○後藤
委員 第一番に、白書につきまして二、三お尋ねしたいのです。
この五ページにあります厚生省の統計による四十五年度の死亡
事故は、二万一千五百三十五名になっております。ところが、先はど読まれました
報告の
説明では、
死者が、これは四十六年でございますけれ
ども、一万六千二百七十八人、昨年より二・九%の減である。これまで講じてきたいろいろな諸
施策がその功を奏したのだ、こういう言い方がしてあるわけなんです。
私、
考えてみるときに、厚生省発表の統計と、それからいま言われましたところの
警察庁の資料による統計とは食い違いのあるのは、その通りだと思います。二十四時間以内の分と、二十四時間ではなしに、
交通事故が
原因で死亡したのだと推定される数が厚生省の統計には入っておる。そこで、四十六年度は厚生省の統計で見ると一体どうなっておるのだろうか。
私、なぜこういうことを聞くかといえば、
政府としても、さらに自治省としても、いろいろ御心配を願っている
関係で、救急医療というのは、不足不足といいながらも前進しつつあると思うのです。そうなってまいりますと、この厚生省
関係の統計の中には、その
効果も含めてあらわれてくると思うわけです。そうなると、先ほど
長官が言われましたように、四十五年度に比較しますと四十六年度は死亡率が二・九%の減であります。ところが、いま申し上げました医療設備等の充実によりまして、
交通事故にあったけれ
ども、たとえば極端な話が、十年前にやりました
交通事故が、いまは非常に手当てがよくなって助かった、あるいは半年もった、一年もった、こういうのも、この厚生省の統計の中には入るわけなんです。そうなりますと、四十六年度の厚生省の統計が一体どういうことになってあらわれるだろうか、これはやはり興味のあるところであり、さらに重要な点ではないかというふうに私としては
考えるわけなんです。先ほど
長官が言われましたのは、ただ、
交通事故を起こして二十四時間以内に死んだ者が減ったという簡単な言い方なんですね。そうではなしに、
交通事故によってどれだけ一年間に死亡した人があるだろうか、このことのほうをかえって重視すべきじゃないかというふうに、私はこの白書を見まして感じたので、この点、第一点としてお伺いいたしたい。
それから二つ目の問題でございますけれ
ども、これもやはり白書の中にありまして、二一一ページから二一二ページにある責任保険の問題です。これは運輸省
関係でございますか、
昭和四十一年に百五十万になり、四十二年に三百万になった、さらに四十四年には五百万、今日、四十七年で五百万、こういうように責任保険の金額が改定されたことは、御承知のとおりだと思うのです。ところが、今日の
事故の
状況から
考えてみますと、たとえば死亡
事故を起こした場合に、はたしてこの責任保険だけで解決ができるかというと、具体的に示談の問題に入りますと、四百万、五百万、六百万ではなかなか解決できない
事故が非常に多いと思うのです。さらに、われわれがタクシーなりその他
自動車に乗っていろいろ話を聞いてみますと、極端な人は、五千万円ぐらいにしたらどうだ、それぐらいの力のない人に
自動車を持たすことが間違っているのだ——これは私が言うわけではないのですが、そういうことを言う人もあるわけなんです。そういうような点なり、示談の点なり、金額の点等を
考えてみますと、四十四年十一月に改定した五百万のままで今日来ておる、このことについて、金額の点等で
検討すべき段階に今日来ておるのじゃないかと思うのです。ほとんどの人が任意保険に入るならば、これはまた心配も一部は消えるかもわかりませんけれ
ども、この白書の中にも書いてありますように、任意保険に加入しておる
人たちは、ゆうべもちょっと見たわけでございますけれ
ども、約半数ぐらいじゃないかと思うのです。高い人の中には三千万円からの保険に入っておる人もございますけれ
ども、……。ところが、一たん
事故を起こしてしまえば、相手に力があろうとなかろうと、
被害者のほうはたいへんな問題なんです。そこで第一番に問題になりますのが責任保険の問題だと思うのです。そこで相手に支払い能力があるかないかというようなことが問題になってくるわけなんですね。
そういうようないろいろな情勢から
考えると、この五百万というのは、はたして今日の情勢で妥当であるかどうか、これは早急に
検討すべき問題ではないかというふうに私は白書を通じて感じましたので、この点、
長官としてはどういうふうにお
考えになっておられるか。
それとあわせて、その問題につきまして当
委員会でも一ぺん問題にしたことがあるのですけれ
ども、この責任保険の保険料に対する免税の問題ですね。ほかの保険と名のつくものは、掛け金に対しまして全部免税となっておると思うのです。ところが、
自動車保険だけは全然税金のことは
考えておらないわけなんです。責任保険といえ
ども、やはり税金をどうするという
考え方は一切入っておらぬわけなんです。これは一体どういうわけでこういうようなことになっておるのだろうか。先ほどの話じゃございませんけれ
ども、
自動車はどんどんふえてくる、
事故は多くなる。
事故を起こした場合の示談その他の問題につきましても、
全国的に多くの問題をいま巻き起こしておる。それだったら、
事故を待つというかっこうじゃございませんけれ
ども、それに対処するだけの姿勢、責任ということだけは
政府としても十分
考える必要があるのじゃないかと私思うわけなんです。あわせてそういう人に対しては税金の面でも十分考慮していく。ほかの保険が全部やっておるのですから、これだけやれないということは私はないと思うのです。この点について
長官としてどういうふうにお
考えになっておられるか。
この三つの点の質問をいたしたいと思います。