○
中村(重)
委員 私は無
責任に言っているんじゃないのです。その特別
被爆手帳を交付される境界線、これはどこに境界をきめても、そこではずれたところは文句が出るのはあたりまえのことなんです。それから二キロ以内、三日以内、これを、だめなんだから撤廃しろというような
考え方は毛頭持っていない。事実、これは二次
放射能におかされている人が救護作業を
——私も当日から救護作業をやったわけですけれども、遠くから来た人が救護作業をやっているのです。それはそれでいいのです。それももっと五日以内くらいに
緩和されたらどうか、こう申し上げたい。
それはそれとして、ともかく両市、その周辺、熱線、爆風、それに影響を受けたような地区は、もう距離制限を撤廃して、それで特別
被爆手帳を交付する。そこまで踏み切られる必要がある。もうその段階にきている、こう申し上げたい。それは
程度の差はありますけれども、影響を受けていることは事実ですよ。健康を阻害されていることも事実なんです。
それから、近距離
被爆者が
——私も分厚い、精細に
調査した
資料を持っているのですが、近距離にいた
被爆者は
認定被爆者に変更する必要があるという要求は、無理もないと思っている。この点は、
厚生省、どうも非常に頑強にこれに抵抗していらっしゃる。この近距離
被爆者に対しては
認定被爆者としての
取り扱いをするということもほんとうに真剣に取り組んでみてもらいたい、こう思います。
それから、いろいろと
お尋ねをし、問題提起をしたいこともあるのですけれども、時間の
関係がありますので省略をいたしますが、いま
健康管理手当の申請をするにいたしましても、あるいは更新するにいたしましても、非常に
手続がうるさい、手数料を取られる。一回一回、医者の証明が要る。ところによりましては、申請をします際に毎回医者の診断書をつけなければならないというようなこともあるのです。非常に煩雑なんですね。だから、
被爆者団体がかわって費用を負担してやったり、それからいろいろな
手続をしてやっているという
実態もありますが、そういった点はほんとうにサービス精神を発揮して、
調査もし、
被爆者の
実態に即するようにひとつやっていただきたい。
それから
健康管理手当の
支給を受けますために医者が出します診断書ですが、この「
障害の種類」というので八つが記せられてあるのです。それから「疾病と原子爆弾の
放射能の影響との関連」というのに、一
放射能の影響によるものであることが明らかである。」というのが1。2が「
放射能の影響によるものでないことが明らかである。」、3が「
放射能の影響によるものであるか否か不明である。」、この三つのどちらかにまるをつけろ、こういっている。医者はなかなかそう簡単に1と3とにはまるをつけられにくいのです。どうしても「
放射能の影響によるものでないことが明らかである。」というのにまるをつけがちです。これは
厚生省は非常に無
責任だと言っています。これはどういう点が無
責任というのかということ等も私は詳しく伺っておりますが、もう時間がありませんから、それはあなたのほうでひとつ
被爆者団体の声を聞いてください。そしてこれも
実態に即するようにしてもらいたい。ほんとうに
厚生大臣がお答えになりましたように、
被爆者に対する手厚い
措置を講じていこうとする
考え方であるならば、逆の作用をなしておるこの事務
手続、いろいろな処理に対して、これを改めるようにしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。
それから、
厚生大臣から先ほどもお答えがございましたが、この公務
障害によったもの、いわゆる先ほどは防空業務に従事をしたというようなお話がありました。端的に申し上げまして警防団員です。それからいま七万円の
見舞い金を受けております人たちとしては
長崎医大の学生、看護学校の生徒というのがあるわけですね。これらの人たちに対しては七万円の
見舞い金を
支給をして、これで終わりだという
考え方を持っていらっしゃる。これは適当ではない。当然総動員法によって軍人軍属遺族等
援護法の
対象になっているものが、動員学徒であるとか、徴用工というものが
対象になって扶助料を現にもらっている。あるいは先ほど申し上げましたように、
障害を受けた人は
障害手当をもらっている。ところが、いま申し上げた警防団員とか、それから医大の学生とか看護学校の生徒とか、いわゆる防空業務に従事した者、
医療従事者というものが、その軍人軍属扱いにされていないということは、私はこれは問題であると思っております。
しかし
斎藤厚生大臣は、前回
大臣をしていらしたときに、先ほどもお答えがありましたような、同じような
趣旨の御答弁をなされております。これらの人たちに対しましては、当然
国家補償的な、
援護法的な
考え方で
考えるのも一つの
考え方だが、「それも含めまして前向きに検討してまいりたい、かように思うわけでございます。現在のたてまえのような社会保障的な
特別措置ということでありますと、すでになくなってしまった人にさかのぼってするということは、ちょっと筋道が合いません。しかし、
原爆被害に対する
特別措置を、現在のようなたてまえでなくて、
国家補償的な
援護法的なものに変えるべきじゃないか、こういう御
意見も先ほど山田さんからもございました。これは一つの
考え方だと思います。そういう
方向について全体として検討いたしたい、かように思います。」と答えております。私は、防空法に基づくところの扶助令でもって警防団員特別支出金を支出したのではないかということについて
お尋ねし、これは松島、当時の消防庁長官からずっとお答えがあっておりますが、
斎藤厚生大臣からなお非常に積極的な御答弁があっておりますのは、私が「防空監視員は軍属と同じくした、公務で死傷した者を
援護法の
対象とすべく検討中である、」これはその後
対象になっておりますが、「
原爆に限定しない、公務従事中による死傷者全部を含めるのだ、こうお答えになっておられます。これはいま私が申し上げましたように、防空業務に従事中、あるいは
医療従事者のように教育訓練を受けておるというような場合、具体的に申し上げますと警防団は言うまでもない。それから看護学校の生徒あるいは医大の学生、あるいはその他いわゆる防空法に基づくところの業務に従事した者ということになるわけですが、そういうものを称して公務ということになるのだろう、
大臣もその
意味でお答えになったのだろうと私は思うのですが、いかがでございますか。」と、「そういう
意味で検討をいたしたい、かようにお答えをいたしました。いまもそのとおり
考えております。」こういうことで、それじゃいま検討しておるということであるが、次の国会で取り上げていくということを
大原、山田
委員にも答えているが、その点
考え方は変わらないかということに対して
斎藤厚生大臣は、「できるだけ間に合うように
援護問題懇談会でも審議をしていただきたい、かように思っております。なかなか
調査その他がめんどうな点もあろうと思いますが、できるだけこれを克服して、次の国会には実現のできるように進めてまいりたい、そういう気持ちで検討いたしております。」とお答えになっているわけであります。
これは具体的な私の、あるいは
大原委員、当時の山田
委員の
質問に対してのお答えでございます。ところが今日に至りますまで、まだ警防団員に対しましても、あるいは
長崎医大の学生に対しましても、あるいは看護学校の生徒に対しましても、七万円の
見舞い金が
支給されただけ、少しも前進をいたしておりません。これに対してどのようにお
考えになっておられるのか、どう
措置されるのか、この点をお答えをいただきたいと思います。