次産業から、言うなればはみ出す。はみ出してもいい労働力でもあります。ですから二次産業化というものを進めるとすれば、いま公害とかいろいろな問題でもって騒いでおるときでありますから、島をたくさん持つ沖繩でありますので、本土でどうにもならないような工場は島嶼を利用してというようにすぐ考える。在来の考え方なら、沖繩の二次産業化はそんなにむずかしい問題ではないと思うのです。ところがちょうど公害問題が出てまいりまして、これは沖繩のためにはよかったと思います。山紫水明な沖繩の自然環境を守りながら、沖繩に合った二次産業化をはからなければ、沖繩の水準は上がらない。どうしても本土にみんな出てくるわけであります。いま、低賃金だからということで、沖繩に対しては、下請工業、縫製工場などはたくさん出ていっておりますが、これは何年かうちには本土との水準が同じくならなければならぬことは当然でございます。沖繩の労働力が本島に定着して、しかも一次産業からはみ出す労働力が他の産業に吸収されなければ、沖繩県民水準は上がらないわけでありますから、そういう理想図をかくには私は五年という間ではむずかしいと思うのです。日本でもやはり二十五年かかったんです。ですから、まあ日本のように二十九年まではほとんど敗戦経済でどうにもならなかったということではないのですから、地盤ができた上に沖繩の向上をはかれるわけでありますから、スピードアップはされることは事実でありますが、五年で私は理想的なものができるというのはなかなかむずかしいとは思うのです。ただ、いままで、私が大蔵大臣の職にありましたとき、十年前でありますが、十年前には五、六十億の沖繩援助金を百億にするということでたいへんだったわけでございます。それが去年度は五、六百億、それがことしは二千億余ということであります。それは内容を見てみれば、沖繩の民生安定にそのままつながるものは幾らもないじゃないかということはあります。確かにそれは、ことしは二千億の中でも沖繩復帰ということで片づけなければならない仕事はたくさんあります。しかし二千億という台を、ワクを設定した以上、これは来年から、四十八年度からそのまま踏襲できるとすれば、民政安定につながるものは大幅にふえるわけでございます。そういう予算的長期見通しの中で沖繩というものの理想図をかかなければならない問題であり、沖繩返還が実現をした暁にはほうはいと起こってくる沖繩住民の希望、そういうものと本土が力を合わせながら理想図をかいていくべきものであって、いまかくと、やはりどうしても国会に出さなければならないペーパープランというふうに堕するおそれがあります。私はそういう意味で、これからもいろいろな衆知を集めて、沖繩県民ほんとうにこたえるような新しい沖繩の理想図というものと取り組んでまいりたい。私もいささか微力をいたしてまいるつもりでございます。
  135. 中村重光

    中村(重)委員 私はいまの大臣お答えは核心をついていると思うのです。やはり沖繩開発計画というものは立てられているわけですね。その中の重要な要素は、豊富な労働力なんですよ。その労働力が沖繩から流出をしてしまうということになってくると、これは開発が阻害されてしまう。だからその労働力をどうして流出することを防止するかということは私はきわめて重要な点である、そう考えているわけです。その点に着眼を置いた大臣お答えである、そういうことで私は核心をついている、こう思うのです。大臣はいまのお答えというものを十分実のあるものにするために、この計画というものが挫折をしないように、十分慎重に、そして決断をもって対処をしてもらわなければならない。そのためには相当無理もしなければならないであろう。ところが、少なくともいまの沖繩に対するところの政府の施策というものは、いま大臣は核心をついたお答えでありますが、現実はそういう方向にまだ進んでいない。政府考え方自体が非常におくれておるということ、その点をひとつ十分考えてほしいということを、強く求めておきたいと思います。  いまの大臣お答えにも関連をしてまいりますが、今度の海洋博の開催にあたって、第二点としてあげている「沖繩を本土と世界にPRし、沖繩を訪れる人口を増大する。」ということになってまいりますと、これは観光の問題になってくるわけですから、沖繩経済観光というものをどう位置づけをするのかという問題が当然一つの要素になってまいりましょうし、年次的にどの程度の人たち沖繩を訪れるということの計画になっておるのか、これは大臣ではなくて、担当局長からお答えをいただきたいと思います。
  136. 首尾木一

    首尾木政府委員 先生のお尋ねの観光の人数につきましては、ただいま私どものほうのあれとしては把握をいたしておりません。これは運輸省観光部のほうでその問題については扱っておるかと思います。  なお、私どものほうといたしましては、観光の問題でございますが、沖繩のすぐれた自然を守っていくということがきわめて重要な問題であると考えておりまして、特に特有の動植物あるいは海中景観のほうといったような問題が沖繩において重要な問題であるというふうに考えておりまして、復帰と同時に、現在政府立公園になっております沖繩海岸政府立公園及び沖繩戦跡政府立公園につきましては、いずれも国定公園に指定をする予定でございます。なお西表につきまして、これは現在政府立公園にいまだ指定になっておりませんが、近く政府立公園に指定をされる予定でございまして、復帰と同時にこれにつきましては国立公園に指定をするというような考え方でございまして、そういう公園に自然公園法を施行することによりまして、いわば健全な観光開発といいますか、健全な形で自然の保護をしていくというようなことに重点を置いて施策を進めたい、かように考えておるわけでございます。
  137. 田中榮一

    田中国務大臣 運輸省がおりませんが、ここに統計がございますから申し上げますと、沖繩を訪問する観光客の実績、六五年で日本人が四万九千人、外国人が一万五千人、計六万四千人でございます。それが七〇年になりますと、日本から十三万三千人、外国から三万九千人、計十七万二千人、こういうことでありまして、年率二〇%ぐらいずつふえている。これは沖繩海洋博からはもっとふえると思います。去年の実績がございませんが、去年は二十万人をこしておると思いますので、そういう意味からいえば相当な観光客が参る、こういうことであります。
  138. 中村重光

    中村(重)委員 通産省ということよりも、政府が、今度の海洋博だけではなくて、沖繩開発に対して、沖繩観光開発を進め、日本のハワイとするという一つの目標を掲げているのですよ。私どもがこの間沖繩に参りました際も、あの海上公園に行きました際、表を示して、年次計画を示してくれたのですよ。私どもが行ったときにそれだけの説明がなされた。委員長がそれは一番よく知っておるのだ。だから、今度の海洋博を開催するにあたって、そのねらいの中にこの観光というものは重要な柱になっているわけです。いま私が申し上げたように、沖繩観光開発を進め、日本のハワイとするというわけだ。そのためには、いま大臣お答えになりましたように、この海洋博を開催しなくて、ただ観光開発をやっていくということだけでこれだけの計画があるのだ、それで海洋博を開催するにあたっては、これは飛躍的に増大をしていかなければならない、これはこういうような計画になっていくのだというような答弁というものが、主催者にとっては当然出てこなければいけない、こう私は考えているわけです。まあ大臣からお答えがありましたから、次のお尋ねに移ります。  そこで、第三点としてあげている「道路港湾、空港等を整備して、近代的経済社会基盤を造成する。」とある。そこでお尋ねしたいことは、海洋博の関連公共事業といたしまして一千億円ともいい、あるいは一千六百億円の投資をするというように試算をしておるわけですが、これに対して地元負担を伴うのかどうか。地元負担を伴うとすると、何%ぐらいの地元負担になるのかということと、それから関連施設というものは恒久的な施設になってくるわけでありますから、この恒久施設沖繩の社会、文化、経済発展にどう位置づけるのかという点はきわめて重要な問題点でありますから、私はこの点を明らかにしていただきたいと思います。
  139. 本田早苗

    本田政府委員 お答えいたします。  関連施設整備につきましては、沖繩の財政事情等もございますので、国の直轄事業でやるというような形で、上水、工業用水の水の開発も地下まで一〇〇%でやる。それから国道等についても一〇〇%でやるということで、国の負担によって関連施設整備をはかるという考え方でおるわけでございます。
  140. 中村重光

    中村(重)委員 それでは答弁にならない。それだけではなくて、そういう恒久施設というものは沖繩の社会、文化、経済の発展にどう位置づけていくのか、そういう一つの具体的な計画というものがなければいけないでしょう。あと地利用のような問題もあとで尋ねますけれども、そういうものとも重要な関連を持つのですよ。私の質問は無理じゃないでしょう。
  141. 田中榮一

    田中国務大臣 沖繩振興計画はもうすでに御承知のとおりでございますが、沖繩振興計画に対しても、地元には本土各府県と違って負担能力がないということで、高率な補助を行なったり、また直轄でやれるものは直轄区分を拡大することでもってやろうということで計画をお示ししていることは御承知のとおりでございますが、万博関連の事業は、万博の場所がようやく本部にきまったような状態でございまして、本部にきまったら直ちに道路をバイパスとしてつくらなければならないところ、また工事費を積み上げて出さなければならないところ等、いま検討しております。本部には小さな飛行場がありますが、飛行機を直接つけられるようになるのか、また船で送るものは港湾整備をどう必要とするのかということは、いまようやく万博の場所がきまったということで、それに合わせて現地連絡をとりながら早急に環境整備を行なおうということでございます。これらに対しては政府が主体になって行なうことでございますので、沖繩住民に対してはなるべく負担がかからないような方法でやってまいりたいということでございます。また具体的なものは、本部がようやくきまったということでございまして、これから計画書をつくり予算措置を行なうということでございますので、御了解をいただきたいと思います。
  142. 中村重光

    中村(重)委員 急に、唐突としてこの問題が出てきたわけじゃないんですよ。海洋博を開催をするということになりましたのは、海洋開発の拠点として沖繩はきわめて適地である、そういったような考え方からも沖繩海洋博を開催をするということになったんでしょうけれども、それだけじゃないと思うのですね。日本に帰ってくる沖繩、これをいかに開発をし、いかに発展をさしていくかということが、私は大きなねらいとなっておる、基本となっておる、こう思っておるのです。通産省日本リサーチセンターなどとまとめた計画というのがある。これによりますと、海洋博のねらいは、沖繩を世界の海洋についての開発と学術研究の中心とする、沖繩産業、社会発展の原動力とする、本土と沖繩の一体化の確立、沖繩観光開発を進め日本のハワイとする、わが国の海洋開発振興など、こういうものを実はあげているのです。それから先ほど私がねらいとしてあげている第三の「道路港湾、空港等を整備して、近代的経済社会基盤を造成する。」とあるのは、これは会場建設の関係じゃないのですよ。恒久施設なんですね、その点は。したがって、この恒久的な施設を行なうことにおいて、沖繩の社会、文化、経済というものを飛躍的に発展をさせていかなければならないわけですけれども、そういう中にいかに位置づけをしていくのかということは、当然いままでずっと検討してきた。申し上げましたように日本リサーチセンタなどと一緒にずっとまとめてきたわけです。そういうことで、具体的なものは実は持っているはずなんです。だから私がお尋ねをしているようなことは、むずかしいお尋ねをしているのではない。それだけではなくて、むしろ私は、いまの琉球政府沖繩がこちらに帰ってまいりまして、沖繩県の財政収入の中にどうこの観光収入が位置づけられるのかといったようなことまで、お答えが当然出てこなければならない、そのように思っているのです。
  143. 田中榮一

    田中国務大臣 お話はよくわかるのですか、沖繩でもって万博の基地をどうするかというところは、この間までもめておった——もめておったわけじゃありませんが、いろいろな複数の候補地がございまして、中でも糸満にするか本部にするかということでございまして、その場所がきまらない限りにおいては環境整備もなかなかできないわけでございます。今度ようやく本部にきまりまして、まず場所は本部である、そして三百六十万人の人が参ります。そうすると、そこで本部と空港をつなぐ道路の幅員を一体何メートルにしなければいかぬのか、それから陸送のものは、現地がいっておるように道路だけではなく、鉄道をひとつつくれという要望もいま出ております。鉄道をつくるなら、少なくとも道路をもっと広げるということがいいではないかということもいま検討しているわけであります。ことしは空港整備費二十八億円、港湾整備費二十五億円だと思いますが、これはもちろんことしのただ予算として計上しておるだけでございますが、三百六十万人と想定した人を陸路を一体どうするか、それから海路をどうするか、空路ででも送らなければならぬ、それからいまの那覇空港に入らないで現地にある空港から小型機が飛ばせられるのか、また本土からあそこの港湾に直接行く船があるのか、船であるとすればその船を何隻建造しなければいかぬのかということは、いまようやく本部がきまった段階においてこれから積み上げるものでございます。ですから実際において現実的にはこれからなんです。いまそういうことを山中総務長官を主体にして検討してもらっておるわけであります。ですからこれらの事業を行なう場合には、万博のためだけでなくて、沖繩経済発展のための動脈になるように考えなければなりません。もちろんそういうことであります。しかし現実には沖繩万博をやらなければならない政府の責任もございますから、沖繩で負担ができなければ工事ができないで済むというものじゃございません。これは率直な話をすれば、沖繩で負担できないものであれば政府がこれを行わなければならないという趣旨のものでございます。だからいま私と山中君と話をしておるのは、現地から一日でもって那覇に帰ってくる者、その他でもって民宿ができるのではないか、そういう問題に対しては、やはり現地で泊めるものも相当考える。そうして宿舎は万博のためだけでもってバラックを建ててというのではなくて、鉄筋コンクリートでもって少し代表的なものを建てる、そうして間仕切りは、あたたかい沖繩ですからベニヤでやっておいてもいいではないか、そうして万博が終わったあと、その建物を沖繩の物産館のようなものに使うとか、沖繩の博物館に使うとか、沖繩の将来のために残るようなことでもって規模をきめてまいろう。そこでもって少しくらいけちったところであとから沖繩のためにならないということをいまお互いに議論をしておる段階でございますので、こまかい道路は幾ら、港湾は幾ら、飛行機が何台というような計画はこれからであるということを御理解いただきたい。
  144. 中村重光

    中村(重)委員 大臣、私がお尋ねしておるのは、会場がどこにきまろうとも、そういうことは道路のつけ方とかなんとかいうことが変わってくるということであって、あとは同じことなんです。私がお尋ねしておるのは、沖繩日本に帰ってくる、そうして沖繩振興開発をこれから進めていくということについては、政府がずっといままで検討を進めてきた問題なんだ。だからして会場がきまらなければ私がお尋ねしたことにお答えができないということにならない、こう考えておるのです。  それから会場の問題にいたしましても、先ほど来、大臣が御出席いただきます前にいろいろとお尋ねしたのですが、それは会場決定をするということについては三つの候補地があってだいぶ時間がかかった、それでおくれたということはわかりますが、もう三年足らずの間にほんとうにこれができるのであろうかという不安は、少なくとも政府の答弁を聞いたすべての議員が心配しておるところなんです。建設省からもお越しを願っておりますから、このことについても建設省の見解も伺っておきたい、こう思うのです。  その前に私は大臣考え方をお尋ねいたしますが、海洋博を開催するにあたりまして建設計画をお立てになるわけですが、この建設計画をお立てになる、これは会場の建設の関係になるわけですが、恒久的な道路港湾の問題ではなくて、会場の建設計画をつくるにあたって、このあと地の利用というものをどうするかという問題なんです。沖繩という特殊性から考えまして、この会場の建設計画とあわせてあと地利用計画というようなものも当然考えて建設計画は進めなければならない、こう私は考えるわけでございますが、これはこれからやることでございますから、大臣はどのようにお考えになりますか。
  145. 田中榮一

    田中国務大臣 あと地は沖繩の将来の発展のために十分利用されるものでなければならないということで、これは沖繩県と地元及び総務長官の沖繩対策庁との間でもって十分議論をしてもらうということで、もう海洋博は終わったからそれでいいんだということにならないように考えてもらうということでやっております。  それから、御参考までに日本万博協会の建設資金を申し上げますと、五百二十四億ということになっております。国庫補助金が二百五十億、地元補助金が百二十六億、競輪、競艇等が十五億、電電、国鉄、専売等の公社が八億、宝くじや競馬や切手が七億、施設参加、財界の寄付が六十億、これで借り入れ金が五十億ということで、五百二十四億でバランスをとったわけでございます。まあ大阪の万博は全体で千七百五十六億もかかっておるわけでございますから、計算いたしますと、沖繩海洋博は四百三十億ないし五百五十億くらいはかかるだろう、これは会場費が百九十億から二百二十億、政府出展が百七十億から二百億、外国政府の出展が二十億ないし三十億、企業の出展が五十億ないし七十億、こうしますと四百三十億ないし五百五十億ということになりまして、このほかに道路港湾、その他の整備は別に計上されるべきものだ、こう考えております。
  146. 中村重光

    中村(重)委員 それでは、もう時間がありませんから簡単でけっこうですが、環境庁の首尾木自然保護局長それから建設省の井上企画課長もお越しですから、先ほど私がテーマとしてあげている海洋の保全、海洋汚染防止の問題について、環境庁も海洋博を開催するについて決意も新たにということよりも、特に海洋汚染防止の問題について何かいろいろと検討をされておるということがないのかどうかというようなことについて、通産大臣からお答えございましたが、具体的な点についてお答えをいただきたい。それから建設省からも、私どもは非常に心配いたしておりますから、この建設計画の時間的な問題についてどのようにお考えになっておられるのか伺っておきたい。
  147. 首尾木一

    首尾木政府委員 せっかくのお尋ねでございますが、海洋汚染防止の関係は水質保全局のほうの担当になっておりますので、私の所管外のことでございますのでお答えできませんが、一応環境庁といたしましては、海洋博の問題に関しまして、今後その実施について十分関係当局のほうの会議に参加いたしまして積極的な案を出していこう、かように考えている段階でございまして、当然海洋防止博の問題につきましては、そういう海洋汚染の防止の問題をはじめといたしまして、自然保護をも合めまして、そういうような点で具体案を出していきたい、かように考えておるわけでございますが、現在のところ、そのような具体案まで固まったものになっておりません状態でございます。
  148. 井上孝

    ○井上説明員 お答え申し上げます。  沖繩海洋博に関連する道路事業のことでございますが、先ほど通産大臣がおっしゃいましたように本部にきまりまして、実は何カ所かございました候補地のうち、本部は中心の那覇から一番遠いところにございまして、道路整備という観点から見ますと一番不利な場所にきまったわけでございます。ただ、きまりました以上は、道路整備も十分な対策を講じまして観客の輸送に万全を期したいと思って、ただいまいろんな計画を検討中でございます。  大まかな見通しを申し上げますが、私どものただいまの見解では、沖繩地元海洋博に関連いたしまして非常に強く御要望のございます北部の縦貫道路につきましては、再度にわたり調査団を派遣しました結果、建設を完了いたしますには六、七年を要するということがわかりましたので、この縦貫道を海洋博までに完成させるということはまず不可能という結論になっております。それにかわるものといたしまして那覇から名護に参ります道路、ただいま軍道でございまして将来国道になると思いますが、一号線という道路の拡幅整備を促進をするということが一つございます。ただこの一号線は仲泊から名護の間は海岸線を通っておりまして、これを四車線以上に広げるということは技術的に不可能のようでございます。それをリリーフする対策といたしまして、仲泊から東海岸に出まして石川から十三号道路を使って、再び百八号、百二十二号という道路を使って横断をいたしまして名護へ出る。それから本部半島は循環道路整備する。大まかなことでございますが、こういう計画を中心にただいまこまかく検討中でございます。  以上でございます。
  149. 中村重光

    中村(重)委員 時間がありませんからいずれまたお尋ねしますが、通産大臣にあと地利用の問題について。  これは附帯決議もつけますが、私どもが心配をし、また沖繩県民が非常に心配をしておりますのは、このあと地を米軍であるとか自衛隊の基地に転用、併用するようなことはないかということでございますから、通産大臣から、絶対にそういうことはさせないということをはっきりお答えをいただきたいと思います。
  150. 田中榮一

    田中国務大臣 海洋博そのものが沖繩経済発展をこいねがっているものでございますから、あと地を軍用に供するというようなことは絶対いたしません。絶対いたしません。このあと地は新しい沖繩経済開発のためにこそ利用せらるべきものである、こう確信をいたしております。
  151. 中村重光

    中村(重)委員 警察庁の勝田審議官にお尋ねをします。  海洋博を開催をすることになってまいりますと、たくさんの外国人あるいは本土からも、先ほどからお答えがございましたが、多くの人たち沖繩を訪れることになります。当然治安当局といたしまして、沖繩が米軍の基地であるだけに非常な関心を払われるであろうことはわかるわけでありますが、まだ先のことといいながらもいろいろとそれなりの検討をしておられるのではないかと思うのでありますが、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  152. 勝田俊男

    ○勝田説明員 海洋博の開催の趣旨にのっとりまして、明るく、何らの事故もなく円滑に実施されますように、警察といたしましても全力を尽くしてその体制の万全を期したいと考えるところでございます。  警察が担当いたしますのは道路交通秩序の維持あるいは会場内における雑踏の整理あるいはその他の各種の事故の防止ということになりますが、道路交通の問題につきましては先ほど建設省のほうからお話がございましたが、道路の建設の状況等もよく連絡をとりまして、必要な交通規制も行なってその円滑を期してまいりたい。それからその他各種の問題につきましては、今後の情勢をよく見ながら体制をとってまいりたいと思っております。今後の治安情勢といいますのは、何と申しましても沖繩本土復帰という大きな転期を迎えるわけでありますので、いろいろ治安情勢についても流動的な面もあろうかと思います。今後の治安情勢につきましては十分に配慮をしながら、この海洋博の万全を期するようにしてまいりたいと考えております。
  153. 中村重光

    中村(重)委員 治安の維持ということについて警察当局が関心を払われるということは当然でありましょう。ですけれども、米軍の基地であるということであまりにも神経過敏になり過ぎて、治安の強化というような形にとらわれ過ぎると、沖繩博の空気を重いものにする、暗いものにするという形になってまいりますから、その点は十分配慮されて、明るい沖繩、明るい海洋博、こういうことについて十分留意をしていただきたいということを強く要求いたしておきたいと思います。  これで終わります。
  154. 鴨田宗一

    鴨田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  155. 鴨田宗一

    鴨田委員長 次回は、明二十九日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することにし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十一分散会