○川田
説明員 お答えいたします。
御指摘の馬上金山に基因いたします
土壌汚染については、農林省の補助事業として、障害性物質特別調査ということで大分県に補助をして実施した調査でございます。その結果によりますと、いまお話がございましたが、立石川の流域、倉成地区等において、
土壌中の砒素含量が高い。大分県の調査の結果によりますと、一五〇
PPMから二五〇
PPM、特に粘土質で地下水の高い
土壌においてかなりの被害が出ておるというような報告を受けております。
こういうことに対しまして、大分県は
対策を
考えておるわけでございますけれ
ども、それについてはどういうことを
考えておるかと申しますと、今後のことでございますが、まず当面の
対策を
考えております。その中身を申し上げますと、砒素というのは、御承知のように水田の中に入って、地下水が高くて
土壌が還元
状態になりますと、亜砒酸になります。亜砒酸というのは微量でも作物の生育に非常に影響いたします。ところが、
土壌がかわいた
状態になりますと砒酸になります。ですから、含量が同じでございましても、被害というものは著しく軽減される、そういう特徴がございます。そういうことからしまして、大分県は、水稲というのは水をだぶだぶ張ってつくるというものではございませんで、水が必要な時期というのは水稲の生育期間がたとえば百二十日ぐらいとしますと、五十日ごろに幼穂形成期というのがございますが、そのうち一週間ないし二週間というのは最も重要な時期でございます。ですから、その時期に水を張って、それ以外のときはできるだけ節水栽培をする。それからもう
一つは、分けつ最盛期には無効分けつを少なくするというような意味で、その時期にかわかしますと、それだけ収量が高まるということがある。また、かわかすということは
土壌中における砒素の行動についてもいい影響がある。そういうことから中干しをやる。それからもう
一つは、石灰だとか苦土を入れますと、難溶性の塩をつくりまして溶解度が低まる、そういうようなこともございます。そういうことで、当面の
対策といたしましては、その地区に対してそういうようなことを農家にきめこまかく指導する。これにつきましては、大分県の報告では、相当の効果が認められるのではないか、そういうように申しております。
今後のことでございますが、農林省といたしましても、
環境庁、大分県とよく
連絡をとりまして、必要な
対策を打っていくようにいたしたい。先ほど申し上げましたように、砒素につきましては水田の
土壌の
状態によりまして違いが出てくるものでございますから、土地利用を含めて今後どういうぐあいにするかというような
検討をいたしたいと思います。
なお、つけ加えて申し上げますと、現在大分県が調査いたしましたのは全部で五十ヘクタール、地区数として七地区でございます。そのうち、特に被害がひどいと先ほど先生からお話のありましたのは十二ヘクタールぐらいではないか。それからもう
一つは、
土壌のタイプが、これも大分県で調査いたしておりますが、先ほど砒素は
土壌の
状態によっていろいろ変わるということを申し上げましたけれ
ども、タイプは四タイプあるようでございます。ですから、今後ともそういう
土壌のタイプを念頭に置きまして、それとの関連を見出しながら指導をきめこまかくやっていきたいと
考えております。